璃奈「ツナガル心が私の力」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
――残された時間は少ない
――僕はそちらには行けない
――けれど恐れないで
――扉はまだ閉ざされている
誰かが語りかけてくる、どこか懐かしさを感じる声だ。
「これは夢…?」
周りを見渡してみるも、私が立っている場所以外は虚無が広がっている。
―――ここまで来られるかい?
「……」トコトコ
我ながら不用心だな、と思いながら歩き出す。
夢の中くらいは従ってやろうという優しさである。
「!?」
声に従うと自身の周りに台座が現れた。
なんとも不可思議な内容の夢だ。 ―――キミの中に眠る力
―――――力はカタチになり
――カタチは力を与える
つまりはどう言う事なんだろう。
あまりにも抽象的すぎる。
――キミはどんな力を望む?
3つの台に『剣』『盾』『杖』が浮かんでいる。
「選べって事?」
この問いに意味はあるのだろうか。
いや、無いに違いない。
夢に合理性を求めるのは間違いだ。
「なら私は盾を選ぶ」
――守り抜く力
――仲間を助ける 優しき強さ
――全てを拒絶する 臆病な盾
痛い所を突いてくる、この声の主は性格が悪い。 ――これがキミの求める力?
「うん。仲間を助ける力を私は欲しい。それが臆病なら私はそれで構わない。」
――それがキミの選んだ力
――それじゃあキミは
――そのために何を差し出すの?
「私は…」
力で争うのは簡単。でも私は人と人との心の繋がりを信じたい。誰とでも愛さんや同好会の仲間たちの様になれるって事を――。
「私に剣は必要ない」
――キミは選んだ 守りぬく力を
――キミは差し出した 攻めこむ力を
――これがキミのカタチなんだね?
「うん、そうだよ」
答えると自身の影が不自然に伸びていき、その中から影の塊が浮かび上がり動き出す。 ――キミには戦う力がある。
――『キーブレード』
「キーブレード…」
突如小気味良い音を立てて右手に何かが現れた。
「鍵?」
鍵にしては巨大だが確かに形状はスケルトンキーを模している。一方で金色の柄の部分も存在しており武器として使えなくもない。
――これがキミの"生きる"力
――キミはたたかわなくちゃならない
――その力を狙うものたちと―――
「わぁ」
影の塊が飛びついて来た。
が、反射的に避ける事ができた。
「これで戦えって事…?」 何がスゴいってこの文だけでBGMが脳内再生されること
キンハはやりこんだなー 手に握られたキーブレードなる物を見る。
もちろん戦った事など生まれて一度もない。
だけどやるしかない。
「おりゃ!」ドスッ
力任せに叩いただけだがどうやら効いているみたいだ。ならばこのまま。
ドスン
「!?…痛…くない…」
攻撃した隙に体当たりをされ、体勢は崩されたが痛くはない。夢なのだから当たり前だ。
再度力任せに叩く。
「えいっ!これでっ!」ドスッドスッ
シュワン
「消えた…」
一体何なんだこの夢は。
あんな生物は見た事がない。 諸々考察をしていると瞬間、眩い光に包まれた。
目を開けると――。
「…ここは部室」
見間違える事などない、紛れもなく愛しの部室だ。
――まだだよ まだ扉は開かない
――その前にキミの事をもっと教えてよ
謎の声がしなくなり、部室に人がいる事に気がついた。普段は数人でもいると騒がしいのに静かすぎる。 「彼方さん」
ここまで綺麗にソファーに座っている彼方さんを見るのは初めてだ。
「あなたにとって一番たいせつなものってなに?」
「友達だよ」
唐突な質問だったけど考える前に口が動いてた。
「友達ってそんなにたいせつ?」
!?
「んなっ」
夢だから、と割り切っても彼方さんの口から言われるのは少し堪える。
よし、やるならやるぞ!とレスバする気は満々だったのだが、話しかけても無反応になってしまった。 「次は…」
「歩夢さん」
座っている姿は歩夢さんだが明らかに何かが違う。
「何がしたいの?」
「え?」
悩ましい質問…。
「強くなりたい…かな。」
「そっか、強くなりたいんだ…」
強い自分になりたい。
何事にも臆せず立ち向かえる自分になりたい。
同好会のみんなの力になりたい。
そう思っているのは事実だ。 そして
「…愛さん」
「何をそんなに恐れているの?」
この愛さんは夢の中の別人だ。
私にはわかる。
「…他人と違うこと」
「他人と違うことがそんなにこわい…?」
こわい、こわいに決まっている。
他人と違うことで何度も失敗をしてきた。
「…」
――誰とでも友達となる事をめざし
――他人と違うことをおそれ
――強くなることを望む
「…」
そうだ、これが天王寺璃奈だ。 ――キミの旅は 夜更けに始まる
――楽な道中ではないけれど
――いつか昇る朝日が
――キミをまぶしく照らすだろう
「それってどういう」
――その日は近い
――キミが扉を開くその日は――...
― ― ―
― ―
―
ビービー ビービー
ドコッ
「…」ムクリ
「…おはようアラン」 ニャー 「…」ハミガキシャカシャカ
チーン
「…」モグモグ
アサノニュースデス
― ―
―
璃奈「行ってきます」
ガチャン
― ―
―
愛「おはよー!りなりー!」
璃奈「おはよう、愛さん」
愛「んー?その顔は何か考え事をしてる顔だー」
璃奈「うん、少しだけ」
愛「愛さんに出来る事ならなんでも言ってよー」 璃奈「ありがとう。でもただ今日見た夢の内容が思い出せないってだけだから。」
愛「あー、愛さんも思い出せなくてモヤモヤすることあるあるー」
璃奈「変な夢だったのは覚えてる」
すこし胸がざわつく。
なにか良くない事が起こる前触れの様な。
愛「あ、そういえばwこの前聞いたんだけど歩夢って滅多に夢見ないらしいよ!歩夢なのにw」
璃奈「なにそれ、おもしろい」
愛「でしょでしょー、んでね…あ、学校行きながら話すね!」
璃奈「うん!」
― ― ―
― ―
― 「…であるからしてー」
「…」カキカキ
キーンコーンカーンコーン
「よし、じゃあ今日はここまで」
アリガトウゴザイマシター
「ふぅ…」
やっとお昼だ。
授業を聞いてはいたがまったく身が入らなかった。内容がテストの解説だったのがせめてもの救いだ。
「むむむ…」
原因は昨日の夢。あと少しで思い出せそうといったところで頭に靄がかかっている。
「だーれだ」
柔らかい手で視界が塞がれた。
私にこんな悪戯をする人は1人しか心当たりがない。 璃奈「かすみちゃん」
かすみ「せいかーい、お昼食べよ!」
璃奈「普通に誘えばいいのに」
かすみ「だってりな子のビックリした顔が見たかったんだもん♪」
璃奈「そんなのじゃビックリしない」
きっと素直に誘うのが恥ずかしかったのだろう。
かすみ「いいの!で、お昼食べるの?食べないの?」
璃奈「食べる。しずくちゃんは?」
かすみ「しず子なら先に食堂行ってるって」
― ― ―
― ―
― しずく「かすみさん、璃奈さんこっちです。」
璃奈「しずくちゃん、席ありがとう。」
しずく「大丈夫ですよ、国際交流科の教室は食堂から近いですし。」
かすみ「しず子ー、ハンバーグ一口頂戴ー」
しずく「じゃあそのコッペパン1つ貰いますね。」
かすみ「絶対ダメ!」
璃奈「…」
かすみ「夏休みさー、3人でどこか行かない?」
しずく「いいね、かすみさんにしては名案かも」
かすみ「かすみんにしてはって所が余計!」
しずく「冗談だよ、普通にいい案だと思う。ね?璃奈さん」
璃奈「…」
かすみ「りな子ー?」
璃奈「…」 誰かと話す夢だったような…何か大事な事を言っていた気もする…
…子!
かすみ「りな子ってばぁ!」
璃奈「! ん?どうしたのかすみちゃん」
かすみ「りな子ってば話しかけても返事してくれないんだもん」
しずく「璃奈さん、大丈夫?体調悪い?」
璃奈「ううん、ちょっと考え事をしてただけ。」
かすみ「かすみんの事無視するなんて怒っちゃったんだから!ぷんっ」プイッ
璃奈「ごめん、かすみちゃん。チャーシューあげるから許して。」
かすみ「かすみん、食べ物じゃ釣られないもん!ぱくり」
しずく「釣られてるし…」
璃奈「璃奈ちゃんボード『しめしめ』」
かすみ「こらー!」 ― ―
―
キーンコーンカーンコーン
「はっ、もう放課後」
色々考えているうちに放課後になってしまった。夢の内容にここまで頭が一杯になるとはなんとも馬鹿馬鹿しい。
「部活行かなきゃ」
テクテク
ん?あそこにいるのは。
璃奈「せつ菜さん」
せつ菜「あ、璃奈さん。こんにちは。」
璃奈「こんにちは、せつ菜さん。部活行くところ?」
せつ菜「はい!璃奈さんもですか?」
璃奈「うん、一緒に行こ」
せつ菜「もちろんです!!!」 璃奈「明日からの夏合宿、とっても楽しみ」
せつ菜「私もです!合宿って憧れだったんですよね!」
璃奈「わかる」
せつ菜「わかりますか!」ヒシッ
― ―
―
せつ菜「着きましたー!」
ガッ ガッ
せつ菜「うーん、部室の扉、建て付けが悪いのかなんだか引っかかりますね」
璃奈「……!!!扉!!!」
せつ菜「え?はい、扉です。」
璃奈「そうだ扉って言ってた…」
せつ菜「はい、扉って言いましたが…」
璃奈「ありがとうせつ菜さん、一歩前進」 せつ菜「なんだかよくわかりませんが、よかったです!!!」ペカー
― ― ―
― ―
―
しずく「22点でにゃんにゃん♪かわいいじゃん♪」
かすみ「全然可愛くないよぉ!」
侑「まぁまぁテストの結果は置いといて」
璃奈(扉〜扉〜…扉…扉ってなんだっけ…)
せつ菜「…から合宿ですが今日は練習です!」
エマ「果林ちゃん、合宿楽しみだねー!」
果林「私は…いや、すごく楽しみだわ!」
彼方「彼方ちゃん、枕忘れない様にしなきゃ〜」
侑「楽しみなのはわかるけど今日は練習だよ!」
歩夢「私着替えてくるね」 愛「よし、じゃあ愛さんたちも着替えに行こっか。…りなりー?」
璃奈「あ、うん」
キャー‼︎
「「「!?」」」
ガラガラ
侑「なに、今の叫び声!?」
突然部活練に響いた悲鳴に驚きつつ部室の外に出る。私たちが外に出る頃には他の部の生徒も次々と部室から出て様子を見ていた。
エマ「何あの黒いのー」
果林「さぁ…」
彼方「演劇部の練習かな〜」
かすみ「え、そうなのしず子?」
しずく「あの方は演劇部じゃないですよ」
せつ菜「じゃあ何をしてるんでしょうか…」 璃奈「あっ!」
女子生徒を襲っていたのは夢で戦った影の塊だ。なんで今まで忘れてたんだろう。
女子生徒「や、やめて!うわぁ!」
襲われていた女子生徒から何かが出ていきそれが化け物に変化する。女子生徒の身体は消えてしまった。
侑「えっ!?」
歩夢「こ、怖いよ侑ちゃん…」
果林「な、何が起こってるの!?」
彼方「あれは絶対演技とかじゃないよ…」
その異様な光景を見てその場にいた全員がただ事ではないと察し逃げ出す。
愛「私たちも早く逃げよう!」 璃奈「あれは夢なんかじゃなかったんだ…」
頭にかかっていた靄が次第に晴れ始めた。
愛「ちょっとりなりー!早く行くよ!」
グッ
璃奈「うわぁ」
この場に及んで考え込んでいた私を愛さんが引っ張っていく。
愛「……。」
後ろから悲鳴が聞こえるが愛さんは私の手をもって猛スピードで走る。1人ならもっと早く走ることも出来る筈だ。
愛「とりあえず校舎を出よう。」
璃奈「う、うん。」
― ―
― 愛「こっちにも…」
最初は数匹だった影の塊も時間が経つにつれて増殖しているのか、避けながら校舎を出るのが困難になってしまった。
愛「どうしよう…りなりー…」
璃奈「何処か…あっあそこ」
咄嗟に流しそうめん同好会の部室に退避する
愛「ここから窓を割って飛び降りるのは現実的じゃないよね」
璃奈「…うん」
愛「…」
璃奈「…」
愛「みんなは逃げ切れたかな…」
璃奈「…」 嫌な予感がする。
あの影は明らかに私達の行手を阻んでいた。
バンッ! バンッ!
そしてこういう時の予感と言うものは大概的中する物で。
愛「ド、ドアが…」
璃奈「……」
考えろ考えろ、どうすればこの状態を打開できる
愛「りなりー、私の後ろに隠れて!早く!」
愛さんが近くにあった竹を拾って臨戦体勢に入っていた。
バコンッ‼︎
ドアが破壊されて数匹の影の塊が入ってくる
愛「おりゃ!」
渾身の攻撃も奴らには効果がない。 愛「…りなりー、ごめんね。」
璃奈「ううん…」
愛「ここは愛さんがなんとかするよ、りなりーは外にダッシュで逃げて」
璃奈「いや」
愛「りなりー!!!」
璃奈「いや!!!」
璃奈「私は…諦めない」
愛「でももうどうしようもできないよ…」
璃奈「ううん、二人なら出来ないことなんて
ない。」
愛「りなりー…」
あの場所で奴らを倒した時はどうした。
考えろ、あの場での出来事を思い出せ。 璃奈「……夢じゃないんだとしたら……」
――キミには戦う力がある。
そうだ。
――『キーブレード』
キーブレード。
――キミはたたかわなくちゃならない。
大切な人を守れるなら私は戦う。
お願い、力を貸して『キーブレード』。
愛「!?」
璃奈「!!!」
強く願った時、再びキーブレードは現れた。
愛「りなりー、それは…?」
璃奈「キーブレード」 愛「キー…ブレード…?」
璃奈「みんなは私が守る。」
座り込む愛さんの前に立った。
キーブレードがこの手に握られてから、奴らは一層興奮している。
怖い。
すごく怖い。
きっと攻撃を受けてもここは現実だ、タダじゃ済まないだろう。でも怖いのはそんな事じゃ
ない。
それよりも大切な人達が傷つく方がよっぽど怖い。
璃奈「私は…戦う!」
璃奈「やぁ‼︎」ドスッ
シュワン
あの時より弱い、これならいける。 璃奈「はぁ‼︎」ザシュ
シュワン
愛「後ろ!」
言葉に合わせて考える前に背後に向かって得物を振る
ギェー シュワン
目で捉えてはいなかったが手応えはあった。
璃奈「ありがとう、愛さ…?!」
ヒシッ
愛「よかった…りなりーが無事で…」
両腕に込められた力から言葉以上に愛さんの気持ちを感じる。
璃奈「私も…無事でよかった。」 愛「…グスン」
泣いている愛さんを見るのは初めてだ。
なんだか照れくさい。
璃奈「一緒にここから出よう」
愛「…もち!」
― ― ―
― ―
―
数匹のずつなら奴らは大した事なく、蹴散らしながら校舎を出る事ができた。
しかし辺りには異様な光景が広がっていた。
愛「街が…」
璃奈「消えてる…」
虹ヶ咲学園を中心に世界が崩壊していく。見える所、端から塵になっているのだ。
崩壊していく以外に形容できない。
「空に…穴が…」 璃奈「扉だ…」
愛「え?」
璃奈「扉が開いたんだ。行かないと。」
ギュッ
愛「待って!行くってどこに!?」
璃奈「屋上。あれを閉じないと。きっとこれが役目なんだ。」
愛「そんなのりなりーがやらなくていい!」
璃奈「ううん、私はみんなを守りたい。行くよ。」
愛「…」
愛「……ずるいじゃん、いまそんな顔するなんて」
璃奈「え?」
愛「愛さんも着いていきたい。けどきっと、りなりーの足手纏いになっちゃう。」
璃奈「…うん」 愛「だからここでずっと待ってる。絶対戻ってくるんだよ!世紀末が来てもここで待つってね!」
璃奈「絶対戻ってくる。」
テトテトテト
― ― ―
― ―
―
奴らを蹴散らしつつなんとか屋上まで到達する。
ガッチャン
いつもの練習場所はまるで別世界の様になっていた。空は異様な色に染まり、空いた穴は大きく口を開けて全てを吸い込もうとしている。
「どうしよう…」
よく考えてみれば閉じ方なんてわからない。
『キーブレード』と謳ってるくらいだ、鍵として使い閉じる事は出来ないだろうか。
おもむろにキーブレードを掲げてみた。 「わぁ!」
剣先から光線が出た。
「これでいいの…かな?」
しかし穴は閉じる何処ろか吸い込む勢いがどんどん増していく。
「うぅ…」
もう立っているのもやっとだ。
バシッ
「あっ!ぶない……危機一髪…」
吸い込まれそうになるも、なんとか柵を掴んだ。だが身体が浮かび上がっている時点でそれも時間の問題だった。
「吸い込まれるっ…」
スルッ
「うわぁあああああ!」 ― ― ― ―
― ― ―
― ―
―
わああああああ!!
ドシンッ
「いてて…」オシリサスサス
穴に吸い込まれて、高所から落下したが軽い尻餅で済んだ。
「ここは…」
辺りを見渡すもこんな場所見覚えがない。
中世…というよりメルヘンな街並み、ランタンや星形のステンドグラスなどがよく映えている。
ボワン ボワン
「また…」
学校を襲った奴らだ。
それもかなりの数。
「何度来たって同じ、返り討ちにするだけ」 ― ―
―
「さすがに…疲れた…」
今日だけでかなりの運動量だ。
トレーニングはしていると言っても、戦いは不慣れだし消耗もする。
「なんなのあの化け物は…」
???「奴らは何処にでも現れる。」
無人と思っていた背後から声が響き少し肩が浮く。
璃奈「あなたは誰?」
相手が剣を持っているのを見て咄嗟にキーブレードを構えた。
???「お前がキーブレードを持っている限り。」
キーブレードを知っている?
長髪の男「しかしまたしても子供とはな…」 璃奈「そんな事はどうでもいい、質問に答えて」
こわい。
璃奈「こわい…」
長髪の男「驚かせて悪かったな、キーブレード見せてくれないか?」
璃奈「キーブレードを狙っているの…?」
――キミはたたかわなくちゃならない
――その力を狙うものたちと
この人がキーブレードを狙う人?
???「スコール!またそんな言い方して!」
今度は女の子が現れた。
短髪の女の子「すぐ強引な手段で済ませようとするんだから!この子凄く怖がってるよ!」バシバシ
長髪の男「だからレオンと呼べ。…怖がらせるつもりは無かったんだ。」 女の子が近づいてくるが敵意は感じない。
それどころか心配しているようだ。
短髪の女の子「あいつらをまくには貴女がそのキーブレードを手放さなきゃならないの。」
ツンツンとキーブレードを指さす。
男性も女の子も嘘を言ってるわけではなさそう。
そう思いキーブレードから手を離すと
シュワン
キーブレードが光になって消えた。
短髪の女の子「よしっと」
璃奈「ここは何処?あなたたちは?」
ユフィ「アタシはユフィ!」
レオン「俺はレオン、ただのレオンだ。そしてここは―――」
<トラヴァースタウン> 懐かしいわ 初代はもう20年近く前のゲームになるのか この頃の野村はジュブナイルと厨二感が絶妙でよかった
なお現在 キンハーは詳しくありませんが描写が丁寧で読みやすいです!!!!!
続きが楽しみですね!!!!! 絶対に続きを書けさもないとお前を闇へ引き摺り込むぞ
約束の乙守り 懐かしいなキングダムハーツ
オリジナルキーブレードとか考えたわ(黒歴史) 璃奈「トラヴァースタウン…?」
そんな地名聞いたことがない。
地理の授業を受けたのは中学生の頃が最後とはいえ世界中どこを探してもそんな場所はない筈だ。
璃奈「ここは虹ヶ咲学園…お台場じゃないんですか?」
ユフィ「オダイバって街は知らないなー」
レオン「見たところお前は別の世界の人間らしい。」
璃奈「別の…世界?」
レオン「ここに来る前に闇の回廊…不気味な穴を通ってこなかったか?」
璃奈「空に空いた大穴を塞ごうとして飲み込まれて…あっ、街はどうなったの!?街が、世界が消えていったの!」
ユフィ「一旦落ち着いて」
レオン「世界が消滅したのか」
璃奈「同好会のみんなや愛さんは?お母さんやお父さんは?クラスのみんなは?」
ユフィ「それは…」 レオン「…」
レオンさんが黙って首を横に振る。
絶対に戻ってくるって約束したのに。
非現実的な事が起こりすぎて簡単に信じられない。いや信じたくなのか。
璃奈「そんな…」
レオン「だが、一度そんな状況で世界を救った奴を俺は知っている。」
璃奈「えっ」
レオン「そいつもまたキーブレードに選ばれし者だった。そしてお前もキーブレードに選ばれた。」
璃奈「まだ…なんとかできる?」
レオン「今回は特殊なケースで原因も不明だ。希望的観測になるが…」
ユフィ「可能性はあるかもって事!」 闇の中に光が射した
少しでも可能性があるならば、私に何か出来るのならば。
璃奈「ど、どうすればいいですか?どうすればみんなを助けられる?」
レオン「それについても話し合おう。今はまだ情報が足りない。宿屋に行こう、エアリス
と合流する。」
ユフィ「それがいいね、早く行かないとまたハートレスに見つかるかもしれないし!」
レオン「この街は本来なら1番街から3番街まであるんだが…」
璃奈「今はない?」
レオン「ああ、3番街が消滅している。」
ユフィ「私達以外誰も居ないし、こんな事今までなかったよね。」
レオン「ああ…」
― ―
― <2番街>
ユフィ「あ、そうそう貴女、名前は?」
璃奈「私は璃奈、天王寺璃奈。」
ユフィ「リナ!よろしく、リナ!」
璃奈「う、うん、よろしく、ユフィさん。」
ユフィ「そんなに堅苦しい呼び方じゃなくていいよ!」
璃奈「じゃあ、ユフィちゃん」
レオン「リナ、こっちだ。」
ガチャ
レオン「戻ったぞ。」
エアリス「おかえりなさい。」
「えっりな子!?」
「璃奈さん!?」
璃奈「え?」 聞き慣れた声に名前を呼ばれて目線を向けるとそこには見覚えのある2人が立っていた。それを見た途端思わず走り出してしまった。
璃奈「かすみちゃん、しずくちゃん!」
ヒシッ
かすみ「わわっ、りな子〜苦しいよ〜」
璃奈「よかった、2人が無事で。でもなんでここに?」
しずく「えっと、色々あって…」
エアリス「知り合いだったのね」
レオン「ああ、そうみたいだな。その2人はエアリスが?」
エアリス「ええ、2番街歩いていたら空から落ちてきて」
しずく「あの時は死ぬかと思いました…」
かすみ「落ちるー!かすみん危機一髪!って思ったら風がビューンって吹いて無事に着地!かわいいかすみんじゃなかったら危なかったね ふふん」
しずく「可愛くても可愛くなくても即死だよ…」
璃奈「かすみちゃんらしい。」 何気ないやりとりだが今はそれがとても愛おしく感じた。と同時に他のメンバーはどうなったのかたまらなく心配になってしまった。
レオン「そこの2人、少し聞いてもいいか?」
しずく「あっ、はい!」
レオン「2人はどうやってこの場所に辿り着いたんだ?」
しずく「えっと、私たちは」
かすみ「先輩に”鍵”を探せって!」
璃奈(侑さんが…)
しずく「そう言われて黒い通路を通っていたらここに。」
レオン「闇の回廊を通って来たのか。」
ユフィ「それに”鍵”か〜」
エアリス「”鍵”、キーブレード。」
レオン「ああ、探し物は間違いなくコレだろうな。」 レオンさんがこちらを見る。
意図を把握して右手を前に出すと
シュピンッ
しずく「?!」
かすみ「わぁ!?そ、それが鍵?」
璃奈「さぁ、私にもわからない。学校がえっと影の塊の様な…」
ユフィ「ハートレス?」
璃奈「そう、ハートレスに襲われて。」
しずく「そんな事が…」
璃奈「無我夢中だったからなんで私なのかとかキーブレードが何なのかとかはわからない。」
ユフィ「キーブレードが持ち主を選ぶんだって」
エアリス「キーブレードはハートレスにとって邪魔な物」
レオン「だから持ち主は狙われる。」
なるほど、私を狙っていたのか。学校で何度も行手を阻まれたのもそれならば納得はいく。 璃奈「ハートレスっていったい何なの?」
レオン「”心なきもの”だ、奴らは人の”心の闇”に反応して襲ってくる。誰の心にも闇はある。気をつけろ。」
ユフィ「ちなみに、さっき出てたのはシャドウってハートレス。弱っちいけどかわりに数が多い。」
しずく「あの〜、ちょっといいですか?」
璃奈「どうしたの?」
しずく「私たちも聞きたい事が山積みで…ここが何処なのかとか、お三方は誰なのかとか…」
レオン「確かにそうだな。」
― ― ―
― ―
― 続き待ってたぞありがとう
トラヴァースタウンのbgm脳内再生余裕でした しずく「なるほど、狭間の街」
かすみ「でもでもー、こうしてりな子が鍵を持ってる事がわかったんだし、すぐに先輩のところに帰れば良くないですかー?」
璃奈「一里ある」
エアリス「最終的な目標はそれでいいかもしれないのだけれど」
レオン「どうやら事は単純ではないらしい。」
ユフィ「そそっ」
しずく「と、言いますと?」
ユフィ「夜空を見てみて」
かすみ「それがどうかしたんですかぁ?」
ガチャ
しずく「なっ!?」
璃奈「ない…」
なぜ今まで気がつかなかったのだろう。
天文学は疎いがこれが異常だと言う事はわかる。 かすみ「星が全くないじゃないですか!」
ユフィ「そうなんだよ〜」
エアリス「空に輝く星は一つ一つが異なる世界、それが今は1つしか輝いていない。世界を隔てる壁があったとしても異常ね」
かすみ「え゛ぇ゛っ゛?゛!゛つまり…えっと…どういう事なんですかぁ!?」
しずく「えっと、他の世界が無くなっちゃった…とかですか?」
レオン「これは推論だが、数多ある世界が同時に消える事はありえない。恐らくは俺たちが別の次元に飛ばされたんだろう。」
ユフィ「街の状況や人がいないことを考えるとそれが妥当かもね」
エアリス「光の世界でも闇の世界でもない狭間に近い場所、ここそんな場所だから私達も巻き込まれたんだと思う」
璃奈「それを引き起こした人物がいるとして、私たちが元の世界に帰るために行動を起こしたら…」
レオン「間違いなく何かしらの妨害をされるだろう」
かすみ「そ、そんなぁ…」ヘナヘナ 璃奈「それでも…それでもやる。その主悪の根源を倒してみんなを取り戻す。」
しずく「璃奈さん…」
璃奈「それに私にはキーブレードがある。出来るのにやらないはもっと無しだから。」
かすみ「強くなったね、りな子!」
しずく「璃奈さん、私達にも手伝わせてください。」
かすみ「ちょ、ちょっと!かすみんもそれ言おうと思ってたのに!」
璃奈「ありがとう、しずくちゃん、かすみちゃん。」
かすみ「えへへ、友達だもん当然だよ」
私は絶対にみんなを助ける。
それに2人もいる、なんて心強いんだろう。 レオン「やる気だけはあるみたいだが、3人ともまだ弱すぎだ」
かすみ「そりゃそうですよ!かすみんはぁ〜か弱いお姫様なんですもぉーん」
ユフィ「えっ、カスミはお姫様だったの!?」
しずく「かすみさんの言う事は真に受け無いで下さい…」
璃奈「レオンさん」ツンツン
レオン「?どうした」
璃奈「私たちに戦い方を教えてほしい」
レオン「……わかった。時間はあまりないが俺に教えられる事は教えよう」
璃奈「ありがとう、レオンさん」
エアリス「シズクには私が魔法、教える」
しずく「魔法ですか?」
エアリス「シズクにはきっと魔法の才能があるよ」
しずく「ぜひお願いします!」 ユフィ「じゃあカスミにはユフィちゃんが色々教授してあげよう!」
かすみ「えぇ〜かすみんも魔法がいいですぅ〜」
エアリス「それは無理。カスミン、才能なさそうだから。」
かすみ「ん゛な゛ぁ゛!゛?゛」
璃奈「どんまい、かすみちゃん」
しずく「ふふふっ…」
かすみ「こらそこ!笑うなぁ!」
― ― ―
― ―
― ― ―
―
私はレオンさんにまず戦う時の基礎や剣の型を教えてもらう事にした。
レオン「まずは俺の真似をしてみろ。」
レオン「フンッ‼︎ハッ‼︎」ブンッ ブンッ
璃奈「えいっ!やぁ!」ブンッ ブンッ
レオン「腰が引けてるぞ。」
璃奈「とおっ!」ブンッ
― ―
―
エアリス「前に使ってたお古のロッドだけど、使ってみて」
しずく「はい!」
エアリス「じゃあ目を閉じて」
しずく「…」
エアリス「自分の内に何か浮かんで来るはず」 しずく「………‼︎ブリザド‼︎」
ヒュンッ パキンッ
しずく「氷が出ました!」
エアリス「やっぱりシズクは才能あるね」
私も少しだけ魔法を教えてもらったけど出来たのはファイアだけだった。
エアリスさん曰く、しずくちゃんとても飲み込みが早いらしく、基礎の魔法はほとんどマスターしたらしい。さすがはしずくちゃんだ。
― ―
―
一方かすみちゃん。最初は手裏剣があまりお気に召さなかったらしいけど
ユフィ「ほらカスミ、元気だして!」
かすみ「かすみんはどうせ、かわいいくて歌が上手くてかわいいって事以外才能ないよーだ ぷんっ」
ユフィ「せっかくカスミには手裏剣の使い方を教えてあげようと思ってたのになぁ」 かすみ「手裏剣なんて可愛くない!」
ユフィ「ここだけの話、かわいい女の子が大きい武器を持つと人気が出るらしいよ」
かすみ「えっ?そうなの?」
ユフィ「うんうん」
かすみ「にしし…かすみんが手裏剣マスターになったらもっと人気出ちゃうかも…」
ユフィ(チョロいなー)
かすみ「ユフィ子〜、かすみんに手裏剣教えて教えて〜」
人気を得る為ならどんな努力も厭わない姿勢…凄い…。
― ― ―
― ―
― レオン「大分良くなってきたな。」
璃奈「本当?」
レオン「ああ」
璃奈「ならレオンさんの教え方が上手いんだと思う」
レオン「そんな事はない。」
そう言ってそっぽを向いてしまった。
璃奈「もしかして照れてる?」
レオン「……あまりからかうな」
璃奈「レオンさんやさしい、好き。」
レオン「全く…」
???「へぇ、こんな所に居たんだ」
不意に聞いたことのない第三者の声が広場に響く。声の出所には真っ暗な穴が開いていた。 璃奈「誰?」
レオン「リナ、俺の後ろに下がれ。あれは闇の回廊だ。」
私やかすみちゃん達が通って来た穴、と言う事は誰かがこちらに来ようとしている?
レオン「何者だ」
???「私はリクシーナ、XIII機関」
レオンさんの問いに答えながら黒いコートを着た人物が出てくる。フードを被っている為顔は見えないが背丈は私と同じ位だ。
レオン「XIII機関とやらが何しにここへ来た」
リクシーナ「貴方に用はない。用があるのはそっち」
璃奈「私?」
リクシーナ「そう、ここで色々準備してたみたいだけど早めに消えてもらおうと思って。」 レオン「生憎だがそれは無理な話だ」
レオンさんのガンブレードがけたたましい音を発すると同時に素早い斬撃が黒コートを襲う。
レオン(相手は丸腰、取った)
キンッ
レオン「なんだと」
璃奈「キ、キーブレード」
渾身の攻撃を防いだ事に驚き、相手を見るとその手には確かにキーブレードが握られてい
た。
リクシーナ「邪魔」ドォォン
レオン「ぐっ…」
璃奈「レオンさん!」
黒いオーラを放つとレオンさんが拘束されてしまった。 リクシーナ「後は貴女だけ」
高速で斬りかかってくる相手に対して咄嗟だったがキーブレードで防御し続ける。
リクシーナ「ほら、守るだけじゃやられちゃうよ。」
璃奈「…はっ‼︎…っ‼︎」
黒コートはとにかく素早く一撃が重い、防戦一方でとてもじゃないが攻撃などする隙もない。
リクシーナ「サイコー‼︎こんな風にその顔を切り刻めるなんて!!!」
璃奈「っ嘘…貴女からは何も感じない。楽しいなんて微塵も思ってないっ…!」
リクシーナ「………!!!うるさいッ!!!うるさいッ!!!うるさいッ!!!わかった様な事を言って!!!」ガンガンガンッ
私の一言を機に相手のキーブレードを振るうスピードがみるみる内に増していく。 リクシーナ「私は私である事を捨てた‼︎‼︎そのおかげで今笑えてるんだ‼︎‼︎」
璃奈(間に合わない…)
リクシーナ「私の方が強いんだ‼︎」
もうダメだと思った瞬間だった
リフレク!
目の前に光の障壁が張られ間一髪斬撃を防いでいた。
リクシーナ「なっ!?」
璃奈「‼︎」
相手の動揺した隙に飛び道具が飛んできて見事に一撃を入れる。
リクシーナ「ぐっ…」
追撃をしようとしたが直ぐに体制を立て直し、間合いを取られてしまった。 エアリス「レオン、リナ、大丈夫?」
しずく「璃奈さん!」
ユフィ「流石にこの人数相手は無理なんじゃないかなー」パシッ
かすみ「そ、そうだそうだ!」
しずく「ユフィさんの後ろに隠れながら言っても…」
リクシーナ「………貴女たちも居たんだね。」
璃奈「え?」
リクシーナ「…確かにこれは不利、帰る。」
シュピンッ
璃奈「ま、待って!!」
レオン「リナ、今はやめておけ」
話していた言葉の意味は。
それにかすみちゃんやしずくちゃんの事も知っている?
漠然と考えている内に黒コートは闇の回廊に入り、回廊は閉じてしまった。 ― ― ―
― ―
―
璃奈「準備完了」
しずく「私もです!」
かすみ「かすみんも行けますよ〜」
レオン「グミシップは用意しておいた。とある奴が作って放置してあったやつだがな。」
璃奈「…うん」
エアリス「心配なのはわかるけど、楽しい気持ちじゃないとダメ」
ユフィ「グミシップは楽しい気持ちがエネルギー!」
しずく「ならかすみさんが居れば大丈夫かな」
かすみ「なにそれどう言う意味!!!」
璃奈「私たちは友達って事」
しずく「そうですよ、かすみさん」
かすみ「そうなの?ならじゃあ、はい!」 璃奈「絶対にみんなを助けよう」
しずく「もちろんです!」
かすみ「せーの!」
「「「虹ヶ咲っ!」」」
円陣を組み声を上げると突然光った物が私の手の平に落ちてきた。
キラキラ
璃奈「なにこれは?」
レオン「キーブレードに付けるチェーンだろう。付け替えてみろ。」
璃奈「わかった」カチャリ
キランッ
しずく「キーブレードの見た目が変わった?」
かすみ「その先っぽのもしかして」
璃奈「うん、璃奈ちゃんボード『にっこりん』」
新しいキーブレードは前のよりもかわいくなった。
カラーリングは水色とピンクを基調としており、何より鍵の歯の部分にAEC璃奈ちゃんボードが付いている。なんてキュートなんだろうか。 ユフィ「なんだかあの3人を思い出すね」
エアリス「うん」
レオン「ああ、そうだな」
璃奈「璃奈ちゃんボード『かすかす』」
かすみ「こらー!りな子ー!」
璃奈「ふふっ…じゃあそろそろ行くね。レオンさん、ユフィさん、エアリスさん、本当にありがとう。」
ユフィ「元気でね!」
エアリス「きっと成し遂げるって信じてる。」
かすみ「ユフィ子は風邪とかひかないようにね!」
しずく「エアリスさんの事は忘れません!」
レオン「気をつけて行けよ、心を強く持て。」
璃奈「うんっ」
璃奈 しずく かすみ「「「いってきまーす!」」」 ― ―
―
かすみ「わぁ〜、ここが星の大海?」
しずく「宇宙…でもない不思議な場所ですね」
璃奈「ちょっと前ならこんな所があるなんて信じなかったかも」
私たちは街の大門からグミシップに搭乗した。
そしてトラヴァースタウンを出るとそこには『星の大海』と呼ばれる世界と世界を行き来する為の美しい空間が広がっていた。
かすみ「いまは世界の数が少ないらしいし、いっぱいあったらどんな感じなんだろう」
璃奈「もっと綺麗。璃奈ちゃんボード『うっとり』」
しずく「璃奈さん、次に向かう世界の方角はわかっているんですよね?」
璃奈「うん、とりあえず向かってみようと思う」
かすみ「それじゃあ、かすみん号しゅっぱーつ!」
しずく「いつかすみん号になったの?!」
かすみ「今この瞬間から!」
璃奈「しゅっぱーつ」 ― ―
―
かすみ「見えて来たよ、しず子!」
しずく「本当だね、あれは島かな?」
璃奈「みかんが浮いてる」
何度かハートレスに行手を阻まれたがグミシップには武装が付いており、撃退しながら目的地に到達した。
かすみ「りな子、はやくはやく!」
璃奈「わかった」
しずく「かすみさん、あまり急かしちゃダメだよ」
璃奈「二人ともレオンさんから聞いた世界ルールは覚えてる?」
かすみ「も、もちろん!」
しずく「必要以上に干渉しない事!」 旅するのは良いがお前ら何しに行くんだw
鍵が導く心のままにか? かすみ「えーっと…ミスドを逃さない事!」
しずく「一体ミスドが何をしたって言うの…」
璃奈「秩序を乱さない事、ね」
かすみ「そう、それを言いたかったの!」
璃奈「あと他の世界の存在を知らせない事」
しずく「バッチリです!」
かすみ「かすみん完璧です ふふんっ」
璃奈「大丈夫かな、かすみちゃん…」
― ―
―
かすみ「とうちゃーく!」
しずく「どうやらここは日本みたいですね」
璃奈「うん、場所はわからないけど日本ではあるみたい」
かすみ「桜!桜が咲いてるよ!二人ともー!」
潮の香りが混じった心地よい春風が吹き、桜が舞っていく。季節は春だろうか? しずく「あっ、かすみさん待って!」
坂道を走り出したかすみちゃんをしずくちゃんが追いかけていく…あれ?
璃奈「二人ともその服は」
かすみ「あっ、本当だ。セーラー服になってる!」
しずく「…?その制服どこかで…」
世界に馴染む様に格好なども変わると聞かされていたがいつの間にか変わっていて全く気がつかなかった。
まじまじと自分の姿を眺めてみる。
薄いベージュ色のセーラー服に黄色のリボン。
いつもはパーカーを羽織っている為、ちゃんと制服を着るのは久々かもしれない。 かすみ「かすみん、セーラー服も似合っちゃうなんて困っちゃうなぁ〜」クルリン
璃奈「とってもキュート」
しずく「ん?どうかした、かすみさん。」
しずく「しず子のセーラー服はなんというか…」
璃奈「反則」
しずく「えぇ?!」
辺りには私たちと同じ制服を着た子達が歩いていた為着いて行ってみる。
― ―
―
しずく「ここって…」
かすみ「浦の星女学院じゃん!」
璃奈「なんの学校?」
かすみ「Aqoursの学校だよ!」
璃奈「Aqours?」
???「ねぇ貴女たち!スクールアイドルやってみない!?」 乙ナロク
上手い具合にディ○ニー避けつつラブライブでKHしてて良きかな ⁄/*イ`^ᗜ^リ うおおおおーー!!!!
キンハーやりたくなったので1.5買ってきました!!!! 乙クサス
俺もマジでやりたくなってきたー
続き気長に待ってます >>1です。
皆さんのレスとても嬉しく見返してはニヤニヤして励みにしてます!出来るだけ早めに更新できればと思っているので気長にお待ちくだされ…。
>>92
同じくこれ書くために久しぶりに1と2始めちゃった… >>95
⁄/*イ`^ᗜ^リ トラヴァーズタウンクリアしましたよ!!!!
オリジナルと1.5では微妙に音楽が違ってたりカッコいいスキルが増えていたりしてて、初めてキンハーやったときみたいにワクワクしてます!!!!
キンハーを再びやるきっかけをくださってありがとうございます!!!!
更新も待ってますよ!!!! ???「あの!!!スクールアイドルやりませんか?!」
「ずら!?」
かすみ「ねぇあそこで部活の勧誘してるのって」
しずく「千歌さんだね…」
千歌さん…?知り合い?いやAqoursなる人気のアイドルか?
ピギャァアアアアアア
璃奈「!?」
しずく「ルビィさんや花丸さんもいるみたい」コソコソ
璃奈「あっ、誰か木から落ちてきた」コソコソ
かすみ「今度はヨハ子だね」コソコソ
かすみちゃんが仲のいい友達に付ける〇〇子の法則を使用しているって事は…濃紺色の髪をした子は友達? かすみ「ってなんでかすみん達はコソコソしてるの?」コソコソ
しずく「だって何があるかわからないし…」コソコソ
「善子言うな!私はヨハネ!ヨハネなんだからねー!」
「待って善子ちゃーん!」
「あっ丸ちゃん!」
黄色のリボンを付けた3人は走り去ってしまった。
璃奈「ねぇ、かすみちゃんとしずくちゃんはあの人達知ってるの?」
しずく「えっ?何言ってるんですか璃奈さん」
かすみ「この間もライブに来てくれたじゃん!」
〜〜
黒コート「見つけましたよ、千歌さん!じゃあノーバディさん達、やっちゃってください!!!」
〜〜 千歌「あの子たち…後でスカウトに行こう!」
ボワンッ ボワンッ ボワンッ
千歌「うわ!何このにょろにょろ!」
ベシッ ベシッ
曜「危なっ!ち、千歌ちゃん、これ普通じゃないよ!」
〜〜
璃奈「ライブ…?」
私たちのライブに見に来てくれて…さらに3グループでライブを…?私はあの人達をこの場で初めて見たはずだ。2人は一体何の話をしているのだろうか…
璃奈「あの、聞きたい事が…」
しずく「み、見てください!あれ!」
かすみ「何あの気持ち悪いの!!!」
璃奈「ハートレス…?いや何か違う」 突然現れた謎の化け物が勧誘をしていた2人を襲い、さらに逃げた所を追いかけて行った。
化け物は白色で鋭利な外見。常にフラフラとした動きをしており、すごく不気味だ。
璃奈「2人を追おう」
しずく「はい!」
かすみ「こらまてー!」
〜〜
黒コート「ふぅ、後はこの世界で心を集めるだけですね」
黒コート「ん?誰かが追って行ったような…まぁ大した事じゃないでしょう!被害者が数人増えるだけです!!!」
黒コート「それにしても…かっこつけて屋上に登ったのはいいけど結構高いですね…さっさと降りますか」
〜〜
曜「千歌ちゃんもっとダッシュ!」
千歌「ひぃー!なんなのあのお化け!」
曜「わかんないけど!逃げよう!」 千歌「もしかしてあの大丈夫じゃない新入生が何かやったとか〜?!」
曜「まっさか〜!」
千歌「堕天使がどうとか言ってたし…うわぁ!いてててて…」ドサーッ
曜「大丈夫?千歌ちゃん!?」
千歌「うわああああんどぉおおおしよぉおおお!!」
躓き、転んでしまった千歌の元に謎の敵は容赦なく攻撃をしようとする。
千歌「うわぁああ!それ以上来ないでー!」
曜「千歌ちゃん!!!」
ブリザド!
曜「なっ、急に凍った?!」
千歌「もう何が何だか〜…」
璃奈「下がって、二人とも」シュピンッ
かすみ「可愛くて強いかすみんが来たからにはもう安心ですよ〜」 かなりギリギリだったけどしずくちゃんの魔法が間に合ってよかった。
相手は3体だけ。後ろの2人を護りながらでも慎重に行けば勝てるはずだ。
しずく「ここは任せてください!」
璃奈「えいッ‼︎」
スルリ
璃奈「なっ」
確実に当たると確信した一撃を躱されてしまった。
とことん不気味な敵だ。
かすみ「ぐぬぬ、するりするりと厄介な敵ですね」
ベシッ
璃奈「!!」キンッ
自身の手を鞭の様にしならせる攻撃をキーブレードで弾くと相手が怯んだのだろうか、グニャグニャとした形態になり明らかな隙が生まれた。
璃奈「かすみちゃん、相手に攻撃を誘ってそれを弾いてみて」 かすみ「わ、わかった!」
ベシッ
かすみ「そぉれ!」キンッ
璃奈「これなら、えいっ!やぁ!」
プシュー プシュー
グニャグニャとした相手に鋭い攻撃をお見舞いする。今度は命中し泡が弾ける様な音を立てて跡形もなく消滅した。
璃奈(しっかり戦えてる、レオンさんありがとう)
しずく「璃奈さん、こっちの敵を凍らせました!トドメを!」
璃奈「うん!…やぁ!」バコッ
プシュー
かすみ「ふぅーなんとかなったね!」
璃奈「攻撃を躱され続けた時はどうなるかと思った」シュピンッ しずく「ケアル!」
千歌「わっ!傷が…治った!」
かすみ「しず子、MP大丈夫?」
しずく「うーん…また暫くすれば回復するかな、ありがとうかすみさん」
かすみ「そ、そう!ならよかった えへへ」
\すごいよ!!!!!!/
りなしずかす「!?」
千歌「何今の!すっっっごくかっこよかった!!!!目の前のニョロニョロがピキーンって凍ったかと思ったら剣でスパーってやっつけちゃうし!転んだ傷も治っちゃった!」ブンブンブン
一体何が…突然大きな声が聞こえたと思ったら手が自動的に上下し始めた…
璃奈「」
曜「千歌ちゃん、落ち着いて、びっくりしてるから」 千歌「あっ、ごめん!」
璃奈「ううん、大丈夫です」
千歌「とにかくありがとう!」
曜「本当にヒーローみたいでかっこよかったよー」
璃奈「そ、そんな…はずかしい…」
かすみ「千歌さん達をかすみんが助けて恩を売る作戦成功です にひひ」
曜「えっ?なんで千歌ちゃんの名前知ってるの?」
しまった、とかすみちゃんの顔が私としずくちゃんの方を向いて助けを求めてくる。
璃奈「えっと」
しずく「あっえっと、あのっ」
千歌「そりゃ知ってるよ、だってさっきから曜ちゃんが名前を呼んでるじゃん!」
曜「あっ、たしかにそうか!」
千歌「やだなー曜ちゃん!」
ようちか「あははははは!!!」 ― ―
―
千歌「貴女たちって新入生だよね!」
リボンの色から推察すると私たちも一年生、つまり新入生と言う事だろう。ご丁寧に校門には入学式、と看板が立てられていた。
璃奈「はい」
曜「そっかー新入生かー」
しずく「はい、今年から浦の星女学院に通えて嬉しいです!」
かすみ「えっ?そうなの?」
しずく「いいから合わせて!」ゴニョゴニョ
曜「浦女に入って嬉しいなんて珍しいねー」
千歌「あっ、自己紹介がまだだったね!私は2年、高海千歌!」
曜「私は渡辺曜、同じく2年。よろしくであります!」
璃奈「天王寺璃奈…です。無表情なのは…その…許してください」 千歌「そんなの気にしないよー!とってもかわいいし!」
かすみ「そしてスペシャルキュートなこの私!中須かすみです♪」
曜「じゃああだ名はかすかすだね」
かすみ「かすかすは禁止です!!!かすみんって呼んでください!!!」
しずく「桜坂しずくです、よろしくお願いします」
千歌「なんてお淑やか…」
曜「後光が見える…」
しずく「からかわないでください///」
千歌「ごめんごめん!」
曜「ついねー」
ようちか「あははははは!!!」
「貴女たち」
全員の背筋が凍りついた。 「いま何時だと思ってらっしゃります?」
千歌「えっと…8時55分…」
「入学式が始まるのは?」
曜「9時…」
かすみ「…そうなの?」
しずく「…そうらしいです」
璃奈「…そうらしいね」
「そうなんですの!!!」
かすみ「ひぃっ!?」
千歌「い、急がないと!あっ貴女も新入生?体育館はこっちだよ!」
曜「ち、千歌ちゃん、違うよ、その人は新入生じゃなくて3年生。しかも…」
千歌「うそっ、生徒会長?」
生徒会長「いいから急ぎなさい!それと後で全員生徒会室まで来る事!いいですわね!!!」
ようちかりなしずかす「は、はい…」 ― ― ―
― ―
―
入学式後、私たちはすぐに生徒会室に呼び出され、生徒会長からお説教を食らっていた。
生徒会長「貴女たち、入学式初日から何をやってますの。校門前はおしゃべりの場所じゃないんですのよ!」
千歌「いやー、実はお化けに襲われまして…」
生徒会長「吐くならもう少しましな嘘を吐きなさい!」
かすみ「ひやぁ!?」
曜「しょうがないよ千歌ちゃん、これを信じろって方が無理だよ…」
しずく「ですね…」
千歌「ほんとなのに」プクー
生徒会長「はぁ…ギリギリで式には間に合ったようですし今回は不問にして差し上げます。」
璃奈「生徒会長、優しい」
生徒会長「っ…一度目はですわ。二度目はないですわよ。」 千歌「じゃあさようならー」
生徒会長「ちょっと、貴女にはまだお話があります。ここに残りなさい。」
千歌「へ?」
先に生徒会室を後にし、会長の怒号が響き渡った数分後、千歌さんは生徒会室から出てきた。
― ―
―
千歌「『私が生徒会長である限り、スクールアイドル部は認めないからです!』だってぇ…」
璃奈「嫌い…とか?」
曜「クラスの子が作りたいって言いに行った時も断られたって…」
千歌「ええっ!曜ちゃん知ってたの?!」
曜「ごめん!」
千歌「先に言ってよぉぉぉぉ〜…」
曜「生徒会長の家、古風な家らしくて…だからチャラチャラした感じの物は嫌ってるんじゃないかって…」 かすみ「でもダイヤさんも結局は……」
しずく「かすみさん!!!」シュバッ
かすみ「んーんんーー!!!」モゴモゴ
千歌「へー生徒会長の名前、ダイヤさんって言うんだー」
璃奈「…」
知る機会など無かった筈の生徒会長の名前をかすみちゃんは知っていた。
今まで感じていた違和感の正体が判明し、頭の中で点と点が繋がっていく。
千歌「じゃあ私達はここで!果南ちゃ…えっと、寄る所があるから!」
曜「今日はありがとう、またねー!」
しずく「はい、また」ペコリ
かすみ「ばいばーい♪」
璃奈「さようなら……さて」
しずく「どうしましょうか」
かすみ「うーん、どうしたら次の世界に行けるんだろう」 しずく「なんにせよ少し情報の整理を…」
璃奈「そうだね」
― ―
―
近くのコンビニの前で一息つく。
いわゆる屯ろだがJKだからきっと許してもらえるだろう。
璃奈「二人に聞きたいことがあって」
しずく「なんですか?」
璃奈「二人がトラヴァースタウンに来る前の事を詳しく知りたい」
予想が合っているのならば
かすみ「えっと、確か練習の後にかすみんとしず子が先輩に呼ばれてぇ〜」
璃奈「その先輩って?」
かすみ「えっそんなの一人しかいないじゃん!ねぇ?しず子!」
しずく「うん、―――先輩だよ」 Aqours知っててヨハ子呼び、ライブにも来てくれたって言ってるからかすみんとしず子はスクスタ時空だけど、回廊通る前は侑ちゃんいるからアニメ時空の世界のはず。
ってことはどっかでスクスタ時空のかすみんとしず子に入れ替わったのか? 誰…?
かすみ「で、その後は前にも言ったように鍵を探せって言われて回廊を通ってきたってわけ!」
やはりこの二人は別の次元の中須かすみと桜坂しずくだ。どおりで時折話が噛み合わなかったのか。
璃奈「なるほど…」
かすみ「それがどうかしたの?何か思いついたとか?」
璃奈「ううん、ただ気になっただけ」
二人は私にとって友達で仲間だ、別にどの二人だろうと変わらない。だからこそ、ただでさえ深刻な状況で新たな問題を増やすのはどうなのか。
しずく「少し考えたんだけど、この世界はAqoursが結成する前の時間みたいだよね」
かすみ「あっ!かすみんもそれ思ってた!」
璃奈「…スクールアイドル部員の募集をしてた」 どっかで入れ替わった、というかアニメ世界とスクスタ世界が両方闇に呑まれてしずかすはスクスタからトラヴァースタウンに来たんでしょ 別の次元で私たちとライブをしたというAqoursなるスクールアイドル。
千歌さんはどこかカリスマ性を感じる人だ、きっとリーダーなのだろう。
しずく「だったらあまり干渉しない方が良いのでは?」
かすみ「えー、手伝ってあげようよ!」
しずく「璃奈さんはどう思う?」
璃奈「手伝うくらいなら大丈夫だと思う。それよりも千歌さんを襲ってた謎の敵が気がかり」
しずく「確かに逃げた千歌さん達を追うくらいにはご執心だったね」
璃奈「偶然なのか何者かが意図して襲わせたのか…」
何者か…XIII機関と、リクシーナと名乗った彼女なのだろうか。もしくはXIII機関の他の仲間?それとも第三勢力か。
かすみ「きっと千歌先輩がかわいいから襲われたんだよ!…あっでもそれだとかすみんが襲われてないから違うか」
しずく「じゃあとりあえずは千歌さんのお手伝いをしながら様子見と言うことでいい?」 >>117
あぁ、スクスタ世界も闇に呑まれたのね。なるほど。 璃奈「異論なし」
かすみ「かすみんも右に同じ!」
― ―
―
かすみ「ってここ辺りなにも無さ過ぎ!!!」
しずく「このまま日が暮れたら…」
璃奈「野宿」
かすみ「絶゛対゛い゛や゛ぁ゛!゛」
「私も輝きたいって!」
璃奈「あそこにいるのは」
浜辺で誰かと話しているのは間違いない、先ほど別れた明るい元気少女もとい千歌さんだ
しずく「千歌さんですね」
かすみ「何故ずぶ濡れ?!」 「うわぁ!またお化け!」
「何、この生物?」
「こうなったら海の中に逃げるしかー」
璃奈「助けに行こう」
しずく「はい!」
かすみ「うん!」
〜〜
「貴女のお友達じゃないの?」
千歌「違うよ!こんなお化けみたいな友達いないって!」
「おーい!千歌先輩ー!」
千歌「かすみちゃん!しずくちゃん!璃奈ちゃん!」
しずく「大丈夫ですか?」
千歌「大丈夫じゃないよー、助けてー!!!」 璃奈「任せて」
〜〜
プシュー
璃奈「ふう…」シュピンッ
一度対処方法がわかってしまえば対した相手ではない。簡単に掃討することが出来た。
千歌「ありがとぉぉおおおみんなぁぁあああ」
璃奈「無事でよかった」
かすみ「また恩を売ってしまいました にひひ」
千歌「ホントに助かったよ〜」
しずく「千歌さんはなんでこんな所でずぶ濡れになってるんですか?」
「私が海に飛び込もうとしたらこの子がしがみついてきて…」
スクール水着を着た女の子が事情を説明すると、千歌さんはバツの悪そうな顔をしていた。
千歌「えへへ…」 かすみ「まったく、何やってるんですか…」
千歌「あっそうだ!私は高海千歌。あそこの丘にある浦の星女学院って高校の2年生。」
梨子「私は桜内梨子。高校は音ノ木坂学院高校。」
〜〜
黒コート「うーん、なんで千歌さんが無事なのかわかりませんでしたがそういう事ですか」
黒コート「すこし厄介ですね。でもまぁなんとかなるでしょう!!!」
〜〜
千歌「で、3人はどうしてここに?」
しずく「えーっと…」
かすみ「なんて言うか」
璃奈「住む家がない」
千歌「ええっ、ホームレスってこと!?」
しずく「いや、引っ越してきたばかりなんですが色々あってまだ家に住めないといいますか!」
かすみ「そ、そうなんです!それはもう大変な事が起こって!」 璃奈「うんうん」
千歌「じゃあしばらくうちに泊まってく?」
璃奈「いいの?」
千歌「うん!うちあそこだから!」
千賀さんの指差す先には『十千万』と書かれた看板がある、立派な旅館が佇んでいた。
かすみ「じゅっせんまん…?」
千歌「とちまん、だよ!」
かすみ「そうとも読めますね!」
しずく「それ以外読めないと思うよ」
璃奈「あまりお金なくて」
学校から逃げ出す際に持っていたのは財布のみ。財布の中身は数千円と僅かばかりの小銭しか入っておらず、とても旅館に泊まれる様な金額ではない。
千歌「いいのいいの!今日だけで2回も助けてもらってるし!」 璃奈「本当?」
千歌「うん、泊まって!」
しずく「ありがとうございます!」
璃奈「千歌さん、好き」
かすみ「かすみんも千歌先輩すきすき〜♡」
千歌「えへへ、照れるよ〜」
やはり良いことをすれば巡り巡って自分に返ってくる物なのだ。なんとか今日は野宿をせずにすみ胸を撫で下ろした。
― ―
―
千歌「ねぇ、3人もスクールアイドルやらない?」
しずく「私達は…」
璃奈「その事で話が」
千歌「えーなになに?」
璃奈「スクールアイドル部に入ることは出来ないけど…」 千歌「けど?」
璃奈「けど、色々とお手伝いはさせてほしい」
千歌「ほんと!!!」
かすみ「もちろんです、かすみんが居れば百人力です! ふふん」
千歌「残念だけど今は手伝ってもらえるだけありがたいかー。わかった!」
しずく「まずはダイ…生徒会長さんから許可を貰わないといけませんね」
千歌「明日また行ってみるよ!」
「千歌ちゃん、もう寝なさいー」
千歌「はーい!じゃあおやすみ!」
しずく「はい、おやすみなさい♪」
かすみ「おやすみなさーい!」
璃奈「おやすみなさい」 布団に入り、目を閉じるとつい思考が止まらなくなってしまう。
璃奈(お父さん、お母さん…愛さん…歩夢さん…せつ菜さん…果林さん…エマさん…彼方さん…)
XIII機関やリクシーナと名乗るキーブレード使い。千歌さんを襲った謎の敵。この旅の終わりは来るのか。みんなを助ける事が出来るのか。
そんな事を延々と考えていたが疲労が溜まっていた身体は気がつくと眠りに落ちていた。 〜〜
<???>
リクシーナ「……」ガンッ
「こらこら、物に当っちゃダメだよ!」
リクシーナ「―――さん、居たの?」
「うん。あの子に会ったんだっけ?―――さんも会いに行こうかな!」
リクシーナ「会っても良いことなんてない、弱いし」
「その割にはすごい怒ってるじゃん、怒って口がアングリーって感じ!」
リクシーナ「…」
「何かあったの?―――さんに相談していいよ、ほら!」
リクシーナ「別に怒ってない、そもそも私たちには感情ない」
「あはは、そういえばそうだったね!って待ってよー!」
― ―
― 待ち望んでたKHラブライブ
興味ある人はKH1.5+2.5やろう(宣伝) ― ―
―
そんなこんなで暫くは千歌さんのお手伝いをしながらの日々を過ごした。
スクールアイドル部を巡って生徒会長と一悶着あった(主に生徒会長が火傷をしていた)けど
衣装担当の曜さんと、曲作り担当のスク水ガール、梨子さんが加入して部は順調な滑り出しと言えたのだが…
千歌「新理事長?」
私達6人は理事長室に呼ばれ向かうと、そこには同じ制服に身を包んだ金髪の少女が居た。
鞠莉「Yes!気軽にマリーって呼んで欲しいのー」
かすみ「どうして理事長が制服を着てるんですかぁ〜?」
鞠莉「どこか変かなー?」
しずく「り、理事長ですよね?」
鞠莉「しかーし!この学校の生徒兼理事長!カレー牛丼みたいな物ネー!」 梨子「例えがよくわからない…」
鞠莉「えー!わからないのー!」
ダイヤ「わからないに決まってます!」
曜「生徒会長!?」
ダイヤ「高校3年生が理事長なんて冗談にも程がありますわ!」
鞠莉「それはJokeじゃないのよネ」
マリーさんはポケットから書類を取り出すと、私たちに差し出して見せる。確かにそこには『委任状 浦の星女学院三年 小原鞠莉 殿』と書かれていた。
千歌「嘘っ!?」
かすみ「え゛ぇ゛っ゛!゛?゛」
璃奈「理事長に任命します…」
ダイヤ「そんなっ、なんで!」
鞠莉「実は…」
しずく「実は?」 鞠莉「この浦の星にSchool idolが誕生したと噂を聞いてネ?」
ダイヤ「まさか…それで?」
鞠莉「そう!ダイヤに邪魔されちゃ可哀想なので、応援しに来たのデス!」
千歌「ホントですか!」
鞠莉「Yes! このマリーが来たからには心配ありません♪」
かすみ「やりましたね!千歌先輩!」
千歌「これは奇跡だよ!」
鞠莉「でも皆さんには条件がありマース!」
璃奈「条件って?」
鞠莉「詳しくはマリーに着いてきてー!Here we go!」
― ―
―
曜「ここで?」
鞠莉さんに着いていくと体育館にたどり着いた。条件とはどうやらここでファーストライブをしてもらう事らしい。 鞠莉「ここを満員に出来たら人数に関わらず部として承認してあげますよ♪」
梨子「でも満員にできなければ?」
鞠莉「その時は解散してもらう他ありません」
千歌「えぇ…そんなぁ…」
鞠莉「嫌なら断ってもらっても結構ですけど」
しずく「それは…」
かすみ「おーぼーですよ!おーぼー!」
璃奈「職権濫用」
鞠莉「ふふっ、どうします?」
千歌「…やるしかないよ!他に手があるわけじゃないんだし!」
鞠莉「OK 行うということでいいのネ」
それだけ告げると鞠莉さんは笑みを浮かべながら体育館を去っていった。ふとここで入学式を行った時の事を思い出す…あっ
璃奈「ちょっといい?」 千歌「ん?」
璃奈「入学式、体育館でやったけどその時は…」
かすみ「入学式何かあったっけ?」
曜「あっ!」
梨子「そうか…この学校って全校生徒何人?」
千歌「えーっと…」
しずく「なるほど確かに…」
千歌「なになにどういうこと!」
かすみ「おしえておしえて〜!」
梨子「あのね、全校生徒が集まってもこの体育館は満員にならないの…」
― ―
―
かすみ「ぐぬぬ、鞠莉先輩もなかなかの策士ですね…」
千歌「どうしよぉ…」
梨子「鞠莉さんの言う事も少しはわかる。それくらい出来なきゃこの先もダメという事でしょ?」 璃奈「鞠莉さん、スパルタ」
しずく「でもまだ曲もできたばかりですし…」
千歌「ダンスもまだまだだよ…」
曜「じゃあ諦める?」
千歌「諦めない!」
かすみ「そうですよ、千歌先輩!」
しずく「私達も協力します!」
千歌「絶対満員にしてみせる!」
璃奈「がんばろう。璃奈ちゃんボード『むん!』」
梨子「璃奈ちゃんボード…?」
かすみ「あっ、ノート版ボードだ」
璃奈「うん、購買で丁度いいのが売ってたから」
千歌「何それかわいい!」 ― ― ―
― ―
―
ライブに向けてやるべき事は多かった。
駅前でのチラシ配り、朝と夕方のトレーニング、ダンスの練習に曲のマスタリング
だがAqoursはそれらをこなしライブまで残り数日を切っていた。
千歌「おーい、璃奈ちゃん」
璃奈「どうしたの?千歌さん」
千歌「志満姉に買い出し頼まれちゃって…」
璃奈「一緒に行く?」
千歌「えへへー、うん!」
― ―
―
千歌「ごめんねー、付き合わせちゃって」
璃奈「ううん、綺麗な夕焼けを見れたし、千歌さんとお散歩出来て楽しい」 千歌「あーあ、私にも妹が居たらよかったのに!」
璃奈「千歌お姉さん?」
千歌「んー、なかなかいい響き!……ホントは改めて璃奈ちゃん達にお礼を言いたくなっちゃって誘ったの」
璃奈「むしろお礼は私が言う方」
千歌「ううん、璃奈ちゃんには凄く助けられてる」
璃奈「……千歌さんはなんでスクールアイドルやろうと思ったの?」
千歌「…輝きたい、からかな」
璃奈「輝きたい?」
千歌「生まれてからずっと普通だった私がやっと夢中になれる物に出会えたんだ。μ'sはすごく輝いてた、だから私も輝きたい!ってそう思った。」
それを語る千歌さんは輝いて見えた。夕日の光でそう見えるだけじゃない、彼女の目は夢で確かにキラキラと輝いていた。
千歌「絶対ライブを成功させる!」
璃奈「千歌さん…」 千歌「だから!璃奈ちゃんも諦めないで」
璃奈「え?」
手を握り真っ直ぐと瞳を見据えてくる。
千歌さんには事情を話していないはず、それなのに…
千歌「私には何もわからないけど、璃奈ちゃんも何かやるべき事があるんでしょ?」
璃奈「……うん」
千歌「私も頑張るから、諦めないでね」
璃奈「ありがとう、千歌さん」
千歌「こちらこそ!」
「ちょっと良いですか?」
二人だけの帰路に背後から謎の声をかけられる。気づいた時には隣にいた千歌さんが消えていた。
璃奈「そのコート…XIII機関!」シュピンッ コートは同じ物だがリクシーナと名乗った人物とは声も身長も違う
黒コート「あぁ、リクシーナさんに会ったんでしたね」
千歌「ちょ、ちょっと!」
黒コート「初めまして、私はアンセストと言います!」
璃奈「いいから千歌さんを離して」
既に数mの距離がある。
ここからだと何かされては間に合わない。
アンセスト「せっかちですね…いいですよ」
璃奈「え」
黒コートが千歌さんの耳元で何かを囁き、地面に寝かせた
璃奈「千歌さん!」 大丈夫、心臓は動いている。
寝ているか気絶しているだけのようだ。
璃奈「何をしたの?」
アンセスト「心に闇を落としました」
璃奈「なんでそんな事…」
アンセスト「特異点たる千歌さんは周りに影響を与えすぎる。私たちの計画に支障をきたす恐れがあったので」
璃奈「計画…?」
アンセスト「早めにハートレスになって貰おうと思ったんですが、あまりにも心が強すぎて…想定外でした」
璃奈「千歌さんをハートレスになんかさせない」
アンセスト「心が弱まればどんな人間でも闇に染まっていきますよ」
璃奈「そんな事ない、千歌さんは光で満ちてる」
アンセスト「光があるから闇も生まれるんです。…喋りすぎましたね。また会いましょう、璃奈さん!!!」
アンセストと名乗る黒コートは回廊に入り姿を消した。 璃奈「あの声…何処かで…いや誰かに…」
何はともあれ今は千歌さんが最優先だ。
早く戻らなければ。
― ―
―
千歌「…ん……」
ようりこ「千歌ちゃん!」
千歌「2人ともなんでここに…?」
梨子「璃奈ちゃんから連絡が来てね」
曜「千歌ちゃんが襲われたって!」
千歌「そっか…私、歩いてたら急に掴まれて…」
璃奈「私のせい、一緒に居たのに千歌さんを守れなかった…」
かすみ「りな子…」
しずく「…でも何でXIII機関…えっと襲った相手は千歌さんを狙うんでしょうか」
璃奈「千歌さん達がライブをするのが許せないみたい…」 千歌「…」
梨子「そんな…」
曜「なんで!!!」
千歌「中止にするしか無いのかな…」
かすみ「なんで…あんなに頑張ろうって言ってたじゃないですか!」
曜「…諦めるの?」
梨子「かすみちゃん!曜ちゃん!」
千歌「……」
曜「でも…」
梨子「中止にするのも千歌ちゃんの身の安全を考えるなら正しい選択よ」
千歌「…うん」
梨子「…私達は千歌ちゃんの選択に従うわ。明後日までに決断して」
千歌「…わかった」 ― ―
―
千歌(中止しかないのかな…)
千歌「μ'sなら…どうするんだろう」
♪〜
千歌「START:DASH!!だ」
♪諦めちゃダメなんだ
千歌「……」
♪その日が絶対来る
千歌「やっぱり…」
♪信じてるよ…だからSTART
千歌「諦めてたまるかー!!!」 「バカチカ!うるさい!」
― ―
―
千歌「やっぱりやろう!ライブ!」
梨子「わかったわ」
曜「やっぱり千歌ちゃんはそうでなくっちゃ!」
千歌「それで…璃奈ちゃん…」
璃奈「うん、千歌さん達は私が守る」
かすみ「私達が、でしょ?」
しずく「そうです、千歌さんのライブは邪魔させません!」
千歌「ありがとう、みんなー!」
しずく「うわっ!」
千歌さんが私たち目掛けて飛び込んできた かすみ「くるしいです…」
璃奈「でも暖かい」
梨子「ライブは明日よ、練習始めましょう」
ようちか「おー!」
― ―
―
ライブ本番はあいにくの雨。
私達は体育館の外で望まぬ来訪者を待っていた。
しずく「本当に来るのかな」
かすみ「かすみんたちに恐れをなして来なかったりして〜」
璃奈「いや絶対に来る」
「こんにちはー!!!」
アンセスト「私も中に入れてくれませんか?」
璃奈「貴女は入れられない」シュピンッ アンセスト「実は私もスクールアイドルには目がなくて…」
しずく「嘘です、貴女は何から何まで演技をしている。私にはわかります!」
アンセスト「心外です!!!」
かすみ「大人しく観るだけじゃないくせに!」
アンセスト「はい、それは確かにそうですが…」
璃奈「貴女とは分かり合えないみたい、ここで倒す」
アンセスト「面白いですね」
そう呟くと私たちの周りに炎が走り出し、みるみるうちに壁が出来上がる。
かすみ「あっつ!!!」
しずく「まさしく炎の檻ですね…」
アンセスト「ゲームをしましょう!!!」
しずく「ゲ、ゲーム?」
パチっと指を鳴らすと私と相手の頭上に炎が現れた。 アンセスト「この炎は精神の炎、先に消えた方が負けってゲームです!」
璃奈「そんなのゲームじゃない」
アンセスト「命を賭けたゲームですよ、ワクワクしませんか?」
かすみ「あー、話は終わりましたかぁ〜?」
アンセスト「…いちいち癪に触る人ですね…私の炎で燃やし尽くしてあげますよ!!!」
手を合わせると焔で出来た長剣を生み出す。
後方から音楽が聞こえ始めた。
戦いが始まる。 今日はここまでですわよ
ちょっと忙しすぎてあまり書けてませんが、ゆっくりとやっていくのでよろしくお願いします… XIII機関の名前にニヤニヤする
ゆっくり待ってるから頑張ってくれ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています