璃奈「出来たよ! インスタントデスゲーム体験装置!」
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愛「なんて物作ってんの?」
せつ菜「これがあればデスゲームに参加出来るんですね!? うう……興奮してきました!!」
愛「そっちはそっちで何をそんなに興奮してるのさ。デスゲームだよ?」
璃奈「デスゲームに参加してみたい、はオタクの夢だから……璃奈ちゃんボード『ジグソウ』」
愛「へー……けど殺し合いとかするんだよ? 愛さん、殺されるのも殺すのもやだよ」
せつ菜「そ、それは私も嫌ですけど!! デスゲームに参加できる機会なんて一生のうちに何度あるか……!!」
璃奈「大丈夫だよ、私が発明したんだもん。ね、一度試してみようよ」
愛「うーん……同好会の皆がやるんだったら……」 ーーーーー
歩夢「えぇ……」
彼方「デスゲームって……殺し合うやつでしょ? 彼方ちゃんはそういうことやりたくないんだぜ」
愛「ほら。これが世間の声だよりなりー」
璃奈「おかしいなぁ。皆もっと殺し合うことに積極的かと思ってたよ」
歩夢「そもそもこの……デスゲーム体験装置? どう使うの?」
エマ「小さいガラスドームに見えるけど……中に色んなコースが入ってるけど、これが大きくなるとか?」
璃奈「それは使ってみた方だけが分かるのでございます。璃奈ちゃんボード『老婆』」
せつ菜「仕様なんてどうでもいいです!! 皆さんやるんですかやらないんですか!?」
歩夢「せつ菜ちゃんがそんなにしたいんなら私はいいけど……皆は?」
彼方「危険性は無いんだよね?」
璃奈「うん、大丈夫だよ。ゲームマスターも私がやるもん」
璃奈「皆が死ぬことは絶対にないよ。璃奈ちゃんボード『にっこりん』」 彼方「うーん……なら、やってみてもいいかな」
しずく「デスゲームに巻き込まれる役の練習に丁度いいかもしれませんし……」
愛「えー……皆、正気?」
璃奈「愛さん、これが世間の声だよ」
愛「分かったよもう……私もやるよ。危なくないならいいし」
璃奈「皆ありがとう。じゃあ早速用意するね」
ガチャガチャ
ガラッ
ランジュ「らぁ!」キャッキャッ
栞子「こら、ランジュさん! 同好会の部室に入っちゃ駄目とあれほど……す、すいません皆さん。すぐに出ますので……」
歩夢「あ……ランジュちゃん。私達に負けて精神崩壊してからまだ元に戻ってないんだね……」
栞子「はい……けど、前より幸せそうな顔をしてますよ。理事長も構ってくれますし、彼女にとっては敗北こそが幸せだったのかもしれません」
ランジュ「らっ、らっ!」ニコニコ
璃奈「丁度いいや。二人もデスゲームに参加する?」
栞子「デスゲーム?」 一番嫌がってるやつが正体現して最終的に超ノリノリになるんだろ ランジュがデスゲーム生き残り特有の精神崩壊起こしてる ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー
愛「……んっ」
ガバッ
愛「辺り一面緑一色じゃん……」キョロキョロ
愛「ここどこ……? ジャングル?」
愛「えっと……あれ? 確か、りなりーがデスゲームの装置を起動して……」
愛「ってことはここ、あの装置の中? りなりー凄いなぁ、こんなにリアルに再現出来るなんて……って!」
愛(いやいやいや! おかしいでしょ! 何これ、VR!? 女子高生に作れるものなの!?)
愛「って疑ってもしょうがないか。実際目の前に木があるし……」サワサワ
愛「うわ、感触まで本物そっくり。……ん?」
愛「何これ、紙と……袋? 何か重いけど……」
『第一のゲーム ジャングル・サバイバル』 >>16
ランジュがいるということはスクスタ時空…あっ 愛「ええと……何々?」
『このジャングル・サバイバルはチュートリアル』
『このゲームに慣れて貰う為の、簡単なゲームだよ』
『何だか身体が動かしにくくない?』
愛「んー、言われてみれば少し重いというか。自分の身体じゃないみたいな……?」
愛「VRゲームってやったことないけど、こんな感じなのかな」
『このゲームを通して身体を慣らしてね。璃奈ちゃんボード『にっこりん』』
『さてさて、まずはこの紙と一緒に置いてある袋の中を見てみてよ』
『そこに武器が入ってるよ!』
愛「武器……ますますゲームみたいになってきたなぁ」シュルシュル 愛「っと、中身は……」
愛「……」
カチャ
愛「これって……拳銃、だよね? ガーンって感じだよ、ガンだけに」
愛「重さも感じるし、鉄の感触もあるし……リアルすぎでしょ。怖いよりなりー……」
『手元の武器は確認できたかな? 使いやすい武器、使いにくい武器あるかもしれないけど』
『このゲーム中は我慢してね。もしどうしても駄目なら、誰かから奪っちゃえ!』
愛「奪っちゃえって……あはは」
『さてさて、この第一のゲームの勝利条件だけど』
愛「何だろ、ジャングルの怪物を倒すとか……?」
『参加者3名が死亡した時点で生き残ってることだよ! 璃奈ちゃんボード『わくわく』』 愛「えっ」
『参加者3名が死亡した時点で、生き残ってることだよ!』
愛「死亡……って、まぁそれはデスゲームだし。りなりーも本当に死ぬことはないって言ってたし、多分ステータス異常みたいな……?」
『ジャングルにはモンスターもいるし、他の子達が君を殺しに来るかもしれないね!』
『協力して生き残るも、裏切って生き残るも自由! 頑張ってね!』
愛「……」
愛(怪物、やっぱりいるわけね。となるとこの場所でじっとしてるのはまずいかな)スッ
愛(誰かと合流しなきゃ……まぁ、楽しみにしてたせっつー辺りが死ぬと可哀想だしすぐに死んであげてもいいけど)ザッザッ
愛「誰かいないー!?」 死にはしないけど死にたくなるほどの苦痛を味わうとか…… ないよね? うおおおおおお!!!!
虹のデスゲーム系ガチで待ってた 初っぱな愛さん視点なのが絶妙だな
どう転がしていくのか 胸糞オチじゃないなら読みたいけどこういうのって大体そうだよね
差し支えなければ教えてほしいけどそれを聞いた時点答えがわかってしまうっていうね シィィン…
愛「返事無いかー。周りには誰もいないのかな?」
愛「このジャングルもどれだけの大きさがあるのか分からないし……とりあえず歩いてみよ」
ザッザッザッザッ
愛(……うーん、同じような光景ばっかだなぁ。同じとこぐるぐる回ってるような気がしてきたよ)
愛(もう10分も歩いてるのに誰にも会わないし。作り込み過ぎだよね)
愛「喉も乾くし……そんなとこ再現いらないって」
愛「……ん?」
「……」
愛(あの木のところに座ってるの……しずく? 向こう向いてるからよく見えないけど)
愛「しずくー? おーい、大丈夫ー?」
愛(……返事しない。寝てるのかな?) お遊びだと思ってたら実は〜ってのはまぁ定番よね
それはそれとして虹のデスゲームものは見てみたかったから期待 愛「しずくー?」ザッザッ
愛(ん……しずくが手に持ってるのって)
愛(ボウガン? 愛さんの銃の劣化版じゃん……バトロワにもいたよね、ボウガン貰ってる男の子)
愛(まさか近付いてきたところを狙ってるとかないよね? いやいやまさか……しずくに限ってそんなこと)
愛「って言っても演技派だしなぁ……まぁ殺されるんならそれはそれでいいや。りなりーに凄い凄いって褒めてあげよ」
愛「頭撫でたら喜ぶかな……ん」
愛(臭い……なんだかこの辺、妙に鉄臭いような気が……)
ニチャ
愛「うぇ!?」
愛(な、なんか踏んだ……赤い、液体? え、これって……)
愛「しずく……? 起きてる、よね……?」 愛「……しずく?」
愛(しずくは目を開けていた)
愛(けれど、その瞳は何も見てはいなかった)
愛(ボウガンを持った手は力無く、半開きになった口からは赤い泡が溢れていた)
愛(何より……)
愛「首が……」
愛(首筋に残る真一文字に割かれた傷。そこからだくだくと血がこぼれているのが見えた)
愛「……嘘、でしょ?」
愛(思わず尻もちをついた。お尻にねっとりと、まだ温かい血が絡みつく。けれどそんなことを気にしている余裕はなかった)
愛「り……りなりー!? どうなってんの!? だ、誰も……誰も死なないって言ったじゃん!?」
愛「しずく……!」 愛「う……げぇっ!」ビタビタッ
愛「うう……」
愛(……しずくの遺品のボウガンを手にとってその場を離れる)
愛(遺体を埋めてあげようかと思ったけれど、しずくを殺した奴がまだ近くにいないとも限らない)
愛「ゲームが始まってから10分だよ……? その間に、犯人はしずくを殺したってことだよね……」
愛(しずくは自殺を試してみたんだ、と思いたかったけれど。しずくの武器はボウガンだ)
愛(ボウガンで撃ち抜いたら、あんなに綺麗な切り口にはならない気がする。誰かに刃物で切り裂かれたんだ……)
愛「あれ本当にただのVRアバターとかなんだよね……? しずく、現実世界では生きてるんだよね……?」
愛「……リタイア! りなりー、愛さんリタイアするよー!」
愛「ねぇ! 出して! あんな風になるの嫌だからさ、ねえってば!」 吐いてる割には行動と思考が冷静すぎてサイコパス感あるのはやはりスクスタ愛だな シィィン
愛(声は返ってこない。リタイアは出来ないみたい)
愛「なんで……インスタントデスゲームって言ったじゃん……」
愛「愛さん、ラーメン啜るくらいの感覚で挑んじゃったじゃん……」
ガサッ
愛「……!」
愛「だ、誰っ……!」チャキッ
ガサッガサガサッ
愛「答えなよ……愛さん撃つよ! 本気だから……!」
「ぶ ぎ ぃ」
愛「へ……?」 愛(……一瞬、目の前に何がいるのか分からなかった)
愛(そういえばりなりー、怪物も出るって書いてたっけ。なんて少しだけ冷静に思い出して)
愛(一気に背筋が凍った)
「ぶ ご ぉ」
愛「牛の頭した……熊ぁ!?」
愛(何この気持ち悪いミノタウロスくずれ!? りなりーデザインセンス無さすぎだよ!? 身長2m半以上あるじゃん……!)
愛(……もしかしてさっきのしずくもこいつがやった!? おかしいと思ったんだよ、ボウガン持って行かれてなかったし!)
「ぶ ぉ」ブォンッ
愛「っ!」
ドゴォォンッ!!
愛「う……!」
愛(地面が抉れてる……!? というか)
愛(『痛かった』! 地面の破片が当たって『痛みを感じた』!)
愛(嘘でしょ……これ、現実と変わらないじゃん!) 良作の予感
期待!
そしてあなたちゃんはいないのかな? 愛(ということはしずくちゃんも……)ゾクッ
「ぶ ぎ」
愛「うっ……!」ザッ
愛(逃げなきゃ……逃げなきゃ! こんな拳銃とボウガンで何が出来るっていうのさ!)
愛(殺せるわけないじゃんあんな怪物!)ダダダッ
「ぎ ぃ ぎ ぃ」ダダダッ
愛「追いかけてくんなぁ! ……ジリ貧じゃん!」
愛「帰ったらりなりー一発殴ってやる……!」チャキッ
バァンッ
愛「……!?」ズキィッ
愛(反動あんの……!? 肩外れるかと思った……!)
「ぎ……!」
愛(しかも当たってない……!) 「ぶ ぅ ぎ」ブォンッ
愛(やば……避け……否――死――!)
愛「っ……!」
「させませんよぉぉぉっ!」
ザ ォ ン ッ
愛「……あれ?」
かすみ「ぜぇぜぇ……ううぅ、かわいいかすみんの制服に血がかかっちゃいましたよぉ! ふぇーん……!」
愛「かすみん……?」
かすみ「愛先輩大丈夫ですかぁ。怪我とかしてないですよねぇ?」
愛「え、な……今の変なの、かすみんが殺したの?」
かすみ「殺したって言わないでくださいよぉ! ここまで大変だったんですよ!?」 痛いのは嫌だな
VRゲームは無痛じゃなきゃ参加したくないわ かすみ「目が覚めたら今みたいな変なのに囲まれてるし!」
かすみ「慌てて袋開けたら使ったこともない日本刀だし!」
かすみ「まぁ持ってみたら案外しっくりきたんですけど……じゃなくて! 次から次へと襲ってくるから生き残る為に必死で……慣れちゃいましたよ」
愛「あ、はは……そうだったんだ。大変だったんだね、かすみん」
かすみ「制服だけは汚さないように上手くやってたのに……うぅ」
愛(かすみんが日本刀を扱えた? これ、上手い具合に調整してあるの……?)
愛(じゃあ何で愛さん、拳銃使えないんだろ……?)
かすみ「それにしても凄いゲームですねぇ。りな子の開発力もここまで来たか! って感じで」
愛「本当だよね……痛みも感じるし。けど良かったよ、かすみんと会えて」 りなりーの言う「皆」って同好会辞めた人含まれてる? かすみ「そうですよ! 愛先輩はもっとかすみんを褒めてください! 今だってかすみんが可愛く助けなきゃ危なかったですからねえ」
愛「あはは……えらいえらい」ナデナデ
かすみ「ちょ……血塗れの手で頭撫でないでくださいよぉ!」
愛(話しながら、少しだけ安心した)
愛(かすみんの武器が刀だったから、ほんの少しだけ、ほんの一瞬だけ。疑っちゃったんだよね)
愛(かすみんがしずくを殺したんじゃないか、って)
かすみ「ところで愛先輩は誰か見ませんでしたかぁ?」
愛「誰か、って……」
かすみ「同好会の皆ですよ! この際しお子とかランジュでもいいですけど……」
かすみ「モンスターが出るんですから、少しでも早く皆と合流しないと! りな子はゲームマスターだから入ってないとして……」
かすみ「しず子とか心配ですもん……あの子、ああ見えて弱いところがあるから……」
愛「……っ」 愛「……」
かすみ「きっと今頃なきべそかいて『可愛いかすみちゃーん! 助けてしずー! 怖いしずなぁ!』とか言ってる筈ですよぉ。それを助けて……」
愛「……しずくは」
かすみ「へ? どうしたんですか、愛先輩。そんな怖い顔して……」
ドゴォッ!
かすみ「ふぇあっ!?」チョロッ
愛「っ!? な、何今の音!?」
かすみ「あっちの方から聞こえましたけど……って」
ドゴォォンッ
ドォォンッ
かすみ「なぁっ!? 木が薙ぎ倒されてますよぉ!?」
愛「何か来る……!?」 ドォォンッ!
かすみ「な、なな何が来てもかすみんの可愛い日本刀でぶった斬りますから大丈夫ですよぉ!」シュッ
愛「……」チャキッ
……ッテー……メダヨ
愛「……あれ、この声。エマっち?」
ドォォンッ!
ランジュ「……」ヒョイッ
かすみ「えっ……」
ランジュ「らぁ! らっらっ!」キャッキャッ
ランジュ「らぁ?」ゴロゴロ
エマ「ランジュちゃん駄目だって! そんなに走り回っちゃ……あ」
かすみ「エマ先輩ぃー!」ダキッ
エマ「二人とも……だ、大丈夫なの? そんなに血塗れで……」 愛「ああ……大丈夫だよ、これ返り血だから! エマっち達も見たでしょ、あの怪物の……」
エマ「怪物?」
かすみ「エマ先輩見てないんですか? 気持ち悪ーいのがいーっぱいいたんですよ!」
エマ「ごめんね。ランジュちゃんを保護するのに手一杯で……」
かすみ「というか! なんでランジュなんかと一緒にいるんですか! 見捨てればいいんですよこんなの!」
ランジュ「らぁ?」チュッチュッ
かすみ「ほっぺたを吸わないでくださいぃ!」
エマ「そういうわけにはいかないよ。今のランジュちゃんは赤ちゃんと同じなんだから」
愛「ところで……さっきの凄い音は何だったの? 木が薙ぎ倒されてたけど」 エマ「あぁ……あれはランジュちゃんがやったんだよ。ほら、手を見てみて」
かすみ「ぐぬぬ……力強いランジュ……」ギギギ
ランジュ「らぁ……らぁ……」チュゥゥゥ
かすみ「かすみんの可愛いほっぺがランジュ型になっちゃいますよぉ……!」
愛「これ……指ぬきグローブ?」
エマ「私もよく分からないんだけどね、ランジュちゃんこれで物凄く力が強くなってるみたいなんだよね」
かすみ「パワータイプランジュとか最悪じゃないですかぁ!」
愛「あはは、かすみん気に入られてるね」
ランジュ「らぁ♡」ニコニコ
かすみ「嬉しくないですよぉ!」 20章のバックダンサー云々の設定を破棄して、同好会の皆を可愛いと思ってる云々の善性だけを抜き出せばこんな感じになるのかなランジュ
それで許されるには幾分罪を重ねすぎたけど ブォォンッ
愛「……ん?」
エマ「何か……聞こえて」
『やっほー。皆頑張ってる?』
愛「これ……りなりーの声だ! 何処から聞こえて……!?」
愛(放送というか世界中に響いてるというか……何か変な感じがする……!)
かすみ「りな子ぉ! もうかすみんは限界! ギブアップしたいんだけど!」
愛「そうだよ! 何なのさこれ! 悪ふざけが酷すぎるよっ!」
『あー……何人かギブアップしたいって言ってるね。せっかく作ったのに悲しいよ。璃奈ちゃんボード『しょぼん』』
『ま、ギブアップは無理なんだけどね。ゲームを辞めたかったらクリアするしかないよ』
愛「っ……! ふざけないでっ!」
愛(私は死体を見てる……それに痛みも感じてる! もうゲームで済まされていい話じゃないよ! 死ぬような痛み感じて、現実でも死んじゃったらどうすんのさ!) そういやしずくが死んでるのかちゃんと確認してなかったよなぁ…… 『まぁまぁ怒らないでよ。皆に朗報があるんだから』
かすみ「朗報……?」
『第一のゲーム、クリア条件の3人死亡まで……なんと! あと1人だよ!』
愛「……あと1人!?」
愛(この短時間で……しずく以外に死んだ人間がいる!?)
エマ「そんな……もう2人も死んでるなんて……」
『ちなみに早々に死んじゃった二人っていうのは……まず、しずくちゃん!』
かすみ「……え?」
かすみ「しず子が……もう死んでる? そんな……だって、しず子は演技の練習をするって……」
エマ「落ち着いてかすみちゃん! ゲームだから、本当に死んだわけじゃないから、ね!?」
かすみ「そ、それは分かってるんですよぉ……けど、何というか……友達が死んだって聞くと気持ち悪くて」
愛(……実際に死体見たら、もっと気持ち悪くなるよ) 『そして2人目は……彼方ちゃんだよ!』
エマ「彼方ちゃんが……!」
『あ……彼方ちゃんは殺されたとかじゃなくて自殺だよ。しずくちゃんの死体見た直後に、武器の睡眠薬飲んで死んじゃったんだ』
『ショックだったのか分からないけど、眠いからさっさと現実戻してって言ってたから単に昼寝したかったのかもね』
エマ「えぇ……」
かすみ「今世紀最もくだらない死に方しましたね……」
エマ「死なないこと分かっての自殺って、ある意味このデスゲームを一番楽しんでるのかもしれないけど……」
愛(彼方ちゃん『は』……)
愛(やっぱりしずくちゃんは誰かに殺された……言い方からして、怪物じゃなく仲間の誰かに……?)
愛(……しずくちゃんが殺されて、彼方ちゃんがすやぴした今。残る死者枠は一人……) 呼び方むちゃくちゃなのはスクスタを踏襲してるってことでおk? ーーーー
ーーー
ーー
歩夢「しずくちゃんと彼方ちゃんが死んだなんて……」
あなた「……ゲームとはいえ、聞いてて気分の良いものじゃないね」
栞子「なんで私がこんな目に……なんで……」
栞子「だから嫌だったのに……だから同好会に近付くなって躾けておいたのに……!」
あなた「栞子ちゃん?」
栞子「ランジュ……ランジュ! 許さない……!」
あなた「栞子ちゃん!」
栞子「あ……取り乱してしまいました……申し訳ありません」
あなた「大丈夫だよ。これは本物の殺し合いじゃない。ただのゲームなんだから」 栞子「けれど……私はどうしてもこれが仮想現実とは思えないんです」
栞子「皮膚に触れる空気も、土の感触も……そして」
栞子「怪物に襲われた痛みも……偽物とは思えないんです。……っ!」ズキィッ
あなた「大丈夫だから……現実に戻ったら、全部元に戻るから」
歩夢(……あなたはそう言うけれど)
歩夢(栞子ちゃんがそう言うのも分かる。だって、栞子ちゃんの右手は……)
歩夢(本来ある筈の指が、小指以外欠けているんだから)
あなた「落ち着いて。あんまり動くとまた痛みがぶり返すから」
栞子「はい……」
歩夢(私達が悲鳴を聞いて駆けつけた時には、栞子ちゃんの右手は怪物に押しつぶされていた。小指が残っただけでもマシ……とは言えないけど) 歩夢(あんなに酷い怪我なのにこうしてまともに会話出来るのは、やっぱりここがゲームの世界だからなのかな?)
あなた「……とりあえず今は眠って。痛いかもしれないけど無理にでも」
あなた「何か食料を探してくるから」
栞子「はい……」
あなた「歩夢はここで栞子と一緒に待っててもらっていいかな。あの怪物がここを襲うかもしれないし」
歩夢「えっ……でも、あなたが一人で出歩いて怪我でもしたら」
あなた「大丈夫大丈夫。食料探すだけだから……そんなに離れないって」
あなた「それに皆も探さなきゃいけないしね。お出かけお出かけ楽しいなーっと」タタタッ
歩夢「あ……」 歩夢「もう……本当は怖いくせに」
歩夢「……」
栞子「……」ハァハァ
歩夢(確かクリアまではあと一人って言ってたよね)
歩夢(クリアしたら全部終わるんだよね)
歩夢(あなたが危険な目に合うくらいなら……)
歩夢(栞子ちゃん、今も苦しそうだし……生きてても長くないよね?)
歩夢「……って、何考えてるんだろ」
歩夢「……私のバカ。あーあ……」ゴロンッ ーーーー
ーー
ー
果林「……」テクテク
果林「……」テクテク
果林「……あっ」
果林「ふふっ、これさっき木の幹に付けた傷だわ」 この世界観だと薬は一番楽に退場できる神アイテムだな
まぁ100%ではないとはいえ痛みとゴアの再現してるサイコパスりなりーが死に抜けにペナ用意してないとも限らんが ーーーー
ーーー
ーー
愛「……」
愛(参ったな……)
ランジュ「らぁー」タタタッ
かすみ「愛先輩大丈夫ですかぁー!」
エマ「ま、待っててね! 今すぐ降りられる道探すから!」
愛「大丈夫だよー! 見た感じ怪物もいなさそうだし!」
愛「飛行機でもあればいいんだけど。穴だけに!」
愛(……そう、愛さんとランジュは現在絶賛落下中だ)
愛(ランジュがたまたま殴ったところに空洞があって、たまたま愛さんとランジュだけが落っこちた……何かこんなの見たことある気がするな)
愛(約○のネ○ーラ○ドでこんな展開なかったっけ……?)
ランジュ「あい! あい!」
愛「はいはい、どうしたの。おしっこならあっちの隅でやってね」
ランジュ「ら!」
愛「ん……横穴、だね」
愛「やめとこうよ。こういうの入ったら絶対やなこと起こるもん」 言動はガチ幼児だけど見た目はあのまんまなんだよなこれ… 3人脱落時に生き残ってればクリアってなってるけど、このゲームに参加してるプレイヤーの人数が明確になってないんだよな
そこら辺が木になる ランジュ「らぁーの! らぁーの!」イヤイヤ
愛「えぇ……入りたいの?」
ランジュ「らぁ!」
愛「んー……かすみーん! エマっちー!」
愛「……返事無し。やだなぁ、反対側とかに移動してたら合流できなさそうだもん!」
ランジュ「らっらららー♪」シュタタタッ
愛「あ、ちょ……ランジュ!」
愛「あぁもう……世話が焼けるなぁ!」ダッ
ランジュ「らぁー」フンフン
愛(暗い……真っ暗じゃん、何も見えないし)
愛「やっぱり戻ろうよ……怪物どころか変な生き物いそうじゃん……」 愛「スマホがあればライト付けられるのに……」ゴンッ
愛「いっ……たぁ! 何でライトも無いのに進めるの!?」
ランジュ「ら?」
愛「知能失った代わりに動物の勘が鋭くなったとか? 愛さんには無理ですよっと……あいたっ!」ガンッ
ランジュ「らぁ……」ギュッ
愛「あ……手握って先導してくれるの?」
ランジュ「らっ」ニコニコ
愛「ありがと……」
愛(なんか……こう言っちゃあれだけど、ランジュは一生元に戻らないほうがいいかなぁ……)
愛(気が強いとこは嫌いじゃなかったけど、ビュッフェに月75回ペースで誘ってくるし……)
愛(……ん?)
愛「……光?」 ドドドドド
愛「あー……なるほど。滝の裏側に洞窟ってわけ」
愛「りなりー変なとこ作り込みすぎだよ。愛さん達プレイしてなかったらお蔵入りだったのに」
愛「地図欲しいなぁ……変にルールもガバガバだし」
愛(ま、その辺がインスタントの所以なんだろうけど……)
ランジュ「ら!」
愛「ん……あっ!」
あなた「〜〜♪」
愛「崖の上……おーい! おーいっ!」
あなた「別に君を……ふふん……ないけど♪」
あなた「ドルふふん……ふふんバーナのせいだよ♪」
愛「聞こえてない……! あのうろ覚えの鼻歌っぷりは間違いなくこっちに気付いてないね」
ランジュ「らぁ……」
愛「登れそうな場所ないかな……」 愛(壁にツタ生えてるけど……いやいや、愛さん一般的な女子高生だし。ツタ登れないし)
愛(かといって他に登れそうなところはない……どうしよっかな)
ザクンッ
愛「……うぇ?」
ランジュ「らっ!」
愛「え……あの、ランジュ? 崖に手がめり込んでるけど」
ランジュ「らっらぁ♪」
愛「捕まれ? え、あ……うん」
ザクンッ
ザクンッ
愛(……ランジュの武器、かなり当たりの部類じゃないの?)
愛(本人の知能が3歳だから良かったけど、普段のランジュがこれ持ってたら……多分あった瞬間に殺されてたね)
愛(……もう少しで頂上だ。しずくを殺したのが誰か分からないし、一応武器を確認してから……) 無邪気なのはいいけど何するか分からんからな
まあ愛さんには懐いてるようだけども 愛「……」
ランジュ「……」
愛「ランジュ、他に誰かいた?」
ランジュ「ら……」ブンブン
愛「だよね……じゃあさ、何で……」
あなた「……」
愛(なんで、君が死んでんの?)
愛(崖を登って、私達が最初に見た光景は……血溜まりの中倒れる彼女の姿だった)
愛(多分、姿を見かけてから数分もかかってないと思う。その間に気付けば殺されて……)
愛「……これで、3人か」
愛(りなりーの言葉を信じるなら第1ゲームはこれで終わり。馬鹿な殺し合いは終了だよ)
愛(現実に戻ったら、たっぷりりなりーを叱ってやらなきゃ。あんまりに悪趣味だって――)
歩夢「……」 愛「っ! 歩夢……!」
歩夢「おそいからね、さがしにきたんだ」
歩夢「なんで、たおれてるの? ねぇ、愛ちゃん」
歩夢「……ころしたの?」ユラッ
愛「ち……違うって! 愛さんとランジュが着いた時にはもう……!」
ランジュ「ら!」
ピーンポーンパーンポーン
歩夢「……」
『はいはーい。えっとー、生き残った皆さんおめでとうございまーす』
愛「……本当だって」
『ゲームマスターの璃奈ちゃんだぜー。今生き残ってる人達は皆、第1のゲームクリアーだから』
『凄いねこれ』
ジジッ
愛「だからさ……その弓、降ろしてよ。歩夢……」
歩夢「……許さない」
歩夢「許さない。痛かったよね。苦しかったよね。それなのに。殺すなんて許さない」
ヒュオッ! 愛(つがえた矢が、歩夢の手を離れる)
愛(矢は、真っ直ぐ真っ直ぐ愛さんの方へと伸びてきて)
愛「あ……」
愛(ランジュが何か叫んでるのが聞こえた)
愛(私を見る、歩夢の冷たい目が見えた)
愛(私の胸を貫こうとする矢が……スローモーションみたいに……)
ジジッ……
ジ……ジジッ……
愛「……ん?」ガバッ
愛「……」キョロキョロ
愛(部室……? そっか、愛さん死んだから現実に……)
璃奈「戻ったわけじゃないんだよね」
愛「ひゃっ!?」 1回目でもそうだったけど口調ね
グルだったらバレやすすぎるから裏はなさそう 愛「り、りなりー!?」
璃奈「そうだけど。そんなに驚かれるとちょっと悲しい」
愛「あれ……いや、りなりーいるってことはやっぱり現実じゃん」
愛「ゲームには入ってなかったよね?」
璃奈「入ってないよ。今ここにいるのはNPCの私」
璃奈「いや、私が動かしてるからNPCじゃない気がするよ」
璃奈「……そうなのかな?」
愛「えーっと……よく分からないんだけど。今ここは……」
璃奈「まだゲームの世界。第1のゲームクリアーおめでとう、愛さん」
愛「ありがとう……って、話が違うじゃん!」
愛「ゲームクリアーしたら現実に戻れるんだよね!? さっさと戻してよ!」
璃奈「多分勘違いしてる。愛さんがクリアーしたのは、第1のゲーム。現実に戻れるのは全部のゲームをクリアーしたら、だよ」
愛「えぇ……!?」 愛「ここがゲームの中ならさー……愛さん、さっき矢に当たって死んだよね?」
愛「何処にも傷無いけど……」
璃奈「当たり前だよっ! ゲームが終わった後に殺し合いしたら、すぐにデスゲームが終わっちゃう!」
璃奈「ゲームマスター権限であの攻撃は無かったことにしたよ」
愛「無かったことに……」
愛(やっぱりところどころゲームなんだよね、これ)
愛(あんまりに現実みたいなのに……不確かで気持ち悪いなぁ)
愛「それで、これ終わらせるにはあとどれぐらいクリアーしたらいいわけ?」
璃奈「あと2つだよ。んー、3つになるかもしれないし、次で終わりかも……」
愛「適当すぎない!?」
璃奈「だってテストプレイ出来なかったし……」 璃奈「まぁ……後ゲームがいくつあっても、死なずに勝ち続ければいいんだよ」
璃奈「そうでしょ? 璃奈ちゃんボード『にっこりん』」
愛「……」
愛「分かったよ……またあの島に戻るの?」
璃奈「えっ、ううん。もうあの島終わりだよ」
愛「え?」
璃奈「あれはチュートリアル用のマップだもん。細かいところまで作りこんだんだよって自慢したくて見せただけの……」
璃奈「だからモンスターはいたけどトラップは無かったでしょ?」
璃奈「身体を軽く動かす為だから、色々ルールも甘くて……」
愛(……何言ってるんだろう。私達の殺し合い、本当にゲーム感覚で楽しんでるじゃん)
愛(こんな子だっけ、りなりーって……)
璃奈「まぁ、ここからが本番だよ。第2ゲームの舞台は……」
璃奈「この学校。ルールは部室の外で説明するから、出てもらっていい? 皆起きたみたいだし」 愛(学校……虹ヶ咲の中でまたあんな殺し合いやれって……?)
ガララッ
愛「……っ!?」
愛(りなりーに促され教室から出て。真っ先に目に飛び込んできたのは3つのオブジェ)
愛(死を嘲るように彩られた、しずく、彼方、彼女の死体が……)
しずく「……」
彼方「……」
あなた「……」
愛(ガラスケースに入れられ、彫像のように飾られていた)
愛「……悪趣味がすぎるよ、りなりー!」
璃奈「そうかな?」
璃奈「けど本人の意思だもん」
愛「は……?」
歩夢「あ……!」 歩夢「あぁぁ……! こんな、こんなの……!」ガッ
歩夢「開けて、開けてよ……! 見世物にするなんてあんまりだよっ……!」ガンッガンッ
璃奈「落ち着いて、歩夢さん」ガシッ
愛「……!?」
愛(ガラスケースに縋りつく歩夢を、りなりーが止めている)
愛(それ自体は何もおかしな話じゃない。おかしいのは……)
璃奈「やっぱり歩夢さん、ちょっとおかしくなってるね。ね、愛さん」
愛(りなりーが、私の隣にいることだ)
愛(いや、違う。歩夢を遠巻きに見て唖然とした顔をしている部活の皆……それぞれの隣にりなりーがいる)
愛(歩夢、せっつー、かすみん、エマっち、カリン、しおってぃー、ランジュ、そして愛さん……8人の側にそれぞれ8人のりなりーがいるんだ)
愛「あはは……一人くらい持って帰りたくなるね!」
璃奈「ね、ね。凄いでしょ? ときめいちゃうよね、何でもありなんだよ」 愛「あは、は……」
愛(歩夢は未だにガラスケースを叩いて小さく呻いている)
愛(歩夢担当りなりーはもう諦めたのか、他のりなりーと目配せをし合っていた)
璃奈「じゃあ……第2ゲームのルールを説明するね」
かすみ「……」
果林「……」
愛(一気に空気が引き締まる……! 第2ゲーム、学校を舞台にした殺し合い……!)
愛(またデスゲームの中に身を投じる……!)
璃奈「次はね、殺し合いじゃないよ。全員生き残れる可能性もあるゲーム」
せつ菜「えっ……デスゲームなのに殺し合わないんですか!!」 愛(せっつーが落胆したように言う)
愛(……よく考えたら、愛さん前のゲームでせっつーの姿見てないんだよね)
愛(それはカリンとしおってぃーも同じだけど、しおってぃーは……)
栞子「……」ハァハァ
愛(指無いし、死にかけだし殺し合いはまず無理でしょ……)
愛(カリンはどうせ迷ってただけだからどうでもいいよ)
愛(ただせっつーは……デスゲームに乗り気だったし、開幕10分で誰かを殺しに行った可能性はある)
愛(何も分からないしずくを殺した犯人……そんな気がする)
璃奈「殺したかったら殺しても大丈夫だよ、デスゲームだもん」
せつ菜「本当ですか!! 前のゲームは走り回ってたら終わっちゃったんですよね!! 楽しみです!!」ペカー
愛(……まだ保留しとこう。武器も分からないし) 璃奈「第2のゲームはね……『脱出ゲーム』」
璃奈「校庭の祭壇に御札を捧げて、恐ろしい夜の学校から逃げ出そう! ってやつだよ」フンス
果林「よくあるやつじゃない。steamでそういうの100本くらいギフトされたわ」
せつ菜「歩夢さん以外にもクソゲーやる人いたんですね!」
果林「やってないわよ。迷うもの」
愛「……今回のクリアー条件は、御札を捧げて脱出するだけ?」
璃奈「そうだよ。全員で協力すれば、全員生き残ってクリアー出来るんだ」
璃奈「……で、も。殺し合いはしなくていいって言ったけどぉ……」
せつ菜「……」フンフン
璃奈「あんなに殺したがってる子がいるのに、殺すメリットが何もないのも可哀相だよね。璃奈ちゃんボード『考え中』」 璃奈「うーん……じゃあ、こうしよっか」
璃奈「クリアー方法は『祭壇に御札を捧げて脱出する』以外にもう一つ」
璃奈「『ゲーム中に2人殺害する』も加えちゃおう」
愛「な……!」
かすみ「さ……さっき殺し合いをしなくていいって言ったのに! りな子ずるい!」
璃奈「殺し合いが嫌なら協力して、祭壇に皆で御札を捧げればいいでしょ?」
璃奈「せつ菜ちゃんくらいだしね、殺し合いしたがってるの」
せつ菜「いっぱい殺します!」
愛「っ……!」
歩夢「あ……あぁ……」
璃奈「……」 これゲーム終わってからの関係最悪でしょ。せつ菜とか孤立するだろ。 璃奈「……じゃあ。説明終わり!」
璃奈「よいしょ、っと」
愛(軽く、言いながら。りなりー達は部室前の手すりに腰掛けて)
璃奈「璃奈ちゃんボード『ばいばい』!」
愛(笑顔の璃奈ちゃんボードを顔に貼り付けながら。ゆっくりと向こうに落ちていった)
愛「え……ここ、3階……」
かすみ「りな子達!?」バッ
かすみ「う……!」
エマ「かすみちゃん、大丈夫……!?」
かすみ「見ない方がいいです……頭も身体もぐちゃぐちゃなのに、ケラケラ笑ってますから……」
愛(それは……考えうる限り最悪の光景だね……) まぁせっつーはガチでただのゲームだと思ってるかも知れんから… 果林「とりあえず……第2ゲームスタートでいいのよね?」
栞子「……みたい、ですね」
かすみ「うぇ……うぅ、気分が悪いですよぉ」
タッタッタッ
愛「えっと……とりあえず怪我してるしおってぃーと、気分が悪いかすみんは一旦休憩する?」
愛「島と違って怪物は流石にいないだろうし、何処かの教室で休んでても安全な気がするし」
タッタッタッ
かすみ「そ、そうします……もう今にも吐きそうで、吐きそうで」
かすみ「うゔっ……うっ」
タッタッタッ
愛「……? さっきから何、この音。誰かが走って……」
せつ菜「……」タッタッタッ
愛「……? ……!? ヤバい、皆伏せ……!」
かすみ「へ?」
せつ菜「ライダァァァァッ! キィィィック!!」ギュッォォォン! かすみ「べょぎび!?」メギィッ
愛(轟音……物凄い風圧が私の隣を横切って、かすみんに突き刺さる)
愛(その轟音の主、せつ菜はニコニコと。いつもと変わらぬ笑顔でそこにいた)
愛(かすみんだった何かの、半分抉れて潰れた顔の肉片を、足に絡みつかせながら)
せつ菜「くっっ……はぁぁぁー! デスゲームって感じですねぇぇぇ!」
エマ「え……かすみちゃん……?」
かすみ「ぴぎょ!? びっぎぃ!」ビタンビタン
せつ菜「あっ、すいませんかすみさん! 無駄に苦しめてしまいました! すぐに楽にしますねっ!」ダァンッ!
かすみ「びっ! ……きぃ」クタッ
愛「え……えっ、せっつー……何、してんの?」 せつ菜「えっ……何って、クリアー方法2つ目の、2人殺すルートを試してみようかと! 私の武器の『キック力増強シューズ』も試してみたかったですし!」
愛「試してみようかと、って……かすみん死んでるんだよ……?」
せつ菜「え、まぁ……だってこれそういうゲームですよね……?」
せつ菜「あれ……? み、皆何でそんな目で見てるんですか?」
せつ菜「こ、殺してみたいですよね皆も! だ、だって……一生に一度かもしれないデスゲームなんですよ!?」
愛「……せっつー、今すぐ何処かに行ってくれない?」チャキッ
ランジュ「らぁ……!」ギュッ
エマ「悪いけど……そういうのは、嫌いだよ」ジャキンッ
愛(へぇ……エマさんの武器、鎌なんだ。キャラに合わないなぁ)
せつ菜「な……ゲームですよこれ!? ゲームと現実を混同するなんておかしいですよ!」
せつ菜「なんなんですか! 前のゲームでは誰とも会わないし! 私はゲームを楽しんじゃ駄目なんですか!?」
愛「……いいから! 早く行って! これ以上顔見ると……せっつーのこと嫌いになっちゃいそうだから……」 色々やってる事酷いしりなりー偽物か?と思ってここまで読んでたけど
本物っぽいせつ菜がこれだとりなりーもガチでやってる可能性あるな… せつ菜「なん、なんですか……なんで……」
せつ菜「あっ……そうか、皆私が一足先にクリアーしそうだから嫉妬してるんですね!? へへん! その手には乗りませんよっ!」
愛「せっつー……!」ギリッ
せつ菜「そ……そんな目で見ても駄目ですよ! 私が第2ゲームを……」ギロリッ
栞子「……っ!」
愛(……まずい! ジリジリ下がってると思ったら……しおってぃーのすぐ側に……!)
せつ菜「トップで勝ち上がるんですからねぇっ!」グォンッ!
パァンッ
愛「……っう」ビリビリ
せつ菜「……」
ポタ……ポタ……
せつ菜「あれ……? 痛い……?」
せつ菜「痛い、ですよ……愛さん……」
せつ菜「痛い……うゔぅ、痛いぃ……!」ズリズリ…
果林「……いいの? 逃げようとしてるけど」
愛「いいよ……お腹に当たってる。放っておいてももう何も出来ないよ」 協力プレイしようとしてるのに邪魔してくる奴ってイラっとするよね デスゲームじゃない普通のゲームでも、あんまり空気読めないプレイしてると人間関係に日々が入りかねないもんな 協力プレイは協力プレイで楽しいから空気読めないやつはイラッとしたりするよな せっつー第一ステージで何もなかったから痛覚がそのままって知らなかったのかな ランジュこれまさかの一番まともな味方キャラじゃね。懐いてて言うこと聞いて強いとか召喚獣かな。 死んだメンバーがどうなってるのかまだ分かんないんだよなぁ 愛「……かすみん」
「……」
愛(第1ゲーム、かすみんが助けてくれなかったら脱落してたのは愛さんだった)
愛(あんな巨大な怪物に叩きつぶされて死ぬ、その痛みは想像できないよ。救ってくれたかすみんには……)
愛(最後まで生きててほしかったよ)
ジジッ
『皆さーん。最初の廊下から動いてないのに、もう1人脱落したんですかぁ? びっくりですよぉ。えっと、璃奈ちゃんボード『びっくり』』
愛「いやかすかすじゃん!?」
『かすかすじゃないですぅ! かすみん……じゃなくて! りな子ですぅ!』
愛(へ、変に悲しんで損した……そうだよ。よく考えたらアナウンスおかしかったんだよねぇ……)
愛(これ多分、死んで現実戻った子が持ち回りでりなりーの振りしてんじゃないの……?)
『と、とにかく! かすみんが脱落して、残り7人! せつ菜先輩が死にそうですから、またすぐにアナウンスが入るかもですけど! 璃奈ちゃんボード『かすみんじゃないですぅ!』』
愛「……」
エマ「あ、あはは……えっと、よかったね?」
果林「目の前でかすみが潰れてるのに、かすみの話聞いてるって妙な気分ね……」 やっぱ途中から璃奈のふりした彼方ちゃん混ざってたよな 仮にどういうオチになろうとも無駄に苦しまないし友達のことも嫌いになる前に離脱できた彼方ちゃんは勝ち組だよな 友達とデスゲームに巻き込まれたら人間関係修復不可能になるって気づかされたわ
巻き込まれないように注意しとこ 愛「……ま、まぁ死んでも普通に現実に戻れるって分かったしいいじゃん!」
愛「御札を見つけて、クリアーしてご褒美にオフを貰っちゃうよ! 御札けに!」
果林「いいわね、明日は休んで何処か行きましょ」
エマ「せつ菜ちゃんも誘ってあげようね。楽しみにしてたのに可哀想なことしちゃったし……」
栞子「……と、とりあえず御札を探しに行きますか」
果林「の前に。医務室に行きましょう」
果林「指が化膿しかけてるわ。きちんと消毒と包帯を巻かないと駄目よ」
ランジュ「らぁっ」
栞子「大丈夫ですよ、このくらい……私には我慢の適性があって……つうっ!」ジュクッ
エマ「無理しちゃ駄目だよ! ね、まずは医務室に行こう?」 しずく殺したのがかすみんじゃなければ愛さんの近くに裏切り者がいるという事実 愛「歩夢、今から皆で医務室に……」
歩夢「……」
愛「歩夢……」
歩夢「殺した癖に……」ボソッ
歩夢「やっぱりあの時栞子ちゃんを殺しとけば良かったんだ……」ボソボソ
栞子「……」ビクッ
果林「何があったの?」ボソボソ
愛「あぁ……歩夢ちゃんに、あの子を殺したの愛さんだと思われてるんだよね」ボソボソ
果林「……で、殺したの?」
愛「殺してないよ! 第一……」
愛「あの子の傷口、刃物で切られたようになってるもん。銃とボウガンの愛さんじゃあんな傷つけられないし!」
果林「……そうね。銃で撃ったらああはならないだろうし」
エマ「う、うん……ランジュちゃんと一緒にいたんだよね? 愛ちゃん殺してないよね?」
ランジュ「らぁ!」コクッ 歩夢「……」
エマ「歩夢ちゃんの気持ちは分かるよ。私も友達が死んだら悲しいもん」
エマ「でも、栞子ちゃんも友達だよ。栞子ちゃんが苦しんでるところ、これ以上見たくないよ……」
エマ「ね、一緒に医務室に行こう? このゲームをクリアして、一緒にあの子に会いに行こうよ」
歩夢「……はい。分かりました」スッ
愛(……それにしても)
愛(しずくとあの子を殺したのは両方刃物……。せっつーが嘘を吐いてて、刃物系武器を持ってたんなら一番良いんだけど)
愛(そうじゃなかったら……)
愛(やめよう。犯人はせっつー、それでいいよ) 勝手に幼女で想像してしまってるが高2の体なんだよなランジュ…
いやゲーム内補正で幼女アバターになってる可能性もあるのかな 幼児退行ランジュ可愛らしいな
果林の武器が気になるところ ランジュ同好会との闇のゲームに負けてマイクラくらった説 カツン カツン
愛「それにしても……」
エマ「うん……誰もいない学校って不気味だね」
果林「普段なら誰かしらいるから、余計に気味が悪いわ」
歩夢「……」
栞子「だ……大丈夫ですよランジュさん、降ろしてください……」
ランジュ「らっ♪ らっ♪」
エマ「ランジュちゃんに背負われて……栞子ちゃん赤ちゃんみたいで可愛いね」
栞子「赤ちゃんって……そんな適性ありません!」
栞子「ランジュがママ……ちょっといいかもしれませんね……」ボソッ
エマ「何か言った?」
栞子「な……何でもありません!」
カツン カツン
愛「……んー」
果林「どうしたのよ、愛」
愛「なんっか忘れてる気がするんだよねぇ……。ゲームの前に大事なこと言われたような気が……」 果林「大事なこと……?」
愛「うん……何だっけ……。あーもう! ここまで来てるのに出てこない!」
果林「思い出せないなら大したことじゃないのよ、きっと。ほら……もう医務室よ」
愛「そうかなぁ……んー……」
エマ「栞子ちゃん、もうすぐだからね」
栞子「はい……ご迷惑おかけします……」
歩夢「……」
果林「鍵は……開いてるわよね? じゃあ開けるわよ……」
ランジュ「……?」
ランジュ「らっ! らぁっ!」
エマ「わっ!? ランジュちゃん!?」 果林「どうしたのよ、急に……」ガラララッ
ず ば ん っ
果林「……え」
ぽとんっ
愛(医務室を開けたカリンの左手がぽとりと床に落ちる。だくだくと手首から溢れる血が濡らす先には……)
愛(カリンの手を切り落とした、ギロチンの姿があった)
果林「っ……! ぐううっ!」
エマ「果林ちゃん!? 果林ちゃんっ!」
愛「そうだ……トラップ……」
愛「トラップがあるって……りなりーが……」
歩夢「……知ってたの?」
エマ「あぁぁぁ! 血が、血が止まらないよぉ! 果林ちゃんっ!」
果林「ぐぅぅっ! は……やく! 消毒液と包帯を……!」
愛「え……?」
歩夢「知ってたんだ、トラップがあるの?」 ここまで来て言うのなんだけどランジュこんなキャラじゃないだろ 愛「ちが……違くて、愛さん、単純に忘れてて……!」
歩夢「そんなに大事なこと……忘れるのかなぁ」
歩夢「璃奈ちゃーん? もし果林さんがトラップで死んでたら、愛さんにポイントはついたのぉ?」
ジジッ
『つくよ。愛さんに1ポイント』
ジッ
ランジュ「らっ!」ダッ
エマ「ランジュちゃん! そこの棚……違う! そこ生理用ナプキン……え、これを患部に貼ってから包帯?」
果林「……っう」
歩夢「愛さん……もしかしたら知ってたんじゃないかなぁ……」
歩夢「第2ゲーム、皆でクリアしようなんて言って……本当は1抜けしようとしてたんじゃないのかなぁ……?」
愛「違うって……! こんな言い合いしてる場合じゃないよ! 果林さんが手遅れになっちゃう!」 まあ態々幼児退行させてまでランジュ出す必要あんのかとは思う ーーーーーー
ーーーー
ーー
果林「……」
エマ「どう、かな……」
果林「……鎮痛剤が効いてるからかしら。動けないことはない、って感じね」
果林「私の武器は片腕と口が使えれば何とかなるし……」
エマ「良かった……けど何なの、その武器。口って」
果林「手榴弾」
エマ「えぇ……」
栞子「ありがとうございます……痛みが随分マシになりました」
エマ「栞子ちゃんも無理しちゃ駄目だよ。かなり酷い状態なんだから」
エマ「……今はそれよりも」
歩夢「……」ネチネチネチネチ
愛「……違うんだよぉ、本当に違うんだって」シクシク
ランジュ「らっ……らっ……」
果林「これ……ゲーム終わった後また普通に活動できるのかしら……」 こんなにネチネチしてるのが似合うの歩夢だけなんじゃないかな 果林「ほら……歩夢、私はもう大丈夫だから。そんなに愛を責めないで」
歩夢「……はい」プイッ
愛「……けど、これでもまだ機嫌直してくれた方なんだよ」
愛「第1のゲームでは問答無用で殺されそうになったし」
歩夢「あの子を殺したのは許せないけど、現実では生きてるって分かったからね……」ブスッ
エマ「それでこれって、本当のデスゲームだったら皆殺しになってそうだね……あはは」
果林「それで。これからどうするの?」
栞子「確か御札を校庭にある祭壇に捧げる、って話でしたね」
栞子「ただ御札……そんなもの何処にあるんでしょうか」
愛「まさか一つ一つ見て回る、ってことはないだろうし……ある程度私達に関係のある場所に絞られそうだけど」
果林「全部回ってたら手首がいくつあっても足りないわよ……」 愛「私達に関係のある場所……部室、は最初に出てきたとこだし」
愛「生徒会室、とか?」
果林「生徒会室……確かによく行ってるわね」
エマ「せつ菜ちゃんもいたし、璃奈ちゃんもはんぺんを投げられたりしてたし……思い入れのある場所だとは思うよ」
果林「私は窃盗したわ」
栞子「窃盗!?」
果林「大した窃盗じゃないわ。意義のある窃盗よ」
ランジュ「らー……」
愛「ランジュとか、いつもの勘で御札の場所分かったりしない?」
ランジュ「うー……ふーぐぐぐ……」ムグググ
ランジュ「らふぅ……」ブンブン
愛「駄目かぁ……」 栞子「とにかく生徒会室に行ってみましょう。何かあるかもしれません」
果林「そうね……つぅ……」
エマ「果林ちゃんは無理しないで休んでてもいいんだよ……?」
果林「大丈夫よ、このくらい。私の手榴弾が必要になる時もあるかもしれないじゃない」
愛「よしっ! じゃあ生徒会室に……!」
ジジッ
愛「ん……放送だ」
歩夢「せつ菜ちゃんが死んだって放送じゃないの」
愛「そんな吐き捨てるように言わなくても……」
『えー……っと。ちょっとゲームマスター側でも予想外というか、判定が別れたんだけど……』
『優木せつ菜、第2ゲームクリアーです』
ジジッ……ブツッ
愛「……えっ?」
果林「せつ菜が……クリアー? 御札探して校庭に行った、ってこと?」 エマ「け、けどそれなら私達もクリアーになってないとおかしいよ!?」
愛「だとしたら……」
栞子「……第2クリアー条件、『2人以上を殺す』を達成したってことになりますね」
ランジュ「らっ!?」
栞子「そうです、ランジュ。せつ菜さん以外の生きた人間は皆ここにいる筈なんですよ」
愛「じゃあ誰を殺したっていうのさ」
愛「愛さん達以外にもゲームの参加者がいたってわけ?」
エマ「そう、なるのかな」
果林「それにしても参ったわね……仮に第3ゲームがあるとして、またあのせつ菜と対峙しなきゃいけないわけ?」
愛「いや……それは大丈夫だと思う。しおってぃーを見てわかる通り、怪我は次のゲームに引き継がれるみたいだし」
愛「仮にせっつーと対峙しても、それは腹を怪我して戦闘力の無いせっつーだよ」 果林「考えても仕方ないわ。何にせよ私達も早くクリアーした方が良さそうね」
エマ「そうだね。生徒会室に行って御札を探そう?」
愛「うん……」
ガラララッ
ランジュ「……ら?」
ランジュ「らうらうっ! らうらうっ!」
栞子「ランジュが咆えてる」
果林「どうしたの? 廊下の向こうに何かある?」
愛「んー……?」
ごろん ごろん
愛「……あれ? なんか電灯がちかちかしてる?」 ごろん ごろん
果林「……というか。廊下の向こうが」
エマ「随分真っ暗なような……」
ごろん ごろん
歩夢「……! 駄目、逃げてっ!」
ごろん
愛「あ……」
愛(廊下の奥からごろんごろんと。転がってきたのは巨大な……生首だった)
愛「な、生首……!?」ダダダッ
栞子「か、怪物はいないんじゃなかったんですか!?」ダダダッ
愛「知らないよ! まさか学校の怪談がいるなんて……!」 果林「ひぃぃぃいいいっ!」
エマ「果林ちゃん!? そんな無茶苦茶に走っちゃ駄目だよ!」
果林「駄目よ! 作り物ならともかく本物のお化けは駄目よ!?」
エマ「怖がりなの!? 怖がりなの!?」
栞子「二人とも焦らないでください! と、とにかく階段まで逃げましょう!」
ごろん ごろん
愛「階段まで逃げるんだね!」
栞子「怪談だけにって言ったら殺しますからね!」
愛「すん……」
愛(けど……案外心に余裕があるのは、島の怪物と違ってあからさまな殺意がないからだろうか)
愛(島の連中は無我夢中で殺しに来てたけど……この生首は転がってくるだけみたいだし) ランジュ「らうらうっ!」
栞子「ああ、ランジュ! いいから逃げてください!」
愛(ランジュも何であんなに咆えてるんだろ……ただ転がってくるだけの生首に)チラ
愛(ん……?)
愛「えっ!?」キイッ
果林「な、なんで止まって……!」
愛「見て……生首の口の中!」
ごろん ごろん
愛「御札……舌に御札が貼ってある!」
エマ「え……ま、まさか校庭に捧げる御札って……」
栞子「あれのことですか……!?」 ランジュが有能すぎる
いや本物も有能なんだろうけど 少し前はμ'sとかゆるゆりとかのこういうss量産されてて読み漁ってたなあ
今読んでも面白いしもっと流行ってほしい! >>エマ「え……ま、まさか校庭に捧げる御札って……」
エマだけに? 果林「……ちっ!」クイッ
愛「果林さん!?」
愛(御札を発見してすぐに、果林さんは行動を開始していた)
愛(手榴弾のピンを外し、転がる生首の口目掛けて放り投げる。そしてすぐに……)
ド ォ ォ ン ッ
愛(校舎が揺れるような衝撃の後には……あんぐりと口を開けた生首が、その場で止まっていた)
愛「や……やった?」
エマ「凄いよ果林ちゃん……! よく手榴弾投げ込めたね!」
果林「はぁ……無我夢中よ。どのみち潰されたり食べられたりするくらいなら……ね」
愛(御札も無事だ。手榴弾の攻撃受けて、何で燃えたりしないんだろ)
歩夢「……とにかく、この御札を校庭の祭壇に置けばいいんだよね。早く終わらせようよ、こんなゲーム」
愛(歩夢がつまらなさそうに言って、生首の口の中に身体を滑り込ませる)
愛(舌にべったりと貼り付いてる札は中々取りにくいようで、全身べたつく涎に塗れながら格闘しているのが見える)
愛(そうだよね……歩夢も、早くこのゲームを終わらせたいってことには変わりないんだよね……) 歩夢「ぷはっ……ようやく取れた!」
愛「歩夢、大丈夫?」
愛(言って、手を伸ばす)
愛(涎まみれの歩夢は、私が伸ばした手を一瞬訝しげに見て)
歩夢「その……」
愛(けれどすぐに、何処か照れ臭そうに。御札を持った手を此方へと伸ばして)
歩夢「……っ! 愛さんっ!」
愛(投げ捨てられた涎まみれの御札だけが、宙を舞っていた)
愛(目の前には……)
ぎ ょ ろ り
愛(口を閉じた生首が、きょとんとした顔でただただ此方を見下ろしていた)
愛「え……あ……」
歩夢「出して……やだ……やだぁ!」
愛(生首の中から、歩夢のくぐもった声が聞こえる。歯を叩いているのだろうか、どんどんと、どんどんと硬いものを叩く音が響いて)
栞子「あ……あぁ……!」
愛(悲鳴に変わった) ざりっざりっ
歩夢「やだ……! なんで、壁が迫って……!」
歩夢「助けてっ! 助けて愛さんっ! 潰され……」
愛「う……あっ! 歩夢を離せぇっ!」チャキッ
パンッ
ぎ ろ
愛(効いてない……!?)
エマ「このっ……このぉ!」ザクッザクッ
ランジュ「ららららららぁ! ららぁ!」ドゴォンドゴォン
ぎち ぎち ぎち
歩夢「たふ、けっ……つぶ、れ」
果林「手榴弾……駄目! こっちが死んじゃう……!」
果林「栞子の武器は!?」
栞子「あっ、あのっ、チェーンソーなんですけどっ」
栞子「しっ、島でっ、落とし……ひっく……」 歩夢「い、だ……い……」
ランジュ「らぁっ! らぁっ!」グスッグスッ
エマ「くそっ……開いて……開いてよぉ!」ザグンッ
愛「うぅ……」
愛(……っ! そ、そうだ! ボウガンで目を狙えばっ……!)
愛「目なら少しは……ダメージあるでしょっ!?」ギチッ
スパァンッ!
ざぐうっ!
「ろ……!」
愛「やった! 開い……うっ……」
果林「っ……!」
愛(開いた口の中で。もう歩夢は……歩夢の形をしていなかった)
愛(潰され、目は飛び出て。口から血と臓物の混じった肉片が顔を出し、身体のあちこちから突き出た骨は全て先が割れ折れ曲がっている)
ぎ ろ り
ランジュ「……っ! らうっ!」
果林「逃げるわよっ……! 愛、御札を拾って!」 愛「あ……ああ……!」
果林「〜〜ッ! 歩夢みたいになりたいの!?」
愛「っ!」パシッ
ダダダッ……ダダダダッ……
ごろん ごろん……
エマ「ぜぇ……ぜぇ……」
果林「な、何とか撒けたわね……」
栞子「……」
ランジュ「らぁ……」
栞子「歩夢さんが……っ。チェーンソーがあれば……助けられたかもしれないのに……」
愛「……無理だったよ。多分、チェーンソーがあってもどうにもならなかった」
愛「エマっちの鎌での切り傷、切った側から再生してたもん……」 しずくの死体みた時点でゲーム降りた彼方の慧眼っぷり 果林「……はぁ。校庭、行きましょ」
果林「このゲームを終わらせて……璃奈ちゃんを一発、ぶん殴るわよ」
愛「あぁ……いいね。愛さんもぶん殴ろうと思ってたんだよ」
エマ「私も普段は……人を叩いたりしないけど。ここまでされたら一発くらいはいい気がするよ……」
栞子「……」
愛「栞子も、ランジュも。帰って、りなりーぶん殴ろうよ」
愛「皆で無事に帰ってさ……」
ジジッ…
『無事御札を手に入れられたんだね。良かったよ……』
『上原歩夢は死んじゃったけど、これで第2ゲームもクリアー出来るね。璃奈ちゃんボード『おめでとー』』
『後……その』
『愛さん、酷いこと言っちゃったみたいで……ごめんね』
ジジッ……ブツッ
愛「……歩夢も無事現実に戻れたみたいだね」
エマ「よしっ! 終わらせに行こうよ!」
栞子「このクソみたいなゲームを……!」 ーーーー
ーーー
ーー
果林「ええと。祭壇ってあれかしら?」
愛「あれ、みたいだね」
愛(トラップを気にしながらも校内を進んでいき、校庭に出てすぐにそれは見えた)
愛(あからさまに学校に似つかわしくない、神社に置かれているような祭壇が校庭の真ん中にぽつんと置かれている)
果林「はぁ……全く。手が込んでいるというか、手抜きというか」
エマ「違和感バリバリだね……」
果林「さっさと置いて第2ゲームクリアーね。これで終わればいいんだけど……」
ランジュ「……! がうっ!」ドンッ
果林「きゃっ!?」ドサッ
栞子「人にぶつかっちゃ駄目ってあれほど……! あれ……?」 愛「ランジュ?」
エマ「今までそこにいたよね?」
栞子「ランジュ……? 何処に行ったんですか?」
果林「……あ、あ」
愛「カリン? ランジュが何処かに……」
果林「ら……ランジュ……」スッ
愛(カリンが指差した先、それは祭壇の前……ほんの一瞬前までカリンがいた場所)
愛(そこには、一見しただけでは分からないようカモフラージュをされた穴があった)
愛(落とし穴……古典的だけど、効果的な罠。それは最悪の方向で私達に作用した)
果林「庇って……私を、庇ったせいで……つぅっ!」ズキィッ
栞子「ランジュ……?」
愛(落とし穴の中には無数の、本当に無数の……数え切れないほどの槍があって)
愛(いくつもの穴が開いたランジュが、色のない瞳で空を見上げていた。天真爛漫に笑う彼女の姿は……もうそこには無かった) ランジュが死んでこんなに悲しかったのは初めてです・・・ 愛(もう、誰も何も言わなかった)
愛(落とし穴を避けて、祭壇に御札を置くと間抜けな効果音と共に『第2ゲームクリアーおめでとう』の文字が空に浮かぶ)
愛(つくづく馬鹿にしてくれる)
果林「……終わった。第2ゲームが」
エマ「うん……けど」
エマ「けど……皆、死にすぎたよ。もう、半分も残ってない……」
栞子「……」
愛(……第3ゲームがもしあるとしたら、それも今回のような協力ゲーとは限らない)
愛(そうなれば……片手のないカリンと、指を4本失った栞子が不利になる)
愛(りなりーはゲームマスターとしては最悪だ。怪我を含めて平等なゲームをすることなんて無いだろう)
愛(勝てる……)
愛(……一瞬の安堵に、一瞬の絶望が混じった)
愛「あー……最低だ。私……最低だよ……」 ーーーーー
ーーーー
ーー
愛「……ん!」ガバッ
愛「……別にいいんだけどさー。何で一回一回寝てんの?」
璃奈「そっちの方がデスゲームっぽいもん」
愛「……ならいいけど。一発ぶん殴っていい?」
璃奈「いいけど私ただのNPCだよ?」
愛「はいはい。で? 第3ゲームは何をするわけ?」
璃奈「んーと、第3ゲームはね……っと。ちょっと待ってね」
璃奈「んんー……トラブルみたい。果林さんが私と喧嘩してる」
愛「カリンが?」 このランジュきちんとりなりーのフリが出来るのか?
或いは… 部に来た果林さんを庇って死ぬとか…まぁこのランジュなら誰でも庇っただろうな… 果林「だから、第3ゲームの説明を……」
璃奈「らっ……らぁっ……」ポロポロ
璃奈「らぁーの、らぁーの……」ブンブン
果林「あぁもう……このNPC操作してるのランジュでしょ!?」
璃奈「ら……ちょっと待って……だからランジュちゃんには無理って……暴れないで! ちょ……」
ガチャッ
璃奈「大丈夫? 愛さんところの璃奈だよ」
果林「あぁ、良かったわ……誰よランジュにNPC任せたの」
璃奈「誰って、そりゃカ……」
璃奈「彼方ちゃん、がやれって言ったんだよね」
果林「彼方が? あの子早々にリタイアするし、今回羨ましい立ち回りしてるわよね」
璃奈「まぁね……本人不満そうだったけど」 愛「カリン、大丈夫? 喧嘩してるって聞いたけど」
果林「あぁ……大丈夫よ。璃奈ちゃんがランジュだったの」
愛「頭が変になるようなこと言わないでよ。というかやっぱり中身りなりーじゃないんじゃん」
璃奈「一人で何人も操作するのは大変なことなんだよ」
果林「助けてくれたのは嬉しいけど……ゲームの内容分からないと死んじゃうじゃない」
璃奈ランジュ「らぁ……」シクシク
璃奈「じゃあ私が説明するね。といっても……簡単な話なんだけど」
璃奈「この部屋を出ると、一本の細長い通路があるよ」
璃奈「3つの部屋を越えて、突き当りまでいけばクリアー。これでゲームは完全終了!」
璃奈「現実に出る事が出来るよ」 SS自体が面白いのはもちろんのこと新しいランジュのキャラ付け開拓してるの草 果林「どうせ途中の部屋に仕掛けがあるんでしょう?」
璃奈「もちろん! 璃奈ちゃんボード『えっへん』」
果林「褒めてないわよ……はぁ。愛、さっさと行きましょ」
果林「私の方は遅れてたし、どうせ他の三人にはもう説明終わってるんでしょ?」
璃奈「三人?」
果林「せつ菜もクリアーしてたじゃない」
璃奈「あーダメダメ。せつ菜ちゃんはね、『自分で自分を殺す』ことで無理やりクリアー条件満たしたの」
璃奈「立派な心意気に心打たれてクリアーにしたけど、もう死んじゃってるから開幕リタイアなんだ」
果林「はぁ? ……性格悪いわね、それなら最初からリタイアにしてあげなさいよ。全くもう……」
愛「……最終ゲーム、かぁ」
果林「皆でクリアーするんでしょ? そんなに怖い顔しないの」
愛「あぁ、うん……そうだね」
璃奈「じゃあ二人とも、いってらっしゃい。最後まで楽しんでね!」 ガチャッ
栞子「……」
エマ「果林ちゃん、愛ちゃん……」
愛(生き残り組の二人、と……)
せつ菜「……」チーン
愛(普通に死んでるせっつー……)
栞子「い、一応言っておきますが。せつ菜さんは私達のどちらかが殺したわけでは……」
果林「大丈夫よ、分かってるから」
愛「……どうする? せつ菜ちゃんの死体」
エマ「どうするって?」
愛「いや、何だかここに打ち捨てておくのも可哀想だし……」 果林「璃奈ちゃんに回収してもらえばいいじゃない。璃奈ちゃーんっ!」
璃奈「呼んだー?」ヒョイッ
愛「せつ菜ちゃんの死体、可哀想だから何処か別の場所に置いてあげてほしいんだけど……」
璃奈「んー? それは別に構わないけど」
璃奈「本当にいいの?」
愛「? そりゃ勿論。不憫だし……」
璃奈「了解! じゃあ別の場所に安置してあげるね」ズルズル
エマ「思いっきり引き摺られてるね……」
栞子「何だか本当に可哀想になってきましたね……」
愛「……さて、と。言われた通りだね」
ヒュゥゥゥ
果林「細長い道……トラップが仕掛けてありそう」 スタスタスクスタ
果林「……」キョロキョロ
果林「何もないじゃない」
愛「うーん……トラップも何も見当たらないなぁ」
栞子「あれだけ苦労したから最後は優しいとかですかね?」
エマ「あの悪逆非道の璃奈ちゃんがそんな生易しいことするとは思えないけど……」
果林「けど本当に何も……あっ!」
果林「道の先……ほら、ドアが見えるわ」タッ
愛「あっ……待ってカリン!」
果林「何?」
愛「いやほら、迷うといけないから」
果林「愛は私をなんだと思ってるの?」 スクスタww
途中の部屋で犠牲が必要なギミックあるだろ (せっつーの死体を使って罠を調べればいいのに)ほんとにいいの? ガチャッ……ギィィッ
愛「……普通の部屋、だね」
果林「そうね、入った瞬間手首切られるかと思ったけど……」
愛(えっ……今愛さんに開けさせたのそういうこと……?)
栞子「……? 見てください、部屋の真ん中に……何ですかこれ」
栞子「穴の開いた台座みたいな……?」
エマ「こっちに何か書いてあるよ……えっと」
『台座に手を入れると、ドアが開きます』
『けど、引き抜けません。手を入れたらすぐにドアから出てください』
エマ「……引き抜けません、って」
果林「やっぱりやってきたわね……誰かが犠牲にならなきゃいけない部屋」
愛「……そんな! 4人で生き残ろうって言ったのに……!」 栞子「はぁ……」
栞子「皆さん、ここは先に行ってください。私がこの台座に手を入れますから」
愛「しおってぃー!? 待ってよ、何か他に方法が……!」
栞子「……私は。今まで同好会の皆さんに迷惑をかけてきました」
栞子「せつ菜さんを生徒会長の座から引き摺り下ろし、同好会に入ってすぐにランジュと共に部に渡り」
栞子「ランジュと同好会の『賭郎勝負 首吊り七並べ』で同好会のイカサマに協力し、ランジュの精神を崩壊させた以外は恩に報いていません」
愛「結構十分だと思うけど……」
果林「あのイカサマが無かったら彼方は二度とすやぴ出来ない身体になってたし……」
栞子「……もう二度と同好会の皆と、こうして共に何かを出来るとは思っていませんでした」
栞子「だから……不謹慎ですけれど。楽しかったです、せめて……皆は生き残ってください」
愛「しおってぃー……」 栞子「……多分、死ぬんですよね。私」
栞子「……」ギュッ
ズボッ
栞子「……」ガシガシ
栞子「あ……本当に抜けないんですね、あはは……」
ガチャリ
エマ「ドアが開いたよ!」
愛「しおってぃー、ごめんね……また現実に戻ったら一緒に遊ぼうよ」
果林「そうよ……私も愛も、一度は貴女と共に部に渡った仲じゃない」
栞子「ありがとうございます……」
がさり がさり
愛「ん……? 何、この音……は……!?」 栞子「ランジュと同好会の『賭郎勝負 首吊り七並べ』で同好会のイカサマに協力し、ランジュの精神を崩壊させた以外は恩に報いていません」
果林「あのイカサマが無かったら彼方は二度とすやぴ出来ない身体になってたし……」
これだけで一本書けるでしょ がさり がさり
栞子「ひっ……!?」
愛(それは……虫だった。黒い、五角形の背中を持つ不気味な虫。それが天井から、壁から、隙間から……うじゃうじゃと這い出して来る)
愛(一瞬ハムナ○トラを思い出し、背筋が凍った。この虫の大群は……まさか、まさか今から……!)
果林「愛っ! 早くドアに!」
愛「う、うんっ!」
栞子「ひいぃっ! やだっ、やだぁっ! 助けてっ……助けてくださいっ……!」
エマ「早くっ!」
果林「っ……!」
愛「ぐうっ……!」
バタンッ! 自分で体験するどころか画面越しに見るだけでもトラウマものだろのれ 栞子「やだ……いやだぁっ! ママぁっ! 助けてよぉ!」
栞子「ひっ……ぎぃっ! 食べないで……やだ、やだ、やだぁぁぁっ!」
愛(ドアを閉めても……しおってぃーの声はずっと聞こえていた)
愛(三人で耳を塞いで逃げ出しても。あのがさりと虫の這いずる不快な音と)
栞子「いぎっ! ぎひっ、びぃ! いだいぃぃっ! いだいよぉぉぉぉっ!」グチッブチッ
がさり がさり
栞子「がわっでぇぇぇ! だずげ……ぎぴっ!」ブチブチブチッ
愛(しおってぃーの叫び声がいつまでもいつまでも廊下に反響して……)
愛(一際甲高い声の後、ごぼごぼと液体が溢れる音がして。もうその後には何も聞こえはしなかった)
果林「……」
エマ「……」
愛「……こんなのが、まだあるんだよね?」 昔ヒロインが大量のヒルに体液を吸われて絶命するエロゲがありましてね 愛(返事は無かった)
愛(多分、二人の頭の中にあるのは私と同じ)
『絶対にあんな目にあいたくない』
果林「……」
エマ「……」
愛(二人の目が濁っている。助け合って4人で脱出しようと言っていた時のあの輝きは……)
愛(きっと、私にも無かった)
コツコツコツコツ
果林「あ……」
愛(いつまでも廊下が続けばいいと思った。なのに現実は残酷で)
愛(私達の目の前には、鉄作りの重たいドアが、暗闇の向こうで僅かな明かりに照らされぼんやりと顔を覗かせている) 果林「開けるわよ……」
エマ「うん……」
愛(恐る恐る、カリンがドアを開ける)
愛(その先には……やっぱり、あった。恐ろしいものが)
愛(それは一見して絞首台のように見えた)
愛(剛健な作りの、縄跳びのような台から太い縄が垂れ下がっている。その先は輪っかになっていて、あからさまに首を吊れと言っているようだった)
果林「……」フゥーフゥー
愛(カリンの息が荒い。首吊り縄と、自分の……存在していない左手を交互に見ては小さく、荒く息を吐いている)
愛(多分分かっているんだろう。私とエマは五体満足だ……この状況なら取り押さえられ無理やり首を吊らされるのは自分だと) 果林さんみたいな大人なクールビューティが焦って怖がったりしてると興奮する…… エマ「……えっと、これは」
『首吊り縄に誰か一人引っ掛けてください』
『そうすればドアは開きます』
エマ「……」
愛「……予想通り、だね」
果林「……」フゥーフゥー
愛「……誰か一人、吊らなきゃならない」
果林「……」フゥーフゥー
果林「……っ!」シュッ
エマ「……!」
ザグンッ!
果林「あ……」
果林「え……ま……?」
ボト……ボト……
愛「エマさん……何でカリンを……?」
エマ「……手榴弾を爆発させようとしてた。私が殺さなかったら、全滅してたよ」
エマ「……爆発で手足が千切れる痛み、味わいたい?」
愛「……」 果林「……ぁ」
愛「……!」ビクッ
愛(カリンを吊るす時、彼女は私を見て小さく呻いた)
愛(死んでなかったんだ……首を切られて尚その目には生への執着がらんらんと光っていた)
果林「……」ゴボッ
愛「ごめん……」
愛(一言呟いて、カリンの首に輪をかけて手を離す)
愛(縄はぎしりとその首を締め上げ、カリンの手は力無く垂れ下がった)
愛(冷静で、いつも大人だったカリン。憧れていなかったといえば嘘になる……そんな彼女が)
愛(だらしなく舌を垂らし、開いた口からは血の混じった涎を流しながら……白目を剥いている)
ガチャリ 呼称がブレまくりなのは少し気になる
単なるミスなのか何かの伏線なのか コツコツ スタスタ
エマ「……」
愛「……」
愛(もう部屋が無かったらいいのに)
愛(エマっちと再奥まで辿り着いて、色々あったけど助かったねなんて笑いあって)
愛(現実に戻ったらりなりーに一発げんこつを入れて、カリンに謝って、しおってぃーとショッピングに行って美味しいものを奢ってあげよう)
愛(ランジュと一緒にビュッフェに行って、せっつーと一緒にアニメを見て、歩夢と仲直りして、かすみんを可愛いって褒め倒して)
愛(あの子には練習した新曲を真っ先に披露しよう、カナちゃんと一緒にすやぴしよう、しずくと一緒に演劇を見に行こう。それで皆……仲のいい同好会で元通りだ)
愛(……なんて)
エマ「これが……最後の部屋だね」
愛(そんな都合のいい現実あるわけないのに) ガチャリ
エマ「……は」
エマ「あははははっ!」
愛(ドアを開いて。壁に書かれた文字を見て)
エマ「あっははははは……!」
愛(唐突にエマっちは笑いだした。私を嘲るように、自分を嘲るように)
エマ「いや……あはは。ごめんごめん、これ見てよ」
愛「……」
『この部屋では最後の一人になるまで殺し合ってね!』
エマ「あはは……いや、愛ちゃんが気付いてたかは知らないけどさ」
エマ「せつ菜ちゃんの死体があればあの二人、助けられたのにって思ってたんだよね……それがこれでしょ?」
エマ「どうしたって助ける気ないじゃん! あはははははっ!」 愛「せっつーの……死体?」
エマ「そうだよ、例えば最初の部屋は……」
『せつ菜の死体から腕を切り落として、台座の中に突っ込めばいい』
エマ「二番目の部屋だってそうだよ?」
『せつ菜の死体を、縄に吊せばいい』
エマ「まー……栞子ちゃんは腕切り落としてあげればよかったんだけどね。虫がいっぱいいたから気持ち悪くて部屋に入りたくなかったんだよね」
愛「……」
エマ「で、さぁ。どうする?」
エマ「最後の一人になるまで殺し合えってさ……あっははははは!」
愛「何がおかしいの……?」
エマ「え……? おかしくない? 一から十までおかしいよ、あっははは!」
エマ「これがおかしくないなんて、愛ちゃんどこかおかしいよ?」 愛「……私には拳銃と、ボウガンがあるんだよ?」
愛「エマさんの武器は鎌一つだけ。銃は剣より強いって知ってた?」
エマ「……あー、うん。そうだね」
エマ「そっかそっか、そのボウガン何処かで見たことあると思ってたんだよねぇ」
エマ「それ、しずくちゃんのだ」
愛「え……?」
ブワッ
愛(一気に汗が吹き出た)
愛(何で……何でエマっちはこれがしずくの武器だって知ってるんだ?)
愛(私が皆に話したのは……あの子の死の現場に立ち会ったのを歩夢に見られた、ただそれだけ)
愛(だったらあの子の武器を拾ったと思ってもおかしくないのに……!)
エマ「飛び道具苦手だから置いていったんだよね。そっかそっか、愛ちゃんが拾ってたんだ」 国民皆兵だから公式エマも銃の基本的な扱い方は知っててもおかしくない 愛「まさか……しずくを殺したのって」
エマ「んー……気付かないもんなんだねぇ。そうだよ、私が殺したんだ」
エマ「第1のゲームが始まってすぐにしずくちゃんと会ってね」
しずく『あっ、エマさん! 良かったぁ……エマさんと会えて、不安だったんですよ』
しずく『怪物と戦うゲームなんですよね? デスゲームの演技の勉強、頑張りますっ!』
エマ「なーんて言って油断してるからさ」
エマ「こう、サクッと」
しずく『あれ……なん、で? エマさ……』
愛「何で……そんなに早く殺したの……?」
エマ「えっ……だって油断してたし? 後……まぁ」
エマ「武器の使用感、確かめたくって」 エマ「その後ランジュちゃんと会って……殺そうと思ったんだけどあの調子にあの武器でしょ?」
エマ「勝手に何処かに行っちゃうし……追っていったら二人と遭遇したの」
エマ「愛ちゃんとランジュちゃんが穴に落ちた後も、かすみちゃんは怪物を気にして油断しないし!」
エマ「二手に別れた後……あの子に会ったんだよね」
あなた『あっ、エマさん! エマさんだっ!』ダキッ
あなた『よかった……皆を探してたんだよ。ねぇ、この辺で食べられそうなもの見なかった? 栞子ちゃんが……』
エマ「油断しきってたから簡単だったよ」 愛「もう、いいよ……」
エマ「うん?」
愛「もういいって言ってるんだよ、エマっち」チャキッ
愛「お前はここで私が殺す……!」
エマ「ふうん……殺せるかなあ?」
愛「エマっちには飛び道具が無いことは分かってる」
愛「下手に抵抗しなかったら一発で終わらせてあげるから」ジャキンッ
エマ「オー怖い怖い。ボウガンまで装填しちゃって」
バォンッ!
エマ「っと!」
エマ「いいの? ボウガン撃っちゃって」
愛「……何で避けるの? 威力の高い方で殺してあげようと思ったのに」
エマ「んー……何でって」 愛「……? 何して……」
シュパッ!
愛「……!?」
ビリビリビリビリっ!
愛「〜〜ッ!?」バタッ
愛(な……に、今の……身体がしびれて……!?)
エマ「あのさぁ……考えなかったの?」
エマ「私があの子の武器、回収してた可能性」
愛「が……」ビクビクッ
エマ「テーザーガン。銃版のスタンガンってとこかな?」
エマ「見た感じ死ねる威力じゃないみたいだね」
愛「そ……んな……」 でもあなたちゃんならエマさんに殺されるのも悦びに変えられるから… 彼方ちゃんもオーバードーズで死んだなら結構苦しんだんじゃ… 愛「ぐ……」
愛(駄目だ……まともに身体が動かない……)
エマ「大丈夫だよ、今楽にしてあげるからね」
愛(動け……動けっ……!)
愛(指先だけでいい、動いて……!)
エマ「ばいばい、愛ちゃん。現実戻ったら謝るから……許してね!」
愛「ッ……!」
パァンッ
愛「……」
エマ「っ……と、びっくりしたぁ」
エマ「まさか指先が動くなんてね」 エマ「でも無駄だよ、そんな低い位置じゃ。殺したいなら心臓を狙って……」
がくんっ
エマ「あれ……? 足にかすったかな……? っとっと……」ヨロヨロ
エマ「けど……転ばせるくらいの効果しか……っと、無かったね……」ヨロッ
愛「い……いんだ、よ。それ、で……」
エマ「はぁ?」ヨロヨロ
エマ「っと……とっと…………………あ」
愛「さっき……放ったボウガンの矢」
愛「上手い具合に跳ね返って……瓦礫の隙間に挟まって、先端が上向いてくれたんだよね……しずくの念でも篭ってたのかな……」
エマ「あー……………………」
エマ「あははっ、やるじゃん」ドサッ
ざ ぐ う っ ! 愛「っ……はぁ……」ビリビリ
ガチャリ
愛「はぁ……っはぁ……」
愛「死にたくない……」ズリズリ
愛「死にたく……ない……」ズリズリ
エマ「……」
愛「はぁ……はぁ……」
スッ
愛「ごめんね……エマっち」
ずり……ずり…… 愛(遠い……廊下がどこまでもあるような気がする)
愛(けどこれで終わったんだ……)
愛「ゲームクリアーだ……現実に……帰れるんだ……」
愛「あ……」
愛(光が……見える……)
愛(あそこがゴールだ……あそこが、あそこが……)
愛(あれが現実への……!) 愛「はぁ……はぁ……」
愛「え……?」
愛(長い廊下を抜けた先は、ガラスのドームになっていた)
愛(私達が部室で、最初にりなりーから見せられたようなガラスのドーム)
愛(その向こうで)
愛『おおー……愛さんの優勝かぁ』
愛(愛さんが、興味深そうに私の姿を覗き込んでいた) ネタみたいなスレタイからの神SS恥ずかしくないの? 愛「え……あ……なんで……?」
愛『けどエマっち怖すぎだよー、愛さんビビっちゃったもん!』
エマ『いやいや、私あんなんじゃないからね!?』
愛(エマっちが笑っている)
璃奈『というわけで、これでインスタントデスゲーム体験装置は終わりだよ! どう? 楽しかった?』
歩夢『うん……私達ってもしデスゲームに巻き込まれたら、あんな風になるんだね』
愛『ならないって! 所詮これはゲームだもん!』
愛「……」
彼方『けど璃奈ちゃん凄いよねえ。私達の血液一滴から『インスタントクローン』を作っちゃうなんて』 死んだ直後なのにアナウンスが平然としてたのはそういうことか いやいやクローンにしてもエグすぎやろ
データとかじゃないのかよ アンパンマンの交換後の顔に意識が残ってるやつ思い出した 璃奈『えへへ、血液一滴のインスタントクローンがデスゲームを体験して、それを覗き見する装置……ちょっと悪趣味だったかな? 璃奈ちゃんボード『反省』』
せつ菜『私もライダーキックしてみたいです!!』
愛「なに、これ」
愛「なんなの、これ」
愛「……愛さん、何やらされてたの?」
愛「あは……あははは……」
栞子『あっ……そうだ、このインスタントクローンさんとの約束を守りませんと』
璃奈『そうだね、じゃあガラス戸を開けるよ』
ガラッ 愛はともかく他の皆までスクスタみたいなクソキャラにしないでくれよ…
ただでさえスクスタに脳破壊されてるのに 結局最後まで開幕自殺した彼方ちゃんが勝ち組だったな 愛「あ……」
愛「ああぁっ!?」ジュウッ
愛「身体……身体、溶けっ……!?」
璃奈『どう? これで君は現実に出る事が出来たよ』
璃奈『そうっ! インスタントクローン達は、外の空気に触れると環境に優しい気体になって空に還るんだよ!』
エマ『自然のことも考えてくれてるんだね!』
かすみ『流石りな子の発明ですねぇ。後始末も簡単なんて』
愛「うああぁぁぉぁっ!?」ジュウッジュウ
ランジュ『らぁっ! らぁ……』ポロポロ
あなた『え? 可哀想……?』
璃奈『大丈夫だよ、これはゲームだもん』
璃奈『この子達はAIみたいなものだから、セーブデータを消すようなものだから!』
果林『そうなのね……』 >>370
違うだろ
アリシゼーションの住人殺すみたいなもんだろ
ふざけんなよお前 かすみんが刀の扱いに習熟してたりエマのキャラが変わってたのもシミュだからか
最低限ゲームが成立する程度に改変してたと この同好会ランジュの精神崩壊させるわ遊びで自分の分身を殺すわ酷すぎる
救いはないのか 愛『うーん、でも愛さんに似た子が苦しがってるのを見るのはちょっと……』
愛「あ……あぁ……」
愛(ごめんなさい……皆、ごめんなさい……)
愛(溶ける、消える、無くなる)
愛(溶ける、消えr、無kなr )
愛(私ha,なんnoたmに)
愛(うまれたの?)
璃奈「ふー……もうちょっと改良してみるね」
かすみ「正直私達と同じような性格してて怖かったですし……もっとゲームっぽくしてくださいよぉ」
エマ「璃奈ちゃんのゲームマスターも中々性格悪かったし……」
璃奈「うーん……」
璃奈「璃奈ちゃんボード『てへぺろ』!」
あはは……ははは……
完 まあ自分そっくりのキャラが出演してる映画を見てるようなもんよね
人間扱いは無理よ この現実りなりー達も実は箱庭の中のクローンなんだよね… 乙
想像の数倍エグくてワロタ
ランジュだけが癒しや… 乙
倫理観がぶっ壊れてて不快なのに面白いみたいなすごく複雑な感情になってる
なんかうまく言えないけど面白かったのは確か おつめっちゃ面白かったしオチも良かった
またこういうの書いてほしい 絶対伏線張り巡らされてるから最初から読みたいけどこの感情をもう一度味わいたくない データってことにすればまだ納得できたけどなぁ
クローンはあかんよ ゲーム終了後険悪になるだろと思ったら
ランジュ以外サイコパスオチってうっそだろお前…… 最初はりなりーの倫理観狂ってるし偽物?とか思ってたけど
メンタル壊されたランジュ以外全員狂っていたか… >>399
このくだりギャグかと思ったら伏線だったか
ランジュ以外全員やべー奴ってここで分かるんだな そもそも序盤で精神崩壊させた相手と仲良くやってる時点でもうヤバかったんだな 乙
新年早々とんでもない作品を読んでしまったわ
また書いておくれ ミアもミスだわすまん!
首吊り七並べは
・プレイヤーは二人一組でチームを組み相手と対戦する
・この際エース側、キング側が決められる
・七並べを模した巨大な板に片方(Aとする)がクソ長い縄をつけた状態で立たされる(この縄は端っこにいくと締まりだす程度の長さ)
・エース側のAは4の札を模した板の上、キング側のAは10の札を模した板の上を縄が最も緩む基準とする
・もう片方(B)は普通に相手と七並べする
・七並べでB達が並べた札が次々落下していき、先にAが死亡した方が負け
・楽しい! ランジュの精神崩壊は現実なんだな…というか同好会メンバー全員倫理観ぶっ壊れてるから、ランジュ精神崩壊しちゃった訳か。
精神崩壊したランジュが一番まともで癒しとか… 乙
SSのこいつらも原作のクローンみたいなものだよね
>>1に作られ俺たちに笑われてスレが落ちたら消滅する運命 マジで狂ってるやんけ
ランジュ首吊の酸欠で後遺症なんじゃないのか >>409
既にリアルでデスゲームやってんじゃねぇかw 愛さん最後の力を振り絞って璃奈ちゃんを撃ち殺して欲しかったぜ
乙乙 倫理観狂った世界でクローン技術が発達したらゲーム用にミニ人間とか普通に売られてそう おつ
Aがミアとも解釈できるよね…
そりゃランジュも精神崩壊するわ 面白かったわ書き溜めて1日で終わらせてくれたのありがたすぎる >>418
カタルシスが無いのがな……
一矢報いてほしいし、諸悪の根源に対して何の罰もないのがただ胸糞 2ndシーズンがなければ面白いと思えた
今の時期に胸糞はキツい・・・ ラスト直前まで楽しめたのにラストで掌返ししたくなるほど胸糞になったのってダンロンV3思い出したわ >>250
不自然とは思っていたけど、ここは愛が操作してる璃奈が果林の名前出しかけてたわけか
愛の一人称上手く使っとるなぁ… 乙
>>250で彼方を呼ぶときにカ(ナちゃん)…と言っててまさかなと思ったが
現実の連中は楽しくやってても
分離されたもう一人の自分にはたまったもんじゃないよな
愛さんだけに >>427
あれと違って一矢報いる展開がないのがね >>124の本人の意思とか>>250の本人不満そうってのもそういうことだよね
あと第1ゲーム終了時にりなりーが8人いたってのも 年末年始には怪物が潜むとはいうが、そうそうは拝めない怪物に出会ってしまったな
乙 おつ、とても楽しかった
こういう星新一みの強い話だいすき
これを一つの物語として楽しめてしまっているあたり、そういう倫理観の浸食というのは既に進んでるんかな?みたいな自戒を覚えはするけど
ただ「人」としての描き方が強く感じられたから、もう少しキャラに寄り添った描写が欲しかったな…というのは これがAブロック戦でボロボロの愛さんの前に無傷のことりちゃん(Bブロック勝者)とルビィちゃん(Cブロック勝者)との決勝戦が始まってもいいぞ 面白かったけど脳がダメージを負ったのでエロSSでも読んでこよう……
何はともあれ乙でした どこでもドアの思考実験?みたいなネットの記事思い出した >>383
そんな映画めちゃくちゃ不快じゃない?絶対感情移入して見れない 自分をよく見せようと振る舞うけど土壇場や最後には保身や我が身可愛さが見える栞子はまさにスクスタの栞子だったわ
ランジュも善性だけを残せばこんな感じなのかな 俺たちも最初から神の視点でこのSSを見てれば全然違った捉え方になりそう
つーか普段見てるSSがそうだしな
過激なSSにSSを読んでる俺たちを(キャラという形で)登場させたら同じように倫理観のかけたサイコパスに見えると思うわ たいそう示唆的で良いと思った
我々も彼女たちの残虐さを多かれ少なかれ、同情しつつ不快を表しつつ、楽しんでいるわけで
そのメタ的な構図がこの話の同好会諸君と類似していることに気づかせてくれる、これは文学と言っていい
もちろん途中の話も単純に面白かったし、名作だわ クリア後りなりーが殴られたりメンバー間が多少ぎくしゃくするも数日後には元通り、という普通な展開が観たかった >>456
なんにせよ物語を眺める時の我々って、少なからず人間への共感性が欠如するのよな
だから物語を読むな書くなと言うのは論外だけど、その事だけは常に頭の片隅に入れておいた方が良いなと思いました
キャラを虐待しても実害無いんで別に良いけど、一時的に人間への共感性を失っている自分を、きちんと認識しておくのが大切 頼む過去作あったら貼ってくれ
他の作品も是非読んでみたい >>250
ここカ…でカリンって言おうとしてたのかな? 面白かった。また似たようなジャンルの書いて欲しい。
デスゲームではないけどミューズが(海未を除いて)4対4で戦うやつ思い出した。 この子たちにはミュウツーの逆襲を見せて倫理を学ばせたい >>463
コピーイライラで草とか言って笑ってそう 手塚治虫の火の鳥で自分のクローンとデスゲームする話思い出した オチにめっちゃゾクゾクできた
首吊七並べも書いて良いんですよ? 助けた女の子が校庭でオナニーしてたらそりゃ悲しい顔にもなるわw 助けた女の子が校庭でオナニーしてたらそりゃ悲しい顔にもなるわw エンゼルゲームって漫画思い出したけど内容覚えてないわ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています