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しずく「あなたと叶える物語」かすみ「やがてひとつの物語」
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0001名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/11/06(金) 17:18:01.24ID:DtU/S3S+
ランジュ「この中で私のことを好きな人いる?」

ランジュ「ふふ……無問題ラ!」

ランジュ「私の行動を知ったら……10秒後には嫌いになっているはずだから」


愛「めっちゃ似てるじゃん! さすが!」

果林「よく特徴を捉えてると思うわ」

しずく「……私が演劇部として活動できているのも、かすみさんや同好会の皆さんを裏切ったから」

愛「いつか必ず戻れる日が来るよ」

果林「そうよ、この世に悪が栄えた試しはない……って、エマが言ってたものだし」
0002名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/11/06(金) 17:18:38.93ID:DtU/S3S+
しずく「(かすみさんのダイアモンドは……本当に素晴らしかった)」

しずく「(いったいどんな気持ちで、最上級レベルの笑顔と歌い始めたんだろう)」

しずく「(私にはとてもできそうにない……同好会のみんなを裏切る理由付けには使わせてもらったけど)」

しずく「(悲しい時も みんな一緒だから 頑張れるよ……)」

しずく「うっ……泣いちゃだめだ……私は、私は大女優なんだよ……」
0003名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/11/06(金) 17:19:15.18ID:DtU/S3S+
演劇部部長「しずく」

しずく「部長……もしかしてかすみさんのステージを見ていたんですか?」

演劇部部長「私に彼女のライブを見る資格はないと思うけどね」

しずく「……同好会のライブに参加資格なんてありませんよ、見たいと思った人が見るものなんです」

演劇部部長「しずくを部に売ってまで、演劇部を存続する意味を考えてしまうくらい素晴らしいものだった」

しずく「……それは!」

演劇部部長「こんなこと言ったら部員に示しがつかないね」
0004名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/11/06(金) 17:19:48.79ID:DtU/S3S+
演劇部部長「どこで監視委員会の目が光っているとも限らない、泣くならもっと目立たない所にしたほうがいい」

しずく「すみません、感極まってしまって」

演劇部部長「気持ちはよくわかるよ、もう同好会には戻れないって考えていることもよくわかる」

しずく「戻れると思いますか? せっかく同好会が復活の狼煙を上げようというところで、みんなの気持ちを裏切るような真似をして」

演劇部部長「でもすれば、ショウ・ランジュにしずくが部に入らなければ、演劇部取り潰すと言われたから」

しずく「……あの時の気持ちは全て偽りじゃありません」

演劇部部長「やれやれ、しずくはまだまだ部員として練習不足らしい――人間がいい部分だけでできていると考えてしまっているようだ」
0005名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/11/06(金) 17:20:15.89ID:DtU/S3S+
演劇部部長「繰り返しになるけど、どこで監視委員会の目が光っているとも限らないんだ、体面だけは整えた方がいい」

しずく「部の皆さんに挨拶しませんと……愛さんや果林さんとも」

演劇部部長「部室棟のヒーローが、その知名度ゆえに困ったことになるだなんて、どんなにクソッタレな脚本家であろうとも、そんなシナリオは書かなかっただろうね。この世界の物語だったら、クソだって、みんなから言われてしまうに違いないよ」

しずく「こんな物語が存在するとしたら、読み手は血反吐を吐くほど苦しい思いをするでしょうね」

演劇部部長「無理筋の擁護しかできないだろう……それくらいクソッタレだよ」
0006名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/11/06(金) 17:20:44.66ID:DtU/S3S+
しずく「(愛さんは部に入らなければ、全ての部活が存続できるかどうかわからないと言われた)」

しずく「(それに付き合ったのが果林さん……あなたに悪役なんて似合わないでしょって)」

しずく「(愛さんのおかげで様々な部活動は存続できてる……演劇部もそのはずだったのに……)」

しずく「(同好会の皆の心はこれくらいじゃ折れない……演劇部は脅すことができた、他の子は……)」

しずく「(心配している場合じゃない、私は裏切り者なんだ……同好会のみんなを心配する資格なんてない)」

しずく「(こうなったらかすみさんにはとことん嫌われてしまおう、心の底から嫌われてしまえば……涙も流れなくなるのかな)」
0008名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/11/06(金) 17:21:13.73ID:DtU/S3S+
スクールアイドル部 部室

しずく「これ以上同好会に入ったところで先は見えていますから」

ランジュ「ふうん? 実力があったらセンターにもなれるって言う部に魅力を感じてくれたのね」

しずく「(どうだか……同好会を権力で邪魔するような人間が、実力が上だからといって素直にセンターポジションを譲るかどうか)」

しずく「(仮に彼女が許しても、理事長が許さないだろう……娘の暴挙を黙認している以上、脅しをかける方法なんていくらでもある)」

しずく「それに……元々同好会にいた二人が、信じられないほど成長していました……正直な話、同好会の活動は頭打ちだと思います」

しずく「(あなたたちの妨害のせいで)」
0009名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/11/06(金) 17:21:44.83ID:DtU/S3S+
ランジュ「あなたいい目をしているわね」

しずく「褒めていただいてありがとうございます。生意気そうに見えるでしょう?」

ランジュ「そうね、すごく性格が悪そうに見える。お友達を裏切ってまで部に参加したいって言うんだから」

しずく「この世は実力主義ですよ、実力がない人間はステージに立つことすらできない」

しずく「(愛さんや果林さんの実力が向上すれば、この高慢ちきの顔を見なくてすむようになる……それまで、私はいくらでも裏切り者の謗りを受けよう)」

しずく「それに、友達なんて邪魔なだけですよ、成功するためには、無駄なものはいくらでも排除する必要があります」

ランジュ「言うわね、まずは同好会といったところかしら」
0010名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/11/06(金) 17:22:17.95ID:DtU/S3S+
しずく「そうですね、でも、μ'sやAqoursと言ったスクールアイドルグループと縁故がありますから」

ランジュ「どこかで聞いたことのあるグループの名前ね」

しずく「有名なスクールアイドルグループですよ」

ランジュ「そう、私は、自分より実力が劣っている人間を見るのが嫌いなものだから、記憶になかったわ」

しずく「さすがですね、スクールアイドルでも上位の人達すら凌駕する実力、プロのプロデュースを受けるにふさわしいと思います」

ランジュ「あなたもそのプロデュースを受けられるように頑張ってちょうだい、私をセンターから蹴り落とすくらいにね」
0011名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/11/06(金) 17:22:52.24ID:DtU/S3S+
しずく「(ふう……やっぱりあの人をかすみさんと接触させるわけにはいかない)」

しずく「(プロのプロデュースか……プロはお金で動くものだからそこに情はない、ちやほやされているうちはいいけど)」

しずく「(もしも自分よりも実力が優れた人間がいるようならば、平気で取って変わられるようなアイドルなんて)」

しずく「(そんなアイドルを見上げる人は……きっと、優れた能力を持つアイドルがステージに立っていれば、それでいいんだ、ランジュでも、桜坂しずくでも)」

しずく「(でも、同好会の皆や、かすみさんは違う……かすみさんを応援する人は今は少ないかもしれない……)」

しずく「(ただ、あなたを応援するファンは間違いなく中須かすみを求めている、優れた能力を発揮するアイドルであれば誰でもいい、部品みたいなアイドルとは違う)」

しずく「あなたの姿をステージの下で眺められなくなるのは……本当に残念だよ」
0012名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/11/06(金) 17:23:18.38ID:DtU/S3S+
愛「しずく……」

しずく「おや、同好会に喧嘩を売った宮下愛さんじゃないですか、部室棟のヒーローが聞いて呆れますね、同好会は部活じゃなかったんですか?」

愛「言うようになったね」

しずく「それとも同好会での活動は部活の助っ人のつもりでしたか? 腰掛けでスクールアイドルをやっているんだったら、簡単に裏切れますよね」

愛「(……監視委員会の子がいる?)」

しずく「(……はい)」

愛「でも結局のところ、しずくも裏切っちゃったじゃない、良い環境に誘われて」

しずく「部は実力主義を謳っていますから、演劇部で役を勝ち取るために、日々苦労している私にふさわしい舞台ですよ」

愛「目の前の友達も大切にできない人間が、ファンを大事にできるとは思えないなあ」
0013名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/11/06(金) 17:23:49.56ID:DtU/S3S+
しずく「そうですね、璃奈さんを部に引っ張り込んだのに、スクールアイドル同好会に置いていってしまうんですから、そんな薄情者がファンを大切にできるとは思いませんね」

愛「(……行った?)」

しずく「(……はい)」

愛「りなりーにはどれほど謝ったところで許してもらえないよ、いっそのことをアタシの嫌いになってくれれば気持ちも楽になるのに」

しずく「まだ心の中に愛さんへの情が残っているからこそ、璃奈さんは部への参加を考えているんですよ」

愛「困ったな」

しずく「愛さんの中にも、璃奈さんへの気持ちが残っているから……」

愛「……」
0014名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/11/06(金) 17:24:17.23ID:DtU/S3S+
愛「嫌いになれるわけないじゃん、居心地のいい場所で、アタシはずっとスクールアイドルをやっていたかったよ」

しずく「……しかし、部活を全部取り潰しにできるのは思いません、さすがにそこまで来れば」

愛「でも、一部の同好会や部活動は潰されてしまうかもしれない、愛さんはそんなのはごめんだよ、自分が楽しい思いをしたいからといって、誰かを犠牲にしてまで楽しいことなんかしたくない。そんなのは楽しいの天才なんて言えないよ」

しずく「わがままになっても良かったんじゃなかったんですか」

愛「どのみち元の場所には戻れない、アタシはヒールとして卒業まで過ごさせてもらうよ。ま、センターになるつもりなのは確かだけどね」
0015名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/11/06(金) 17:24:43.16ID:DtU/S3S+
しずく「(活動に参加し始めて驚く……確かに、これなら果林さんも愛さんも並々ならぬ成長を見せるのもよくわかります)」

しずく「(でも全く楽しくない、真剣だから楽しくないっていう気持ちも分かる、ただ、なんだろう? 心の中に広がる空虚感は)」

しずく「(この満たされないものは一体なに? 上辺だけの付き合いをしているから? それともプロとしてお金をもらうっていうのはこういうことなの?)」

果林「随分としょぼくれた顔をしているわね」

しずく「果林さん、さっき振り付け一つ間違えましたよね」

果林「あら、自分の面倒もまともに見られないのに、他人のことばっかり気にしているの? そんなんじゃセンターになるなんて夢のまた夢ね」
0016名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/11/06(金) 17:25:21.54ID:DtU/S3S+
しずく「いつまでもランジュさんからセンターを奪取できない同好会の人は言うことが違いますね」

果林「そこに元ってちゃんとつけてくれないと困るわ、私の肩書きはスクールアイドル部の部員だから」

しずく「……未練があるくせに」

果林「……何を言うつもりなの?」

しずく「同好会で作った衣装を未だに身につけている。同好会のことを忘れられないから、センターが取れないんじゃないですか」

果林「……盤外戦術もお手の物なのね、さすが演劇部のヒロイン――演技ばっかりしているから友達も裏切るのも簡単だった?」

しずく「聞きましたよ、エマさんにまだ起こしてもらってるって」
0017名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/11/06(金) 17:25:47.82ID:DtU/S3S+
果林「厳しい練習をしているとね、起床するのが大変なのよ、エマも部に来ればいいのにね」

しずく「ちなみにどんな表情をしてます?」

果林「顔面が鬼瓦になってる」

しずく「声は?」

果林「サウザー様みたいな声で起きてっていう」

しずく「永遠の眠りにつきたくなりません?」

果林「体を起こしたくなくなるのは確かだけどね……」
0019名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/11/06(金) 17:28:18.11ID:DtU/S3S+
 後日

しずく「(同好会の活動が制限されてるけど……すべてがなくなったわけじゃない)」

しずく「(応援する声はまだ小さいけれど)」

しずく「(その火種は巨悪を打ち倒す力になる)」

ランジュ「同好会はまだ活動してるみたいね」

しずく「気になりますか?」

ランジュ「アナタ、自分の前にコバエが飛んでたらウザイって思ったことないの?」

しずく「(なるほど彼女の中ではまだ取るに足らない存在か)」
0020名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/11/06(金) 17:31:26.16ID:DtU/S3S+
ランジュ「どうやったら活動停止してくれると思う? 優しい私としては出来るだけ穏便な方法で解決したいんだけど」

しずく「正面から正々堂々と勝負するというのはいかがですか?」

ランジュ「それだとこの私が、わざわざ同好会なんかに時間を割いてしまうじゃない」

しずく「(ん? まさか……負けることを恐れている?)」

ランジュ「それに正面から叩き潰しちゃったら、実力の差でいじめになっちゃうじゃない」

しずく「穏便に解決する方法……協力者を断つというのはいかがでしょう」

ランジュ「協力者? ああ、そういえば取るに足らないスクールアイドルのグループだけど、そんな連中が居たって話ね」
0021名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/11/06(金) 17:35:15.34ID:DtU/S3S+
しずく「虹ヶ咲学園スクールアイドル部はやがて天下の頂点に立つんでしょう? その前に日本でも指折りのグループを潰せば……」

ランジュ「あなたってとっても悪い子なのね? 同好会の人間じゃなかったらそんなふうに考えなかったと思うわ」

しずく「褒めていただけて光栄です――でも今の私は同好会の人間ではなく、スクールアイドル部の部員ですから」

ランジュ「でも対外的に喧嘩売ってしまうと厳しいのよね、実力のある人間は疎まれるって言うじゃない?」

しずく「(あなたの場合は性格に難があるからですけどね)」

ランジュ「匿名で部の悪評を広げてる人間がいるみたいなの、どこの誰なのかしらね?」

しずく「さあ? 私には皆目見当がつきません」

ランジュ「ま、同好会の人間には期待していないわ」
0022名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/11/06(金) 17:38:27.28ID:DtU/S3S+
しずく「(スクールアイドル部の悪口? 一体誰がそんな事を)」

しずく「(政財界にも発言権を有している虹ヶ咲学園に喧嘩を売るような真似をする人間なんて……)」

しずく「(可能性があるとすればμ'sやAqoursの人たちだけど……)」

しずく「(でもいいことを聞いた、対外的に活動することは控えたい……つまりμ'sやAqoursの庇護下にあれば同好会の皆が守られる)」

しずく「(自分の実力を思い知らされるから? それとも、他に何か理由がある……?)」

しずく「(果林さんに当たってみましょうか)」
0023名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/11/06(金) 17:41:12.97ID:DtU/S3S+
果林「なるほどね、スクールアイドル部の悪口か……なかなかいい趣味をしているわね、私も参加させて欲しいわ」

しずく「……果林さん、部屋の掃除しません?」

果林「残念なことにね、私が掃除をすると……前より汚くなってしまうのよ」

しずく「(本当に残念すぎる……)」

果林「愛が勉強を見てくれて本当に助かったわ、エマの援護がなかったら私は補習の常連になってしまう」

しずく「(愛さんは果林さんより年下の人間ですよ)」

果林「でも私は全くわからない、学園のこの状況が外部に知られたとしても、平気でつぶせるほど理事長っていうのは偉い人みたいだからね」

しずく「なるほど……」
0024名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/11/06(金) 17:44:05.94ID:DtU/S3S+
しずく「愛さんはどのように考えますか?」

愛「人の口に戸は立てられないけど……うーん、考えるとすれば、同好会のみんながゲリラライブをやり続けてるってことかな」

しずく「それだと悪評が広がっているという理由になりません」

愛「同好会の評判はね日増しに高まってきている、ファンの後押しも続けられてるみたいだよ」

しずく「……お詳しいんですね」

愛「……同好会の情報はいろんな部活のみんなが教えてくれるよ……アタシのことをヒーローかなんかだと思ってるんだ……違うよ、ただの自分本位な裏切りものなんだ」

しずく「……そんな表情をしているとボロが出ますよ」

愛「そのためのギャルメイクだよ、しずくにもやってあげようか」
0025名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/11/06(金) 17:46:56.25ID:DtU/S3S+
愛「少し話がズレてしまったけど、同好会の評判が高まることによって、なぜ彼女たちは外で活動しているのか……そんな話になってるみたい」

しずく「同好会のみんなは何も答えないんですか?」

愛「少なくとも部の悪口を言っているって話は聞かないね」

しずく「……どうして? 悪口を言う要素なんていくらでもあるじゃないですか」

愛「同じレベルにはなりたくないんだよ」

しずく「え?」

愛「部に悪意を向けて活動を阻害するようなことを言えば、部が同好会を妨害することと何も変わらないじゃん、あの子たちはそんな人間にはなりたくないんだって思うよ」
0027名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/11/06(金) 17:50:54.79ID:DtU/S3S+
しずく「(同好会のみんなの評価は日増しに高まっている)」

しずく「(一方こちらの評価は……下がることはないけど高まることはない……トップだから当然ぁ)」

しずく「(トップの人間はA-RISEのように、多くの人の評価をもらってこそ評判が高まっていく……対外的に活動できないのが裏目になった)」

しずく「(ランジュさんも分かっているんでしょう、表立って虹ヶ咲学園スクールアイドル部として活動をすれば、スクールアイドルフェスティバルで踊っていたあの子達はどこに行ったのかと問いかけられる)」

しずく「(同好会の邪魔をすることだけでは、部の評判が頭打ちになっていることの改善策には至らない)」

しずく「(どう出ますか……ショウ・ランジュ)」
0028名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/11/06(金) 17:54:08.35ID:DtU/S3S+
ランジュ「ふん……やっぱり学園の中だけじゃ、私の実力は分かりづらいみたいね」

果林「そうね、いつも同じ観客じゃ、反応も似たり寄ったりでつまらないわ」

果林「(その同じ観客に飽きられつつある)」

愛「いっちょ外に出て有名なスクールアイドルと対決っていうのはどうかな」

ランジュ「対決? どうして?」

愛「昔話でごめんだけど、同好会も有名なスクールアイドルと対決したりなんだりすることによって実力を高めたんだよ」

ランジュ「なるほどね……ザコでも、私たちの評判を上げる追い風程度には活躍してくれるか」
0029名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/11/06(金) 18:01:28.56ID:DtU/S3S+
しずく「(部の評判が停滞している以上、愛さんの提案には乗ってくるはず……さすがですね、果林さんの成績を向上させてることはあります)」

愛「まずは近場のμ'sとかどうかな? 顔見知りだから、アタシが誘いをかけてみるよ」

ランジュ「元同好会のあなたにそんなことをやってもらう必要はないわ、どんなインチキをされるか分からないもの」

愛「そっか、じゃあ、ランジュに全部任せるとするよ」

ランジュ「ふん、バックダンサーが使えないっていうことくらいよく分かっているわ、やっぱり世の中は実力主義よね、そして実力のある人間が苦労するようにできている」

果林「(実力があれば苦労も簡単に乗り越えるんだけど)」

しずく「(いや、問題は監視委員会の人達が使えないってこと……?)」
0030名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/11/06(金) 18:01:55.19ID:DtU/S3S+
栞子「……よく気がつかれましたね、その通りです。生徒会の権限は無事に取り戻すことができました」

しずく「なるほど、だからこそ生徒会役員でもあった監視委員会の子の力を借りることができなかったんですね」

栞子「これも全て同好会の皆様が頑張ってくださったおかげです」

しずく「……どれくらいで問題は解決できそうですか」

栞子「全ての解決は難しいでしょう、悪辣非道の行動を成しているとはいえ、実力があるからこそ許されるという考えは根強いですから」

しずく「実力があるから許される?」

栞子「……何を仰りたいんです?」

しずく「いえ、私は何か大切なものを見落としているかも……」
0031名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/11/06(金) 18:04:59.27ID:DtU/S3S+
ミア「は? 西木野真姫と園田海未のタッグを組んだ楽曲を超えるような曲を作れ?」

ランジュ「そうよ、そろそろ天下の覇権を取ろうと思っているの」

ミア「あなた一人で?」

ランジュ「悔しいけれどね、バックダンサーとして仕入れている同好会の人間の実力が高まっているの」

ミア「……あなたがセンターを譲るつもり?」

ランジュ「まさか、私の実力を超えることなんてありえないわ」

ミア「だったらどうしてそんなに焦った表情してる?」

ランジュ「……周囲の声っていうものに惑わされたつもりはないけど」
0032名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/11/06(金) 18:08:12.78ID:DtU/S3S+
ミア「ふうん……ま、あなたはどうなろうと、私の評価が下がることはないからいいけど」

ランジュ「曲を作ってくれるのね」

ミア「ちょっと前にあなたが連れてきた同好会の人間が、やたらこっちに関わってくるんだよね」

ランジュ「……部長だったかしら?」

ミア「気持ち悪いほど、私を褒めてくるの……残念だけどね、そのせいかモチベーションが上がっているから」

ランジュ「ふうん? ま、いい曲を作ってくれるならいいケド」

ミア「(そう、私はこれ以上ランジュと一緒にいてもモチベーションは上がらない……悪いけれど利用させてもらうよ)」
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