SS 麻薬取締官 黒澤ダイヤ
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自分の趣味と妄想全開SSです。
話の都合でオリジナルキャラが登場しますがご了承ください。 私達は猟犬。
国家に繋がれ泥にまみれながら、どこまでも徹底して獲物を追い込む猟犬だ。
私達には昼も夜も存在しない。
世界を隔てる表と裏のその中間で、延々と獲物を追い求め続ける。
確かに存在する世界のその二面性を知ってしまえば、知る前にはもう2度と戻れない。
そこで、生きるだけだ。 〜9月某日金曜午後7時 名古屋某住宅街のアパートの一室〜
中東系外国人A「先日あそこの密売グループも麻取に摘発されたらしい…最近マークが厳しいな」
中東系外国人B「とりあえず今ある分だけは捌き切りたいと思ったけど、無理はしないほうがいいな。縄張りを変えよう」
中東系外国人A「ああ、そう思ってもう部屋は手配してあるんだ。今晩にでもここを引き払おう」 2人は名古屋近郊を縄張りにしている外国人系密売グループの構成員だ。
かつてに比べればかなり減ったとはいえ、未だに首都圏や、ここ名古屋等の大都市には中東系の在留外国人は多い。
その中でも違法薬物の売買で日銭を稼ぐ外国人は少なくない。
中東系外国人A「さあ、さっさと荷造りするぞ」 ピンポーン
中東系外国人A・B「!?」
2人は急な来客に驚きを隠せなかった。
当然2人はここに住んでいるわけではなく、ただ部屋を拠点としているだけだ。
他にもグループの仲間はいるが、互いを守るためにあえて拠点は知らせずにテレグラムやシグナル、場合によってはレンタル携帯での連絡しか行わない。
それなのに来客があったのだ。
中東系外国人B 「少し見てくる」
中東系外国人A「よせ!ドアに近づくな!ここにいるって思わせるな!」
声を殺しながらも叫ぶようにして止める。
人が来るはずなどないのだ。来るとしたら… 課長補佐「壊すぞ」
瞬間ドアは壊された。
4人ほどの人影が見える。
課長補佐「麻取だ。覚せい剤取締法違反の容疑で逮捕状が出ている。」
中東系外国人A「畜生!!」
外国人Aは一目散にベランダに向かい飛び降りた。
若手取締官「あ、おい!ここ2階だぞ!」
係長「こちらの男の身柄は押さえた!19時3分、通常逮捕」
中東系外国人A「い、いてえ…でも逃げねえと…」
外国人Aは数秒間は痛みで立ち上げれなかったが、ようやく動き出した。
ダイヤ「私が追いますわ」 課長補佐「任せたよ。おい、下から黒澤を追いかけてくれ」
若手取締官「え?俺ですか?てか下からって?」
若手取締官の頭に疑問符が浮かんでいるのをよそに、ダイヤは外国人と同じくベランダから飛び降りた。
しかし、その姿は苦し紛れに飛んだ外国人とは違い、美しく洗練された飛び降りだった。
若手取締官「はぁ!?そう言うことかよ!行ってきます!」
課長補佐「おう!」
ダイヤの着地は見事な5点着地だった。
外国人Aとは違いロスタイムなしで着地後に走り出した。 少しだけ書き溜めてます。
見てくださると嬉しいです。 ダイヤ「久々にやりましたけど体が覚えているものですわね」
中東系外国人A「なんでもう後ろにいるんだ!?おかしいだろ!?」
飛び降りて追いかけてくるなど考えていなかった外国人Aは完全に後ろに気を取られてしまった。
思慮を巡らせているうちにもう、手を伸ばしたら掴まれる位置にダイヤは迫っていた。
ダイヤ「逃げるのはブッブーですわよ。さぁ、おとなしくしてください」
瞬間、ダイヤは外国人Aに飛びかかり、関節を押さえて制圧した。
中東系外国人A「は。はぁ!?動けねえ!はぁ!?」
驚きを隠せなかった。
体の細さは自分の太腿程度しかなさそうな女性に完全に組み敷かれているからだ。 若手取締官「黒澤!すまねえ遅くなった!」
黒澤「いいえ先輩、とんでもない。助かりますわ」
若手取締官「はい、逮捕状な。19時5分…だな。通常逮捕。さぁ部屋に戻ってもらいますよ」
中東系外国人A「くそ…」
女一人に組み敷かれ、その上もう一人男が来たとなれば逃げられないと、外国人Aは観念したのか力が抜けた。
二人で脇を抱えるように外国人Aを先ほどの部屋まで運んだ。
若手取締官「しかし黒澤すごいな。なんだあれ」
ダイヤ「学生時代に少しパルクールをかじりまして。体術のほうは大学が決まってからずっと卒業までシステマを習っていました」
若手取締官「えぇ…」 ダイヤ「補佐、戻りました」
課長補佐「ありがとう。電話で待機組を呼んでくれるか。あいつらが着いたら逮捕現場における捜索及び差し押さえを行う」
ダイヤ「承知しました」
ダイヤは外の車両に待機している2名の取締官を呼び出した。
女性取締官「お疲れ様。あら、証拠しっかり残ってるのね」
ダイヤ「ええ、トイレに流されていたら少し困るところでしたけど。縄張りを移して売ろうと欲が出ていたのでしょう。まだまだ犯罪ルーキーですわ」
中堅取締官「じゃあ補佐、ガサ入れ始めますね」 ダイヤ「では、私はこれで失礼しますね。お疲れ様です!」
若手取締官「え?黒澤帰るの?これから忙しいんだぞ送致用書類作りもあるし」
ダイヤ「分かっていますけど、私ずっと職場のカレンダーに黒澤定時って2ヶ月前から書いていましたし、
補佐にも許可はもらっていますわ。
でも、ごめんなさいわがまま言って…」
課長補佐「すまんな。許してあげてくれ。人は足りてるし大丈夫だ。黒澤、大丈夫だから行きなさい。ずっと楽しみにしてたろ」
ダイヤ「ありがとうございます。先輩ごめんなさい。お土産たくさん買ってきますから」
若手取締官「お、おう」
ダイヤ「係長、車のキーあけてください!荷物を取りたいのです」
係長「はいよ」
ダイヤ「では皆さんご機嫌よう!お先に失礼します!」 そうしてダイヤは下に止めてある公用車から自分のキャリーバッグを取り出し大通りに向かい走り出した。
若手取締官「黒澤、何か用事あるんすかね?」
課長補佐「明日明後日と高校の部活の仲間と同窓会なんだってさ。
私は訳あって高校時代の彼女達を知っているから…
ついつい行かせてあげたくなってしまってね。
ごめんな?今度焼肉奢るからさ、今日明日は黒澤抜きで頑張ってくれ。」 若手取締官「まあ今回の事件の中で今日含めて一番頑張ってくれてましたからね。
文句は言えないっす。
しかしなんの部活ですか。イメージ的に華道とか?」
課長補佐「いや…」
課長補佐、かつては1オタク取締官に過ぎなかった彼は、当時の記憶を鮮明に思い出しながら答えた。
課長補佐「スクールアイドル部さ」 〜大通りに向かう道〜
ダイヤ「しかしスマートフォンは便利ですわね。μ’sの動画も見られるしタクシーもピンポイントで呼べるのですから。
学生時代に梨子さんに教わっておいて良かったですわ」
大通りについたときには1台のタクシーが待機していた。 運転手「予約の黒澤さん?名古屋駅まででいいんですよね?」
ダイヤ「ええ、お願いしますわ。すいません慌ただしくて」
運転手「荷物多いですね。旅行ですか?」
ダイヤ「いいえ、久しぶりの帰省です。といっても半年ぶりですが」
運転手「いいですね〜どこなんですか地元は?」 ダイヤ「干物の街、沼津ですわ!」
運転手「あ〜金目鯛が美味いんですよね〜沼津まで行きましょうか?」
ダイヤ「もう!そんなお金ありませんわ!」
運転手「冗談ですよ!さぁ名古屋駅着きましたよ。楽しんできてくださいね」
ダイヤ「ありがとうございます。快適なドライブでしたわ。ご機嫌よう」 19時45分。予定の新幹線には間に合いそうだった。
ダイヤ「さて、家に着く頃までルビィは起きていてくれるかしら」
ダイヤ「おっと、自己紹介が遅れましたわ。
まぁ皆さん知っていると思いますけれど改めて。」 〜名古屋駅 午後19時46分 金曜日〜
黒澤ダイヤ/26歳
髪の色/美しい黒
瞳の色/青緑色 職業/麻薬取締官
SS 麻薬取締官 黒澤ダイヤ
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