海未「未詳事件特別対策係…?」希「その1!」
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バンッバンッバンッ
銃声が鳴り響く
警視庁特殊部隊ーー通称SIT。
若くしてそこの小隊長を務める海未は、今日も外国人犯罪グループを追い詰めていた
穂乃果「はぁっ、はっ……海未ちゃん!」
海未「穂乃果。やつらは奥に逃げ込んだみたいです…私が先に行くので、みんなはあとから」
穂乃果「ん、うん……はぁっ、けほ」
まだこの部隊に来て日の浅い穂乃果は、体力的にきつそうだ。
敵が周りにいないとわかると、ずるずると腰を落とした。
海未「穂乃果…みんなも。すみません、突っ走ってしまいました、きついですよね…?」
穂乃果「ん、ううん…はは、ごめんごめん、もう大丈夫だから…!」
海未「穂乃果……」 正直、止まっている余裕などなかった。
こうしてる間にも、やつらは何か対策をとってしまうかもしれない。
それが海未や穂乃果の命を奪うことにも、繋がりかねない。
海未「……っ、穂乃果。みんな。…すみません。」
海未「さっさと終わらせて、飯でもいきましょう。穂乃果は何が食べたいですか?」
穂乃果「……!穂乃果、パンが食べたい!ランチパックの…ツナマヨがいいなあ!」
海未「ふふ。わかりました。私が奢りましょう!」
穂乃果「やったあ…!!」
海未が奢ってくれると聞いて、穂乃果は嬉しそうに立ち上がるーーもう、大丈夫そうだ。
海未「それでは私から突入するのでーーついてきてくださいね…っ」ダッ
こうやって話した穂乃果が、こんなことになるなんて。
そのとき海未は思ってもなかったのだった。 ーーー
ーー
「園田海未、本当のことを話しなさい!」
海未「ーっ、ですから、私は本当のことしか言っていません!」
暗い部屋に、警視庁のお偉いさんが3人。
海未のことを尋問している。
「ではなにか?高坂は自分で撃った玉に、自分で撃たれたとでもいうのか?」
海未「………、はい。」
「そんなわけないだろう!!」
「大切な部下が命を落としかけているんだぞ?!本当のことを言いたまえ!」
「君が高坂を撃って、そのあと銃を入れ替えたんだろうが!」
海未「ーー決して、そんなことは」
穂乃果は今、意識不明の重体だ。
その犯人として、海未が疑われている。
海未「……っ、何故……」
海未はその時のことを思い返す。
外国人グループを追い詰め突入した、その後すぐのことだ。 ------
海未『はぁっ、はぁっ……やつらは、』
穂乃果『……』ザッ
海未『ああ、穂乃果…!無事でよかったです、やつらは…』
穂乃果『はぁっ……はっ……』スチャ
海未『穂乃果……?』
高坂穂乃果が、園田海未に銃を向けていた。
海未『…?銃を下ろしてください!』
高坂穂乃果は、銃を下ろさない。
穂乃果『はぁっ……はぁっ……!』プルプル
海未『穂乃果?!だめです、だめですよ!撃ってはーーー』
穂乃果『う、うわあああああ!!!!』
バンッ バンッ バンッ
高坂穂乃果は、引き金を引いた。
海未『穂乃ーーー』
しかし、次の瞬間 穂乃果『………がはっ、』
高坂穂乃果は、銃に撃たれて倒れた。
海未『ーーーーっ、?!!?!?!』
海未『穂乃果!!!穂乃果ぁ!!!!』
海未『何故…!何故ですか?!貴女は私に向けて銃を撃ったのに!!』
海未『何故………!!!』
ここまでが、園田海未の記憶している全てだった。
------
「君の処分が決まったよ」
海未「……、私は」 尋問は終わり、席に戻るところだった。
海未が疑われるのは確かだが、証拠は何もなかった。
「君は今日から、未詳事件特別対策係に移ってもらう。」
海未「ーーっ、私は、穂乃果のことを…!」
「気持ちはわかる。だが、高坂の身に起こったことは、今後私たちがきちんと調べていくさ」
海未「………っ、」
「ひとまず君は、未詳に。…聞き分けてくれ」
海未「ーー未詳、ですか。」
噂は聞いていた。
少なくとも、SITの小隊長を務めていた海未が配属されるような所ではないのは確かだった。
「早く荷物まとめて。がんばれよ」
海未は荷物をまとめた。
周りの目が痛かったが、気にしないようにした。 ーーー
ーー
場面は変わり、ここは焼肉屋。
随分と狭い店内に、客は一人しかいない。
希「んん〜っ、おーいしーい!」
希「マスターおかわりぃ〜!カルビ10人前ね!」
マスター「あいよ!」
何やら難しそうな本を広げながら、山のように積まれた肉を胃に流す。
ぺらっ
希「ふーん、この数式がこれで証明される?あはは、そんなわけ」
もぐもぐ、ぺらっ
希「ふふ、やっぱ辻褄あってないやん。どう結論つけてるんやろ」
もぐもぐ、ぺらっ
希「マスター、お肉なくなっちゃう!はよしてや〜!」
マスター「ちょっとまてや、パズルがどうしてもわからんくてな、あと3ピースハマったらもってくよ」
希「ええ〜〜」 のそのそと希がマスターに近づく。
マスターの横には、これまた無造作に積まれた、山のようなピース。
3ピースはめれたところで、パズルはまだまだ完成しそうにない。
希「んー……」
マスター「お?希ちゃん。わかる?」
希「これピース、ひとつたりんよ。」
マスター「ええ、」
希「ここにある肉、もらってくな♪」
マスター「あ、あいよー…ううーん、あ!ここだな」
ぱちっ
ピースがひとつはまった ーーー
ーー
海未「………はあ、」
荷物をまとめて未詳の場所へと辿り着けば、そこには怪しい、今にも壊れそうなエレベーター。
どうやらこれに乗って上までいくらしい。
海未「こんなところーーっ、」
海未「………いや」
海未(…私は穂乃果を守れなかったのです。これくらいは…当然ですね)
少しずつあがっていくエレベーター。
ガチャンと大袈裟な音がして上の階まで辿り着けば、そこにいたのは
「わぁ〜いらっしゃい!未詳にお客さん!久しぶりだなぁ」
海未「今日から未詳に配属された、園田海未と申します。」
「わわ!そっか!そういえばそんな話、きいてたかも」
花陽「よろしくね!ここで係長をしてます、小泉花陽ですっ!」
花陽「あ、海未ちゃんもおにぎりたべる?」
そういって小泉花陽係長から差し出されたのは、花陽の顔ほどもある特大のおにぎり。
海未「結構です。」
花陽「そっかあ〜」 そう言って残念そうに下げた顔をあげると、花陽はとたとたと何も置いていない席に近づいた
花陽「ここの席、自由に使ってくれていいからね!」
海未は案内されたそこに、荷物をおろす。
それを見た花陽はほっとしたように息をはいた。
花陽「…それで、もしかしたら海未ちゃんは知ってるかもしれないけど。」
花陽「ここ未詳では、超能力とか…そうだなあ、いろんな意味で検察では立件できないような、立証できないような…そういう難しい事件を、」
海未「ようするに、」
海未「頭がおかしいとしか思えないような相談や、ハードクレーマーの無茶苦茶な苦情がたらい回しにされた挙句ここへいきつき」
海未「それをぬらりくらり交わすだけで何もやることはない、そういう部署ですね?」
花陽「あははっ、まあ…見方によってはそういうことだね」
海未「……この部署は小泉係長だけですか?」
花陽「小泉係長…!えへへ、なんだか照れちゃうなあその呼び方」 花陽「花陽でいいよっ!希ちゃんもそう呼んでるし」
海未「わかりました。その…希、とは?」
花陽「そうそう、希ちゃん!意外と頭のきれる子でね…って、あ!」
ちょうどそのとき、エレベーターが上に上がってくる音がした。
花陽「希ちゃーん!!…って、あれ……?」
希「いたたたた!いたいいたい!」
マスター「食い逃げたあ〜いい度胸だなあ!未詳ってここかー?!」
希「だから食い逃げじゃないって言ってるやん〜!お財布忘れちゃっただけだって、いたたたた」
海未「……ハァ」
海未は顔をしかめた。これが頭のきれる…?希?とは。頭が痛かった。
海未「いくらですか?」
マスター「16000円だ!」
海未「食べ過ぎです!!!」チョップ
希「あたぁ!!」 花陽「16000円ですね…ええっと」ゴソゴソ
希「つけにしてやー!!」
海未「警察でしょうが?!!」チョップ
希「あたぁっ!!」
花陽「…はい、これで!」ポンッ
マスター「あい、ちょうどな!」
希「は、花陽ちゃん!悪いよ」
花陽「いいのいいの、部下の失敗は私が…当たり前のことだよ?」
そういって花陽がマスターにお金を支払うと、希はぺこぺこと頭を下げた。
マスター「はは、希ちゃんはいい上司をもったなあ!今度は財布忘れずに来いよ!」
希「……、はーい」
マスター「それじゃあまいど!」タタッ
希「…、花陽ちゃん、ごめんなぁ」
花陽「大丈夫だよ。それより希ちゃん、病院行くんじゃなかったの?」 希「いったよー!たぶん病院の帰りにすれ違った人にすられたんや…」
病院…病院というのは、おそらく希の腕のことだろうと海未は思った。
希は包帯でグルグル巻きになった左手をサポーターで支えていて…
うん?サポーターから何やらたぬきのキーホルダーが見え隠れしている。
海未「…、希、そのサポーターの中のはなんですか」
希「うん?…って、あー!!!」
希「財布!こんなとこにあった!!」
花陽「ほんとだぁ!流石海未ちゃん!」
希「よかったあ!それじゃ花陽ちゃん、お金返すよ!」
花陽「ふふ。ありがとう♪」
海未「…ハァ」
…こんなところで流石などと言われても、何も嬉しくはない。
海未はすでに頭が痛くて帰りたくなっていた
花陽「そうだ!海未ちゃん、こちら東條希ちゃん。希ちゃん、こちらは園田海未ちゃんだよ」
希「!!!」 希「こ、この人が例の不思議な事件の!」タタッ
希「うち、東條希!会えてめっちゃ嬉しい!」ギューッ
海未は顔をしかめた。警察ともあろうものがつけにしろだのなんだの。はてには急にハグ。破廉恥だ!希のことは好きになれそうにないと思った。
希「う〜ん、意外と普通の人間さんやねえ」
花陽「…希ちゃんはね、こう見えて京大理学部卒なんだよっ!」
海未「…、だからなんですか」
花陽「あははっ!…(やりにくいなぁ)」ボソッ
希は気にしてなさそうにすたすたとDVDを再生すると、にんまりと笑ってこちらを見てきた。
希「ふふ!花陽ちゃん…ついにGETしてきたんよ。伝説の超能力伝説。略して伝伝伝!」
花陽「わああ!!見たい見たい!」
動画がはじまると、テレビの中では明らかにインチキっぽいおじいさんが、超能力で女の子をひっくり返していた。
海未「…ばかばかしい」
海未「こんなインチキビデオを見ることが仕事なのですか?」
希「海未ちゃん。」 希「…人間の脳は、10%ほどしか使われていない。残り90%がなんのために存在するのか。どんな力を秘めているのか。未だ誰にもわからないんよ」
希「サバン症候群ってしってる?音楽を一度聞いただけで再現できたり、素数と約数を瞬時に判断できたり」
希「…残念ながら、このDVDはインチキみたいだけど、」
花陽(えっ、そうなの?!)
希「通常の人間の能力じゃありえないようなことができるーそういう"スペック"を持った人間が既にいると、うちは考えているんよ」
海未「超能力者や霊能力者ということですか。ばかばかしい。」
希「…うちは会ったことがあるんよ。身をもってその恐ろしさをしってる」
希「ーー海未ちゃんも、そうなんやろ?」
海未「ーっ、わかったような口きかないでください!!」 今のところSPECなぞってるだけだけどここからどうなるのか期待 なんか見覚えあるなあと思ったらスペックか!
面白そう すげえ見切り発車ではじめたんだけど色々覚えてなかったから一回全部見返すことにしたわ
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