歩夢「せつ菜ちゃんに侑ちゃんを寝取られた……」
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歩夢「侑ちゃん、せつ菜ちゃんと付き合うなんて……」
歩夢「……どうして?」
歩夢「私の方が、ずっと前から侑ちゃんのことを好きだったのに……」
歩夢「……せつ菜ちゃんも」
歩夢「私が、私が侑ちゃんのこと好きなの、気づいてたよね……?」
歩夢「なのに、どうして、私から侑ちゃんを寝取るなんて」
歩夢「ひどいよ……」
せつ菜「それは違います!!!!!」
@cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ!? 歩夢「……ぁ」
歩夢「っ……」ポロポロ
侑「!?」
歩夢「っ、あ……っ」ポロポロ
侑「あ、歩夢!?どうしたの!?」
歩夢「だって、だって……」ポロポロ
歩夢「侑ちゃんに、そういう意味で好きって言ってもらうの」グスッ
歩夢「ずっと、ずっと夢見てたから……!」
侑「……!」
歩夢「だから……っ」グスッ
ギュッ
侑「……歩夢」
歩夢「!」 侑「好きだよ」
歩夢「……っ」
侑「好き」
歩夢「ぅん……」
侑「……好き」
歩夢「うん……っ」
侑「大好き」
歩夢「私も」
歩夢「侑ちゃんのこと、大好きだよ……っ」 ──────
────
──
侑「……落ち着いた?」ナデナデ
歩夢「うん……」
侑「ならよかった」ニッ
歩夢「……夢じゃないんだよね」
侑「夢じゃないよ」
侑「頬っぺたつねろっか?」ニシシ
歩夢「……」
侑「じょ、冗談だって」
歩夢「……つねるんじゃなくて」
歩夢「ちゅー」
侑「……え?」
歩夢「……ほっぺに、ちゅー」
歩夢「してほしい、な」カァァァ
侑「!!」ドキッ 侑(なに、この)
歩夢「そしたら、夢じゃないって」
侑(この感じ……っ)
歩夢「思えそう、だから」
侑(ドキドキが、止まらない)
歩夢「だから、してほしい」
侑(歩夢が……!)
歩夢「……ダメ、かな?」ジッ
侑(めっっっちゃ可愛く見える……っ!!) ────潤んだ瞳が
歩夢「侑ちゃん……」
────紅潮した頬が
歩夢「……」ギュッ
────すがるように私の左袖を握る力が
歩夢「お願い……」
────弱々しく震えた声が
歩夢「……ダメ?」
────歩夢の全てが、愛しい……! こんな表現方法凝ってるSS久しぶりに見た( ᵕ̩̩ㅅᵕ̩̩ )
完結した後に過去作SSとか教えて欲しい 侑(こんな歩夢見せられたら……!)
侑「……わかった」
侑(断れるわけないよ……っ!)
侑「歩夢……」
────歩夢の左頬にそっと右手を添える
歩夢「……っ」
────ビクッと跳ねる、その反応すらも可愛く思えるし
侑「……するよ」
歩夢「……ぅん」
────ぎゅっと目を閉じた表情もとても可愛い
侑「……」
────このまま、少しだけ
歩夢「……っ」
────眺めていてもいいかな?
歩夢「〜っ」
────だって、今の歩夢
歩夢「〜!」
────めちゃくちゃ可愛いんだもん 歩夢「……ゆ、侑ちゃん?」
侑「ん?」
────だから
歩夢「い、いつまで待たせるの……?」
侑「あぁ……ごめんごめん」
侑「歩夢のキス待ち顔が可愛すぎてさ……ちょっと眺めてた」ニッ
歩夢「なっ!」パチッ
────驚いた歩夢の目が開いた瞬間を狙って
歩夢「なんでそんなこと────」
チュ
────不意討ちをかましたりしても
歩夢「────なっ」
侑「……えへへ」
────いいよね? 歩夢「なんで目開けたときにするの……っ!」カァァァ
侑「なんで、って」
侑「……歩夢が可愛すぎたからさ」
侑「つい、イジワルしたくなっちゃった」アハハ
歩夢「なっ……!」
歩夢「っ、っ……!」ポムポム
侑「いっ、痛いよ歩夢〜」
侑(ホントは全然痛くないけど)
歩夢「だって、だって……!」
歩夢「……もう、侑ちゃんのイジワルっ」
侑「ごめんごめん」ハハ
侑「……でもさ」
侑「これで夢じゃないって、わかったでしょ?」ニッ
歩夢「……うん」コクリ 歩夢「……ねぇ、侑ちゃん」
侑「?」
歩夢「今の私達は、両想い……だよね?」
侑「……そうだね」
歩夢「なら、さ」
侑「……うん」
侑(そうだ)
侑(歩夢と楽しい時間を過ごす前に)
侑(私には、やらなくちゃいけないことがある)
侑「せつ菜ちゃんのこと、だよね」
歩夢「……」コクリ 侑「……私、本当に馬鹿だよね」
侑「私が、せつ菜ちゃんに告白されたときに軽率に付き合ったりしなければ」
侑「私が、もっと早く歩夢の想いに気づいていれば」
侑「私が、私自身の気持ちにちゃんと向き合っていれば」
侑「歩夢のことも泣かせずに済んだし」
侑「……それから、せつ菜ちゃんの気持ちを裏切ることもなかったのにね」
歩夢「……」
侑「せつ菜ちゃんには、謝っても許してもらえないだろうなぁ……」
歩夢「……侑ちゃん」
歩夢「侑ちゃんは、悪くないよ?」ニコ
侑「……え?」 歩夢「侑ちゃんにちゃんと考える時間をあげなかったせつ菜ちゃんと」
歩夢「今までずっと、侑ちゃんに告白できずにいた私が悪いんだから」
歩夢「だから、侑ちゃんは悪くないよ」ニコ
侑「そ、そんなこと」
歩夢「あるよ」
歩夢「だから、侑ちゃんは悪くない」
歩夢「悪くないんだよ」ニコ
侑「……そう、かな」
歩夢「そうだよ」ニコニコ
侑「そっ、か」
歩夢「うん」ニコニコ
侑「私は、悪くない……」
歩夢「侑ちゃんは悪くないよ」ニコニコ
侑(……歩夢が、笑顔だし)
歩夢「全部、せつ菜ちゃんと私が悪いの」ニコニコ
侑(それで、いいのかな……?) 侑「……でも」
歩夢「────」ピクッ
侑「例え、私が悪くなくても」
侑「せつ菜ちゃんには、ちゃんと謝らなくちゃ」
侑「謝って、きちんとお別れしなきゃ」
侑「せめて、それだけはちゃんとしないと」
侑「だから」
侑「だから、せつ菜ちゃんに会ってちゃんと話を」
歩夢「……嫌っ!」
ドサッ
侑「えっ」
歩夢「……っ」ギュッ 侑(私、歩夢に押し倒されてる……?)
歩夢「……せつ菜ちゃんと、話すの?」
侑「う、うん、それできちんとお別れを」
歩夢「二人きりで?」
侑「え?そりゃ大事な話だし、他の人に聞かれるわけには」
歩夢「……やだ」
侑「え?」
歩夢「二人きりで会っちゃ、やだ」ギュッ
侑「な、なんで……?」
歩夢「……だって、せつ菜ちゃんは侑ちゃんのことが好きなんだよ」
歩夢「二人きりで会ったら、侑ちゃんに何されるかわからないもん……!」ギューッ
侑「い、いや、あのせつ菜ちゃんだよ?そんなおかしなことは」
歩夢「……侑ちゃんは」
歩夢「私と、今みたいな状況になるって……」
歩夢「想像したこと、ある?」ジッ
侑「っ」ドキッ 歩夢「どうなの?」ジーッ
侑「……な、ない、けど」
歩夢「……そう」
侑「な、なんでちょっと悲しそうなの?」
歩夢「……本当に、私のことそういう意味で意識したことなかったんだな、って」
侑「そ、そりゃ歩夢は」
歩夢「"大事な幼馴染"だったから?」
侑「っ、う、うん……そうだよ」
歩夢「じゃあせつ菜ちゃんは?」
侑「え?」
歩夢「侑ちゃんにとってせつ菜ちゃんはどういう存在なの?」
侑「それ、は……」
侑「私にとって、せつ菜ちゃんは」
歩夢「侑ちゃん」ズイッ
侑「!」ドキッ
侑(あ、歩夢の顔が目の前に)
侑「あ、歩夢、近いよ……」ドキドキ
歩夢「今の質問はね、答えが聞きたかったわけじゃないの」
侑「え?じゃ、じゃあどういう意味で?」
歩夢「私が言いたかったのは」
歩夢「侑ちゃんにとってせつ菜ちゃんがどんな存在でも」
歩夢「せつ菜ちゃんにとって侑ちゃんは恋愛対象なの」
歩夢「だから、侑ちゃんがせつ菜ちゃんのことを同級生や同じ同好会の仲間や友達くらいにしか思っていなかったとしても」
歩夢「そんなの、関係ないってことだよ……!」 だんだん侑ちゃんが歩夢に身を預け始めてるの気になる(*゚O゚*) 歩夢「それに、侑ちゃんだってせつ菜ちゃんの性格は知ってるでしょ?」
侑「ど、どういう意味?」
歩夢「せつ菜ちゃん、負けず嫌いだから……」
歩夢「『今は歩夢さんのことが好きでも!いつか私のことを好きにさせてみせます!』って」
侑「!」
歩夢「……侑ちゃんから別れを切り出されたら、きっとこんな感じのこと言うと思うよ」
侑「た、確かに、せつ菜ちゃんなら言いそうだね」
侑「で、でも!だとしても私は」
歩夢「嫌なの」
侑「え?」
歩夢「もしそうなったら、きっとせつ菜ちゃんは全力で私から侑ちゃんを奪いに来るから」
侑「そ、そんなこと」
歩夢「あるよ」
侑「な、なんでそこまで」
歩夢「だって」
歩夢「だって私が、今まさにそうしてるんだもん……!」 侑「!」
歩夢「ねぇ侑ちゃん」
歩夢「恋愛ってね、楽しくてキラキラしてる時間ばかりじゃないの」
歩夢「自分の好きな人が他の人と仲良くしてるのを見てるときは辛いし」
歩夢「自分じゃない別の誰かに笑顔を向けてるのを見てるときは苦しくなるし」
歩夢「もし他の人に取られたりしたらどうしようって考えると凄く怖くなって」
歩夢「そういう、暗い感情とも付き合っていかなくちゃいけないの」
歩夢「しかも、別の人が自分と同じようにその人を好きになってるのを知ってたら尚更……!」
侑「っ」
侑「で、でも!私はちゃんと歩夢のこと……!」
歩夢「ありがとう」ニコ
歩夢「その気持ちは本当に嬉しいし、"今の"侑ちゃんが本気でそう想ってくれてるのも伝わってくるよ」
歩夢「……でもね」
歩夢「もしせつ菜ちゃんに別れを告げたときに」
歩夢「目の前でせつ菜ちゃんが涙を流しながら別れないでくださいって必死にお願いしてきたら」
歩夢「私のこと捨てないでくださいってボロボロの表情ですがってきたら」
歩夢「それでも侑ちゃんは」
歩夢「せつ菜ちゃんと、きっちりお別れできる?」ニコ
侑「……ッ!!」 ここ数レス乙女なぽむが続いてたから忘れてたけど、フラれたら命すら引き換えにできる精神状況なの忘れてた 侑「それ、は……」
侑「それでも、私は……」
───────
歩夢「私のこと、嫌いにならないで、ね?」ニコ
───────
侑「っ!」
侑(……そうだ、私は歩夢の泣き顔を見たくなくて)
侑(あんな顔を、歩夢にしてほしくなくて)
侑(……なら、もしせつ菜ちゃんが泣いたら?)
侑(いつも笑顔でキラキラして、"大好き"を大切にしているせつ菜ちゃんがもし……)
───────
せつ菜「別れるなんて、そんな……!」ポロポロ
せつ菜「そんなの嫌です……っ!」ポロポロ
せつ菜「嫌ですよ侑さん……っ」グスッ
せつ菜「私のこと、捨てないでください……!」ギュッ
───────
侑「ッ!!」ズキズキッ 侑「っ、ぁ……!」
歩夢「!?」
侑「はぁ……はぁ……!」ズキズキ
侑(ダメだ、もしそんなせつ菜ちゃんを目の前にしたら)
侑(私は、私は手を差し伸べずにはいられない……!)
侑(でも、でもそれじゃ……!)
侑「ぅ、ぁ……っ」ズキズキ
歩夢「侑ちゃん!」ギュッ
侑「!」
歩夢「大丈夫、大丈夫だから!」ギューッ
侑「ぁ、ゆむ……」
歩夢「ごめんね、怖いこと考えさせちゃったよね」
歩夢「今は大丈夫、大丈夫だから……」
侑「ぅ……ん」ギュッ
歩夢「よしよし……」ナデナデ
侑「ん……」
侑「……」
侑「私……」
歩夢「ん?」ナデナデ
侑「私は、どうしたらいいのかな……?」ポロポロ 歩夢「侑ちゃん……」
侑「歩夢のこと、ちゃんと好きだってわかったのに……!」グスッ
侑「でも、せつ菜ちゃんの傷ついた姿を想像したら……!」ヒック
侑「せつ菜ちゃんがあんな風になるの、私見てられないよ……」グスッ
侑「でも、でもそれじゃ歩夢がぁ……」ヒック
歩夢「……」ギュッ
歩夢「侑ちゃんは、本当に優しい子だね」ナデナデ
歩夢「私とせつ菜ちゃん、どっちの気持ちも大切にしようとしてくれてるんだよね?」ナデナデ
侑「……ぅん」グスッ
侑「私が、私がもっとしっかりしてれば……っ」ヒック
歩夢「侑ちゃん」ギュッ
侑「っ」
歩夢「侑ちゃんは、悪くないよ」
歩夢「今回は、ただちょっとすれ違っちゃっただけだから」
歩夢「ね?」
侑「……ん」ギュッ
歩夢「……」ナデナデ
歩夢「あのね、侑ちゃん」
侑「……な、に?」グスッ
歩夢「一つ、私に良い案があるんだけど」
歩夢「聞いてくれる?」ニコ 一旦ここまでです!!!!!
続きは今日の深夜か明日にでも書ければと思います!!!!!
また、そろそろルート3-1も完結しそうなのですが、こちらが完結し次第ルート2に進もうかと考えています!
ルート1の続きが気になっている方には申し訳ないのですがご容赦ください……! >>465
それ
全員自己中だからこその面白さだわ >>479
冷静になると3人ともそこまで執着するほど魅力的か…?ってなるのも何かリアルだな 〜翌日、昼休み、学校の廊下〜
愛「お、やっほー歩夢」
歩夢「……愛ちゃん、こんにちは」ニコ
愛「昨日休んでたみたいだけど、体調はもう大丈夫な感じ?」
歩夢「うん、私は大丈夫だよ」
愛「そっか〜、ならよかった!」
愛「……あ、ゆうゆはどう?一緒じゃないみたいだけど」
歩夢「侑ちゃんの方はまだ良くならないみたいで、今日もお休みなの」
歩夢「早く良くなるといいんだけど、ね」
愛「……そっかぁ」
愛「まあでも、歩夢が元気そうでよかったよ!」
歩夢「ふふ、心配してくれてたんだね」
愛「ん、まーね」ニッ
歩夢「ありがとう」ニコ
愛「……それじゃ、愛さんそろそろ行くね〜また放課後練習で!」タッ
歩夢「うん、また後でね」フリフリ
愛「……」ムムム 愛(……歩夢、思ったよりも元気そうだったな)
愛(ゆうゆとせっつーが付き合い出してからは、なんか浮かない感じの雰囲気だったし)
愛(それにどーみても前からゆうゆのこと……って感じだったから心配だったけど)
愛(歩夢なりに折り合いをつけたのかな……?)
愛(……まあ、とりあえず元気そうならいっか!)
愛「りなりーお待たせ!」
璃奈「愛さん、やっと来た」
愛「や〜購買が混んでてさぁ、あっそういえば────」 〜放課後、練習終了後〜
せつ菜「お待たせしました」
歩夢「せつ菜ちゃん、来てくれたんだね」ニコ
せつ菜「……それは」
せつ菜「侑さんのことで大事な話がある、なんて言われたら来るに決まってますよ!」
歩夢「ふふ、そうだよね」
せつ菜「それで、侑さんが関わる話とはなんですか……?」
歩夢「……回りくどいのもあれだから、率直に言うね」
歩夢「侑ちゃん、私と付き合うことになったの」
歩夢「だから、せつ菜ちゃんにはお別れしてもらいたいの」ニコ
せつ菜「……!?」 せつ菜「え、っと……?あ、歩夢さん、あなたは何を言って……」
歩夢「聞こえなかった?じゃあもう一度言うね」
歩夢「侑ちゃんは、私と付き合うことに決めたの」
歩夢「だから、せつ菜ちゃんは侑ちゃんとお別れし」
せつ菜「ふざけないでください!!!!!」
歩夢「……相変わらず凄い大きな声だね」ニコ
せつ菜「侑さんが、歩夢さんと……?」
せつ菜「何を言ってるんですかあなたは!!侑さんは!!!私の────」
歩夢「違うよ」
せつ菜「!?」ゾクッッッ
せつ菜(な、なんですか今の恐ろしい感じは……!?)
歩夢「……ちゃんと説明した方が良さそうだね」ニコ 歩夢「私ね、昨日侑ちゃんに告白したの」
せつ菜「なっ……!」
歩夢「そしたら侑ちゃん凄いびっくりしてね、最初はそんなまさか!?って感じで」
歩夢「……でもね?」
歩夢「最終的には、私のことちゃんと受け入れてくれたの」ニコ
せつ菜「!!そん、な……!?」
せつ菜「……い、いえ!それはおかしいです!!だって侑さんは今私と」
歩夢「付き合ってる、って?」
せつ菜「っ……!そ、そうです!!だから」
歩夢「だから私と付き合うのはおかしい……そう言いたいのかな?」
せつ菜「っ、そうです!!あの、いちいち私の言うことに被せなくても」
歩夢「それこそおかしいんだよ、せつ菜ちゃん」
せつ菜「……は?」
せつ菜「ど、どういう意味ですかそれは!!!」
歩夢「だって侑ちゃんは」
歩夢「せつ菜ちゃんのこと、そういう意味で好きなわけじゃないんだよ?」ニコ
せつ菜「……ッッ!!!!」 歩夢「侑ちゃんは、せつ菜ちゃんに告白された時点ではせつ菜ちゃんのことを"恋愛対象として好き"なわけではなかった」
せつ菜「……っ」
歩夢「そしてそれは、今もまだそこまで大きく変化しているわけじゃない」
せつ菜「それ、は……」
歩夢「……その反応、せつ菜ちゃん自身も気づいてたんだね?」
せつ菜「っ!」
歩夢「そっかぁ、それだったら話は」
せつ菜「待ってください!!!!!」
せつ菜「確かに私も薄々そうなんじゃないかとは感じていました……!!」
せつ菜「でも、侑さんは!私に対してかっこいいや可愛いという言葉をくれましたし……す、好きとも言ってくれました!」
歩夢「……それで?」
歩夢「その"好き"って言葉は、せつ菜ちゃんが口にする"好き"と同じものだったのかな?」ニコ
せつ菜「ぐっ……!!」 せつ菜「……た、確かに!」
せつ菜「これまで侑さんが私にくれた"好き"に込められていた意味は……私が、本当に欲しいものではなかったかもしれません……!」
歩夢「そこまでわかってるなら」
せつ菜「ですが!!」
せつ菜「私と侑さんが付き合っているのはまぎれもない事実です!!!」
せつ菜「そこに侑さんの幼馴染とは言え第三者である歩夢さんが介入するのは」
歩夢「せつ菜ちゃん」
せつ菜「っ!」
歩夢「私の話、ちゃん聞いてたのかな?」ニコ
せつ菜「ど、どういう意味ですか!」
歩夢「私言ったよね、『最終的にはちゃんと受け入れてくれた』って」
歩夢「それはね、せつ菜ちゃんが告白したときとは違って」
歩夢「侑ちゃんも私のことを"恋愛対象として好き"になってくれた、って意味なんだよ」ニコ
せつ菜「なっっ!!!!?」 それはBSSですよ!!!!キリッ
とか言って煽ってたしまあしゃあない😓 歩夢「その意味、わかるよね?」ニコニコ
せつ菜「そん、な……!そんなこと……!!」
歩夢「あのときの侑ちゃん、本当に可愛かったなぁ」ニコニコ
歩夢「私のことを意識し始めたからか、顔も凄く赤くて」ニコニコ
歩夢「ぎゅっと抱き締めたら、心臓の鼓動がこっちにも聴こえるくらいドキドキしてくれてて」ニコニコ
歩夢「そっと手を重ねたら、こっちにも緊張してるのが伝わってくるくらいに汗かいてて」ニコニコ
歩夢「もう私のことしか見えない、って感じのうっとりした表情になってて」ニコニコ
歩夢「本当に、可愛かったなぁ」ニコニコ
せつ菜「なっ、侑さんが、そん、な……!」
歩夢「ねぇ、せつ菜ちゃん」
歩夢「せつ菜ちゃんは侑ちゃんがそんな風になるところ」
歩夢「見たこと、あるの?」ニコッ
せつ菜「……ッッ!!!!!」 せつ菜「私、は……」ブルブル
歩夢「あるのかな?」ニコニコ
せつ菜「……っ、です」ブルブル
歩夢「ん?」ニコニコ
せつ菜「……ぃです」ブルブル
歩夢「ごめんね、よく聴こえないからちゃんと大きな声で言ってくれる?」ニコニコ
せつ菜「……ッッ、ないですよ!!!!!」
歩夢「わっ、びっくりした」
せつ菜「そんなの、一度だって、まだ……!!」グスッ
歩夢「そっかぁ」ニコッ
せつ菜「……っ」ゴシゴシ
せつ菜「歩夢さん!!!!!」
歩夢「なに?」ニコニコ
せつ菜「そこまで言うのでしたら!!証拠を見せてください!!!」
歩夢「……証拠?」 せつ菜「そうです!!」
せつ菜「今はまだ歩夢さんの口から聞いているだけに過ぎず、第三者の証言や物的証拠と言えるものがまだ何もありません!!!!」
歩夢「……そうだね」
せつ菜「ですから!!歩夢さんの言葉以外で!!!それが事実であると証明していただきたいのです!!!!!」
歩夢「……そっかぁ」
歩夢「まあ確かに、せつ菜ちゃんからしたら私が嘘を言っていると"勘違い"してもおかしくはないよね」ニコッ
せつ菜「そ、そうです!」
せつ菜「出せる証拠があるのなら!!是非私に見せてください!!!」
歩夢「……そこまで言うなら、しょうがないか」
歩夢「いいよ、せつ菜ちゃん」
歩夢「証拠、見せてあげる」ニコッ
せつ菜「!!」 歩夢「……でも、その前に」
歩夢「約束、してもらってもいいかな?」ニコ
せつ菜「約、束……?」
歩夢「うん」
せつ菜「な、なんですか、その約束って」
歩夢「えっとね」
歩夢「金輪際、侑ちゃんと会話しないで」ニコ
せつ菜「!?」 歩夢「電話も、メールも、SNSも」
歩夢「どんな手段であっても、侑ちゃんとコミュニケーションを取らないで」ニコッ
せつ菜「な、そん、なの……っ」
歩夢「あ、でも同好会に所属してる間はそれだと侑ちゃんが困っちゃいそうだし……そうだなぁ」
歩夢「事務的な会話だけはオッケー、でどうかな?」
歩夢「もちろん私がいるところに限るけど、ね」ニコッ
せつ菜「……っ、そ、そんなの横暴が過ぎます!!」
歩夢「えぇ、これでもかなり譲歩したつもりなんだけどなぁ」
歩夢「……それとも」
歩夢「侑ちゃんのこと、信じられないのかな?」ニコッ
せつ菜「……ッッ!!!!」 >>482
愛さんの目をすり抜けるとは…
迷いを捨てたぽむ強い 怖い 歩夢「だってそうだよね?」
歩夢「侑ちゃんが、私と付き合ったりしないって」
歩夢「私の告白を受け入れたりしないって」
歩夢「せつ菜ちゃんのことを捨てたりしないって」
歩夢「そう、心の底から信じてるなら」
歩夢「こんな約束の内容なんて、何も気にしないよね?」ニコッ
せつ菜「……っ、それ、は……!!」
歩夢「やっぱり侑ちゃんのこと、信じられないのかな?」ニコニコ
せつ菜「そん、な……」
せつ菜「……ッ」ギリッ
せつ菜「そんなわけ、ありませんよ!!!!!」 せつ菜「私は!!侑さんのことを信じています!!!」
せつ菜「侑さんは!!!!私の恋人なんですから!!!!!」
歩夢「……それじゃあ、約束は?」
せつ菜「……っ、いいでしょう!!しますよ!!」
歩夢「そっかぁ」ニコッ
歩夢「それならこれを」
せつ菜「それと!!」
歩夢「ん?」
せつ菜「こちらからも!!条件があります!!!」
歩夢「……条件?」ピクッ
せつ菜「はい!」
せつ菜「歩夢さんが用意した証拠に!もし偽りや加工などの小細工があった場合は!!」
せつ菜「先ほど歩夢さんが!!私に対して突きつけた約束事を!!!歩夢さん自身に実行してもらいます!!!!」
歩夢「……へぇ」ニコッ せつ菜「よろしいですか!?」ビシッ
歩夢「うん、いいよ」ニコッ
せつ菜「……っ、随分あっさりと」
歩夢「だって、私は侑ちゃんのことを信じてるからね」
歩夢「少し迷ったせつ菜ちゃんと違って、ね?」ニコッ
せつ菜「っ……」
歩夢「さ、それじゃ証拠確認といこっか」ニコッ
せつ菜「は、はい……!」
歩夢「えーっと」スッ
せつ菜「!スマホ、ですか?」
歩夢「うん、写真で撮ってきたからね」ニコッ
せつ菜「写真、ですか」
歩夢「本当は映像が一番なんだけど……さすがに侑ちゃんの"あんな姿"は見せたくないし、私も恥ずかしいからね」スッスッ
歩夢「これを見れるせつ菜ちゃんは、本当にラッキーだよ」ニコッ
せつ菜「っ、い、一体何の写真を……!?」
歩夢「さ、これだよ」
歩夢「よーく見て、ね?」ニコッ
せつ菜「……」ゴクリ
せつ菜「確認、しますね」スッ
せつ菜「……!?」 ────そこに映っていたのは
せつ菜「なん、ですか……っ」
────頬を紅潮させた侑さんが歩夢さんの頬に
せつ菜「これは……っ!!」
────キス、をしている写真だった
歩夢「ふふ」クスッ
歩夢「これで驚いてたら、この後の写真はまともに見られないんじゃないかな?」ニコニコ
せつ菜「なっ、どっどういう意味ですか!?」
歩夢「言うより見る方が早いよ」ニコッ
せつ菜「……っ」
────二枚目は、歩夢さんが侑さんの頬にキスを
せつ菜「……っ!?」
────三枚目は、侑さんと歩夢さんが唇を重ね合わせていた
せつ菜「な、ぁ……!?」カァァァ
────四枚目は、侑さんと歩夢さんの舌が絡み合っていた
せつ菜「っ、ぁ……!!」
────五枚目は、制服がはだけた侑さんの首元に歩夢さんが唇を重ねていた
せつ菜「……っ、ぇ……!!」
────六枚目は、もう見ていられなかった 歩夢「あれ?写真見ないの?」ニコニコ
せつ菜「ぁ……っ……!」
歩夢「せつ菜ちゃん?」ニコニコ
せつ菜「はぁっ……はぁっ……!」
歩夢「なんだか息が荒いね?」
歩夢「……もしかして」
歩夢「侑ちゃんと私がキスしてるのを見て、興奮しちゃった、とか?」ニコッ
せつ菜「……っっ!!」ギリッ 他で比較的安穏に済むルートがあったとしてもふとした違いでこうなると思うと恐ろしい このやり取りを録音して聴かせれば一発で幻滅やろ。まともな人間ならだが せつ菜「歩夢さん!!!あなたは!!!!」バッ
歩夢「なにかな?」ニコニコ
せつ菜「どうして、こんな……っ!!」
歩夢「あれ?せつ菜ちゃんは知らないのかな?」
歩夢「仲の良い恋人同士だとキスプリとかやったりするんだけどなぁ……まあ、さすがにここまで激しくはやらないかもしれないけど」クスッ
歩夢「……それとも、もしかして」
歩夢「まだ侑ちゃんと、キスしたことなかった?」ニコッ
せつ菜「……ッッッ!!!!!」 せつ菜「歩夢さん今すぐ私とキスしてください!今ならまだ侑さんの味が残っているかもしれません!!」 せつ菜「私、は……侑さんのことを、大事に……っ」ブルブル
歩夢「本当にそうかな?」
せつ菜「は……っ?」
歩夢「せつ菜ちゃん、侑ちゃんが自分のことをまだ"恋人として好き"なわけではないって気づいてたんだよね?」
歩夢「あくまでまだ、"付き合ってもらっている"関係でしかない、って思ってたんじゃない?」
せつ菜「なっ、そん、なっこと……!」
歩夢「だから、侑ちゃんに強く迫ることができなかった」
歩夢「違うかな?」ニコッ
せつ菜「な……っ!」 せつ菜「そん……ちがっ……私、は……っ」ブルブル
せつ菜「侑さんの、こと……本当に、大事にしたくて……!」ポロポロ
歩夢「……まあそこについてはどうでもいいんだけど」
歩夢「でも、これでわかったよね」ニコッ
歩夢「侑ちゃんと私が」ニコニコ
歩夢「ちゃんと付き合ってるってこと」ニコニコ
歩夢「わかったよね」ニコニコ
歩夢「ね?」ズイッ
せつ菜「っ」ビクッ せつ菜「……っ」グスッ
歩夢「納得してくれるよね?」ニコニコ
せつ菜「……」ゴシゴシ
せつ菜「……いえ」
せつ菜「まだ、です……!」
歩夢「……へぇ?」
せつ菜「まだ、その画像が加工されたものだという可能性が残っています……!」
歩夢「……加工?」
せつ菜「そうです!推理モノのドラマや映画ではよくあることです!画像加工で作られた捏造証拠に騙されるというパターンが!」
歩夢「へぇ、そうなんだ」ニコッ
せつ菜「ですから!!それだけでは証拠不十分です!!!」ビシッ
歩夢「……そっかぁ、これだけじゃ足りないかぁ」
せつ菜「足りませんね!!それらの写真とはまた別の証拠を提示してください!!!!」
歩夢「うーん、"せつ菜ちゃんの為"にもこれはしない方がいいかなぁって考えてたんだけど」
歩夢「でも、これで足りないって言われちゃったら」
歩夢「しょうがないよね?」ニコッ
せつ菜「ッッ」ゾクッッ 歩夢「……せつ菜ちゃん、この後時間ある?」ニコッ
せつ菜(門限まで、あまり余裕はありません……が)
せつ菜(今は緊急事態です!!門限のことなど考えてる場合ではありません!!!!)
せつ菜「ありますよ……!!」
歩夢「そっか、ならよかった」ニコッ
歩夢「それじゃ、ついてきて」スタスタ
せつ菜「っ、一体どこに……!」
歩夢「……それは」クルッ
歩夢「着いてからのお楽しみ、だよ」ニコッ
せつ菜「……っ」ゴクリ
せつ菜「わかりました!地獄の果てだろうとどこだろうと!!ここまできたら行きますよ!!!!」
歩夢「……そっか」ニコッ 〜しばらくして〜
歩夢「はい、着いたよ」
せつ菜「あの、ここって……」
歩夢「私が住んでるところだよ」
歩夢「それと、侑ちゃんもね」ニコッ
せつ菜「!」
歩夢「……一応、もう一度聞くけど」
歩夢「さっきの証拠だと、納得してくれないんだよね?」
せつ菜「……はい、あの画像だけでは、まだ信じられません」
歩夢「……うん、ならしょうがないよね」
歩夢「とりあえず行こっか」
歩夢「私の部屋に、ね?」ニコッ
せつ菜「……っ、はい」 >>1-37くらいまでは笑えるNTRネタだったのにどうしてこんなことに せつ菜ちゃんはまだ侑ちゃんの家すら行ったことなかったのか 〜上原家、歩夢の部屋〜
せつ菜「ここが……」ゴクリ
歩夢「そうだよ」ニコッ
せつ菜「っ」キョロキョロ
歩夢「……どうしたの?」
せつ菜「どこに何が仕掛けられているかわかりませんから……!」キョロキョロ
歩夢「……ふふ、そんな漫画じゃないんだから」クスッ
せつ菜「それでも!警戒を怠るわけにはいきません……!」
歩夢「まあ、好きにしてていいけどね」ニコッ
ピンポーン
歩夢「!私、ちょっと出てくるね」ガタッ
せつ菜「?あ、はい」 せつ菜(歩夢さんの部屋……)
せつ菜(一見、女の子らしく可愛らしい雰囲気のお部屋ですが……しかし)
せつ菜(油断大敵!何が起きても動揺しないようにしないと……)
ガチャ
せつ菜「!歩夢さ」
歩夢「はい、入っていいよ」
侑「……」ヒョコッ
せつ菜「!!!!!」 せつ菜「侑さん!!!!!」
侑「っ」ビクッ
歩夢「……せつ菜ちゃん」ハァ
せつ菜「な、なんですか!?」
歩夢「静かに話して、隣の人とかに迷惑だから」
せつ菜「あっ、す、すみません、つい……」
せつ菜「ごほんっ」
せつ菜「……それで、どうして侑さんがここに?」
侑「それ、は……」
歩夢「侑ちゃんが証拠だから、だよ」ニコッ
せつ菜「……は?」 せつ菜「どういう、意味ですか……?」
歩夢「そのままの意味だよ」ニコニコ
歩夢「あ、でも正確にはそれだけじゃ足りないね」
歩夢「侑ちゃん」スッ
侑「あ、歩夢……」
歩夢「……ごめんね、せつ菜ちゃんを説得するって言ったのに」
歩夢「せつ菜ちゃん、あの写真見せても納得してくれなくて」
侑「あ、あれホントに見せたの……?」
歩夢「その為に撮ったものだからね」ニコ
侑「っ、は、恥ずかしい……」カァァァ
歩夢「侑ちゃん、顔真っ赤だよ」ニコニコ
せつ菜「!」
せつ菜(なん、ですか、これは)
侑「だ、だって……!」
歩夢「ふふ、まあ恥ずかしいのは私も同じなんだけどね」ニコ
せつ菜(……まるで)
侑「で、でも歩夢は全然顔に出てないじゃん!」
歩夢「ふふ、そうかな?」
せつ菜(まるで、あの写真の出来事が本当にあったかのような……!) 歩夢「……それじゃあ、侑ちゃん」ソッ
侑「あ、歩夢……」
侑「……ほ、ホントにここでするの?」
せつ菜「!な、なにを」
歩夢「そうしないと、せつ菜ちゃん信じてくれないみたいだから」
侑「……」チラ
せつ菜「ゆ、侑さん……?」
歩夢「ね?」
侑「……わかった」コクリ
せつ菜「あ、あのお二人とも何を……?」
歩夢「せつ菜ちゃん」
歩夢「よーく見てて、ね?」ニコッ
せつ菜「!や、やめ」
チュ
ゆうぽむ「……んっ」
せつ菜「!!!!!」 ────なんですか、これは
歩夢「侑ちゃん……んっ」
────何が、起きてるんですか
侑「ちょ、ん……ぁゆむ、激し……っ」
────私の目の前で起きている、これは
侑「せつ菜ちゃ……が、見て……んぅ」
────ダメです、これは
歩夢「侑ちゃん……私だけ、見てて……」
────これ以上は、見ていられません
歩夢「他の子なんて、見ないで……!」
────これ以上、見ていたら
侑「ぁゆ……んぁ……っ」
────頭が、おかしくなってしまいます……ッッ!!!!! せつ菜「ぅ……っ」ブルブル
侑「……はぁ……ん……」
せつ菜「ぁっ……」ブルブル
侑「ぁゆ……んむ……っ」
せつ菜「ぁぁ……っ」ポロポロ
侑「ぅ……ぁ……っ」ビクッ
歩夢「……ふふ、侑ちゃんは本当に感じやすいんだね」
侑「はぁ……はぁ……」
歩夢「まだキスしかしてないのに」ニコッ
侑「だ……だって、歩夢が……!」
歩夢「私が?」ニコニコ
侑「……っ」
侑「歩夢が、キス上手すぎるんだもん……っ」カァァァ
せつ菜「────ァ」プツン せつ菜「────」ダッ
侑「!?せ、せつ菜ちゃ」
歩夢「!」ガシッ
せつ菜「っ」
歩夢「せつ菜ちゃん」
せつ菜「離してください!!」ポロポロ
せつ菜「もう!!ここにはいたくありません!!!」ポロポロ
侑「せ、せつ」
歩夢「帰ってもいいよ」
歩夢「でも、その前に」
グイッ
せつ菜「!」
歩夢「これで納得してくれた?」
歩夢「侑ちゃんと、私のこと」ニコッ
せつ菜「……ッッ」ギリッ せつ菜「……わかり、ました」グスッ
歩夢「!」
せつ菜「認め、ます……」ヒック
せつ菜「だから、だから……」ポロポロ
歩夢「……」パッ
せつ菜「────ッ」ダッ
侑「……せつ菜ちゃん!!」
せつ菜「────」ピクッ
歩夢「ゆ、侑ちゃんっ」
侑「……ごめんなさい」
侑「これだけは、ちゃんと私の口から伝えたかったから……!」
せつ菜「……自己満足の謝罪、ですか?」グスッ
侑「っ」ビクッ
せつ菜「……もう、何も聞きたくありません」
せつ菜「────さようなら」 せつ菜「────」ダッ
侑「あっ、待っ」
歩夢「侑ちゃん!」ガシッ
侑「あ、あゆ」
歩夢「いかないで」ギュッ
侑「!」
歩夢「お願いだから……」
歩夢「いかない、で……っ」ブルブル
侑「……うん」
侑「ごめんね」
侑「それと」
侑「ありがとう」
チュッ
歩夢「!」 侑「私の代わりに、嫌なこと言うの全部引き受けてくれて」
侑「私が、弱いから」
侑「私が、ダメダメだから」
侑「全部、歩夢に任せちゃって」
侑「私は……」
歩夢「……ううん」
歩夢「侑ちゃんは、悪くないよ」ニコ
侑「歩夢……」
侑「……だとしても」
侑「ありがとう」ギュッ
歩夢「……うん」ギューッ 〜エピローグ〜
侑(あの後、せつ菜ちゃんは学校に来なくなってしまった)
侑(そして、そのまませつ菜ちゃん……いや菜々ちゃんは転校してしまった)
侑(完全に、私達の前から姿を消してしまったのだ)
侑(程なくして、スクールアイドル界隈では『優木せつ菜』の突然の失踪に関する色んな噂が立ち始めた)
侑(まあ、どの噂も真実とは異なるものばなりなんだけどね)
侑(……それと)
侑(私と歩夢はスクールアイドル同好会を辞めることにした)
侑(せつ菜ちゃんを捨てて、歩夢を選んだ私を皆は許さないだろうし)
侑(歩夢本人も、スクールアイドルを続ける気力はもう残っていないように見えたから……)
侑(……退部するときは、それはもうめっちゃくちゃに揉めて大変だった)
侑(ある人には泣かれ)
侑(ある人には軽蔑され)
侑(ある人には失望され)
侑(ある人には嫌われ)
侑(ある人にはビンタされ)
侑(ある人にはグーで思いっきり殴られた)
侑(……でも、それも何もかも私が悪いんだ)
侑(歩夢は『侑ちゃんは悪くない』って言ってくれるけど、いくらダメダメな私でもそれくらいはわかっているつもりだ)
侑(歩夢を選ぶ代わりに、全てを捨てたのだから)
侑(でも、せめて歩夢は)
侑(歩夢だけは……)
「……侑ちゃん」 歩夢「どうしたの、ボーッと天井見上げて」
侑「……ちょっと、考え事してた」
歩夢「それって……?」
侑「皆のこと、かな」
歩夢「……そっか」
侑「今でも、たまにふと考えちゃうときがあってさ」
侑「どうすれば、せつ菜ちゃんも同好会の皆も……誰も傷つけずにいられたかなって」
歩夢「……」
侑「なんて、欲張りすぎだよね……」ハハ
歩夢「……侑ちゃんは、優しいからね」
侑「そうかな……」
歩夢「そうだよ」ニコ
侑「歩夢……」
チュ
歩夢「……はぁ」
侑「……私ね」
侑「歩夢のこと、好きだよ」ニッ
歩夢「!」 歩夢「なに、そんな改まって?」クスッ
侑「言いたくなったから言っただけだよ」ニッ
歩夢「……そっか」
歩夢「侑ちゃん」
侑「なに?」
歩夢「私も、侑ちゃんのこと好きだよ」ニコ
侑「……うん」ニコ
歩夢「……」ジッ
侑「……」ジッ
歩夢「……ふふ」
侑「どうしたの?」
歩夢「……ううん」
歩夢「ピロートークって、こういう感じでいいのかなって思って」クスッ
侑「……なるほどね」クスッ 歩夢「……侑ちゃん」
侑「ん?」
歩夢「ずっと、一緒に」
歩夢「私のそばに、いてね」ギュッ
侑「……うん」ギュッ
侑「歩夢こそ、いなくならないでよ?」
歩夢「いなくならないよ」
歩夢「私が、侑ちゃんの前からいなくなるなんて」
歩夢「そんなこと、あるわけない」ギューッ
侑「お、ホントに〜?」
歩夢「……侑ちゃんに捨てられたら、別だけど」ジト
侑「なっ、だ、大丈夫だって!私が歩夢のこと捨てるわけないじゃん!」
歩夢「ホントに〜?」
侑「ホントホント!」
歩夢「……じゃあ」
チュ
歩夢「……もっかい、しよ?」
侑「っ」ドキッ
侑「……いいよ」
侑「しよっか」ニッ ────どうしてですか、先輩……っ!!
────そんな人だとは、思いませんでした……思いたく、ありませんでした
────ひどい、せつ菜さんが可哀想
────せっつー、泣いてたよ……なんで、こんなやり方……!
────どんな風に恋愛するかは自由だけどさ〜……これはちょっと、ねぇ?
────最低
────許さないよ、絶対に
────さようなら ────このやり方が正しかったのかなんて、わからない
────でも、それでも欲しいモノがあった
────全てを捨ててでも、手に入れたいモノがあった
────その気持ちだけは、誰にも否定されたくない
────だから、きっとこれで良かったんだと思う
────でも
────もしも
────もしも、"次"があるなら
────そのときは
────せめてもう少しだけ、皆も幸せだったらいいな
〜ルート3-1:侑NTRせつ菜脳破壊ルート、完〜 自分の書いたSSでNTR描写をしっかり描いたのは初めてです……
これにてルート3完結です!!!!!
引き続きルート2を書いていく予定ですが、そちらはここまで胸糞後味悪い展開にはならない予定ですので、ルート3は途中でギブアップ!という方でも読めるかと思います……! なんちゅう時間まで投稿してるんだ…
読み応えあって良かった乙 俺は胸糞描写あんま受け付けなかったはずなのにこのssだとなぜか大丈夫だわ
というかむしろもっと過激な血だったり心の醜い部分が出るようなサスペンス展開求めてるわ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています