遥「ダイバーフェスのもう一枠、どうしましょうか」姫乃「果林さんしかなくないですか?」
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遥「えっ?」
姫乃「ああ、いえ、失礼しました。少しウトウトしておりまして」
遥「そ、そうですか?」
姫乃「ええ。そうですよ」ニッコリ
遥「はぁ……」
姫乃「遥さんも大変ですね。入学して間もないのに重大な役目を任されてしまって」
遥「いえ、今回披露する曲ではセンターに選ばれたわけですから、これも責任として頑張りますよ!」
姫乃「まあ。立派な志ですね。……なにか力の源になるものがあるのではありませんか?」
遥「力の源?」
姫乃「ええ。遥さんがそれだけ頑張る原動力とでも言いましょうか」
遥「原動力……やっぱりお姉ちゃんですかね!」
姫乃「お姉様? 遥さんにはお姉様がいらっしゃるのですね。お姉様もスクールアイドルを?」ハヤクチ
遥「え、ええ。虹ヶ咲でスクールアイドルをしていて」
姫乃「まあ虹ヶ咲! そういえばこの間の演劇祭で虹ヶ咲のスクールアイドルのダンスを見ましたわ。素晴らしいパフォーマンスでした」ハヤクチ
遥「演劇祭……しずくさんかな」
姫乃「そうだダイバーフェスには虹ヶ咲を推薦してはいかがでしょう! ええ、そうです。それがいいです!」ハヤクチ
遥「えっ、でも虹ヶ咲は9人が所属するソロの集団だから、推薦枠の尺では……」
姫乃「果林さんが出るんだから問題なくないですか?」
遥「へっ?」 遥「今、果林さんって……」
姫乃「はい? わたくし、何か言いましたか?」パチクリ
遥「えぇ……」
姫乃「とにかく、東雲と藤黄の名前で虹ヶ咲を推薦しましょう! 主催者側からもなるべく新鮮なスクールアイドルを、との要望でしたから」
遥「で、ですから、虹ヶ咲の人数だと時間の都合上……」
姫乃「そんなことは問題ではありません」
遥「ええっ?」
姫乃「大きな規模のイベントがあり、そこに出演できるチャンスがある。それこそが肝要なのです」
遥「えーっと?」
姫乃「虹ヶ咲の活動はまだ活発とは言えません。校外でのライブはこの前の演劇祭や天王寺さんのジョイポリス……」
遥「虹ヶ咲のことに詳しいんですね」
姫乃「ええ。遥さんのお姉様のこの前のステージも拝見させていただきました」
遥「えっお姉ちゃんのこと知ってるんですか? さっきは知らないような言い方だったような……」
姫乃「とにかく。上からの物言いになりますが、私は虹ヶ咲の方々に羽ばたく機会を与えたいのです」
遥「なるほど、確かにチャンスがあって困ることはないですもんね」
姫乃「ええ。そして果林さんのステージが見たいのです」
遥「ん?」
姫乃「善は急げです。遥さん、お姉様経由で虹ヶ咲にアポを取っていただけますか?」
遥「は、はい!」スマホスッスッ 遥「綾小路さん、連絡とれました。今日すぐに来てくれていいそうです」
姫乃「き、今日!?」
遥「はい。善は急げですから、すぐに取り付けられてよかったです!」
姫乃「エッヤバイヤバイヤバイ……」
遥「綾小路さん?」
姫乃「……」カガミパカッ、マエガミスッスッ
遥「綾小路さん?」
姫乃「……」ニィーッ、パッ、パチクリパチクリ
遥「ど、どうしたんですか? 別にメイクが崩れるようなことはしてなかったと思うんですけど……」
姫乃「いいえ。何でもありません。早速果林さんのところへ行きましょうか」
遥「んん?」
姫乃「虹ヶ咲へ向かいますよ。遥さん」スタスタスタ
遥「は、はい!」スタスタスタ 必死に取り繕った結果イヤミな感じになっちゃった綾小路さんかわいすぎるよな ─虹ヶ咲、部室棟─
遥「うわぁー、やっぱり虹ヶ咲って広いなーっ!」
遥「綾小路さんもそう思いませんか? ……って綾小路さん?」キョロキョロ
姫乃「そこの貴女。その手に持っているモノはなんですか?」
女生徒A「へっ? こ、これのこと?」スッ
女生徒B「もしかして、果林先輩のサインがほしいの?」
姫乃「は、はわわわわ〜〜っ。やっぱりこれが果林さんのサインなのですね〜っ!」
女生徒A「えっ」
姫乃「か、可愛すぎませんか!? や〜んもうハートがたっぷりでラブリーです〜っ!」
女生徒B「あー、そうだね。確かに果林先輩のイメージとは違うかも」
姫乃「は? 貴女に果林さんの何が分かると言うのですか?」ギロッ
女生徒B「ええっ?」
遥「ちょ、ちょっと綾小路さん! 何してるんですかーっ!?」
姫乃「まあ遥さん。ごきげんよう」
遥「もう。お姉ちゃんとの約束があるんですから、行きますよっ!」グイッ
姫乃「ええ。そうしましょうか」ニコッ
女生徒A「……なんだったのあの人」 ─同好会部室前─
遥「ここがスクールアイドル同好会の部室ですよ」
姫乃「ハヒュー、ハヒューーーッ」
遥「ちょ、ちょっと綾小路さん!? 呼吸がおかしくなってませんか!?」
姫乃「ナカニカリンサンガイル、ナカニカリンサンガイル……!」
遥「はい!?」
姫乃「……さい」ボソッ
遥「な、なんですか?」
姫乃「先に入っててください」ボソボソ
遥「私だけ先に!? ど、どういう……」
姫乃「いいからっ」
遥「は、はい……」
コンコンッ
遥「すいませーんっ」
せつ菜「どうぞーっ!!!!」
ガラガラガラッ
遥「お邪魔しますぅ」
彼方「ぃつでも大歓迎だよぉ〜っ」
愛「今日はどうしたの?」
遥「実は……」
姫乃「大事なお話がありまして」ケロッ
遥(えぇ〜〜っ!?) ──
────
──────
遥「はあ。一応伝えはしたけど、お姉ちゃん達大丈夫かな」
姫乃「大丈夫、とは?」
遥「もちろん悪い話を持って行ったわけじゃないですけど、揉めたりしないか心配で」
姫乃「揉める……」
遥「やっぱり1人だけしか出られないってなると、どうしても誰が出るかは揉めますよ」
姫乃「果林さんが出ることが確定しているのにですか?」
遥「へっ?」 遥「果林さんが出ることが確定してるんですか!?」
姫乃「果林さんが出ることが確定してるんですか!? まあ、それは素敵ですね!」
遥「ええっ?」
姫乃「なるほど、朝香果林さんは読者モデルもやりながらスクールアイドルもこなす完璧超人ですものね。同好会を代表するのもうなずけます」
遥「ちょ、ちょっと。今、綾小路さんが果林さんが確定してるって言ったんじゃないですか!」
姫乃「私が……?」キョトン
遥「んん〜?」
姫乃「しかし、朝香果林さんが出てくる可能性は高いでしょうね」
遥「えぇ!? なんで分かるんですか?」
姫乃「まず朝香果林さんが人間としてスクールアイドルとして生物として素晴らしい存在であるということは大前提として」
遥「おぉ……」
姫乃「あの同好会はとてもよい空気が流れていることは一目見て分かりました」
遥「そうなんです。皆さんとっても仲良しで、それに波紋を起こしてしまいそうで……」
姫乃「ですから、関係が壊れるのを嫌って代表決定はくじ引き、無いし他薦によるものになると思われます」
遥「な、なるほど」
姫乃「そうなれば有利なのは、場慣れしている優木せつ菜さん、そして……」
遥「果林さんなんですか?」
姫乃「ええ」ニッコリ 「無いし」じゃなくて「もしくは」に脳内修正お願いします 頭のおかしい人を相手にしてる時のえーでボイスはもはや伝統 冷静な思考力と頭果林さん(が大好き)状態が混ざり合ってカオス 姫乃「くじ引きの場合は完全に運任せですが、考えたいのは他薦になった場合。遥さんならどの方を推薦しますか?」
遥「それはもちろんおね……」
姫乃「遥さんが自分の姉であることは抜きにしてくださいな」ニコッ
遥「あぅ……。そうですね、やっぱり経験も豊富なせつ菜さんでしょうか」
姫乃「確かに優木せつ菜さんは素晴らしいスクールアイドルです。同好会の中ではPVの再生回数も頭一つ抜けていますし、虹ヶ咲のエースと言って差し支えありません」
遥「再生回数もチェックしてるんですね」
姫乃「単純な実力で言えば優木せつ菜さんが最有力でしょう。しかし、推薦というのはそう簡単に決めるモノではありません」
遥「というと?」
姫乃「私たちを例に出せば、今回虹ヶ咲を推薦することになったのはなぜですか?」
遥「綾小路さんの果林さん圧がすごいからです」
姫乃「いいえ違います」
遥「ええっ?」
姫乃「私の理由は桜坂しずくさんのパフォーマンスを見て虹ヶ咲に興味を持ったから」
遥「そういえば同好会の皆さんにはそんなこと言ってましたね」
姫乃「そこへ、虹ヶ咲にお姉様のいる遥さんの存在が決め手となり、推薦することが決まりました」
遥「はい」
姫乃「単純に新鮮だったり目新しいスクールアイドルと言われれば、YG国際のスクールアイドル部などは最適と言えませんか?」
遥「あ〜、言われてみればそうですね。決して虹ヶ咲が劣っているとは思いませんが、YGの人たちはフェスの色に合っている気がします」
姫乃「そう。単純な最適解を選ぶのではなく、重要なのは巡り合わせ」
遥「巡り合わせ?」
姫乃「そうです。代表決定までに何を成すか、何を示すかが最も重要なのです」
遥「なるほど」 遥「えーーっと、そうなるとどうして果林さんが選ばれる可能性が高いんですか?」
姫乃「話を聞いていましたか? 朝香果林さんは人間としてスクールアイ……」
遥「あ、はい。素晴らしい方ですよね! でもどうして?」
姫乃「同好会で最初に持ち上がるのはくじ引きによる代表選抜でしょう。言い出すのは本命上原歩夢さん、対抗は優木せつ菜さんといったところですね」
姫乃「そうなれば恐らく同好会の方々はそれに同調します。争いを避けた最も穏便な決定法ですから」
遥「そうですね。私もくじ引きになると思います」
姫乃「しかし、そうはなりません」
遥「どうして?」
姫乃「そこで鶴の一声を放つのが朝香果林さんなのです!!!」
遥「うゎ……」
姫乃「ごほんっ」
姫乃「互いに遠慮し合った結果運頼み。そんなのでいいわけ?」
遥「えっ?」
姫乃「……とね」
遥「似てる……!」 この人にランジュの後ろで踊ってる果林さん見せたらどうなるんだろうか 姫乃「馴れ合いに流されかけた場を締める朝香果林さん、これはクール。皆さんの印象は朝香果林さんに釘付けになります」
遥「確かに。冷静に物事を判断できる人はポイント高いです。でもどうして果林さんがそんな発言をすると?」
姫乃「そうなるよう、挑発を入れておきましたから」
遥「えっ」
姫乃「読者モデルがスクールアイドルとしてどんなパフォーマンスをするのか興味があります」ニコッ
遥「えっ? あれってゴリゴリの本音じゃないんですか!?」
姫乃「ふふっ。あの場で名指しすれば皆さんの関心は朝香果林さんに向きますし、本人も闘争心が沸くことでしょうね」
遥「そんなことを考えて……?」
姫乃「それに雑誌のインタビューでも朝香果林さんにそういった気質があることは窺えますから。素敵ですよね」
遥「はぁ」
姫乃「それに朝香果林さんは今日この後、モデルの仕事をこなしてからダンススクールに向かいます」
遥「えっ」
姫乃「冷静な判断力+隠れた努力。これをしれば同好会の皆さんは朝香果林さんを推薦すること間違いなしですね」
遥「なんでダンススクールのことを……というより、その隠れた努力を皆さんが知ることにならなければ意味がないような?」
姫乃「ダンススクールすぐ近くの店にとあるラノベシリーズの新刊がフラゲ入荷したことを、優木せつ菜さんに裏垢でリプを送りました」
遥「えっ?」
姫乃「朝香果林さんが抜けては練習がお開きになる可能性は高いです。そこに出くわせば……ふふふ」
遥「そんなことまで……?」
姫乃「そして私はダイバーフェスの会場で言うのです」
姫乃「このアウェーのような会場で、それでもスクールアイドルの魅力を知ってもらいたい。私は、1人でそこに立ち向かう貴女を尊敬しているんです。……好き」
姫乃「なんちゃってなんちゃって!! きゃーっ! 好きだなんてまだ早すぎますぅ〜っ!」クネクネ
遥「……」ゴクリ
遥「お姉ちゃん、虹ヶ咲の皆さん、頑張って!!」 >>34
実際にあり得そうでマジで怖い、姫乃さんならやりかねない ジンレベルの洞察力(果林さん限定)とかどんだけ頭果林さんなんだよw 実際ひめのんは果林さんが出てくる公算をある程度持っていただろうからね ひめかりの良SSこれで4つくらい見たわ
ペース早すぎだろ!好き フェス終わりに遥ちゃんを呼び出して果林さん感想会する姫乃ちゃんください 練習がてら地の文などを加えて某所に投稿しました
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