栞子「バウムクーヘンとバームクーヘンの違いを知っていますか?」ルビィ「えっ!?同じだよ!?」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
栞子「バウムとバームでは意味するところが違うのです」
ルビィ「どういうこと!?」
栞子「バウムクーヘンは、国立ドイツ菓子協会の規定の材料・製法で作られたもので、職人が1本1本手作りしたもののみが名乗ることを許されています」
ルビィ「えぇーっ!?バームクーヘンって手作りしてるの!?」
栞子「いえ、バームクーヘンは日本独自の製法で、添加物の規定もなく、工場のラインで製造されています」
ルビィ「さっき手作りって言った!嘘つき!虹ヶ咲のみんなが言う通りだったよ!」
栞子「……」 栞子「ということがありました」
絵里「それはルビィが悪いわね」
栞子「いえ、日頃から私が人に疑われるようなことばかりしていたせいです」
絵里「そんなに自分を責めないで……そうだ!今度の土曜日、3人で遊びに行かない?」
栞子「3人、ですか?」
絵里「私とあなたとルビィの3人!」
栞子「えっ?ですが……」
絵里「みんなの輪に溶け込むにはルビィを味方に付けた方がいいわ、しっかりと話し合えば分かってくれるはずだから」 ルビィ「……絵里さんの頼みだから今日は来たんだよ」
絵里「栞子の前でそんなこと言ったらダメよ?」
ルビィ「でも栞子ちゃん嘘つきじゃん……嘘はダメだよ」
絵里「それは……勘違いと言うか……」
ルビィ「どう勘違いだって言うの!?」
栞子「ルビィ、さん……?」
ルビィ「……」
絵里「あ、ああ、栞子も着いてたの」
栞子「はい、こうして集まって出掛けるのは初めてで……時間前に着いていたのですが、少しお手洗いへ行きたくなり離れていました」
ルビィ「初めてじゃないくせに……」
栞子「えっ?」
絵里「ルビィっ……」 >>1
なんとなく調べたらマジなのかよこれ
ルビィちゃん許せん ルビィ「ネットで見たんだよ、栞子ちゃんは初めてじゃないことも初めてだって言うって」
絵里「それはあの子なりの処世術なのよ……嘘をつきたくてついてるわけじゃないの」
ルビィ「スクールアイドル掲示板で有名だよ、虹ヶ咲のみんながかわいそう」
絵里「一度誤解されるとそれを払拭するのはなかなか難しいわ、だけど、そこは私たちも受け入れる準備をしてあげないと」
ルビィ「絵里さんが分かってあげてるならそれでいいじゃん、ルビィはやだよ」
栞子「あの、お二人とも……私ばかり先を歩いてしまい少し気恥ずかしいのですが……」
絵里「ああ、ごめんなさい、今追い付くわ」 栞子「あの、今日はどこへ行くのですか?」
ルビィ「そうだよ、行き先聞いてなかった!」
絵里「ふふっ、今日は私の行きつけの洋菓子屋さんに招待しようと思ったの」
栞子「絵里さんの行きつけですか、気になります!」
ルビィ「おいしいお菓子いっぱいあるかなあ!」
絵里「何でもあるわよ、あそこは」
ルビィ「すごい!!すごい!!」
栞子「なんだかもどかしくなってきました、お店へ急ぎましょう」
絵里「ええ、そうね!」 ルビィ「わあ!綺麗なお庭だね!すっごく広い!」
絵里「予約していないと、この席には案内して貰えないのよ、素敵でしょう?」
栞子「こんなに手入れの行き届いた庭園は初めて見ました……!都内の一角に、これほどの土地のある洋菓子店があるとは思いもしませんでした……!」
ルビィ「……まただよ」
絵里「……ふ、二人とも気に入ってくれて嬉しいわ、実は穂乃果や海未にも内緒にしていたのよ」
ルビィ「そうなの!?どうして!」
絵里「そうね、あの子達に教えたら、毎日連れていってってうるさいもの」
ルビィ「えー!?ルビィだって毎日来たいよ!」
絵里「ふふっ、だからこのお店のことは内緒にしてね」
栞子「お心遣い、感謝します」
絵里「もう、そんな固いこと言わないの」 栞子「これはフィナンシェでしょうか?」
絵里「フィナンシェの見た目だけど、実はマドレーヌなのよ」
ルビィ「どういうこと!?」
絵里「フィナンシェとマドレーヌの違いは分かる?」
栞子「共にフランスのお菓子ですが、フィナンシェはお金持ちや金融家という言葉が語源のはずです」
ルビィ「どういうこと!?」
栞子「パリの菓子職人が、近所の証券取引所に通う金融家のために作ったのです、背広を汚さず手軽に食べられるようにと」
ルビィ「どういうこと!?ルビィだってお菓子を食べるくらいで服を汚さないよ!?」
絵里「……」 栞子「……一方でマドレーヌの名前の由来は諸説ありますが、最も有名なものはポーランド王の宮廷で起きた出来事によるものでしょう」
ルビィ「フランスのお菓子なのにポーランド!?ポーランドはフランスだった……!?」
絵里「口調が掲示板に毒されてるわよ……」
栞子「王が催したパーティーで、デザート担当のシェフがひょんなことから気を悪くして帰ってしまったのです」
ルビィ「どういうこと!?」
栞子「せっかくのパーティーにスイーツがないというのでは困ると、王はそこにいたお手伝いの女の子にお菓子を作らせたのです」
ルビィ「どういうこと!?」
絵里「これはほんとにどういうことなのよ……」 栞子「そして女の子が作った綺麗な黄金色の焼き菓子、王は彼女の名前をとってマドレーヌと名付けました」
ルビィ「へえ!良いお話だね!」
栞子「王がこのマドレーヌを、ヴェルサイユ宮殿に住む自分の娘に送ったことで、フランスで評判のお菓子になったのです」
ルビィ「文化の盗用ってやつだね!」
絵里「……」
栞子「見た目はどちらも茶色の焼き菓子ですが、名前の由来もその製法も異なっています」
絵里「フィナンシェは小麦粉、卵白、砂糖、焦がしバター、そして何と言っても小麦粉と同量のアーモンドプードルを混ぜこんだ生地が特徴ね」
ルビィ「だからアーモンドの匂いがするんだ!」 栞子「対してマドレーヌの粉は、小麦粉のみで練り上げられている上、卵も卵白のみではなく全卵を使うのです」
ルビィ「栞子ちゃんってお菓子のこと詳しいんだね!」
絵里「だから、バウムクーヘンの件も、ルビィの勘違いなのよ」
栞子「絵里さん……」
ルビィ「違うよ、あれは栞子ちゃんの嘘なんだから!」
絵里「ねえ、このお店のメニューボードを見て」
ルビィ「バームクーヘン、って書いてある」
絵里「正しい手順で作られたもの以外、バウムクーヘンと名付けてはいけない決まりになっているの」
ルビィ「どういうこと!?」 ニジガクメンバーがルビィちゃんに栞子は嘘つきって吹き込んでるのがひどいw 栞子「すみません、私の説明不足で誤解させてしまい……字で書くと分かりが良いはずです……」
ルビィ「バウム……バーム……えっ、別物なの!?」
絵里「バウムクーヘンは出来上がりに時間が掛かる上に鮮度がもたないものだから、日本で流通しているバームクーヘンの多くは、日本独自に開発されているのよ」
ルビィ「えっ、そうなんだ……じゃあ栞子ちゃんはそれを……」
絵里「こんなにも素敵なお庭を抱える洋菓子店でさえ、バウムクーヘンを用意することは難しいの」
栞子「私が同好会へ参加するにあたって、ルビィさんが祝いの品を送ってくれましたよね」
ルビィ「う、うん、お姉ちゃんが絶対に喜ばれるからって」
栞子「あれは正式なバウムクーヘンでした、日本では数えるほどしか認められていない、ドイツのお菓子協会が認定した本物のバウムクーヘンです」
ルビィ「……そうだったんだ」
栞子「なので、その感謝を伝えようと思ったのですが、今日、絵里さんのお陰で誤解が解けて良かったです」
ルビィ「そうだったんだ……それなのに、ルビィ……」 絵里「あまり本人の前で言いたくはないけれど、栞子は人付き合いに不馴れで、少し言葉の足りないところがあるの」
栞子「恐縮です……唯一の親友とも呼べる友も、数年前に海外へ帰国してしまい、今は会うこともならず……」
ルビィ「ううん、ルビィこそごめんね、よく話したこともなかったのに、周りの意見で偏った見方をしちゃって……」
絵里「ルビィのそれは掲示板を見すぎている弊害でもあるからそこはそこで直したほうが良いわ」
栞子「もしよろしければ、これからも友人として仲良くしてはいただけませんか……?」
ルビィ「うん、うん!もちろん!ルビィこそよろしくお願いします!」
栞子「そんな、お願いしますだなんて、こちらの台詞です……ふふっ」
ルビィ「あはは!」
絵里「さあ、話してばかりだと紅茶が冷めるわ、次のお菓子を注文しましょう?」 ルビィ「ってことがあったんだぁ!」
ダイヤ「栞子さんと親しくなれて良かったですわ……それはそうと」
ルビィ「どうしたの?」
ダイヤ「バームクーヘンのくだりがよく理解できなかったのですが」
ルビィ「へ!?」
ダイヤ「バームクーヘンはバームクーヘンではありませんか」
ルビィ「でもお姉ちゃんが選んだのは本物のバームクーヘンだったんだよ!?」
ダイヤ「偽物のバームクーヘンって、それはもはやバームクーヘンでは無いのでは」
ルビィ「どういうこと!?」
ダイヤ「マフィンを指してバームクーヘンとは呼びませんよね……?」
ルビィ「何言ってるの!?」
ダイヤ「……?からかっているのですか?」 ルビィ「じゃあたまたまバウムクーヘンだったってこと!?」
ダイヤ「たまたま!?見れば分かるではありませんか!ドーナツのように真ん中にまるい穴の空いた、いくつもの層が重なったお菓子がバームクーヘンですわ!」
ルビィ「そうだよ!」
ダイヤ「そうだよ!?そうですわ!?」
ルビィ「バウムクーヘンはバウムクーヘンしか名乗っちゃいけないの!ルール違反なんだから!」
ダイヤ「ルール違反!?このわたくしがルールを違反したと!?」
ルビィ「何言ってるの!?日本では数えるだけしかバウムクーヘン売ってないんだよ!?」
ダイヤ「数えるほどって、バームクーヘンくらい何万何十万という小売店が扱っているでしょう!?」
ルビィ「そんなことないって!ネットで調べてみれば分かるよ!バウムクーヘンは鮮度が短いから通販では滅多に扱えないんだよ!」
ダイヤ「ネットネットって、ルビィはネットを過信しすぎではありませんか!?真実ばかり書かれているわけではないのですよ!?」
ルビィ「だから調べれば分かるんだって!!」 最後ルビィとダイヤがなんの話してるのかこっちもわかんなくなったわw 治一郎バウムはまじで美味いから売ってるの見たら絶対買っとけ
あとねんりん屋のバウムも 知らずとも逸品を見いだせるダイヤさんがすごいのかもしれん 本来ドルオタ組の栞子への心象が良いわけないんだよなぁ… 本物は固そうだね
普通に日本人向けアレンジのほうが美味しそう… ドイツ国立ナンタラが定める「Baumkuchen」の材料の定義はあるみたいだが、日本語の「バウムクーヘン」が「Baumkuchen」で、「バームクーヘン」は「Baumkuchen」ではないってのは正しくないな。これは単なる日本語の表記揺れに過ぎない。
表記揺れで別物と言い張れるなら、ヴァレンティノを口頭で「ヴァレンチノ」って言ったから偽物でも嘘はついてないと言うようなもの。 貴重な栞子のまともなSSが……と思ったらルビィがアホの子になっていた
絵里はナイスアシスト これはかしこいかわいいエリーチカ
いいお姉さんしてる ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています