彼方「せつ菜ちゃんも一緒にお昼寝しよ〜」
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せつ菜「ジャッカルッ!!!まだ諦めるには早いハズです!!!!」
彼方「うおぉ……せつ菜ちゃんの声廊下にまで響いてくるよ」テクテク
彼方「おはよ〜」ガラガラッ
せつ菜「他の仲間達はまだ戦っているんですよッ!!?」
彼方「せつ菜ちゃんだけなんだね、それにしても彼方ちゃん全く気付かれてないなこれ〜」
彼方「どれどれ、お隣座るよ〜」
せつ菜「そうです!!!それでこそっ!!!――」
彼方「せつ菜ちゃぁ〜〜ん」耳元で
せつ菜「うわひゃあ!?彼方さん!?」 彼方「も〜全然気付いてもらえなくて彼方ちゃん悲しかったよ〜」シクシク
せつ菜「すみません!今日は私が一番乗りだったので、皆さんを待つ間アニメを見ていたら夢中になってしまって…」
彼方「そんな謝らなくてもだいじょぶだよ〜」ジーッ
せつ菜「あ、あの……彼方さん?」キョトン
彼方「じ〜〜……」ジーッ
せつ菜「よ、よろしければ…一緒に見ますか?」
彼方「良いの〜?彼方ちゃんこういうの普段見ないからつい見入っちゃったよ〜〜えへへ」
せつ菜「彼方さんに興味を持ってもらえるなんて嬉しいです!!でしたらおすすめの作品があるのでそれを見ましょう!!」ペカー ――アニメ視聴中――
彼方「おぉ〜?お、おおぅ!」ジーッ
せつ菜「ここからっ!ここからが熱いんですっ!!!」
ガラガラッ
愛「おっすー!せっつーとカナちゃん!」
彼方「愛ちゃ〜ん、おはよ〜」
せつ菜「こんにちは愛さん!」
愛「二人してくっついて何見てんのー?」
せつ菜「私おすすめのアニメの配信を見ていました!皆さんを待つ間の時間潰しにと」
愛「へー!愛さんも――」
ガラガラッ かすみ「今日も銀河一可愛い系スクールアイドルのかすみんが来ましたよ!」
しずく「はぁ…まずは挨拶が先でしょ、こんにちは皆さん」ペコリ
璃奈「宇宙一挨拶できない系スクールアイドルだね……璃奈ちゃんボード『こんにちは』」
かすみ「あーっ!りな子だってボード使って省略してるじゃん!」プンプン
愛「愛さんもそれ見たかったけど皆揃いそうだねー」
せつ菜「そうですね!そろそろ準備しましょうか!」
せつ菜「それと彼方さん……よろしければ練習が終わった後キリの良いところまで見ませんか…?」
彼方「良いね〜実は気になってたんだ〜」 ――練習後・生徒会室――
彼方「いや〜アニメ見る約束しておいて生徒会室に連れて来られた時は、彼方ちゃん嵌められたかと思ったよ〜」
せつ菜「すみません、驚かせてしまいましたね///どうせ見るならスマホよりPCの画面の方が良いかと思いまして!ブルーレイも置いてありますし!」フンス
彼方「でもこんな所でアニメなんて見てて良いのかな〜もし見つかったら怒られちゃうよ」
せつ菜「役員の方から本日分の雑務は終わったと連絡があったので問題無いと思いますよ」
せつ菜「それでは早速見ましょう!!」PCポチー
彼方「おぉ〜生徒会室のソファふっかふかだね〜お昼寝スポットの一つにしたいくらい」ポフンポフン
せつ菜「さっきの続きから流すので寝ないで下さいね!」
彼方「はぁ〜い」
コンコン
せつ菜「っ!?」ビクッ
ガラガラッ 役員「失礼します」スタスタ
せつ菜(これがフラグ回収というものですかっ!?咄嗟に机の下に隠れてしまいましたが……)チラッ
彼方「…………」ジーッ
せつ菜(彼方さんの顔がち…近い///それにやたらと覗き込まれている気がする…)
役員「…………」ストン パタッ カチャカチャ
せつ菜(物音の様子からするに仕事し始めましたね……どうにか早く終わらせてくれるとありがたいのですが)ソワソワ
せつ菜(はっ!?……それは違いますね、そもそも生徒会室を私的利用しようとした挙げ句練習着のまま来てしまった私が100%悪い)ガックリ
せつ菜(彼方さんと大好きを共有出来るのが嬉しくてまたやってしまいました……)ズーン
彼方「…………」ギュッ
せつ菜(っ!?急に手なんて握ってきてどうしたんでしょう?励まされている…というのは考えすぎでしょうか///)
せつ菜(でもおかげで何だか落ち着いてきました、ありがとうございます彼方さん!)ギュッ
役員「ふぅ……」パタッ スッ スタスタ ガラガラッ タッタッタッ
彼方「ふぅ〜終わったみたいだね〜」
せつ菜「私の不注意ですみませんでした!」ガバッ
彼方「気にしてないから大丈夫だよ〜それよりかくれんぼみたいでドキドキしちゃったね」ニコッ
せつ菜「っ!///」
せつ菜(えっ、今の彼方さん可愛すぎませんか!?)
彼方「もう遅いし今日はそろそろ帰ろうか〜アニメはまた空いた時間にちゃんとした場所で見ようね〜」
せつ菜(普段のダウナーな印象が強いせいか、こうした不意に見せるあどけない笑顔が際立つんでしょうね///)
せつ菜(そこら辺の女の子なら簡単に落ちてしまうかも知れませんが、私はそうは行きませんよ!)フンスッ
せつ菜(伊達にスクールアイドルの研究や、アニメやライトノベルを嗜んでるわけではありません!ここで勘違いをすると痛い目を見るのは知ってるんです!)
彼方「ってお〜い、せつ菜ちゃ〜ん?聞いてる〜?」覗き込み
せつ菜「はっ、はい!聞いてますよ!それではそろそろ帰りましょうか!//」 彼方「この間のお詫び?」キョトン
せつ菜「はい…思い返す度にやはりあれはけじめを付けて反省しないとと思いまして」
彼方「彼方ちゃんは気にしてないからそんな思い詰めなくて大丈夫だよ〜」アセアセ
せつ菜「私が良くないんです!出来る範囲なら頑張りますので、私の為と思ってどうか!!」
彼方「う〜ん……そんな事急に言われてもな〜………あっ」
せつ菜「何かありましたか……!」ゴクリ
彼方「それじゃあ今度は彼方ちゃんの大好きなことに付き合ってもらおうかな〜」ニヤリ
せつ菜「彼方さんの……?」ポカン 彼方「はいこれ、貸してあげるね〜」ポフッ
せつ菜「これは…彼方さんが普段使ってる枕ですか?」キョトン
彼方「そう、今日は彼方ちゃんのすやぴに付き合ってもらうよ〜」
せつ菜「で、ですが!これから練習始めるんですよ!?」アセアセ
彼方「皆が揃うの待つ間だけだからだいじょぶだいじょぶ〜」
彼方「はいそれじゃ、ごろ〜んってしようね〜」
せつ菜「分かりましたから!押さないでください!……もう」ポフン
せつ菜(こっ、この枕!!彼方さんの匂いが染み付いてて……すんすん、癖になりますねこれ……) 彼方「どうどう?彼方ちゃんの枕気持ちいいでしょ〜?これさえあればどんな所でもお昼寝出来ちゃうんだよ〜」ムフーッ
せつ菜「は、はい!ふかふかで快適です!///」
彼方「これで終わりじゃないよ〜それっ」ボフッ
せつ菜「なっ!?ななななな何してるんですかっ!?///」
彼方「せつ菜ちゃんに枕貸してるから、彼方ちゃんはせつ菜ちゃんを枕にしちゃうもんね〜」ダキッ
せつ菜(顔には枕、後ろからは彼方さん……四方八方から彼方さんの匂いに包まれて……こんなのどうかしてしまいます!///)スンスン
彼方「よしよ〜し、ゆっくりおやすみ〜」ナデナデ
彼方「ところでさっきからやたらと枕の匂い嗅いでるみたいだけど……そんなに彼方ちゃんの匂いが好きなのかな〜」ササヤキ
せつ菜「そんなわけっ!?///」カァァ
彼方「冗談、冗談だよ〜今のせつ菜ちゃんなんだか可愛くてからかいたくなっちゃって…えへへ」ナデナデ せつ菜「もう!寝かせたいのかそうじゃないのかどっちなんですか!」プンプン
彼方「ごめんごめん〜でも少し休んでほしいなって思ったのは本当なんだよ?」
彼方「最近のせつ菜ちゃん、生徒会のお仕事とかお勉強とかでお疲れ気味なのかな〜って見てて思ったからね」ナデナデ
せつ菜「生徒会は好きでやっていることですし、学生が勉強を頑張るのも当たり前のことですから…///」
せつ菜(頭撫でられるのが気持ちよすぎて今絶対変な顔になっちゃってますねこれ///)
彼方「だからって無理してやっても楽しくなくなっちゃうでしょ〜?」ナデナデ
彼方「それにね、せつ菜ちゃんはいつも前に立って同好会のみんなを引っ張っていってくれてるもんね」
彼方「本当はお姉さんの彼方ちゃんが頑張らなきゃいけないんだけど……彼方ちゃんそういうの苦手だからね」
彼方「だからいつも頑張るせつ菜ちゃんを少しでも癒せたらな〜って思ってたんだぁ」ナデナデ せつ菜「彼方さん……でもそれを言うなら彼方さんも同じですよ」
彼方「え…?」キョトン
せつ菜「勉強に家事にアルバイトに……彼方さんだって頑張っているのは同じですっ!」
彼方「それはもう彼方ちゃんにとって“当たり前”になっちゃってるからね〜」
せつ菜「ふふっ、何だか私たち似た者同士ですね!」フリムキ
彼方「あ〜やっとせつ菜ちゃんこっち向いてくれた〜えいっ」ギュウウ
せつ菜「わわっ!?」
彼方「えへへ〜それじゃあがんばり屋さん同士ちょっとだけすやぴしようね〜」ナデナデ ガラガラッ
かすみ「あーーっ!せつ菜先輩と彼方先輩がイチャイチャしてる!!」
侑「かすみちゃん声大きいって!まだ皆揃ってないんだし寝かせてあげようよ」
かすみ「むぅーしょうがないですね、それじゃ記念に一枚っと♪」パシャッ
かすみ「ほらほらっ、可愛く撮れましたよ!」
侑「あ、後でそれ送っといてね」 やがて彼方さんへの“大好き”が私の中で大きな割合を占めるのに、そう時間はかからなかった
しかしこの想いを伝えることは出来ずに、時間だけが過ぎていく
今はスクールアイドルとしての活動に注力したい、色々なことに手を出している現状で想いを伝えたところで中途半端になってしまうんじゃないか
色々な理由で頭の中を埋めて誤魔化していたけれど、今の関係を壊してしまうことが何より怖かっただけなのかも知れない
せつ菜「彼方さんってば、またこんなところで寝て!」
彼方「あ、せつ菜ちゃんだ〜見つかっちゃったか〜」
せつ菜「お昼寝スポット全箇所教えてもらいましたからね」
彼方「えへへ、せつ菜ちゃんも一緒にお昼寝していこうよ〜」グイグイ
せつ菜「もう……少しだけ、ですからね///」
彼方「わぁ〜い」 物理的な距離は縮まっても、心の距離が一定以上縮まることはなかった
辛いと言えば辛いですが、ぬるま湯に浸かっているような心地よさを感じている自分も何処かに居たように思う
せつ菜「彼方さん彼方さん!あのアニメの最新話が配信されたので一緒に見ませんか!?」
彼方「おっ、良いね〜」
せつ菜「前回は嫉妬に焦がれた幼馴染が、主人公を押し倒した所で終わってしまいましたからね!」
せつ菜「あそこから二人がどうやって解決に導いていくか気になって仕方ありません!!」ムフーッ
彼方「うんうん、そうだね〜」ナデナデ
せつ菜「なっ、どうして頭を撫でるんですかっ?//」
彼方「せつ菜ちゃんがね〜好きなことのお話してる時の顔が彼方ちゃんは一番好きだな〜って」ナデナデ
せつ菜「もう!からかわないで下さいっ!///ほら、早く見ましょう!!」
彼方「からかってなんてないんだけどな〜」 “大好き”という感情を抑え込む日々は苦しいはずなのに、彼方さんから距離を置くという選択肢はとれなくて
それどころか日に日に新たな一面を垣間見て、魅力を発見しては好きになっていくばかり
せつ菜「そろそろ本格的に冷え込んできましたね……」ブルブルッ
彼方「今日お家でお鍋にするんだけど、せつ菜ちゃんも一緒にどう〜?」
せつ菜「い、いえ……ご家族にもご迷惑だと思いますし」
彼方「今日もお母さんは遅いし、遥ちゃんは大歓迎って言ってたから大丈夫だよ〜」
せつ菜「ですが――」
彼方「この前お家に遊びに来た時に、スクールアイドルのお話で盛り上がってたでしょ〜?またお話したいって遥ちゃん言ってたんだ〜」ニコッ
せつ菜「…お邪魔で無ければ、お邪魔します//」
彼方「ふふっ、変な日本語〜」
せつ菜「ぷっ、あははは!確かにそうですねっ!」 そんな日々にも終わりが来ると分かっているからこそ耐えることが出来た
せめて最後の日には、この胸の内をぶつけてからお別れをしよう
やがて秋が深まり、冬を迎え、雪が解け始め、春の兆しを感じる季節になろうとしていた
せつ菜「もう…探しましたよ」
彼方「あぁ、せつ菜ちゃん」
せつ菜「卒業式の日にまでお昼寝ですか?」クスッ
彼方「だからこそだよ〜この学校でお昼寝するのは今日で最後になっちゃうから、記念にね」
彼方「皆で集まるまでまだ時間あるでしょ〜?もうちょっとだけ、お願い」
せつ菜「膝枕、しましょうか?」
彼方「えっ、良いの?」キョトン
彼方「添い寝はしてくれる癖に、それだけは恥ずかしがってさせてくれなかったのに〜」ニヤニヤ
せつ菜「これで最後になってしまいますからね、記念です」
彼方「それじゃ遠慮なく〜」ポフン
せつ菜「やっぱり…少し恥ずかしいですね」
彼方「“やっぱ無し”は無しだからね〜?」
せつ菜「ふふっ、言いませんよ」ナデナデ
彼方「あ〜頭なでなで良いね〜」ノホホン
せつ菜「最後の最後まで相変わらずですね」ナデナデ いつ破裂してしまうとも分からなかった私の中の“大好き”は、この日に限って鳴りを潜めたように静かで
当たり障りのない会話がポツポツと積もるばかり
この期に及んで怖気づいている自分に心の中で自嘲し始めた時だった
彼方「あのね、彼方ちゃん……せつ菜ちゃんに言わなくちゃいけないことがあるんだ」ムクリ
せつ菜「…え?」
彼方「彼方ちゃんね、せつ菜ちゃんのことが…好きなの」
彼方「この“好き”の意味は一緒に見たアニメで丁度やってたし、言わなくても分かるよね」
せつ菜「え……あの、その…」ポカン
彼方「まぁ突然こんな告白されても困っちゃうよね〜えへへ」 彼方「今の今までずっと言えなくて、結局卒業式になっちゃったよ〜彼方ちゃんってばヘタレさんだよね」
彼方「せつ菜ちゃんとは特に、とっても仲良しになれたから今のままでも良いかな〜なんて思ってたんだけどね」
彼方「いざお別れって思うと言っておかなきゃな〜って思って――」
せつ菜「あ………あ……」ポロポロ
彼方「わわっ、ごめんね〜ビックリさせちゃったよね〜」アセアセ
せつ菜「ち、違くて…ぐすっ……私……私も、今日同じことを言おうとしていたんです…」
彼方「え…?それって……」
せつ菜「…そう!そうですっ!!私はっ!!!彼方さんのことが大好きなんですっ!!!!」
彼方「なぁ〜んだぁ、私たち両想いだったんだね〜良かった〜」ホクホク
せつ菜「ちっとも良くなんてありません!!!」ポロポロ
彼方「えぇ〜…」 せつ菜「こんなことならもっと…もっと早く伝えられていれば……」ポロポロ
せつ菜「せっかくここまで仲良くなれたのに、想いを伝えることでこの関係が壊れてしまうのが怖くてっ」
せつ菜「ずっと言い出せずにいた自分が腹立たしくて…悔しくて……」ポロポロ
せつ菜「もう……遅いじゃないですか……うっ、うわぁぁぁんっ!」ポロポロ
彼方「う〜んと……色々言いたいことはあるんだけど、まずは……えいっ!」ダキッ
せつ菜「…わわっ!?」
彼方「まず落ち着こうね〜ほらほら、よしよ〜し」ナデナデ
せつ菜「うっ……ぐすっ…」
彼方「よ〜しよし、良い子だね〜よ〜しよしよし」ナデナデ
せつ菜「……ムツ○ロウさんじゃないんですから」
彼方「えへへ〜…あのね、彼方ちゃんも一緒なんだ」
彼方「そりゃ怖いよ、自分の気持ちを伝えることってさ」
せつ菜「…………」 彼方「でもせつ菜ちゃんだって、今日伝えようとしてくれたんでしょ〜?」
せつ菜「ずっと前からそのつもりでした……最後の日にすべて打ち明けて楽になろうとしていました」
せつ菜「だけどいざその日が来てみたら…やっぱり怖くて、最初の一歩が踏み出せなくて」
せつ菜「彼方さんに言ってもらえなければ、もしかしたらこの感情を抱えたまま一生を過ごすことになっていたかも知れないんです…」
彼方「そうだったんだね〜、でもちょっぴり嬉しいな〜」
せつ菜「…え?」
彼方「せつ菜ちゃんにはいつも引っ張ってもらってたから、彼方ちゃんもやっとお姉さんっぽく出来たかな〜って」
せつ菜「彼方さん……」
彼方「それにね、遅くなんてないよ」
彼方「この学校で一緒に過ごした時間は“同好会の大切な仲間”としてでも良いじゃない」
彼方「問題は“この先”どうするかだよね」
彼方「お互いが好き同士なら、そんなに難しく考えること無いと思うな〜」 せつ菜「それは……」
彼方「彼方ちゃんはね、この先大人になっても、おばさんになっても、お婆ちゃんになっても、せつ菜ちゃんと一緒に居たいな」ニコッ
彼方「だってこんなにだ〜〜〜い好きなんだもん!」
せつ菜「………っ!!」
彼方「えへへ〜今まで言えなかった分おっきな声出しちゃったけど、たまには良いもんだね〜」
せつ菜「私も……」ボソッ
彼方「ん…?」
せつ菜「私も!!!!彼方さんと一緒に居たいです!!!!!これからも!!!!!!ずっと!!!!!!!」
彼方「あっはは…声量対決じゃ敵わないね〜」キーン
せつ菜「あっ…つい、すみませんっ///」カァァ 素晴らしい
かなせつのお互い頑張り屋さんなところ大好き 彼方「でもこれでハッキリしたよね、細かいことはこれからたくさん話し合わなきゃだけどさ〜」
彼方「こんなにお互いが大好きなんだから、一緒に居る理由なんてそれだけで良いんじゃないかな」ナデナデ
せつ菜「そう…ですね、私はすっかりこの学園で過ごす時間に拘ってしまっていましたが」
せつ菜「これから先、何年何十年と続いていく時間があるんですもんね!」ペカー
彼方「ねぇ、目…閉じて?」
せつ菜(こっ、これはまさか……あの…っ!?)
せつ菜「…………///」メヲトジ
彼方「………チュッ」
せつ菜「…んっ///」
彼方「えへへ〜彼方ちゃんファーストキスしちゃった〜///」
せつ菜「わ、私もです……///」カァァ
彼方「せつ菜ちゃんの奪っちゃったか〜こりゃ責任重大だね〜」
せつ菜「そうですよっ//……もう離しませんからね///」ギュッ
彼方「可愛いヤツめ〜このこの〜」 ――――
――
彼方「おっと結構時間経っちゃったかな、集合場所行こっか〜」
せつ菜「あっ!そうでした!!急がないと」アセアセ
かすみ「その必要は無いですよ、どうぞごゆっくりー」ジトー
せつ菜「かすっ、かすみさん!?それに皆さんも!?」
かすみ「かすかすって言わないでください!!」ムキーッ
エマ「せつ菜ちゃんと彼方ちゃんなかなか来ないし、連絡しても出ないから探しに来ちゃって…//」
せつ菜「あの…その…いつから……?」
果林「ふふっ、最初から全部しっかり見せてもらったわ……こういう時って彼方の方がリードするのね」ニヤニヤ
彼方「まぁ彼方ちゃんの方がお姉さんだからね〜」ムフーッ
せつ菜「言ってる場合ですか!?皆さんにバレてしまったんですよ!?」アセアセ
歩夢「え?もしかして今までバレてないと思ってたの…?」ポカン
せつ菜「……はい?」キョトン 愛「なーんだ、てっきりもう二人は付き合ってんのかと思ってたよ…ねー?」
璃奈「うん、二人共どんどん仲良くなってたし…お互いを見る表情とか見れば何となく分かった」
せつ菜「はぁ……皆さんには最初からお見通しだったんですね」ズーン
侑「まぁまぁ、最近のせつ菜ちゃん元気無さそうだったから皆で心配してたんだけど、丸く収まったみたいで良かったよ」ニコッ
せつ菜「侑さん…それに皆さんも、ご心配おかけしました//」
しずく「それにしてもあの鬼気迫るお二人の様子!素晴らしかったですよね!」キラキラ
かすみ「し、しず子?」
しずく「昨今の舞台ではそうそう見れない王道の展開に迫真の台詞回し!一人の表現者としてとっても勉強になりました!」
しずく「特に、彼方さんと一緒に居たいです!!と周囲の目も憚らずに大声で叫んだ時!あれは特に――」
せつ菜「うわぁっ!?しずくさん!?止めてくださいって!!」ブォン
しずく「ひゃんっ!何するんですかせつ菜さん!ここからが大事なんですから!」ダッダッダッ
かすみ「ちょ、ちょっと!?何でかすみんの方に逃げて来るのーっ!?」ダッダッダッ
せつ菜「お待ちなさいっ!!」ダッダッダッ 彼方「今日も平和だね〜」
エマ「彼方ちゃん、せつ菜ちゃんのことよろしくね」
果林「そうね、あの子危なっかしいとこあるから」
彼方「任せてよ、この先何があっても隣に……居たいなぁ〜」
果林「そこは言い切りなさいよ!」
彼方「まぁ彼方ちゃんなかなか重い女だから、そう簡単には離れてあげないもんね〜」エッヘン
果林「威張るとこじゃないでしょうに…」
エマ「彼方ちゃん体重気にしてたの?全然そうは見えないけど…」キョトン
彼方「エ、エマちゃん酷いよ〜」シクシク
こうして3年生たちはそれぞれの道へと歩を進め、同好会は形を変えて再出発を果たした
悲しいはずの別れの日なのに、全員の表情はどこか明るくて希望に満ちていた
それはきっと心のどこかで繋がっていると、互いが互いを信頼しているから 終わりのようでまだ続く
12話までには終わらせたい
すやぴ 暴走気味のせつ菜を彼方が手懐ける部分の描写が丁寧なかなせつは神SSだってジュラ紀から決まってる 歩夢「ゆうぽむ、しずかす、あいりな、エマかり、せつかなが結ばれれば万事丸く収まるね!」 すばら…!!!
暴走せつ菜とダウナー彼方はプラマイ0で意外に相性が良いのかもしれん 貴重なかなせつな上に内容が素晴らしい。続編あるなら期待してるぞ! ――数年後――
菜々「ただいま!彼方さん!!」ペカー
彼方「あっ、おかえり〜菜々ちゃん」
彼方「今日も疲れたでしょ?ほら、おいで〜」
菜々「では遠慮なく!…ぎゅうううう!!」
彼方「お〜よしよし、ご飯にする?お風呂にする?それとも〜彼方ちゃんにする?」ナデナデ
菜々「ふふっ、彼方さんとお風呂に入って、その後彼方さんとご飯を食べて、その後彼方さんとダラダラします!!」ペカー
彼方「菜々ちゃんもわがままさんになったよね〜最初の頃は頭抱えてどれにするか悩んでたのに」
彼方「あの頃はかわいかったなぁ〜」
菜々「むむっ!今はもうかわいくありませんか……?」
彼方「そりゃあ勿論…………可愛いに決まってるじゃ〜ん、えへへ」
彼方「それじゃあ洗いっこしようか〜」
菜々「はい!」 菜々「ん〜〜!!やはり彼方さんの手料理に敵う味はありませんね!!!おいしいです!!」モグモグ
彼方「えっへん、もっと褒めてくれて良いんだよ〜」ムフーッ
\あなたの風邪に、せつ菜☆スカーレットストーム!!/
彼方「あっ!せつ菜ちゃんの出てるCMだ〜かわいいねぇ」
\大人気のジェットコースターはいかがですか?/
彼方「二連続でせつ菜ちゃんのCM流れてる…ホントに大人気だねぇ」
菜々「ええ、沢山仕事を振ってもらえるのは有り難い限りですね」
菜々「しかし……………………」
彼方「……菜々ちゃん?」
菜々「ああ、いえ、何でもありません」ニコッ
彼方「彼方ちゃんね、せつ菜ちゃんがこうしてみんなに愛されて人気になっていくのが、嬉しいんだけどちょっぴり寂しいんだ」
菜々「え?」
彼方「どんどん遠くの人になっちゃう気がして……彼方ちゃんなんかが隣に居て良いのかな?とかお仕事で一緒になった人と仲良さそうにしてるの見てモヤモヤしたりとか」
彼方「そんなこと考えちゃう彼方ちゃんが居るんだ……駄目だよね、菜々ちゃんがこんなに頑張ってくれてるのに」 菜々「駄目なんかじゃありませんよ」
彼方「でも――」
菜々「むしろ嬉しいです。こんなにも私は想われているのだと実感できるし、言い辛いであろう気持ちをハッキリと言葉にしてくれる彼方さんも大好きです!」ペカー
菜々「それと同時に不安な気持ちにさせてしまっていることが不甲斐ないですね」
彼方「そんなこと無いよ!彼方ちゃんがわがままなだけで菜々ちゃんは何も――」
菜々「言葉を重ねて不安を拭うことは誰にだって出来ますからね」ギュッ
彼方「あっ…///」
菜々「私も逆の立場ならきっと同じようなことを考えると思うんです」アゴクイッ
菜々「ですから何度不安にさせてしまったとしても、その都度私のやり方で大好きを伝えたいと思っています……チュッ」
彼方「……んっ///えへへ、クリームシチュー味のキスだね///」
菜々「ああっ!食事中なのをすっかり忘れていました…すみません///」カァァ
彼方「カッコいい菜々ちゃんも素敵だけど、かわいい菜々ちゃんを見てるとやっぱり安心するね〜」ニヤニヤ
菜々「もうっ!それどういう意味ですか!」
彼方「ふふっ、菜々ちゃんの全部がだ〜い好きってこと!」ニコッ ――――
――
彼方「ふふっ……」スマホポチポチ
菜々「彼方さんっ!何見てるんですか?」チラッ
彼方「先月の同窓会の時の写真だよ〜」
菜々「久しぶりに同好会の皆さんと会えて楽しかったですね」ニコッ
彼方「侑ちゃんと歩夢ちゃんが居なかったのだけが残念だけどね〜」
菜々「世界一周の最中ともなれば仕方ありませんよ、ビデオ通話でお話出来ただけでも良しとしましょう」
彼方「トキメキを探しに世界へ行っちゃう侑ちゃんもだけど、即決で付いていっちゃう歩夢ちゃんも凄いよね〜」
菜々「凄いと言えば他の皆さんもですね。しずくさんは舞台女優、かすみさんはアイドルグループのセンター」
彼方「愛ちゃんと璃奈ちゃんは何だか難しそうな会社を立ち上げて、果林ちゃんはトップモデル、エマちゃんはパン屋さんだよね」
彼方「そしてせつ菜ちゃんがトップアイドル…と、何にもしてないの彼方ちゃんだけだね〜なんて、えへへ」
菜々「何もしてないなんてことありません!彼方さんが居ないと私は生活出来ていませんからね!」
彼方「ごめんごめん、変なこと言っちゃったね〜」 菜々「…っと、そろそろ時間です。ちょっと出かけてきますね、すぐ戻ります」ガチャッ
彼方「行ってらっしゃ〜い、気をつけてね〜」
ピロリン♪
彼方「ん?菜々ちゃんってばスマホ忘れて………え?」
彼方(エマちゃんからの連絡?今会いに行ったのもエマちゃんなのかな?)
彼方(人のスマホ勝手に見るなんて最低なのに……止められない)
彼方(先週もエマちゃんと会ってたんだ……その前も……)
彼方(丁度同窓会の日から会い始めてる……)
彼方(だっ、駄目だよねこれ以上は……とにかくスマホ渡しに行こう……) ――――
――
彼方「ねぇねぇ菜々ちゃん、次のお休みってもう決まった〜?」
菜々「予定では来週の木曜だったと思いますよ」
彼方「だったらその日にお出かけしない?」
菜々「すみません…その日はちょっと用事が……埋め合わせは後日必ずしますので…」
彼方「……!」
彼方「……エマちゃんのとこに会いに行くの?」
菜々「…!どうしてそれを……」
彼方「ごめんね、菜々ちゃんがスマホ忘れて行った時に見ちゃったんだ」
菜々「………………」
彼方「やっぱり彼方ちゃんなんかよりも――」
菜々「違います!!!!」 彼方「………………」
菜々「なかなか言い出せずに今日まで来てしまいましたが……そうですね、3つ話さなくてはならないことがあります」
彼方「菜々ちゃん……」
菜々「まず1つ目に…私がエマさんのお店に通っているのは、お店の経営について勉強させて貰っていたからです」
彼方「パン屋さんの……?」キョトン
菜々「将来の選択肢の一つとして考えていましたので、始めるにあたっての大まかな費用や経験に基づいたアドバイス等を聞いたりしていました」
彼方「将来のことなら彼方ちゃんにも………あっ、つまりアイドルは……」
菜々「ええ、それが理由でなかなか話せないでいました」 菜々「2つ目に…近い将来に芸能界から退こうと思います」
彼方「!!…彼方ちゃんが寂しいとかわがまま言ったから?だったらそんなこと気にしなくても――」
菜々「それもあります、私自身彼方さんと居る時間が十分に確保出来ないことは辛かったです」
菜々「しかしそれだけではありません……もう私が一年近く歌を歌わせてもらえないことに気づいていましたか?」
彼方「……!」
菜々「CMやテレビ番組のお仕事等は増えていって、収入も格段に増えたことは勿論ありがたいのですが……」
菜々「私はアイドルであってタレントではない……と思いたいんです」
菜々「家で私の帰りを待つ彼方さんにこれ以上心配をかけたくないと思って黙っていましたが、さっさと話してしまえば良かったですね」 彼方「だから最近あんまり楽しそうじゃなかったんだね」
菜々「ふふっ、分かりますか?」
彼方「そりゃ分かるよ〜同棲したての頃はライブやら歌番組にも引っ張りだこで、忙しそうだけど楽しそうな顔してたもんね」
彼方「最近出てるバラエティとかクイズ番組も勿論楽しそうにはしてるけど、あの頃に比べたらなんだか物足りなさそうだな〜とは何となく思ってたよ」
菜々「私の出た番組をすべて見ている彼方さんには隠せませんね」
菜々「自分で言うのもなんですが、デビューシングルが大ヒットして以降曲の売れ行きが右肩下がりなのは事実ですからね」
菜々「むしろタレントとして私を活かそうとして下さった事務所には感謝しかありません」
菜々「ですがそろそろ“優木せつ菜”を終えようと思うんです……どう、思いますか?」チラッ 彼方「菜々ちゃんが決めたことなら彼方ちゃんから言うことは無いよ〜一緒に居られる時間が増えるのは嬉しいしね〜…なんて」
菜々「ふふっ、そう言ってもらえると嬉しいです」
菜々「最後に3つ目の隠し事を話しましょうか」
彼方「えっ!?まだあるの……?」オロオロ
菜々「すみません、少し待っていてください」スタスタ
彼方「お…おぅ……」ドキドキ
菜々「お待たせしました」パカッ
彼方「それって……!」
菜々「近江彼方さん…私と、結婚してくれませんか?」 彼方「!!!」
菜々「実はこの指輪、だいぶ前から買ってあったんですよ」
菜々「しかし仕事で各地を飛び回ってなかなか二人の時間を作れない私がこれを渡したところで、本当に彼方さんを幸せにできるのかと思うと渡せませんでした…」
菜々「職を失うタイミングで言うのも変な話ですが、こんな不器用な私と…一生を共にしてもらえませんか?」
彼方「……は、……はい…………」ポロポロ
菜々「わわっ!?泣かないで下さい!」
彼方「…ご゙め゙ん゙ね゙ぇ゙……ぐすっ……嬉しくて……幸せで……」
菜々「ふふっ、抱っこしてあげます!!さぁ!!!」
彼方「うぅ……菜々ぢゃ゙ぁ゙ぁ゙ん゙!」ダキッ
菜々「おぉ、よしよし!これからはずっと一緒ですからね!」ナデナデ
菜々「…こうしていると高校の頃を思い出しますね」
彼方「……ふぇ?」
菜々「卒業式の日に告白しようとして出来なかった時に、彼方さんから告白してくれた時のことです」
彼方「ふふふ…今度は逆になっちゃったね〜……」
菜々「そうですね…あの時言えなかった私から、少しは成長出来たのかもしれません」 彼方「それはそれとしてさ〜」
菜々「はい?」
彼方「同棲し始めた頃に彼方ちゃんが、えっちのお誘いした時になんて言ってたか覚えてるかな〜?」ニヤリ
菜々「ゔっ゙……」
彼方「“まだ結婚もしない内から不健全です!///”とか言って一度もえっちさせてくれなかったよね〜?」ニヤニヤ
彼方「でも今彼方ちゃんの薬指には、菜々ちゃんからもらった指輪があります…つまり」
菜々「つまり……?///」
彼方「今夜は寝かさないぜ〜?♡」ジュルリ
菜々「おっ、お手柔らかに……////」カァァ 個人的にエロゲとかのえっちシーンって基本読み飛ばす派なんだけど一応書いた方が良いんかな 菜々「……んっ///……ちゅっ……///」
彼方「んっ……ぷはぁ♡……見て見て、菜々ちゃん……もうこんなにぐしょぐしょになってるよ〜?」
菜々「もうっ///恥ずかしいのであんまり見ないでください……///」カァァ
彼方「それは無理な相談だな〜♡さぁ、全部脱がしちゃおうね〜」スルスルッ
菜々「あっ…///」
彼方「一緒にお風呂に入るから見慣れたと思ってた菜々ちゃんの身体も、状況次第ではこんなにえっちに見えるんだね〜♡」ジロジロ
菜々「あの…彼方さんも……///」
彼方「ん?あぁ、そうだよね〜一人だけ裸じゃ恥ずかしいよね〜…よいしょっ♡」プルンッ
菜々「そういう彼方さんこそえっちだと思うんですけど…///」ジーッ
彼方「いやぁ、そう言ってもらえると照れるねぇ〜///それじゃそろそろ…」サワッ
菜々「…ひゃんっ///」ビクッ
彼方「ちょっと触っただけなのに身体跳ねちゃってるね〜♡菜々ちゃんあんまり一人でシたりしなさそうだもんね〜」クチュクチュ
菜々「ひっ!♡///んん…///」
彼方「おっぱいもこんなになってるよ…♡触ってあげるね…///♡」モミッ
菜々「…んあぁっ!///」ビクビクッ
彼方「ごめんねっ痛かった?」
菜々「あぁ!いえ!///……その…気持ち良くて…///」カァァ 彼方「なるほどね〜♡おっぱい責められるの好きなんだね〜♡」モミモミ
菜々「んんっ///♡……あの、キス…してくれませんか?///」ウルウル
彼方「も〜欲張りさんだな〜♡…んっ……ちゅっ///…」クチュクチュ
菜々「んんんっ!!///♡……んっ!//♡」
彼方「んっ……ぷはぁ//♡……そろそろ速くするね〜♡」クチュクチュッ
菜々「えっ!?か、彼方さ…んっ!!///んああぁっ♡///」ビクッビクッ
菜々「こっ、これダメっ!!♡///私っ!もう…///」ビクッ
彼方「我慢しなくて良いんだよ♡ほ〜ら、イッちゃえ♡」クチュクチュクチュッ
菜々「やっ!//♡ダッ、ダメ!///…あっ♡ああぁぁっっ!///♡」ビクンッビクンッ
彼方「はぁ…♡はぁ…♡上手にイけたね〜♡とっても可愛かったよ〜♡」ナデナデ
菜々「はぁ…♡はぁ…♡彼方さん……///♡」
彼方「でも夜は始まったばかりだよ〜♡言ったよね?寝かせないって♡」
菜々「やっ、あの、まだイッたばかり…あのっ、ちょっ、んあぁぁっ♡」 ――――
――
あの日から凡そ1年後に、私は優木せつ菜を引退した
ラストライブの名を冠した約3年ぶりのライブは、大きな会場だったにも関わらず満員のファンの皆さんで溢れていたのが印象的だった
そして今日、奇しくも私と彼方さんが付き合い始めた3月の終わりに、二人の物語は新しい1ページを刻もうとしていた
菜々「わわわっ!彼方さん!開店まであと10分も無いですよ!!」アワアワ
彼方「菜々ちゃんったら、落ち着いて〜初日だしそんなにお客さんも居ないでしょ〜」
菜々「そ、そうですよね!宣伝は頑張ったつもりですが人通りもあまり多くない場所ですし……って」チラッ
菜々「!!!!なっ!ななななな何ですかこれ!!」
彼方「菜々ちゃんだけに〜みたいな?ぷふーっ、今度愛ちゃんに聞かせてあげよ〜」
菜々「言ってる場合ですか!!お店の外!見てくださいって!!」グイグイッ
彼方「も〜引っ張っちゃやだよ〜……え゙っ゙!?ぎょ、行列ができてる…」 行列客1「ここでせつ菜ちゃんに会えるって聞いたけど本当かしら?」
行列客2「ここの定食屋の張り紙貼ってるせつ菜ちゃんを見かけたってTwitterで出回ってたんだって」
行列客3「そんな根も葉もない噂だけでこんだけ人集まるんだからやっぱせつ菜ちゃん凄いよねー」
彼方「あちゃ〜菜々ちゃんモードももう通用しない感じかな〜」
菜々「そう言えばあの時コンタクトのままだったような……」タラタラ
彼方「…まぁまぁ、お客さん多いに越したことは無いじゃない……この数はちょっとヤバいかもだけど」タラタラ
菜々「彼方さんだけでは大変です!やはり私も厨房を手伝い――」
彼方「それは大丈夫だからね〜注文と接客お願いね〜」
菜々「むう……私も修行を積んで彼方さんのお手伝い出来るようになりますからね!」
彼方「うん、期待してるね〜……っと、そろそろ開店だよ〜」
菜々「最初ですし二人で開けませんか?」
彼方「おっ、良いね〜…それじゃっ、せ〜の」
ガチャッ
菜々・彼方「「いらっしゃいませ!!」」 ――修行の成果――
菜々「よっ!……はっ!」ジュワァァ
彼方「お〜今日は卵焼きだね〜」チラッ
菜々「ああ、彼方さん!小皿のお惣菜で一番人気ですからね!これが出来れば空いた時間に彼方さんをお助け出来ます!!」フンス
彼方「味見してもいいかな〜?」
菜々「是非!召し上がれ!」
彼方「いただきま〜す」モグモグ
彼方「………………」
菜々「ど…どうでしょうか?」ゴクリ
彼方「う〜ん……まだちょっとお客さんには出せないかな〜」
菜々「ゔっ゙……高校の頃、如何に皆さんが私の料理に気を使っていたのか身に染みますね…」
彼方「こっちはお客さんからお金もらってるからね〜、でも着実に上手くなってるからこのままいけば菜々ちゃんに調理を手伝ってもらう日も近いかもね〜」
菜々「本当ですか!?」ペカー
菜々「それではどんどん作りますよ!!うおおおお!!!」ジュワァァァ
彼方(あはは…こりゃ今日の晩ごはんは卵焼き祭りかな〜) ――夜のお話――
菜々(最近おかしい………)
菜々(彼方さんが夜のえっちを誘ってこなくなって今日で丁度一週間……)
菜々(今までほぼ毎晩のように襲われていたのに、こんなこと初めてです……)
菜々(はっ!?まさかこれが倦怠期というものですか!?私たち二人には無縁だと思っていたのに……)
彼方「菜々ちゃ〜ん?固まっちゃってどうしたの〜?」チラッ
菜々「あっ、いえ!何でもありませんっ」アセアセ
菜々(彼方さんの様子は普段と変わりないのですが……ん?)
彼方「いや〜最近暑くなってきたね〜」チラリ
菜々(!!今日の彼方さんなんだかやけに薄着ですね……隙間から色々見えそうで……)
彼方「そろそろ扇風機くらい出した方が良いかな〜」チラリ
菜々(うっ……最近ご無沙汰なせいで変な気分になってきました…)ムラムラ
彼方「ねぇねぇ菜々ちゃん、聞いてる〜?」マエカガミ
菜々「……!!」ガバッ
彼方「わわっ!?どしたの菜々ちゃんっ?」ドサッ
菜々「彼方さんがいけないんですからね……そんなえっちな格好でウロウロしてる彼方さんが悪いんです…」チュッ
彼方「……んっ♡///」
彼方(や〜っと食いついてきたぁ♡)
菜々「良い……ですか?///」
彼方「優しくしてね〜?♡」
彼方(私から誘ってばっかりだったからパターンを変えて焦らしてみたけど……菜々ちゃんに襲われるの癖になりそう♡) ――重いもの同士――
菜々「彼方さん…その、お店のことで提案があるのですが」
彼方「そんな改まってどうしたの〜?」キョトン
菜々「カウンター越しに厨房が見えないようにリフォームしませんか!?」
彼方「えぇ〜……何で?」
菜々「最近私のファンでもなく、彼方さんの料理でもなく、彼方さんのことを見に来るのを目的としたお客さんが増えているんです!!!」
彼方「え〜そうかな〜?」
菜々「そうなんです!!最近カウンター席に座るお客さんはほぼ全て彼方さん目当てと言っても過言ではありません!!」フンス
彼方「過言だと思うけどな〜…」
菜々「勿論彼方さんの料理の虜になるのは当たり前のことです!しかし咀嚼する時に必ず皆さん厨房の彼方さんを見ながらにっこにこしてるんですよ!?」
菜々「そりゃ彼方さんは可愛いし綺麗だし自慢のお嫁さんですから、皆さんから評価されるのは私も嬉しいですが!!」
菜々「おまけに高校の頃からほとんど顔変わってないですし……ホントに歳とってるんですか?」
彼方「そうかな〜…?、菜々ちゃんはなんか顔がシュッとして美人さんになったよね〜」
菜々「えへへ……ありがとうございます///…じゃなくて!!!!」
菜々「とにかく厨房を隠しましょう!ね!?売上が多少は落ちるかも知れませんが、十分繁盛しているので問題無いでしょう!!」
彼方「え〜…彼方ちゃんもお客さんが美味しそうに食べてるとこ見たいよ〜」プクー
彼方「それに〜……ちゅっ」
菜々「んっ!?///……ぷはぁっ///」
彼方「彼方ちゃんは最初から菜々ちゃんしか見てないんだから、心配しなくても大丈夫だよ〜♡」ナデナデ
菜々(またうまい具合に丸め込まれてるような……まぁ、良いか///) ――悪だくみ――
菜々「彼方さん!あのアニメのコラボカフェが始まるみたいですよ!!今度のお休みに行きませんか!?」
彼方「おっ良いね〜、行こっか〜」
菜々「よーし!コースター全種類コンプリートしますよおお!!」
彼方「あはは、お腹たぷたぷになっちゃうよ〜」
――――
――
菜々「到着です!!内装も凝ってて良いですね!」ペカー
彼方「ホントだね〜あっ、向こうでグッズも売ってるよ〜」
菜々「なんと!ちょっと買って来ますね!」シュババ
彼方「座って待ってるね〜」
彼方「どれどれ、メニューは…っと」パラパラ
彼方(おおぅ……いつ見てもこの手のお店の価格設定はイカれてるぜ〜…)
彼方(凝ってるのも中にはあるけど……これなんてどう見ても手間もお金もかかってなさそうだもん……)
菜々「お待たせしました!限定グッズがいっぱいで大満足です!」ペカー
彼方「おかえり〜、ねぇねぇ菜々ちゃん〜うちも人気アニメとコラボとかしてみたいね〜…なーんて」
菜々「本当ですか!?良いですね!!そしたらまずは内装ですね!壁紙を全部貼り替えて店内をグッズで埋め尽くしましょう!」
菜々「あとモニターを複数台設置して常に映像を流して、あ!あと看板も取り替えた方が良いですかね!」
彼方「や、やっぱ無し〜!ちょっと楽してお金稼げるだなんて思ってごめんなさ〜いっ」アセアセ
菜々「えーっ!何でですか?やりましょうよ〜!」 楽しくてだらだら書いちゃった
発想も枯れてきたから終わります
ありがとうございました 思い付いたら続編でも別軸でも、キャラ代えてもいいから見たいなぁ
ほわほわする優しいお話大好き、乙でしたー ――帰り道―――
菜々「彼方さーん、そっちはどうですか?」
彼方「う〜ん、こっちも大体下準備終わったよ〜」
菜々「それでは帰りましょうか」
彼方「だね〜」
ガラガラッ
彼方「はぁ〜流石に今日はお客さん多くて大変だったよ〜」フラフラ
菜々「だっ、大丈夫ですか!?確かにここ最近で一番繁盛した日かもしれませんね…」
彼方「菜々ちゃんに手繋いでもらわないとお家まで帰れないよ〜」フラフラ
菜々「ふふっ、もう何ですかそれ…仕方ありませんね」ギュッ
彼方「えへへ、わ〜い」
菜々「今日は一段と甘えん坊ですね?」
彼方「頑張った彼方ちゃんへのご褒美だも〜ん」
彼方「あっ、でも頑張ったのは菜々ちゃんも一緒だもんね〜彼方ちゃんばっかりズルいよね」
菜々「こうして彼方さんの隣に居られるだけで、私にはご褒美みたいなものですよ!」ペカー
彼方「…!!///」カァァ
彼方(思えばこの笑顔がきっかけで好きになったんだっけ……///)
菜々「あれ?もしかして彼方さん照れてますか!?照れてますよね!!」
彼方「うっ、菜々ちゃんの意地悪〜!」ダキッ
菜々「あははっ!ちょっと、歩けないじゃないですかー!もう」
彼方「反省するまで離してあげませ〜ん」ギュゥゥ 保守するから思い付いたときにいつでも書きに来てくれ ――その胸の内には――
彼方「ねぇねぇ菜々ちゃん〜、彼方ちゃんお茶飲みたいな〜」
菜々「取りに行ったら良いじゃないですか?」
彼方「でもその為にはこたつから出ないといけないんだよ〜?」
菜々「それは私も同じことですよね?」
彼方「菜々ちゃんはほら、強いから」
菜々「変なこと言ってないで、さっさと取ってきた方が良いんじゃないですか」
彼方「むう…菜々ちゃんのけち〜……」ズリズリ
菜々「甘やかしてばかりでは彼方さん自身の為になりませんからね!」フンス
彼方「うう〜さむ〜〜」スタスタ
菜々「確かに最近急に冷えてきましたね、流石に年末ですし仕方ありませんけど」
彼方「どこか温泉とか行きたいな〜……ねぇ、行かない〜?」チラッ
菜々「温泉…ですか、年末年始はお店も休みですし、日頃から家の掃除は徹底しているので大掃除も必要ありませんし…」
彼方「じゃあ…!」パァァ
菜々「そうですね、たまには外で羽根を伸ばすのも良いかもしれません」ニコッ
彼方「やったぁ〜!えへへ、菜々ちゃんだ〜い好き」ダキッ
菜々「ふふっ…ほら、お茶零しますよ」 ――――
――
菜々「ふぅ……この電車で乗り換えは終わりですね」
彼方「結構遠いところに旅館あるんだね〜」
菜々「この時期ですから…結構予約取るのに苦労……しまして……」ウトウト
彼方「そろそろ眠くなってきたでしょ〜?彼方ちゃんの肩を貸してあげるから、少しお休み」
菜々「えっ…?いえ…でも……」ウトウト
彼方「菜々ちゃん旅行が楽しみで、昨日の夜あんまり眠れていないことを彼方ちゃんは知っているのだよ〜」ムフーッ
菜々「あっはは、バレちゃってましたか……それでは…ちょっとだけ……」スヤァ
彼方「大人になってもこういうかわいいところは変わらないんだからズルいよね〜」ナデナデ
菜々「………………」スヤァ
彼方「………………」
彼方(いけない……電車に揺られながら菜々ちゃんにくっついて居眠りしたら気持ちいいだろうな〜なんて…考えちゃだめだ)
彼方「………………」
彼方(いや…まだ寝てないし……ちょっと目を閉じてるだけだから…いつでも起きられるし……)
彼方「………………」スヤァ ――――
――
菜々「少々予定より遅れましたが、到着です!」
彼方「ごめんね〜……彼方ちゃんまで寝ちゃって結局終点に…」ズーン
菜々「最初に寝てしまったのは私ですし、終点から少し戻れば良いだけでしたので問題ありませんよ」ニコッ
彼方「かたじけない…」
菜々「ふふっ、いつの人ですか!それではチェックイン済ませて来ますね!」スタスタ
彼方「はーい」ヒラヒラ
彼方(思ってたより山奥って感じだな〜、良く言えば自然がいっぱい、悪い言い方をすれば何もない)
彼方(まぁ普段の疲れを癒やすにはこれくらい静かな方が良いのかもね〜)
菜々「お待たせしました!いざ私たちの部屋へ!!」
彼方「お〜」 ――――
――
ガラガラッ
彼方「おぉ〜…なんか凄い部屋だねぇ〜」キラキラ
菜々「はい!せっかくなので奮発してみました!!」ペカー
彼方「見て見て菜々ちゃん〜!お部屋に露天風呂付いてるよ〜!」
菜々「こっちの方がゆったり出来ると思いまして!」
菜々(本当は彼方さんの素肌を他の人に見られたくなかっただけですけど…)
菜々「取り敢えず適当に荷物を下ろして…と、どうしましょうか?晩ごはんまではまだ時間ありますし」チラッ
彼方「ではまず布団を敷きま〜す」
菜々「敷きません!!せっかく部屋に温泉がついてるんですからまず入るでしょう!普通!」プンプン
彼方「だったら温泉入ろ〜って言えば良いのに〜」ニヤニヤ
菜々「あっ、あんまり意地悪言わないでください…///」
彼方「今日も彼方ちゃんのお嫁さんはかわいいね〜」ナデナデ
菜々「またそうやってからかうんですから///ほら服脱いで!早く入りますよ!!」グイグイ
彼方「も〜菜々ちゃんのえっち〜」 菜々「はぁ〜〜!温まりますね〜〜!」チャプン
彼方「ホントだね〜」チャプン
彼方「気持ちよすぎて彼方ちゃん今にも……すやぁ」
菜々「もうちょっと我慢してくださいよー!私一人で浸かってても寂しいじゃないですか!」ユサユサ
彼方「えへへ〜冗談だよ〜、それにしてもこんな遠出したのって新婚旅行以来じゃない?」チャプチャプ
菜々「言われてみればそうですね……お店を始めてからは忙しない日々が続きましたから」
菜々「今更聞くのもなんですけど、二人で定食屋を始めたこと……迷惑じゃありませんでしたか?」
彼方「え…?」キョトン
菜々「芸能界で稼いだ貯金は相当あったので、他に選択肢はいくらでもあったと思うんです」
菜々「それこそ今までみたいに私がどこかに就職して、彼方さんには家のことをお願いするスタイルでも充分暮らしていくことは出来ました」
彼方「菜々ちゃん……」
菜々「少しは私も手伝えるようになったとは言え、調理全般を任せてしまっている現状が彼方さんの負担になっているんじゃないかと思いまして……」 彼方「ホントにそんなことで彼方ちゃんが嫌になっちゃうと思う〜?」
菜々「それは…」
彼方「彼方ちゃんは嬉しかったな〜」
菜々「え?」
彼方「せつ菜ちゃんがアイドル辞める〜ってなった時、最初に“二人で”何かしませんか?って言ってくれたでしょ〜?」
彼方「お外で頑張るせつ菜ちゃんをお家で待ってるのもお嫁さんっぽくて好きだったけど……もっと近くで、隣で支えてあげたいのにな、って思ってたからさ〜」
彼方「それに彼方ちゃんは毎日幸せだよ。いつも美味しいって食べてくれるお客さんが居て、側には元気に接客してくれる菜々ちゃんが居るんだもん」
菜々「彼方さん…」
彼方「だから心配しなくても平気だよ〜、二人でなら何だって大丈夫だよ、きっと」ナデナデ
菜々「すみません…変なこと聞いちゃいましたね!//」
彼方「変なんかじゃないよ」
彼方「気になったり、思ったことは全部言葉にしていこう?」
彼方「そりゃ何も言わずに分かりあえるなら凄いけど……彼方ちゃん達の場合はそうじゃないでしょう?」ニコッ
菜々「ふふっ、確かにそうでしたね」
彼方「さ〜てと、そろそろご飯が来る時間かな〜?」
菜々「そうでした!急いであがりましょう!!」ザバッ
彼方「ひえっ……さぶい…菜々ちゃん抱っこ〜」ジタバタ
菜々「さっきはちょっとカッコよかったのに、もういつも通りなんですから」クスッ ――――
――
彼方「ふぅ〜〜もうお腹いっぱ〜〜い!」
菜々「カニづくしでしたね!食べ慣れないせいか黙々と殻を剥く作業に没頭してしまいましたけど」
彼方「だから彼方ちゃんやってあげるよ〜?って言ったのに〜」
菜々「私だって定食屋の端くれです!それくらい一人で出来なくてどうするんです!」
彼方「あははっ、昔っから変なとこ真面目さんだよね〜」
菜々「それはそうと少し館内を見て回りませんか?」
彼方(ここで面倒くさいな〜とか言ったら菜々ちゃん拗ねちゃうんだろうな〜)
彼方(それで一人で行っちゃうんだけど、追いかけなかったら余計に拗ねちゃうんだろうな〜)
菜々「彼方さん…?」
彼方「あぁ、そうだね〜行こっか〜」
菜々「いざ!探検出発です!!」ペカー
彼方(時には黙って空気読むのも大事だよね〜) 菜々「あれはっ!見てください彼方さん!!ゲームコーナーですよゲームコーナー!!」パァァ
彼方「なんだか古そうなのばっかりだね〜」
菜々「それが良いんじゃないですか!これこそ“こういうのでいいんだよ”ってやつです!」
彼方「そ、そうなんだね〜……それじゃ、ちょっと遊んでいこっか〜」
菜々「でしたらこの、何時の時代のものとも知れぬ格ゲーで対戦しましょう!」
彼方「勝負に負けた人は勝った人の言うこと一つだけ何でも聞く…ってことで〜」ニヤニヤ
菜々「なっ、何ですか突然!?」
彼方「あれ〜?菜々ちゃん怖いのかな〜?」
菜々「言いましたね!後悔しても知りませんよっ?」
彼方「これでも菜々ちゃんとちょくちょく遊んでるんだし、彼方ちゃんだって負けないよ〜」
――――
――
彼方「は〜い、彼方ちゃんの3連勝だね〜」ブイッ
菜々「そんな…ここまでぼこぼこにされるなんて…」ガクッ
彼方「菜々ちゃんの癖を見抜くのは得意だも〜ん」ムフーッ
菜々「それで?彼方さんのお願いって何ですか?…あ!先に言っておきますけど出来ないこと言われても困りますからね!」
彼方「あ〜…実は大して考えてなかったり〜、えへへ」
菜々「それじゃあ無かったということで!」
彼方「それはダメ〜」ムッ
菜々「冗談ですよっ……あの、部屋に戻る前にもう一つ良いですか?」
彼方「ん〜?」 ――――
――
彼方「わぁ〜キレイだね〜」キラキラ
菜々「道すがらにこの中庭を見つけまして、ライトアップされてて素敵だったので来て良かったです!」ペカー
彼方「お庭もキレイだけど、星もすごいね〜」
菜々「都会の空では見られない景色ですね…」
彼方「………………」
菜々「………………」
彼方「ついでだからさ、彼方ちゃんも一つ聞いていい?」
菜々「はい?」
彼方「菜々ちゃんはまたアイドルやりたいな〜とかって、思ったりしないの?」
菜々「………………」
菜々「そうですね…時々ステージの上に立つ感覚が恋しくなることはあります」
菜々「時代が許してくれたのなら、もう少し歌を歌っていた可能性もあったかもしれません」
菜々「ですが後悔はしていませんよ。私も今が幸せなので」ニコッ
彼方「菜々ちゃん…」 菜々「それに私は今だってアイドルですよ」
彼方「え…?」キョトン
菜々「今も私は彼方さんだけのアイドルですから……なんて、えへへ///」
彼方「………///」カァァ
菜々「ちょっ///黙ってないで下さいよ!恥ずかしいじゃないですか///」
彼方「いや…その、普通に可愛いな〜って思っちゃって//」
菜々「もう、何ですかそれ……あははっ」
彼方「ねぇねぇ菜々ちゃん、さっきのお願い……聞いてくれる?」
菜々「ええ、良いですよ」
彼方「これからもずっと彼方ちゃんの隣に居てね」
菜々「ふふっ、それについてはご心配なく…嫌と言われようと離れてあげませんから!」
彼方「あ〜!愛の重さだったら彼方ちゃんも負けないよ〜………へくちっ!」
菜々「そろそろ冷えてきましたし部屋に戻りましょうか」
彼方「もっかい温泉入ろ〜」ブルブルッ
菜々「そうしましょう!」 菜々「ふぅ……帰るのも一苦労でしたね」
彼方「後はこの電車に乗ってればお家だね〜」
菜々「あの…また来ましょうねっ」ニコッ
彼方「そうだね〜……」
菜々「それでしたら次は――」
彼方「ねぇ菜々ちゃん…手、繋いでほしいな〜」
菜々「ふふっ、どうしたんですか急に?良いですけど」ギュッ
彼方「こうしてると安心してすやぴ出来るんだぁ〜……」スヤァ
菜々「もう…仕方ありませんね」クスッ
こうして二人きりの温泉旅行はその幕を閉じた
疲れと共にお互いに吐き出した胸の内も洗い流したおかげか、私たちは前よりもより強く、深く結びついたように思う
この固く繋いだ手のように
彼方「………………」スヤァ
菜々「………………」スヤァ
まもなく〜終点〇〇〜〇〇です。お忘れ物にお気をつけ下さい。
菜々「……っ!?彼方さん!彼方さん起きてください!駅過ぎてます!」
彼方「えへへ〜菜々ちゃんこんなとこでダメだよ〜……皆見てるって〜…えへへ……」スヤァ
菜々「何て夢見てるんですかっ!?良いから起きて下さーい!」 かなせつ良いぞ……
また気が向いたら書いてくださいな ああ…いい…実にいい…
できるだけ長く続けてほしい… ――酒は飲んでも――
菜々(またです……また彼方さんがえっちを焦らして私に襲わせようとしています…)
菜々(恥ずかしくて自分からあまり誘えない私が悪いと言えば悪いですが……手のひらで転がされるのも悔しいです!!)
彼方「…ぷは〜っ!働いた後の一杯は格別だぜ〜」
菜々(そこでです!お酒に酔ったフリをして逆に彼方さんを誘惑してみせます!!)
菜々「あの…私にも一杯いただけますか?」
彼方「おっ、菜々ちゃん珍しいね〜飲も〜飲も〜〜!」トクトクトク
菜々「いただきますっ!」ゴキュゴキュ
菜々(よしっ!作戦開始です!!)
菜々「……っぷはー!//えへ、えへへっ…なんだか暑くなってきましたね…//」ヌギヌギ
彼方「あれれ〜もう酔っ払っちゃったの〜?」
菜々「酔っ払ってないです!!」
彼方「そうだね〜酔っ払った人はみんなそう言うんだよね〜…ほら〜上着脱いじゃったら寒いよ〜?」
菜々「だったらぁ〜……彼方さんがあっためてください!!///」ダキッ ムギュウウ
彼方「おぉ〜よしよし〜温かくしようね〜」ギュゥゥ
菜々(これはいい調子なのでは!?…それにこんなにストレートに甘えることってなかなか無いのでちょっぴり楽しいです…///)
菜々「えへへ〜ぽかぽか!///……よ〜しどんどん飲んじゃいますよ〜///」ゴキュッゴキュッ
菜々(あぁ〜なんだか身体が温まって、ぽわぽわ〜っとしてきたような……///) 彼方「は〜い着いたよ〜、ごろんしようね〜」
菜々「えへへ〜ごろ〜ん!」ボフッ
彼方「じゃあお布団被って温かくしてようね〜、彼方ちゃんは洗い物してくるからね〜」
菜々「………………」ギュッ
彼方「わわっ…菜々ちゃん?」
菜々「行っちゃうんですか……?///」ウルウル
彼方「…!!///」
彼方(菜々ちゃん、不意打ちはズルいよ…///こんなん言われて離れられる人居ないでしょ〜)
彼方「よ〜しそれじゃあ彼方ちゃんと一緒にすやぴしようね〜」ボフッ
菜々「やったぁ〜!からたしゃんだ〜いすき!」ギュゥゥ
彼方(そろそろ菜々ちゃんに押し倒してもらう予定だったのになぁ〜…こんなかわいい菜々ちゃん見たら余計に……♡)
彼方(見事に彼方ちゃんに火をつけてしまったようだね〜……明日起きたら覚悟してもらうよ〜♡) 別カプ何か書こうとしたけど何も思いつかなかったからまた短いの書くかも ――酒は飲んでも――
菜々(またです……また彼方さんがえっちを焦らして私に襲わせようとしています…)
菜々(恥ずかしくて自分からあまり誘えない私が悪いと言えば悪いですが……手のひらで転がされるのも悔しいです!!)
彼方「…ぷは〜っ!働いた後の一杯は格別だぜ〜」
菜々(そこでです!お酒に酔ったフリをして逆に彼方さんを誘惑してみせます!!)
菜々「あの…私にも一杯いただけますか?」
彼方「おっ、菜々ちゃん珍しいね〜飲も〜飲も〜〜!」トクトクトク
菜々「いただきますっ!」ゴキュゴキュ
菜々(よしっ!作戦開始です!!)
菜々「……っぷはー!//えへ、えへへっ…なんだか暑くなってきましたね…//」ヌギヌギ
彼方「あれれ〜もう酔っ払っちゃったの〜?」
菜々「酔っ払ってないです!!」
彼方「そうだね〜酔っ払った人はみんなそう言うんだよね〜…ほら〜上着脱いじゃったら寒いよ〜?」
菜々「だったらぁ〜……彼方さんがあっためてください!!///」ダキッ ムギュウウ
彼方「おぉ〜よしよし〜温かくしようね〜」ギュゥゥ
菜々(これはいい調子なのでは!?…それにこんなにストレートに甘えることってなかなか無いのでちょっぴり楽しいです…///)
菜々「えへへ〜ぽかぽか!///……よ〜しどんどん飲んじゃいますよ〜///」ゴキュッゴキュッ
菜々(あぁ〜なんだか身体が温まって、ぽわぽわ〜っとしてきたような……///) ――――
――
菜々「えへへぇ〜///からたしゃんいい匂いする〜!///ぎゅうう〜!!///」ダキッ
彼方「隠してるつもりかもしれないけど、菜々ちゃんやっぱり匂いフェチだよね〜」
菜々「すんすん……はぁ〜!からたしゃんの匂いたまらん〜///」スンスン
彼方「人の髪に顔突っ込んで変なクスリ吸ったときみたいなリアクションやめようね〜」
彼方「って言ってる場合じゃないか……ほら〜もうベッドですやぴしようね〜」グイグイ
菜々「んん〜!まだおしゃけ飲むんれすー!」フンス
彼方「ざんね〜ん、もう彼方ちゃんが全部飲んじゃったから無いよ〜」フリフリ
菜々「えぇ〜〜〜……じゃあ寝る……」
彼方「良い子だね〜ほら、お手々繋いであげるからベッドまでがんばろ〜」ギュッ
彼方「は〜い着いたよ〜、ごろんしようね〜」
菜々「えへへ〜ごろ〜ん!」ボフッ
彼方「じゃあお布団被って温かくしてようね〜、彼方ちゃんは洗い物してくるからね〜」
菜々「………………」ギュッ
彼方「わわっ…菜々ちゃん?」
菜々「行っちゃうんですか……?///」ウルウル
彼方「…!!///」
彼方(菜々ちゃん、不意打ちはズルいよ…///こんなん言われて離れられる人居ないでしょ〜)
彼方「よ〜しそれじゃあ彼方ちゃんと一緒にすやぴしようね〜」ボフッ
菜々「やったぁ〜!からたしゃんだ〜いすき!」ギュゥゥ
彼方(そろそろ菜々ちゃんに押し倒してもらう予定だったのになぁ〜…こんなかわいい菜々ちゃん見たら余計に……♡)
彼方(見事に彼方ちゃんに火をつけてしまったようだね〜……明日起きたら覚悟してもらうよ〜♡) こんなに素晴らしいスレがあったとは…!
かなせつの可能性を感じさせてくれてありがとう ――プレゼント――
菜々「彼方さん!これ!」ガサゴソ
彼方「ん?どうしたの〜?」
菜々「はい!プレゼントです!!」ペカー
彼方「わぁ〜、新しい枕だぁ〜!ありがとう〜……でもどうして急に?」
菜々「もう、忘れたんですか?今日はクリスマスですよ!!」
彼方「えっ…?あっ!ごめんね〜彼方ちゃん気が付かなくてっ」アセアセ
彼方「お店では12月の頭からクリスマス限定メニューとかやってたから感覚麻痺しちゃってて…」オドオド
彼方「どうしよう…今プレゼント何も用意出来てなくて……せっかく菜々ちゃんがくれたのにこれじゃお返し出来ないよ…」ズーン
菜々「彼方さん、落ち着いてくださいっ!今月はずっと忙しかったので仕方ありませんって!」アセアセ
彼方「それを言うなら忙しかったのは菜々ちゃんも一緒だもん……」ショボン
菜々「すぅー…………彼方さん!!!」
彼方「はっ、はい!?」ビクッ 菜々「そこまで言うのでしたら、プレゼントをいただきますね」チュッ
彼方「……え?それって……んっ///……ちゅっ///」
菜々「メリークリスマス!素敵なプレゼントをありがとうございます//」ニコッ
彼方「も〜、急にカッコいいことするの心臓に悪いよ……///」ドキドキ
菜々「ふふっ、普段ドキドキさせられてるお返しです」
菜々「それはそうと、今まで彼方さんが使っていた枕は後で“私が”洗濯しておきますね」ニコニコ
彼方「いやいやそれくらい彼方ちゃんがやっとくよ〜」
菜々「いえ、そういうわけにはいきません!!」クワッ
彼方「お、おぅ……そこまで言うならお願いしようかな…」
――――
――
彼方「おぉ〜!菜々ちゃんから貰った枕気持ちいいよ〜」フカフカ
菜々「それは良かったです!」
彼方「……あれ?菜々ちゃんのその枕って彼方ちゃんの――」
菜々「気の所為ですよ」
彼方「え、でも色とか形とか――」
菜々「気の所為です」
彼方(知らない方が幸せなこともあるって言うもんね…) ――願いごと――
菜々「初詣に行きませんか?」
彼方「え〜、今から〜?」
除夜の鐘を聞きながら年越し蕎麦を食べ終えた頃に、イタズラっ子のような笑みを浮かべて菜々ちゃんが提案してきた
菜々「食べてすぐ横になるのも良くないですし、腹ごなしに丁度いいと思いませんかっ?」
彼方「そんなこと言って〜、夜中にフラフラ出歩いてみたいだけじゃないの〜?」ニヤニヤ
菜々「バレてしまいましたか…///」
彼方「図星なんだね〜…」
少々腰が重いというだけで特に断る理由も無いので、笑顔の菜々ちゃんに手を引かれるがままに、夜の寒空の下へと繰り出した 彼方「うぅ〜…やっぱりさぶい〜〜」ブルブルッ
菜々「確かに冷えますね……こうして手を繋いでポケットに入れてしまいましょう!」スポッ
彼方「おぉ〜確かに温かいかも………もうでももう片方は冷えたまんまだよ〜……」
彼方「あれだ、彼方ちゃんが菜々ちゃんの後ろからポケットに手を入れて、その中で手を繋げば良いんだよ〜」ダキッ ギュッ
菜々「あははっ、歩きづらいですよ……っていうかこれ転んだら地面に手も付けられずに私が下敷きにされるだけじゃないですか!やっぱ無しです!無し!」バッ
彼方「わぁ〜ん寒いよ〜」
月さえも雲に隠れているのか、切れかけの街灯の微かな明かりだけが頼りだった
物哀しい雰囲気を紛らわすように、二人の声だけが辺りに響いている 彼方「あっ、ぽつぽつと参拝客の人が見えてきたね〜」
菜々「近くの神社がこの時間開いてるか分からなかったので安心しました!」
彼方「え〜…開いてなかったら歩き損だったの〜?」ジトー
菜々「まぁまぁ、何だか夜の街並みってワクワクするし楽しいじゃないですか!」ペカー
彼方「さては昨日見てたアニメに影響されたのかな〜?」ニヤニヤ
菜々「神様へのお願いは早ければ早いほど良いと聞きますし、混雑する前に行ってしまいましょう!///」
彼方「あ〜っ誤魔化した〜」クスクス
鳥居を潜り境内へと足を踏み入れると、そこは静かな賑わいを見せていた
参道の脇では深夜にも関わらず甘酒の販売も行われており、参拝を終えた人たちが暖を取ろうと集まっている 菜々「あっ!甘酒売ってますよ彼方さん!」
彼方「お参りが終わったら飲もうか〜」
菜々「はいっ!」ニコッ
彼方「そういえばお参りってどうするんだっけ〜?やり方とかあったよね?」
菜々「二礼二拍手一礼ですか?それもありますけど、まずはアレですね」
菜々ちゃんの指差す先には、参道の脇に手水舎が設置されているのが見える
手を清める参拝客たちの悲鳴に近い呻き声がここまで聞こえてきた
彼方「こんな寒いのに水なんてかけたら凍っちゃうよ〜……」ブルブル
菜々「必要なことですから、気合です!」 ――――
――
彼方「うぅ〜手がひりひりするよ〜」
菜々「ふふっ、年越し蕎麦を食べたっきりの手を合わせても神様に呆れられてしまいますからね」
彼方「むぅ…彼方ちゃんが神様ならそんなこと気にしないのに〜」プクーッ
作法に則り手と口を清め終えた後はいよいよ参拝の時間だ
こうして拝殿の前に並ぶのは数年ぶりだろうか
思いつきで真夜中にやってきて願いごとだけ一方的に伝えて帰るというのも、中々身勝手な行為だと思えて少し笑えてきた
彼方「お賽銭っていくらにする〜?」
菜々「普通に5円で良いと思いますけど……ってあれ、5円切らしてました……奮発して50円にしますか」
彼方「じゃあ彼方ちゃんも50円にしよ〜」
そうこうしているうちに目の前の客が参拝を終えたようで脇へとよけていった
いざ、神様へのおねだりの時間である
彼方「………………」
菜々「………………」
頭を下げてどれくらい経っただろうか
自分だけ早く終えるのも何か気まずいので隣をチラリと見てみる
同じことを考えていたのか、こちらを片目で覗き見る菜々ちゃんと目が合って二人して笑いを堪える羽目になってしまった ――――
――
菜々「甘酒美味しかったですね!」
彼方「だね〜、久しぶりに飲んだけど身体がぽかぽかするよ〜」ホカホカ
帰り道、手を繋いで歩く私たちを雲間から差し込む月明かりが照らしていた
行きに感じた物哀しさは感じなくなり、足取りも心做しか軽やかだった
菜々「彼方さん!どんなお願いごとにしたんですか?」
彼方「これって人に話しちゃうと叶わなくなっちゃうんじゃないっけ〜?」
菜々「聞いた相手がそのお願いに対してマイナスなことを口にしたり思ったりすると、邪念が混じって叶いにくくなるそうですよ」
菜々「つまり!私が彼方さんのお願いにそんなこと思うはずが無いので、安心してお聞かせください!!」
彼方「え〜…じゃあ菜々ちゃんが教えてくれたら彼方ちゃんも教えてあげる〜」ニコニコ
菜々「う……それはそれで何だか恥ずかしいですね///」カァァ
彼方「そんな恥ずかしいお願いごとしたの〜?」ニヤニヤ
菜々「そっ、そんなことありません!!///」
彼方「ホントかなぁ〜?」
菜々「本当です!!」ポカポカ
彼方「あははっ、いたっ、痛いよ〜、あはははっ」
結局互いに願いを口にすることは無かったけれど
何となく二人とも同じことを願ったのではないだろうかと思う
“いつまでも二人、一緒に居られますように”
いつの間にか夜空を覆う雲は消え失せ、大きな満月が私たちの頭上で光り輝いていた
おわり だらだら書いてきたけどこれで最後になります
保守とか感想とか嬉しかった
また何か書いた時は見てもらえたら嬉しいです おつおつ
素晴らしいかなせつをありがとう
また何か書いてくれるのを楽しみにしてるよ お疲れ様でした
とても最高のせつかなでした
是非またよろしくお願い致します ここに神がいるから奮発して50円お賽銭入れようかな ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています