エマ「起きると目の前に蒼白の顔が」
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寮内に絶叫が響き渡ったのは、午前二時過ぎの事だった
飛び上がって部屋から出ると、同じように扉を開けて、心配そうに顔だけ覗かせた女生徒たちの姿が見えた
慌ただしい足音と共に寮長が現れ、一つの部屋の前で止まる
静まり返った廊下で、みなの視線がそこに注がれる
私のよく見知った、彼女の部屋だった
エマ・ヴェルデと書かれたプレートが掛かった部屋
ノックもなく、寮長が扉を開ける
あとに聞いた話だと、彼女は部屋の片隅で、毛布を抱きしめて震えていたらしい
涙を流し、声もままならず、ただ一言だけ
誰かが、私を見ていた────と
切断された猫の死体が見つかったのは、その日の早朝の事だった 虹ヶ咲学園情報処理学科一年、天王寺璃奈
誰が流出させたのか、新聞には載っていなかった第一発見者の情報がネットでは写真付きで特定までされていた
その日は所属する同好会の活動のため、早朝五時に家を出たこと
校門前に並べられた六つの物体に、最初彼女は気付かなかったこと
近付いていくうちに、輪郭を帯びていくそれら
一番手前に置かれた丸い物体が、切断された猫の頭部だと気付いた瞬間
彼女は半狂乱でそれらをかき集めたらしい
制服の胸元にべっとりとこびり付いた赤黒い血を、駆けつけた警察が目撃している
───
──
─
侑「あっ」
かすみ「……こんにちは」 お昼時間
学食でかすみちゃんと出会した
侑「えと……久しぶり」
かすみ「……はい」
侑「くま、凄いね。眠れてる?」
かすみ「……先輩こそ、変わんないですけど」
侑「あ、あはは。…うん」
かすみ「……」
侑「……」
かすみ「じゃあ、しず子が、待ってますので」
侑「あ、うん」
向こうで車椅子に乗るしずくちゃんが私を見ていた
その目はまるで、何かを非難しているかのように、私には見えた 歩夢「お待たせ侑ちゃん!はぁはぁ…一人で大丈夫だった?」
侑「うん。大袈裟だな、歩夢は」
歩夢「そんなこと…。そ、それより今話してたのって、かすみちゃん?大丈夫だった!?」
侑「……なに、大丈夫って」
歩夢「え、いや…それは…」
侑「何もないよ、普通に話しただけ。心配しなくても、もうあんな事は起きないってば」
侑「だって、同好会はもう、無いんだから…」
歩夢「……」
ごめんね。心の中で、呟く
ごめんね、ごめんね、ごめんね
本当は、私が変われば良かったんだ ───
侑「愛ちゃんいる?」
愛「あっ!」
保健室を訪れると、愛ちゃんが先生とお喋りしてた
侑「じゃーん。見て、花、持ってきた」
愛「わ、キレー!どしたの、これ?」
侑「園芸部の人に貰ったんだー。愛ちゃん、元気出るかと思って」
愛「へ?なになにー?愛さんはずーっと元気だぞ?」
侑「あはは、そうだったね」
愛「うん。でも、すっごく嬉しい。ありがとね、りなりー」
本当に嬉しそうに、愛ちゃんがはにかんだ
いい匂い、りなりーも嗅いでみる?
先生にそう言う愛ちゃんを見届けて、私は保健室を出た ──────エマさんのストーキング被害は、2ヶ月も続いていた
初めはエマさんの隠し撮り写真を送りつけてくる程度だった
それだけでも気味悪がっていたエマさんだったけど、その後の無言電話が始まってようやく彼女は警察に相談をした
休みの日、出かけると必ず視線を感じると、エマさんは言ってた
隠し撮り写真は、その日のエマさんをも映していた
至近距離、真後ろからの写真を見た時、ついにエマさんは泣き崩れた
彼女は寮から出られなくなった
カーテンを閉め切った部屋で震えていたらしい
詳しくは知らない
その頃になるとエマさんは人と会うのを嫌がったのだ
それでも毎日訪れた彼方さんと、果林さんだけが、今の彼女の外界との繋がりだったんだ 彼女たちは、今朝のニュースを見ただろうか
いや、多分今頃はもう警察に話を聞いているかもしれない
エマさんへのストーキングをしていたとみられる男性の遺体が、近隣の公園で見つかったのだ
エマさんの部屋で見つかった頭髪のDNA情報、指紋、全てが一致したらしい
余罪については、これから調べるとの事
侑「……」
テレビは連日、虹ヶ咲のことを報道していた
チャンネルを変えてみる
来週あたり、例年にない寒波と大雪が東京に来るらしい
侑「はぁ…」
頬を撫でる風が冷たくて、私はベランダを閉めた ◇◇◇
「なんで?」
ボヤけた視界で、あなたが泣いてるのが見えた
「なんで、私の言う通りにしてくれないの?」
首筋に締まる、細い指は
何度も繋いだあなたの指
「死んじゃう。ねえ、このままじゃ死んじゃうよ」
体重が、掛かる
私の呼吸も浅くなっていく
ごめん。ごめんね
幾度、心の中でそう思っただろう
「私の言うことを聞いてよ。私だけを見て」
ろくに力の入らない指先で、あなたの頬を撫でる
その時、涙が、ひどく温かく感じたんだ
ごめんね
歩夢 ───
──
─
侑「私が、死ねばよかったのかなぁ」
アザの残る首筋に手を当てる
いつになったら治るんだろう
歩夢「なにか言った?」
侑「ううん。寒いなぁ、って」
歩夢「…あぁ、うん。そうだね」
歩夢の腕が、私の腕に絡まる
横目で見ると、彼女は何事もないように微笑んでた
侑「……」
壊れてるのは、誰だろう
私か、歩夢か
それともみんな、かな
あんな事があったんだ、それもしょうがない
壊れた私と、反転した世界
私は空に、真っ逆さま しずく「先輩」
歩夢が生徒会に用があるということで、一人で昼食を食べていたお昼休み
しずくちゃんに声を掛けられた
侑「……ひとり?」
しずく「いえ。ただ、一人で先輩と話したくて」
侑「あぁ」
校舎の影から中庭を見つめるかすみちゃんの姿が見えた
侑「足は、大丈夫?」
しずく「……あの日のこと、ちゃんと先輩に確認したくて」
私の話が無視された
侑「確認することなんてあったっけ」
しずく「誤魔化さないでください」
侑「……ごめん」 ちょっと……というか、かなり気まずい
何で今さら、しずくちゃんから私に話なんてあるのだろう
しずく「約束」
侑「え?」
しずく「なぜ約束を破ったんですか」
侑「……」
しずく「あの日!なんで!約束を破ったんですか!」
しずくちゃんの手が、私の胸ぐらを掴む
車椅子に乗った彼女の腕は、とても非力に感じた
かすみ「しず子!どうしたの!?」
しずく「か、かすみさ…ぐすっ」
駆けつけたかすみちゃんにバレないよう、彼女は涙を拭った かすみ「いこ、しず子。先輩、失礼します」
しずく「……絶対、許しませんから」
侑「……うん」
聴こえない声でそう呟く
うん。
許さないで
私のこと、ずっと呪ってください
侑「……あぁ、ご飯冷めちゃった」
車椅子を引くかすみちゃんを見送ってから、不味いご飯を口に運ぶ
周りからの視線が痛い。食べづらい
相次ぐ事件の中心にいた、元同好会の私たち
エマさんへのストーキング、璃奈ちゃんの事件、しずくちゃんの不慮の事故、愛ちゃんの事、せつ菜ちゃんの自殺未遂、歩夢の心に起きた出来事
学園内で、私たちはどこにいても注目の的だった 歩夢「ごめん侑ちゃん!遅くなっちゃった!」
侑「ううん、大丈夫。何も無かったよ」
歩夢「そっか…よかったぁ…」
心の底から安堵する歩夢
あの出来事から、歩夢の私への干渉は日を増すごとに大きくなっている
侑「生徒会の方は?」
歩夢「あぁ、うん。副会長がしっかり引き継いでくれたみたい。私にはよく分かんないけど…」
侑「そっか。じゃあ、せつ菜ちゃんはこれでほんとに…」
歩夢「わ、私はそれでもせつ菜ちゃんに会いにいくよ?今、あの子を一人になんて出来ないよ…」 侑「お願い。私も行きたいけど、私にはそんな資格ないから」
歩夢「そんなこと…!」
侑「歩夢!」
歩夢の手を握る
侑「せつ菜ちゃんのこと、お願いね」
切実な声で
こうすると、歩夢はもう何も言えないのを私は知ってる
歩夢「……うん」
侑「じゃあ、行こっか」
ちょうど昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った
侑「ご飯食べた?」
歩夢「うん?うん」
……嘘吐き ◇◇◇
「────落ちる」
誰かがそう叫ぶ
甲高い悲鳴が下から聴こえた
ひどくやつれた表情の彼女
飛び降りる直前、最期に残した言葉が私の体を硬直させた
まるで世界が止まったかのように感じたんだ
でも、ゆっくりと彼女の体が宙に落ちる
駆け出しても、間に合いそうにはなかった
その後ろ姿が、徐々に見えなくなる
本当にこれは現実なんだろうか
助けて
誰か、助けてよ
「────落ちる」
誰かがそう叫んだ
甲高い悲鳴が、下から聴こえた 侑「あぁ…っ!」
飛び起きると、そこは自室だった
侑「はぁ…!はぁ…!」
また、あの日の夢を見てたんだ
侑「うっ…!はぁ…くっ…」
胸が苦しい。腕がきしむ
服が汗でびっしょりになっていた
侑「はぁ…はぁ…」
暗闇の中、机の薬に手を伸ばす
それを掴んで、台所まで急いだ
侑「んく…んく…ぷはぁ…!」
水で流し込む
コップを流し台に置いて一息つくと、少し落ち着けた
侑「……せつ菜、ちゃん」
呟いたその言葉は、暗い台所に溶けて消えた ある日の病院帰り、璃奈ちゃんとすれ違った
いや、最初は璃奈ちゃんということにも気付かなかったくらい、彼女は変わり果てていた
絶句する私に気付いたのは、璃奈ちゃんの母親だった
彼女がこちらに頭を下げる
それから父親らしき人にも声をかけると、彼もこちらに深々と頭を下げた
白髪混じりの髪、心労の溜まった表情
その人たちの中心で、言葉を失った彼女だけが宙を眺めていた
私は
その場から逃げ出した
込み上げてくるものを何とか飲み込んで、近くのトイレに駆け込む
侑「おえっ、おええええ…!」
頭の中でガンガンと鳴り響く不協和音
動悸が止まらなかった
胃の中が空っぽになっても、私は嘔吐した
ごめんなさい、ごめんなさい、
ごめんなさい、ごめんなさい
私が変われば、どんなに良かっただろう ザクッ、ザクッ、ザクッ
サクサクサク
ぶちぶち
ブシュッ
ザクリ
ぐしゃっ
ぐりん
ばしゃっ
ごろごろ
プチッ
────あはは
ねえ
先輩 果林「見つけた」
侑「わっ」
果林「今、いいかしら」
侑「ご、ごめん。今急いでて…」
果林「ダメよ。エマのことで話があるの」
侑「……」
まぁ、そうだよね
いつかは、こうなるよね
侑「分かった」
果林「まず、エマは部屋から出られるようになったわ。寮生たちとなら、ちょっとずつ話せるようになってるの」
侑「そ、っか……うん、よかったよ」
果林「でも、警察の事情聴取は結局出来なかったわ。犯人、亡くなったのよね」
侑「……うん」
少しだけ、息苦しくなる 果林「あぁ、まぁそれはどうでもいいの。むしろ……いえ、何でもないわ」
歪んだ笑顔で、ひとりごちる果林さん
果林「それでね、あなたに聞きたいことがあるのよ」
侑「なに?」
頭が痛い
果林「××日にエマと出掛けたっていうのは本当?」
侑「……うん」
吐き気がする
果林「××日も、エマと一緒にいたのかしら」
侑「うん」
地面が無くなったみたいに、ぐらぐらする
果林「……××日に、××が××い××てた?」
侑「…うん」
あぁ────ごめん
果林「×××」
侑「そうだね」
もう、終わらせてしまおうか 果林「これ」
数枚の写真を見せられる
背後から撮られたエマさんの写真だ
果林「切り取られてるけど、全部あなたといた時の写真なのよ」
侑「……」
果林「ねえ、犯人のこと何か知ってた?」
侑「ううん」
嘘だけど
果林「……そう」
それで満足したのか、果林さんは写真をしまった
果林「ごめんなさいね、時間取らせて。私、これから愛のとこに行くの」
侑「そっか」
果林「────あぁ、それと。しずくを突き落とした犯人の方は、まだ捕まってないのよね?」
侑「…らしいね」 ◇◇◇
「あの」
声を掛けてきたのは、知らない男だった
「少しだけスマホを貸していただけないでしょうか」
「は?」
穏和そうな笑顔を浮かべ、唐突な事を言われた
「実は先程スマホと、財布を落としてしまって…」
会社へ電話をしたいと男は言った
怪しいと思ったけど、私は男にスマホを渡してしまった
操作にまごついていたので、電話の掛け方を教えたのを覚えてる
数分通話したあと、男は何度もお礼を言って立ち去った
通話中に名乗っていた名前を、そのあとニュースで見て、私はまた何度も吐いたんだ ざくっざくっ
とんとんとん
ぐちゅ
ドスッ
ギチギチ
ジョキンッ
ジョキンッ
ブチっ ◇◇◇
歩夢「ねえ、なんで?」
侑「ぐる…じ…」
歩夢「私の言うこと、何で聞いてくれないの?」
侑「……ぅ」
歩夢「死んじゃうよ…」
流れる涙が、私の頬に落ちる
私の涙と混じり合って
静かに流れ落ちる
歩夢「もう、やめて…」
壊れている世界は、とても美しく思えた
侑「あのままじゃ、死んじゃうよ…」
私が切り刻んだ×××が、視界の端でビクッと跳ねた この引き込まれる文章力は腐歩夢・便秘かすみんの人かな? >>32
とても引き込まれる文章力の人につけられる名前じゃないのほんま草 生き物の血が、その温もりが
手を伝う事に快感を覚えることに気が付いた
脈拍が小さくなっていくに連れ高揚してしまう
歩夢『ねえ、なんで…笑ってるの…?』
車で轢かれてしまったあの猫ちゃん
親に内緒で、こっそりとお世話していた野良猫だった
ごめん
ごめんね、歩夢
私だって苦しかったんだよ
泣いてたでしょ、本当なんだよ
でも、同時に笑っちゃったんだ
どうしようもないくらい、トキメキが止まらなかったんだよ
あれから何度も止めてくれたよね
でも、やっぱり私は我慢できなかったんだよ
だから、あの日───── ────先輩?
侑「え」
振り向くと、しずくちゃんが佇んでた
私は咄嗟に、持っていたナイフを背中に隠す
侑「そ、それ以上…近付かないで…」
しずく「死体があるから?」
絶句した
しずくちゃん、今なんて言った?
視線が私の背後に注がれてる
さっきまで、『作業』してたモノがそこにある
暗闇ではあるけど、目を凝らすと遠目でも見えるだろうか
侑「あ、あは。えっと…こ、これはね?偶然見つけて…」
しずく「ずっと見てました、最初から。先輩が、何してたのか」
侑「……」 しずく「何でそんな事を?何かの儀式でしょうか」
侑「……」
二の句が継げない
何でそんな事を聞くんだろう
何でそんな平然としてるんだろう
しずく「答えてよ、先輩」
その表情が、少し怖い
歩夢のようだ
侑「……そんなんじゃ、ないよ」
しずく「じゃあ…」
侑「待って。ほんとに…近付かないで」
しずく「……先輩」
木々の隙間を抜けて、月明かりが私の顔を照らした
しずく「泣いてるんですか?」 気付かれた
泣いてるのを見られちゃった
侑「……見ないでよ」
しずく「先輩……どうして」
侑「…悲しい、から」
しずくちゃんの目が、訝しげに揺らぐ
そりゃそうだ
意味分かんないよね
侑「私ね、死んでる生き物を見るのが好きなの。最初に気が付いたのは中学のとき」
歩夢と一緒に見たあの光景
侑「車に轢かれた野良猫を近くで見た時、ドキドキがさ…」
侑「……止まらなかったんだ」 侑「苦しくて、悲しくて……涙が止まらなかったんだけど…と、とま…止まらなくて…」
手が震える
ひとたび心の泥を吐き出すと、衝動が抑えられなくなる
視界がぼやけ出した
歪んだ景色、しずくちゃんの顔が、とても美しい
侑「きれい、でさ。内臓も、流れる血も、ひ、ひっ…!」
侑「開き切った、眼も…綺麗に、見えてさぁ…!」
だめ、だめ、だめ
ナイフを、その場に落とした
しずくちゃんがどんな顔をしてるのか、もう分からない
涙で、よく見えない 侑「ううぅぅぅ…!」
何でこうなっちゃったのかな
いつから壊れちゃったんだろう
─────ねえ、先輩
抱きしめられて、ハッとした
侑「ぐすっ…うぅ…」
しずく「……先輩の気持ち、私…分かります」
すぐ上から、優しい声色で
しずく「私も……好きなんです。壊れたものが」
すごく、キレイに見えるんですよね
しずくちゃんがそう言った
しずく「知ってますか?×××さんってね、ああ見えて─────」
二人きりの夜
しずくちゃんと交わした約束
私はそれを、守らなかった ────
───
──
彼方「侑ちゃん」
エマさんの顔を見たのはいつ振りだろう
部屋を訪れるとちょうど彼方ちゃんがいて、入れてくれた
侑「エマさんは…」
彼方「しっ。今、眠ったばかりだから…」
膝枕で眠るエマさんの頭を撫でる彼方さん
一時期はすごく憔悴していたらしいから、その安らかな表情にホッとする
彼方さんも、いつも通りのように……私には見えた
侑「座ってもいい?」
彼方「うん、どうぞ」
カーテンの隙間から、僅かに光が差している
彼方「みんなとは会ってる?」
侑「あぁー…うん。せつ菜ちゃんと、璃奈ちゃん以外とは」
彼方「そっか…」 彼方「侑ちゃん…私ね」
侑「うん」
彼方「転校しようかなぁ…って」
侑「え?」
彼方「最近、よく眠れないんだぁ…夜、眠ろうとするとね、頭の中でぐるぐる、ぐるぐる…」
彼方「いろーな事が浮かんで、気持ち悪くなるの。あはは…」
無表情で、彼方ちゃんが笑う
彼方「同好会の部屋も、教室も、みんなで歩いた帰宅路も、この街も」
彼方「全部ぜんぶ、気持ち悪くなるの」
侑「そ、っか…」
彼方「最近だと、彼方ちゃんの方がエマちゃんに励まされてるくらい……」
エマさんの頭を撫でる
彼方「もう、疲れちゃったかも…」
侑「……」
私は何も
言えなかった 「────落ちる」
誰かがそう叫んだ
甲高い悲鳴が、何処からか聴こえた
その声は、私だったかもしれない
周りの誰かかもしれない
「果林先輩!」
腕を掴まれて、私に掛けられる声
かすみ「果林先輩!!」
果林「あ…」
気付けば、かすみちゃんが目の前にいた
果林「あ」
音が戻る
辺りの絶叫が、耳を叩いた 更新があるたびに>>1から読み返してる
ワクワクが止まらない 当初の予定と変わったので一回立て直していい?
書き溜めるので文章も若干修正します
スレタイは果林「深夜の絶叫」とかそんな感じで ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています