鞠莉「オレンジ色の雨をもう一度」
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果南「ダイヤ!鞠莉!部室行こう!」
ダイヤ「先日私も鞠莉さんも家の用事があると伝えたでしょう?」
果南「あり?そうだっけ?」
鞠莉「果南ってば忘れん坊さんねー」
ダイヤ「それよりちゃんと歌詞は考えていますの?」
果南「やだなぁダイヤ、それを相談しようと思ってたんじゃん」
ダイヤ「つまり進んでないということですね?」
鞠莉「まぁまぁダイヤ、Aqoursの活動は始まったばかりだよ」
果南「そうだそうだ、あと3年あるんだから!」
ダイヤ「それはそうですが…」 果南「ま、用事があるなら仕方ないかぁ…」
果南「二人とも少しは時間あるんだよね?」
ダイヤ「まぁ、まだ時間に余裕はありますが…鞠莉さんは?」
鞠莉「私も夜からだから大丈夫だよ?」
果南「じゃ、今日は少し遠回りして帰ろうよ!」
ダイヤ「なんでわざわざ…」
鞠莉「楽しそう!どこ回って帰るの?」 果南「ん?適当だよ?」
ダイヤ「決めてないんですね」
果南「こういうのは決めない方がいいんだって!」
果南「さ、善は急げ、早く帰ろ?」
鞠莉「レッツゴー遠回り!」
ダイヤ「遠回りするのに早く帰ろうというのも変な話ですが…ま、悪くないですね」 鞠莉「ダイヤのところも今日はお客さん?」
ダイヤ「えぇ、遠くからお越しくださるそうで、幸い到着は少し遅くなるとのことです」
鞠莉「私のところもそうなのよね…正直言って面倒くさいわ」
ダイヤ「せっかくお越しくださるお客様をそうやって言うものではありませんわ」
鞠莉「えー、だってぇ」
果南「…」
果南(この二人の華奢な両肩にどれだけの重圧が…未来がかかっているんだろう)
果南(こんなにも強い夕焼けの光に照らされたとしても…きっと未来は揺れ動かない)
果南(私は…二人の…
鞠莉「果南?遅いわよー!」 ダイヤ「貴女が急ごうと言ったんでしょう?当の本人が玄関でボーッとしてどうするんですの?」
果南「ごめんごめん、ちょっと考え事してた」
鞠莉「私達といるのに別の考え事?果南の浮気者!」
果南「ちょっとなんでそうなるのさ」
鞠莉「ね、ひどいよねダイヤ!」
ダイヤ「ふふ、そうですわね」
果南「ダイヤまで」 鞠莉「で、なに考えてたの?」
果南「え?」
ダイヤ「何か悩み事ですか?少しくらい顔をされてましたけど」
果南「え、いやいや、大したことないよ」
果南「今日の夕飯なにかなーとか」
果南「二人は今日お客さん来るなら豪華になりそうで羨ましいな」
鞠莉「豪華な食事ねぇ…」 鞠莉「私は果南とダイヤと一緒に食べる方がよっぽど満たされるけどね」
ダイヤ「またそんなこと言って…」
ダイヤ「ま、でも、少し同意ですね」
果南「よーし、じゃあ今日!はダメだから…明日!一緒に食べようよ!」
ダイヤ「私は構いませんが」
鞠莉「私も行く!」 果南「じゃ、どうしようか…うちでバーベキューでもする?」
鞠莉「OK!お肉たくさん持っていくわ!」
果南「それはダメ!」
鞠莉「え?どうして…?」
果南「みんなで一緒に買いに行こう?」
ダイヤ「そうですね、鞠莉さんに負担させるのはもってのほかですし、きっと3人で買い出しした方が楽しいですわ」
鞠莉「なるほど!」 鞠莉「んー!楽しみ!これで今日を乗り切れるわ!」
果南「大袈裟な」
果南「これからもきっと何度だってあるよ」
ダイヤ「そうですね、高校生活だけじゃなくこの先もずっとずっと」
鞠莉「果南、ダイヤ…ハグっ!」
果南「もー鞠莉暑いよー」
ダイヤ「それにこんな道の真ん中で…」
鞠莉「いいじゃん、私は気にしないもん!」
ダイヤ「私達が気にします!」 果南「それに…ん?雨?」
鞠莉「なに言ってるの、こんなに晴れてるのに…」
ダイヤ「いえ、降ってますわね、雨宿りしましょう」
果南「天気雨かぁ」
ダイヤ「すぐ止むとは思いますけどね」
鞠莉「でも遠回りしたおかげだね!」 ダイヤ「なんのことですか?」
鞠莉「えー、ほら!オレンジ色の雨が降ってるよ!」
果南「確かに…」
ダイヤ「なかなか見られない景色かもしれませんね」
果南「オレンジを反射して雨粒が輝いてるね」
鞠莉「また見れるかな?」
ダイヤ「きっと見れますわ」
果南「だってずっと3人一緒!でしょ?」 果南「待って!鞠莉!ダイヤ!…」ハァハァ
果南「夢…か」
果南「いつまで引きずってんのさ…」
果南「3人一緒…そんな未来は、望んだ未来はもう来ない」
果南「来るはずもない願い事はしっかり鍵かけておかなくちゃね」
果南「さよなら…ここから離れることで少しは傷が癒えてるといいな」
果南「さ、今日も仕事頑張るかぁー!」 ダイヤ「生徒会長…ですか?」
ダイヤ「いえ…お引き受けします」
ダイヤ「お手伝いはしていたので大体は分かりますが…」
ダイヤ「あとは任せたって…はぁ」
ダイヤ「あれから季節が1周しましたが、ろくに言葉も交わせない不器用な私達は幸せな日々を過ごせているのでしょうか?」
ダイヤ「それとも…さらに季節が巡れば幸せな日々にたどり着くことができるのでしょうか…」 鞠莉「…おやすみなさい」ボフ
鞠莉(きっと今日も同じ夢を見る…)
鞠莉「私を支えてくれた大切で大好きな…」
鞠莉「一緒に過ごした日々の全てが愛おしい…忘れられない日々…だった」
鞠莉「あいたいよ…」
鞠莉「果南…ダイヤ…」
鞠莉「いいえ、きっと取り戻してみせる」
鞠莉「果南とダイヤと過ごしたあの日々を」 ・
・
・
果南「お待たせ、ダイヤ」
ダイヤ「待たせすぎですわ」
鞠莉「あー、ダイヤだけ衣装持ってるずるい!」
ダイヤ「ずるいってなんですか、これはルビィが私に渡してくれたんです」
ダイヤ「鞠理さんには絶対に渡しません!」
ダイヤ「大体昔の衣装なんですから、鞠莉さんも果南さんも自宅にあるでしょう?」
鞠莉「どこにしまったかなぁ…」 ダイヤ「まさかなくしたなんて言わないですわよね?」
果南「ほらほら二人ともみんなポカンとしてるから」
千歌「なんていうかやっぱり仲良しだったんだね」
果南「ん、まぁね」
鞠莉「あら、果南照れてるのー?」
果南「照れてない!」 鞠莉「よーし!新生Aqoursの誕生を祝ってバーベキューするわよ!」
果南「いいね!さ、行くよみんな、走れ走れー!」
ダイヤ「こら、皆さんの事情も聞かないとダメでしょう?」
ダイヤ「そういうことですので、皆さんよろしくお願い致します」
ダイヤ「二人ともお待ちなさい!」
曜「そういうことって…どういうこと?」
梨子「さぁ…」
善子「まさか一番はちゃめちゃなのが3年生とは…」
花丸「すごく楽しそうだったずら」
ルビィ「お姉ちゃんの笑顔が見れてルビィは嬉しいな!」
千歌「とにかく!置いていかれちゃう!みんな行くよ!」 鞠莉「疲れたわ…」
果南「鞠莉体力落ちたんじゃない?」
ダイヤ「果南さんが…おかしいんです…」
果南「千歌のところバーベキューセットあったよね?」
千歌「うん!あるよー、借りてくるよ!」
千歌「それとうちで余ってる食材と分けてもらおうか?」 鞠莉「ノンノン!千歌っち」
千歌「ほぇ?」
鞠莉「買い出しはみんなで行くものよ?」
鞠莉「その方が楽しい!でしょ?」
果南・ダイヤ「そうだね(そうですわね)」
ダイヤ「ま、でも人数も多いですし、グループに分けて準備しましょうか」
果南「さんせー!」 ・
・
・
果南「ん…ふぁ…」
果南「いない…」
果南「鞠莉もダイヤも起きてたんだ…」
鞠莉「あら、せっかくダイヤと密会してたのに」
ダイヤ「貴女もついさっき来たところでしょうが」
果南「ね、少し歩かない?」 ダイヤ「ちょうど私達もそういう話をしていたところです」
果南「あれ?私おいていかれそうになってた?」
鞠莉「果南なら走ればすぐに追いつくからね」
ダイヤ「またそうやって…ちゃんと起こしに行こうとしてましたよ、鞠莉さんが」
鞠莉「ちょ…ダイヤ!」
果南「へぇー」ニヤニヤ
鞠莉「もう!行くわよ!」
果南「それにしても綺麗な朝焼けだね」 鞠莉「雨…降らないかなぁ」
果南「雨降ったら散歩できないじゃん」
ダイヤ「あの時は夕焼けでしたね」
果南「そういうことか」
果南「じゃ、あそこまで行こう!」
果南「きっと見れるよ」
ダイヤ「そうですわね」
鞠莉「オレンジ色の雨を…もう一度」 果南「前は夕焼けだから長い夜が来ちゃったけど、今回は朝だからね」
ダイヤ「また長い長い一日の始まりというわけですか?」
鞠莉「もう夜が来るのは勘弁してほしいけどね」
果南「私ね、あの日鞠莉とダイヤの未来を恨んじゃったの」
果南「どうして二人はこんなにも重い使命を背負ってるんだろうって」
ダイヤ「果南さん…」 鞠莉「私はこの二年間で色んな世界を見たけれど…私の生きる世界はやっぱり果南とダイヤと笑い合えるここしかないなって思った」
鞠莉「世界は広いけれど、私には狭い世界で十分だった、少なくともこの三年間は」
ダイヤ「鞠莉さん…」
ダイヤ「私達はどこまでも不器用で…きっとくだらない意地のぶつかり合いだったんでしょう」
ダイヤ「でも、そのくだらない意地の張り合いは、それだけお互いを愛していたということでしょうね」
果南「そうかもね、っと着いた」 鞠莉「これで都合よく天気雨になれば…」ポツ
ダイヤ「なりましたわね」
果南「私達の夜明けを祝福してくれてるのかもね」
ダイヤ「それだけじゃありませんわ」
鞠莉「そう、きっとこれは9人のスタート」
果南「ふふ、そうだね…」
果南「ね、私二人に言わなきゃいけないことがあるんだ」
ダイヤ「奇遇ですわね、私もです」
鞠莉「きっとみんな一緒だよ」
「「「ありがとう」」」 おしまい!
色々ズレとかあるかもしれないけど、大目に見ていただけると助かります。
きっと素敵な未来を歩む3年生。
過去分も見て頂けると喜びます。
ついったーにまとめてます。
@fffssyou ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています