0001名無しで叶える物語(こんにゃく)
2020/03/08(日) 22:07:00.02ID:wM5RNexg焼け焦げた肉の臭いだと気づくまでには、そう時間はかからなかった。
しっかりと床に固定された座席の上に、炭化した肉の塊がいくつかこびりついていた。
前の背もたれに頭部をめり込ませている死体や、シートベルトの位置を境にして下半身を失った死体も中には転がっていた。
窓には血痕や肉片や臓物の切れ端がおびただしく飛び散っていた。
一体だけ無傷のまま残っていた亡骸もあったが、その身体は石膏で固められた彫刻のように凍りついていた。