穂乃果「全くもって不満だよ」
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ガチャ
穂乃果「おっはよー!」
ことり「おはよ〜」
にこ「あら、休日なのに早いのね」
穂乃果「うん!今朝はね?なんとね!珍しく早起き出来たんだよ!凄いでしょ!?」
にこ「はいはい」
ことり「待ち合わせ場所に行ったらもう居たから、ホントにびっくりしたよぉ」
穂乃果「でしょー!」 にこ「……普段パワフルな奴ほど、朝は弱いってゆーのにね」
穂乃果「ぶぅ。にこちゃんだって、朝いっつも眠そうにしてるじゃん!」
にこ「私はね、お弁当と朝ごはん作らなくちゃいけないから早いのよ!」
穂乃果「あ……そ、そっか。ごめんね……」
にこ「……」
穂乃果「……っ」
にこ「──ふんっ!」ピンッ
穂乃果「いたぁ!?」
にこ「下らないこと気にしてんじゃないの」 穂乃果「あたた……、う、うん。ありがと」
ことり「ふふっ♪」
にこ「で?海未はどうしたの?」
穂乃果「あ、えっとね?海未ちゃんは弓道部の朝練してから来るんだって」
にこ「……ハァ。」
にこ「私なんかより、あの子の方がよっぽど大変だと思うわ」
ことり「日舞のお稽古とかもあるから、毎日陽が登るころにはもう起きてるんだって」
穂乃果「ホント、海未ちゃんって凄いよね」 ことり「でも、ことりは少し心配だなぁ」
穂乃果「う〜ん。」
にこ「……」
にこ「……思い出した。」
ことり「へ?」
穂乃果「なに?」
にこ「私、どうしても今日、部室の掃除をしときたかったのよ」
穂乃果「んん?それがどうしたの?」 にこ「棚の整理とかもしてたら、多分丸一日は掛かると思うわ。だから、みんなに手伝って貰おうと思ってね」
ことり「!」
ことり「そうだねぇ。大分埃も溜まってるだろうし、この際だからみんなでやろっか♪」
穂乃果「ぇえ?ふ、二人ともどうしたの?」
にこ「だから、みんなが手伝えばゆーっくりやっても、午前中くらいで終わるって言ってんのよ」
ことり「そうそう。お喋りしながら、楽しくの〜んびりお掃除しよう。って事だよ?」
穂乃果「……」
穂乃果「?」 にこ「……アンタ、ホントに○ほのかね」
穂乃果「ァアーッ!それ言っちゃいけないんだぁーっ!!!」
ことり「あ、あはは……」
にこ「いいから、アンタは隣の部屋から掃除道具持って来なさい」
穂乃果「ふーんだ!そのうち、モップでにこちゃんの事ゴシゴシしてやるんだから!」ガチャ
バタンッ
にこ「……その前に、アンタの顔を雑巾でゴシゴシしてやるわ」
ことり「ま、まぁまぁ」 にこ「でも、これで午前中は、あの子もゆっくり出来るんじゃないかしら?」
ことり「うん。にこちゃん、ナイスアイディアだよ♪」
にこ「でしょー?我ながらよく思い付いたと思ったわ」
ガチャ
「お、遅くなりましたぁ」
にこ「お?噂をすれば──っ」ビクッ
ことり「あ、海未ちゃ──っ」ビクッ
海未「えっと、お、お疲れ様です」 にこ「……」
ことり「……」
海未「……あ、あのぅ、」
ガチャ
穂乃果「ねぇ、にこちゃーん!チリトリ知らなーい?」
にこ「……」
穂乃果「ねぇってばぁ!──あっ、あとさっきの聞こえてたからね!?」
ことり「……」
穂乃果「もし、穂乃果のこと雑巾でゴシゴシなんてしたら、お母さん許さないよ!」 「あ、穂乃果」
穂乃果「ァアーッ!?また言ったぁー!!!だからソレ言っちゃダメなヤツ──」クルッ
穂乃果「!!?!?」ビクッ
海未「や、やぁ」
穂乃果「……」
海未「あはは。ど、どうも、」
穂乃果「……う、うみ……ひゃん……?」
ことり「〜ッッッ」
にこ「ッッッ」
『なぁんでメイクしてるのぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっっ!!?!?!?』 海未「あー、こ、これはですね?」
穂乃果「めっ、めっ……っ!」
ことり「……っ」
にこ「アンタ……っ、部活だったんじゃないのっ!!?」
穂乃果「なんで!?なんでなの!?」
海未「あのっ、じ、実はですね?コレは」
「……デートだ。」
海未「へ?」
ことり「……」 穂乃果「で、デートぉ!?」
にこ「あっ、アンタ──ッ!」
にこ「ご法度よっ!!!この部は恋愛禁止っ!!ファンを愛しなさいファンをっ!!」
海未「いえっ!こ、コレはですね!」
ことり「正直に言って」
にこ「そうよ!正直に言いなさいっ!!」
ことり「海未ちゃん。どこの女とデートして来たの」
にこ「そう!どこの女と──」
にこ「は?」 海未「え?」
穂乃果「お、おんな?」
ことり「……」
にこ「……ことり?アンタ、なに言ってんの?」
穂乃果「う、海未ちゃん。女の子とデートしてきたの?」
海未「いえあのっ!そうではなく、」
ことり「早く言って。ことりおかしくなっちゃう」
海未(もうおかしいです!) 海未「こ、ことり……?あのですね、」
ことり「……」
海未「先ず、デートと言う物は普通、同性の方ではなく異性の、この場合は殿方が」
ことり「あり得ないからっっ!!!!!」ガォッ
海未「!?」ビクッ
にこ「ひいぃぃっ!!?!?」ズザッ
穂乃果「ごご、ごめんなさいぃっ!!」ガバッ
ことり「殿方っ!!?殿方ってなに!?バ○殿!!?」 ことり「海未ちゃん、お笑い芸人さんとデートして来たの!?」
海未「だ、だから!芸人の方ではなく男性と──」
ことり「この国に!男性なんて言う生き物はいませんっ!!いいから早く海未ちゃんを誑かした女の名前を言ってっ!!!」
海未「〜ッッッ」
海未「な、なぜ!貴方がそこまで怒るのですか!?大体アナタ、この間穂乃果と結婚どーのこーの言っていたではありませんか!」
ことり「えぇ言いましたよ!!それがなにか!?」 海未「だったら!私がどこの何方とお付き合いしようが関係ないでしょう!?」
ことり「それとこれとは話が別だからぁっ!!」
ことり「言ったでしょ!?私達は三位一体なの!!穂乃果と海未とことりでハッピーセットなのぉっ!!!」
海未「ハッピーなのは貴方の頭だけで十分ですっ!!」
ことり「てゆーか!行く行くは三人一緒に同じ家に住むって言う、ことりのそぉーだいな!それはもうそぉーだいな野望があるんだからっ!!!」 穂乃果(あれ?じゃあ、この間ことりちゃんちに挨拶に行かなくても良かったんじゃ……)
にこ(そんな話してたの?この三人は……)
ことり「一回ピンポンしたら穂乃果ちゃんが出で!二回目でことりが出て!三回目で海未ちゃんが出てくる家にしたいのっ!!!」
海未「どこぞの大使みたいに言わないで下さいっ!!なぜ一回目で済まそうとしないのですか!?」
ことり「私たち三人で暮らしてますってゆーアピールに決まってるじゃん!!シル○ニアファミリーみたいなお家でーす!ってゆー宣伝じゃん!!!」 海未「どうして宣伝などしなくてはならないのですか!?」
海未「そもそも!貴方の様な凶悪なファミリーが住み着いたら、それこそ一日で家が崩壊してしまいます!!」
ことり「ことりは凶悪なんかじゃありませーん!!元々は海未ちゃんが悪いんですぅー!!だから海未ちゃんが凶悪なんですぅーっ!!!」
海未「私のどこが凶悪なんですかっ!!!」
ことり「そぉーゆートコでぇーっす!!!」ピェエエッ!!
穂乃果「……あ〜あ、またしばらく終わんないヤツだよ」
にこ「アンタの幼馴染みでしょ、早くなんとかしなさいよ」 穂乃果「無理だよぉ。ことりちゃんが顔真っ赤になると、もう何言っても止まんなくなるんだもん」
にこ「……確かに、普段とのギャップが激しすぎるわね。とても割って入れる様な雰囲気じゃないかも」
穂乃果「でしょ?取り敢えず、ことりちゃんの熱が冷めるまで待つしかないよ」
にこ「でも、この間もこんな事あったんでしょ?その時はどうやって止めたの?」
穂乃果「……」
にこ「?」
穂乃果「…………し、自然に……成り行きで……っ///」
にこ(なんで赤くなってんのよ。) 「──大体ですね!」
海未「この国では!同性の結婚は禁じられているのですよ!?分かってますか!?」
ことり「きいぃぃいぃぃぃぃッ!!!その呪いの言葉ぁ!!」
海未「先ず、日本国憲法第24条に於いて──」
ことり「この国はぁっ!!!」ドガァッ
海未「!?」
ことり「この国は女性と!犬と!クリス○村しか居ないんですぅ!!!」
ことり「両性なんて言葉、この国には存在しませんっ!!!それにぃ!貴方は犬と結婚出来ますかぁ!?」 海未「馬鹿も休み休み言いなさいっ!!男性が居なければ、そもそも国として成り立たないでしょう!?」
ことり「成り立ちますぅ!!女の子だけの秘密の楽園がこの島国なんですぅ!!」
海未「じゃあ!あのおじさんは一体なんなんですか!?あーゆーロボットですか!?」ビシッ
おじさん「!?」ビクッ
ことり「おじさん!?あの犬のこと言ってるの!?おじさんって名前の犬なの!?」
おじさん「///」 海未「お馬鹿ここに極まれりですねっ!!!あの方は歴とした人間ですっ!!!社会的地位を持った立派な大人の方ですっ!!!」
ことり「いらないからぁ!!!私たちマイノリティを排除する様な社会なんて、ことりたちが淘汰してやるんだからぁ!!!」
海未「それでは、結局淘汰される側が何れはマイノリティになってしまうではないですかっ!!!少し考えてから喋りなさいっ!!!」
ことり「考えてるよっ!!!ずっとずっとずぅーーーっっっと!!!!!」
ことり「三人仲良く幸せに暮らせる様に、毎日毎日考えてるんだからぁあああああっっっ!!!!!」
海未「!!?!?」 ことり「それがことりの幸せなんだもんっ!!!いちばんの幸せなんだもんっ!!」
海未「っ」
ことり「だからぁ!!私は絶対に許せないんだよっ!私の知らない所で、二人が誰かのものになっちゃうのがぁ……」
ことり「いつの間にか……っ!海未ちゃんの中で、私の価値がぁ……一つ下がっちゃうのがぁ……っ」
海未「……」
ことり「……そんなのっ、絶対ガマン出来ないんだよおぉぉぉ……っ」
海未「……」
海未「ことり。」 ことり「うっ、うぅ……」
海未「私は、誰のものでもありませんよ」
ことり「うぅ……やだぁ、海未ちゃんはことりのなのぉ……」
海未「違います。私は物なんかじゃありません」
ことり「っ……ヒッ……ッ」
海未「……」スッ
海未「──ことりの連れ合いです。」ギュ
ことり「!!?」 海未「それでは、いけませんか?」ナデナデ
ことり「うぐっ、うっ、うみひゃん……っ」
ことり「どうして、メイクなんてしちゃったのぉ……?」
海未「い、いえ。コレはただ、私のファンだと仰る一年生の子達にして貰っただけでして、特に深い意味は……」
ことり「ダメだよぉ……っ、そんなのダメなんだよぉ……」
海未「……どうしてですか?私にメイクは不釣り合いでしょうか?」
ことり「違うよぉ!」 海未「な、ならば何故?」
ことり「だっでぇ……っ、だっでうみぢゃんっ、ただでさえ可愛いのにぃ……メイクなんかしたら、絶対他の人に取られちゃうもん……っ」
海未「か、かわっ///ななっ、何を言っているのですか!?」
ことり「可愛いすぎるよぉ……っ」
海未「……」
海未「大丈夫ですよ。私は、ことりと一緒にいますから」 ことり「うぅ……ほんとぉ?」ウル
海未「っ」キュン
海未「ほ、ほんとです!」
ことり「…………ふぁ、」フラ
海未「おっと!」ガシッ
ことり「……よかったぁ〜」ニコ
海未「ふふ。しょうがない子ですね」
ことり「えへへ〜♪」 海未「ことり、自分で立てますか?」
ことり「うっ……、叫び過ぎて、腰抜けちゃったかもぉ……」
海未「もう、仕方がないですね」
スッ
ことり「!」
海未「では、少し保健室で休ませて貰いましょう」
ことり「う、海未ちゃ──っ///」 海未「おや、コレでは不満ですか?」
ことり「あっ、う、ううん!ただ、あの……」
ことり「お、お姫様抱っこって、ことり初めてだからっ///」
海未「ふふ。仲睦まじい感じで、とてもいいではありませんか。」
ことり「そ、そうだねぇ」♡
海未「それでは、行きましょうか」
ことり「はぁ〜い♡」
ガチャ
──バタンッ 穂乃果「……」
にこ「……」
穂乃果「…………にこちゃん。」
にこ「…………なによ、」
穂乃果「ダイナミックに浮気された」
にこ「……そう。」
【おわり】 ことほのうみが至高にして頂点だって再確認できるSS ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています