凛「ロンにゃ!天下無双にゃ!」
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凛「のーぞみちゃん!何やってるの?」
希「ああ、凛ちゃん。まだ帰ってなかったんやね」
凛「うん、かよちんが先生に呼ばれちゃったから、部室で待とうかなと思って。希ちゃんは?」
希「ウチも一緒やよ。絵里ちが生徒会長の仕事で先生と話している間、待ってるんだ」
凛「そうなんだ、それで何やってたの?」
希「ああ、これはね、麻雀だよ」
凛「まーじゃん?」 希「ウチ、転校が多かったからあんまり友達と直接会って遊んだりする機会がなくって。それでネット上でできるようなゲームとかで遊んでたんだ」
凛「希ちゃん……」
希「だけど、女子高生が麻雀なんて、ちょっと恥ずかしくって……あんまり人に言えなかったんよ」
凛「恥ずかしくなんてないよ!希ちゃん、麻雀できるなんてすっごいにゃ!」
希「凛ちゃん……」
凛「ねぇねぇ希ちゃん!凛にも麻雀教えてほしいにゃー、なんだか麻雀できると賢そうだし!」
希「……ありがとね、凛ちゃん。それじゃあ少し教えよっか」 希「まず麻雀の目的なんだけど、14個の牌っていうのを綺麗な形に整えて得点を貰うことなんよ」
希「麻雀の牌はいくつか種類があってね、まずわかりやすいのが『萬子』っていうシリーズ。これには一から九までの漢数字が描いてあるよ」
希「それから『筒子』。まあるい玉みたいなのが描いてあってね、これもその個数が一のものから九のものまで九種類あるん」
希「そして『索子』。竹みたいな絵が描いてあってね、やっぱりその竹が描かれてる数が一から九まであるよ」
凛「これだけちょっと変わってるね。鳥みたいに見えるにゃ」
希「そうやね。ウチも詳しくは知らないんやけど索子の一は鳥がモチーフのものがほとんどみたい」
希「あとはまとめて『字牌』って呼ばれてるものやね。東南西北白發中の7種あるよ」
凛「とん……なん……?」
希「日本語だと東西南北のことだよ。麻雀ではトンナンシャーペーっていうんよね」
凛「呪文みたい……まるでラーメンの注文にゃ」 希「字牌も大きくわけると2つになるよ。まずは東南西北の4種類。これは『風牌』っていわれるよ」
凛「風牌?」
希「そう。麻雀って1ゲームで終わるか、2ゲーム続けてやるかが大半なんだけど、その1ゲーム目を東場、2ゲーム目を南場っていうんよね」
希「この、東場の時の東、それから南場の時の南は、場風って言い方をするよ。この場合の風は、方角っていうような意味みたいやね」
希「それから場風の他に自風っていうのがあってね、これは親には東の風が、そこから左回りで南、西、北の風がそれぞれのプレイヤーに与えられるんよ」
希「それでね。ここからが大事なんだけど、場風の牌や自風の牌を3つ集めると、勝った時の得点が上がるんよね」
希「それからもう1つが『役牌』で、白發中の3種類。こっちはもっとシンプルで、誰でも3つ集めれば勝った時得点になるよ」
凛「真っ白で何も描いてないにゃ〜」
希「最初はね、予備の牌と勘違いしたりするのはあるあるやね」 希「これらの牌を引いては捨ててを繰り返して、3つの塊を4つ、2つの塊を1つの5ブロック作ることが目標だよ。数字絡みの牌だったら同じ数字を集めるか、数字の階段を作る。字牌だったら順番がないから同じ字を集める」
希「例えばこんな感じやね」
一二三三四五二三四九九西西西
萬萬萬萬萬萬筒筒筒索索
凛「マンズの数字の階段やジハイのまとまりで、全部で5ブロックになってるにゃ」
希「こういう綺麗な形を出来るだけ早く作るっていうゲームなんよ。基本的にその形が綺麗であればあるほど、難しければ難しいほど得点が高くなるんだ」
凛「凛、聞いたことあるよ!リンシャンカイホーとかだよね!」
希「まあ、そうやね。嶺上開花(リンシャンカイホー)とか、平和(ピンフ)とか断么(タンヤオ)とか。こういうのを役って言って、どういう役を目指すかを考えながら進めていくのがセオリーかな」
希「そうやって何回かやって1番点をとれた人が勝ちっていうゲームやね」
凛「面白いそう、やってみたいにゃー!」
希「凛ちゃんが興味を持ってくれてよかった。それじゃあもうちょっと踏み込んだルールを説明するよ。まず──」 希「──っていうのが、だいたい2週間くらい前の話やね」
真姫「そういう訳なのね。凛がいきなり麻雀にハマり出したから、何か危ないことしてるんじゃないかって心配だったのよ」
希「それは麻雀に偏見持ちすぎやないかな……」
絵里「だけど、私もちょっと行き過ぎてるとは思うわ」
海未「ええ。最近の凛はどこか上の空ですし、練習も身に入ってないような印象を受けます」
真姫「そうなのよ……空いた時間は私や花陽と話すことが多かったのに、今はほとんどながら麻雀してるのよ」
花陽「真姫ちゃんの寂しい気持ち、分かるよ」
真姫「べ、別にそういうんじゃないけど!」
穂乃果「今は練習にも来てはいるんだし、とりあえず気にしなくていいんじゃないかな」
ことり「そうだよね。凛ちゃんの趣味ならおこっちゃうのはかわいそうだよ」
真姫「それは、そうかもしれないけど……」
希「ちょっとのめり込み方が変なんよね。まるで何かに取り憑かれたみたいで……」
花陽「えぇっ!?」
絵里「ちょっと希、脅かさないでよ!」
希「ご、ごめん絵里ち。そういうつもりじゃないんやけど……」 真姫「でも、このまま放っておくのはなんだかこわいわ」
海未「やはりきちんと話し合ってやめてもらうべきでは?」
絵里「だけど、ことりも言ったように現段階で趣味をやめさせるほどの大義名分はないのよね」
ことり「自主的にやめてもらうようにしなきゃいけないってこと?」
穂乃果「えー、できないよ、そんなの」
にこ「あるわよ」
花陽「え?」
真姫「いつからいたのよ」
にこ「いたわよ最初から!それで、とっておきの策を考えたんだけど……」
絵里「あまりいい予感はしないのだけれど……」
にこ「ふん、聞いて驚きなさい!要するに、もうしたくなくなるように仕向ければいいのよ」
海未「ですが、それが難しいという話だったのでは……」
にこ「いいえ、簡単よ。麻雀はクソゲーだってことを、凛にわからせてやるのよ」 真姫「どういうことよ」
にこ「つまり、凛をコテンパンにやっつけるのよ、麻雀でね!」
絵里「コテンパンに……?」
にこ「ほら、オセロでもトランプでも何でもいいけど、たまたま運が悪くて負けが続くと、もう二度とやってやるかって気になるでしょ?」
海未「そうでしょうか?私はどれだけトランプで負けても次は勝つと燃え上がるタイプなのですが……」
ことり「あ、あははは……」
にこ「あんたそれで勝った試しないでしょ」
海未「そ、そんな……ことは……」
にこ「まあ、確かに海未みたいなタイプもいるでしょうけど、全員がそうではないでしょ」
穂乃果「穂乃果はわかる!雪穂とマリカーとかしてて負けるともういいってなるもん」
にこ「でしょ?だから、あえて正々堂々と麻雀で凛と勝負して、凛を負けさせればいいわけ。そのうちまたやりたくなる日が来るかもしれないけど、しばらくはやめさせることができると思うわ」
花陽「う、上手くいくかなぁ……」
にこ「それに……」
真姫「それに?」
にこ「……せっかく希がこうして話してくれたんだから、みんなと打たせてあげたいじゃない」
希「にこっち……」 にこ「で、どうなの?この作戦でいく?」
絵里「ええ。いいと思うわ。積極的に注意するのもはばかられるものね」
海未「私は練習態度のことを指摘すべきとはおもうのですが、絵里がそう言うなら……」
希「それやけど、1つ問題があってね」
ことり「問題?」
希「凛ちゃん、ちょっと強すぎるんよね」
にこ「そうは言っても初めてたかだか2週間とかなんでしょ」
希「そうなんやけど、最近の凛ちゃんのプレイを見てると、序盤の牌の切り方とか、高い点の出し方とか、降り方とか……とても初心者とは思えないんよね」
希「だからさっき、取り憑かれたみたいって言い方をしたんだけど……」
真姫「確かに……雰囲気もちょっと正気じゃない感じはするのよね」
穂乃果「じゃあ、希ちゃんでも勝てないかもしれないってこと?」
希「長いことやってるウチとトントンやろうね。それに、麻雀って2人で対戦ができないゲームなんだ」
ことり「そうなんだ〜」
海未「確か、4人で行うものなんですよね?」
希「そうやね。3人でも出来なくはないけど、今回の目的としては凛ちゃんがやってる4人麻雀じゃないと意味合いが薄いと思うし」
希「ウチ以外にあと2人、打てる人が必要になっちゃうんだ」 にこ「希に教えてもらって特訓すればいいんじゃない」
海未「待ってください!凛を正気に戻す為に私たちまでどっぷり麻雀やるわけには!」
絵里「確かに……それでは本末転倒ね」
希「それに、その間にもどんどん凛ちゃんが強くなっちゃったらウチでも勝てなくなっちゃうかもやからね」
ことり「どうしたらいいのかなぁ」
穂乃果「なんだ、簡単だよ!」
希「えっ?」
海未「どうしたんです、いきなりスマホなんか操作をして……」
穂乃果「あっ、千歌ちゃん?やっほー!」
花陽「ええ!?Aqoursに電話しちゃったの!?」
真姫「もう、相変わらずの行動力ね……」 穂乃果『──と、言うわけなんだけど、どうかな?』
千歌「麻雀かぁ〜、やったことある人いる?」
善子「ずら丸の家はお寺なんでしょ?そういうのにも詳しそうだけど」
花丸「お寺の娘だからって、中国から伝わってきたもの全部に詳しいわけじゃないずら。それをいうなら善子ちゃんだって、ゲームに詳しいんじゃないの?」
善子「私はほとんどFPSとかそういうゲームしかしないのよ。あと、ヨハネ!」
梨子「曜ちゃんなら器用だし、すぐに覚えられそうじゃない?」
曜「わあ、無茶振り!」
千歌「確かに!曜ちゃん、どう、どう?」
曜「うーん、楽しそうだし、覚えられるかもしれないけど、すぐっていう訳には……」
千歌「そしたら……」
ダイヤ「お話はわかりました」
梨子「ダイヤさん?」
ダイヤ「このわたくしでよろしければ、凛さんのお相手をいたしましょう」 千歌「すごい、ダイヤさん、麻雀できたんだ!」
ダイヤ「ええ、黒澤家では古来より、分家と宗家で揉め事があった際には、麻雀にて白黒つけるという風習があるのですわ」
ルビィ「え、ルビィ知らない……」
ダイヤ「ええ、勿論今は行われておりませんもの。ただ、そのためなのかはわかりませんが、内浦の一帯の人間がたまに集っては麻雀しているそうなのです」
果南「なんか防御力が高いらしくてね、『ベタ降りの黒澤』っていう異名があるんだって」
鞠莉「皮肉のつもりなんでしょ。でもかえって名誉だと思うわ」
ダイヤ「ですので、黒澤家の長男または長女は、日舞やお琴と同じように麻雀を教えていただくのですわ」
ダイヤ「凛さんがどれほどの実力の持ち主かはわかりませんが、わたくしがAqoursを代表して対局させていただきます」 あなた「──なるほど、そういう話なんだね」
愛「麻雀かぁ〜、おばあちゃんたちがたまに打ってるところは見たことあるけど、ルールまではわかんないや」
しずく「璃奈さんはボードゲーム好きじゃなかった?」
璃奈「私はカタンとかドミニオンみたいなボードゲームのほうが好き。麻雀はルールくらいしかわからない」
かすみ「しお子の家にはそういうしきたりないの?」
栞子「いえ……それに私は長女ではないですし、仮にあったとしても受け継ぐのは私ではないでしょう」
彼方「寮生の人ってさ〜夜な夜な集まって麻雀とかしたりするんじゃないの〜?」
果林「どんな偏見なのよ……あいにくやったことはないわ」
エマ「役に立てなくてごめんね……」
歩夢「あなたは麻雀のアプリ、やってたよね?」
あなた「まいったな……打てるには打てるけど所詮ただの素人だし、そんな場に参加できるほどの腕前なんて……」
せつ菜「ふふふ……では、私の出番ですね!」
あなた「えっ!?」 かすみ「せつ菜先輩、麻雀できるんですかぁ!?」
せつ菜「はい!私の大好きな漫画やアニメには、麻雀を取り扱ったものがたくさんあるんですよ!!」
せつ菜「とりわけオススメしたいのは、世界の命運を賭け、各国の政治家達が麻雀で戦う熱いバトル漫画で……」
あなた(よりにもよって1番やべーやつだ……)
せつ菜「なので、私の雀力で、凛さんをぎゃふんと言わせてみせます!」
せつ菜「先日も凛さんとはテニスで対決をし勝利したのです。そんな好敵手との再戦、熱いですよね!!」
しずく「そのケースだとせつ菜さんの負けパターンなのでは……?」
あなた「まあでもよかった!これで4人揃ったみたいだし、何とかなりそうだね」
あなた「じゃあ日程の調整をしたいんだけど──」 ──数日後──
黒澤邸地下5階
麻雀の間
ダイヤ「わざわざ遠いところからありがとうございます、早速ですが施設の紹介を──」
栞子「ちょ、ちょっと待ってください。どういうことですか?私たちは何故こんな怪しげな……」
あなた「どうしたの、栞子ちゃん」
栞子「すみませんが理解があまり追いついていなくて……ここは?」
あなた「あれ?説明しなかったっけ。ダイヤさんのお家で古くから使われてた麻雀用の決闘部屋だよ」
栞子「麻雀の……決闘部屋……?だとしても何故地下なのでしょうか……何故このような薄暗い……」
穂乃果「そのうち慣れると思うから大丈夫!9年くらいずっとこんな調子だし」
栞子「9年……?あの、穂乃果さんって確か高校2年……」
しずく「栞子さん、しーっだよ。ダイヤさんのお話聞かなきゃ」
栞子(スクールアイドルとは、これほどまでに奥が深いのですね……!) ダイヤ「──以上がこの決闘部屋の説明ですわ」
ダイヤ「続いて決闘見届部屋をご案内します」
璃奈「大きなモニターがいっぱい……」
ダイヤ「毎局ごとに親の手牌が後ろから映されます。それから河の様子を真上から撮影したもの、対局中の4人の表情を映したものなど様々ですわ」
ダイヤ「決闘部屋の会話はこちらの5.1chのスピーカーから聞くことができます。そしてこちらの会話は当然向こうには聞こえませんので、ご自由に話していただいて結構ですわ」
ダイヤ「各種ドリンクバーも揃っていますので、ご自由にご利用いただけます」
真姫「古くから伝わる部屋にしては、やけに設備が近代的じゃない」
ダイヤ「ええ……わたくしも詳しくは存じ上げないのですが、毎年かなりの予算をこの部屋に使っているそうで……」
にこ「名家ってのも大変なのね……」
千歌「もしかして、ウチの地下にもこんなお部屋があったりして……!?」
愛「おっ?千歌だけに?」
果南「いや〜温泉のさらに地下は流石に無理なんじゃない……」 凛『にゃ〜、すっごいところにゃ〜!!』
希『これはまた、随分本格的やね』
せつ菜『決闘部屋……なんと素敵な響きなんでしょうか!!』
ことり「向こうの部屋、みんな来たみたいだよ」
あなた「そうだね……聞いていたよりは凛ちゃんは普通な感じだね」
曜「だね、もっとすっごい悪そうな感じなんだと思っちゃったよ」
絵里「表向きはみんなで麻雀するっていう名目で連れてきてるからね」
真姫「打ちはじめると攻撃的になるわよ」
ダイヤ「ではわたくしも行って参ります」
鞠莉「ダイヤ〜ファイトよ〜」
穂乃果「あ〜、私のセリフ!」
海未「別に穂乃果のものではないでしょう」
花陽「凛ちゃんのこと……お願いしますっ」
ダイヤ「ええ、お任せください。それでは」 歩夢「始まるみたいだね」
あなた「うん。歩夢ちゃんはまだルールが曖昧なんだっけ」
歩夢「そうなの。だけど頑張って覚えようと思ってるから、いろいろ教えてくれる?」
あなた「もちろん。その都度いろいろ教えていくよ」
ダイヤ『ではみなさん、始めますわ』
せつ菜『はい!』
希『お願いします』
凛『やってやるにゃ〜!!』
ウィーンガシャンガシャン
愛「おっ!全自動卓じゃん!」
花丸「下からがしゃんって出てきたよ!未来ずら〜」
あなた「まずは親を決めるんだ。大概はサイコロを振って決めるよ。親の人から反時計回りに順番で親をやっていくんだ」
あなた「親の人は他の3人……子って言い方をするんだけど、子が貰える得点よりも約1.5倍の点数が貰えるほか、子が勝つまでずっと親を続けられるんだ」
あなた「ちなみに勝つことを『和了る(あがる)』って言い方をしたり、あるいは負けて点を払うことを『振り込む』、『放銃(ほうじゅう)する』なんて言ったりするよ」
凛『凛が親にゃ〜、この東一局でケリつけてやるにゃ!』
果林「確かに……ちょっと口調が攻撃的になったみたいね」
真姫「前までは少し毒舌なところもあったけど、根は純粋でいい子だったのに……ちょっとにこちゃん、その目やめて」 しずくの口調警察だ👮♂
👮♂……
👮♂…………
👮♂⭕ 千歌「大丈夫だよ!ダイヤさんが1位になって凛ちゃんのこと守ってあげるから!!」
穂乃果「希ちゃんも強いんだって!きっと1位は希ちゃんだよ!」
歩夢「せ、せつ菜ちゃんだって強いって聞いたよ。きっと1位はせつ菜ちゃんだよ!」
絵里「みんな落ち着いて。今回の目的は誰かが1位をとることじゃなくて、凛を麻雀から……」
善子「いいえ、今回の目的はただ1つ!私たちのグループの中でどこが1番優れているのかよ!つまりこれは……私たちの代理戦争なのよ!」
梨子「善子ちゃん、代理戦争って言いたかっただけなんじゃ……」
善子「善子言うな!」
あなた「……でも、面白いと思う!」
花陽「えっ……?」
あなた「あっいや、代理戦争云々の話はおいといてもさ、善子ちゃんが得意なゲームとか、璃奈ちゃんが好きなゲームとか、そういうのをみんなで共有できたらもっと楽しいのかなって」
璃奈「私、紹介したいゲーム、たくさんある」
果南「私も!ダイビングゲームとか、潜水ゲームとかなら負けないよ!」
曜「おっ、おもしろそー!」
かすみ「それはAqoursのみなさんに誰も勝てませんよ〜!」 海未「皆さん、間も無く始まりますよ」
ルビィ「親の凛ちゃんの映像が映ってるね」
鞠莉「ゲームスタートね!Oh……この配牌は……」
二三五六四七八一三五七南南發
萬萬萬萬筒筒筒索索索索
あなた「ひえ〜ツモ運すっごい……」
歩夢「これはいい手札なの?」
あなた「そうだね、最初の段階でこれはかなり整えやすい部類だよ。ちなみに麻雀は手札じゃなくて手牌っていうよ」
歩夢「どうすごいのかな?」
あなた「まず麻雀は、3つの塊を4つ、2つの塊を1つの計5ブロック作るゲームなんだ。この塊は、同じ牌を集めるか、3枚の数字の階段を作るかで構成できるんだ」
あなた「まず凛ちゃんは南を既に2枚持ってるから、2つの塊──これを雀頭(ジャントウ)とか単に頭とかっていうんだけど──ができてるんだ」
あなた「だからあとは3つの塊──面子──を4つ作る必要がある。でね、凛ちゃんの手牌は、それが実に作りやすい形になってるんだ。例えば左端」
二三
萬萬
あなた「これは一萬か四萬がくれば、一二三、または二三四の面子ができるでしょ?」
歩夢「うん、そうだね」
あなた「この、2種類のどちらかが入れば面子が完成する状況を『両面(リャンメン)待ち』というよ」
あなた「他にも一と二を持ってる状態で三が手牌に入るのを待つ状態を『辺張(ペンチャン)待ち』、一と三を持っていて間に二が入ってくるのを待つ状態を『嵌張(カンチャン)待ち』というんだ」 あなた「辺張待ちも嵌張待ちも、受け入れ枚数は1種4枚、だけど両面待ちは2種8枚あるから、面子が揃いやすいんだってことが分かるよね」
あなた「それを踏まえてもう一度凛ちゃんの手牌を見てみよう」
二三五六四七八一三五七南南發
萬萬萬萬筒筒筒索索索索
あなた「麻雀の基本は、常に四面子一雀頭の5ブロックを見据えることなんだ。じゃあ歩夢ちゃん、これを5ブロックにわけて見ようか」
歩夢「5ブロックにわける、えっと、さっき南が1つのブロックって言ってたよね」
あなた「そう、この場合は南が雀頭になるね。あとの面子は完成していないけど、面子を集めることを意識すると、どんなふうにわけられるかな?
歩夢「え〜っと……たぶんこんな感じ、かな?」
二三|五六|四七八|一三五七|南南發
萬萬|萬萬|筒筒筒|索索索索|
あなた「お見事!見る目あるな?」
歩夢「えへへ……」
あなた「これを分析していくと、二萬と三萬、五萬と六萬、そして七筒と八筒の両面待ちが3つあるよね」
あなた「それから索子なんだけど、一と三、三と五、五と七の索子の嵌張待ちが1つずつ。さっきは嵌張待ちは受け入れ枚数が少ないから揃いにくいって言ったんだけど、こうなってくるとまた話が変わるんだ」
歩夢「えっと、この場合は、二索か四索か六索を引いてくれば、1ブロック……面子だったよね、ができるんだね」
あなた「そう!ブロック分けの時にこれを一索と三索、五索と七索の2つにわけてしまうと、あまりいい形でない嵌張待ちが2つあることになってしまう」
あなた「だけど今回は残りのブロック分けが済んでるから、これを1つとみなすことができるんだ。結果、両面待ちを超える3種12枚も受け入れることができる強い待ちになるんだよ!これを『両嵌(リャンカン)待ち』って言うよ」
果南「両嵌は筋引っ掛けができるのも強いよね」
あなた「そうだよね、だけど筋(スジ)の話は難しいから、もう少し後にするよ」 あなた「じゃあブロック分けが済んだところで、何を捨てるかっていう話だよ」
璃奈「凛ちゃん、發を切ったみたい」
果南「まあ最初に捨てた方が鳴かれづらいし……やっぱり鳴かれなかったね」
歩夢「鳴くっていうのは?」
あなた「麻雀は自分のターンの度に『山』と呼ばれる場から牌を1つ引いては1つ捨てるっていう作業を繰り返して手牌を整えていくんだけど、いくつか例外があって、相手が捨てた牌を貰うこともできるんだ」
あなた「これを『鳴く』といって、大きくわけると、『ポン』と『チー』と『カン』の3つある」
あなた「まずはポン。自分で同じ牌を2つ持っている状態で誰かが捨てた牌をもらって面子を作ることができるよ。今で言えば凛ちゃんは誰かが南を捨てればポンすることもできるよ」
あなた「もっとも、凛ちゃんは南を雀頭にするほうが早く和了ることができるからしないと思うけどね」
あなた「ちなみに、5ブロックを構成する上で必要になる、同じ牌のセットを雀頭っていう言い方をするんだけど、単に同じ牌が2個ある状態は対子(トイツ)って言い方をするよ」
鞠莉「あとは、3個同じ牌を持っている状態は刻子(コーツ)、数字の階段で3枚になったセットを順子(シュンツ)っていうの。覚えておいてね♪」 あなた「次にチーの説明をするよ。チーも相手が捨てた牌をもらって面子を作ることができるんだ」
あなた「ポンは刻子を作るけど、こっちは順子を作るよ。凛ちゃんの手牌でいけば一萬とか二索とかが捨てられればチーできるよ。やろうと思えば、だけど」
あなた「ただ、受け入れ枚数が多いからだろうけど、ポンと違って左隣の人が捨てた牌しかもらえないことに注意すること。反対側の人や右側の人からはチーはできないよ」
歩夢「誰かが捨てた牌をポンしたい人と、チーしたい人が一緒にいたらどうするの?」
あなた「素晴らしい質問だよ歩夢ちゃん。その場合も結構あるけど、これはポンが優先されるよ」
あなた「さっきも言った受け入れ枚数の話で、ポンは自分で2つ持ってるからあと2枚しかないってことで、面子を作るのには大変だから優先されるって感じかな」
あなた「最後はカンなんだけど、これがちょっと特殊でね、簡単に言うと4枚を1セットにするものなんだ」
あなた「方法は3種類あって、1つは大明槓(ダイミンカン)。同じ牌を3つ、つまり刻子を手牌に持っている状態で誰かが4枚目を捨てたとき、宣言してその牌をもらうことができる。」
歩夢「もう刻子が出来ているのに、また誰かの捨てたものをもらっちゃうの?」
あなた「カンをするってことには大きなメリットがあるんだけど、その前にカンの種類を一旦説明しちゃうよ」
あなた「2つ目は小明槓(ショウミンカン)で、さっき言ったポンをして刻子を作った後、自分で4枚目を引いたときに宣言して行うもの。加槓(カカン)って呼ぶことのほうが多いかな」
あなた「大明槓と小明槓は相手から牌を1枚もらっているから鳴きに含まれるんだけど、3つ目の暗槓だけはまた別でね、4つ全ての牌を自分で引いた時に宣言して行うことができるよ」
歩夢「そうなんだ。それじゃあ、ポンとかチーとかをどんどんすれば、あっという間に四面子一雀頭ができちゃうんだね」
あなた「まあ、そうなんだけど、そう都合よく行かないのが麻雀なんだよね……」 あなた「麻雀の大きなルールの1つに、役がないと和了れませんよ、っていうのがある。これがなかなか曲者でね」
あなた「例えば、こんな形が出来たとするよね」
一二三二三四六七八三四五中中
萬萬萬筒筒筒筒筒筒索索索
歩夢「順子が4つと雀頭が1つ、うん。これが麻雀の完成形なんだよね」
あなた「麻雀の役はまだ教えてないからわからないと思うけど、この完成形には役がないんだ。だから通常これで和了ることはできない」
あなた「和了るためには役をつける必要がある。そのもっとも手っ取り早い方法が『立直(リーチ)』って役をつける方法なんだ」
あなた「立直は、後1つ揃えば和了りの形になる状態の時に宣言するよ。さっきの手牌から考えると、例えばこんな感じ」
一二三二三六七八三四五中中
萬萬萬筒筒筒筒筒索索索
あなた「一筒か四筒を引けば和了れるって状態だよね。この状態を聴牌(テンパイ)って言うんだけど、聴牌になったら立直が宣言できる」
あなた「立直をするときは、宣言した後に持ち点の中から1000点を場に預けるんだ」
あなた「自分は聴牌だという情報を相手にアピールすること、この1000点を場に出すこと。この2つの不利を負った状態で和了れば役になるって感じかな」
歩夢「1000点も!?」
あなた「まぁ、持ち点が25000点あるからね、立直に使う1000点はそこまで大きくないんだよ」
あなた「で、立直するには条件があって、それが『鳴きをしていない』ことなんだ」
あなた「比較的簡単に役をつけるには『門前(メンゼン)ツモ』っていうのもある。ツモっていうのは自分で牌を引くことなんだけど、門前っていうのが『鳴きをしていない』状態を指す言葉なんだよ」
あなた「要するに、鳴くと立直できないし門前ツモもつけられないから、形が整っても役なしになりやすいんだ」
あなた「逆に、1つ役さえつけられれば鳴き放題ではあるんだよね。その代表的なのが役牌だよ」
歩夢「確か、白發中だっけ?」
あなた「そう。その3つに関しては刻子を作れればそれだけで1つの役が出来るんだ。これらは対子で持っていれば、ポンして役をつけることも、雀頭として処理することもできるから強いんだよ」
あなた「それからもう1つが風牌。場風または自風の牌を刻子で持っていれば役がつけられる。例えば凛ちゃんなら東を3枚集めれば、場風と自風の両方を満たすから2つ役がついちゃうんだよ」 あなた「それからもう1つ、麻雀の大事な要素にドラっていうのがあるんだ。ドラは持っているだけで役が1つ増える優れものなんだ」
あなた「役がドラだけでは和了れないんだけどかなり強力でね、毎局ごとに変わる通常のドラと、五萬、五筒、五索のそれぞれ1つだけ常にドラとなる赤く描かれた赤ドラっていう2種類があるよ」
あなた「ねえ歩夢ちゃん、山のあそこを見てみて。牌が1つだけ表側になってるでしょ」
□□ □□□□東□□
(注:平面だと牌が1つずつ並んでいるように見えますが、実際の麻雀にはこの下にも牌があります。牌を2つ重ねて積んでいくので山のように見えます)
あなた「ってこれ……マジっすか……」
歩夢「あ!本当だ。あれがドラ?」
あなた「えっとね、あれはドラ表示牌って言うんだ。役がせっかく増えるのに、1枚あそこにあったら使えないでしょ。だからあそこに出てる表示牌の順番が次の牌がドラになるんだ」
あなた「表示牌が五萬だったらドラは六萬だし、八筒だったらドラは九筒。ただ、九索だった場合のドラは戻って一索になるんだけど、順子を作るときに八九一みたいな形には出来ないから気をつけてね」
あなた「字牌の時は、風牌が東南西北、役牌が白發中の順番になるよ」
歩夢「じゃあ東がドラ表示牌ってことは、今のドラは南ってことになるんだね」
あなた「その通り。つまり現時点で南を2個持っている凛ちゃんは既に役が2個ついてるような状態なんだよね」 あなた「さて、今の説明で、ただ持っているだけで有利なドラは麻雀でとっても大事なことがわかったと思う。そしえ実はこのドラ、増やすことができるんだよ」
歩夢「そうなの?」
あなた「方法が2つ。1つはさっき言ったカンなんだよ。4種類1人のプレイヤーが揃えてカンをすると、槓子(カンツ)っていう、通常より1つ多い面子ができる」
あなた「でね、この時ドラ表示牌の左側を表向きにするんだ。それもまたドラ表示牌になるから、ドラが2種類存在する。それでまた誰かがカンをすれば、ドラは増えるよ」
あなた「カンをしたらその槓子4つが全部ドラになった、なんてことがちょいちょいあるよ。それで和了れるとは限らないんだけど」
あなた「あと、基本的にはカンは3回までなんだけど、全てのカンを1人でやった場合は4回までできるんだ。まぁ稀中の稀だけどね」
果南「役満確定だもんね」
鞠莉「もう、果南ったらすぐ難しい話をしようとするんだから!」
果南「そういうつもりじゃないんだけどなあ……」
あなた「これがカンでドラを増やす話。もう1つは、通常『裏ドラ』って言ってね、立直をして和了った時だけ与えられるドラなんだよ」
あなた「立直して和了ると、ドラ表示の下の牌を見ることができるんだ。これもまたドラ表示牌になるから、ドラの数が倍になるの。つまり3回カンがされている上で立直して和了ると、ドラの数は6個なんだよ」
歩夢「何だかすごそうだね……!」
あなた「これの破壊力はかなりのものなんだ」 あなた「そのまま点数計算の話をするよ。とはいえ麻雀の点数計算は一番ややこしい分野だから大雑把な説明をしちゃうね」
あなた「まず、さっきから役っていう話をしているんだけど、役にはその難しさに応じてランクづけがされているよ。この単位を『飜(はん)』っていうんだ」
あなた「さっき話したような役牌を3つ集めるものとか立直とかツモとか。比較的簡単な役は1飜がついていてね、難しいものによっては3飜とか6飜とかがつくの」
あなた「それらは複合するから、例えば役牌が2つ、立直とツモの4つの役を完成させて和了った場合は4飜つくってことだね」
あなた「で、ドラは1つにつき1飜ついてくるんだ。役を1つさえ作ってしまえばドラで荒稼ぎ出来たりもして、だから強力なの」
あなた「で、1飜から3飜までの場合は、完成した形によって点数が色々決まってて、それらは『符(ふ)』と呼ばれるものが関係してくるんだけど、これがなかなか覚えるのが大変だからまた今度話すよ」
あなた「今覚えておいたほうがいいのが、それ以降の話。4飜……といっても例外はあるんだけどね、基本的に4飜と5飜は『満貫(まんがん)』といって、完成形に限らず8000点の高得点が与えられるよ」
あなた「これより高い6飜及び7飜で和了ると『跳満(はねまん)』といって12000点、8〜10飜で和了ると『倍満(ばいまん)』といって18000点も支払うんだ」
あなた「それより高い『三倍満』とか『数え役満(かぞえやくまん)』なんてのもあるけど、この辺が出てくるのは稀だよ」
あなた「あとは、とびきり難しい役を成立させると、飜も関係なくなって『役満』っていうのが成立する。これは32000点ももらえる一撃必殺の大技なんだ!決まることはほとんどないけどね」
歩夢「あれ?確か最初の持ち点って25000点だったよね。それじゃあ役満が出たら必ず勝てるってことなんだね」
あなた「いい質問だよ、歩夢ちゃん!さて、それを説明するためには『ロン』と『ツモ』について説明しなきゃだね」 あなた「麻雀の和了り方には2種類あってね、1つがさっきも説明したツモ。そもそもツモっていうのは牌を山から取ることを言うんだけど、それによって完成したらツモ和了りになるよ」
あなた「もう1つがロン。これは相手が捨てた牌をもらうと完成形になる時に、宣言して和了ることができる」
あなた「で、このツモかロンかによって点数の移動が若干異なるんだ」
あなた「ロンの場合はシンプルで、その牌を渡した人、つまり振り込んだ人がその飜や符によって決まる点数を支払うよ。だから役満を振り込んじゃうと持ち点が初期のままならそのまま負けちゃう」
あなた「ツモの場合は特定の誰かが払うわけじゃなくて、みんなが払う必要があるんだ。親がツモったら子の3人は点数をきっちり3等分して払い、子のツモの場合は親が2人の子の倍支払うよ」
歩夢「それじゃあ誰かが役満をツモして和了った場合、32000点を分け合うわけだから、負けない場合もあるってことだね」
あなた「その通り!もちろんそっから逆転しようとすると大変だけどね」
あなた「この点数のやりとりで東場、南場と進めていくけど、誰かの持ち点がマイナスになった時点で強制終了になるよ」 あなた「……と、いうことで。色々寄り道で説明がたてこんじゃったけど、改めて何を切るかっていう話」
あなた「これは考え方が色々あるからあくまで参考に留めておいてね」
あなた「さて、今回の凛ちゃんのケース」
二三|五六|四七八|一三五七|南南發
萬萬|萬萬|筒筒筒|索索索索|
あなた「注目ポイントが色々あるんだけど、まずはドラのチェックだね。今回はドラ表示牌が東だから、ドラの南を既に2つもってることになるよね」
あなた「ここを雀頭に据えて、歩夢ちゃんがやってくれたブロック分けもふまえると、現時点ではどれとも組み合わない、いわゆる浮いた牌ってのが2つあるのがわかるかな?」
歩夢「えっと……四筒と發かな?」
あなた「流石歩夢ちゃんだね!あとはどっちから先に捨てようかって話なんだけど、まず1つの考え方として、字牌を先に切っちゃおうっていうもの」
あなた「誰かが2つ發を持っているときに發を捨てるとポンされる可能性があるよね。それで1飜ついて和了りやすくなることを考えると、誰かが対子で揃えない早いうちに捨てちゃおうっていう考え」
あなた「もう1つが、必要そうな牌を捨ててプレッシャーかけようよっていう考え方。例えば四筒は、三筒や五筒を持っていれば両面待ちが出来る強い牌だよね。少なくとも序盤に捨てたい牌じゃない」
あなた「それが超序盤で捨てられれば、『こいつはもう既に和了れる状態なのでは?』と相手が疑うよね」
あなた「凛ちゃんが聴牌の状態で、かつ既に和了れる役を作っているとしたら?そう考えて麻雀が消極的になることもあるからね、これも考え方の1つだよ」
あなた「それから四筒は五筒六筒を持ってるときの和了り牌になりうるからね、後半まで持っておくのが危険になる牌でもあるよ。赤ドラが絡んだりするから特にね」
あなた「ずっと持っててくっつけばいいけど、そうじゃないなら中盤には捨てておきたいっていう牌だと思ってもらえればいいよ」 凛『にゃ〜!』
二三五六四七八一三五七南南 六
萬萬萬萬筒筒筒索索索索 索
璃奈「六索ツモ……すごい」
歩夢「これでまた聴牌まで近づいてきたんだね」
あなた「いやあ凛ちゃん強いなぁ……まずツモ運が尋常じゃない」
凛『これを捨てよ〜っと』
ダイヤ『2巡目で四筒を捨てますか……』
希(聴牌が近いのかも……)
せつ菜『確かにこれは、手強い相手ですね、凛さん!』
あなた「凛ちゃんのこと、倒せるのかなあ……」
璃奈「私、凛ちゃんのこと聞いてから新しいアプリを作ったの」
かすみ「アプリ?」
しずく「相変わらずすごいね、璃奈さん」
エマ「それで、どういうアプリなの?」
璃奈「私が知りたいと思った人の麻雀における過去の対戦履歴を拾い上げてデータを算出するアプリ」
にこ「待って、どういうこと?」
璃奈「えっとね、凛ちゃんみたいな人の麻雀の記録を、いろんな麻雀アプリや動画サイトからAIが判断してかき集めて、そのデータをまとめてくれるの」
彼方「お〜、流石璃奈ちゃんだ〜」
善子「流石とかそんな次元じゃないでしょ!何なのよ、リトルデーモンのくせに!」
栞子「昔のことを蒸し返すつもりはありませんが、やはりその適正はもっと適した環境で活かすべきだと時々今でも考えてしまいます……」 花陽「それで、凛ちゃんのデータはどうだったの?」
璃奈「うん。凛ちゃんの麻雀はすごく攻撃的な麻雀なの。ドラを愛し、ドラに愛されるのが特徴」
璃奈「基本にとても忠実で、ドラをしっかりと集めて綺麗な和了りやすい形を整えて、キチンと立直をかけて和了る。しかもそれで、裏ドラが乗ることが多い」
あなた「なるほどね……ドラはさっき言ったように、持ってるだけで1飜つくからシンプルに強い麻雀だね」
璃奈「履歴には立直、白、混一、三槓子、ドラ8の数え役満の記録が残ってる。璃奈ちゃんボード『ガクブル』」
鞠莉「WAO!とんでもないじゃない……!」
真姫「凛、それほどの強敵だったのね。にこちゃんの作戦でうまくいけばいいけど……」
にこ「ぐっ……だ、大丈夫よ!たぶん……」
璃奈「このドラに愛された攻撃的な麻雀が、一部のネット界隈で有名みたいで、凛ちゃんは『ドラ猫』っていう異名で呼ばれてる」
善子「異名……!」
花丸「羨ましいの、善子ちゃん?」
善子「うっさい!善子言うな!」
あなた「……ドラはともかく、猫の部分は凛ちゃんに寄ってない?どういうことなの?」 ──3巡目──
凛『行くにゃ〜、それっ!』
二三五六七八一三五六七南南 四
萬萬萬萬筒筒索索索索索 萬
果南「またすっごいのツモって来たね」
鞠莉「即座に三索を捨てるのも流石ね」
璃奈「三面張(サンメンチャン)だ……」
歩夢「さんめんちゃん?」
あなた「凛ちゃんの今の手牌を見てみて」
二三四五六七八一五六七南南
萬萬萬萬萬筒筒索索索索
あなた「萬子が二から六まで並んでるでしょ?この時順子を作るとしたら、何が受け入れられるかな?」
歩夢「えっと、一萬と四萬の2つだよね……あれ、違う!七萬も大丈夫なんだ」
あなた「正解(エサクタ)!このように連続した数が5個並んでいると、3種11枚の受け入れが可能なんだ。それに、両嵌待ちと違って既に1面子が出来てるっていう待ち方になってるんだ」
あなた「これを多面待ちっていって、その中でも比較的頻出するこの受け入れ枚数が3種ある待ち方を三面張って言うんだ」
あなた「この状態で立直をかけるっていうのが聴牌の1つの理想形だよ」 ──6巡目──
凛『にゃにゃ!』
二三四五六七八一五六七南南 南
萬萬萬萬萬筒筒索索索索
あなた「南!ここでドラを……」
果南「うひゃ〜、ノータイムで六萬切りかあ……これがドラ猫ってことなんだね」
海未「おや?先ほどの話では南を雀頭に置くのではなかったのですか?」
曜「これじゃあ頭が無くなっちゃうよ?」
あなた「えっとね、さっき教えていない待ち方の1つに、ノベタンっていうのがあるんだ」
穂乃果「うぅ〜、また新しい言葉だ〜……」
あなた「例えば凛ちゃんが九筒を引いてきたらどうなる?」
歩夢「えっと、南を刻子として見るから……」
二三四五|七八九|五六七|南南南
萬萬萬萬|筒筒筒|索索索|
歩夢「4ブロックになっちゃうよ。雀頭を作らないといけないから、二萬か五萬を捨てて……あれ?」
あなた「気づいたかな?実はこれ、聴牌になってるんだ。つまり、左端を二三四の順子としてみれば五萬がくれば和了れるし、三四五の順子としてみれば、二萬で和了れる」
あなた「両面待ちの2種8枚ほど多くないにしても、1種4枚の辺張待ちや嵌張待ちよりは多い2種6枚の受け入れができるから、ノベタンも悪くない待ち方なんだ」
あなた「もちろん先に二萬か五萬を引いてくれば……」
凛『来たにゃ〜!!』
二三四五七八一五六七南南南 伍
萬萬萬萬筒筒索索索索 萬
璃奈「あ、赤ドラ……」
あなた「……これでノベタンより多い六九筒の両面待ちができる」
凛『いくよ、立直!!』
果南「一索を切って、立直……」
鞠莉「立直、赤1、ドラ3の5飜、今の時点で既に満貫ね。さらに裏ドラがどれかに該当すれば6飜の跳満よ」
あなた「親の跳満は1.5倍の18000点、序盤で大差がついてしまう、ヤバイかもね……」
ダイヤ『……』
希『……』
せつ菜『……』 今日はこの辺で
麻雀について上記の説明で分かりにくかったところがあれば明日にでも補足します
ちなみに分かりやすさ重視でドラが役のような説明をしましたが、正確には1つにつき1飜ってだけで役ではありません。ご了承ください ドラ猫w
>>49
慣れてる人なら解るけど
初心者の方が多そうなのでこれでいいと思う >>49
見た目で違いが簡単にわかるって点ではそっちの方が良さそう >>37
倍満は16000
>>46
面白いので楽しみ >>49
一?1に見えるんだけど真ん中のは丸囲み数字?
だとしたら環境によっては化けるとだけ言っとく 面白そうだったのにAqoursのキャラ出てきてつまらなくなったな 残念です 歩夢「この状態の時に、六筒か九筒を誰かが捨てるか、自分でツモしてきたら和了れるんだよね」
しずく「では、ここからは完全に運命に身を委ねるしかないのですね。凛さんは自分で引けることを願い、他の3人は自分が捨てる牌がそれではないことを祈りながら……」
あなた「そうだけど、ちょっと違うんだ。凛ちゃんが何を待っているかとか、捨てても安全そうな牌とか、そういう推理をすることは可能なんだよ」
ことり「でも、凛ちゃんの手持ちはみんなに見えてないんだよね?」
あなた「そう、手牌は見ることはできない。だから見るべきは、凛ちゃんが何を捨てたのか、すなわち捨て牌が集まっている場所、『河(かわ)』なんだよ」
あなた「凛ちゃんの河は今のところこうだよね」
發 四 三 九 西 六
筒 索 索 萬
一索
歩夢「一索だけ横向いちゃってるよ」
あなた「これはね、ここから立直をかけましたっていう証なんだよ。何でこうする必要があるかっていう話なんだけど、麻雀のルールの1つに『振り聴(フリテン)』っていうのがあるからなんだ」
あなた「この振り聴もややこしいルールではあるんだけど、『自分が一度捨てた牌でロン和了りになる形は認めません』っていうことなんだよね」
あなた「結構よくある例が、浮いた一萬を捨てた後で何巡かしたあとに三萬、二萬とツモっちゃって、そのまま聴牌しちゃうようなケース」
歩夢「普通だったら一萬か四萬の両面待ちなんだけど、もう捨てちゃった一萬ではロンできないってことなんだね」
あなた「おしい!振り聴は『自分が一度捨てた牌でロン和了りになる形は認めません』って言ったでしょ?だからこの形そのものがもうダメなんだよ」
あなた「だから一萬はもちろん四萬でもロンできないんだ。ただツモだったら和了ることができるから、わざわざ振り聴でツモでしか和了れないのに立直する戦法もあるよ」
果南「あとは一三四五六と筒子がある状態で一筒を切って、五筒とか七筒を引いて両面待ちとか三面張にしようとしたら二筒を引いてそのまま聴牌になっちゃうパターンもよくあるかな」
鞠莉「一四七筒の三面張でいい待ちなんだけど、広い待ちなだけに捨てた一筒が引っかかっちゃうのよね。聴牌になるまで気がつかないこともあるわ」
璃奈「順子と刻子が重なるようなパターンも注意。気づかない待ち牌があって振り聴だったりすること、ある」 あなた「今説明したのが普通の振り聴で、もう1つが立直した後も振り聴になることがあるんだ。例えばこんなケース」
二三四五六七 四四 七八九 中中
萬萬萬萬萬萬 筒筒 索索索
あなた「これで立直をかけたとしよう。この時の当たり牌は四筒と中の2種類だよね。で、ドラは今無視するとして、中で和了ったほうが四筒で和了るよりも点数が高くなるのがわかるかな?」
歩夢「中が刻子になれば、役牌で1飜つくもんね」
あなた「その通り!だから点数的には中で和了りたいんだけど、もし誰かが四筒を捨てたらどうなるか」
あなた「中で和了るほうが点数が高くなるからってロンを宣言しないと、『和了ることができる形なのにロンをしなかった』っていう状態になって、これも振り聴に該当しちゃうんだ。これを『見逃し』って言うよ」
あなた「だから以降は四筒はおろか中が捨てられてもロンでは和了れない。たださっきも言ったようにツモなら和了れるし、中に門前ツモもついて3飜つくから、戦略としてはナシじゃないよ」
あなた「だから立直をしたら牌を横向きに倒すんだ。それ以降の誰かが捨てた牌で見逃ししてないかがわかるからね」
鞠莉「それ以外にも、立直してるのにボーっとしちゃってロンを宣言できるのにスルーしちゃった場合も振り聴になるから、立直したら気をつけるのよ」
あなた「ちなみにこの、対子が2つあってどちらかが刻子になれば和了れるって形を『双碰(シャンポン)待ち』っていうよ」
あなた「受け入れ枚数は2種4枚で辺張や嵌張待ちと同じだけど、字牌を絡められたり読まれにくいとかっていう点では悪くない形だよ」 真姫「なるほどね。つまり凛が既に捨てている發とか六萬で和了られることはないから、安心して捨てられるってことね」
あなた「そうなんだ。だから立直を受けてダイヤさんがすぐ西を捨てたってわけ……きっと聴牌見越して持ってたんだろうけどね」
あなた「こういう河にあって絶対振り込みしないで済む牌を『安牌(アンパイ)』って言ったりするよ。ここから転じて当たり障りのない妥当な行動とかをアンパイって言ったりするようになったみたい」
あなた「他にも、テンパるとか連チャンとかパイパ……まぁ、色々麻雀由来の言葉って結構あるみたいなんだ」
しずく「では、凛さんが捨てた牌や、立直の後に捨てられた牌は、安心して捨てることができるということですね」
絵里「だけど、そう都合よく安牌ばかり持っているとは限らないわよね」
あなた「そう。安牌だけ捨てることができればいいけど、そうじゃないケースのほうが多い。だから次は、河から判断して捨ててもよさそうな牌を推理するって話をするよ」
あなた「まず、立直をするってことは相手に聴牌だとアピールすることになるっていう話はしたよね?そのアピールをしてでも立直をするということは、どういう状況かってこと」
あなた「それは、『聴牌だとアピールしても和了ることができる』からだっていう考え方ができるわけ。もちろん実際の麻雀では、立直しないと和了れないとか、色々事情はあるけどね」
あなた「この、『聴牌だとアピールしても和了ることができる』っていう前提で考えていくと、『きっと両面待ちしてるんじゃないか』って推測が成り立つわけ」
あなた「この考え方から安牌を導いていくのに必要となるのが、さっき少し話題にも出た『スジ』っていう言葉なんだよ」 ちょっとDLPが大変なので今日はこの辺で
文字化けしたりすることもあるようなので、牌の書き方は継続しますがわかりやすいように空白開けることにしました
>>53
失礼しました、ご指摘ありがとうございます 点数計算、役なし、振り聴が初心者にとってハードル上げるよなな 特に平和と思って上がったら平和つかないとか、待ち見落として振り聴とか 国士無双だと版権的な何かに引っ掛かるからラブライブワールドでは「天下無双」にしたのかな?
サンシャインでJRが「TR」になってたみたいに 天下無双にゃ!は雀魂という麻雀ゲームでにゃーにゃー言ってるキャラのセリフ あなた「スジっていうのは、定義的に言うと『間に2つの牌を挟む関係性の2種類の牌』って感じで、例えば二萬と三萬を間に挟む一萬四萬とか、五筒と六筒を間に挟む四筒と七筒とかのことだね」
あなた「じゃあ実際の例で考えていこう」
發 四 三 九 西 六
筒 索 索 萬
一索
あなた「例えば凛ちゃんの河には四筒があるでしょ。この四筒とスジの関係にあるのは何でしょう」
歩夢「えっと、一筒と七筒だよね」
あなた「そう。この四筒に対する一筒と七筒、あとは五萬に対する二萬と八萬、六索に対する三索と九索などを『表スジ』って言ったりするよ」
あなた「これと、さっき言った立直の時の推測、それから振り聴のことを考えるとどうなるか」
あなた「凛ちゃんが四筒を捨てているということは、振り聴になり得る二三筒の両面待ちまたは五六筒の両面をしてはいないってことが判断できる」
あなた「立直をかけるからには和了りやすい両面待ちのことが多いってことを加味すると、表スジの一筒と七筒では振り込まないだろうって考えることができるんだよ」
あなた「同様に六萬の表スジである三萬と九萬も、実際に河には出てなくても安牌だろうって考えられるんだ」
あなた「それからこの逆パターンもあるんだよ。例えば凛ちゃんは三索と九索を捨ててるでしょ?」
歩夢「わかったよ!三索で両面待ちを作るし九索でも両面待ちを作ることができる六索は、スジの関係から安牌だってことだよね」
あなた「流石歩夢ちゃん!このような、三索と九索に対しての六索とか、二筒と八筒に対しての五筒を『中スジ』といって、安牌を導く1つのポイントなんだ」 あなた「気をつけてほしいのが、一索に対する四索はスジにはなり得ないってこと。四索と七索の両面待ちをしている可能性が全然あるからね」
あなた「こういうのを『片スジ』とか、あとは一索に対しての七索を『遠いスジ』なんて言ったりするよ」
あなた「このスジの考え方を利用すると、安牌とは真逆の、『振り込むかもしれない牌』を類推することもできるんだよね。これを『危険牌』っていうよ」
あなた「凛ちゃんの河、三索があるよね。例えば三索と五索を持っていたとして、六索をツモってきたとしよう。他の牌は一旦無視するとしたらどうなるかな?」
歩夢「えっと、三索と五索の嵌張待ちよりも、五索と六索の両面待ちの方が強いから、三索が浮いちゃうね」
あなた「そうだよね。加えて三索は中盤くらいまでには捨てておきたい牌だって説明したよね。さて、その三索を早めに捨てた状態で何巡かして、この五索と六索がくっつかないまま聴牌になったら?」
歩夢「四索と七索で和了ることができるんだよね」
あなた「そう!この早い段階で捨てられた三索から、四索と七索が当たり牌なんじゃないかって類推することができるんだ。この、三索に対しての四索と七索などを『裏スジ』っていうんだ」
歩夢「表スジ、中スジ、裏スジだね」
あなた(歩夢ちゃんのこの顔と声から裏スジなんて言葉が聞けるなんて……!凛ちゃんありがとう!) 凛『うーん、いらないよ〜』
果南「一発はつかなかったね」
發 四 三 九 西 六
筒 索 索 萬
一索一
萬
あなた「おっ、ちょうど良いのが来たね。このままスジの話の延長で、『間四軒』という言葉の説明をしようか」
あなた「間四軒の定義は、『同色で4つ離れた牌が切られている時の内側のスジ』っていうことでね。凛ちゃんの河でいくと、一萬と4つ牌を挟んで六萬があるでしょ。このときの内側の二萬と五萬が間四軒」
あなた「例えば一萬と三萬、四萬、六萬を持っていたとしよう。これを2つのブロックに分けて残しておいても、他のところで両面待ちが用意できれば、一萬と六萬を切っていくことになるよね」
あなた「そしてそのまま三萬と四萬が残って聴牌になれば、二萬と五萬が当たり牌になり得るってわけ」
あなた「まあ簡単に考えれば一萬と六萬の両方の裏スジでもあるんだから、間四軒は特に危険な牌だってことがわかるかな」
歩夢「すごいね、河から色々推理できるんだ!」
あなた「もちろんこれはあくまで推理のレベルだからね。これに当てはまらないパターンもいくつもあるけど、それでも重要なケースとして覚えておくといいと思うな」 あなた「だいたいはこの表、中、裏のスジと、間四軒くらいは覚えておけばだいたい大丈夫なんだけど、スジにはもう少し種類があるからついでに説明するね」
あなた「まずは『またぎスジ』例えば凛ちゃんの河の四筒でいくと、これを挟む形のスジになる二筒と五筒、それから三筒と六筒のことを指すよ」
あなた「例えば三筒四筒四筒と持っていたとしようか。この待ちは二筒と五筒の両面待ちでもあるし、四筒で暗刻を作る待ちでもある。それとくっつかなければ三筒を切って雀頭にする手もある」
あなた「つまりかなり臨機応変な待ちになるんだ。この状態で雀頭を別で用意して聴牌になれば、待ちの広い両面待ちを選択するでしょ。このときの当たり牌がいわゆるまたぎスジになるよ」
あなた「だから中盤以降に捨てられた牌のまたぎスジ、とりわけ立直した時点で捨てた牌のまたぎスジは危険だっていうふうに言われてるんだよ」
歩夢「それじゃあ序盤のまたぎスジは大丈夫だっていうこと?」
あなた「もちろん例外はあるけどね。ただ普通に考えて三筒四筒四筒で待てるのに序盤から四筒を捨てることはしないだろうと考えられるよね」
あなた「どの巡目で立直したかにもよるけど、序盤で捨てた牌はまたぎスジが関わる形になってないだろうと考えられるから、序盤のまたぎスジは比較的安牌に近いと考えられるよ」 あなた「それから『疝気(せんき)スジ』っていうのもあるよ。これは簡単に言うと『裏スジの裏スジ』って感じかな。また凛ちゃんの河を例に説明するね」
あなた「凛ちゃんの河でいくと、例えば一索の裏スジは二索と五索だよね。このときの二索の裏スジである三、六索が疝気スジにあたるよ」
あなた「例えば一索と四索を一緒に持ってたとして、どっちかを切るとしたら、これも手配によるけど基本は一索を切るよね」
歩夢「そうだよね。四索を残せば両面待ちができる可能性もあるけど、一索では辺張とか嵌張待ちしかできないもんね」
あなた「その通り。この2つは二索でも三索でも待ちができるけど、その広さ的に四索が優先されるから一索を切る、ここまではいいよね」
あなた「この時三索を引いてきて、このまま聴牌になれば二索と五索が当たり牌になる。これが普通の裏スジの話ね」
あなた「だけど五索を引いてくる可能性も五分五分であるでしょ?そのときは四索と五索の両面待ちになるから、当たり牌は三索と六索。つまり最初に話した疝気スジってことになる」
あなた「だから疝気スジと裏スジは同様な確率で危険牌になるってことだね。さらにこの捨て方は特に序盤に起こり得るから、序盤の疝気スジは特に危ないって言われてるよ」
あなた「ちなみに一索と四索を比較して一索が捨てられやすいっていう話だから、四、五、六の数字の牌に疝気スジは存在しないってことだね」
しずく「では、中盤の疝気スジではどうなるのですか?」
あなた「これがなかなか厄介でね。例えば中盤まで一索を持っていたとすれば、その近辺の牌とセットにできるから持っていたんじゃないかって推理できるよね」
あなた「一索と三索で二索の嵌張待ちで1つブロックを考えていたとして、巡目が進んで四索をツモってきたとすれば、その段階で一索を切る。すなわち中盤以降の場合は裏スジの方が危険度がますよ」
あなた「あとは中盤であればさっき言ったまたぎスジのほうが危なかったりする。だけどこれもやっぱり手牌によっていくらでも話は変わるから参考程度に覚えておいてね」
鞠莉「特に双碰待ちされている時は全然当てはまらなかったりするから注意ね」 ツモ切り手出ししっかり覚えてられないから、まだちょっと実践で使えそうにないなあ それにしても丁寧にいろんなこと解説してくれる いや構成練り直した方がよくないか
あなたちゃん劇場になってて試合進まないやん あなた「あとはドラ絡みのスジは心理的になかなか手放したくなくて最後まで残りやすいから危険牌だと言われているよ。それから……」
凛『ロンにゃ!!』
せつ菜『くっ……』
果南「あちゃ〜」
鞠莉「九筒なら……仕方ないわね」
二三四五伍 七八 五六七 南南南 九
萬萬萬萬萬 筒筒 索索索 筒
(伍は赤ドラ)
ダイヤ『裏ドラは……』
ドラ表示:六索
璃奈「裏ものっちゃった」
凛『立直、赤1、ドラ3、裏1──跳満!!天下無双にゃ!!』
あなた「もしもこれでドラが1つもなければ、立直のみ40符1飜でたった2000点なんだ。それがドラの効果だけで親跳18000点……これがドラの威力なんだよ」
真姫「ドラ猫って言われてるだけあるってことね」
エマ「じゃあせつ菜ちゃんは、一気に半分以上も得点を失っちゃうの?」
あなた「そうだね……今回は半荘戦っていって、東場と南場の計8局あるからやってやれないこともないけど、かなり痛いビハインドなのは間違い無いね」
しずく「それに、ビリビリの罰ゲームが待ってますからね……」
あなた「ん?なんだって?」
しずく「先輩は栞子さんとお話ししてて聞いていなかったんでしょう。この麻雀では負けるとその支払った得点に応じて強くなるビリビリの罰ゲームがあるそうなんです」
あなた「何そのルール……」 ダイヤ『それでは、ビリビリ執行ですわ!』
果林「始まるみたいね」
せつ菜『かかってきてください!幾多の困難を乗り越えながら最後に勝つのは、アニメや漫画においても──』
ビリビリビリビリ
せつ菜『お゛っ゛っっっっっっ!!!???』
せつ菜『な……なぁ……♡♡こんな……ぃゃ♡♡し、刺激……はじめ……あっ……////』ビクビク
せつ菜『はっ、はぁ、はぁ……////』
あなた(あの幼さが残ったせつ菜ちゃんの表情があの一瞬で嬌艶になって、なまめかしい喘ぎボイスを……嗚呼なんと素晴らしい罰ゲームなんだ!!)
海未「な……な……」
穂乃果「う、海未ちゃん!?しっかり!!」
彼方「し、栞子ちゃんもだいじょうぶ〜!?」
絵里「ちょ、ちょっとにこ!どうしてこんなことに凛と希を巻き込んだのよ!」
にこ「わ、私のせいじゃないでしょ!!」
梨子「でも、こういうのがあったほうが盛り上がるんじゃないかしら」
しずく「はい。勝負に逆境はつきものです!このまま見守りましょう」
あなた「そうだね。ひりついた勝負が期待できるよ!」
絵里「……それもそうね」
にこ「そうよ。それに、希が負けるはずがないわ」 希『これは、なかなかシャレにならないね……』
凛『希ちゃんは心配性だにゃ〜。凛は振り込まないから平気平気!』
ダイヤ『東一局で大勝して気持ちが大きくなっているのはわかりますが、簡単にはいかせませんわよ』
せつ菜『その通りですよ、凛さん……』
凛『にゃ?』
せつ菜『次は……ありませんよ!!』
パタン
七八 二二 白白白 發發發 中中中
萬萬 筒筒
希『……!!』
ダイヤ『これは……!』
凛『にゃにゃ!?』
歩夢「あっ、せつ菜ちゃんも聴牌してたんだね」
果南「初手で1枚切れている發……どの段階でツモったのかはわからないけど……」
鞠莉「せつ菜もとんでもないラックの持ち主ね」
花陽「これだと、白發中の3飜ってことなのかな」
あなた「それが、違うんだ。白と發と中を全て暗刻で集めると、『大三元』という役になる。これは、役満の1つなんだ……!」
あなた「それに、凛ちゃんの安牌とそのスジの六萬、九萬が当たり牌になってるから、ロン和了りがしやすい形になってるんだよ」
歩夢「役満ってことは、32000点?」
あなた「そう。麻雀は0より低い持ち点になった人が出た時点で終了するから、ロン和了りすればその時点でせつ菜ちゃんの一人勝ちってわけ」
璃奈「せつ菜さんのデータも集めたけど、だいたいこんな感じみたい」
璃奈「高い役を作って点を稼ぐ麻雀をする。凛ちゃんとは違うタイプの超攻撃型なの。その高い火力を炎に見立てた『スカーレットフレイム』って通り名がついてる」
あなた「いや、だからスカーレットがせつ菜ちゃんに寄ってるんだよなぁ……」 何巡目か知らんけど鳴きなし大三元聴牌強すぎでしょw 役を覚えるなら平和からって言うけど平和も結構ややこしいんだよなあ あなた「なかなか見応えのある試合だったね」
歩夢「えっと、親が勝つとそのまま親が続くんだったよね」
あなた「そう。凛ちゃんが負けていれば、右隣のダイヤさん、対面の希さん、せつ菜ちゃんと親が流れていくんだけど、凛ちゃんが買ったから継続だね」
あなた「それと、親が勝つと『本場』というのが増えるんだ。通常は0本場なんだけど、親が勝つ、または一局中に誰も和了れなかった時に本場が増えるよ」
あなた「本場が増えた状態で和了ると点数が増えて本場がリセットされるんだ。その点数は本場の数かける300点だよ」
果南「例えば4本場で和了ることができれば、立直のみの1000点でも倍以上の2200点になるってことだね」
凛『このまま勝っちゃうよ〜』
四七八九 一二四五 二二五五伍 西
萬萬萬萬 筒筒筒筒 索索索索索
ドラ表示牌:一索
あなた「うわぁ、相変わらずすごいなあ……」
鞠莉「四萬をどのタイミングで切るかが重要になりそうね」
あなた「えっと、さっきスジの話の途中だったよね。丁度いいからもう1つあるスジを説明するね」
あなた「まさに今凛ちゃんがもっている索子のことなんだけど、これを暗刻スジっていうんだ」
あなた「あの例でいくと、五索の暗刻を持っているってことは、相手が三四索や六七索で両面待ちをしていた時、少なくとも五索はあと1枚しかないわけだから、くっつきにくいってわかるよね」
あなた「そのまま運良く最後の五索を引くか、もう片方の二索や八索を引いてこなければそれ以外がそれって聴牌になる。つまり、自分が暗刻を持っているスジは危険牌の可能性があるってことだね」 凛『西にゃ〜』
璃奈「流石に西を捨てたね」
あなた「うん。西はドラでもないし防御面で言えば残しておきたいけど、3筒ツモして聴牌になるより三萬か五萬ツモしてくっつくほうが和了りやすそうだね」
果南「まだ1本場が始まったばかりだからね。四萬の近くの牌拾えれば二、一筒捨てて手頃な字牌を持ったりもあるんだろうけど」
海未「それにしてもこの時点でドラが2つ……立直と裏ドラで満貫……でしたでしょうか」
真姫「どうするのよ、このまま凛が大勝したら」
にこ「……大丈夫よ」
ルビィ「そ、そうだよ!お姉ちゃん簡単に負けたりしないよ!」
彼方「せつ菜ちゃんだって〜、やるときは、やるんです」
絵里「そうだけど……そうじゃないの」
あなた「どういうこと?」
にこ「麻雀は詳しくないけど、あなたの説明を聞く限りは運の要素が強いゲームだってことはわかるわ。そして運が絡むゲームなら……」
希『お、ラッキーやね。いくよ、立直』
せつ菜『ええっ!?』
凛『は、はやいにゃ〜!?』
ダイヤ『ダブル立直……!?』
絵里「希が負けるわけないわ」 歩夢「ダブル立直って?」
あなた「配牌と最初のツモだけで聴牌を作って立直をすると、特別にもう1飜ついて2飜の役になるんだ。これがダブル立直。完全に運だけの役で、私もまだ和了ったことはない役なんだ」
あなた「ただ、ダブル立直ができる場合でも、嵌張とか辺張の和了りにくそうな形だったら、整うまであえて待って通常の立直をかけた方がいい場合もあるんだよ」
かすみ「えっと、今の希先輩の河は六索だけですよね、これでどうやって推理するんですかあ!?」
あなた「これだけ巡目が早いとほぼ無理だね。安牌は六索だけだよ」
鞠莉「三索と九索も比較的安牌ではあるけれど、ダブリーはどういう形か判断ができないから、難しいところね」
せつ菜『こういうときは……えいっ!』
曜「おおっ、七萬!」
果南「ダブリーだし、当たり牌も1個か2個だろうから、ここまで極端な場合だと強気に攻めるのは間違ってないよ。推理の余地がないもんね」
凛『うう〜』
四七八九 一二四五 二二五五伍 三
萬萬萬萬 筒筒筒筒 索索索索索 萬
真姫「凛のツモも、なんというか流石ね」
あなた「ここに来て両面待ちが2つ、だけどその前に一筒と二筒を捨てなきゃいけないね」
果南「しょうがないんじゃないかな。どうせ安牌もないんだし」
凛『えいっ!』
エマ「一筒を切ったよ〜」
璃奈「……無事通ったみたい」
善子「今度はダイヤの番ね……」
ダイヤ『……まいりましょう』
千歌「おお、九索!」
鞠莉「流石に大丈夫ね」
あなた「こうして徐々にヒントを増やしていけば、少しずつ牌を捨てるのも楽に……」
希『ツモやね!』
あなた「!!??」 せつ菜『そ、そんな!』
凛『希ちゃ〜ん……!!』
ダイヤ『まさか、よりによって一発……!!』
希『やられたらやり返さんとね」
せつ菜(やられたのは私なのでは……)
四五六 三四五伍六六六 七八九 七
萬萬萬 筒筒筒筒筒筒筒 索索索 筒
あなた「この形……!」
果南「これじゃあ確かにそのうちツモるだろうね……」
果林「七筒?二筒と五筒の両面待ちじゃないのね」
愛「よく見てみカリン。六筒を雀頭にすればじゃ〜んと四筒と七筒の両面待ちにもなるっぽいよ」
あなた「そう。これが四面張だね。一見五筒を雀頭に、六筒を刻子にした両面町に見えるけど、もう1つ両面待ちが複合してるんだ。受け入れは4種13枚だからかなり広いよ」
あなた「それと、立直して一巡する間に和了ることができると、一発という1飜の役もつくんだ」
希『ダブル立直、一発、ツモ、赤1。裏ドラは中だから5飜の満貫やね』
せつ菜『くう……また点数が……』
ダイヤ『それだけはありませんわ……来ますわよっ』
ビリビリビリビリ せつ菜『お゛っ……おお……あっ……やっ////』
あなた(せつ菜ちゃんのこの反応……おそらくは汚れを知らない生粋のおぼこ。あの顔であんな乳してえっちなことは恥ずかしいとか、数え役満かな?)
あなた(さっきのと比較してもおそらく刺激はそんなでもないはず。だけど一度身体が感じたその誘惑で敏感になってるんだ、表情もとてもグッド!)
ダイヤ『……っ////』
あなた(ダイヤさんは顔をしかめて堪えているけど、快楽の淵でなお平静を装うその状態が既にたまんないな!)
あなた(だけど1番たまんないのは、おそらくこの刺激が初めてじゃないだろうってこと!腕に自信のあるダイヤさんのことだ、それだけ多くの対局をしたとなれば、何度もこうして悶えていたのは当然の理!)
あなた(その羞恥をどれほどの人に晒してきたのか、いったいいくつからこの悦楽に身体をゆるしていたのか、考えるととまらないよお!)
凛『うにゃ……あっ……くぅ……に゛ゃっ……////
』
あなた(凛ちゃんは他の2人よりも強い刺激を受けているはず。その割のこの反応、もしや凛ちゃんある程度は自分で開発したのかな?)
あなた(いかにもスポーティとかボーイッシュな子が実はこういうのに興味あったりするとそのギャップでおかしくなりそうになるね!)
凛『お、おわったにゃ……』
ダイヤ『ではこれで……次はわたくしの……親番ですわね』
希『息絶え絶えだけど大丈夫?』
せつ菜『ええ……この負けは……取り返しますので……!!』
東一局終了
凛:38900
ダイヤ:22900
希:33300
せつ菜:4900 あなた「相変わらずすごいね、希さんの強運は……」
にこ「このくらい当然よ。商店街の温泉旅行をスパッと当てちゃうくらいなのよ」
彼方「あれはとってもよかったよね〜」
しずく「はい。その節はお誘いいただきありがとうございました!」
璃奈「希さんの麻雀、本当に豪運が特徴なの。配牌が既に聴牌なことがしょっちゅうあるみたい」
璃奈「それからツモもすごくいい。だからダブル立直や一発ツモ、嶺上開花とかが得意技」
あなた「技っていうのソレ?」
璃奈「それから1番すごいのは、天和を和了ったことがデータで確認できるだけで2回ある」
鞠莉「アンビリーバボー……!!」
あなた「ひえっ、そんな人いるんだ……」
歩夢「天和って?」
あなた「天和(テンホウ)っていうのは、麻雀の数ある役満の中でもとりわけ和了ることが難しいものの1つとして知られる役でね」
あなた「親が配牌の時点で和了りの形になっているっていう、運以外の要素の絡まない役なんだ」
あなた「その確率はおおよそ33万分の1と言われてて、毎日半荘戦を5回ずつ打ったとしても61年に1度あるかないかといわれるものすごい役なんだ」
果南「それが10代で2回なんて、モンスターじゃん!」
花丸(内浦の体力お化けがなんか言ってるずら……) こんな人と打ちたくないw 国士とか簡単に上がりそう 希の場合ホントこの手の運が強い設定があるから、基本的にカードゲームとかのSSじゃ出禁にされることも少なくないからね...
そりゃ本気出したらこうもなるわw 東二局
絵里「今度はダイヤの視点に切り替わったわね」
一一四六八八 七九九 二四四六 北
萬萬萬萬萬萬 筒筒筒 索索索索
ドラ:四萬
あなた「なるほど……このパターンだと、ダイヤさんならどうするんだろう?」
歩夢「えっと、まずは配牌を5ブロックにわけるんだよね」
一一|四六八八|七九九|二四|四六 北
萬萬|萬萬萬萬|筒筒筒|索索|索索
歩夢「一萬を雀頭にして、萬子は五萬や七萬、八萬を待って、筒子や索子は嵌張待ちをして……」
かすみ「あれ?ダイヤさん、六萬を切りましたよ!」
果南「やっぱりそのあたりだよね」
鞠莉「ダイヤお得意のアレでいくのね」
歩夢「六萬を切っちゃったら五萬も七萬も入らなくなっちゃわないのかな」
あなた「えっとね、歩夢ちゃんがさっき考えてくれたのでもそこまで悪くは無いんだけど、今回ダイヤさんは別の手を選択したんだ」
あなた「それにはまず、麻雀の前提の例外について話しておくね」 あなた「麻雀は四面子一雀頭を作るゲームだっていうのは、これまでの対局で分かってもらえたと思う」
あなた「だけど、麻雀には主に2つ、この形以外の形で和了ることが許されている役が存在するんだ。そのうち登場頻度が高い方を『七対子(チートイツ)』というよ」
歩夢「七対子?」
あなた「そう。書いて字の如く、7つ対子を集めることで完成するんだ。例えばこんな形だね」
二二五五 七七九九 六六 南南白白
萬萬萬萬 筒筒筒筒 索索
あなた「四面子一雀頭ではないけれど、形としてはすごくシンプルだから覚えやすいと思うよ。それから聴牌の形も特徴的でね」
二二五五 七七九九 六六 南白白
萬萬萬萬 筒筒筒筒 索索
あなた「とまあこんな感じになるわけ。この1種3枚になる待ち方を『単騎待ち』といって、1種4枚の辺張や嵌張よりもさらに期待値は低くなる弱い待ちにはなるんだ」
あなた「ただ、逆に読みにくいっていうメリットもあってね、それが少し前に果南ちゃんの言ってた『スジ引っ掛け』がやりやすかったりするよ」 あなた「例えば、こんな感じで聴牌になったとするよね」
二五八八 七七九九 六六 南白白 南
萬萬萬萬 筒筒筒筒 索索
あなた「五萬か二萬を切って単騎待ちの聴牌を作るとき、五萬を捨てて立直をしたら相手はどう推理すると思う?」
歩夢「そっか!立直をするならきっと和了りやすい形だろうから、五萬のスジである二萬や八萬は安全そうだって推理できちゃうんだね」
あなた「その通り!その考えで二萬を捨ててしまうと当たっちゃう。この相手のスジの考えを逆手に取る手法が『スジ引っ掛け』なんだ」
あなた「このスジ引っ掛けは両嵌待ちでも出来てね。一三五で1つブロックを作ったまま聴牌になれば、五のほうを切ると同様に引っ掛けになって和了りやすくなったりするよ」
あなた「牌の残り枚数や赤ドラの有無なんかも材料にして考える必要はあるけど、和了りやすくなるテクニックとしてはメジャーなものだから覚えておこうね」
璃奈「相手が初心者だと意味なかったりする。対戦相手のレベルも大事」 >>97
× かすみ「あれ?ダイヤさん、六萬を切りましたよ!」
○ かすま「あれ?ダイヤ先輩、六萬を切りましたよ!」
失礼しました あなた「あと単騎待ちは想定していないようなところに潜んでいたりもするから注意してほしいんだ。例えばこんなケース」
三三三四五五五 一二三四五六
筒筒筒筒筒筒筒 索索索索索索
あなた「さて、これだと当たり牌は何になると思う?」
歩夢「えっと、三筒を雀頭にすると、三四五筒の順子ができるから、あと五筒が二つあまって、三筒と五筒の双碰待ちができるね」
あなた「なるほどそうだね。それから?」
歩夢「あとは……そっか、三筒を刻子として考えれば、五筒を雀頭にして四筒と五筒が残るから、三筒と六筒の両面待ちになるんだね」
あなた「そう。三筒も五筒もすでに3枚持っているからそれぞれの受け入れ枚数は1枚だけど、六筒は持ってないから4枚も受け入れができるよね」
歩夢「あとはその反対で、二筒と五筒の両面待ちもできるんだね」
あなた「これで4種10枚の受け入れができるね。あとは何かあるかな?」
歩夢「え〜っと……あ、四筒!三筒と五筒をそれぞれ刻子で考えればよかったんだね」
あなた「そう。あれこれを雀頭にしてっていう考え方だと単騎待ちを忘れちゃうこともあるから気をつけてね。この場合は5種13枚の五面張だね」
あなた「もっと複雑になることもあって、せっかく立直したのに見逃して振り聴になることもよくあるから、単騎待ちやノベタンあたりは特に要注意。形を知る知らないで攻撃も防御も大きく変わってくるんだ」 あなた「じゃあ単騎待ちと七対子のことをわかってもらったと思うから、ダイヤさんの手牌の話に戻ろう」
一一四六八八 七九九 二四四六 北
萬萬萬萬萬萬 筒筒筒 索索索索
あなた「見てもらうと対子が4個あるのがわかるよね。じゃあこの時、七対子が聴牌するまでにはあといくつの牌が必要かな?」
歩夢「えっと、七対子の聴牌だから、対子が6個必要なんだよね。それなら聴牌まではあと2つかな?」
あなた「そうだね。このように聴牌、つまり立直ができる状態になるまでに必要な牌の数のことを『向聴(シャンテン)』というんだ。つまり七対子で考えると二向聴(リャンシャンテン)だってことだね」
あなた「じゃあ歩夢ちゃんがさっきわけたブロックわけでいくとどうなる?」
歩夢「嵌張待ちが4つあるから……あっ、三向聴だね」
あなた「そういうこと。受け入れ枚数の差はあれど、向聴だけで考えるなら七対子のほうが完成形に近いんだ」
あなた「だからダイヤさんは七対子のほうに振り切って、後々ドラ絡みで邪魔になりそうな六萬から切ったんだろうね。ただこのケースだと、守備力は下がるけど、北を切って様子見するのも全然あり──」
凛『カンにゃ!』
あなた「!?」
八八八八
索索索索
果南「えっ、1巡目だよね?暗槓!?」
あなた「凛ちゃんまたかなりいい手牌なんだろうね。カンをするときはああやって宣言したあと、4枚牌が揃っていることを倒してみんなに見せてから、脇に寄せるんだ」
あなた「暗槓の場合は先にドラが増えるよ。それを確認してから牌を捨てることができるんだ。明槓だと捨ててからドラが増えるんだよ」
鞠莉「ドラ表示牌は……七索!?」
真姫「じゃあこの時点で満貫になるわけ?」
璃奈「ドラ猫パワー、すごい……璃奈ちゃんボード『ひえぇ〜』」 ──2巡目──
一一四八八 七九九 二四四六 北 四
萬萬萬萬萬 筒筒筒 索索索索 萬
果南「ダイヤも負けじとドラをツモってきたね」
あなた「これで一向聴、六索を切ったってことは、北をいざって時のためにとっておくみたいだね」
希『立直やね!』
ダイヤ『……!!』
せつ菜『そ、そんな!』
凛『希ちゃんばっかりずるいにゃ!』
栞子「凛さんも大概だとは思いますが……」
千歌「希さんってほんとにすごいんだ!」
あなた「うわあ、2巡目で立直、河は東と二筒でほぼノーヒント、下手したらせつ菜ちゃんが最下位で終わる可能性も……」
璃奈「希さんのツモ運は、結構前からネットでも有名みたい。神につかえるかのような奇跡的なツモから、『光の巫女』の異名が昔からある」
あなた「いやだからさ……もう突っ込む気力もないや」
鞠莉「確かに希ってすごいみたいね。だけど、うちのダイヤだって負けちゃいないのよ♪」
絵里「どういうこと?」
果南「まあ見てなって。ダイヤが強いのは、ここからだからさ」 ──3巡目──
一一四四八八 七九九 二四四 北 九
萬萬萬萬萬萬 筒筒筒 索索索 索
あなた「おっ、いいとこ引いてきたね」
かすみ「九索はいい牌なんですか?」
あなた「うん。この場合はね。ほら、凛ちゃんが八索をカンしてるでしょ?ってことは六九索のスジで両面待ちができないってことなんだ。だから九索はほぼ当たらない防御力の高い手になるよ」
鞠莉「同時に捨てられやすい牌でもあるでしょ。七対子狙いのダイヤには九索の単騎待ちをすると攻撃力も高くなるのデース♪」
あなた「ただこの局面では切るしかないだろうね。一発がつけばもう追いつけないかもしれないし……」
ダイヤ『……これですわね』
果南「二索……」
あなた「おお、攻めたね。確かにダイヤさんからは四索が2つ見えてるから、三四索持ちの二五索待ちの可能性はやや低いけど、私なら初手は安全そうなところ切っちゃうかもなあ」
果南「これがダイヤの強みなんだよ」
鞠莉「はっきりいって、振り込みをしないってこと自体はそこまで難しいことじゃないわ。危なそうならゲームをおりて安牌を切っていればいいんだもの」
鞠莉「難しいのは勝負にでるかおりるかを見極めるほうなのよ。これはビギナーじゃなくても悩むところ。だって全部のゲームを諦めたら最下位にはならないけど勝てっこないもの」
果南「だけどダイヤはその見極めが神がかってるんだ。振り込まないけど、簡単に勝負を捨てない。牌を切った位置や牌を捨てるのに悩んだ時間なんかを見て、待ちが何かほとんど当てちゃうんだ」
あなた「待ちさえわかれば振り込まない上でがんがん攻められるってわけか……ダイヤさんもダイヤさんで恐ろしい雀士だね」
璃奈「私も、ダイヤさんが放銃したところ、データでほとんど見たことない。早い巡目での黙聴とか、3人に立直されちゃったときとかくらい」
璃奈「あまりの防御力から、ネットでは宝石に例えて『鉄壁のダイヤ』って呼ばれてる」
あなた「だからぁ!寄ってるどこらかもう名前でちゃってるよね!おかしいなあ!」 ──4巡目──
一一四四八八 七九九 四四九 北 六
萬萬萬萬萬萬 筒筒筒 索索索 筒
あなた「うへえ、厳しい牌ツモったと思ったら速攻で切ったね」
果南「ダイヤにはある程度見えてるんだろうね」
希『う〜ん……』
しずく「希さんも苦戦気味ですね」
あなた「いやまだ立直したばっかりだからね……そう何度も一発ツモされちゃかなわないよ」
──5巡目──
一一四四八八 七九九 四四九 北 七
萬萬萬萬萬萬 筒筒筒 索索索 筒
あなた「来た!」
鞠莉「ノータイムで北切り……立直はなしね」
あなた「希さんが立直してなければありだったと思うけど、いつツモされるかわからない状態で1000点は預けられないのかな」
真姫「立直しなくても、役があれば和了れるって話だったわね」
あなた「そう。今回は七対子があるから和了るのは問題ないし、単騎待ちとはいえ必要性がうすい九索待ち、おまえにドラドラのってるから、かなり強いよ」
あなた「それに立直していないから、防御の面でも優れてるよ。危なそうな牌を引いてきたら、対子落としもありだからね」
歩夢「対子落とし?」
あなた「うん。七対子が攻守に優れているのは、1つ安牌を切れば、必ずもう1ターン稼げる点なんだ。同じ牌を2つ持っているわけだからね。聴牌から一向聴の遠回りにはなるけど振り込むよりずっとマシだよ」
あなた「こういう対子で持っている牌を切ることを対子落としっていうよ」 かすみ「立直してないからってどういうことですか?」
あなた「ああ、そういえば役についての話はほとんどしてなかったよね。ある程度のルールや待ちの話、スジの話なんかは終わったし、そろそろ役の話に入ろうか」
あなた「まずは基本中の基本、立直についてだね。この立直は簡単に役を作ることができるけどいろいろと条件やルールがあるからその説明をするよ」
あなた「まず立直は、門前で聴牌を作る役ってこと。鳴いていけばあっさりと聴牌になることも多いけど、それで立直で役がついちゃあまりにも簡単だからね」
あなた「だから立直は鳴かないってことが条件の1つだよ。ちなみにカンの説明をしたときにも言ったけど、暗槓だけは全部自分でツモしてるから鳴きにならないし立直もできるんだ」
あなた「それから1000点を場に提供する必要があるんだ。希さんが出してるあの棒が点棒っていって、1000点の価値を持つよ。立直の時に提示した点棒を立直棒またはリー棒っていうんだ」
あなた「これも条件があって、麻雀は大概のルールでは0点を下回った人が出た時点で終了するから、少なくとも1000点持ってないと立直はかけられないよ」
あなた「この立直棒はその局で和了った人に与えられる。だから立直をした上で別の人が和了ればその人のものになるから1000点分損をするよ」
あなた「それから誰も和了らないまま山が尽きた場合は『流局』っていってゲームを仕切り直すんだけど、この時は場にプールされたままになるんだ」
あなた「で、流局すると親が聴牌なら親続行、親が聴牌でないなら親は次の人になって、本場が1つ進んだ状態で次のゲームになるよ。この状態で和了れば場の1000点と本場の300点が貰えてお得なんだよ」
あなた「それから立直をかけた牌でロン和了りをされた時は1000点を払わなくていいんだ。立直が成立して次の人の手番になった時に立直棒が場に提供されるって感じかな」
あなた「まあロン和了りをされてるから1000点関係なく失点はしちゃうけどね」
愛「ぶちょーってほんとに色々しってんだね!」
千歌「おお〜、愛ちゃんやる〜!」 あなた「あとは自分がもう一回ツモできるぶんだけの山が残っているかっていうのもあるよ」
あなた「あまりにも巡目が進んでから立直をしようとしても、4人麻雀なら4枚以上、3人での麻雀なら3枚以上が残ってないと立直できないんだ」
あなた「この『門前であること』、『1000点以上持ち点があること』、『4枚以上山に残っていること』がクリアできていれば立直ができるよ」
あなた「立直の手順は、立直って宣言してから切る牌を横向きにして捨てて、1000点を場に出すって流れだね」
歩夢「振り聴になってもわかるように横向きにするんだったよね」
あなた「その通り!さて、ここからは立直した後に気をつけなきゃいけないルールについてだね」
穂乃果「立直っていっぱい考えることあるんだね」
あなた「そうだね。基本にしては色々制限があるんだ。その分裏ドラが絡んで点数が跳ね上がることも多いから立直のあれこれを覚えるのはとっても大事だよ」
あなた「立直をかけた後にやっちゃいけないのは、手牌をかえることなんだ。例えばこんなケース」
二三四五六 三四五 六七八 中中
萬萬萬萬萬 筒筒筒 索索索
あなた「これで立直をかければ待ちは一四七萬の三面張だよね。例えばこの時中を引いてきたとしようか。中が暗刻になれば1つ役がつくから得点も上がるし、六萬あたりを捨ててノベタンにすれば待ちも悪くない」
あなた「あるいは赤ドラの伍萬を引いてきたとしたら?普通の五萬を入れ替えれば点は上がるうえに待ちは三面張のまま変わらない」
あなた「だけどこれで手牌を入れ換えてしまうと、立直宣言の時点で本当に聴牌だったのかが証明できなくなるでしょ?だから立直したら手牌は触れないんだ」 あなた「あと、暗槓は鳴きじゃないから立直と複合できるって話をしたけど、立直後だとこういう場合ではカンできないよ」
五六六七七八 四四四五 東東東
萬萬萬萬萬萬 索索索索
あなた「この時のあたり牌は四索を雀頭としてみたときの三六索の両面待ちと、四索を刻子としてみたときの五索の単騎待ちだよね」
あなた「この状態で四索をツモってきたとしても、四索でのカンはできないんだ。なぜなら三五六の三面張だった待ちから五索単騎待ちのみに待ちが変わっちゃうからなんだよ」
あなた「手牌の入れ替えをするしないに限らず、立直をしたら待ちを変えられないってことだね」
あなた「ダイヤさんが立直をしていたら手牌はかえられないけど、今回はしてないから手牌を変えることができて、防御面に優れるってことだね」
あなた「また、立直は3人までしかできないっていうルールを採用しているところが多いよ。明確な理由は推測するしかないけど、4人が4人とも手を変えられなくてツモ切りするだけの麻雀は面白くないってことなのかな」
あなた「あとはさっき言ったような立直後の振り聴に注意すること。それから立直して和了ると裏ドラがつくこと。これが立直に関する大まかなルールだよ」
あなた「立直は1飜の役だけど、希さんみたいに1巡目でかつだれも鳴いていない状態で立直をかけられればダブル立直という2飜の役になるんだ」
あなた「それからさっきみたいに、立直かけたあと自分でツモるまでの間で和了ることができれば、『一発』という1飜の役がつくよ」
あなた「一発以外にもほとんどの役と複合できるのが立直の大きな強みだね」
果南「あとはオープン立直とかってローカル役があるんだけど、まあほとんど採用されないから気にしなくていいかな」 あなた「1飜がつく役は12種類あるんだ。そのうちのいくつかは教えたよね。立直、一発、ツモ、役牌、風牌。それ以外を教えていこうか」
あなた「まずは立直とならぶ基本の役の1つ、断么(タンヤオ)からいくよ」
あなた「断么は、二から八までの数字の牌のみで構成すると成立する役だよ。言いかえれば一、九、字牌が絡まないってことだね。ちなみにこの一、九、字牌のことをまとめて『么九牌(ヤオチューハイ)』っていうよ」
あなた「例えば東一局、凛ちゃんがせつ菜ちゃんの九筒をロンしたけど、この断么って役がつく可能性を考えて六筒と九筒のスジでは九筒のほうを処理するのがベターではあるんだ」
あなた「逆に么九牌の双碰待ちとか、今ダイヤさんがやってるような単騎待ちは他の牌よりも当たりやすくなってるのも、この断么が意識されてるせいだね」
あなた「断么も比較的作るのが簡単で、配牌からとりあえず么九牌を捨てて整理してから考えるって人は結構多いかな。そのほうが両面待ちが作りやすいしね」
あなた「ただ、あんまり么九牌を嫌いすぎると、果南さんが言ったみたいな二三四五六の三面張なんかを振り聴でむかえるケースも出てくるから、この見極めは大事かな」
璃奈「それから断么は鳴いてもいいルールとダメなルールがある」
あなた「そうだね。鳴いた断么を『喰いタン』っていうんだ。ポンでもチーでもとにかくすぐ聴牌までお手軽にもっていけるけど、それで手順が飛んだり早くゲームが終わったりするのを好まない人もいてね」
あなた「喰いタンをありにするかなしにするかは、麻雀を打つ前に確認しておくといいと思うよ。これで揉めることも結構あるみたいだから」
あなた「もういっこ、麻雀の基本の1飜役があるんだけど、ちょっと複雑だから似たような形を誰かが作ったら教えようかな」 ──6巡目──
一一四四八八 七七九九 四四九 一
萬萬萬萬萬萬 筒筒筒筒 索索索 萬
歩夢「あれ?一萬を持っているのと入れ換えて捨てたね」
しずく「必要ないのならツモしてきた一萬をそのまま捨てるだけでいいはずですが、赤ドラでもないのにどうしてわざわざ入れ換えたのでしょう……?」
あなた「あれはきっと、聴牌を悟られないためのテクニックだね。ツモした牌をそのままずっと捨てていれば、手牌はもう綺麗なんだろうって推測されるでしょ」
あなた「だからああやって手牌をあえて入れ換えたり、あとは少し悩んでるフリをしたりするのはよくあるテクニックだね」
あなた「逆に考えすぎるのも、手牌が良すぎて何を切るか悩んでるんじゃないかって推測されたりするからね。ノータイムで切るのも作戦の1つだよ」
希『う〜ん、なかなか来ないね』
せつ菜『ロンです!』
ダイヤ『……!!』
果南「あちゃあ、聴牌だったけど先に和了られちゃったね」
せつ菜『本当は四索が欲しかったのですが、満貫なら十分でしょう』
二二三三四六六八八八 發發發 一
索索索索索索索索索索 索
あなた「うひゃあ!!」
鞠莉「What!?」
璃奈「スカーレットフレイム、伊達じゃない……」
歩夢「???」 歩夢「何かすごいのかな?」
あなた「あーえっとね、まずこの役でいうと、役牌の發で1飜がついて、それから『混一色(ホンイーソー』または『混一(ホンイツ)』とよばれる3飜の役がついて満貫になるんだ」
あなた「混一は、一種類の数牌と字牌のみで構成したときに成立する役でね、鳴いても成立するのと、形的にわかりやすいのとで初心者が扱いやすい役の1つだよ
あなた「ただ混一は『喰い下がり』というルールが生じるよ。喰い下がりはポンやチーなど鳴いて役を成立させたときは1飜下がって得点が減るっていうものなんだ」
あなた「この喰い下がりは主に順子がらみの役によく適応されるよ。順子系は両面待ちがあったりして待ち受け枚数が多かったりするからだろうね」
あなた「混一もポンでもチーでも成立させられるから喰い下がりになるんだと思う。だから断么も喰い下がりになるはずだって意見もあって、喰いタン禁止のルールの場になることもあるんだ」
エマ「門前で満貫だからスゴイってこと?」
あなた「いや、せつ菜ちゃんのこの和了りの怖いところは、これが四索だったら得点が跳ね上がるってこと。えっとね、索子は竹の絵が描いてあるんだけど、青とか赤の色が使われてる牌と、緑だけの牌があるよね」
しずく「そうですね、一索は鳥のような絵が描いてあって青い配色がありますし、五索、七索、九索は赤く描かれている部分があります」
果林「それ以外の三索や六索なんかは緑だけの色でできてるみたいね」
あなた「そう、この索子の緑色の配色だけでできた二索、三索、四索、六索、八索と、緑色で書かれている發」
あなた「これらのみで構成したときの役を『緑一色(リューイーソーまたはオールグリーン)』といってね、一定の牌しか使えない難しい役で、役満の1つなんだよ」
愛「確かに!せっつーの牌はそうなってる!大はつ見、ってね」
あなた「この緑一色、役満で唯一チーができるんだよ。まあ出現頻度的に覚えておくべき役ではないんだけど、一応索子をたくさん集めてる、つまり河が字牌や萬子、筒子ばかりの人がいるときは一応気にしておこう」 かすみ「も〜せつ菜先輩!四索を待てば高得点で大逆転できたじゃないですか〜!」
あなた「まあ四索を待つのも全然ありではあるけどね、ただ希さんのツモ運やせつ菜ちゃんだけ10000点切っていることを考えると、とりあえず満貫でも和了っておくのは大事かな」
璃奈「せつ菜さんの麻雀、データでもそういうところ、ある。役満が狙えそうなところから和了れるところに切り替えるのが上手。四暗刻から対々和とか、字一色からチャンタとか」
あなた「ロマン派の人は得てして振り込みやすいものだけど、せつ菜ちゃんは切り替えられるみたいだね。これがなかなか難しいんだよね……」
鞠莉「高い手が狙えそうならついついそこにベットしたくなるわよね」
あなた「だけど上手く切りかえして和了るタイプなんだね」
果南「それでよかったと思うよ。4枚ある四索のうち2枚はダイヤがもってたから確率も低かったしね。結果論だけど」
あなた「ここでもダイヤさんが立直しなかったことが活きてきたね。聴牌後にすぐ立直して誰かが和了るとリー棒とられて点が減っちゃうからね」
あなた「あとはダイヤさんが立直をすればせつ菜ちゃんがおりたかもしれないという可能性もあるけど……これも不確かなことだからね」
希『……ということは今度はウチが──』
ビリビリビリビリ
希『わあっ……あっ……こ……これ……////』
希『んんっ……おもったよ……りいぃ!!』
あなた(希さんってこういうのはうまくすり抜けるタイプだったからこうも悶える希さんは珍しいなあ!)
あなた(たまらんほどの山脈が小刻みに震える光景は画面越しでもたまらなく映える!ごちそうさまです!!!)
東二局終了
凛:38900
ダイヤ:22900
希:25300
せつ菜:12900 穂乃果「今度は希ちゃんの画面だね!」
果南「いったいどれほどの配牌なんだろう?」
東三局
ドラ:二筒
三四五六七 三四七七 五六七 北白
萬萬萬萬萬 筒筒筒筒 索索索
鞠莉「スゴイのね、三面張と両面の待ちができていて嵌張や辺張は無し、そのうえ一向聴……」
あなた「……なんて綺麗なメンタンピンなんだ、こんなのズルいよ」
歩夢「メンタンピンって?」
あなた「麻雀の基本的な1飜の役をまとめた呼び方だよ。メンは門前、つまり立直のこと、タンは断么のことで、ピンっていうのが『平和(ピンフ)』っていう役なんだ」
あなた「平和も基本形なんだけど条件が色々と複雑でね。まず1つは面子は全て順子であること。刻子が絡んだら成立しないよ」
あなた「それから門前であること。順子はチーしやいからほいほい作れちゃうけど、鳴いたら平和は成立しないんだ」
あなた「3つ目は雀頭が役牌及び自風や場風にはならないこと。白發中や自風が西の時の西とか、東場の時の東を雀頭にすると不成立。数牌ならなんでも大丈夫」
あなた「最後は待ちが門前であること。順子でも辺張や嵌張の状態では平和にはなり得ないよ」 あなた「門前で面子が全て順子、雀頭は役に関係がなく最後の待ちは両面待ち」
あなた「かなりハードルが高いように思えるけど、この形が和了りに向けてのかなり作りやすい形になっているから基本の1つといわれているよ」
あなた「ということで希さんの配牌を確認しよう」
三四五六七 三四七七 五六七 北白
萬萬萬萬萬 筒筒筒筒 索索索
あなた「雀頭は7筒だろうね。面子はまず五六七索が1つできているね。それから三四五または五六七の萬子で1つ」
あなた「残るは萬子の三面張と二五筒の両面待ち。どこが入ったとしても平和の全ての条件をクリアしているんだ」
あなた「くわえてどこが入っても么九牌が絡まないんだ。鳴く必要性もないから立直がかけられる。これでメンタンピンの完成ってわけ」
歩夢「そっか、それに今回はドラが二筒だからドラか赤い五筒がくればドラもついて満貫ってことだね」
あなた「あーえっと、ここがちょっとややこしい話なんだけどね、メンタンピンドラ1は4飜なんだけど、符計算をキッチリ採用するところだと7700点になる場合もあってね……」
あなた「場合によっては4飜は全て満貫にするってケースもあったりはするんだけど、主要な麻雀アプリとかだと7700(チッチー)なことが多いから、対人戦の時は喰いタンと一緒に確認するといいかな」
あなた「ちなみになんでこんな複雑なのかってところは符計算とか麻雀の歴史とかかなりディープな話が出てくるから気になったときにググるのでいいと思う。今は割愛するね」
鞠莉「さっきのダイヤの七対子も実は4飜でも満貫にならないわ。結構特殊な形だから計算方法がちょっと違う感じなの。あとは3飜でも満貫になるケースがあったりするのだけど、これも今は置いておくわね」 歩夢「初手は白を切るのがいいのかな」
あなた「そうだね。特にせつ菜ちゃんが役満一発KOを狙ってくるタイプだから、尚更最初に処理しておきたい」
希『これやね』
あなた「ここまでは想定通り。後はできれば先に二筒か五筒を引いておきたいところだね。そうすれば綺麗な三面張での立直がかけられるよ」
せつ菜『では……』スッ
凛『これにゃ〜』スッ
ダイヤ『そうですわね……』スッ
あなた「せつ菜ちゃんは中、少なくとも大三元は無さそうだけど、凛ちゃんが三筒切り、ダイヤさんは三萬切りかあ……聴牌が近いのかもね」
果南「……」
──2巡目──
三四五六七 三四七七 五六七 北 六
萬萬萬萬萬 筒筒筒筒 索索索 索
璃奈「結構いいところ」
あなた「そうだね。北を切って待ちを広げてもいいし、ツモ切りして北を防御用に残しておくのも──」
スッ
あなた「──えっ、三筒切り……!?」
海未「どうしたのでしょう、ドラが絡めば高得点が狙える両面待ちだったはずでは……?」
あなた「うん。五六六七という持ち方は両面待ち2つに分解できるから悪くはないんだけど、そうすると面子が1つなくなるから二向聴になる。待ちも4種6枚で、2種8枚の両面待ちに勝るほどでは……」
果南「いや、ドラ近くだからこそなのかもしれないよ」 絵里「どういうこと?」
果南「1巡目、ドラ猫って呼ばれてる凛ちゃんが初手でドラと繋がる三筒を捨てたんだよ?」
あなた「そうか、じゃあもしかしたら凛ちゃんの手には既に……」
真姫「二筒が2枚か3枚あるってこと?」
果南「たぶんね。雀頭にできるのか刻子で持ってるのかまではわからないけど、どっちにしても希ちゃんが二筒をツモる確率は低くなる」
鞠莉「おまけに五筒のほうも赤ドラがツモれないとなれば実質3枚、確かに分が悪いかもしれないわね……」
──3巡目──
三四五六七 四七七 五六六七 北 東
萬萬萬萬萬 筒筒筒 索索索索
希(やっぱりツモ運が悪いみたいやね。いつもならこの辺りで二筒か赤五筒引けるはずなんだけど、ドラ絡みは凛ちゃんに取られちゃうんだろうな)
希(ならここは東を切っておこうか)
せつ菜『ポンです!』
希(あちゃ〜……)
あなた「東をポンしたね。ポンはこんなふうに、誰かの捨て牌に対して、次の人がツモするまでに宣言してから、持っていたもう2つを倒して公開するんだ」
あなた「もらった白は横向きにして、誰からもらったのかで位置を決めて、そのあと脇の方に表向きにしたまま置いておくんだよ」
璃奈「だけどこれ、北を捨てづらくなった」
果南「そうだよね……せつ菜ちゃんのこれまでの麻雀を考えればね」 彼方「どういうこと〜??」
果林「確か、北は場風に絡まないから安全な牌だっていう話だったと思うけど」
あなた「東南西北を刻子ないし雀頭で揃えるっていう役があるんだ。『四喜和(スーシーホー)』っていって、これも役満だよ」
あなた「ちなみに雀頭1つと刻子3つで構成すると『小四喜(ショウスーシー)』、刻子4つで構成すると『大四喜(ダイスーシー)』と呼ぶよ」
あなた「その難しさから大四喜はダブル役満っていって更に得点が高くなるルールが採用される場合もあるくらいなんだ」
果南「大三元聴牌に高め緑一色、あんなの見せられちゃったら警戒しちゃうよね」
あなた「それ以外にも、字牌の刻子だけ揃えた時に成立する『字一色(ツーイーソー)』って役満があったりするよ。1飜の役もまだ満足に教えてないのに役満ばかり教えてアレなんだけどさ」
あなた「そうじゃなくても東で1飜あるからいくらでも変更がきく。さっきの混一でもいいし極端な話東のみで和了って親番をもらいにいってもいい。だから安易に捨てられなくなっちゃったってわけ」
善子「さっきのダイヤみたいに北単騎待ちをしかけてあっさり和了ることもできるってことね。案外麻雀も奥が深いゲームじゃない」 希(とりあえず先に四筒やね)スッ
あなた「この次だよね。誰かが北を捨てるか逆にツモってくれば安心なんだけど……」
──5巡目──
三四五六七 七七 五六六七 北北 七
萬萬萬萬萬 筒筒 索索索索 索
希(流石に北は切れないかな……)スッ
あなた「まあこれは七筒切るよね」
穂乃果「じゃあ断么つかなくて1飜減っちゃうってこと?」
あなた「そうなんだけど、これはちょっと違う役がつけられるかもしれないよ」
ことり「違う役?」
あなた「うん。これで五索を引いてきて、五五六六七七みたいに、同じ順子を2つ作ると、『一盃口(イーペーコー)』っていう1飜の役になるんだ」
あなた「順子形の役だから鳴いたら成立しないけど、平和や断么と複合できて比較的門前ではよく見かける役だよ」
あなた「1飜役はあとツモが絡むのがいくつかあるよ。カンして引いた牌でツモ和了りすると『嶺上開花(リンシャンカイホー)』って役がつくね」
あなた「それから最後の牌をツモして和了ると『海底撈月(ハイテイラオユエ)』、大体は海底(ハイテイ)って略される役になる。最後の牌をロンすると『河底撈魚(ホウテイラオユイ)』になるよ」 歩夢「1飜の役は12種類って言ったよね。立直、ツモ、一発、断么、平和、役牌、風牌、一盃口、嶺上開花、海底、河底……あと1つは?」
あなた「えっと、かなり滅多に出ない役なんだけど、『槍槓(チャンカン)』ってのがあるんだ。これは誰かが小明槓、つまり加槓をした時にその加えた牌が当たり牌であれば成立するよ」
あなた「河に捨てた以外の牌で唯一ロンできるケースでね、条件的に滅多に出てくるものじゃないけど、これを見逃すと立直後なら振り聴になっちゃうから覚えておかなきゃいけないよ」
あなた「以上が1飜の役なんだ。運絡みのものも多いけど、立直、断么、平和のメンタンピンは基本中の基本だし、一盃口も案外作りやすいからこの辺をおさえておこう」
あなた「続いて2飜の役を紹介していこう。全部で11個あるよ。自風と場風が一致する、いわゆるダブ東、ダブ南は厳密には2飜じゃないからここでは割愛するね」
あなた「既に教えてあるのが、ダブル立直、七対子だね。2飜で頻出する役だと、『三色同順』、『対々和』、『一気通貫』とかかな。そのあたりから教えていくね」
──6巡目──
三四五六七 七 五六六七七 北北 六
萬萬萬萬萬 筒 索索索索索 筒
あなた「おっ、ちょうどいいや。まずは『三色同順(さんしょくどうじゅん)』っていう役でね。例えば希さんのあの状態から五筒をツモるなどして、五六七の組み合わせが3つできれば成立だよ」
あなた「要するに漢字の如く、萬子、筒子、索子それぞれで同じ数字の順子を作ればいいんだね。これは順子系の役だから、門前で2飜だけど鳴いて作ると喰い下がりで1飜になっちゃうんだ」
璃奈「チーして三色同順を作ろうとすると形でバレバレ。3つ目はみんな警戒しちゃうからどれかは門前で揃えた方がいい」
果南「三色同順も順子系だから平和とか一盃口とかと複合しやすいかな。立直、平和、断么、一盃口、三色で跳満までいくからね。結構強いよ」 あなた「それから『一気通貫(いっきつうかん)』もそこそこ出てくる順子系の役だね。大抵は一通(イッツー)って略されて呼ばれるよ」
あなた「これも字で連想しやすいと思うけど、同じ種類の順子を一から九まで揃えた時に成立する役なんだ。例えばこんな感じだね」
一二三四五六七八九 一二三 五五
萬萬萬萬萬萬萬萬萬 筒筒筒 索索
あなた「これは性質上に断么や三色同順とは複合しないよ。平和や一盃口などとは複合するけど、端のほうが必ず絡むから平和も成立しづらいことが多いかな」
あなた「これも喰い下がりで鳴くと1飜になるんだ。けど一通は同じ種類で3ブロックできるから、混一とは絡めやすかったりするよ」
あなた「あとは順子が絡むのに『混全帯么九(ホンチャンタイヤオチュー)』があるね。長いからほとんどの場合でチャンタと略されて呼ばれるんだ」
あなた「これはちょっと類推しにくいかもしれないけど、例えば今な感じの役だね」
一二三九九 一二三 一二三 中中中
萬萬萬萬萬 筒筒筒 筒筒筒
千歌「あ〜!もしかして、断么の逆ってこと?」
あなた「おお、ほとんど正解。チャンタは么九牌のみで構成されていて、字牌が絡む役のことなんだ」
あなた「これも喰い下がりがあって鳴くと1飜になる。ただチーするとしたら辺張か嵌張しかないから、ちょっと成立が難しい割にあまり点数が伸びにくいんだ」
あなた「ただ上記の例のように、役牌とか三色同順と複合すればなかなかの攻撃力になるよ。それから一二三や七八九でチーをすると、三色の可能性も一通の可能性もあって判断が難しくなるね」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています