曜「絵里さん、見つけましたよ!」

絵里「……」クシャ

絵里「そう、なら行くわよ」

タッタッタッタ

曜「でも…なんで海に出ないとダメなんですか?陸を行った方が、見つかったとしても小回りがきくんじゃ?」

ルビィ「た、確かに……それにもし海を行くとしたらルビィ……」

絵里「あなた達、ここが何なのか知らないで連れてこられたの?」

曜「え、刑務所ですよね…?」

絵里「そういうことじゃなくてよ」

絵里「……私も陸があるんなら陸を行きたい。でも、ここの周りには陸なんてないのよ」

曜「あっ…もしかしてここって、海に囲まれた島とか?」

絵里「違う…ここは船なのよ」

ルビィ「ふ、船…ですか?」

絵里「えぇ」

曜「でも絵里さん、長い間拘留されてたんですよね?」

曜「なんで船ってわかったんですか?」

絵里「ここは環境劣悪に加えて施設の老朽化、設計も杜撰だから頻繁に時化が起きては大きく揺れる」

絵里「まっ、そのおかげで脱獄出来るんだけど」