少しでも早く売り出すのが、正解なんじゃないのか。

私だけじゃなくて、たくさんの人に読んでもらって、ファンレターをもらって、笑顔と元気をもらう。

もしもそれで、彼女の病状が、少しでも良くなってくれるのだとしたら。

もしもこのまま、彼女の作品に日の目を当てることができず、彼女が力尽きてしまったとしたら。

優木せつ菜を、この世界で生き返らせようとした私自身が、その可能性を潰すことになるんじゃないだろうか。

そうなったとしたら、私は。

優木せつ菜を、2度殺すことになる。