歩夢「侑ちゃんに恋人ができた日」
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侑「それで、相談っていうのはさ」
歩夢「うん」
上体を起こしてベッドに座ると、私のクッションを抱いたまま言った。
侑「その…男子にね…、…告白されたんだ」
そのとき侑ちゃんがどんな顔をしていたか、私はあんまり覚えていない。 @cメ*˘ᴗ ˘ リ ……はぁ?彼氏作るわけないでしょ いつになく神妙な面持ちで「相談があるから、歩夢の部屋に行ってもいい?」と言われたとき、正直私は深く考えていなかった。
アイドルのことかな?私で力になれるかな?…だから、突然のことで頭が真っ白になった。
侑「相手は知らない人なんだけど…同い年で…あ、向こうは私のこと何度か見たことあるらしくて…」
照れたような声で、一目惚れなんだって、と言う。
侑「昨日、告白されてね…突然だったし…でも、すぐ断るのも失礼なのかなって…それで…うん」
どう思う?と訊かれた。 どう思うべきなのかわからなかった。
「そんな誰か知らない人と付き合うなんてやめなよ」と言う権利が私にあるのか、自信がなかった。
歩夢「……」
侑「……歩夢?」
歩夢「……あ…うん…そう、だね…」
侑ちゃんのことならなんでも知っているつもりだったのに、急にこの子のことがなにもわからなくなってしまった。 歩夢「侑ちゃんは…ど、どう思うの?」
侑「私は…」
歩夢「……」
侑「…今まで誰かと付き合ったこともないし…正直、付き合いたいとも思わないし…これまでも、いまもね?」
歩夢「うん…」
ほっと安心したのもつかの間、でも、と侑ちゃんが続けた。
侑「私のことを好きだって言ってくれる人がいるなら…付き合ってみても、いいのかな…って」 言うべきことが無数にある気がした。
待って、お願い、考え直そう?やめようよ。
引き止める言葉ばかりが浮かんで、親友の幸福を喜べない自分に嫌気が差して、
そのずっと奥にある真意に気づいて、それ以上傷つくことはできなかった。
歩夢「侑ちゃんがそう思うなら、私もいいと思う」
嘘っぱちの自分の言葉と襲う大きな喪失感に、私はようやく失恋を知った。 頑張ってハッピーエンドに向かうんだ!あなたならできる!! ワイはこのイッチを応援するで
悲しむ歩夢ちゃんもきっと可愛いはずや😍 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています