あなた「栞子ちゃんの葛藤」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
栞子「失礼します」
あなた「栞子ちゃん、今日も練習来てくれたんだ」
栞子「一度やると決めたことですから……今日はあなたしかいないのですね」
あなた「うん。今日は各自で練習してると思うよ」
栞子「各自で…ですか?」 あなた「うん。合同で練習するときもあるけど、個人で練習することもあるんだ」
あなた「みんなの目指すスクールアイドル像が違うから、一緒に練習するよりも個人で練習する方がいい時もあるしね」
栞子「なるほど。個を尊重するとの事でしたし、理にかなっていると思います」
栞子「ですが、上原さんのサポートはいいのですか?」
あなた「歩夢ちゃんなら大丈夫!それに、今日こういう形にしたのは理由があって…」
栞子「…?」 あなた「みんな、心の底から歩夢ちゃんに頑張って欲しいって思ってるのは間違えないんだけど」
あなた「その分、本当に悔しいと思うんだ」
あなた「今回は歩夢ちゃんに、ステージの座を持っていかれちゃったから、次のステージ目指して頑張りたいって気持ちに溢れてると思う」
あなた「みんな仲がいいけど、ライバルでもあるからね」
あなた「その為にも、今日は一人になってやりたい事やる時間を作った方がいいかなって」
栞子「……なるほど」 あなた「それに、私たちの目標は部活動紹介に出る事じゃなくて、スクフェスで最高のパフォーマンスをすることだから」
あなた「歩夢ちゃんのサポートだって大切なことだけど、あくまでも部活動説明会は予行演習であって本番じゃないから」
あなた「そこを見失わないようにしないとっていうのも理由かな」
あなた「っていうと、栞子ちゃんは怒る…かな?」
栞子「…いえ、あなたには色々と手伝っていただいてるので、聞かなかったことにします」 栞子「ひとつお伺いしたいのですが、これはあなたの提案ですか?」
あなた「うん」
栞子「そういった、あなたのマネジメントの能力はやはり……」
あなた「ううん。栞子ちゃん、何回も言ってるけど」
栞子「いえ、今のは失言でした。それで、今日は何をすればいいのでしょう」 あなた「今日はね、栞子ちゃんに見てほしいものがあるんだ」
栞子「見てほしい物ですか?」
あなた「うん。きっと、今の栞子ちゃんが分からないものが分かる…と思うから」
栞子「はぁ…」 栞子「あの、どちらへ行くのでしょう?」
あなた「これから、講堂に行くんだ」
あなた「せつ菜ちゃんが、ステージ形式で練習したいって言ってたから」
あなた「本番さながらのパフォーマンスが見られると思うよ」
栞子「せつ菜……中村さんですか」 栞子「見ても私の考えは変わることはありません。それにステージを見る事そのものに意味があるとは思えません」
あなた「……うん」
あなた「栞子ちゃんが練習でやった事、本番だとこういうイメージになるって分かるから参考に……ううん」
あなた(こんな言い方じゃダメだ。ただ来てもらうだけじゃ意味がない)
あなた(きっと、言葉で伝えても栞子ちゃんは分かってくれないから……) あなた「私、生徒会演説でせつ菜ちゃんが言った事も栞子ちゃんが言った事も間違ってないと思うんだ」
あなた「きっと、どっちも大切な事なんだと思う」
あなた「でも、栞子ちゃんが今分からないと思っていることが、二人の主張の違いだったとしたら」
あなた「せつ菜ちゃんのパフォーマンスを見たら、少しは分かることがあるんじゃないかって」 栞子「……随分と、中川さん……いえ、優木さんの事を評価しているのですね」
あなた「せつ菜ちゃんのアイドルとしての在り方がその通りだから」
あなた「大好きを届けたいっていうのが、せつ菜ちゃんが一番大切にしているところだからね」
あなた「そのせつ菜ちゃんが、大好きなアイドルを辞めようとしてまで生徒会演説で主張した事」
あなた「きっと、パフォーマンスを見たら、改めて感じる何かがあるんじゃないかなって、私は思うんだ」
栞子「……あなたがそこまで言うなら、きっと何かがあるのでしょう」
あなた「栞子ちゃん…?」 栞子「どうしました?」
あなた「見に行ってくれる…の?」
栞子「今のままでは話は平行線ですし、わざわざ同好会の練習に参加しているのですから、何か得るものがないとそれこそ無駄な時間なのでは?」
栞子「それに、中川さんの演説も一定の評価を受けていたわけですから、得るものはあるのでしょう」
栞子「話している時間がもったいないので、早く行きましょう」
あなた「う…うん!」
あなた(栞子ちゃん……今わからない事を、せつ菜ちゃんが絶対に証明してくれるよ) 果林「あら、二人でどこへいくのかしら」
あなた「これから、せつ菜ちゃんの練習を見にいくんだ」
果林「奇遇ね。私もこれから行くつもりなの」
栞子「不躾な質問になりますが、自分の練習は良いのですか?」
果林「本当に不躾な質問ね」 あなた「あのね、果林さん」
果林「あー、なんとなく分かったわ」
果林「私が自分の練習時間を削ってでもせつ菜の事を見に行くのは理由があって」
果林「悔しいけど、今の私じゃせつ菜のパフォーマンスには敵わないと思っているの」
果林「あの子から吸収できるものは沢山あるし」
果林「それに、あの子の好きって気持ちを伝えたいって姿勢を見てると、私も元気をもらえるというか」
果林「何よりも刺激を受けて、もっと頑張らないとって感じるのよ」
果林「もちろん、他のメンバーもそう感じてるんじゃないかしら」
果林「だから、これから見に行こうと思っているのよ」
果林「こんな事、恥ずかしくて本人には言わないけどね」
栞子「……そうですか」 果林「きっと、色々話を聞いたと思うけど、一番はあなたが見てどう感じるのか」
果林「それが一番大切なことだと思うわよ」
果林「あなたの考えが学校の為だというのは分かってるわ。けど、今のままで本当にいいのかって事を感じてほしいの」
栞子「……分かりました」
果林「って、ほら。みんな見に来てるじゃない」 愛「おっ。果林にしおってぃーじゃん」
璃奈「二人とも見に来たんだ。璃奈ちゃんボード『わくわく』」
エマ「彼方ちゃん、早いよ〜」
彼方「流石の彼方ちゃんもお昼寝してる場合じゃないからねえ」
しずく「……かすみさん。隠れて何してるの?」
かすみ「べっ…べつに、かすみんはせつ菜先輩の偵察をしに来たわけじゃないよっ」
歩夢「あっ…みんな」
歩夢「ごめんね。ライブに出させてもらうのに、せつ菜ちゃんの事を見たくて来ちゃった」
あなた「ふふっ。みんなせつ菜ちゃんの事見に来ちゃったんだね」 栞子「……」
あなた「栞子ちゃん?」
栞子「いえ、なんでもありません」 あなた「せつ菜ちゃん、お手伝いに来たよ」
せつ菜「ありがとうございます…!って皆さん居るじゃないですか!」
果林「せっかくだし、観客は多いほうがいいでしょ?」
せつ菜「ふふっ。ますます燃えてきましたよーっ!!」
せつ菜「あっ、三船さん…いえ、栞子さんもいらっしゃってたんですね」 栞子「はい。本日は拝見させていただきます」
せつ菜「本当ですか!ぜひぜひ、見て行ってください!」
せつ菜「それでは、時間もないので始めますよーーっ!!」 栞子「ずっと、思っていましたが」
あなた「?」
栞子「中川さん、同好会の活動中はあのような笑顔を見せるのですね」
あなた「……ふふっ」
あなた「きっと、これからもっと驚くと思うよ」 せつ菜「はぁ…はぁ…みなさんありがとうございました!」
栞子「……」
あなた「栞子ちゃん?」
栞子「……」
栞子「これが、スクールアイドル優木せつ菜……」
栞子「…………はっ、す…すみません」 あなた「ねえ、栞子ちゃん」
あなた「スクールアイドルの活動って、もしかしたら私たちの将来には不要なもので」
あなた「こうして過ごしてる時間も、不必要で無駄なものかもしれない」
あなた「これだけのパフォーマンスをするせつ菜ちゃんにだって、もっと向いてるものがあるかもしれない」
あなた「せつ菜ちゃん以上のパフォーマンスをするスクールアイドルも沢山いて」
あなた「スクフェスで共演するμ’sやAqoursに比べたらまだまだなんだもん」
栞子「…」 あなた「ステージに立ってたせつ菜ちゃんの姿を見て、栞子ちゃんはどう思った?」
栞子「……私の考えは変わりません」
あなた「……そっか」
栞子「ただ」
栞子「今まで見たどの中川さんよりも楽しそうで」
栞子「その機会を向いていない、役に立たないの一言で奪ってしまうのは、果たして正しい事なのかと」
あなた「栞子ちゃん…!」 栞子「あれが、中川さんのなりたい自分……」
栞子「生徒会長としての想い……」
栞子「スクールアイドルとしての想い……」
栞子「……夢」 せつ菜「栞子さん、どうでした?」
栞子「……」
栞子「中川さん、いい物を見させていただきました」
栞子「もし、他の学生がこのライブを見ていたら」
栞子「この前の選挙の結果は変わっていたのかもしれませんね」 せつ菜「栞子さん……!」
栞子「すみません。今日は帰らせていただきます」
栞子「生徒会の仕事がまだ残っていますので」
せつ菜「まっ…待ってください!」 あなた「大丈夫、せつ菜ちゃん」
あなた「せつ菜ちゃんの、栞子ちゃんへの想い、絶対に届いてるよ」
せつ菜「……!」
せつ菜「……はいっ!」
あなた(大丈夫……栞子ちゃんならきっと…!) 栞子「……」
栞子「………」
栞子「あれが、中川さんの好きなことを届けたいという在り方……」
栞子「しかし、その先に待っているものは必ずしも光というわけでは……」
栞子「……」
栞子「私は、どうしたら……」 おわり
しおりんはあなたちゃんよりもせつ菜ちゃんからの影響を受けて変わっていくといいなあって思いました
後名前間違えたの本当つらい 俺の名前たまたま中村だから、俺がせつ菜と結婚すればいいんだな? ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています