編集者としては、小説が売れるためなら、手段を選ばないことが正しいのだろうか。

中身なんて関係なしに売り出す方法は山ほどあるし、実際、そうやって売り出した本は数知れない。

でも、そんな手段を使ってせつ菜ちゃんの作品を売り出すことは、私にはできない。

――いや何を考えているんだろう。

せつ菜ちゃんに残された時間は、あと僅かっていう前提を忘れてる。