穂乃果「雨だねぇ…」海未「・・・そうですね」
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生徒会室
穂乃果「暇だねぇ」
海未「そうですね」
穂乃果「ことりちゃんは、生地買いに行くって帰っちゃったし」
海未「えぇ」
穂乃果「こんな日に限って、生徒会の仕事も特に無いんでしょ?」
海未「あなたがだらけて居るうちに、私が終わらせたんですよ…」
穂乃果「んー、ありがとう…」
海未「まったく。しっかりしてください、、、」
穂乃果「・・・」 穂乃果「雨すごい・・・」
海未「そうですね…」
穂乃果「もうすぐ台風来るみたいだし。なんだっけ、あの台風の名前」
穂乃果「なんか面白い名前なんだよね、食べ物みたいで」
海未「そうなんですか」
穂乃果「うん。あー……思い出せない」
海未「スマホで調べたらどうですか?」
穂乃果「いや、自分で思い出したいんだけど・・・」
穂乃果「うーん・・・」
海未「・・・」 穂乃果「・・・駄目だぁ」
海未「そうですか」
穂乃果「・・・」
海未「調べないんですか?」
穂乃果「いや、頑張って帰るまでに思い出す・・・」
海未「はぁ…頑張ってください」
穂乃果「うん。穂乃果、ファイトだよー」
海未「・・・」
穂乃果「・・・」
穂乃果「暇だね」
海未「えぇ」 海未「…穂乃果?」
穂乃果「んー、、、」モゾモゾ
海未「…穂乃果」
穂乃果「・・・ん」ギュッ
海未「なんです、急に…」
穂乃果「・・・」
海未「こんなところ誰かに見られたら、恥ずかしいですよ」
穂乃果「…えー?」 穂乃果「もう、今日は誰も来ないよ」
海未「そうかもしれませんが・・・」
穂乃果「良いじゃん。減るものでもないんだし」
海未「そうですけど…」
コンコン、シツレイシマース
穂乃果「!!?」
海未「ほら、言ったでしょう!離して…!」パッ 真姫「・・・」
真姫「…失礼します」
穂乃果「あっ、真姫ちゃん!」
海未「あぁ、真姫でしたか…」ホッ
真姫「…そうだけど、、、邪魔したかしら」
穂乃果「えっ、何を!!?」アセアセ
真姫「二人とも、変な姿勢してるから…」
海未「いや、別に何もありませんよ!何もありません!」
真姫「ふーん…」
真姫「まぁいいわ」 穂乃果「真姫ちゃんはどうしたの?」
真姫「あぁこれ。新曲出来たから、海未に音源渡そうと思って」
海未「もう出来たのですか。早いですね」
真姫「今回はすんなり出来て良かったわ」
穂乃果「さすが真姫ちゃん!」
真姫「どうも・・・じゃあ、私はこれで」
穂乃果「え〜、帰っちゃうの?」
真姫「帰りはしないけど、学校に残って予備校の宿題をするつもり」
海未「部活の無い日に勉強とは、感心ですね」 穂乃果「じゃあさ、ここでやってきなよ!」
真姫「えぇ?」
穂乃果「今日やることなくてさ、暇だったんだよ〜」
真姫「家に帰れば良いじゃないの・・・」
穂乃果「だって、この雨でしょ?」
海未「もう少し雨が落ち着くのを待とうと言っている内に、随分と経ってしまいました」
穂乃果「話すことも無くてさ〜、暇だったんだよ」
真姫「はぁ……まぁ、良いわよ」
真姫「私は勉強してるけど」 穂乃果「えぇー?なんかして遊ぼうよ〜」
海未「ちょっと穂乃果。勉強の邪魔をしてはいけません」
穂乃果「ちぇー……」
海未「私も、真姫を見習って勉強をする事にします」
穂乃果「えー?海未ちゃんまで……」
海未「あなたも、せっかく時間があるのですから勉強してください」
穂乃果「えー・・・」
真姫「分からないところがあったら、教えてあげるから」
穂乃果「はーい…」
海未(先輩後輩禁止とはいえ、ひどい光景ですね……) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
真姫「・・・」カキカキ
海未「・・・」
穂乃果「・・・」ボーーッ
真姫「・・・」カキカキ
穂乃果「・・・」ボーーッ
真姫「・・・」
真姫「・・・ねぇ」
穂乃果「どうしたの?」
海未「?」
真姫「穂乃果……さっきから何もしないのね」
穂乃果「…えっ?あはは、、、」
穂乃果「ボーッとしてた・・・」
真姫「まったく。しっかりしてよね」 真姫「それで、海未もよ」
海未「・・・」
穂乃果「?海未ちゃん?」
真姫「さっきから気になってたんだけど、手が全然動いてないじゃない」
海未「…真姫の言う通り、どうやら私もボーッとしていたようです」
穂乃果「海未ちゃんにしては、珍しいね」
海未「すいません。お恥ずかしいところを…」
真姫「そうよ。二人とも、気が抜けたようになっちゃって…」 穂乃果「なんか今日、あんまり元気でないんだよね・・・」
海未「私も正直、少し抜けたようになっているかもしれません」
真姫「どうしたのよ一体・・・こっちまで調子狂うわよ」
穂乃果「…じゃあさ、こんな日は何かして遊ぼうよ!」
海未「何か、と言うと?」
穂乃果「うーん…しりとりとか?」
海未「はぁ…小学生じゃないんですから」
真姫「・・・」
穂乃果「うーん……」
真姫「…私、UNO持ってるわよ」 穂乃果「え、本当!?」
海未「珍しいですね。どうしたのですか?」
真姫「この間、私の家にUNOがあるって凛に話したら持ってこいって言われちゃって」
真姫「そのまま鞄に入ってるのよ」
穂乃果「真姫ちゃんの家、UNOあるの!?」
真姫「何よ。私の家にだって、遊び道具くらいあるわよ」
穂乃果「良いじゃん、やろうやろう!」
海未「なんだか懐かしいですね。やるからには負けませんよ」
真姫「カード全部揃ってると良いんだけど・・・えーと、三人用のルールは、、、」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
穂乃果「はい」赤2
真姫「・・・」赤3
真姫「あ、私ウノ」
穂乃果「早っ!?」
海未「これはまずいですね…」赤6
穂乃果「うーん…じゃあ穂乃果、ワイルドで、、、」
真姫「何色?」 穂乃果「真姫ちゃんのことだから、同じ色のカードを溜めているはず、、、」
穂乃果「となると、赤以外?」
真姫「・・・」
海未「穂乃果、頼みましたよ」
穂乃果「うーん、、、」
穂乃果「・・・緑!!!」
真姫「・・・」
穂乃果「・・・」ゴクッ
真姫「残念でした」緑の3
穂乃果「あぁーっ!!!」 海未「穂乃果、何をやっているんです!!」
真姫「ふふっ、悪いわね」
穂乃果「ちぇー、、、海未ちゃんと最下位決定戦かー」
海未「最下位だけは、避けなくては……」
海未「負けませんよ!」
穂乃果「よし来い!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
穂乃果「…はい」黄9
海未「・・・」青9
穂乃果「はい」青ドロー2
海未「・・・」赤ドロー2
穂乃果「あー…四枚かぁ、、、」
海未「私、ウノです」赤6
穂乃果「・・・」ドロー4
海未「あぁ、もう・・・」
穂乃果「…はい」赤4
海未「はい」緑4
穂乃果「もう、色変えないでよー…」ドロー
海未「真剣勝負ですからね」緑0 穂乃果「ふんっ」緑スキップ
海未「・・・」
穂乃果「・・・」青スキップ
海未「…ちょっと」
穂乃果「・・・ウノ!」青2
海未「…残念でしたね」青赤ドロー2
穂乃果「ちょっと、それは無いよー……」
海未「・・・」赤5
穂乃果「・・・」
穂乃果「…ウノって言ってないんじゃない?」
海未「・・・」2ドロー
真姫「・・・」
真姫(…長いわね)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五分後
穂乃果「…うの」黄色2
海未「・・・」ドロー
穂乃果「はい、黄色の7。私の勝ち!」
真姫「随分長かったわね」
海未「はぁーっ……やっと終わったという安堵の方が先に来ますね」
穂乃果「そうだねぇ……」
ゴロゴロドッカーン
穂乃果「うわ、雷!?」
海未「先程よりも凄い雨…」
真姫「これじゃ、まだまだ帰れそうにないわね・・・」 穂乃果「…もう一回、UNOやる?」
真姫「・・・どうかしら」
海未「…やはりUNOは、四人以上いないと盛り上がりに欠けますね」
穂乃果「だよねぇ……」
真姫「・・・」 真姫「帰れなくなった事だし、ピアノでも弾きに行こうかしら」
穂乃果「おぉー、いいねぇ……」
真姫「・・・二人も、音楽室来る?」
穂乃果「良いの!?行く行く!」
海未「雨の日のピアノというのも、優雅なものですね」
海未「では、お言葉に甘えさせていただきます」 穂乃果「真姫ちゃんの方から聴かせてくれるなんて、今日は雨が降るね!」
真姫「もう降ってるわよ」
海未「確かに、珍しいかもしれません」
真姫「そう?」
穂乃果「穂乃果、もっと真姫ちゃんのピアノ聴きたいのに!」
真姫「でも、穂乃果はピアノって柄じゃないでしょ」
海未「くすっ。確かに」
穂乃果「ひどい!」
真姫「じゃあ、行きましょ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
真姫「〜♪」ポロロン
真姫「ふーっ・・・以上よ」
穂乃果「すごい!」パチパチパチパチ
海未「流石です・・・!」パチパチ
真姫「ありがと」
穂乃果「新曲、最高だよ!」
海未「えぇ。今までで一番、好きな曲かもしれません」
真姫「本当?嬉しいわ」
穂乃果「あんこーる!あんこーる!」
真姫「えぇ?どうしようかしら…」
コンコンコン
海未「?」 先生「おーい、高坂?」ガラガラ
穂乃果「あれ、先生どうしたんですか?」
先生「取り込み中のとこ悪いんだけど、生徒会の関係でちょっとだけ職員室来てもらって良い?」
穂乃果「あ、はーい」
真姫「呼び出し?」
穂乃果「ごめんね。ちょっと行ってくる!」
海未「私もお供しましょうか」
穂乃果「あー、いいよ。そんなに大した用じゃないみたい」
海未「そうですか」 穂乃果「じゃ、行ってくるね」タッタッタッ
真姫「生徒会長も大変ね」
海未「そうですね…」
海未「ことりと私で必死に支えて、なんとかやってくれています」
真姫「どっちかと言うと大変なのは、二人の方かしら」
海未「ふふっ。さあ、どうでしょうか」 海未「さて、穂乃果が帰ってくるまでどうしましょうか」
真姫「・・・」
真姫「…ねぇ、気になっていたことがあるんだけど」
海未「なんでしょう?」
真姫「私が生徒会室に行くまで、二人で何してたわけ?」
海未「・・・」 真姫「私が入った瞬間、急に離れたような姿勢だったわよ」
海未「…別にそんな、大したことはしてませんよ」
真姫「…大したことって、何」
海未「・・・」
真姫「今日の海未達の気が抜けてるのと、何か関係があるかと思ったんだけど・・・」
真姫「まぁ、言いたくないのなら良いわよ」カミノケクルクル
海未(・・・真姫はここまで、他人に首を突っ込む人でしたかね…)
海未(ふふっ。誰の影響を受けたのでしょうか) 海未(音楽室に誘ったのも、ひょっとすると心配してくれているのでしょうか)
海未「・・・」
真姫「まぁ…いいわ」
真姫「じゃあ穂乃果が来るまで、また何か短い曲でも弾いて・・・」
海未「穂乃果が、急に私の手を握ってきたのですよ」
真姫「・・・え?」 海未「今日の穂乃果、どこか元気が無かったでしょう?」
真姫「・・・」
海未「それで子供の時みたいに、唐突に手を繋いで来るものですから」
海未「私が恥ずかしがっている所に、真姫が訪れたんです」
真姫「・・・」
真姫「…それは、雨だから?」 海未「・・・はい」
海未「穂乃果がステージで倒れた、あの日以来です」
海未「雨の日になるとたまにこうなってしまって」
真姫「・・・」
海未「恥ずかしい話ですが、穂乃果があんな感じでは私までどうにも調子が悪いようで…」
真姫「…そうなの」
海未「意外でしたか?」
真姫「まぁ、意外と言えば意外ね、、、」 真姫「・・・」
真姫「でも、ちょっと安心したかも」
海未「?…安心、とは?」
真姫「穂乃果にも、それと海未にも…そういう時があるのね」
海未「・・・」
真姫「だから、少し安心したの」 海未「…真姫にも、あるのですか?」
真姫「そりゃ、しょっちゅうよ」
真姫「作曲が上手くいかなかったり、ピアノ弾いていても楽しく無かったり」
海未「…なるほど。分かる気がします」
真姫「誰にでも、多分あるのね」
海未「・・・はい」 真姫「…でも最近、気づいたことがあるのよ」
海未「?」
真姫「…そういう時は花陽や凛と話すと、少し気が楽になるというか、落ち着くというか」
真姫「なんとなく、そんな気がするの」
海未「・・・そうですか」
海未「あの二人と話していると気が安らぐというのは、分かる気がします」
真姫「そうでしょ」
海未(なるほど。真姫にとって、花陽と凛が…)
真姫「・・・?」 真姫「なんか海未、嬉しそうね」
海未「?そうでしたか?」
真姫「そうよ。私、何か変なこと言った?」
海未「いいえ、何も」
真姫「じゃあ何よ、その顔」
海未「なんでもないんです、なんでも……あっ」
真姫「?」
海未「カーテンの向こう…晴れてませんか?」
真姫「・・・本当。晴れたわね」 海未「カーテンを開けましょうか」シャーーッ
真姫「ん、眩しい・・・」
海未「先ほどまでの天気が嘘みたいです」
ドタドタドタドタ
海未「はぁ、この音は…」
真姫「どうやら穂乃果が帰ってきたみたいね」
海未「そのようです。まったく、騒がしい…」
真姫「でも、元気そうじゃない」
海未「えぇ」 ガラガラガラ
穂乃果「ねぇねぇ!晴れたよ!」
海未「もう。生徒会長が廊下を走ってどうするんですか」
穂乃果「だって、早くしないと一日終わっちゃうよ!」
穂乃果「帰り、どこか寄って行かない?」
海未「今からですか?」
穂乃果「うん!真姫ちゃんも行くでしょ?」
真姫「いいわよ」
海未「そう言えば真姫、勉強は大丈夫ですか?」
真姫「そんなの、家でやればいいのよ」
穂乃果「さっすが真姫ちゃん!」 海未「それで、どこに行くのですか?」
穂乃果「ん〜、歩きながら考える!」
穂乃果「だから二人とも、急いで急いで!」
真姫「はい、はい」
海未「分かりましたから、急かさないでください」
真姫「…空はもうすっかり、晴れたようね」
海未「えぇ、日差しが眩しいです」
海未「少し、体を伸ばしてから行きましょう……」ノビーー
真姫「そうね、、、」 真姫「ん……気持ち良い、、、」ノビーー
真姫「ふぅ。やっぱりお日様が無いと、元気が出ないみたいね。私たち」
海未「そうですね」
真姫「海未。せっかくだから穂乃果と手、つないで行ったら?」
海未「え、えぇ?」
穂乃果「もう〜、二人とも、早く早く!」
終わり おつ〜
こういうしっとりした話もいいな
今日も頑張れる気がするわ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています