ダイヤ「曜さん、果南さん。あなたたちにはビーチバレーの試合に出ていただきますわ」
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果南「え?」
曜「ビーチバレー?」
果南「どうして急に?」
ダイヤ「これを見てください」
ペラッ
ようかな「……」
ダイヤ「二週間後に近くの砂浜でビーチバレーの大会が開催されることが決定いたしましたの」
ダイヤ「曜さん、果南さん。あなた方には浦の星の代表としてエキシビションマッチに出場して頂きたいのですわ」
曜「エキシビションマッチ……」
果南「ふーん……なんだか面白そうじゃん!いいよ!私は!」 果南「曜は?」
曜「うん!私も大丈夫!スポーツのことならこの曜ちゃんにお任せであります!!」ビシッ!
ダイヤ「では決まりですわね。書類の方はこちらで作成しておきますわ」
曜「でもビーチバレーか〜!楽しみ〜!!」
果南「曜は経験ある?」
曜「ん〜、見たことは何回かあるけど、やったことはないかな……果南ちゃんは?」
果南「私もないよ?」
ようかな「……」
果南「じゃあなんでこのメンツにしたわけ?ダイヤ」 ダイヤ「この学校にはビーチバレー部は存在しません。ですので運動の得意そうなあなた方を選んだのですわ」
ダイヤ「それと今回のイベントは私たちAqoursの宣伝活動を兼ねています。お二人には何が何でも勝利して!そこで!!私たちAqoursの名前をババーンと轟かせて頂きたいのですわ!!!」
曜「バ、ババ―ンって……」
果南「もしかしてダイヤ、初心者の私たちに試合に勝てって言ってる?」
ダイヤ「はい!もちろんです!!私たちAqoursにふさわしいのは!!常に勝利のみ!!」
ダイヤ「果南さん!!曜さん!!いいですわね!!絶対に!!絶対に勝利を
果南「いや無理でしょ。私たちビーチバレーなんてやったことないし」
ダイヤ「その点は心配には及びませんわ!!あなた方を成長させるべく、とびっきりに優秀なコーチを手配しておりますので!!」
曜「コ、コーチ!?わぁ、すっごく本格的……誰なんだろ!!」ワクワク
果南「……」
果南(……そこまで言うならダイヤが出ればいいんじゃないの?) 〜砂浜〜
鞠莉「ハーイ!曜!果南!準備はオッケーよね?」
曜「ま、鞠莉ちゃん!?」
果南「はぁ……」
果南(やっぱり、こういうことだと思った……)
果南「で?鞠莉にビーチバレーのコーチなんて務まるわけ?」
鞠莉「オフコース!!本場のアメリカで鍛えた経験があるのデース!!」
鞠莉「果南!曜!マリーのスペシャルな特訓についてこられたなら!きっと素敵なビクトリーを手に入れられるはずよ!!」
鞠莉「二人とも、ついて来られるかしら〜?」
曜「よ、よろしくお願いします!!鞠莉ちゃんコーチ!!」ビシッ!
果南「……」
果南(……そこまで言うなら、鞠莉が出ればいいんじゃないの?) 鞠莉「じゃあ早速練習を始めるわね」
鞠莉「まずはパスの練習から。曜、volleyballには二種類のパスがあるのはわかる?」
曜「うん!オバーハンドパスってやつとアンダーハンドパスってやつでしょ?ほら!こういうのっ!と!こういうの!!」
鞠莉「ええそうね、良く知ってるじゃない!ビーチバレーではオーバーを使うとドリブルっていう反則を取られやすいから、トスの時もアンダーで上げていくことになるのよ。そこだけ注意ね」
曜「なるほど……了解であります!!」
鞠莉「試しにやってみる?」
曜「いいの?やるやる!!」
鞠莉「じゃあ……」ポンポン
鞠莉「マリーがボールを投げるから、私の方にアンダーで返してみてちょうだい」
曜「うん!わかった!」 鞠莉「じゃあいくわね!」
ポーン
曜「えいっ!」ポン!
曜「……ありゃ?」
ポテポテ
鞠莉「ほら?ちゃんとマリーがキャッチできるように返さなきゃダメよ?」
曜「あ、うん……」
曜(あれ〜、おっかしいなぁ〜………今の、完璧なタイミングだと思ったのになぁ……)
鞠莉「もう一回いくわよ!」
曜「あ!うん!」
ポーン
曜「えいっ!」
ストッ!
曜「……?」 鞠莉「果南もやってみる?」
果南「え?私?」
鞠莉「いっくわよー!!」ポーン
果南「わっ!?ちょっ!!」ポーン
鞠莉「ほっ!」キャッチ!
鞠莉「……果南の方はだいぶ形にはなってるみたいね」
曜「ねえ鞠莉ちゃん、どうして?私、授業でやったときは、完璧にできたはずなんだけど……」
鞠莉「曜、周りを見てちょうだい」
曜「周り……?」
鞠莉「何が見えるかしら?」
曜「え?周りって……海と砂浜しか見えないけど。あとは空かな」 鞠莉「そうね、ビーチバレーはね、砂浜でやるっていう事がバレーボールとの一番の違いなの」
曜「?」
鞠莉「日差しもあるし風も吹く。地面だって砂浜よね」
曜「……」
鞠莉「曜ね、自分じゃ気づいてないかもだけど、返球の時にちょっと下半身が崩れちゃってるのよ。それでボールのフォーカスが定まっていないんだと思うわ。ほら、砂に足が取られてる感覚あるでしょ?」
曜「ま、まあ、確かに……」
鞠莉「砂の上で激しい運動をするためには、何よりもまず砂浜とベストフレンドにならなきゃいけないの!もちろん、ボールタッチとかも重要なんだけどね」
鞠莉「というわけで、曜!果南!」パン!
鞠莉「まずは砂浜の走り込みをしてもらうわよ!!」 曜「はぁっ……はぁっ………」タタタッ!
曜「に、じゅぅ〜……!!」
ゴロン!!
曜「はぁっ!はぁっ…………!!」
果南「ほっ!」
カラン!!
曜「ちめたいっ!!」
果南「曜、大丈夫?はい、ジュース!」
曜「あ、ありがと……」プシュッ!!
曜「んくっ!んくっ!んくっ………ぷはぁっ!!はぁ、はぁ……」 果南「疲れた?」
曜「う、うん、いつも以上に……砂浜の上をこんなにも動き回ったのって、初めてだったから……」
果南「ふーん……」
曜「……果南ちゃんは余裕そうだね」
果南「え?そう?まあ、慣れてるからかな?」
果南「例えば……」
シュタッ!
果南「ほっ!ほっ!」
果南「どう?私、砂浜でも反復横跳びできるんだよ?ぶいっ!!」ピース
曜「はは、ははは……」
曜(やっぱり果南ちゃんって、フィジカルお化けだなぁ……) 果南「曜も普段から私とトレーニングする?楽しいよ!海で動くの!」
曜「え?いいよ私は、プールだけで……」
果南「そう?楽しいのに……」
果南「……それにね、海はいつでも私たちのこと待ってるんだよ!」
果南「ほら!海って私たちの一番の友達だから!子供の時から!!」
曜「とも、だち……」
果南「そう!ともだち!」
曜「……」
曜「……ふんっ!」ペチッ!
果南「曜?どうしたの?」
曜「私!もうちょっとだけトレーニングしてくる!!鞠莉ちゃんに言われたメニューやってくるから!!」タタタタッ!
果南「うん!わかった!頑張ってね!!」
果南「……」
果南「……曜は昔から変わんないね」
果南「さてと……とうっ!」
果南「私も自主トレ!やろっか!」 鞠莉「うん!曜も果南も体幹がバッチリ鍛えられてきたんじゃない?」
曜「あ、ありがと、鞠莉ちゃん……!!」
鞠莉「じゃあそろそろ本格的にパスの練習に入りましょう」
鞠莉「まず二人でパス&キャッチをしてみましょうか。この前私がやって見せたようにお願いね」
鞠莉「果南!はい!ボール!!」ヒュン!
果南「ほっ!ありがと鞠莉!じゃあ曜、いっくよ〜!!」
曜「うん!お願い!!」
果南「そ〜れっ!」
曜「ほっ!」
果南「よっと!」キャッチ!
果南「ナイス曜!」
曜「う、うん……」
曜(確かにこの前やった時よりちゃんと返せるようになってるかも。ボールの落下地点にも入りやすくなってるし……) 鞠莉「これが出来るようになったら次は二人でパスを繋げてみましょうか」
果南「じゃあ曜、私からいくよ!」
果南「それっ!」ポーン!
曜「わわっ……えいっ!」ポーン
果南「よっ!」
曜「ほっ!」
ポンポン♪
鞠莉「うん、二人ともいいカンジね♪」
曜「とうっ!」ポン!
果南「えいっ!」ポン!
曜(た、楽しいかも……!!) 鞠莉「じゃあ次は今のアンダーパスの応用よ」
曜「応用?」
鞠莉「ええ、サーブレシーブをやってみようと思うの」
鞠莉「サーブにせよアタックにせよバレーは相手の強い攻撃を受けるところから始まるわ。自分たちの攻撃を組み立てるときには、最初のレシーブを上手にこなすことが大事なのよ」
曜「なるほど……わかった!!」
鞠莉「果南!フローターサーブ!打てるわよね?」ポーン!
鞠莉「コートのこのエリアに打ってちょうだい!」カキカキ
果南「オッケー!任せて!」タタタタッ!
鞠莉「まずは曜!果南のサーブ受けてみて!」
曜「う、うん!わかった!」 果南「じゃあいっくよー!」
果南「……」タッタッタッ!
果南「……とうっ!」ヒュッ!
曜「……へ?」
果南「ふんっ!」
曜「わっ!?」ヒュゥン!!
シュパーン!!!
曜「……」
鞠莉「ほーら、曜?ぼーっとしてないでちゃんとボール見てないと取れないわよ?」
曜「い、いや、でも……」
曜「……果南ちゃん、今ぴゅーん!ってすっごく高くジャンプしてたけど」 鞠莉「ジャンプフローターサーブね。高い位置からボールを落とすことで勢いをスピードに乗せるの」
曜「いや、取れるわけないでしょあんなの」
鞠莉「曜?」
ムニッ!
曜「わっ!?鞠莉ちゃん!?」
鞠莉「『取れるわけない』とか簡単に決めつけちゃダメよ」
曜「で、でも……」
鞠莉「ダイジョウブ!曜には無限のポテンシャルが眠ってること、マリーはちゃんと知ってるんだから♪」
曜「鞠莉ちゃん……」
曜「……」
曜(……っていうか果南ちゃんはいつの間にあんなの出来るようになったんだろ?) 果南「いっくよー!曜!!」
曜「う、うん!!」
ヒュン!!
曜「うわっ!?」ポテッ!
鞠莉「曜!もっと優しく受けて!ボールを包み込むように!」
鞠莉「ダイジョウブよ!ボールは友達!怖くないわ!!」
曜「……うん!」
曜「果南ちゃん!もう一回お願い!!」 果南「オッケー!いくよ!とうっ!」
ヒュン!
曜「……ふっ!」
ポテポテ
曜「はぁっ、はぁっ………果南ちゃん!!まだまだ!!」
曜(私は真夏の刺すような日差しの下で、汗を滴らせながらも何球も何球も受け続けました) 曜「はぁ、はぁ………」
曜(なんとなくだけど感覚はつかめてきた。果南ちゃんの球の持つ勢いを足腰で受け止めて、それに負けないように両腕をがっちり固めて、思ったところに上げられるようにする)
曜「はぁ、はぁっ……」
曜(……いける!今なら!!今なら返せる気がするよ!!)
曜「はぁ…………果南ちゃん!もう一回!!!」
果南「うん!!……とうっ!」ヒュン!
曜「……ふっ!」
ポーン!!!
曜「はぁっ!」
曜(私が受け止めたボールはふわっ!と宙を舞って、ネット際めがけてふわふわと落ちて……) 曜「で、できたんじゃ……」
鞠莉「うん、いいカンジだと思うわ。曜、今の感覚忘れないでね?」
曜「できた…………できた!!できたできたできた!!」
曜「できたよ!!果南ちゃん!鞠莉ちゃん!!私、レシーブできたよっ!!」ピョンピョン
果南「うん!おめでと!曜!!」
鞠莉「そうね、果南の力任せでバイオレンスなサーブを受けれるようになれば、もうどんな球でも取れるようになると思うわ」
曜「わーい!!ありがと!!二人とも!!」
果南「……ひょっとして鞠莉、私のことバカにしてる?」
鞠莉「あら〜?褒めてるわよ、ちゃんと」 曜「い、いててて……」
曜(あの強烈なサーブ受け続けてたから、さすがにちょっと両腕痛くなってきちゃった……)
鞠莉「大丈夫?曜?これ使って」ヒョイ
曜「……これは?」
鞠莉「冷感スプレーよ、ほら」ツンッ!
曜「ひゃっ!?いたた!」
鞠莉「ちゃんとお手入れしておかないとあとでもっとひどいことになるわよ?」
曜「う、うん……」 鞠莉「ほら、両腕出して?いくわよ」
プシュッ!
曜「うっ………」
鞠莉「……はい!これでオッケーね!」
曜「あ、ありがと……」
鞠莉「……」
ギュッ!
曜「鞠莉ちゃん?」
鞠莉「曜、よく頑張ったわね」 鞠莉「ほんと、曜はなんでもできるんだから、なんでも……」
曜「鞠莉ちゃん……」
鞠莉「……ごめんね?大変な練習に巻き込んじゃって」
曜「……ううん、大丈夫!だってすっごく楽しいから!!」
曜「私ね!知らなかったの!砂浜にこんな楽しいスポーツがあるんだってこと!」
曜「もちろん果南ちゃんはちょっとだけ上手で、私が足手まといにならないか不安なところもあるけど……でもすっごく楽しい!!」 曜「だって全部が新鮮なんだもん!風も!太陽も!砂浜も!こんな経験今までしたことないし!多分ビーチバレー以外ではすることないと思うから……」
曜「だから鞠莉ちゃんにはすっごく感謝してるんだ!だってもっともっと楽しくなると思うから!ビーチバレー!!」
鞠莉「曜……」
鞠莉「……ふふっ、そうね。でもゲームが出来るようになったらもっと楽しいわよ?」
曜「うん!私も練習試合!早くやってみたい!!」
鞠莉「ええ!じゃあもう少し!あと一つだけテクニックを覚えてもらおうかしら?」 鞠莉「最後の練習はスパイクよ!」
曜「スパイク……あのびゅーん!ひゅっ!ってやるやつだよね?」
鞠莉「そう、それのことよ。バレーの花形とも言えるわね」
鞠莉「説明するよりやってみた方が早いと思うわ。まずは私にボールを投げて、それを私がトスするから思うように打ってみてちょうだい!」
曜「うん!わかった!」
テテテッ!
曜「お願い!鞠莉ちゃん!」ポーン!
鞠莉「ええ!曜!!」トスッ!
曜「よし!とっ、とっ、わっ、とっ!!」 曜「ふっ!………あれ?」
スカッ!
曜「わあっ!?あれれ………?」
鞠莉「まずはタイミングね。砂浜に足をとられる分室内よりスタートを早く切らないとボールに追いつけないわよ?」
曜「た、確かに……」
鞠莉「それと曜?あなたは自分の武器をちゃんと使わなきゃダメよ?」
曜「ぶ、武器って……」
モニッ!
曜「ひゃっ!?ま、鞠莉ちゃん!!?くすぐったい!!」 鞠莉「うりゃうりゃ〜♪」
曜「ふ、太ももはダメだから!!直に触られると、なんだか……//」
鞠莉「曜?あなたには誰よりも強いジャンプ力を持ってるんだから、ちゃんと活かさないとダメよ?」
鞠莉「もっと力を溜めて、強く踏み切るの。あなたなら出来るはずよ、きっと」
鞠莉「曜ならきっと飛べるはず。誰よりも高く、あの空へ」
曜「空へ、飛ぶ……?」
鞠莉「ええ、得意でしょ?飛ぶのは」
曜「……うん!できるよ!それなら!!」
鞠莉「じゃあ踏み切りを意識して、もう一回やってみましょうか!」
曜「はい!よろしくお願いします!!」 曜「鞠莉ちゃん!」
鞠莉「曜!!」
曜「ほっ!ほっ!ほっ!!……」
曜(一歩一歩砂を踏みしめて、力をバネに蓄えて……)
曜(両足で強く踏み切って!!空に!!)
曜「……とうっ!」
ヒュン!!
曜(いける!!この高さなら!!私の身長でも果南ちゃんの高さに届ける!!) 曜(これなら!!落ちてくるボールにタイミング合わせて!!振り上げた右手を思いっきり振り下ろして……)
曜(……打つ!!)
ヒュン!!
パシィン!!!
曜「はぁ、はぁ……」
鞠莉「すごいわ!曜!二回目でコツをつかめるなんて!!」
曜「はぁ、はぁ……そ、そうかな……」
曜(な、何か今、すごい世界、見えたような気がしたんだけど……) 曜(海の青さと空の青さが混じり合って、どこまでも青い世界に溶けていくような……)
曜「……私、今どれくらい跳んでた?」
鞠莉「そうね……もうすっごく高く飛んでたわよ!それこそ空に手が届くんじゃないかってくらい!!」
曜「はは、ありがと……」
曜「果南ちゃんはやってみないの?」
果南「え?私?そうだね……ちょっとやってみよっか!」 果南「お願い!鞠莉!!」
鞠莉「ええ!果南!」ポーン
果南「とっ、とっ、とっ!……それっ!」
ヒュゥン!!!!
果南「力を溜めて……」ギリギリ
果南「……打つ!」バコン!
ドン!
コロコロ…
果南「……こんな感じ?」
曜「……」
曜(うわあ、果南ちゃんすごい……) 曜(ジャンプに力がこもってるってのもそうなんだけど、空中姿勢がすごくて……)
曜(上半身を思いっきり反らして、柔らかい体を弓みたいにしならせて……すっごく綺麗)
曜(まるで、砂の上ではしゃぐ女神様みたいだよ……)
曜(それに、コースもクロスのすっごく深いところにキレイに決まってるし……)
曜「……うん!やっぱり果南ちゃんはすごい!!」
曜「よーし!私も負けていられないよね!鞠莉ちゃん!もう一回お願い!!」
鞠莉「ええ、いいわよ!二人とも!マリーがどんどんトス上げるから、気が済むまで打ちなさい!!」 曜(それからも鞠莉ちゃんに言われた通りに練習は続いて行って……)
曜(果南ちゃんといっぱいパスを繋げて、私のバレーもだいぶ熟練度が増したかなって思ったころ……)
曜「ふぅーっ………最初の頃に比べて、サーブもスパイクも、だいぶ精度が上がってきたかな……」
果南「うん!私も狙った場所にちゃんとトス上げられるようになったし!これならちゃんと試合になりそう!もしかしたら勝つことだって出来ちゃうかもだよ!」
鞠莉「じゃあ試してみる?」
曜「え?何を?」
鞠莉「練習試合よ、練習試合」 果南「試合!?いいの!?やるやる!!」パァァッ!
鞠莉「相手は、そうね……」
千歌「はいはいはいはい!!やるっ!やりたい!!私もビーチバレーやりたい!!」
鞠莉「そうね、じゃあチカッチ、水着に着替えていらっしゃい」
千歌「はーい!!」トテトテ
曜「千歌ちゃんか……あと一人は?」
鞠莉「決まってるじゃない、もう一人は、このマリーよ」ヌギヌギ
鞠莉「……よっ、と!!」タユン♪
鞠莉「たまにはマリーも、一肌脱いじゃおうかしら♪」 鞠莉「それじゃあ!曜、果南!いくわよ!」
曜「うん!よろしくお願いします!」
果南「曜!初めての試合!頑張ろうね!!」
曜「もっちろん!!負けないよ!!」
ポンポン
曜(最初は私のサーブから……)
鞠莉「あ!ちょっと待って!曜!!」
曜「……?」
鞠莉「チカッチ!!ちょっと来て!」 千歌「ほえ?どうしたの?」
鞠莉「〜♪」クイクイ
千歌「……?」
鞠莉「……」コショコショ
千歌「ふむふむ……なるほどぉ…………うん!わかった!やってみる!!」
鞠莉「ええ、お願いね♪」
鞠莉「曜!こっちはオッケーよ!」
曜「あ、うん……じゃあいくよ!!」 曜「そーれっ!」
ポン!
鞠莉「チカッチ!!」
千歌「うん!」
ポーン!
鞠莉「チカッチ!!走って!!」
千歌「りょーかいっ!!」
鞠莉「お願い!!」トスッ!
千歌「ほーうっ!!それっ!!」
タッ!
千歌「とうっ!」
パシュッ!
曜「わわわっ!?」
テンテン…
千歌「いえーい!!まずは一点だよ!!」 鞠莉「ナイスよチカッチ!!」パチン!
曜「ご、ごめん、果南ちゃん……」
果南「ドンマイドンマイ♪レシーブ側に最初の攻撃権があるからね、仕方ないよ。切り替えてこ?」
曜「う、うん……」 鞠莉「じゃあこっちもいくわよ!それっ!」
ヒュッ!
曜「よっ、と!」ポーン!
果南「ありがと曜!お願い!!」
曜「うん!」
曜(いける!練習でやったみたいに、高く飛ぶことを意識して……)
曜(……飛ぶ!これなら!!)
曜(って、あれ?)
パシュッ!
鞠莉「……ネットね」 曜「ごめん果南ちゃん、決めきれなくて……」
果南「ドンマイドンマイ♪次頑張ろ?」
曜「うん……」
曜(なんでだろ、練習だと今のフォームで決められたはずなんだけどなぁ……) 曜(それからも……)
果南「とうっ!」パシュッ!
ヒュン!
鞠莉「……アウトね」
果南「あちゃー、またか……」
曜「う、うん……」
曜(果南ちゃんもなんだか決めきれてないみたいだし、私だってあんまり決められてないし……)
曜(なんでだろ、練習だと上手くいってるのになぁ……)
曜「……」
鞠莉「……」
曜「……?」
鞠莉「……ふふっ」 曜「ま、鞠莉ちゃん?」
鞠莉「曜、顔に不思議って書いてあるわよ?」
曜「ふえっ!?そ、そうなの!?」
鞠莉「……知りたい?」
鞠莉「チカッチは威力が弱いけどちゃんとコートにボールを決められている。曜と果南はボールを上手くコントロールできていない」
鞠莉「曜の中にある疑問のアンサー、知りたいかしら?」
曜「え?あ、うん、知りたい……」
曜(というかこれを解決できないと、絶対に勝てない気がする……)
鞠莉「そうね、それは……」
鞠莉「……ふふっ、やっぱりダメよね、教えちゃ」 鞠莉「アンサーはマリーの中にはないからよ、曜」
ツンッ!
鞠莉「マリーからの最後の宿題よ。今のクエスチョンの解答を、果南と二人で見つけてくること」
曜「二人で、うん……」
曜「でも……」
曜(……どうしたらいいんだろ?)
曜(全く見当がつかないっていうか……)
鞠莉「……曜?一つだけ忘れないで」
鞠莉「最初にも行ったかもだけど、ビーチバレーは常に二人でやるスポーツなの。これだけは忘れちゃダメよ?」
曜「……」 〜練習試合終了後〜
曜「……」ポーン
ポンポン
果南「曜?自主トレ中?」テクテク
曜「あ、うん……」
曜(……なんだろ、さっき鞠莉ちゃんが言ってた答えって)
曜(バレーの中に答えがあるはずだと思うんだけど……)
曜「……」
果南「ねえ、私も付き合わせてよ!トレーニング!」
曜「え?いいけど……」 曜「……」ポーン
果南「それっ!」ポーン
曜「……」ポーン
果南「えいっ!」ポーン
曜「……」ポーン
曜(……果南ちゃんってこう見えて意外とフォーム綺麗なんだよね)
曜(普段の行いがおおらかというかガサツというか、結構アレなイメージ強いけど、意外としっかりとスポーツ理論に則ったフォームしてるっていうか……)
曜「……」
曜(……あれ?)
曜「ねえ果南ちゃん、ずっと気になってたんだけどさ」
曜「水着、何着持ってる?」 果南「え?どうして?」
曜「いや、だって果南ちゃん結構高頻度で違う水着着てきてるじゃん」
果南「そうだね……私は……」
果南「……確かに考えてみればたくさん持ってるかも」
曜「職業柄ってやつ?」
果南「いや、多分それもあると思うけど、それより……」
果南「み、水着って結構頻繁に買いかえたくない……?//」 曜「え?どうして?キツくなるから?」
果南「そ、それもあるけど……//」
果南「……//」
曜「……?」
果南「……だってちょっと心配じゃん」
果南「ほ、ほら!!小さい水着きてて、だ、ダイジなとこはみ出ちゃったりしたら、恥ずかしっていうか……//」ゴニョゴニョ
果南「だ、だからこまめに水着を買い替えるようにしてるのっ!!洗濯しすぎて生地薄くなっちゃったりして!!お尻のとことか薄くなってくると不安だし…………泳いでるときとかにビリッ!ってんじゃっちゃったりしたら超大変じゃん!!」
果南「そしたらたくさん家に貯まっちゃって!!それで最近のやつを使いまわしてるだけなんだからね!!!」
曜「ふーん……」 果南「よ、曜だって!!水着!!たくさん持ってるんじゃないの!!?高飛び込みやってんじゃん!!」
曜「え?いや、私の場合は競泳水着がメインだから、セパレートタイプのはあんまり……」
果南「ふ、ふーん……」
曜「………そうだ!!」
曜「ねえ果南ちゃん!!明日!!空いてる?」
果南「え?まあ、空いてるけど……」
曜「じゃあ決まり!!私の買い物付き合ってよ!!」 〜デパート〜
果南「よ、曜、まさか水着、買うの?」
曜「うん!できるだけ果南ちゃんとおそろいっぽいやつがいい!!」
曜「だってさ!ほら!ビーチバレーの選手ってさ!みんなおそろいの水着着てやってんじゃん!!」
果南「確かに、そうかも……」
曜「考えてみればそうだよね〜、だって水着がユニフォームなんだもん!」
曜「私も出来るだけ果南ちゃんとおそろいのやつがいい!果南ちゃんに無理強いはしないから!!」
曜「ね!!お願い!!」
果南「うーん、そういうことなら私も新しいの買おっかなぁ……今シーズンまだ一つしか買ってないし……」
曜「……いいの?」
果南「まあ……」
曜「わーい!!果南ちゃん!!ありがとっ!!」ハグッ!
果南「よ、曜!!?力、強い……苦しい……」 曜「ねえねえ!!果南ちゃんはどんなのが好き?」
果南「え?私は、体にちゃんとフィットするのならなんでも……」
曜「ふーん……」
果南「あ、で、でも!!せっかく曜が選んでくれるのなら!!か、可愛いのがいいかなって……できれば、私にも似合うような……//」
曜「果南ちゃんに似合うやつ?」
曜(でも、果南ちゃんに似合うやつって結構あるんじゃない?何来てもオシャレに着こなしてるイメージあるけど、水着なら)
曜「じゃあ……」
曜「……あ、これとかいいかも!!」 曜「ねえねえ!これは?ほら!水色だし私たちっぽくない?」
果南「え〜、でもちょっと私には派手過ぎるような……」
曜「そんなことないって!!絶対似合うよ!!せめて試着だけでも!」
果南「……試着って、曜の前で?」
曜「え?だって他人に見られないと似合ってるかわかんなくない?」
果南「それはそうかもだけど……」
果南「ほ、ほら!!水着って下着みたいなものじゃん!!恥ずかしいって!!//」
曜「いや日常的にずっとビキニ着てる人に言われても説得力ないんだけど」
果南「そ、それは……海にいると大丈夫なのっ!!//だって海だもん!!//」
曜(何その理論、意味わかんないんだけど……) 果南「だってここ建物の中なんだよ?そんなところで水着着てるなんておかしいじゃん!!」
曜「……もしかして果南ちゃん、誰かと水着買いに来たことないの?」
果南「!!!?」
果南「い、いやまあ……鞠莉がたまにコソコソついて来たりするけど、全部追い返してるから……恥ずかしいし、私って柄とか悩むことも少ないし……」
曜「へ〜、でも誰かと水着買いに来るのってすっごく楽しいよ!!あれ可愛いね〜、似合ってるよ!!って言い合ったりするの!!」
曜「だからさ!ほーら!試着してきなよっ!」トン!
果南「う、うん……」
曜「あ!果南ちゃん!!」
曜「試着するときはね!ブラは外してもいいらしいんだけど!下は穿いたままなのがマナーだからね!!」フリフリ
果南「わ、わかってるってばぁっ!!!//」
果南(そんな大声で言わないでっ!!なんだか恥ずかしくなってくるじゃん!!すっごく!!!//) 曜「果南ちゃん、遅いなぁ……」
シャッ!
果南「……//」
曜「あっ!果南ちゃん!!見せて見せて!!」
果南「……//」
シャッ!
曜「うわぁ〜!!かっわい〜!!似合ってるよすっごく!!」
果南「そ、そうかなぁ……水色がちょっと明るすぎない?」
曜「いいのいいの!!明るい方が目立って強く見えるじゃん!!」
果南「そ、そうかなぁ……?」 曜「それに……」
ピチッ!
果南「ひゃっ!?よ、曜!!?そ、そこは!!//」
曜「うん!これくらいピッチリな方が動いてもずれにくいと思う!!果南ちゃん、気になるんでしょ?」
果南「え?あ、うん、ありがと……//」
果南「じゃ、じゃあこれにしよっかなぁ……」
果南(ちょっとだけ、私っぽくないかもだけど……)
曜「じゃあ私もサイズ選んでくるね〜!!」
果南「あっ!ちょっ!」
ピューッ!
果南「……」
果南「……ホントに可愛く見えてるのかな、私?」 曜「ほっ!」ポーン!
曜「……ていっ!」
シュタッ!
曜「ふーっ……だいぶ、技術的には上手くなったかな……」
果南「曜〜!!お待たせ〜!!」フリフリ
曜「あ!果南ちゃん!!」
果南「じゃあ練習、始めよっか!」
曜「うん!あ、その前に」
曜「果南ちゃんもおそろいの水着着てきてくれたんだね!嬉しい!!」 果南「え?まあ、せっかく買ったし、試してみたかったし……」
曜「やっぱり似合ってると思う!!砂浜の色でよく映えてるし!!」
果南「まあ、曜がそう言うならそうなんじゃないかな……?」
鞠莉「あら?果南、ずいぶんと明るい色の水着着てるのね、一瞬グラビアアイドルかと思っちゃったわ〜」
果南「そんな大げさな……」
鞠莉「それに……」チラッ
鞠莉「……ふーん」
曜「……?」
果南「鞠莉?どうしたの?」
鞠莉「なんでもないわ、さっ!マリーも練習付き合うわよ!!」 曜「はぁ、はぁっ……」
曜「ちょ、ちょっとだけ休憩〜!!!」
ゴロン!
曜「ふぅ〜っ!!」
カラン!
曜「ちめたいっ!!」
果南「ちゃんと水分も取らなきゃダメだよ?曜」ヒョイッ!
曜「ありがとっ!」
プシュッ!
曜「んくっ!んくっ!んくっ…………ぷはぁ!!!」 曜「はぁ〜っ!!!」
果南「よっ、と!!」
曜「果南ちゃん……?」
曜「どしたの?」
果南「ねえ曜、どうして私とおそろいの水着買おうって思ったの?」
曜「え?どうしてって?」
果南「曜のことだから新しい水着欲しい意外に理由あったんじゃないの?」
曜「え?あ……」
曜「……」
果南「……」
曜「……鞠莉ちゃんに言われたんだ、ビーチバレーは二人でやるスポーツだって」 果南「……それで?」
曜「ほら、私ってまだまだ初心者で鞠莉ちゃんにサポートしてもらってたから、果南ちゃんと二人で練習したことってあんまりなかったでしょ?トスだってあんま上げられてなかったし……」
曜「……だからね、果南ちゃんと呼吸を合わせることが必要なんじゃないかって思ったんだ」
果南「呼吸を、合わせる……」
曜「うん。私だってよくわかんないけど、トスもアタックも、レシーブからのゲームの組み立ても、二人で息を合わせないんじゃないかって」
曜「ほら、前回の練習試合の時は鞠莉ちゃんがゲームメイクしてたから千歌ちゃんだって伸び伸びとプレイできてたでしょ?私、気づいちゃったんだ。鞠莉ちゃんの強さに」
曜「私たちは二人とも初心者だからそういうの上手くいかないかもだから……だから二人の力を合わせてカバーするしかないのかなって……」 曜「で、でもね!息を合わせるとか!私もよくわかんなかったから!!とりあえず形から入ろかなって……」
果南「曜……」
果南「……」
果南「……ていっ♪」
曜「わわわっ!?」
果南「〜♪」ワシワシ
曜「か、果南ちゃん!?髪の毛わしゃわしゃしないで!!」
果南「ふふふっ、曜のクセに、色々考えてるんだなって♪」 曜「……もう、ぜったい私のこと子ども扱いしてるでしょ」プクー
果南「ん〜?だって年下だし!曜は!!」
果南「お姉さんが優しくリードしてあげるから!!曜は深く考え込まずに自由にプレーすればいいんだよ?」
曜「……」
曜「自由に……」
果南「大丈夫大丈夫!!いざって時は私がなんとかするから!!ま、その分私も曜に頼る場面が多くなるかもだけどね〜♪」
曜「頼る……う、うん!!任せてよ!!」
果南「じゃ!もっともっと練習しよっか!!二人で!!」
曜「うん!!果南ちゃん!!」 曜(それからも基礎錬から実戦形式まで、二人でたっくさん練習して……)
曜(鞠莉ちゃんペアにも安定して勝てるようになって!これなら本番でも勝てるかもって心から思えるようになって……)
曜(いよいよ迎えた試合当日……)
曜「……」
果南「おはよ、曜」
曜「あ、果南ちゃん。おはよ……」
果南「……曜、もしかして緊張してる?」 曜「ふぇっ!?う、うん、少し……」
果南「ほーら、リラックスリラックス♪肩の力抜かないと、出来るものも出来ないよ?」
曜「うん、わかってはいるけど……」
曜(エキシビションマッチの相手がどんな人なのかなって、それがすっごく気になって……)
曜「……ね、ねえ果南ちゃ
聖良「あら?曜さんに果南さんじゃないですか?」
曜「せ、聖良さん!!?」 曜「聖良さん、どうしてここに?」
聖良「イベントに呼ばれたんですよ。ビーチバレーのエキシビションマッチに出てくれないかって」
果南「へ〜、奇遇だね!!実は私たちもなんだ!!」
曜「……」
曜(な、なんか嫌な予感がするんだけど……) ピーッ!
審判「これより!松浦・渡辺ペアVS鹿角聖良・鹿角理亞ペアのエキシビションマッチを開始します!!」
曜(やっぱり、なんとなくこんな予感はしてたんだけど……)
聖良「よろしくお願いします、曜さん、果南さん」
曜「よ、よろしくお願いします!!理亞ちゃんもよろしくね!!」
理亞「……よろしく」
曜「あっ……」
聖良「理亞!!」
理亞「……」スタスタ
聖良「ご、ごめんなさい!!理亞も緊張してるみたいで!!」ペコペコ
果南「ううん、大丈夫だよ。私たちだって理亞ちゃんがホントは優しい娘だってことくらい知ってるし」
聖良「す、すみません!!不躾な真似をしてしまい……」ペコリ
聖良「……まあ、だからと言って手を抜いたりはしませんけどね」ニヤリ 果南「……なあに?その不敵な微笑みは」
聖良「いえ、ただの宣戦布告ですよ」
聖良「見たところAqoursのメンバーの中でも運動が得意な二人を用意している。相手にとって不足なし、ってところですね」
聖良「本気のAqoursに勝手こそ、意味があるというものです。ですから私たちも負けませんよ?」
聖良「ビーチバレーも、スクールアイドルも」
果南「……」
聖良「……見ていてください。私たちSaint Snowの真の実力というものを」
曜「わ、私たちだって!!今日のために特訓してきたから!!絶対に負けないからね!!」 〜第一セット〜
[0-0]
聖良「……」ポンポン
曜「……」
曜(最初のサーブは聖良さん……ということは私たちに最初の攻撃権があるってことだね)
曜(大丈夫、落ち着いてボールを追えば、絶対に……)
聖良「……ほっ!」
パシッ!
曜「果南ちゃん!」
果南「うん!」パーン!
曜(ナイス果南ちゃん!!これなら!!) 果南「……」タタタタタッ!!
曜(ボールが落ちてくる位置に回り込んで、果南ちゃんが走りこんでる場所を確認して、そこに合わせてトスを上げればっ!!)
曜「……果南ちゃん!!」ポーン!
果南「ナイス曜!!ていっ!」
ヒュパン!
理亞「!!?」
パン!
審判「イン!」
曜「いえーい!先制点だよ!!」
果南「ナイストス!曜!!」
曜「果南ちゃんも!ナイススパイク!」パシーン!
聖良「……」
聖良「……どうやら特訓してきたという言葉、嘘ではないみたいですね」 [1-0]
果南「……」ポンポン
曜(今度は果南ちゃんがサーブを打つ番)
果南「……」ポンポン
果南「……ほっ!とうっ!!」
ヒュン!
聖良「うっ!」ポーン!
聖良「くっ!理亞!!」
理亞「………!!」 理亞「姉様!!」トンッ!
聖良「ありが、とう!!」パシッ!
果南「わっ!!」
ピーッ!
審判「ワンタッチ!」
果南「ご、ごめん……」
曜「ドンマイドンマイ!サーブ権がある時は仕方ないよ!!」
曜(やっぱり、聖良さんのアタックはすごい……果南ちゃんもそうだけど、身長がまあまああるし、ジャンプ力もすごいもんね……)
曜(でも……!!) [2-4]
曜「……」ポンポン
曜(サーブ権が帰ってきて、こっちが打つターン……)
曜「……」ポンポン
曜(聖良さんは強い。速度もパワーもあるし、高さもある。けど……)
曜「……」ポンポン
曜(ビーチバレーは二人しかチームにいない。ということは自分が打った後はパートナーが打たなきゃいけないってこと)
曜(じゃあ……) ピーッ!
曜「……ていっ!」
ヒュン!
理亞「!!?」パシーン!
曜(よし!これで聖良さんの攻撃は防げた!!)
曜(理亞ちゃんならきっと大丈夫!私より背低いし!!)
曜(これなら、きっと……)
聖良「理亞!お願い!!」ポーン!
パッ!
理亞「ふっ!」
曜「へ……わわわっ!!」 コロコロ
ピーッ!
曜「な、何今の……?」
鞠莉「ポーキーね?」
千歌「へ?ぽっきー?」
鞠莉「ポーキーショットよ。ビーチバレーってね、手の平を使ったフェイントは禁止されてるの」
鞠莉「でも代わりに手の甲側を上手く使って裏をとることができるのよ。それがポーキーショット。スパイクを打つ!と見せかけてふわっと押し込む技よ」
鞠莉「理亞がこんなものまで使えるなんてね……驚いたわ……」
千歌「ふーん、よくわかんないけどすごいんだね〜」
曜(り、理亞ちゃん、ふわふわっ!っとした球打つんだ……)
果南「大丈夫、曜?」
曜「うん!私は平気!」
曜「それに一回見たからもう次は絶対落とさないよ!!同じ手は二度は通用しないんだかね!!」 [10-14]
理亞「……ふっ!!」
ヒュン!
曜「よっ!!」ポーン!
曜「果南ちゃん!!」
果南「曜!!」トスッ!
曜(いける!!これなら打てる!!)
曜「……!!」たたたたっ!
曜(思いっきり高く跳んで……)
フワッ!
曜(上半身を引き絞って……打つ!!!)
ヒュゥン!! 聖良「ほっ!」
ポーン!
曜(んなっ!?)
聖良「理亞!!」
理亞「!!」トスッ!
聖良「……ふぅっ!!」
パシィン!!
曜「うっ!!」パシッ!
ポーン!
曜(で、できた!!ちゃんと浮かせられた!!あとは!!) 曜「果南ちゃん!!」
果南「任せて!!」ポン!
ヒュッ!
曜「ていっ!」
理亞「!!?」
シュタン!
ピーッ!
審判「ワンタッチ!」 曜「よし!!やっと返せた!!」
果南「曜!!ナイスレシーブ!!」
曜「ありがとっ!!果南ちゃん!!」
曜(うん!!聖良さんの早さにも結構慣れた気がする!!返せる!!)
曜「やっとゲームらしくなってきた気がする!!楽しい!!」
曜(これなら!!これならもしかしたらもしかするかもしれないよ!!)
聖良「……」
聖良「……やっと、やっと面白くなってきましたね」 [17-20]
理亞「……とっ!」フワッ!
果南「その手は効かないよ!曜!」ポーン!
曜「任せて!果南ちゃん!!」ポン
果南「……とうっ!!」シュタッ!
シュパン!
ピーッ!
審判「イン!」
果南「よしっ!」グッ!
曜(流れがこっちに傾いてきてる、理亞ちゃんの球なら取れるようになってきたし!!マッチポイントはSaint Snowに握られたままだけど)
曜(まだ!!そう簡単に私たちは負けないよ!!) [18-20]
曜「……」ポンポン
曜(攻略法はつかめてきた気がする。聖良さんの球より理亞ちゃんの球の方が落下位置に入りやすいから、出来るだけ理亞ちゃんに打たせるようにすればいい)
曜(だから……!!)
曜「そーれっ!」ヒュン!
理亞「!?」
曜(よし!あとはボールをちゃんと見てれば!)
聖良「理亞!お願い!」ポン!
理亞「………」タタタタタッ!
理亞「……!!」トンッ!
曜「……へ?」 理亞「ふっ!!!」バチン!
パシーン!
ピーッ!
審判「イン!第一セット!鹿角聖良・鹿角理亞ペア!」
曜「……」
理亞「……」スタスタ
理亞「……もしかして私がポーキーしか打てないと思った?」
曜「……」
理亞「バカにしないで、私だって姉様の妹なんだから」
曜「あ、うん……」 曜「ご、ごめん果南ちゃん!私ばっかミスしちゃって!!」
果南「ううん、曜のせいじゃないよ、とにかく切り替えてこ?」
鞠莉「はい果南、曜。スポーツドリンクよ」
果南「ありがと鞠莉」パシッ!
曜「……」
鞠莉「曜?そんな顔しちゃダメよ」
鞠莉「落ち着いてボールを見続けてばきっと勝機はあるはずよ。リラックスリラックス♪」
曜「あ、うん……」
鞠莉「それにね、曜も果南もきっと聖良のテンポになれてきた頃合いだと思うの」
鞠莉「だから大丈夫!このマリーが保証しマース!!」 〜第二セット〜
[3-0]
聖良「とっ!」パシッ!
果南「ほっ!」トン!
果南「曜!!」
曜「うん!!果南ちゃん!!」トスッ!
果南「……ていっ!」シュパン!
ピーッ!
審判「イン!!」
果南「やった!四点目!!」
曜「ナイス果南ちゃん!!」 曜(鞠莉ちゃんが言ってた通り、果南ちゃんも動きに慣れてきたみたいだし、私も聖良さんのスパイクをある程度返せるようになってきた)
曜(果南ちゃんのスパイクも安定してきてるし、あの高いところから振り下ろすやつも聖良さんたち苦手そうにしているし……)
曜(……一セット目の経験が!ちゃんと生きてるんだよね!これって!!)
曜(まだ戦える!私たち!気を抜かないで頑張らないと!!) [10-2]
曜「果南ちゃん!いけるよ!果南ちゃんのアタックが効いてるみたいだし!」
果南「よーし!じゃあこの調子でがんばろっか!」
曜「うん!」
聖良「……」
聖良「……理亞!」
理亞「……?」
聖良「ちょっといいですか?」
聖良「……」ヒソヒソ
理亞「…………うん、わかった。姉様がそう言うならやってみる」 果南「とっ!」
曜(よし!これで果南ちゃんが攻撃できる!!)
果南「曜!トス!お願い!」
曜「うん!任せて!!」トーン!
果南「……ほっ!」パシィン!!
曜(決まった!!)
聖良「理亞!!」
理亞「うん!!」パシッ!
曜「!?」
曜(対応した!?) 理亞「姉様!!」
聖良「はいっ!……ふうっ!!」パシィン!!!
シュパン!!!
ピーッ!
審判「イン!」
聖良「はぁ、はぁっ……私たちだって、そう簡単にやられたりはしませんよ……」
曜「……」 [20-15]
果南「えいっ!」パシン!!!
聖良「なんの!」フワッ!
理亞「!!」トスッ!
聖良「てえいっ!」バシン!!
ヒュン!!
果南「わわわっ!?」
ピーッ!
審判「ワンタッチ!」
聖良「ナイストスですよ!理亞!!」
曜「はぁ、はぁっ………!!!」
曜(マズイ……あと一点なはずなのに、ものすごく遠い……) 曜(聖良さんと理亜ちゃんが、果南ちゃんの球に追いついてきてる……)
曜(それに果南ちゃんの球って思ったよりもコース読みやすいから、そういうことも関係してるのかも……)
曜(じゃあ……私が何とかするしかないよね)
曜(果南ちゃんばっかりが打つ展開になってるからこうなってるんだとしたら、私が何とかしないと)
曜(私が頑張って、流れを変えないと……)
曜「……」
聖良「……ふふふっ」 [20-16]
聖良「いきますよ……そーれっ!」シュパン!!
曜(私が!私が攻撃に参加するためには!!)
曜(まずはレシーブから!!ちゃんと取って、それから……)
曜「……」タタタタッ!
曜「…………わああっ!?」
果南「わっ!?」
ゴチン!!!
果南「いてて……」
曜「ご、ごめん果南ちゃん!!」 果南「曜?どしたの?急にこっちまで来て」
曜「え?」
曜「……」
曜(た、確かに、ここ果南ちゃんの守備ゾーンだよね……)
曜「ご、ごめん!次はちゃんと守るから!!」
果南「う、うん……」
聖良「……ふふふ」ニヤリ [20-17]
ピーッ!
聖良「ほうっ!」パシッ!
曜(今度は!今度はちゃんとボールを見て……)
シュパン!
ピーッ!
審判「イン!」
果南「へ?」
曜「……え?」
聖良「よし!サービスエース!!」 果南「曜……?」
曜「あれ……?」
曜(えっと、そこからあそこまでがだいたい私の担当で……)
曜(でもゲームに勝つためには私がアタックしなくちゃいけなくて……)
曜(えっと、そのためには……)
曜「……」グルグル
鞠莉「タイムアウト!タイムアウトよ!!」 曜「……」
鞠莉「曜?大丈夫?」
曜「え?うん……」
曜「……」
鞠莉「……ていっ♪」
曜「!?」
ペチッ!
曜「ま、鞠莉ちゃ、んっ!?」
モニッ!
鞠莉「曜〜?まーた下らないこと考えてるんでしょ?」
曜「い、いや、別にどうやったら勝てるか
鞠莉「い〜い?曜!ずっと言ってるけど、ビーチバレーは二人でやるスポーツなのよ」 鞠莉「自分のせいとか自分が頑張らなきゃとか考えちゃダメ。二人で頑張らなきゃなのよ」
曜「二人で……」
鞠莉「そうよ!二人で!わかった?」
鞠莉「あと果南も!スパイクが単調になってるからもっと気をつけなさい!緩急を意識して!」
果南「うん、わかった。気を付ける」
曜(ふた、りで……)
曜「……か、果南ちゃん!」
曜「一つだけお願いしてみてもいいかな?」 [20-18]
聖良「……」ポンポン
ピーッ!
聖良「……ほっ!」シュパン!
果南「んっ!!」
果南「曜!!お願い!!」
曜「うん、ありがと果南ちゃん!!」
聖良(ふっ、同じ展開はもう通用しませんよ……!!)
聖良「……理亞!!」
理亞「ええ!姉様!!」
曜「ほっ、ほっ!!」テテテテテッ!
曜(できる!この球なら!!) 曜(果南ちゃんがパスしてくれた球!!あとは私が合わせるだけ!!)
曜(落下地点に入り込んで!!誰よりも高くジャンプして!!)タッ!
曜(打ち!!抜くっ!!!)パシン!
聖良「なっ!?」
理亞「!!?」パチン!
ピーッ!
審判「ワンタッチ!第二セット!松浦・渡辺ペア!!」
曜「………や、」
曜「やったぁぁぁぁ!!!!」 果南「ナイス曜!!!綺麗なツーアタックだったよ!!!!」
曜「ありがと果南ちゃん!!果南ちゃんのレシーブが完璧だったからだよ!!!」
聖良「……ツーアタックですか」
鞠莉「そうね、初めての割には上出来なんじゃないかしら?」
鞠莉「ようやくあの二人も自分たちのバレーを見つけたみたいね」 理亞「ね、姉様……ごめんなさい……」
聖良「え?どうかしたのですか、理亞?」
理亞「最後のあの球、あの程度のツーなら警戒してれば取れてたのに」
理亞「私が、油断してたから……」
聖良「……」
ワシッ!
理亞「ふぇっ!?ふぇ、ふぇえふぁま!!?」
聖良「り〜あ、試合の最初から気になってましたが、顔、少し固いですよ?」
理亞「……」 理亞「ね、姉様……ごめんなさい……」
聖良「え?どうかしたのですか、理亞?」
理亞「最後のあの球、あの程度のツーなら警戒してれば取れてたのに」
理亞「私が、油断してたから……」
聖良「……」
ワシッ!
理亞「ふぇっ!?ふぇ、ふぇえふぁま!!?」
聖良「り〜あ、試合の最初から気になってましたが、顔、少し固いですよ?」
理亞「……」 聖良「……もちろん勝つことは重要です。なんせ相手はあのAqoursなんですからね。私だって勝ちたいです」
聖良「ですが……それ以上に、楽しむことが重要なのではないでしょうか?」
聖良「私はAqoursの二人と……いえ、それ以上に理亞とこの舞台に立てることが出来てすっごく楽しいんです。理亞はどうですか?」
聖良「心の奥底の方から、ワクワク感が湧き上がって来たりしませんか?」
理亞「……」
聖良「理亞、泣いても笑っても次で最終セットです。ですから笑顔でいてください。勝利の女神はいつだって、笑顔が綺麗なペアに微笑むのですから」
理亞「姉様……」
聖良「さあ!行きますよ!最終セットも!頑張るび
理亞「そのセリフだけはやめて姉様」 〜第三セット〜
[0-0]
曜「ほっ!」トッ!
曜「果南ちゃん!」
果南「うん!!」パシッ!
聖良「くっ!!」パチン!
聖良「理亞!!」
理亞「ええ!!姉様!!お願い!!」トスッ!
聖良「……!!!」タタタタタッ!
フワッ!
聖良「……とうっ!!!!」パシン!!
曜「んんんっ!!!」ペチィン!!
曜「果南ちゃん!!!お願い!!」
果南「任せて!!!」 曜「ふぅ〜っ!!!」タタタタタッ!
聖良「甘いですよ!!」タンッ!
聖良「先程曜さんのスパイクも見させてもらいました!!同じ手は二度は効きません!!」
曜(そう、聖良さんにはおんなじ手は通用しない。だから……)
曜「……ほいっ!」
聖良「んなっ!?」
理亞「!!!?」
コロコロ…
ピーッ!
曜「えへへ〜、決まったっ!!」 果南「ふーん、意外と簡単にに出来るんだね……」
曜「まっかせて!フォームを真似するのは慣れてるから!!」
聖良「……ほう、ポーキーですか」
聖良(まさか、理亞のフォームを見ただけで、自分のものにしてくるとは……さすがですね、曜さん)
聖良(試合の中で自らを成長させるとは、さすがAqoursと言ったところでしょうか)
聖良「……ですが!!ならば私たちはさらにその上を行くだけですよ!!理亞!!」
理亞「わかってる!!姉様に言われなくても!!私だって負けたくないから!!」 [4-6]
果南「おりゃぁっ!!!」バチィィィン!!!!
聖良「くぅっ!!?」
果南「はぁ、はぁ……コースが読まれるなら、力で押し込むだけだよ!!!!」
聖良「はぁ、はぁっ………ふっ、嫌いじゃないですよ!!そういう考え方は!!」
[8-7]
理亞「……んっ!!」ポテッ
曜「わわわっ!!?」
理亞「……さっきのお返し。私のこと甘く見ないでよね」
理亞「もっと精度よく出来るから、私になら」
曜「くぅっ〜!!!」
曜(確かに理亞ちゃんのポーキーショットはインパクトの直前までスパイクと区別がつきにくいから、紛らわしいんだけど……)
曜「……だったらそれを見極めるだけだよ!!私は!!」 [10-10]
曜「果南ちゃん!!」ポーン!
果南「わかってる!!任せたよ!!曜!!」
曜「うん!!もちろん!!」パッ!
曜(決める!!今度こそ絶対に!!私が決めて見せる!!)
曜「ふんっ!!」
聖良「させません!!」
理亞「……」
曜「……!!」
曜(後ろでは理亞ちゃんがしっかりとカバーに入ってる。じゃあ……)
曜(……今度こそ!!打ち抜いて見せる!!) フワッ!
曜(高く!!誰よりも高く!!あの空へ!!)
曜(飛んで!!打つ!!)
パチィィィン!!!
聖良「んんっ!!!!」
バシッ!
ベチッ!
聖良「はぁ、はぁっ!!!」
ピーッ!
聖良「ど、どうですか……宣言通り、ちゃんと止めましたよ……」
曜「むむむぅ………」
曜(もう少し、もう少しで聖良さんを打ち抜ける気がするのに!!) [12-14]
果南「ふんっ!!!」バチン!!
聖良「くううっ!!!?」バチン!!
ピーッ!
審判「ワンタッチ!!」
果南「しゃぁぁっ!!押し込んだ!!!!」
聖良「はぁっ、はぁっ…………」
曜「すごい!!果南ちゃん!!」
果南「ありがとっ!!!曜!!!」
理亜「はぁ、はぁ……」
曜(いける!!追いつける!!今の私たちなら!!) [13-14]
曜「……」ポンポン
曜(Saint Snowはマッチポイント……ということは、これを落としたら終わり……)
曜(集中して、まずは一本……)
果南「曜!!」
曜「……?」
果南「大丈夫!!繋げられるよ!!私たちなら!!」グッ!
曜「果南ちゃん……」
曜「……うん!わかった!!」 ピーッ!!!
曜「いくよ!そーれっ!!」パチン!!!
理亞「!!」ポンッ!!
理亞「姉様!!」
聖良「ええ!任せましたよ!理亞!!」
理亞「………はああっ!!!」パチン!!
曜「んっ!!」パチン!
曜(取れた!繋がった!!)
曜「果南ちゃん!!」
果南「うん!任せたよ!!曜」ポーン! 曜「ふっ、ふっ……!!!」
曜(最初にスパイクを打てた時のあの空。あの空に、私は追いつきたい)
曜(何よりも青い、空と海が入り混じった青の世界、そこなら……!!!)
曜(そこからなら!!どんな壁だって!!打ち抜くことができる気がするから!!!!) 曜「ほうっ!!」シュタン!!
曜(両足で力を蓄えて、それを一気に開放して!!飛ぶっ!!!)
聖良「止めます!!絶対に!!!」
曜(空中では姿勢を意識!胸を思いっきり突き出して!!腕を大きく伸ばして!!しなる大弓のように引き絞って!!)
曜「……てぇぇいっ!!!」
曜(全部をぶつけて!打つ!!!)
曜「いっけぇぇぇぇ!!!」
聖良「うっ!?」パシン!!
曜(やった!ブロックを抜いた!これなら
聖良「りあぁぁ!!!!」
理亞「わかってる!!!」 果南「んなっ!?」
パシッ!
曜「ま、まだ終わらな
理亞「姉様!!ラスト!!お願い!!!」
聖良「ええっ!決めます!!!」
聖良「はぁぁぁっ!!!!!……ふんっ!!!」
パシィィィィィン!!!!!
曜「取れる!!私なら!!」テテテテテッ!
果南「よ、曜!!?」
曜「ふんっ!!」
曜(間に合う!!飛び込めば!!)
タッ!!
曜(届け!!腕!!伸ばして!!)
曜(ボール!!上げれば!!果南ちゃんが繋いでくれるから!!絶対に!!)
曜「とどけぇ〜っ!!!!!」
パシッ! コロコロ…
ピーッ!!!!
審判「イン!ゲームセット!!」
審判「勝者!!鹿角聖良・鹿角理亞ペア!!」
聖良「はぁっ、はぁっ…………」
理亞「……姉様、やったの?」
聖良「え、ええ……やりましたよ!!理亞!!」
理亞「姉様!!姉様!!」ピョンピョン!
果南「……」
曜「……」
果南「……ありゃ」
曜「終わっちゃった…………」 〜スクールアイドル部 部室〜
曜「おはヨーソロー!!」
ガラッ!
曜「あれ?鞠莉ちゃんとダイヤさんだけ?果南ちゃんは?」
ダイヤ「曜さん、果南さんなら
鞠莉「放っておきなさい、果南なんて」ムスーッ
曜「え……?まあ、うん……」
曜「……」スタッ!
曜(ビーチバレー大会が終わると忙しかった練習の日々も終わりを告げて、またいつもの日常が戻ってきたんだけど……)
曜(ちょっとだけ、いつもから変化したことがあります) 曜(まずはダンスのフォーム。砂浜を走り回ったせいか足腰が鍛えられて、体幹も強くなった気がしてる。それでこの前ダイヤさんにダンスのキレが増したって褒められたし!!)
曜(あとは……)
曜「……で、果南ちゃんは?」
ダイヤ「果南さんならまだ教室できっとチヤホヤされ続けていることだと思いますわ」
鞠莉「もう!ずるいわよ!!果南ばっかりチヤホヤされて!マリーだってコーチ頑張ったのに!!」
鞠莉「ね〜、ダイヤ〜?」
ダイヤ「どこがですか!!そもそも!!当初はあなたと果南さんに担当してもらおうと考えていたのですが!!曜さんが出たほうが面白うそうの一点張りで!!」
ダイヤ「そんな人が称賛を得られるわけないでしょう!!鞠莉さん!!」 鞠莉「んもう、つれないわね〜、せっかくマリーが一肌脱いだって言うのに〜」
鞠莉「じゃあ〜、せめてダイヤだけでもマリーのことチヤホヤしてよね〜、マリー頑張ったんだから〜!」スリスリ
ダイヤ「ちょっ!?離れてください!!暑苦しいですわ!!」
曜「はは、ははは……」
曜「じゃ、じゃあ私ちょっと呼んでくるね!!」タタタッ!
ダイヤ「は、はい!よろしくお願いしますわ、曜さん」 曜「……」テクテク
曜「……あ、いた」
曜「おーい!果南ちゃ
二年生A「か、果南先輩!!あのっ!ハグして欲しいなって!!//」
果南「うん!いいよ!ほら!!」ギュッ!
二年生A「きゃっ!?//あ、ありがとうございます!!」
二年生B「あのっ!わ、私は、筋肉とか、見せて欲しいです!!//」
梨子「あっ!私も!!私も果南ちゃんの筋肉触らせて欲しいの……!!//」
果南「じゃあ順番にね!」グッ!
二年生B「ひゃ、はいっ!!ありがとう、ございます………//」
梨子「す、すごい、やっぱり硬くて、がっしりしてて……」サワサワ
果南「ふふふ、普段から鍛えてるからね、ほらっ!!」
キャッキャッ♪
曜「……」ジトッ
曜(……そう、この前のエキシビションマッチを境にして、果南ちゃんには二年生のファンの娘がすっごく増えました) 二年生C「す、すみません!!あのっ!!か、果南先輩には!好きな人とか!いないんですか!!?」
梨子「!!?」
果南「ん〜?私はみんなのこと大好きだよっ!ほら!みんなでハグしよっ!!」ギューッ!!!
キャーッ!!!
曜「はは、ははは………」
曜(まあ人気が出るのはいいことだってダイヤさんも言ってたし、私も少しは名前が知られるようになった気がするから……)
曜(……これはこれでいいのかな?) 終わりです。お粗末様でした
ようかなには夏らしいスポ根が似合うと思いました ようかなのビーチバレーとか、どちゃシコやん
見たい・・・ スポーティな引き締まった肢体でのビーチバレーとかアニメで見たくなる そういえばビーチバレーやらなかったな
ドッジボールはやってたけど 乙
えっちなSSかと思って開いたらそうじゃなかったけど、爽やかで良かった >>128
ルビィ"さん"ごっこです。二度と間違えないで下さい。 善子ちゃん、あなたにもビーチバレーをやっていただきますわ
善子って言ったからムリよ
じゃあヨハネさん、ビーチバレーをやってくださらない?
なによキモチワル・・ やるわけないじゃないの!
冗談、冗談、ただ言っただけですわ、オンチなあなたに頼むわけありませんわよ
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