ハッ…!ハッ…!ハッ…!

走りながら副会長に電話をかける。お願い、出て…

『プルルルル…プルルルル…ガチャ』

『か、会長?どうされたんですかこんな時間に』

「ふ、副会長っ。い、今そちらにっ。ハッ向かってますっ」

『えぇ?!そんな、大丈夫なんですか?会長のお家は門限が』

「そんなっ、こと!」

ハッ…!ハッ…!ハッ…!

「今は!ッフ、どうでも!いいんです!ッ!ハッハッ」

『…?かい、ちょう?』

電話越しの副会長が戸惑いの声を出す。当然だ。逆の立場なら、私も同じだろう。いや、もしかしたら電話を切るかもしれない。

でも…

「でもっ!」

お願いだから…

「あとっ!少しっ!」

電話を、切らないで

「副会長ぉ!」

「会長!」

見えた。

副会長。心配になった家の外に出たようだ。

菜々「ハーッ!ハーッ!ハーッ!」

副会長「か、会長!だ、大丈夫ですか?その、息が」

副会長が何か言ってるが、気にせず腕を掴む。

副会長「へっ?!///」

菜々「副会長、走りますよ!」

副会長「………え?」