果南は暗闇に囚われ、ダイヤは恐怖からその場から動けずにいた。

 用心棒代わりだった果南が戦闘不能になった以上、自分を守る物は何も無い。
 護身術に覚えはあるが、目の前の化け物に通用するとは到底思えない。
 逃げなければ。ダイヤは理屈ではそう理解していても、身体は動かなかった。

曜「薬をよこせ!」

ダイヤ「わ、わかりましたわ! 今ある分、全部差し上げますから!」

曜「よこせ!」

 曜はダイヤに近付き、頭を掴んだ。

ダイヤ「や、やめてください」

曜「よこせってんだ!」

曜「よこせ!」ゴッ

果南「曜! 何してんだ!」

 叫ぶ果南を無視して、壁に向かって、思いっきり顔を叩き付けた。