0209名無しで叶える物語(えびふりゃー)
2020/03/27(金) 18:07:23.80ID:NduGYvXW千歌「白き竜の祠……ここまで登ったの、久しぶりかも」
ルビィ「お祈りしよっか」
千歌「……うん」
よく手入れされた祠は、昔と変わることなくそこに有った
手を合わせ、二人は頭を垂れる。願うは、再びの安寧。それと、仲間の無事。
ポツ……ポツ……ポツ……
ルビィ「ひゃっ!……水…?」
二人が下山しようとした時、空を黒雲が覆った。上を見上げると、額の上に大粒の滴が勢いよく降りて来る。
千歌「…………雨だ」
濁った色になった天から、雨が降り注いだ
降り注ぐ雨の勢いは次第に大きくなり、吹き下ろす様な勢いの風も鳴り始める
それが天運を齎す慈雨となるか、厄災を運ぶ荒嵐となるか
この時はまだ、誰にも分かっていなかったのだった