栞子「付き合ってほしい?」2スレ目
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栞子(二年)「ほら、ここの問題間違ってますよ」
栞子「解き方が違います。この公式を使って解くんです」
栞子「...駄目です。休憩は先程したばかりではないですか」 栞子「私と一緒の大学に行きたいのでしたらもっと勉強して下さい」
栞子「このままの成績では合格できませんよ」
栞子「まったく...何故一学年下の私があなたの勉強を教えなくてはいけないんですか」 栞子「あなたのおかげでまだ授業でやってない範囲も勉強したんですから...」
栞子「...駄目です」
栞子「私はもう進学する大学は決めてあるんです」
栞子「だからあなたが私に合わせてください」 栞子「それとも、私と違う大学に進むことになっても良いんですか?」
栞子「違う大学になってしまったら、今みたいに会える機会も減ってしまうかもしれませんね」
栞子「それに大学の距離が遠かったら、住む場所も遠くなってしまうかもしれません」
栞子「遠距離恋愛は冷めてしまいがちとはよく聞きますがもしかしたら私たちも...」 栞子「...嫌ならもっと勉強に取り組んで下さい」
栞子「私もあなたと一緒の大学に通いたいんです」
栞子「だから、私も出来る事をしますからあなたも頑張って下さい」 栞子「...そうですね。もう少しやりましょう」
栞子「あと一時間くらいやったら今日は終わりにしましょう」
栞子「えぇ、あまり無理してガス欠になられても困りますから」 栞子「それと...」
栞子「帰りに一緒に肉まんでも買いに行きましょう」
栞子「何事も長く続けるには息抜きが必要です」
栞子「特にあなたの場合はそれがよく当て嵌まると思います」
栞子「ほら、喜んでいないで早く解いてしまいましょう」 -----------------------------------
栞子(三年)「......」
栞子「ついに今日は合格発表の日です」
栞子「私の成績でしたら合格も余裕だと思っていたのですが...」
栞子「試験の時思っていたよりも緊張して力が出せませんでした...」 栞子「大丈夫でしょうか...」
栞子「...大丈夫って...」
栞子「もし落ちていたらあなたと一緒の大学に通うことができないんですよ?」 栞子「...うぅ、そうですね」
栞子「とにかく結果を見てみないことには何も始まりません」
栞子「このページでIDとパスワードを入力して...」
栞子「どうか...!」 栞子「......」
栞子「!」
栞子「や、やった...!」
栞子「やりました...!合格です!」 栞子「良かった...」
栞子「これでこれからまた三年間一緒に通えますね」
栞子「はい、よろしくお願いします」 栞子「あ、でも...」
栞子「私が大学に入っても課題の手伝いとかはやりませんからね」
栞子「もうあなたの受験勉強で十分手伝ったじゃないですか」 栞子「この一年間は私の手伝いが無くても大丈夫だったんですからこれからも頑張って下さい」
栞子「その分色んな所に遊びに行きましょう」
栞子「えぇ、これからが楽しみです」 ----------------------------
栞子「どうですか?課題の方は終わりました?」
栞子「...そうですか」
栞子「あ、いえ、別に急かしているわけではありません」
栞子「ただ、今度の日曜のデートの行先を何処にしようか考えていて...」 栞子「...動物園とかどうですか?」
栞子「はい、私パンダを見てみたいんです」
栞子「生で見たのは小学校の時だけなので久しぶりに...」
栞子「はい、ではそこにしましょう」 栞子「...課題?」
栞子「私は今週の分はもう全て終わらせてます」 栞子「...そうです。週末は時間が空けられるように平日のうちに可能な限り終わらせてしまうんです」
栞子「それに今期は土曜の教職課程の授業も取っているので、日曜だけは絶対に空けるようにしてるんです」 栞子「...教師?」
栞子「いえ、まだ分かりません」
栞子「人を教える立場になりたいとは考えているのですが、それが教師かどうかはまだ決まっていないです」 栞子「でもあと二年以上もあるんですからゆっくり考えることにします」
栞子「あなたの方も日曜までには課題を終わらせて下さい」 栞子「...終わらないかも?」
栞子「...いえ、来週に延ばしては駄目です。来週は来週で新しい課題を出されるんですから」 栞子「...はぁ、仕方ないですね」
栞子「どんな課題なんですか?」
栞子「直接手伝いは出来ませんが、終わらせるための道筋くらいでしたら助言します」
栞子「はい、その代わり日曜は絶対に動物園に行きますよ」 おお、トントンと時間が進んだね。大学生しおりんはさらに美人になってるんだろうなあ あと二年以上もあるってことは
今大学2年生なのかな 乙
本編よりかなり先の時間だから
スクスタだとあんななのに…とかならなそうでよい ---------------------------
栞子「......」
栞子「凄く緊張してるようですが大丈夫ですか?」
栞子「確かに緊張するのも分かりますが...」
栞子「私の両親はちゃんと話の通じる方です」 栞子「あなたでしたらいつも通りにしてるだけで、そんなに悪い印象は与えないと思うので少しはリラックスして下さい」
栞子「私もフォローはしますから...」
栞子「...いや、スーツ姿になる必要などありません。私服で大丈夫です」 栞子「まったく、こんな状態で大丈夫なんでしょうか...」
栞子「...そろそろ時間ですね」
栞子「お土産は持ちましたか?」
栞子「はい、それでは行きましょう」 ............................
栞子「ふぅ...」
栞子「お疲れ様です」
栞子「無事終わりましたね」
栞子「反応が中々良かったので安心しました」 栞子「ただ...」
栞子「将来結婚は考えているか聞かれた時ですが」
栞子「別に即答する必要はなかったと思いますが...」 栞子「...まぁ、確かにそろそろ考え始める年齢ではありますが...」
栞子「あなたは良いんですか?」
栞子「相手が私で...」 栞子「...私以外にはいないって...」
栞子「もう...」
栞子「そんな真っ直ぐに言われると照れます...」
栞子「...でも」
栞子「確かに今更かもしれませんね」 栞子「私も将来については少しずつ考え始めています」
栞子「えぇ、その中にはちゃんと隣にあなたもいます」
栞子「焦らずゆっくり進みましょう」 ---------------------------
栞子「いよいよ明日、ですね」
栞子「もう一度、式やスピーチの内容を確認しておきましょう」
栞子「...緊張しているんですか?」
栞子「...そうですか。私もです」 栞子「...少し散歩にでも行きませんか」
栞子「外に出て歩いた方が緊張が紛らわせると思うんです」
栞子「いいえ、行きましょう」
栞子「こういう時こそ少し動いてリラックスする事が必要なんです」 ........................
外
栞子「星が綺麗ですね」
栞子「そうだ。今度天体観測でも行きませんか?」
栞子「都心から離れたところに旅行に行くんです」
栞子「きっとこれ以上に美しい景色が見られますよ」
栞子「えぇ、行きましょう」 栞子「あ、新婚旅行の方もどうしましょうか?」
栞子「北欧にオーロラでも見に行きます?」
栞子「でも、ハワイやタヒチなども良いかもしれません」
栞子「そうですね。行き先を考えるのもすごく楽しいです」 栞子「でも一番楽しみなのは...」
栞子「これからあなたと本当の家族になれることです」
栞子「......」
栞子「先程は緊張してると言いましたが...」
栞子「ようやく、あなたと結ばれることが出来るんです」 栞子「だからこの緊張も私にとっては心地良いものなんです」
栞子「...変?」
栞子「ふふ、あなたに言われたくはありませんよ」 栞子「...そうですね」
栞子「これからも色々な事があると思いますが」
栞子「一緒に生きていきましょう」 学生社会人と付き合ってて流石に色々済ましてんだろうな 一緒に生きていきましょうだと…?
尊い…ありがとう世界… --------------------------------
栞子「体調、ですか?」
栞子「もう大丈夫ですよ」
栞子「出産してからもう大分経っているんですから」 栞子「辛かったですが...こんなに可愛い子を生むことができて私は幸せです」
栞子「これからはこの子を大切に育てていきましょう」
栞子「もちろんあなたにも育児にはしっかり参加して頂きますよ?」
栞子「はい、お願いしますね」 栞子「...名前、ですか?」
栞子「えぇ、もちろん考えてあります」
栞子「紬子(つむぎこ)と名付けましょう!」
栞子「『翠子(みどりこ)』と迷ったのですが、この子には紬子の方が似合うような気がしました」 栞子「ちゃんと良い子に育って下さいね〜」
栞子「あなたも抱っこしますか?」
栞子「はい、首がまだ座っていないので気をつけて下さいね」 栞子「......」
栞子「何だか...」
栞子「赤ちゃんを抱っこしてるといつもよりも大人っぽく見えますね」
栞子「普通の親に見えます」 栞子「...ふふっ、そんな怒らないで下さい。紬子が見てますよ?」
栞子「この子には幸せな人生を送ってもらいたいです」
栞子「はい、二人で大切に育んでいきましょう」 今更で申し訳ないんだけどこのあなたの性別ってどっちなの? ガンガン進むな!
ちょっと急展開過ぎて置いてきぼりぎみだぜ 【🌟】一通り生涯を描いてくれたら
アナザーストーリー欲しいな >>75
iPS細胞というので同性の間でも子供ができるらしいです >>1は生きてるかな?
過労で倒れてなければよいが… -------------------------------
栞子「久しぶりに再会できて楽しかったですね」
栞子「同好会の方々も元気でなによりでした」
栞子「皆さん結婚して子供もできていて...」
栞子「私達みたいに子育て等で悩んでいるみたいでしたね」 栞子「えぇ、皆さん自分の好きな道を進んでいて無事才能を発揮できているみたいです」
栞子「高校の時に私が口うるさく言っていたのが効いていたのかもしれませんね」
栞子「...翠子ももう少しで小学生になります」
栞子「あの子が中学生になった時あたりにでも、もう一度みんなで集まりたいですね」 栞子「...そういえば」
栞子「紬子の通う小学校で今度運動会があるんです」
栞子「その中で親が出る種目があるのですが...」
栞子「あなたと私どちらが参加しますか?」 栞子「...紬子に選んでもらう?」
栞子「そうですね。今日の夜、寝る前にでも聞いてみましょう」 栞子「......」
栞子「それと...」
栞子「今日の夕飯は私が作ります」 栞子「いえ、私が一人で作りますので手伝わなくて大丈夫です」
栞子「おかずは...唐揚げにでもしましょうか」
栞子「...確かに紬子の好物ですが...それが何か?」 栞子「あら、バレてしまいましたね」
栞子「でももう遅いですよ。唐揚げで紬子の機嫌を取って選んでもらうんです」
栞子「運動会に出るのは私です」
栞子「♪」 栞子はスーツが似合いそうだ
キャリアウーマンって感じ お前らコロナで退屈してるなら
1スレ目から改めて見てみろよ
気持ち悪いニヤニヤが止まらないぞ -------------------------------
栞子「...発表まで一分後ですね」
栞子「...何だか自分の大学受験の時を思い出します」
栞子「紬子はちゃんと志望大学に受かったので良かったのですが...」
栞子「翠子の方がもし落ちていたらどう接してあげたら良いんでしょうか...?」 栞子「...そんな心配する必要はないって...」
栞子「いえ、心配にもなりますよ。娘が人生の岐路に立っているんですから...」
栞子「あ、時間になりました...!」
栞子「今、自分の部屋で確認しているとは思うのですが」
栞子「どうなんでしょうか...?」 栞子「...!」
栞子「よ...」
栞子「良かった...」 栞子「はぁ、ようやく肩の荷が下りました」
栞子「おめでとうございます」
栞子「今日はお祝いを開きましょう」
栞子「紬子も参加できるか確認しています」
栞子「ふふっ、凄い御馳走を作るので今日は楽しみにしていて下さい ------------------------------
栞子「......」
栞子「どんな方だと思いますか?」
栞子「これから紬子の連れてくる恋人です」
栞子「...もちろん不安ですよ」 栞子「もしヤンキーやヤクザのような人を連れて来たら私どうしたら...」
栞子「...そんなことない?」
栞子「そうでしょうか...」
栞子「...確かに会ってみないことには分かりませんが...」
栞子「うぅ...早く会いたいような会いたくないような変な気持ちです...」 ............................
栞子「ふぅ...」
栞子「少し安心しました」
栞子「会って話してみる限り、なかなか誠実な方だったように思います」
栞子「少し不器用な所がありそうなのも逆に良かったです」
栞子「私から紬子との結婚について質問された時も即答していましたし」
栞子「まるでどこかの誰かに似ているように思えました」
栞子「ふふっ、誰でしょうね?」 いまでもしぃちゃん呼びなのか、それともしおりこ呼びなのか -------------------------
栞子「良い天気ですね」
栞子「こういった日はこんな風に縁側でゆっくりするのに限ります」
栞子「翠子が結婚してからしばらく経ちましたが...」
栞子「二人きりですと以前ほど騒がしくはなくなりましたね」
栞子「...いえ、静かとは言っていませんよ。あなたがいるんですから」クスクス 栞子「...? どうしました?」
栞子「...お昼寝?眠いんですか?」
栞子「眠いのでしたら膝枕をしてあげます」
栞子「そんなに恥ずかしがることもないでしょう。二人きりなんですから」 栞子「それに昔はあなたの方からせがんでいましたのに...」
栞子「随分と冷たくなってしまいましたね」
栞子「...ふふっ、ありがとうございます」 栞子「...やっぱり見られながら寝るのは恥ずかしい?」
栞子「寝てしまえば同じですよ」
栞子「ほら、目をつむって下さい」
栞子「しばらくすれば自然に眠れますよ」
栞子「陽が当たってこんなに気持ち良いんですから」
栞子「はい、お休みなさい」 栞子「......」
栞子「寝てしまいましたね」
栞子「起きてる時に言ったら拗ねてしまいそうですが...」
栞子「可愛い寝顔です」 栞子「もう数十年この人と一緒にいますが...」
栞子「いつも振り回されっぱなしですね」
栞子「でも、最近は私の方がわがままを言う事の方が多くなったかもしれません」
栞子「せっかくなのでこれからは私の方がこの人の事を振り回してあげましょうか」
栞子「今までのお返しです」 栞子「......」
栞子「でも...」
栞子「こんな日々も、もしかしたらもう長くは続かないのかもしれません」 栞子「お互いにもう体が弱り始めてます」
栞子「ある日突然、なんて事もあるかもしれません」
栞子「もし私を残してこの人が先に旅立ってしまったら...」 栞子「...っと」
栞子「いけませんね。こんな事を考えるなんて」
栞子「まだこの人には元気にいてもらわなければいけません」
栞子「...ですがもし、別れる時が来るならば...」
栞子「願わくば私の方が先に...」 栞子「......」
栞子「そろそろ起こした方が良さそうですね」
栞子「起きて下さい」
栞子「もう少しで紬子が孫を連れてくる時間になりますよ」 栞子「準備などがあるんですからあなたも手伝って下さい」
栞子「えぇ。今日は御飯を作る手伝いをして頂きます」
栞子「ほら、寝ぼけてないでしゃきっとして下さい」 栞子「......」
栞子「あっ、いえ、ごめんなさい」
栞子「特に何かあるわけではないのですが...」
栞子「明日は二人でどこかに行きませんか?」 栞子「近くの公園でも良いですし、日帰りの旅行でも良いです」
栞子「ただ、あなたと何処かに出かけたいなと思いましたので...」
栞子「はい、ありがとうございます」
栞子「楽しみです。とても」 -------------------------------------
病院
栞子「あっ、お疲れ様です」
栞子「待っていました」
栞子「えぇ、今日は大分調子が良いです」
栞子「食欲もいつもよりあったのでお昼御飯も全部食べてしまいました」
栞子「この調子でしたらもう少しで退院できるかもしれません」 栞子「...いえ、それ程は寂しくありません」
栞子「あなたもほとんど毎日来てくれますし、娘たちも孫を連れてお見舞いに来てくれるんです」
栞子「何だかんだで賑やかなので大丈夫です」 栞子「...今?」
栞子「あぁ、ちょうど本を読んでいたところです」
栞子「最近はこの詩集を読むのが日課になっているんです」
栞子「昔の人が歌った短歌を集めた内容で、読んでみると色々と考えさせてくれるものがあって面白いんですよ」
栞子「でも今日はあなたが来てくれたんですから他の事がしたいです」 栞子「...したい事、ですか?」
栞子「そうですね...」
栞子「久しぶりに二人で散歩をしたいです」 栞子「入院してから一緒に外で歩くことなんてありませんでしたので...」
栞子「大丈夫ですよ。今日は調子が良いんですから」
栞子「お願いします」 ...........................
栞子「風が気持ち良いです」
栞子「ずっと部屋にこもってベッドにいたので変に体がなまってしまってます」
栞子「...そんなに心配ないで下さい」
栞子「先程も今日は調子が良いと言ったでしょう」
栞子「普段は病室でじっとしてるだけなんですから今日くらいは大目に見て下さい」 栞子「あ、あそこ見て下さい」
栞子「桜が咲いています」
栞子「せっかくなので近くに行きましょう」 栞子「満開ですね。散り始めている花びらが綺麗です」
栞子「今年はこんな風に見れないと思っていたので良かったです」
栞子「来年も見られると良いですね」 栞子「...何だか最近はあなたに迷惑かけっぱなしですね」
栞子「...そうですね。いきなり倒れた時は皆を驚かせてしまいましたので...」
栞子「私も目が覚めた時、病院にいたので驚きました」
栞子「そしたらあなたが泣きながら私を抱きしめてきたんですから何がなんだかよく分からなくて混乱しました」
栞子「...でも久しぶりにあなたの泣き顔を見たので少しだけ得したような気がします」
栞子「...ふふっ」 栞子「でも、あの時は本当に心配をかけてしまって申し訳ないです」
栞子「早く元気になって、また二人で一緒に過ごしましょう」
栞子「...っ!」クラッ 栞子「ご、ごめんなさい。少しめまいが...」
栞子「大丈夫です...少し...休めば...げん...き...に...」 ..........................
栞子「...!」バッ
栞子「...病室?」
栞子「それに...もう夕方になって...」 栞子「...確かあの人と外へ散歩をしに行って...それで...」
栞子「!」
栞子「...もう」
栞子「椅子に座りながらでは寝づらいでしょう...」 栞子「本当に...お疲れ様です」
栞子「起こすのはもう少し後にしてあげましょう」
栞子「多分、ずっと私が眠っていた間はずっと付きっ切りでいてくれたみたいですし...」 栞子「...また、心配をさせてしまいましたね...」
栞子「......」
栞子「先程は早く退院すると言いましたが...」
栞子「おそらく、それは実現できそうに無いですね...」
栞子「自分の身体なんですから、何となく分かります」
栞子「あなたには少しばかり哀しい思いをさせてしまうと思います...」 栞子「...ただ」
栞子「これで私の願いは叶いそうですね」
栞子「私の方が残されることはなさそうです」
栞子「...凄く意地の悪い人間ですね、私」 栞子「でも...」
栞子「あなたと出会って何十年も共に生きてきました」
栞子「楽しいことも、辛いことも、哀しいことも、嬉しいことも一緒に味わってきました」
栞子「もう思い残すことはありません」
栞子「だから、あなたと別れる事になっても私は辛くありません」 栞子「......」
栞子「嘘です」
栞子「やっぱり、あなたと別れるなんて嫌です...」
栞子「このままずっと生きて、娘や孫たちと、あなたと一緒に過ごしたいです...」 栞子「...でも」
栞子「そんな事はどうあがいても無理です」
栞子「...だから、私に残されている時間をあなたと一緒に過ごすことに使います」
栞子「その僅かな時間で、私の中にある思い残りを全部あなたにぶつけます」 栞子「ですから、あなたも最後に少しだけ私に付き合ってほしいです」
栞子「......」
栞子「幸せです。私」 栞子「...そういえば」
栞子「確か小物入れに...」ガサガサ
栞子「あっ、ありました...!」 栞子「髪留め...」
栞子「あなたに初めて買って頂いたものです」
栞子「古くなっている上に、今の私には似合いませんが...」
栞子「とても大切なものなんです」 栞子「あの頃の私はまったく素直ではなかったでしたね」
栞子「あなたに対して無愛想な態度ばかり取っていました」
栞子「懐かしいです」 栞子「...と、外ももう暗いですし寒くなってきましたね」
栞子「こんなところで寝ていては風邪を引いてしまいます」
栞子「起きて下さい」 栞子「もう夜になりかけてますよ」
栞子「...どうしました?」
栞子「...わっ!」
栞子「い、いきなり抱きしめるのは止めて下さい...」 栞子「ごめんなさい、また心配をかけてしまって...」
栞子「はい、もう大丈夫です」
栞子「だから大丈夫です。少し疲れが溜まっていただけですよ」 栞子「それよりも、あなたと初めて出会った頃の事を思い出していたんです」
栞子「えぇ、いきなり私に告白してきた時の事を覚えてます?」
栞子「ふふっ、若気の至りでしたね」
栞子「そうです。その後はずっと私と一緒にいて...」
栞子「はい、それで...」
............................. 髪飾りの回見返してきた
オムライスデートのときだったか… -------------------------------
栞子「そろそろ、お別れですね...」
栞子「そんなに泣かないで下さい。私の方も泣いてしまいそうです」
栞子「...でも、もう泣く気力もありませんね...」 栞子「大丈夫です。紬子達がいるじゃありませんか」
栞子「私がいなくても、あなたなら最後まで楽しく生きることが出来ると思います」 栞子「...でも、嬉しいです」
栞子「あなたがこうして私の為に泣いてくれること...」
栞子「大切に思われていることが感じられるんです...」 栞子「視界が...ぼやけてきました...」
栞子「...最後に、お願いがあります...」
栞子「笑って頂けませんか...?」
栞子「えぇ、最後にあなたの笑顔を見てお別れをしたいです」
栞子「お願いします...」 栞子「......」
栞子「ふふっ」
栞子「すごいくしゃくしゃな笑顔...」
栞子「ありがとうございます。最後に良いものが見れました」 栞子「これで思い残すことはありません...」
栞子「楽しかったです。良い人生でした」 これでおしまいです。
最後が少し寂しい感じになってしまったので
明日か明後日に短い話を書いて終わりにしたいと思います。 こういう時どんな書き込みをすればいいのかわからない
乙 乙
アフターケアまで考えてくれてるなんてあなたは神か 乙
本当に良かった…
このSSのおかげで栞子ちゃんを好きになれた
ありがとう ----------------------------------
栞子「お待たせしました」
栞子「...待ちました?」
栞子「すみません。浴衣の着付けに思っていたより時間がかかってしまって...」 栞子「......」
栞子「それで...どうですか?」
栞子「似合いますか?」
栞子「......」
栞子「うなじが綺麗って...」
栞子「もっとちゃんとした褒め方は無いんですか...?」 栞子「...いつもよりも大人っぽい...」
栞子「そうです。この髪型だって今日初めて結ってみたんですから」 栞子「...駄目です」
栞子「触ったら崩れてしまうかもしれません」
栞子「結構結うのが難しかったんですよ」
栞子「それよりも早く行きましょう」
栞子「花火が上がるまでまだ時間がありますが...」
栞子「今日は色んな屋台を回ってみたいんです」 ..................................
栞子「...人だかりが凄いですね」
栞子「歩くのも難しいです」
栞子「...そうですね。離れ離れにならないよう手を...」ギュッ 栞子「屋台、沢山ありますね」
栞子「何処に行きましょう?」
栞子「...?」
栞子「どうしました?」 栞子「...匂い?」
栞子「たしかに...何やら甘くて香ばしい匂いがします」
栞子「あっ、あの屋台ではないでしょうか?」 栞子「ベビーカステラ、ですね」
栞子「こういった縁日やお祭りとかではよく見かけますが...」
栞子「私、食べたことが無いです」
栞子「...良いですか?」
栞子「!」
栞子「えぇ、行きましょう...!」 栞子「屋台のおじさんに一個サービスしてもらいました」
栞子「ありがたいです」
栞子「...ではさっそく」 パクッ
栞子「!」
栞子「はふっ...!」
栞子「あふいれす...!」 栞子「......」モグモグ
栞子「すみません。意地汚い所を見せてしまいました」
栞子「中の方が思っていたよりも熱かったです」
栞子「でも...」
栞子「素朴な甘さがあって美味しいです」
栞子「あなたも食べますか?」 栞子「はい、どうぞ」
栞子「熱いから気をつけて下さいね」
栞子「......」
栞子「ほら、私が言ったそばから...」 栞子「口の中に火傷とかは...」
栞子「...そうですか。お互い大丈夫そうですね」
栞子「冷めるまで少し待ちましょう」 栞子「次は何処に行きます?」
栞子「あなたの方で特に無ければ行ってみたい所があるんです」
栞子「えぇ、そこの屋台にしましょう」 ................................
栞子「やってみたかったんです。金魚すくい」
栞子「子供の頃に一度やったきりなので...」
栞子「その時はすくい棒がすぐに破れてしまったんです」
栞子「でも、流石にあの時よりは上手くいくと思います」
栞子「はい、ではさっそく...」 栞子「......」
栞子「金魚が...思ったよりも素早いですね」
栞子「それでは端の方で止まっているのを...」
栞子「あっ...!」
栞子「棒を近づけたら逃げてしまいました...」
栞子「これは意外と...」 栞子「あ、また...」
栞子「ではこうして...」
栞子「...あぅ」
栞子「破れてしまいました...」
栞子「結局一匹も取れませんでした...」 栞子「はぁ...」
栞子「...?どうしました?」
栞子「今度はあなたが...?」
栞子「...なるほど、昔取ったことがあるんですか」
栞子「それでしたら...」
栞子「はい、頑張って下さい」 ................................
栞子「すごいですね」
栞子「まさか一回で取ってしまうとは...」
栞子「久しぶりに見直しました」
栞子「えぇ、久しぶりです」 栞子「その金魚は家で飼うんですか?」
栞子「...?私に?」
栞子「良いんですか?」
栞子「...それなら」
栞子「ありがとうございます」
栞子「大切に育てますね」 栞子「......」
栞子「それにしても...」
栞子「この金魚、随分間の抜けた表情をしてますね」
栞子「あなたにそっくりです」
栞子「...ふふっ、怒っても怖くないですよ」 ............................
栞子「もうかなりの数の屋台を回りましたね」
栞子「次はどこに行きます?」
栞子「...時間?」
栞子「...あっ」
栞子「もう少しで花火が打ち上がる時間ですね」
栞子「何処か座れる所を探しましょう」 ................................
栞子「そう謝らないで下さい」
栞子「私は別に座れなくても良いですから」
栞子「ベンチの数も少なかったですし仕方がないです」 栞子「それに運良くこんな眺めの良いスポットが見つかって良かったじゃないですか」
栞子「人も余りいませんし最高の場所です」
栞子「...そろそろですね」
栞子「あっ、上がりました」 栞子「大きいですね」
栞子「色もカラフルで綺麗です」
栞子「私の家からもこのお祭りの花火が見える場所があるんです」
栞子「なので毎年遠くから見てはいますが...」
栞子「やはり近くで見た方が迫力があります」 栞子「あなたも花火は毎年見ているんですか?」
栞子「...毎年家族と一緒に?」
栞子「そうなんですか」 栞子「...つかぬことを伺いますが...」
栞子「今年は私とで良いんですか?」 栞子「...ありがとうございます」
栞子「でも...」
栞子「いつかあなたの家族と私の家族と一緒に見たいですね」 栞子「......」
栞子「!」
栞子「い、いえ何でもないです...」
栞子「教えてって...」
栞子「......」
栞子「本当は聞こえていたんでしょう...?」
栞子「その表情を見れば分かります」
栞子「まったく...」 栞子「......」
栞子「幼い頃から花火は見ているのですが...」
栞子「毎年同じ景色を見せてくれますね」
栞子「何も変わらないです」
栞子「おそらく、これから先何十年も、私達が年を重ねても変わらないんだと思います」 栞子「嬉しいような、寂しいような気持ちになります」
栞子「...でも」
栞子「私はこのしみじみとした感覚が好きなんです」 栞子「......」
栞子「お願いがあります」
栞子「あなたに渡したいものがあるんです」
栞子「今出しますので目を閉じて頂けますか?」
栞子「はい、すぐ用意しますのでそのままでいて下さい」 栞子「...やっぱり目を開けて下さい」
栞子「ごめんなさい。驚かそうと思って目を閉じて頂いたのですが...」
栞子「やはり最初はちゃんとしたいです...」 栞子「...分かりませんか?」
栞子「では今度は私が目を閉じます」
栞子「......」ギュッ
栞子「いつでも良いです」 栞子「...そんなに慌てなくて大丈夫です」
栞子「いつまでも待ってますから」
栞子「はい...」 栞子「......」
チュッ
栞子「......」 栞子「なんだか...」
栞子「想像していた感じではありませんね」
栞子「もっとロマンチックなものかと思っていました」 栞子「相手があなただからでしょうか?」クスクス
栞子「...いえ、嫌ではないです」
栞子「何と言えば良いか分かりませんが...」
栞子「私の中にふわふわした暖かいものが流れてくるんです」 栞子「えぇ、とても心地よくて落ち着きます」
栞子「...もう一回?」
栞子「駄目です。こういうのは軽々しく何回もやると価値が下がってしまうんです」 栞子「...拗ねても駄目です」
栞子「ほら、もう花火も終わりましたし帰りましょう」
栞子「...そうですね、また来年も来ましょう」
栞子「はい、再来年もその次も...」
栞子「ずっと、あなたと一緒に行きたいです」 これで本当に終わりです。
始めは練習で書き始めたSSですがこんなに愛着が湧いたものになるとは思いませんでした。
長い間読んで頂きありがとうございました。 お疲れさまでした
スクスタのしお子も好きですが、しぃちゃんも負けないくらい好きになれたのはあなたのおかげです
長い間ありがとうございました 付き合うまでを約1スレ使って丹念に描いて、その後は焦点を絞って時間経過を描いていて、まるでずっと見ていたかのような感覚になれたよ。ずっと見ていたいくらい好きだわ
最後のお話も1スレ目を思い出すような感覚もありつつ時間の経過も感じられて本当に良かった 最後の花火に今年もなったな
何年経っても思い出してしまうな
素晴らしいSSでした このSSが毎日の癒しでした
素晴らしい作品をありがとうございました 素晴らしいSSだった
ほんとにありがとう
またなにか書いてくれるのを楽しみに待ってる 乙、素晴らしい作品だった
平和にここまで完走できて良かった
心からありがとう 読んでてニヤニヤできるいいSSだった
最後はホロリとしたよ 終わってしまったかぁ
最後まで楽しませて貰いました お疲れ様です
素晴らしいお話だった
出会いから最後の別れまで描かれる作品ってなかなかないので、いつも最終話の後を知りたいと思う身としてはすごく嬉しいssでした お疲れ様です
しぃちゃんの人生が幸せで本当に良かった…
素敵な作品と楽しい時間をありがとうございました ありがとう、まだスレが残っててよかった…
直接感謝を伝えられてよかった…
ありがとう… 乙です
憂鬱なニュースが続くなかここに来ると幸せな気分になれた ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています