穂乃果「今日は丑の日だねぇ〜」
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絵里「うしのひ?なにかの記念日なの今日?」
ダイヤ「今日は土用丑の日、毎年この日は暑さに負けないようにとうなぎを食べる風習が日本にはあるのですわ」
絵里「うなぎ……あのうねうねした魚ね」
ルビィ「ルビィ達も今夜はうなぎを食べるんだぁ」
穂乃果「おーいいねいいね〜やっぱり丑の日と言ったらうなぎを食べなくちゃね」
絵里「へぇ、うなぎを食べる文化が日本にはあるのね」
穂乃果「そうそう、うなぎってとってもおいしいんだよ」
穂乃果「はぁ……うなぎ食べたくなってきた」ジュルリ
絵里「そ、そんなにおいしいのあの魚……?想像がつかないわね」 穂乃果「絵里ちゃん食べた事ないの?」
絵里「うちではそういう日本の風習は疎いから食べた事ないわ」
ダイヤ「ではせっかくですので今日はうなぎを食べてみてはいかがですか、精がつきますわよ」
穂乃果「それじゃ皆で食べに行く?○○家のうな牛おいしいよ〜」
ルビィ「でも、ルビィ達は家族で別のお店に行く事になってて……」
ダイヤ「わたくし、そのようなお店のうなぎには抵抗がありますし……」
穂乃果「そっかぁ、残念。じゃあ絵里ちゃん私と2人で○○家に行こっか」
絵里「そう、よくわからないけど穂乃果について行けばいいのかしら」
プルルル……
ダイヤ「おや、お母様から電話が。失礼」
ダイヤ「もしもし、―はぁ、―はぁ、―そうですか、―キャンセル?あ、ちょっとお待ちください」
ダイヤ「穂乃果さん、絵里さん、よろしければ私達とうなぎ屋さんに行きませんか?」
穂乃果「え?穂乃果達も?」
絵里「どうしたの急に?」
ダイヤ「お父様とお母様は急用が出来てお店に来られないと言うのです、予約をキャンセルするのももったいないのでよろしければ」
穂乃果「はーい‼喜んで〜!!」
絵里「ちょ、穂乃果。少しは遠慮を」
ダイヤ「お気になさらず、ではお2人が食べてくれるという事でいいですわね」
ダイヤ「―もしもし、予約はキャンセルしなくて結構です。友人を連れて行きますわ」 ダイヤ「という訳で、皆でうなぎ屋さんに行きましょう」
穂乃果「わ〜い、うなぎ食べられる〜!!」
ルビィ「穂乃果ちゃん達も一緒に行けてよかったねぇ」
絵里「それはいいんだけど……ダイヤ、本当によかったの?」
ダイヤ「ちょうどよかったですわ、お店の方では準備をしているのでキャンセルするとは言い辛くて」
絵里「でもうなぎって高級なんでしょ?私達そんなお金」
ダイヤ「料金ならもう払ってあるので心配はありません、お2人に食べていただいた方がうなぎも無駄にならずに済みますわ」
穂乃果「いや〜こんなラッキーな事が起こるとはねぇ〜」
絵里「ラッキーだなんて言っちゃダメよもう」
ルビィ「いいんだよ、お父さん達もっとおいしい物お外で食べてるし」
ダイヤ「そうそう、たまにはこうやって食事をするのもいいものですわ」
絵里「ダイヤ達がそう言うのなら……」
絵里「悪いわね、ごちそうになるわ」 絵里「ところで、どうして丑の日にはうなぎを食べるの?」
ダイヤ「そうですわね、予備知識としてうなぎ屋さんに行く前に少しお勉強しましょうか」
ダイヤ「丑の日にうなぎを食べる理由は諸説ありますが、一般的に有名なのは平賀源内が知り合いのうなぎ屋さんに相談を受けたのが始まりと言われています」
ダイヤ「うなぎが売れないと聞き店先に『本日丑の日』と張り紙をしたところお客さんが来るようになったそうです」
ダイヤ「それから他のうなぎ屋さんも真似をするようになり丑の日にはうなぎを食べる、と言う風習が広まったらしいですわ」
ダイヤ「あとは先ほど言ったようにうなぎは精のつく魚ですので夏にうなぎを食べるのは理にかなっているのです」
絵里「はぁ、そんな理由があったのね」
ルビィ「流石お姉ちゃん、物知り〜」
穂乃果「すぅ……すぅ……」
絵里「穂乃果、なに寝てるのよ」チョンチョン
穂乃果「ふぇ……あぁごめんごめん、ダイヤさんの話が子守り唄に聞こえてつい」
ダイヤ「普段の授業態度が窺い知れますわね……」 ダイヤ「さて、今からお店に行ってもまだ準備が終わっていないと思います」
ダイヤ「穂乃果さん、絵里さん、うなぎは見た事ありますか?」
穂乃果「あるよ〜お重に詰まった肉厚ジューシーでふわっふわの」
ダイヤ「調理後ではなく生きたうなぎです」
絵里「食べた事もなければ見た事もないわ」
穂乃果「私も生きているうなぎはテレビでしか見た事ないなぁ」
ダイヤ「それは結構、いい機会ですのでもうひとつお勉強をしに行きましょうか」
穂乃果「どこに行くの?」
ルビィ「あ、もしかしてあの養殖場?」
絵里「養殖場?そんな物まであるの?」
ダイヤ「ここからそれぼど遠くない場所にお父様の知り合いの方がやっているうなぎの養殖場があります」
ダイヤ「ぜひ1度どういう魚か自分の目で見て確かめてください」
穂乃果「おぉ〜生のうなぎが見られるんだぁ〜わくわくするね‼」
絵里「養殖場と言う事はうなぎが沢山いるのね。私、ちゃんと見られるかしら……」
ルビィ「うなぎさんはよぉく見るとかわいいんだよ〜」
絵里「へ、へぇ……あれがかわいく見えるのルビィは」ヒクヒク
穂乃果「よぉ〜し、それじゃ養殖場へレッツゴー!!」 養殖場
ダイヤ「こんにちは、突然お邪魔して申し訳ありません」
おじさん「いやいや、黒澤さんの娘さんの頼みとあれば断る理由はありませんよ」
おじさん「どうぞお好きに見て回ってください」
穂乃果「ありがとうございま〜す」
絵里「あちこちにうなぎがいるわね、あんなにいっぱいうねうねして……うっ」
ルビィ「絵里さん、大丈夫?」
絵里「ああやって固まってるとなかなか迫力があるわね、ちょっと怖いかも」
穂乃果「すごい数のうなぎだね〜お重何杯分だろう、これは食べきれないなぁ」
ダイヤ「穂乃果さんらしいですわねまったく」
ダイヤ「ここではうなぎに触らせてもらえますわ」
絵里「えっ!?触るの!?」
ルビィ「ルビィ、うなぎさん触るの好き〜」
ルビィ「こうやって捕まえて」スッ
ルビィ「ほら、かわいいでしょ」
絵里「ひっ!?ちょっとルビィ近付けないでよ〜!!」ササッ
穂乃果「あはは、絵里ちゃんは怖がりだなぁ」
穂乃果「どれどれ……」スッ
穂乃果「うわぁ、ぬるぬるして全然掴めないや」ヌルヌル
ルビィ「掴むんじゃなくてこうやってお腹をすくいあげるんだよ」スッ
穂乃果「なるほど〜それっ」スッ
穂乃果「わ、捕まえた‼捕まえたよ絵里ちゃ〜ん!!」
絵里「だから私に近付けないでってばぁ〜!!」
ダイヤ「うふふ、絵里さんもかわいいところがあるのですわね」 穂乃果「絵里ちゃんも触ってみなよ」
ルビィ「そうそう、かわいいよぉ」
絵里「で、でもぉ……」
ダイヤ「絵里さん、無理をしてはいけませんわ。触れないのであれば触らなくても結構です」
絵里「―いえ、触ってみるわ。怖がりだと思われるのも癪だし」
穂乃果「いいぞ〜いけいけ絵里ちゃ〜ん」
絵里「ごくり……い、いくわよ……」ソーッ
ニュルン
絵里「きゃーっ‼ぬるぬるしてるぅ〜!!」
穂乃果「言ったじゃんぬるぬるしてるって」
絵里「こんなぬるぬるしたうなぎ触るなんて……うぅ〜」
ルビィ「絵里さん、ルビィが手伝ってあげる。ほら」スッ
ルビィ「お腹をすくいあげるように持ってみて」
絵里「あ、暴れないでよ……」スッ
穂乃果「おー!!絵里ちゃんうなぎを触れた‼」
ダイヤ「ルビィもよくやりましたわぁ」
絵里「や、やった……触れた」ジーンッ
ルビィ「よくお顔を見てあげて、かわいいよねうなぎさん」
絵里「そ、そうね。よく見れば結構愛嬌があるじゃない……」
絵里「―ちょっと、かわいいかも……」 ビクビクッ!!ビクンビクンッ!!
絵里「ちょ、なによいきなり‼暴れないで!!」ギュウッ
ダイヤ「絵里さん、そんなに強く握ってはいけませんわ‼」
絵里「そんな事言われたって……あわわわ」
ニュルン スポンッ
絵里「ひゃあーっ‼うなぎが服の中に‼中にー!!」
穂乃果「た、大変だ‼助けないと」バッ
絵里「いやーっ‼ぬるぬるーっ‼」ブンッ
穂乃果「ほげっ!?」
ルビィ「あぁ、絵里さんが暴れて穂乃果ちゃんが吹っ飛んだ‼」
絵里「呑気に実況してないで助けっ……はぅん!!」ビクッ
絵里「あっ、あっ、いや、いやぁ〜誰かぁ〜あんっ」ニュルニュル
ダイヤ「今出してあげますわ‼―ふんっ‼」ズボッ
絵里「ひっ……!!ちょっとダイヤ、どこ触ってんのよ‼」
ダイヤ「我慢してください、少しの辛抱ですわ‼」
ダイヤ「この、にゅるにゅると逃げ回らないで……」モゾモゾ
絵里「ひ、ひひ……くすぐったいってば……くふふ」
絵里「だ、ダイヤ……早く、早く出して‼」
ダイヤ「―よし、捕まえた。今出しますわ」スポッ
ルビィ「やったぁ〜うなぎさん捕まえたぁ〜」
絵里「はぁっ……はぁっ……た、助かったぁ」
ルビィ「あれ、そう言えば穂乃果ちゃんは?」キョロキョロ
穂乃果「」チーン 穂乃果「も〜絵里ちゃんひどいよぉ、せっかく助けようとしたのに」サスサス
絵里「ごめんなさい、あの時はうなぎが服に入って来てパニックになったのよ」
ルビィ「まさかあんな事になるなんてね」
ルビィ「きっと、うなぎさんが絵里さんにかわいいって言ってもらったから嬉しくなったんだよ」
絵里「私はちっとも嬉しくないわよ……」
ダイヤ「まぁなにはともあれうなぎとふれあう事が出来ましたわね」
ダイヤ「そろそろお店に行ってもいい時間ですわね。うなぎとふれあい、更においしくいただけるはずですわ」
ダイヤ「触ったうなぎはお土産にお持ち帰りください、クール宅急便でお届けします」
絵里「え、家に届くの……?」
穂乃果「やったー、雪穂にもうなぎ食べさせよっと」
ルビィ「ルビィのうなぎさんも持って帰っていいんだよね」
ダイヤ「もちろんですわ、お父様達へのお土産にしましょう」ニコッ うなぎ屋
ダイヤ「こちらのお店ですわ」
穂乃果「うわ、すっごいお店〜」
ダイヤ「昔からやっているそれなりに歴史のあるお店ですからね」
絵里「こんな所に学生だけで入るなんて……なんだか気後れしちゃうわね」
ルビィ「ルビィは毎年ここに来てるからそんなの気にならないよ」
ダイヤ「そう固くならずに楽にして寛いでくださいな」
絵里「お、お邪魔します……」カチコチ
店主「お待たせしました、特上うなぎ4人前になります」カタッ
穂乃果「あはっ、おいしそ〜♪」
絵里「随分大きいのね、こんなに食べられるかしら……」
ダイヤ「わたくしでも食べられるので絵里さんも食べられますわ」
ルビィ「ここのうなぎおいしいんだよね〜」
穂乃果「早く食べようよ〜」
ダイヤ「はいはい、それではいただきましょう」
穂乃果・ルビィ「「いただきま〜す」」 穂乃果「あ〜むっ」
穂乃果「―ん〜♪なにこれすごくふわふわ!!お口の中でとろけちゃった」
穂乃果「タレの味も旨味がぎゅっと詰まってうなぎの焼き加減もまた絶妙〜」モグモグ
穂乃果「―おいっしい〜♪」
ダイヤ「門外不出の製法のタレに伝統を受け継いできた熟練の職人さんが焼きましたからね」
ルビィ「おいしくない訳がないんだなぁ〜♪」モグモグ
穂乃果「○○家のうなぎより何十倍もおいしい‼ねぇ絵里ちゃん」
穂乃果「―絵里ちゃん?」
絵里「……」ジーッ
ルビィ「食べないの絵里さん?」
ダイヤ「なにか気になる事でも?」
絵里「いえ……これってさっきの養殖場にいたうなぎなのよね?」
絵里「あんな目には遭ったけどそれなりにかわいく思えてきたのにこんな姿を見たら私……ぐすっ」
穂乃果「ちょ、絵里ちゃんなに泣いてるのさ」
ルビィ「うなぎさん、かわいそうになっちゃった?」
ダイヤ「あら、それはそれは……」 ダイヤ「絵里さん、そこは心配ご無用ですわ」
絵里「え?」
ダイヤ「今わたくし達が食べているのは養殖場にいたうなぎとは別の静岡で獲れた天然のうなぎです」
穂乃果「ぶっ!?て、天然!?このうなぎ養殖じゃないの!?」
ダイヤ「こんなお店で養殖のうなぎなど出す訳がないでしょう、今朝水揚げされたばかりの新鮮な天然物ですわ」
穂乃果「そ、そうか〜そりゃおいしい訳だよね、あはは……」
絵里「天然……あの養殖場のうなぎじゃないのね」
絵里「でも、それでも私は……」
ルビィ「―このうなぎさん、絵里さんに食べてもらいたいって言ってるよ」
絵里「ルビィ……」
ダイヤ「そうですわ、絵里さんの考えは自然の命を尊ぶ素晴らしい気持ちです」
ダイヤ「だからこそ、このうなぎも絵里さんに食べてもらえばそれは本望でしょう」
穂乃果「そうそう、うなぎに感謝して食べようよ」
絵里「うなぎに感謝して……」
絵里「……」スッ
絵里「……いただきます」パクッ
絵里「!!」
絵里「お………おいっっっっしいぃぃぃぃ〜これぇ‼」ペカーッ
ルビィ「ふふ、よかったねぇ」
ダイヤ「いい表情ですわ、絵里さん」 絵里「あむあむ……ぱくぱく……」
穂乃果「絵里ちゃんいい食べっぷりだねぇ」
ダイヤ「先ほどまで渋っていたのが嘘のようですわね」
絵里「ふっくらしたうなぎに甘くて香ばしいタレの味がお口いっぱいに広がる……」
絵里「おいしい……おいしいわぁ……こんなおいしい物が日本にあったなんて」パクパク
ルビィ「ね、うなぎさんおいしいでしょ〜」
絵里「―えぇ、これはうなぎに感謝もしたくなるわね」
絵里「うなぎさんありがとう……私はとても幸せよ」
穂乃果「うなぎに手を合わせてる、よっぽど気に入ったんだねぇ」
絵里「そうね、私うなぎ大好きになったわぁ」モグモグ
ダイヤ「やれやれ、ほっぺにご飯粒まで付けて……もう少しゆっくり味わってくださいな」スッ
絵里「あらやだ、私ったら……」カァァ
ルビィ「絵里さんかわいい〜」
穂乃果「こんな絵里ちゃんは滅多に見られないねぇ」ニヤニヤ ダイヤ「皆さん、お腹にまだ余裕はありますか?」
穂乃果「ある〜!!」
絵里「うなぎならいくらでも食べられるわ」
ルビィ「ルビィも入るよ〜」
ダイヤ「それではもう一品頼みましょう」
ダイヤ「―すみません、ひつまぶしをお願いします」
絵里「ひつまぶしって?」
ダイヤ「うなぎのもうひとつの食べ方ですわ、あれこれ説明するよりも実物を見るのが早いでしょう」
店主「お待たせしました、ひつまぶしでございます」コトッ
穂乃果「おぉ〜出たぁ〜」
ルビィ「ひつまぶしだ〜い好き♪」
絵里「これがひつまぶし……」
ダイヤ「食べ方を教えますわね」
ダイヤ「おひつのご飯を4等分にして」
絵里「ほうほう」
ダイヤ「まずはそのままお茶碗によそり食べてください」
絵里「―このうなぎも絶品ね……」モグモグ
ルビィ「次は薬味を入れて食べるの」
絵里「くぅ〜ワサビを入れるとつんと辛くなってまた違う味になるわね〜」
ダイヤ「さらにそこにお出汁やお茶をかけて」
絵里「―う〜ん、さらさらと軽く食べられるわぁ」パクパク
ダイヤ「これが基本の食べ方です、あとは絵里さんのお好きな食べ方でどうぞ」
絵里「ワサビとお出汁をかけて食べるのが気に入ったわ、これはやみつきになるわねぇ」
穂乃果「私は海苔とネギをたっぷり入れて、―はむっ……おいし〜♪」
ルビィ「ルビィはお茶をかけてさっぱりと」ハフハフ
ダイヤ「わたくしもお茶をかけていただくのが好きですわ」
ダイヤ「―あぁ……やはりここのうなぎは日本一ですわね」 絵里「はぁ……おいしかった……流石にもうお腹いっぱいね」
ダイヤ「おや、デザートを頼もうかと思ったのですが」
絵里「……デザートは別腹よねぇ」
穂乃果「うなぎ屋さんのデザート?」
ルビィ「ここ、デザートもあるんだよ。もう最高なんだから」
ダイヤ「丑の日はうなぎだけでなく『う』の付く食べ物を食べるとよいと言われています」
ダイヤ「問題です、ここにある『う』の付くデザートとはなんでしょう?」
穂乃果「『う』の付くデザート〜?うどん?」
ダイヤ「確かに『う』は付きますがデザートではないでしょう」
絵里「ウエハース、とか?」
ダイヤ「流石絵里さんですわぁ、正解です」パチパチ
絵里「ふふん、スイーツにウエハースは付きものだものね」
ルビィ「ルビィは答え知ってたから言えなかったよ」
ダイヤ「最後に『う』の付くデザートを皆で食べましょうか」 店主「お待たせしました、うなぎパイのパフェでございます」カチャッ
穂乃果「うなぎパイだ‼『う』の付くデザートってこれだったのかぁ〜」
絵里「パイとウエハースがいっぱい刺さってるわねぇ、すごいボリューム」
ルビィ「見た目だけじゃなくて中身もすごいんだよぉ」
ルビィ「ほら見てこのアイス、うっすら茶色いでしょ」
ルビィ「これうなぎのパウダーが練り込んであるんだよ」
穂乃果「へぇ〜うなぎアイスかぁ」パクッ
穂乃果「―う〜ん、よくわからないけどうまい‼」
絵里「私にはわかるわ……甘いアイスの中にほんのりと広がるうなぎの味」
絵里「うなぎってスイーツにもなるのねぇ」パクパク
ダイヤ「ウエハースにもしっかりパウダーが練り込まれていてこれがお茶とよく合うのです」サクサク
ルビィ「えへへ、お姉ちゃんアイスちょーだい」
ダイヤ「こらルビィ、あなたはそうやってわたくしのアイスを狙う」
絵里「ルビィ、こっちへいらっしゃい。私のアイスを分けてあげるわ」スッ
ルビィ「うわ〜い」パクッ
ルビィ「―ああぁぁぁ〜おいしいよぉ〜♪」
ダイヤ「な、なんですかルビィったら……」
ダイヤ「……穂乃果さん、ウエハースはいかがです?」
穂乃果「食べる食べる〜、はーむっ」
ダイヤ「ふふ、これでおあいこですわ」
穂乃果「?」サクサク ダイヤ「皆さん、今日は満足していただけましたか?」
穂乃果「うなぎのお重にひつまぶし、うなぎパイのパフェまで食べてもう言う事なしだよ‼」
穂乃果「あるとすれば一言、おいしかった‼」
絵里「私も。なにもかもが初めてだったけど、うなぎを見て触れてそして食べて……」
絵里「うなぎが好きになったわ、すごく素晴らしかった」
ルビィ「ルビィも穂乃果ちゃんや絵里さんと一緒に食べられて楽しかったぁ」
ダイヤ「そうですわね、お父様達に用事が出来なければお2人とこうして一緒にうなぎを食べる事は出来ませんでしたからね」
ダイヤ「今年はいつもとはまた違った丑の日になりましたわ」
穂乃果「ダイヤさん、ルビィちゃん、今日はうなぎごちそうさまでした」
穂乃果「今度うちのお店のおまんじゅう持って遊びに行くよ‼」
絵里「私も手作りのパフェをごちそうしてあげるわ」
ダイヤ「それは楽しみですわね」
ルビィ「ルビィ、絵里さんとパフェ作りたい‼」
絵里「うふふ、あなたとはスイーツの趣味が合いそうね」
ダイヤ「では、そろそろ帰りましょうか」
穂乃果「ごちそうさまでした〜!!」 一応神田の老舗和菓子店の娘の穂乃果は
明神下 神田川とか行ってそう... 数日後
ダイヤ「養殖場のうなぎは無事に届きましたか?」
穂乃果「うん‼養殖だったけどすごくおいしかったって雪穂も喜んでたよ‼」
絵里「えぇ届いたわ、亜里沙と一緒にかわいがっているの」
ルビィ「え?かわいがる?」
ダイヤ「食べないのですか?」
絵里「なんだか情が移ったみたいで……ルビィの言った通りかわいいわねウナーチカは」
ルビィ「ウナーチカ?」
絵里「その子の名前よ、かわいいでしょ」
穂乃果「ウナコーワみたいだねぇ」
ダイヤ「それはかゆみ止めの薬ですわ」
ルビィ「いいじゃないウナーチカ、大事にしてあげてね」
絵里「ありがとう、私は食べずにこのままペットにするわ」
ダイヤ「うなぎを飼うとは……すごい人ですわ絵里さんは」
穂乃果「じゃあもううなぎは食べないの?」
絵里「それとこれとは話は別よ、また食べる時は誘ってね」
ダイヤ「食べるのですね……」
穂乃果「まぁうなぎを好きになってくれたからよかったの、かな」
穂乃果「―また皆でご飯食べに行こうね」
ダイヤ「もちろんですわ、今度はどこに行きましょうかね」
ルビィ「楽しみだね〜」 終わりです、丑の日にちなんでうなぎの話を書いてみました。支援、最後まで読んでいただきありがとうございました。 乙です。ウナギに情が移っちゃう絵里ちゃんが可愛い。 うなぎって聞くとごんぎつねを思い出してちょっと切なくなる 高坂園田高海黒澤は毎年高いウナギ食ってんだろうなあ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています