【童話SS】エマずきんちゃんとオオカミ果林
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昔々あるところに、エマずきんちゃんという女の子がいました。
ある日のこと、エマずきんちゃんは森に住んでいるおばあさんのお見舞いに行くことにしました。
エマ「いってきまーす!」
手編みのカゴに手作りのパンをたくさん入れて、エマずきんちゃんは森の中へ歩いていきます。
そんなエマずきんちゃんを、物陰からオオカミ果林が見ていました。
果林「ふふふ。美味しそうなパンね。ぜひ食べてみたいわ」
果林「いいこと思いついちゃった。先回りしておばあちゃんのフリをすれば、あのパンが食べられるじゃない」
果林「そうと決まればさっそく行動開始よ!」
オオカミ果林はエマずきんちゃんの先回りをすることにしました。 エマずきんちゃんは森の中をずんずん進みます。
すると、森の中から爽やかな香りが届いてきました。
エマ「くんくん。この香りは……木苺?」
エマ「そうだ。木苺を摘んでいって、おばあちゃんのお家でジャムにしてあげよう♪」
エマずきんちゃんは、おばあちゃんのお家に行く道から外れて、木苺を摘みに寄り道することにしました。
一方その頃オオカミ果林は
果林「……エマずきんちゃんのおばあちゃんのお家って、どこなの?」
すっかり迷っておりました。
果林「エマずきんちゃんがあっちに進んでいったんだから、こっちから回り込めるはずなのに」
果林「おかしいわね……」
オオカミ果林が立ち尽くしていると
ガサゴソ、ガサゴソ
果林「ひっ!? なに、なんなの?」
茂みの間から物音が聞こえてきました。
そして出てきたのは……
エマ「ぷはっ。木苺はこの先だよね」
エマずきんちゃんでした。 出先でWi-Fiが落ちて再起動したからID変わってます 果林「エマずきんちゃん?」
エマ「あら? あなたは……」
果林(エマずきんちゃんがここに来たってことは、やっぱりこの近くがおばあちゃんのお家だったのね)
果林(そうと分かれば……)
果林「エマずきんちゃん。おばあちゃんよ」
エマ「えっ?」
オオカミ果林は最初の作戦を実行することにしました。
幸いにも、おばあちゃんらしい服はあらかじめ着ています。
エマ「あの……」
果林「私はおばあちゃんよ。お見舞いに来てくれたのね」
オオカミ果林は押し通します。
エマ「おばあちゃん、なの?」
エマずきんちゃんは素直な女の子でした。
果林「そうよ。お見舞いに来てくれてありがとう」
エマ「ごめんね。前に会ったときととっても変わってたから気がつかなかったの」
果林「いいのよ」 エマずきんちゃんには、おばあちゃんについていくつか気になることがありました。
エマ「ねえねえおばあちゃん」
果林「なあに?」
エマ「おばあちゃんの目は、どうしてそんなに大きいの?」
エマずきんちゃんはおばあちゃんに聞いてみました。
果林「へっ? 目? 大きい? 私の目が?」
オオカミ果林は、自分の目がどうして大きいのか分かりません。
果林「そうね……大きい方が……うん、可愛いじゃない? そう。そういう理由よ!」
オオカミ果林はいっぱい考えて、理由になっていないことを答えました。
エマ「……」キュンッ
エマずきんちゃんは、その答えに言い知れない感情を抱きました。
そして、さらに質問を続けることにしました。
エマ「ねえねえおばあちゃん」
果林「なあに?」
エマ「おばあちゃんのお口はどうしてそんなに大きいの?」
果林「へっ? 大きいかしら?」
エマ「大きいよ〜」
果林「そうね……なんで大きいか……。うーん……」
エマ(おばあちゃん頑張って考えてる。かわいいなぁ♡)
果林「そうね。大きい方が、美味しいモノをいっぱい食べられるでしょ? それってとってもお得なの。だから大きいのよ」
オオカミ果林は頑張って答えました。
エマ「うふふ♡」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています