曜「9番って本名……なわけないですよね……あはは」

曜「それで、助かる方法って?」

絵里「脱獄するのよ」ガッガッ

曜「脱獄……」

絵里「向かいの牢獄からここに来るまで8年もかかったわ」

絵里「目と鼻の先……たかだか直線1mの距離で8年……」

曜「そんなに大変だったんなら、わざわざこの部屋に来る必要はなかったんじゃないんですか?」

絵里「いいえ、ここは構造上、最高の脱出ポイント……どうしても一度ここに来る必要があった」

絵里「……あなた達、ツイてるわよ?あと1日でも遅く投獄されていたら、私は一足先に脱獄して……あなた達は予定通り……殺されていた」

曜「」ブルッ

絵里「………」ガッガッ

曜「そ、それってスプーンですよね?まさかそれで掘り続けてきたんですか?」

絵里「……えぇ」

絵里「さっ、手伝ってくれんでしょ?私は掘り続けるから、あなたは看守が来ないか見張っておきなさい」

曜「あ、はい!」