あなた「余命1年?」菜々「……」
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あなた「せつ菜……ちゃん?」
せつ菜「……いーえ、何でもありません」
彼女が離れても、まだ、その感触が肌に残っていた。
せつ菜「では、また明日会いましょう!」
あなた「あ、うん……また、明日……」
小さな背中は、後ろ髪を揺らしながら、暗闇の向こうへと消えていった。 その翌日。
せつ菜ちゃんと直接会って話すのは、難しいと思っていたんだけど。
せつ菜「今日はよろしくお願いしますね!」
あなた「あ、うん。よろしくね」
まさか、直接編集部まで来てくれるとは思ってもみなかった。 せつ菜「あの……今日は、原稿を持ってきました!」
あなた「え、もう?」
前々から感じていたことだけど、いくら何でも速筆すぎる。
編集長「驚きの才能ね」
いつの間にか上司がソファーの後ろに立っていて、彼女の原稿の束を興味深そうに見つめている。 あなた「編集長……そうですね。類希な程に速筆ですよ、彼女」
せつ菜「はっ、初めまして!なか……優木せつ菜と申します!」
せつ菜ちゃんは、いかにも健康体であるかのように、元気にお辞儀した。
編集長「1週間で1本書ける作家は、プロでもほとんどいないのよ。優木さんは将来有望ね」
将来……
せつ菜ちゃんの将来は、あとどのくらい残されているんだろう。 せつ菜「あ……ありがとうございます!!……ですが、出版できるレベルに達していないのなら、意味ないですよね」
編集長「そうね。でも、あなたの原稿はいつも読ませてもらっているけど」
せつ菜「えっ」
編集長「あなたの作品、面白いと思う。自信を持っていいわ」
せつ菜「本当ですか!?」
編集長「フフッ、元気な子ね。……じゃあ、後は頼むわね」
あなた「了解です」
編集長は、そのまま自分のデスクへと去っていった。 せつ菜「……あの」
遠慮気味に話題を切り出す彼女をみて、言わんとすることはすぐに分かった。
あなた「うん、編集長には言ってない」
せつ菜「やっぱり、そうでしたか」
あなた「言う必要ないかと思って」
せつ菜「……そうですね。確かに不要だと思います。余命で売れても、全然嬉しくないですし」
あなた「ごめん、そんなつもりなかったんだけど。気を悪くしたなら謝るよ」
せつ菜「いえ、気にしないでください。本当に、何とも思っていないので」 編集者としては、小説が売れるためなら、手段を選ばないことが正しいのだろうか。
中身なんて関係なしに売り出す方法は山ほどあるし、実際、そうやって売り出した本は数知れない。
でも、そんな手段を使ってせつ菜ちゃんの作品を売り出すことは、私にはできない。
――いや何を考えているんだろう。
せつ菜ちゃんに残された時間は、あと僅かっていう前提を忘れてる。 少しでも早く売り出すのが、正解なんじゃないのか。
私だけじゃなくて、たくさんの人に読んでもらって、ファンレターをもらって、笑顔と元気をもらう。
もしもそれで、彼女の病状が、少しでも良くなってくれるのだとしたら。
もしもこのまま、彼女の作品に日の目を当てることができず、彼女が力尽きてしまったとしたら。
優木せつ菜を、この世界で生き返らせようとした私自身が、その可能性を潰すことになるんじゃないだろうか。
そうなったとしたら、私は。
優木せつ菜を、2度殺すことになる。 >>170
軽い気持ちで読んでみたら超大作だった件 以前完結させたSSを同じ作者があなたとせつ菜でリメイクしてるってこと
上でもそう書いてるだろ、読め 昔元スレ読んだ身としてはそれってどうなのと思わなくもない >>43 でも言った通りいざ書き始めてみるとほとんど別物になってるんですよね
自分の中ではほとんど新作みたいなものですが気に触ったのなら申し訳ない どうもこうも無いだろ
別に金取ってる訳でもないし嫌なら読まなきゃ良いだろ
俺は期待してるぞ どうなのって言われてもな
漫画家だって過去作のネタを使ってリメイクすることはあるし、他人からネタをパクってるわけじゃないんだから何も問題はないだろうよ お前ら乗せられてるぞ
俺はこの話好きなのでこの調子で頑張ってください せつ菜「もしもし……もしもーし」
あなた「……うん?どうかした?」
せつ菜「大丈夫ですか。少し、怖い顔してました」
あなた「え、そうかな。ごめん、何でもないよ。持ってきてくれた原稿見せてもらえる?」
せつ菜「……!えと、その」
あなた「うん?」 なんか、緊張してる。
どうしたんだろう。
口をワナワナさせて、渡そうか渡さないか逡巡してるみたい。
自信ないのかな?
でも、今までは自信なくても渡してくれてたよね。
手が、少し震えてるように見える。 せつ菜「どっ、どうぞ!!!」
あなた「あっ、うん」
ようやく渡してくれた原稿は、少なく見積もっても百枚はあろうかという、分厚い紙の束だった。
文庫本一冊分である。
あなた「ありがとう。読んでもいいかな?」
せつ菜「えぇっ!?い、今……ですか?あの、自宅に帰ってからの方が……!」
あなた「え?駄目だった?」
せつ菜「……いえ!あなたがそこまで言うのなら、やぶさかではないというか……!!」 そりゃあ編集者なんだから、作家の前で読んでそのまま批評するのが一番だと思うけど。
あなた「じゃあ、読ませてもらうね」
いつかせつ菜ちゃんに、本当に読んでるんですか?と聞かれたことがある。
編集者の文字を読む速度は、異常だ。
傍から見ると、この人本当にちゃんと読んでるの?と怪しむくらいには。
でも実際、毎日原稿を何百枚も読んでいると、自然と読むスピードが速くなっていく。
というか、そうならないと仕事が終わらない。 そんな強迫観念も含まれているのかもしれないけれど。
編集部に勤めてから、1年半が経った。
私の読書速度はどんどん速くなって、今ではプロのそれに達していると自負している。
せつ菜ちゃんに疑問視されてすぐ、私が作品の長所と短所を事細かに説明すると、次から彼女は、読む速度については何も言わなくなった。
その時と同じように、ペラペラと原稿を捲りながら読み進めていく。 ……が。
次第にその速度が落ちていくのが、自分でもわかった。
ふと、違和感を覚えたんだ。
あなた「ね、ねえ……これ」
尋ねても、彼女はじっと俯いたまま。
けれど少しだけ、私に聞こえるかどうかという声量で呟いた。
せつ菜「……だから、お家に帰ってからって言ったのに」 登場人物は、入院中の主人公と、日々お見舞いに訪れる同級生。
その同級生は、主人公が在籍する部活動のマネージャーで、いつも、選手の自分を的確にサポートしてくれて、頼りがいもあって。
主人公は次第に、彼女を好きになっていく。
それは恋愛感情で、決して抱いてはいけないものだった。
なぜなら、主人公もまた、女の子なのだから。
禁断の恋だった。 主人公は、この感情を心に秘めたまま高校を卒業することを決めた。
卒業して物理的に離れれば、きっとこの想いも消えていくだろう。
そう思っていた。
でもある日、主人公は、部活中に持病の発作で倒れ、救急車で病院に運ばれてしまう。
同級生は、管理に不手際があったからだと自責の念に駆られている。
全て自分のせいなのに、本気で自分のことを心配してくれる彼女に、ますます心惹かれてしまう主人公。
主人公は、彼女に一つ、ワガママを伝えた。
『漫画家になりたい』 彼女の性格、加えて今の状況でそれを言えば、彼女はきっとそうするのだろうとわかっていた。
要するにそのワガママは、彼女を自分の傍に縛り付けるための、口実だったのだ。
思った通り、彼女は、主人公の望む言葉を口にしてくれた。
『……それ、私も手伝っていいかな?』
『私に手伝わせて欲しい。何ができるかわからないけど、私にできることなら』 そこまで読んで、私はめくる手を止めた。
原稿を裏返して、文字が見えないようにする。
あなた「ふ……ぅ……うぅ……」
せつ菜「ご、ごめんなさい……でも、どうしても書きたくて……」
その物語は、私とせつ菜ちゃんが共に過ごした時間と、そっくりだったんだ。
違うのは、私の知りえない感情が書き綴られているということ。 これが彼女自身の想いだと決まったわけじゃない。
けれど……仮に感じたことのない感情を文字にしたならば、それは安っぽくみえてしまうものだ。
せつ菜ちゃんが持ってきた原稿からは、そんな安っぽさは微塵も感じられない。
つまり、この主人公の"大好き"は……
あなた「うぅ……///」
せつ菜「あの……どうでしょうか……///」
あなた「どうって……」 羞恥心で死んでしまいたいと思ったのは、生まれて初めてだよ。
なんて、本人には言えないけれど。
だって、要するにこれ、小説の体をなしてはいても……そういうことでしょ?
――私宛のラブレター(大長編)。
こんなの出版されてたまるか!!
恥ずかしくて死んじゃうよ!! >>192
彼女の性格、加えて今の状況で夢を語ったとき、彼女がどうするのかはわかっていた。
主人公の"夢"は、彼女を自分の傍に縛り付けるための、口実だった。
思った通り彼女は、主人公の望む言葉を口にしてくれた。
『……それ、私も手伝っていいかな?』
『私に手伝わせて欲しい。何ができるかわからないけど、私にできることなら』 せつ菜「どうですか……!?実は自信作なんですよ!!」
あなた「なるほど!だからこんなに描写が細かいんだね!」
あなた「って、そうじゃないよ!!」
せつ菜「えぇ!??」
もしこれが出版されちゃったら、せつ菜ちゃんの公開告白を全世界に公開することになっちゃう。
すっごい恥ずかしいし、何より……
そんなの、やだよ。
この気持ちは、私だけのものなんだから。 せつ菜「やっぱり、ダメなのでしょうか……?」
あなた「だって、こんなの……」
こんなの出版できるわけないよ。
そう言おうとしたけど、表情を暗くするせつ菜ちゃんを見て、やめた。
それは、絶対に言っちゃいけないことだと思ったから。
私の気持ちのために、せつ菜ちゃんの夢を邪魔していいはずがない。 夢……か。
もしこの小説の主人公が、せつ菜ちゃんの自己投影だとしたら。
ライトノベル作家という"夢"は、私を縛り付けるための道具ということになる。
……せつ菜ちゃんって、束縛強い方なのかな。
やばい。
すっごい、嬉しいかも。 ……って、そうじゃなくて!!
しっかりしろ、私。
今の私は、編集者なんだから。
仕事に私情を持ち込んだら、プロとして失格だよ。
せつ菜「こんなの……なんでしょうか?」
あなた「……こんなの、人気出るに決まってるよ!」
あなた「だって、すっごく面白いもん!読んでて惹き込まれちゃったよ!」 せつ菜「本当ですか!!?」
せつ菜「この原稿は、絶対に通したいって……そう思ってたので!!!」
せつ菜「そう言ってもらえて、とっても嬉しいです!!!」
あなた「編集長に通してからだから、私だけじゃ確定できないんだけどさ」
あなた「それでもこの小説は、今までのどの作品よりも面白いよ!」 その時。
せつ菜ちゃんの目尻から、一筋の涙が零れた。
あなた「え?せ、せつ菜ちゃん……?」
せつ菜「すみません……悲しいわけではないんです」
せつ菜「ただ、こんなに嬉しいって思ったの、すっごく久しぶりで……!」
あなた「そっか……それならよかったよ」 本格的に泣いちゃいそうだから、そのまま来客用のソファーで休んでもらおう。
あなた「お茶ならいくらでも出せるから。ゆっくりくつろいでね」
せつ菜「はい……!ありがとうございます!」
涙を拭いて落ち着いてから、せつ菜ちゃんはしばらく編集長と話していた。
彼女が編集部を後にすると、やがて勤務時間が過ぎて、家に帰る人もいれば、担当作家のところに出向する人もいた。
フロアには、私一人が残った。 どうして私だけ残っているかって、仕事が遅いとかじゃなくて、ちゃんとした理由がある。
それは、とても単純なこと。
好きな人からのラブレターを、他人の目の前で読めるわけないじゃん……!!
恥ずかしくて死んじゃうよ……原稿も持ち出し禁止だし……
残業申請は出さないから、それで許してほしい。 あなた「よし。読むぞ」
あなた「……………………」
あなた「うぅ……うぅぅ……///」
顔から火が出そう。
やばい。
これを正気で読めるとしたら、逆説的だけど、その人は正気を失ってるんじゃないかな。
全身がうずうずして、オフィスチェアをグルグル回して、酔いそうになったからやめた。 あなた「はぁぁぁぁ…………」
あなた「これ、一種の拷問だよぉ……」
主人公『大好きです!!』
主人公『大大大大、だーいすきです!!!』
主人公『結婚してください!!!』
マネ『すっごい嬉しいよ……私、死んでもいいかも』 マネ『でも、本当に私なんかでいいの?』
主人公『あなたがいいんです』
マネ『だって、君に残された時間はあと僅かで……そんな貴重なものを、私なんかがもらっていいのかな……?』
へ?
主人公『人生の最後は、あなたの隣で過ごしたいんです』
マネ『わかった……私なんかでいいなら』
まって、やだよ。
お別れなんて。 主人公『わた、し……幸せ……です』
マネ『うん……』
主人公『まるで……夢のなか……に、いるみたい……でした……』
やだ。やだよぉ……
いかないで、せつ菜ちゃん。
マネ『ねえ。ねえってば』
マネ『……置いていかないで』
あなた「グスッ……うぅっ……えぐ……」
あなた「せつ菜ちゃん……ぜづな゙ぢゃあ゙あ゙あ゙ん……」 みっともなく、顔を涙と鼻水でぐちゃぐちゃにして、泣き喚いて。
泣き疲れて。
気がついたら、私の肩を揺り動かす編集長が、目の前に立っていた。
あなた「ふぇ?」
編集長「あまり根を詰め過ぎないことね」 あなた「あれ、私……眠ってました?」
編集長「顔、酷いことになってるわよ」
あなた「え、ホントですか?」
あなた「化粧崩れてます?」
編集長「あなたは元々化粧薄いから、大して目立ってはないけれど……何にせよ落とさないとね」
編集長「シャワーがあるから、そこで温まってきなさい」
あなた「すみません……失礼しました」 シャワーを終えてデスクに戻ると、編集長が私の顔をジロジロ眺めてくるので、何かあったのかと聞いてみた。
編集長「あなた、クマが酷いわよ」
あなた「へ?」
言われてみれば、さっき洗面台で顔を見た時、クマがあったような。
スッピンだから余計目立つのだろうか。 編集長「一度も有給消化してないみたいだし、今日は休んだらどうかしら」
あなた「え、でも」
編集長「休むことも仕事の内よ」
あなた「……了解しました」
今日はせつ菜ちゃんも来れないって言ってたし、他の作家さんたちもまだ進んでないだろうし……
眠いのは確かだし、編集長がそう言ってくれるなら、今日はこのまま帰って休もうかな。 あなた「あ、編集長」
編集長「何かしら」
あなた「これ、せつ菜ちゃんの原稿です」
編集長「昨日の……そう。いいものができたのね」
あなた「面白さは保証します」
編集長「ありがとう。確かに受け取ったわ」
あなた「よろしくお願いします。では、失礼します」 編集部を後にして、電車に乗ると、緊張の糸が切れたみたいで、そのまま眠ってしまった。
最寄り駅で目が覚めて、慌ててホームに降りる。
それにしても、身体中の節々が痛い。
デスクに突っ伏して寝ちゃったからだよね。
駅から家までは徒歩20分弱だけど、体中が痛いのに加えて目眩がしたから、近くの公園で少しだけ休むことにしよう。 ベンチに座ると、この間の子どもたちが反対側のベンチでスマホを弄っているのが目に入った。
私が小さかった頃は、まだスマホなんてなくて、公園に来たら鬼ごっことか、砂遊びとかしてたものだけど。
今の子どもの遊びはスマホに向いているのか。
外で遊んでいる子どもが減っていくのは、少し寂しく思う。
……でも、家の中で遊べない子にとっては、いい時代になったのかな。
そう、例えば、せつ菜ちゃんみたいに。 あなた「……せつ菜ちゃん、今頃何してるかな」
せつ菜「呼びましたか?」
あなた「わあっ!!?」
突然右耳の近くで声がして、びっくりして振り向くと、白いワンピースを着たせつ菜ちゃんが隣に座っていた。
座った途端に気を失いかけてたから、気付かなかったみたい。 せつ菜「丁度近くを通りかかったので」
あなた「せつ菜ちゃんって、家この辺だっけ?」
せつ菜「いえ、たまたまこの辺を歩いていたんです」
あなた「たまたまって、なんでまた……」
せつ菜「それは……前に家出した時、あなたに泊めてもらったことを思い出したので」
あなた「それで、ここまで来たんだ。流石の行動力だね」
せつ菜「えへへ……ありがとうございます!」 褒められたみたいに嬉しそうにしてるけど……
これって、褒めたことになるのかな。
あなた「ところで、家出したことを思い出したからって、随分突然だね?」
せつ菜「え、ええ……まあ」
ん?なんか、引っかかる反応だな。
ひょっとして…… あなた「せつ菜ちゃん、何か隠してる?」
せつ菜「ええっ!??そ、そんなことないですよ……」
あなた「怪しいな〜、まさかまた家出しちゃったとか?」
せつ菜「……」
あなた「なーんて、流石にこの年になって家出はないよね〜」
せつ菜「……クシュンッ」 あなた「あれ、風邪でも引いた?」
せつ菜「ただの花粉症です。あなたはアレルギー持ってますか?」
あなた「実はね、私もスギ花粉で薬を飲んでて……ってそうじゃなくて!また家出しちゃったの!!?」
せつ菜「ふぇぇ……ごめんなさい……」
あなた「もう……だからこの辺歩いてたんだね」
せつ菜「その、またあなたに泊めてもらおうだなんて、都合のいい事は考えてなくて……」
せつ菜「あなたに、何か相談できたらいいなって思ったんです」
あなた「泊まるくらいだったら、全然いつでも大丈夫だけどさ」
せつ菜「ほっ、本当ですか!?」 寧ろ、大歓迎だよ。
前にせつ菜ちゃんがうちに泊まった時も、心の中ではとっても嬉しかったのを覚えてる。
ベッドはひとつしかないから、一緒のベッドで寝て、せつ菜ちゃんの吐息が間近で聞こえて。
眠れなくて、せつ菜ちゃんの寝顔を見つめていたら、小さな桜色の唇に目線が吸い寄せられて。
起きないように、そっと人差し指で触れて。
その指で自分の唇に触れたら、間接キスになるんだよね、なんて考えてたんだ。 ……って、ダメダメ。
せつ菜ちゃんの前で、理性を失うわけにはいかないよ。
せつ菜「そういえば、今日はお仕事なのでは?スーツも着ていますし……もしかして、お仕事中でしたか?」
あなた「あー、これはまあ、今日はわけあって朝帰りなんだよね」
あなた「それよりもさ。今回は、どうして家出しちゃったの?」
せつ菜「……それは」
言い辛そうにしていたけど、何度も聞いて、ようやく白状してくれる気になったみたい。 せつ菜「出版……できないかもしれません」
あなた「……どういうこと?」
せつ菜「私がライトノベル作品を執筆していることが、父にバレてしまいまして」
せつ菜「アイドルは許しても、ライトノベル作家は別問題だそうです」
あなた「……いやいや、ちょっと待って」
仮にも、余命幾ばくもない娘の夢なんだからさ。
それくらい、許してくれてもいいじゃない。
何がそんなに気にくわないっていうの?
もう、わけがわからないよ。 あなた「つまり、それが理由で家出したんだね」
せつ菜「すみません……この歳になって家出なんて、子供じみてますよね」
あなた「ううん。そんなことないよ」
せつ菜「……そもそも、私はもう成人しているのです」
せつ菜「本を出版するのに、親の許可なんて要りませんよね」
あなた「確かにそうだけど……」 せつ菜「決めました。私、優木せつ菜は、ライトノベル作家としてデビューした暁には、一人暮らしを決行します!」
あなた「えぇっ!?そ、そんなの……ダメだよ!危ないよ!」
せつ菜「な、何故です?てっきり、あなたは賛成してくれるものだと思っていたのですが……」
あなた「だって、せつ菜ちゃんが一人暮らししちゃったら、もしせつ菜ちゃんが倒れちゃったとして、誰も救急車を呼んでくれないんだよ!?そんなのダメだよ!」
せつ菜「なら……どうすれば……」
あなた「だったら、私が、せつ菜ちゃんと一緒に住むよ!」
せつ菜「え……えぇ!??///」 >>225
間違えました
家の中で遊べない→外で遊べない 長いこと更新できず申し訳ない
今年に入って課題の量が半端ないんです… いつまでも待ってるから余裕ができたら更新してくださいな ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています