海未「ある夏の日」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 08:48:46.86

ｽﾞｽﾞー

ことり「うーん、海未ちゃんが淹れるお茶は相変わらず深みがあるねえ」

海未「それはありがとうございます」

ことり「海だけに」

海未「……」ｽｯ

ことり「あぁん、お菓子下げないでぇ」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 08:49:14.27

海未「変な声を出さないで下さい、おぞましい」

ことり「お、おぞましい……そんなこと言う海未ちゃんには私手作りのチーズケーキあげないよー？」

海未「！……冗談です。ことりは世界一可愛らしいお嬢さんですよ」

ことり「そ、そこまで言われると嬉しい通り越して引いちゃうかも…」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 08:52:19.93

ﾓｸﾞﾓｸﾞ

海未「美味しいです。さすがはことりですね」

ことり「えへん」

海未「しかし少し甘すぎないですか」

ことり「だってケーキは甘いものだよー？」

海未「それはそうですが、これはやり過ぎでは。健康診断で引っかかるレベルですよ」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 08:52:34.55

ことり「海未ちゃん、私はね、健康を捨ててでもケーキは甘いものが食べたいんだよ」

海未「あなたも、変なところでこだわりを見せますよね」

ことり「えへん」

海未「褒めてないですから」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 08:52:57.37

ことり「でもお茶ともよく合うでしょ？　甘味と苦味のダブルパンチ、飴と鞭！」

海未「飴と鞭は意味が違うと思いますが…まぁ、確かによく合います」

ことり「あ、お茶なくなっちゃった」

海未「ああ、淹れなおしますよ。よいしょ」

ことり「ありがとう。あれ、そういえば今日は海未ちゃん一人？」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 08:53:16.08

海未「ええ。私以外は皆出掛けてますよ」

ことり「どこに行ってるの？」

海未「確か、映画を見に行くと言ってましたね」

ことり「映画かぁ。海未ちゃんは行かなくてよかったの？」

海未「ことりが会いに来るなら、それが最優先ですよ」

ことり「う、海未ちゃん……抱きしめても良かですか？」

海未「駄目です」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 08:53:38.36

ことり「海未ちゃんのいけず～」

海未「何がいけずですか、まったく」

ことり「あ、じゃあ私達二人で映画見に行く？」

海未「何でそうなるんですか」

ことり「いいでしょ～？　最近刺激的なことがないから、燃えるような恋を描いた映画を見て、乙女心を燃え上がらせさせたいの～」

海未「あ、あなたはまったく……というか、二人で恋愛映画とか、何の罰ゲームですか」

ことり「ひ、ひどいっ！」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 08:53:51.59

海未「常識的な意見でしょう」

ことり「うぅ、海未ちゃん最近口悪くなったよね……昔はあんなに可愛らしかったのに…」ｼｸｼｸ

海未「いつの話をしてるんですか」

ことり「恥ずかしがり屋さんで、一緒に遊ぼって言い出せないような、玉のようなお子だったのに…」

海未「ホントにいつの話をしてるんですか…」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 08:54:10.89

海未「馬鹿な事を言っていないで、食べ終わったのなら片付けの手伝いをして下さい」

ことり「はーい」

海未「……それに映画館まで行かなくとも、映画は見られるでしょう」

ことり「え？……まさか…！」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 08:54:26.71

海未「ふふ、抜かりはありません。友人が遊びに来ると分かっていれば、準備は万全にしておくのが迎える側の務め」

海未「きっちり用意してありますよ」

ことり「う、海未ちゃん……！　さすがすぎるよ…」

海未「では見ますか。『七人の侍』」

ことり「……」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 08:54:44.62

海未「やはり黒澤監督作品の中ではこれは鉄板の」

ことり「海未ちゃん、違う。違うんだよ」

海未「何が違うんですか」

ことり「私が求めてるのはそういう白と黒の画面じゃなくてね？　こう、キラキラしてて見てるだけで胸躍るような恋物語なんだよ」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 08:55:02.28

海未「しかし……黒澤作品以外となると後はもうジブリしか」

ことり「あ、じゃあ『耳をすませば』でいいよ！」

海未「すいません、『紅の豚』ならあるんですが」

ことり「くっ……！」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 08:55:22.53

ことり「ま、まぁ恋愛要素がない訳じゃないかもだし、見よう、か」

海未「おお、では一緒に見ましょう」

ｳｨｰﾝ

ー間ー

海未「うーん、やはり良い話ですね」

ことり「うん。……やっぱり私が求めてたものとは大分違うけど」

海未「こう、見る時期によって抱く印象が変わる映画ですよね」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 08:55:41.22

ことり「そうだねぇ、最初見た時はポルコ豚なのにカッコいいなぁくらいだったけど」

海未「こうして改めて見ると、キャラクターそれぞれの味わいが沁みますよねぇ」ｳﾝｳﾝ

ことり「ふふ、海未ちゃん、それお年寄りくさいよ」

海未「む、失礼な。私はまだまだピチピチですよ」

ことり「ピチピチって言い方もちょっと…」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 08:55:56.92

ことり「それにしても、映画なんて久しぶりに見たなぁ」

海未「そうなんですか？」

ことり「うん。最後に見たのいつだったかなぁ……穂乃果ちゃんと映画館で見たのが最後だったかな？」

海未「穂乃果と？　いつですかそれ」

ことり「……半年前くらい？」

海未「どういう経緯で映画館に？」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 08:56:08.12

ことり「えーとね、穂乃果ちゃんが新作の映画やるから一緒に見に行こーって引っ張ってかれた」

海未「容易に想像出来るのがまた……って、それなら私も一緒に行きたかったです」

ことり「海未ちゃんその日は日舞のお稽古があったから、ホントは誘いたかったって言ってたよ？」

海未「…そうでしたか。まあそれなら仕方ないですね」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 08:56:27.58

ことり「でも穂乃果ちゃん、途中からずっと寝ちゃってたなぁ」

海未「穂乃果は映画を見ると大体眠ってましたからね」

ことり「あはは、皆でラブソング作ろう～って、参考に映画見た時も眠っちゃってたよねぇ」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 08:56:40.02

海未「ああ、そんなこともありましたね」

ことり「海未ちゃんは恥ずかしがって全然見てなかったっけ」

海未「……覚えていませんね」

ことり「あっ、ずるい」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 08:56:56.12

海未「私の話はいいでしょう。それより、映画も見ましたし、もういい時間ですよ」

ことり「あ、ほんとだ。そろそろ行く？」

海未「ええ。今日も気温が高いようですし、一番暑い時間帯と被らないようにしましょう」

ことり「確かに、海未ちゃん家来るまでに、既にちょっと暑かったな～」

海未「熱中症にならないよう、塩飴と、麦茶と、帽子と、念のためストックも持っていきますか」ｺﾞｿｺﾞｿ

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 08:57:08.61

海未「これで準備万端ですね」ﾊﾞｰﾝ

ことり「登山行くみたいになってるよ、海未ちゃん」

海未「何かと入り用な物もありますからね」

ことり「大丈夫？　私も持とうか？」

海未「いえ、平気です。行きましょう」

海未「穂乃果の所に」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 08:58:43.01

ﾐｰﾝﾐﾝﾐﾝﾐﾝ

ことり「うっ、やっぱり外暑い……堪えるねこれは」

海未「セミが大合唱してますね。まさに夏真っ盛りって感じです」

ことり「海未ちゃん、日焼け止め塗った？」

海未「え？　いえ、塗ってませんが」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 09:07:48.68

ことり「え！？　駄目だよ。ほら、これ貸すから早く塗って！」

海未「えぇ、ですが」

ことり「もー、何でこういう所の準備はしっかりしてないの！　はい、日傘も」ｸﾞｲｯ

海未「は、はぁ。分かりました、ありがたく使わせていただきます」

ことり「まったくもう」

海未「すぐ近くですし、ここまでする必要がないような気もしますが」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 09:15:01.03

保守

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 09:15:06.02

保守

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 09:15:10.27

保守

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 10:08:14.93

見てるぞ

**名無しで叶える物語**(茸) · 2020/08/22(土) 12:13:36.23

ｳﾐﾝﾐﾝｾﾞﾐ

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 13:54:53.49

ことり「甘いよ海未ちゃん。さっきのチーズケーキ並みに甘々だよ」

海未「はぁ」

ことり「ちゃんとしたケアをしないと、いつまでもピチピチ海未ちゃんじゃいられないんだよ？」

海未「……ことり、煽ってます？」

ことり「え、えぇ～、さっき自分で言ってたのに～」

海未「前言撤回です。人から言われるとなんだか小馬鹿にされているように感じます」

ことり「まぁまぁ。はいどうぞ」

海未「ありがとうございます」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 14:09:44.64

ﾃｸﾃｸﾃｸ

海未「しかし日傘で片手がふさがっていると、ストックは使えませんね」

ことり「というか海未ちゃん、自分ですぐ近くって言ってたよね？　それ、何となく使いたかっただけなんじゃ…？」

海未「う、分かりましたか。実は新調したので試してみたかったんです」

ことり「そういうことかぁ。気持ち分かるよ」

海未「最近はあまり長時間外出もしないので、使う機会が限られますからね」

ことり「外暑いもんねぇ」

海未「ええ。体が何より大事ですから」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 14:23:09.18

少女1「おーい、早く早くー」ﾀｯﾀｯﾀｯ

少女2「ま、待ってよぉ～」

ことり「おお、この蒸し風呂のような暑さの中走ってる…」

海未「子供は元気ですね」

少女1「あ、こんにちはぁ」

海未「はい、こんにちは」

少女2「こ、こんにちは…」

少女1「あー、ダメだよー、もっと大きな声で言わないと」

少女2「う、うぅ…」

ことり「うんうん、しっかり挨拶出来て偉いね」

ことり「はい、飴ちゃん食べる？」

少女1「わー、いいの！？」

海未「何で飴なんて持ってるんですか」

ことり「可愛い子を見るとつい…」

海未「なんか言い方がいかがわしいですよ」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 14:28:46.94

少女2「だ、だめだよぉ。知らない人から食べ物貰っちゃだめって、お母さんが言ってたもん」

少女1「えー」

海未「おや、ちゃんとお母さんに言われた事を覚えているなんて偉いですね」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

少女2「あぅ…///」

海未「ことり、飴はなしです」

ことり「むむぅ」

海未「むむぅじゃありません」

少女1「えー、ことりって名前なのー？」

ことり「ふふ、そうだよ。可愛い名前でしょ？」

少女1「えー、変だよー。変な名前ー」

ことり「うぐぅ」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 14:41:00.51

少女1「じゃーねー」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

少女2「…」ﾍﾟｺﾘ

海未「行っちゃいましたね」

ことり「変な、変な名前……」ｽﾞｰﾝ

海未「いつまで落ち込んでるんですか」

ことり「だってぇ、あんなちっちゃい子に純真無垢な瞳で言われるとこたえるよぅ」

海未「はいはい。ことりは可愛いですよ」

ことり「ほ、ホント？」

海未「ええ。世界一可愛らしいお嬢さんですよ」ﾌﾌｯ

ことり「そ、それはやめて…なんかこそばゆい」

**名無しで叶える物語**(すだち) · 2020/08/22(土) 15:45:09.64

ちゅんなぁ

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 18:27:03.22

ことり「それよりさ、今の女の子二人組、誰かに似てると思わない？」

海未「？　誰ですか？」

ことり「ほら、凛ちゃんとかよちゃんだよっ」

海未「……ああ。えー、似てますかね？」

ことり「似てるよぉ。元気いっぱいな凛ちゃんと、引っ込み思案だけどとっても良い子なかよちゃんだよ」

海未「うーん、まぁ、言われてみれば…って感じですね」

ことり「きっと二人ともあのくらいの年の時は、あんな感じだったんだよ」

海未「さすがに想像しにくいですよ」

**名無しで叶える物語**(しまむら) · 2020/08/22(土) 19:20:19.27

ことり「そうかなぁ。私には見えるよ、あの二人はお互いにかけがえの無い親友同士になるって」

海未「あの、ことり。それはいいんですが、そろそろ歩きませんか」

ことり「海未ちゃん」

海未「はい？」

ことり「疲れたから喫茶店でも寄ってこうか」

海未「……」

**名無しで叶える物語**(しまむら) · 2020/08/22(土) 19:28:21.41

ｶﾗﾝｺﾛﾝ

ｲﾗｯｼｬｲﾏｾｰ

ﾆﾒｲｻﾏﾃﾞｽﾈ、ｺﾁﾗﾉｾｷﾍﾄﾞｳｿﾞｰ

ことり「ふぁぁぁ、クーラーの効いた喫茶店て天国だよねぇ。このまま昇っていけそう～」

海未「ちょっとちょっと。戻ってきて下さい」

ことり「あ、見て見て海未ちゃん。チョコレートフラペチーノだって」

海未「ことり、あなたきちんと運動してます？　前に私が教えた筋トレこなしてますか？」

ことり「も、もちろんダヨー」

海未「目が泳いでますよ。はぁ、ほとんど歩いていないのにもう休憩だなんて。体を動かしていない証拠です」

**名無しで叶える物語**(しまむら) · 2020/08/22(土) 19:38:06.91

ことり「だってぇ、海未ちゃんに教えて貰った筋トレ疲れるんだもん」

海未「あのですね、筋トレというのは疲れるものなんです」

ｺﾞﾁｭｳﾓﾝｵｷﾏﾘﾃﾞｽｶｰ?

海未「私はウーロン茶を」

ことり「チョコレートフラペチーノをお願いします」

ｶｼｺﾏﾘﾏｼﾀｰ

海未「……ことり？　さきほどチーズケーキを食した上にまた甘味ですか？」

ことり「う、海未ちゃん顔こわいよ？」

海未「あなたのせいですよ、まったく。いいですか、私はあなたのためを思ってですね…」ｸﾄﾞｸﾄﾞ

ことり「わーわーわー」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/22(土) 22:23:11.18

いつもよりだらしないことりちゃんだ

**名無しで叶える物語**(茸) · 2020/08/23(日) 12:08:19.74

好きだよことうみ

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/23(日) 17:28:17.58

「もういい加減にしてよっ！」

海未「む？」

ことり「お？」

女の子「子供扱いしないでっていつも言ってるでしょ！」

男の子「べ、別に子供扱いしてるわけじゃ…」

女の子「じゃあなんなのよ？」

男の子「……」

女の子「ほら、答えられないんでしょ？」

男の子「……ふんっ、なんだよ。子供扱いしないでって言ってるけど、まだ中学生だろ。子供じゃん」

女の子「はぁぁぁ！？　それ言うならあんたもでしょ！？」

男の子「うるさいなぁ。そうやってすぐ騒ぐところが子供だって言ってるんだよ」

女の子「何ですってぇ！？」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/23(日) 17:38:04.01

ｵﾏﾀｾｼﾏｼﾀｰ、ｳｰﾛﾝﾁｬﾄﾁｮｺﾚｰﾄﾌﾗﾍﾟﾁｰﾉﾆﾅﾘﾏｽｰ

海未「ありがとうございます」

海未「ケンカですかね。やれやれ、お店の中で始めないで欲しいですね」ｽﾞｰ

ことり「……」

海未「ことり、どうしました？　きましたよ、チョコレートフラペチーノ」

ことり「ラブロマンスの香りがするよ、海未ちゃん」

海未「……はい？」

ことり「映画で補給出来なかった乙女心を、あの二人が満たしてくれる気がする」

海未「いやいや。あなた何言ってるんですか」

ことり「どれどれ、ちょっと話しかけてみようか」

海未「やめなさい。どう考えても私たちが首を突っ込む問題ではないでしょう」

ことり「そんなことないよぉ。人生経験の豊富さを見せつけてあげようっ」

海未「ちょ、ことり！」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/23(日) 17:51:23.31

女の子「……」ﾑｽｯ

男の子「……」ﾌﾝｯ

女の子「…トイレ行ってくるっ！」ｶﾞﾀｯ

男の子「……」

男の子「……」

男の子「……」

男の子「……はぁ」

ことり「もし、そこのお方」

男の子「え？……僕ですか？」

ことり「そう、あなたですよ」

ことり「何だか悩みがおありのようですね？」

男の子「悩みというか…あの、あなたは…？」

ことり「私にどーんと話してみなさいっ。どんな恋の悩みもたちどころに解決してあげるわよっ」

男の子「え、えぇ…」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/23(日) 17:52:01.83

海未「ことり、それではただの怪しい人です」

男の子「あの、僕に何かご用ですか？」

海未「すいませんね、用なんて程のものではないんです」

海未「単なる道楽に過ぎないのですが、もしよろしければ話を聞きますよ」

海未「きっと助言できることも多いでしょうから」

男の子「……」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/23(日) 21:13:01.48

ことり「それで、さっきはどうしてケンカなんてしてたの？」

男の子「べ、別にケンカしてたってわけじゃ…ちょっとだけ言い争いになっただけで」

ことり「ふぅん、言い争いになった原因はなにかしら？」

男の子「それは、その……」

ことり「大丈夫よぉ。言いふらしたりしないから～」

男の子「……見ず知らずの人にこんな相談なんて」

ことり「見ず知らずだからこそ、近しい人に話せないことも話せたりするものよ？」

男の子「…」ｳｰﾝ

ことり「さ、飴ちゃんあげるから。人生の先輩に話してみなさい」

海未「またですか」

男の子「い、いらないです」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/23(日) 21:40:14.62

男の子「……分かりました。話します」

ことり「よろしいよろしい」

男の子「でも、原因て言っても、多分小さな積み重ねだと思います」

海未「積み重ねですか」

男の子「はい。あいつ、子供っぽいし、危なっかしいので、普段からつい色々と口出ししちゃうんです」

海未「ふむふむ」

男の子「さっきも、あいつがチョコレートフラペチーノ頼んでたので、ちょっとからかったらあんなに怒りだして…」

ことり「……」

海未「……」

男の子「あの……？」

海未「あ、ああいえ。なるほど、事情は分かりました」

**名無しで叶える物語**(庭) · 2020/08/24(月) 00:01:07.01

穂乃果のお墓参りとかいう落ち？

**名無しで叶える物語**(しまむら) · 2020/08/24(月) 00:25:03.82

葉桜の季節に君を想うということの匂いがする

**名無しで叶える物語**(らっきょう) · 2020/08/24(月) 08:26:53.81

保守

**名無しで叶える物語**(なっとう) · 2020/08/24(月) 23:43:28.28

保守

**名無しで叶える物語**(SIM) · 2020/08/25(火) 12:25:49.40

良い距離感のことうみ

**名無しで叶える物語**(八つ橋) · 2020/08/26(水) 06:35:51.82

保守

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/26(水) 17:52:44.21

海未「しかし、それならば非があるのはあなたの方。自分でも分かっているでしょう」

男の子「そ、それは…」

海未「あの子との関係を悪化させたくないのなら、対応の仕方を少し考え…」

ことり「というかね？　君は何でそんなにあの子にちょっかいをかけるのかね？」

男の子「え？」

ことり「どうでもいい相手ならそこまで口を出したりしないわよねぇ？　ねぇ？」ﾆﾔﾆﾔ

男の子「う……」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/26(水) 17:53:14.59

ことり「なんで？　ねぇなんでかしら～？」ﾂﾝﾂﾝ

男の子「……///」

ことり「隠しても分かるわよ？　ずばり、君はあの子のことが好きなんでしょう？」

男の子「！！」

ことり「あの子のことが好きだけど素直になれずに憎まれ口が出てしまうんでしょー？」ﾆﾔﾆﾔ

男の子「うぐぅ……」

海未「ことり、楽しそうですねぇ…」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/26(水) 18:06:10.84

男の子「ぼ、僕は……」

海未「ことりの言う通りなのであれば、私からも一つ」

海未「自分の気持ちを真っ直ぐに表現できる男の子に、女の子は惹かれるものですよ」

男の子「……」

ことり「さぁさぁ、どうなの？　好きなの？　好きなんでしょお？」

男の子「……っ……す」

ことり「す？」

男の子「…………」

男の子「好き……です」

ことり「！」

男の子「子供っぽいし、すぐムキになるし、バカだけど…」

男の子「なんかほっとけないんです……あいつのこと」

ことり「……ふふ」

ことり「海未ちゃん、そろそろ元の席に戻ろうか」

海未「そうですね」

男の子「え？　あの」

ことり「う・し・ろ♪」

男の子「？」ｸﾙ

女の子「……///」

男の子「あ……///」

ことり「ふふ、では仲良くやりたまえよ、若人達よ～」

男の子「ちょ、あのっ……えぇ～！？」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/26(水) 18:10:04.18

ｶﾗﾝｶﾗﾝ

ｱﾘｶﾞﾄｰｺﾞｻﾞｲﾏｼﾀｰ

ことり「ふー、美味しかった」

海未「よくチーズケーキの後にあれが入りましたね」

ことり「ふふ、甘い物ならいくらでもっ」

海未「それにしても、あなたも好奇心旺盛というか何というか」

ことり「だって気になったんだも～ん。そう言う海未ちゃんこそ結構ノリノリでアドバイスしてた癖に」

海未「む。ま、まぁ私も気にならなかったといえば嘘になりますが」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/26(水) 18:16:05.83

ことり「上手くいくと良いねぇ。あの二人」

海未「そうですね。まぁ、良い雰囲気になってましたし、きっと大丈夫ですよ」

ことり「えへへ、たっぷりﾆﾔﾆﾔできたねぇ」

海未「それはあなただけです」

ことり「何だか、昔の真姫ちゃんとにこちゃんを思い出したよ」

海未「花陽と凛の次は、にこと真姫ですか」

ことり「うん。素直になれない真姫ちゃんと、ちっちゃいにこちゃん！」

海未「流石にこじつけが過ぎると思いますが」

ことり「私はそう思ったんだから、それでいいのー」

海未「はいはい」

ことり「せっかくだから、絵里ちゃんと希ちゃんみたいな二人組にも会いたいよねぇ」

海未「どんな二人組ですかそれは」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/26(水) 18:21:59.39

ことり「そうしたら、μ’s全員集合！って感じがするよね」

海未「μ’sですか、懐かしい響きですね」

ことり「うん。懐かしいけど、昨日の事みたいに思い出せるよ」

海未「……ええ。そうですね」

海未「行きましょうか、穂乃果が待ってます」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/26(水) 19:57:47.19

ﾐｰﾝﾐﾝﾐﾝﾐﾝ……

ことり「ふぅ…ふぅ……つ、着いたねぇ」

海未「大丈夫ですか？　お茶飲みますか？」

ことり「あ、ありがとう。はぁ…こういう時って、ホントに歳取ったなぁって思うよ」

海未「……ことりの場合は単に運動不足なのでは？」

ことり「うぅ…海未ちゃんがいつまでも若々し過ぎるんだよぅ」

海未「そんなことありませんよ。私だって年齢を感じる時くらいあります」

ことり「えぇ～、どんな時？」

海未「そうですね。……こうして友人のお墓に参る時などは、特に」

ことり「うーん…確かに。あはは、こんな会話するなんて、お互いもうすっかりおばあちゃんだねぇ」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/26(水) 21:18:00.68

海未「ええ。さて、まずは掃除をしましょうか。と言っても、あまりやるべき所はないようですが」

ことり「うん、綺麗に保たれてるね」

海未「本人は整理整頓とは縁がありませんでしたけどね」

ことり「あ、多分、今穂乃果ちゃん怒ったよ」

海未「ふふ、怒って出てきてくれればよいのですが」

ことり「あはは、そうだね。そうなれば嬉しいよね」

**名無しで叶える物語**(しまむら) · 2020/08/26(水) 22:01:17.62

つれぇわ…

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/08/27(木) 00:51:30.55

ﾊﾉｹﾃｨｱ…

**名無しで叶える物語**(たまごやき) · 2020/08/27(木) 23:46:28.40

なるほど…

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2020/08/28(金) 19:30:39.85

保守

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2020/08/29(土) 16:56:09.89

保守

**名無しで叶える物語**(しまむら) · 2020/08/30(日) 15:51:19.57

保守

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2020/08/31(月) 06:22:37.99

保守

**名無しで叶える物語**(たまごやき) · 2020/08/31(月) 22:44:40.31

保守

**名無しで叶える物語**(えびふりゃー) · 2020/09/01(火) 06:39:59.78

あくほしゅ

**名無しで叶える物語**(たこやき) · 2020/09/01(火) 06:48:45.18

保守

**名無しで叶える物語**(しまむら) · 2020/09/01(火) 22:00:36.35

ｻｯｻｯｻｯ……

海未「掃除は……これで十分ですかね」

ことり「うん。本当にあっという間に終わっちゃったねえ」

海未「きっと大勢の人が訪れているのでしょう。お葬式の時も、にぎやかでしたから」

ことり「どこで知り合ったんだろうって人もたくさん来てたよね」

海未「多分、習い事の集まりで知り合った方だと思いますよ」

ことり「習い事か…色々やってたよね、穂乃果ちゃん」

海未「ええ。……いくつになっても、行動力の塊でしたね」

**名無しで叶える物語**(しまむら) · 2020/09/02(水) 13:43:57.86

>>46>>47
お前ら預言者かよ

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2020/09/02(水) 21:47:38.85

結構お年を召してる？

**名無しで叶える物語**(SB-Android) · 2020/09/03(木) 03:15:45.09

たどり着く迄に息切れ&飴ちゃんって言っちゃうくらいだからおそらくな