海未「雪は私達を子供に戻しますね」
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学校 校庭
エマ「うわぁ〜雪沢山積もったねぇ」
凛「わ〜い雪だ雪だ〜!!」ダダダッ
海未「こら、凛‼走ったら滑って転びますよ‼」
凛「凛はそんな間抜けじゃないもんね〜」ズルッ
凛「わにゃっ!?」スッテーン
凛「つ、冷た〜い……」
エマ「凛ちゃん大丈夫?ほら立って」グイッ
善子「ふふ、雪ごときではしゃぐなんてまるで子供ね」
海未「まったくです、私達は遊びに来た訳ではないのですよ。雪掻きをして他の生徒が安心して明日登校出来るようにしなくては」
善子「それにしてもさっむ……なんで私達がこんな事を……こんな日は家でゲームしたいわ」
エマ「まぁまぁ、たまにはボランティアもしたらいいんじゃないかな」
海未「そうです、皆でやればその分早く終わるのですから頑張りましょう‼」
凛「よ〜し!!テンションあげてくにゃー!!」 善子「せっかくだし、2組に別れて勝負しない?」
海未「勝負?なにを競うのです?」
善子「もちろん、スノーマンの見た目よ。どちらのスノーマンが優れているか」
善子「勝者にはもれなく神の祝福が……」
凛「よくわからないけど面白そ〜」
凛「それじゃ凛はエマちゃんと組むにゃ」ダキッ
エマ「ふふ、かわいい雪だるまにしようね〜」
善子「ならば私は海未さんと」
善子「氷雪の魔女の実力、期待しているわ」
海未「なんですかそれは……まぁ、頑張りましょうね」
エマ「ゆきだるまつく〜ろ〜ドアをあけて〜」
凛「あ、凛その歌知ってるよ。アナ雪だよね」
エマ「うん、わたしこの歌大好きなの。凛ちゃんも一緒に歌おう」
エマ「ゆきだるまつく〜ろ〜ドアをあけて〜」
凛「いっしょにあそぼう、どうして、でてこないの〜」
エマ「あはは、上手上手」
凛「エマちゃんと歌歌いながら雪だるま作るの楽しいにゃ〜」 善子「アナ雪……私も見たわね」
善子「エルサの氷を操る能力に憧れたわ」
善子「こうやって‼」アリノー
善子「手をかざすだけで‼」ママノー
善子「なんでも凍らせる事が出来るのよ」ドヤァ
海未「いや、私も見た事があるのでわかりますが」
善子「海未さんも見たのね、流石は氷雪の魔女だわ」
海未「その呼び方、そろそろやめてもらえませんか」
海未「それで、私達はどうしますか?」
善子「任せなさい、私には既にイメージが出来上がっているわ」スッ
善子「こういうデザインを考えているんだけど」ガリガリ
海未「これは、またあなたらしいデザインですね……」
善子「くくくっ……素敵でしょう?」
善子「さぁ、さっそく作るわよ‼」
海未「うまくいけばいいのですが……」 凛「エマちゃん、もっと大きくしよう」
エマ「大丈夫かなぁ、あまり大きくしちゃうと頭を乗せるのが大変だよ」
凛「大丈夫大丈夫、転がせば大きくなるよね」ゴロゴロ
凛「ゆきだるまつく〜ろ〜あはははっ」
エマ「もう、仕方ないなぁ」クスッ
エマ「それじゃ、善子ちゃん達に負けないくらい大きな雪だるま作ろうか」
エマ「ゆきだるまつく〜ろ〜」ゴロゴロ
エマ「うふふふっ」
善子「海未さん、そこをもう少し削って」
海未「こう、ですか?本当にこれでいいのでしょうか……」カリカリ
海未「これを雪だるまと呼べるのか、まるで雪像ですよ」
善子「ふふっ、スノーマンがまん丸だと誰が決めたのかしら?」
善子「既存の観念に囚われていては新時代の扉は開かれないのよ」
海未「なにやら難しい言葉を使っているようですが意味がわかりませんよ」
善子「あなたにはまだ早かったようね」
善子「―ふむふむ、悪くないわね。あとはこの羽を頭に」プスッ
善子「おおっ、我ながらこれは素晴らしいスノーマンが出来たわね‼」
海未「前衛的な雪だるまですね、善子のセンスは独特です……」 凛「凛達の雪だるま出来たよ〜」
善子「私達のスノーマンも完成したわ」
エマ「おぉ〜」
海未「これは……」
凛「凛達はね、とにかく大きな雪だるまにしたの‼」
善子「なにこれ?これのどこがスノーマンなのよ。ただの大きな雪玉が2つ並んでるだけじゃない」
エマ「あはは……どんどん大きくしていったら頭が重くて乗せられなくなって」
海未「エマがついていながらこんな事になるとは」
エマ「あぅ、わたしも凛ちゃんと一緒に夢中になっちゃった……てへ」
凛「これは凛とエマちゃんなんだよ」
海未「ほう、よく見れば2人の顔にそっくりですね」
海未「大きな丸い姿もある意味だるまを表しているのかもしれませんね」
善子「よくそんなこじつけが思い浮かぶわね」
善子「まっ、あなた達にしては頑張ったんじゃないかしら」 凛「て言うか、善子ちゃん達の雪だるまも意味わからないにゃ」
エマ「これはなんだろう?まるで彫刻のような」
善子「やはり凡人には理解出来ないようね」
海未「一緒に作ってはいましたが私にもよくわかりませんよ」
善子「ふっ。これはね、雪と氷を司る精霊……」
善子「その名も『アイスブランドオブスノーマン』!!」
エマ「へぇ、こんな雪だるまもあるんだぁ」
凛「善子ちゃんの趣味が全開だね、なぜか投げキッスしてる」
海未「そ、それは私がやったのです……」
善子「まったく、せっかくかっこよく作っていたのに海未さんがどうしてもかわいくしたいなんて言うから」
凛「ちょっと全体的に寒くないかにゃ〜」
善子「んなっ!?私達のセンスをバカにするな‼」
海未「いいのです、私が悪かったんです……」
エマ「2人の雪だるまも変わっていて面白いよ」
エマ「うん、エモいエモい」 凛「それで、どうやって勝負をつけるの?」
善子「そんなの、私達のスノーマンの圧勝に決まっているじゃない」
凛「えぇ〜なにそれ、凛達も頑張ったのに〜」
エマ「まあまあ2人共」
海未「お互いに今までにない雪だるまを作れたのですからいいではないですか」
海未「この勝負は引き分けという事にしましょう」
善子「むぅ……まぁぶっちゃけどうやって勝負つけようか迷っていたし」チラッ
善子「よく見たら凛とエマさんの作ったスノーマンも悪くないわね」
善子「私達が作ったスノーマンの眷属にしてあげるわ、光栄に思いなさい」
エマ「そうだね、みんな違ってみんないいって言葉もあるし」
海未「おや、それは金子みすゞの詩の一節ですね」
エマ「うん、わたしこの言葉好きなんだ」
凛「雪だるま作り楽しかったね〜」
凛「次はなにしようか?まだ遊び足りないよ」
海未「そうですね……あ、そうだ」
海未「かまくらでも作りますか」 エマ「かまくら……?なにそれ?幕府?」
海未「鎌倉幕府とは関係ありません、かまくらとは雪で作るドーム状の小屋の事です」
エマ「あぁ、スノードーム。スイスでも作るよ」
善子「なぜ海外の呼び方は中二心をくすぐるのかしら、スノーマンにスノードーム……はぁ、素敵」
凛「今度は皆で作ろうよ‼」
善子「ならば神が住まうような宮殿を」
海未「そんな複雑な物作れる訳ないでしょう、普通に作るのだって簡単ではないんですよ」
エマ「そうなんだ、私達だけで作れるかな」
海未「ふふ、かまくらに関しては人より多少自信があります」
海未「ねっ、ですよね凛?」
凛「えっと……あっ」ゾクッ
凛「かまくら……スキー旅行……雪に埋められて……うっ、頭が」
善子「なにがあったのよ一体……」
エマ「いい思い出じゃ、なさそうだね……」 海未「かまくらを作るには雪だるまよりも多くの雪が必要です」
海未「幸い私達で集めた雪がまだ沢山残っているのでこれで間に合いそうですね」
海未「まずは地面に円を描いてかまくらの大きさを決めます」ガリガリ
海未「―こんなものですかね、次にこの円の中に雪を積み上げていきます」
エマ「えいっ、それっ」バッバッ
善子「これじゃ雪掻きと変わらないじゃない……」バッバッ
海未「ただ積み上げるだけではダメです、積み上げながら踏み固めるのです」
海未「凛、ちょっとその雪の上で跳び跳ねてください」
凛「そういう事なら任せるにゃ‼」
凛「よっ、ほっ、とりゃっ」ドスドス
海未「いいですね、更に水をかけるとよく固まって頑丈になります」
海未「今水を汲んで来ますので続けていてください」
エマ「どんなかまくらが出来るんだろうね〜楽しみ」
善子「だんだん腕が……明日は筋肉痛だわ」
凛「善子ちゃん頑張れ〜ファイトだよ」ドスドス
善子「あなたは楽でいいわよね……」 海未「おまたせしました」
海未「うむ、だんだん形になってきましたね。水をかけて固めていけば私達が入っても問題無さそうです」
海未「善子、大丈夫ですか?変わりますよ」
善子「あ、ありがとう……」
海未「お願いがあるのですが、コンビニに行って甘酒とおでんを買って来てくれませんか」
善子「え?どうして?」
凛「あ、わかった‼かまくらの中でおでん食べるんだね。海未ちゃんナイスアイディア」
エマ「善子ちゃん1人じゃ大変だから私も一緒に行くよ」
海未「そうですね、では私と凛は最終調整をしています。凛、いきますよ」
凛「よーし、いっくにゃー‼」
コンビニ
エマ「甘酒とおでん、だったよね」
エマ「ところで、甘酒ってなに?」
善子「エマさん甘酒を知らないのね。―あった、これよ。お米と麹で作られているの」
善子「甘酒と言ってもアルコールはほとんど入っていないから私達でも飲めるわ」
エマ「お米でこんな物まで作れるんだ、すご〜い」
エマ「おいしそうだね、早く飲みたいな」
善子「おでんはどうしましょうかね……」ジーッ
善子「まっ、海未さんに多目にお金預かったから全種類買って行きましょ」 エマ「ただいま〜」
善子「買って来たわよ」
凛「おかえりなさ〜い」
海未「ありがとうございました、かまくらもいよいよ完成ですよ」ザックザック
海未「―これでよし。さぁ、中に入って甘酒とおでんを楽しみましょう」
エマ「わぁ〜結構広いねぇ」
善子「とは言え4人も入れば少し窮屈だけど……」
凛「でも皆でくっついてるから暖かいにゃ〜」
海未「真ん中を空ければおでんが置けますね」
善子「エマさん、甘酒飲んでみたら?」
エマ「うん、いただきま〜す」ゴクッ
エマ「―はぁ、甘〜い!!このとろみも優しいねぇ。暖まる〜」
善子「本当ね……たまに飲むとおいしいわ」ゴクッ
凛「あ、凛の好きなウインナー巻きがある!!いっただき〜」パクッ
海未「全種類買って来たのですね、私の好きな餅巾着もあります」パクッ
海未「―あぁ、かまくらの中で食べるおでん……最高です」 凛「甘酒とおでんおいしかったね〜」
エマ「また皆で食べたいねぇ」
海未「雪掻きをするつもりが雪合戦に雪だるま、かまくらまで作って」
海未「こんなはずではなかったんですが」
海未「雪は私達を子供に戻しますね」
善子「私も、年甲斐もなくはしゃいでしまったけど」
善子「最近あまり雪も降らなくなったし、そんな時くらいはこういう事をするのも悪くないわね」
エマ「ニッポンの冬を満喫出来てわたしも楽しかったよ」
凛「最初に雪合戦を始めた凛のおかげだね、えっへん」
海未「それとこれとは話が別ですよ、凛」
海未「―ですが、いい思い出になりましたね」
海未「また、雪が積もったら集まって遊びましょうか」
凛「今度はエマちゃんも雪合戦やろうね‼」
エマ「うん、楽しみにしてるね」
善子「次こそ神の住まう宮殿を作ってみせるわ、くっくっく……」
海未「まだ諦めてなかったんですね……」
海未(今度雪が降るのはいつでしょうか)
海未(季節外れの雪に感謝しなくては)
海未(雪よ、私達の仲を深めてくれてありがとうございました) 終わりです、昨日雪が降ったので書いてました。支援、最後まで読んでくださった方ありがとうございました。 おつおつ
毎回素晴らしいな
今年は雪ほとんど降らなかったなぁ 北海道や東北は雪に苦しんでる。この海未の発言は不謹慎。炎上しろ! ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています