穂乃果「タオルケットをもう一度」
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一章 宇宙人侵略!μ'sの危機
【小泉花陽 心の中】
お米の海の中に飛び込む。
ざぶーーん。
お米ってサラサラしてて気持ち良いよね。
一粒一粒、すごく綺麗だし。
まるで、畑の宝石みたいだ!
凛「かよちん!」
花陽「あっ!凛ちゃん!」
凛ちゃんがお茶碗を持ってこっちに手招きをしている。
凛「かよちん!」
お米の海を泳ぎ凛ちゃんの所へ行こう! 凛「かよちん!!」
花陽「凛ちゃん!一緒にご飯食べよ!」
お米の海に浮かぶ畳のイカダ。
その上にはエプロン姿の凛ちゃんとちゃぶ台。
あと炊飯器。
ちゃぶ台の上には明太子や白菜の漬物。
梅干しに沢庵、ご飯に合うものが沢山ある!
花陽「お腹減ったねっ!」
凛「かよちん!!!」
花陽「ささっ!食べよっ」
凛「起きて、朝だよ!!!」
花陽「あ、朝・・・???」
・・・・・・ガバっ! 【小泉花陽 自宅】
凛「あっ、やっと起きたー」
花陽「なんだ夢かぁ・・・」
凛「なんか夢見てたの?」
花陽「あっ、凛ちゃん!おはよっ!お米の夢見てた!」
凛「そっかー。それより早く支度しなきゃ学校遅れちゃうよ!」
花陽「えっ、今何時?」
凛「もうすぐ8時っ!」
花陽「大変!急がなきゃ!・・・それよりも何で凛ちゃん私の家に?」
凛「かよちんのママから中々起きないから起こしてくれって頼まれたの!」 花陽「そうなんだ!ありがとう!」
凛「ううん!いいよー。早く支度しよ?」
花陽「うん!でも、凛ちゃん先に行っててもいいよ?このままだと凛ちゃんも遅刻するかも・・・そしたら先生から怒られるよ?」
凛「大丈夫!二人で怒られれば怖さも半減だにゃ!」
花陽「あっ、ふふふ。いいの?」
凛「うん!」
そう言って凛ちゃんはカーテンを勢いよく開く。
日差しが、とても眩しい。
でも、段々と眩しさに目が慣れていき今日は雲一つない快晴ということが分かった。
花陽「・・・ん?」
雲一つない青空に不自然な黒い点があっちこっち動いている。 花陽「なんだろあれ?」
最初は虫かと思った。
でも黒い点は最初は一つ。
止まって、動いて次は二つ。
また止まって、動いてつぎは三つ。
繰り返し、繰り返し、どんどん増えている。
凛「虫じゃないかなぁ?」
凛ちゃんにも見えてたみたい。
私たちはしばらくそれを見ていたけど、いきなりパッと姿を消した。
凛「あ、あれってもしかしてUFO?」
花陽「うーん。ただの虫だと思うけど・・・」
凛「そうかなぁ・・・」
花陽「そ、それよりも学校の支度しなきゃ!」
凛「そ、そうだにゃ!本当に遅刻しちゃうよー!」 【東城希 心の中】
希「えりち!えりち!ご飯!」
絵里「はいはい。今焼いてるから待っててね」
じゅーじゅー。ほわほわ。
このお肉が焼ける音と、匂い。
何度もよだれを飲み込んでも次々溢れ出してくる。
お肉の肉汁も次々と溢れ出ている。
鏡に映るうちの姿が目に入る。
耳があり、ふわふわした茶色い尻尾がある。
尻尾の先は黒くて、まるで筆みたいだ。
そうか、うちはたぬき。
えりちに焼肉焼いて貰ってるところだ。 絵里「はい、これ食べていいわよ」
希「ありがと!」
お皿の上に乗せられたお肉をすぐに食べる。
希「美味しい・・・生きててよかった」
絵里「ほんとね。よかったわね」
希「えりちそこのお肉は?」
絵里「それはまだダメよ。ほら、真ん中がまだ赤いでしょ?」
希「じゃあそっちは?」
絵里「それはあともうちょっと、あ・・・これならいいわよ」
またお皿にお肉が乗せられてすぐに食べる。
・・・希!希!!のーぞーみ!!! 【東城希 教室】
希「・・・っ!」
絵里「・・・授業中よ」
えりちがひそひそと話す。
ゆ、夢だったみたいだ。
今のうちには耳も尻尾もない。
普通の人間だ。
希「ありがと」
絵里「居眠りなんて珍しいわね。昨日ちゃんと寝たの?」
希「ちゃんと寝た・・・と思う」
絵里「思う?五限六限とかなら分かるけどまだ三限目よ」
希「ごめん。ドラマ見てた・・・」
絵里「もぅ、あまり夜更かししたらダメよ。一人暮らしだからこそ生活リズムちゃんとしないと」
希「うふふ。お母さんみたいやね」
絵里「お母さんって・・・とにかくもう寝たらダメよ!生徒会員なんだからお手本にならないと!」
希「もう大丈夫やで。えりちに起こして貰ったから目覚めがいい」
絵里「もぅ、またそんな事言って・・・」 希「そう言えばえりち」
絵里「なに?って言うかまだ授業中よ話しならあとでも出来るでしょう?」
希「ほんまやなぁ。でも、忘れてしまうかもしれん・・・」
絵里「もう、なに?」
希「宇宙人っておると思う?」
絵里「う、宇宙人・・・?」
希「昨日のドラマでな。宇宙人が出て来たんよ」
絵里「どんなドラマよ」
希「アメリカの」
絵里「あぁ・・・いるんじゃない?宇宙って広いし・・・んーでもほらよく見るあのグレイ?とか言う形の宇宙人?あれは、いないと思う。もし宇宙人がいるとしたら私達に似た姿をしてると思うの」
希「あ、えりち」
絵里「まだ何かあるの?」
希「先生がめっちゃこっち睨んどる」
絵里「・・・・・・ほら、言ったでしょ」 【南ことり 教室】
つい最近、このクラスは席替えをやったばかりだ。
前の配置は穂乃果ちゃんや海未ちゃんと近かったから良かったんだけど・・・。
今の配置は私のくじ運の悪さを呪った。
穂乃果ちゃんと海未ちゃんの席は近いのに、私だけ遠くだ。
ことり「はぁ・・・」
溜め息が思わず出てしまう。
私達はいつだって三人一緒だったのにこんな事で引き離されてしまうなんて・・・そんな言い回しは大袈裟だろうか?
ブルーな気分に浸ってはいるが実を言うとそんなに悪い事でもない。
二人の後ろ姿を見ると次の衣装の創作意欲が湧いてくる。
次はどんなのがいいかな。
空想する。 衣装作りに大切な事。
私が最も大切にしている事は空想する事。
曲を聞いて、その曲に合った映像を頭の中で空想する。
今度の新曲はとても明るく、μ'sの元気一杯なとこを余す事なく伝えるそんな曲だ。
曲を頭の中で再生する。
次第に、映像が頭の中で次々と浮かんでくる。
やっぱり元気一杯と言えば青空。
それから笑顔。 【南ことり 心の中】
青空の下。
穂乃果ちゃんがスポーツドリンクを飲んでいる。
海未ちゃんはタオルで穂乃果ちゃんの額の焦ったを拭いている。
海未「今日はもうこのぐらいで」
穂乃果「そうだねっ!」
私達は今ライブに向けて体力作り中。
穂乃果ちゃんの格好は学校のジャージだ。
うーん。
ジャージも元気一杯って感じがするけど、アイドルっぽくないなぁ。
穂乃果ちゃんの服装が白のドレスに変わる。
可愛いけど、違うなぁ。 やっぱりノースリーブが良い。
袖がないだけで、凄く健康的に見えるし私達の衣装で無かった気がするノースリーブ。
海未ちゃんの服がノースリーブに変わる。
ジャージ姿のノースリーブ。
ぷっ・・・うふふ。
違う違う。
海未ちゃんは青空の色のノースリーブ。
キャミソールみたいにして・・・スカートにしよう!
海未ちゃんお腹綺麗だからお腹も出して・・・。
また怒られるかなぁ・・・露出高いもんなぁ。
段々イメージが固まって来た。
元気一杯ってイメージはチアガール。
みんなぽんぽん持って踊ったら凄く明るい雰囲気になるかも! 海未「うぅ・・・ことりぃ・・・」
海未ちゃんがお腹を隠しながら私に訴えかけるような目で見る。
海未「こ、この格好恥ずかしいです・・・」
穂乃果「そう?私はすきだけど海未ちゃんの衣装」
イメージが固まったなら私はもう止まらない。
穂乃果ちゃん赤を基調とした衣装。
もうみんなお腹出しちゃえ!
あ、スカートにリボン付けても可愛いかも!
穂乃果「わぁ!凄く可愛い!!!」
やっぱり、一人一人変わるよね。
最初はみんな統一の衣装で考えてたけど、一人一人に似合う衣装考えるの楽しいから結局みんな違う衣装になってしまう。
ことり「・・・あれ?」 【南ことり 教室】
空想を辞めて外をジッと見る。
みんなの衣装を考えるのはかなり集中力を使う。
実際、私も今の今までかなり集中して考えていたし、誰かに話かけられたとしても返事もままならなかっただろう。
それを塗り替えるぐらいのあり得ない光景が見える。
ことり「・・・なんだろあれ」
猫が空を飛んでいる。
目を擦り、もう一度見る。
飛んでいる。
試しに頬をつねってみる。
飛んでいる。
いや、詳しく言えば空に吊り上げられていく。
まるで、糸で巻き上げられていくみたいに上へ上へと・・・。 猫はジタバタと暴れている。
これは何かの夢かだろうか?
それとも、まだ私は空想の中にいる?
それは違う。
目を擦っても、頬をつねってもこの光景は消えない。
つまりは現実。
空飛ぶ猫を私は今見ている。
でも、こんな事ってあり得ない。
猫は段々と暴れるのをやめ、動かなくなった。
だらんと正気を失った身体は上へ上へと登って行きやがて雲の中に消えた。 【西木野真姫 屋上】
真姫「で、それがUFOだと思ったの?」
凛「うん!絶対あれはUFOだよ!」
真姫「花陽はどう思う?」
花陽「私はハエか蚊だと思ったんだけど・・・」
凛「ううん!あれは絶対UFOだにゃ!無視はあんな増え方しないもん!」
真姫「うーん。そうね。私はどちらかと言えば花陽が言う通り虫だと思うけど・・・」
凛「写真撮っとくべきだったにゃ!」
お昼休憩。
凛が血相変えて私のとこに来たから何かと思えばUFOを見ただなんて凄く拍子抜けした。
けれども、凛の顔はとても嘘を言ってるように思えなかったが、流石にUFOは信じられない。
何かの見間違いと言ってもUFOだと完全に信じている。 凛「宇宙人も乗ってたのかなぁ?」
真姫「そりゃあ乗ってるに決まってるわよ。だってUFOって乗り物でしょ?無人で動かせるわけないじゃない」
凛「確かに・・・」
花陽「あ、でも。私たちの遥か上を行くテクノロジーを持ってるかも!」
凛「それだったら無人で動くのもありにゃ。レーザー光線も出るかも!」
真姫「まさか・・・私達人間が何千年も生きてもレーザー光線なんて実現出来てないのよ?」
凛「それはほら!やっぱり頭の良さが違うとか!」
真姫「頭が良くても実現出来る事と出来ないこと沢山あるわよ」
花陽「例えば人を生き返らせるとか?」
真姫「まぁね。もし医学が今より更に発展してもそれは無理だと思う」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています