絵里「ぶっちゃけ働きたくないわね」
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絵里「…暇ね」ダラー
絵里「げっ、もう夕方の5時なの!?」
絵里「はぁ〜!最近は時間の流れが早いわねぇ」
絵里「………亜里沙が帰ってくるまで寝よ」ゴロン
ドタドタドタ
亜里沙「お姉ちゃん!」ガチャッ
絵里「あら、おかえり亜里沙」キリッ
亜里沙「お姉ちゃん、なんで布団の中でキリッとしてるの…?」 絵里「そ、それは置いといてどうしたのよ、そんなに慌てて」
亜里沙「…はぁ、いや、もういい」
絵里「えっ、な、何?気になるじゃない」
亜里沙「…いや…布団の上にいるお姉ちゃん見てたら…言うまでもないんだなって」
絵里「…亜里沙、いい?気持ちは相手に勝手に伝わるものではないの」
絵里「声に出して、ハッキリ言わないと伝わらないのよ」
絵里「言葉はその為にあるの。だから亜里沙、教えて?どうしたの?」
亜里沙「…お姉ちゃん、お仕事見つかったの?」
絵里「亜里沙、伝えない方がいい気持ちもあるのよ」 亜里沙「やっぱりお姉ちゃん、今日も仕事探してないんでしょ!」
絵里「し、失礼な!ちゃんと色々見てたわよ!…求人情報?とか?」
亜里沙「今日はハローワークに行くって言ってたよね!」
絵里「うっ……確かに言った記憶が…」
亜里沙「言ってたよ!私、お姉ちゃんがお仕事見つけてくるの楽しみにしてたのに…!」
絵里「亜里沙…ごめんなさい」ギュッ
亜里沙「あっ、お、お姉ちゃん//」
絵里「私、亜里沙の気持ちを蔑ろにしてた…最低ね」
亜里沙「そっ、そんなこと言わないで…私の方こそごめんなさい」
絵里「亜里沙、私近いうち絶対に仕事を見つけるから」ギュッ
亜里沙「う、うん!//楽しみにしてるね!」 ーーーーーーーーーーーーーーー
絵里「…という訳なのよ」
希「なるほど、なんとかその場は誤魔化せたけど亜里沙ちゃんの為にもそろそろ仕事を見つけたいんやね」
にこ「バッカじゃないの、果たせない約束なんてしちゃダメでしょうが」
絵里「ま、まだ果たせないかどうかはわからないでしょ!?」
希「とは言っても…実際今は就職難で、しかもえりちは卒業してからずっとニート…」
絵里「に、ニートとか言わないでよ…私、賢い可愛い生徒会長なのに…」
にこ「元、でしょうが」 絵里「…大体2人ともズルいのよ、少し前まで私たち3人ともニートだったじゃない」
にこ「ふふん!にこの溢れる才能があれば仕事なんてすぐに見つかるのよ!」
希「にこっちは調理師免許持っててよかったね」
にこ「ま、免許なんてなくても私は料理が上手なので!おーほっほっほ!」
絵里「…料亭の料理人って、免許が必要なアルバイトみたいなもんじゃないの?」
にこ「はぁ!?何言ってんのよアンタ!」
希「えりち…」
絵里「なっ、何よ!?だってスーツ着てパソコンカタカタするのが就職でしょ!?」
にこ「はぁ?」
希「…えりち、そういう所がポンコツなんよ」
絵里「な、なんでよ!?」 にこ「…なるほどねぇ、絵里、アンタ…就職ってのはサラリーマン、OLになる事だと思ってたわけ」
絵里「だってだって!大学生の頃就職活動だって言って皆真っ黒なスーツでパソコン出来ます感出してそういう企業に出向いてたじゃないの!」
希「えりちが如何に就職への関心が無かったかわかるなぁ」
絵里「希までなんなのよ!私間違った事言ってる!?」
にこ「大間違いでしょ…」
希「えりち、就職をもっと簡単に考えてみよう?」
絵里「か、簡単なわけないじゃない…私が人生で初めて大きな失敗したのが就職なのよ…」 希「例えばえりち、女優さんの仕事は?」
絵里「え?女優は女優でしょ?」
希「うんうん、じゃあ普通の女の子が女優になるのは就職やん?」
絵里「……確かに」
にこ「私も同じよ、料理を職にしてるんだからそれは就職したって事でしょ」
絵里「…えぇ、そうね」
希「就職って…というか仕事って、確かにスーツ着てパソコンカタカタのイメージだけど、働いてお金貰ってたらそれが仕事なんよ」
絵里「…働いて、お金を貰う…」 にこ「なんでそんな事が23歳にもなってわからないのよ」
絵里「…でもちょっと待って!じゃあ今の希はどうなの!?」
希「え?ウチ?」
絵里「アルバイト掛け持ちで食い繋いでるのは就職なの!?」
希「いやぁ…アルバイトは就職とは違うなぁ…ウチはフリーターって感じやね」
絵里「…難しい、私には難しいわ…」
にこ「いや、わかりなさいよ」 絵里「就職難しいぃ〜!!エリチカおうちかえる!!」ジタバタ
にこ「ちょっと!こんなカフェのど真ん中でやめなさいよ恥ずかしい!」
「あれ?3人揃って何してるの?」
希「ん?…あっ」
穂乃果「こんにちは!」
絵里「穂乃果、こんにちは」キリッ
にこ「絵里、そんなキリッとしてももうアンタに先輩の威厳なんて無いわよ」 穂乃果「へぇ〜、絵里ちゃんがついに就職するんだね!」
絵里「ま、まだ決まったわけじゃないわ…」
にこ「決めないと無職なのよアンタ」
希「穂乃果ちゃんは実家を継ぐんやろ?働き先が家なのは羨ましいなぁ」
絵里「そうよ!穂乃果はズルいわ!アナタもリクルートスーツで面接を受ける経験をするべきよ!!」
穂乃果「えぇ…そんな事言われても…」
にこ「穂乃果は饅頭屋、海未も家業を継ぐんでしょ?ことりは…」
穂乃果「ことりちゃんは留年してまだ3年生だからねぇ」
絵里「…私も留年しておけば今年も就活できたのよね」
希「えりち、留年は就活にマイナスイメージなんよ…」 絵里「私も就職したいわ…仕事欲しい…」
希「……」
穂乃果「あはは…」
にこ「欲しい欲しいって言ってるけど、就職してからの事考えてるの?」
絵里「してから?」
希「えりち、就職するって事は平日は仕事漬けって事なんよ?」
絵里「…」
穂乃果「あ、そっか!絵里ちゃんは今ニートだから毎日休みなんだ」
にこ「穂乃果、アンタちょっと言葉にトゲがある気がするんだけど」
絵里「…うん、無理ね」
希「えりち…」 絵里「…ふぅ」
にこ「何悟った顔してんのよ」
絵里「いえ…世の中の大人達はすごいわね、毎日汗水垂らして働いて…」
絵里「私にはできないわ」
穂乃果「絵里ちゃん…」
絵里「…私、無職だけど…毎日楽しいの」
絵里「好きな時間に起きて、ゲームして、ご飯食べて寝て…」
絵里「生まれて初めてよ、こんなに欲望に忠実に生きてるのは」
にこ「ただのクズよ」 絵里「就職は諦める事にするわ」
希「え、えりち…」
穂乃果「えぇ…」
にこ「しっかり者の絢瀬絵里は死んだのね」
絵里「…そうと決まれば!家に帰って亜里沙の帰りを待たな、い…と…えっ?」
海未「絵里、ごきげんよう」ニコッ
絵里「……えっ?」チラッ
穂乃果「…あはは…別に隠してたわけじゃないんだけど…なんか嫌な予感がするから後で会話に参加するって…海未ちゃんが」
絵里「………あ、あら海未、久しぶりね。帰ってきてたなら連絡してくれればよかったのに」
海未「お久しぶりです絵里、就職しましたか?とメールすればよかったでしょうか?」
絵里「…とりあえず場所を変えましょう、こんなに小さなカフェで大人数でいるとお店に悪いわ」
希「えりち、今更常識人キャラは無理や」
にこ「哀れね」 ことりの家
ことり「わぁ〜!皆が来てくれるなんて嬉しいなぁ!」
海未「すいませんことり、帰り道で拾ってしまって」
絵里「ことり、お邪魔するわ」
ことり「いいのいいの!来てくれて嬉しいよ〜!」
にこ「こんなに笑顔でいつも通りって感じだけど、この子μ'sで唯一留年してるのよね…」
ことり「穂乃果ちゃん、ことりが大学行ってる間に海未ちゃんを独り占めした感想は?」ニヤニヤ
穂乃果「べっ、別にいつも通りだよ!」
希「すっかり平常運転のことりちゃんやなぁ」 ことり「ふーん、絵里ちゃんが就職を…」
絵里「あらことり、アナタも来年経験する事になるのよ?地獄の就活を」
ことり「…ふっふっふ」
絵里「なっ、何よその笑いは」
希「おぉ?」
にこ「進路にアテがあるみたいね」
ことり「…実は海未ちゃんにはるばる帰ってきて貰ったのはこれを発表する為なのです!」
海未「ほう。帰ってきて欲しいと言われて飛んで来たのですが、重大発表があるんですね」 ことり「なんと!わたくし南ことりは!」
穂乃果「なになに?どうしたの!?」ワクワク
ことり「来年から!」
絵里「来年から就活でしょ?そうなんでしょ?そうって言ってよ、不公平じゃない…」ウルウル
ことり「お洋服のお勉強の為に留学します!!」ブイ
穂乃果「ほんとに!?」
海未「なんと!」
希「留年の次は留学かぁ」
にこ「海外留学なのよね?1人で大丈夫なの?」
ことり「うん!大丈夫だよ!英語の勉強頑張ってるから!」グッ
絵里「……」
ことり「それに向こうで良い結果が出せたら、デザイナーとして声がかかるかもしれないの!」
絵里「……」
ことり「だからことり頑張るね!」
絵里「…」
希「…え、えりち!なんか声掛けてあげないと…」
絵里「ふふっ…」
希「え、えりち?」 絵里「ふふっ…ふふふ…ははははははっ!!」
ことり「わっ、え、絵里ちゃん?」
海未「絵里?どうして笑ってるんです…?」
絵里「ふふふはははははは!!」ゲラゲラ
穂乃果「絵里ちゃんが壊れた!」
にこ「ここ最近はずっと壊れてたわよ」
希「ちょ、えりち!えりち!」ユサユサ
絵里「…」シーン
穂乃果「うわっ、急に静かになった!」
にこ「ホラー映画のピエロみたいね」 絵里「…結局…μ'sで出来損ないなのは私だけね」
海未「…絵里…」
絵里「…私、しっかり者の生徒会長なんかじゃないの。そう見えるように無理してただけ。」
絵里「こんなところでボロが出ちゃうなんてね…ふふっ、笑えるわ」
にこ「ボロどころじゃないでしょ」
穂乃果「ボロボロだよ絵里ちゃん」
希(ウチもフリーターだしえりちとあんまり変わらないんだけど…) 絵里「はぁ…ことり、お願いがあるの」
ことり「な、なぁに?留学は絶対するよ?」
絵里「留学しないでなんて言わないわよ」
ことり「今の絵里ちゃんなら言いかねないよ…」
絵里「ふふっ、そうかもね…ねぇことり、アレを1本ちょうだい」
ことり「アレ?」
絵里「冷蔵庫に入ってる、酔えるアレよ」
にこ「…こいつ」
希「えりち…」
海未「思っていた数倍は救いようのない人ですね」
穂乃果「絵里ちゃん、かっこ悪いよ…」
絵里「あぁもううるさい!私だってたまには酔いたくなる時もあるのよ!!」
にこ「確かに私がアンタなら毎分毎秒酔ってたいわ」 絵里「で、ことり、アレは…」
ことり「あ〜、ごめんね?もうないの」
絵里「なななな、ない!?前まであんなに大量にあったのに!?」
ことり「お酒はやめたんだぁ〜」
絵里「…あんまりだわ…なんで皆私に冷たいのよぉ…!」
にこ「冷たくされて仕方ない状況だからでしょ」
海未「はぁ…見てられませんね」
絵里「ま、待って!嫌よ!海未のお説教だけは嫌!!今の状態で年下に説教されたらプライドが終わるわ!」
海未「ほう、まだ残ってるのですか?プライドが」
絵里「うっ」グサッ 海未「いいですか絵里、あなたはまずアルバイトをするべきです」
絵里「あ、あるばいと」
海未「そうです、アルバイトをして社会経験を少しでも積むべきです」
絵里「…アルバイトなんて…私にできるの?」
穂乃果「絵里ちゃん、アルバイトってその辺の高校生でもやってるよ」
絵里「うぐっ」グサッ
ことり「絵里ちゃん、もしかして…アルバイトしたことないの?」
絵里「うがっ」グサッ
にこ「絵里…アンタどんだけ甘い環境で生きてきたのよ」
絵里「今は超ハードモードだから釣り合い取れてるでしょ!?」
にこ「いまが楽で楽しくて最高!みたいな事言ってたじゃない」
絵里「いまが最高をそんな風に使わないで!!」 希「えりち、この機会にウチと同じスーパーでアルバイトしてみよ?」
絵里「す、スーパーバイト…?」
にこ「必殺技じゃないわよ…」
穂乃果「あっ、あそこのスーパーなら穂乃果もよく使うから知ってるよ!」
希「穂乃果ちゃんはよくウチのレジに来て長話して帰っていくんよ」クスクス
ことり「…スーパーのレジで長話って…」
海未「……穂乃果?」
穂乃果「ごめんなさい…」ペコー 絵里「れれれれれレジ!?」
にこ「レジに動揺しすぎよ」
絵里「だだっ、だって!レジってあの複雑そうな機械でしょ!?私機械苦手なのよ!無理よ無理!絶対無理!!」
ことり「絵里ちゃん、レジは意外と簡単だよ?」
穂乃果「そうだよ〜、私なんて中学生の頃から似たようなこと家でやってるよ!」エッヘン
海未「私は経験がありませんが、きっと絵里なら大丈夫ですよ」
希「えりち!一緒に働こ!」
にこ「まぁ、頑張んなさいよ」
絵里「……みんな…」 ーーーーーーーーーーーーーーー
数日後
絵里「よっ、よろしくお願いしまスウゥ……」
希「えりち、そんなに畏まらなくてええんよ?」クスッ
絵里「のっ、希ぃ!私初めてなのよ!?怖いわ!」
希「もう、一緒に品出しするだけやん?何も怖がること…」
絵里「ど、どうしましょう…余計なものまで棚に並べちゃって、店長に怒られてクビになったら…」ブルブル
希「いや、そんな事ではクビにならんよ」 希「じゃあウチがお手本見せるから、真似してみてな?」
絵里「…うん」
希「まずはカップ麺からやね、在庫がある物は棚の下の引き出しに入ってるんよ」ガラッ
絵里「こ、ここって引き出しになってたのね…」
希「ふふっ、売れててすき間が出きてるのと同じ種類のを下から取って…入れる」
希「はい、おわり!」
絵里「…こ、これだけ?」
希「うん、これだけ」
絵里「…これでお金が貰えるの?」
希「まぁ、えりちはまだ始めたてやしとりあえずはそうやね」
絵里「…簡単じゃない!」 穂乃果「あっ、絵里ちゃんいたいた!」
海未「絵里、お疲れ様です」
ことり「ちゃんと働いてるなんて偉いねぇ」
絵里「あら、皆来てくれたの?」
海未「えぇ、絵里が心配で来てみたのですが…」
穂乃果「全然大丈夫そうだね!」
絵里「ふふっ、アルバイトって案外楽勝ね、苦手意識を持ってたのが馬鹿らしいわ」フフン
ことり(そりゃまぁただのアルバイトだし…)
海未(ことり、今は絵里を応援してあげましょう)
希「いらっしゃいませ〜、3人とも!」
穂乃果「あ、希ちゃん!」
絵里「…はっ」 絵里「希ぃ!」
希「わっ、どうしたんえりち」
絵里「…私も、言っていいのかしら…その…」
絵里「いらっしゃいませってやつ…」
希「えぇ?別にいいと思うけど…」
絵里「本当!?働いてるって感じがするわ…!」
ことり(チョロいなぁ絵里ちゃん)
海未(ことり、今はそっと見守ってあげましょう)
絵里「絢瀬絵里、社会進出の音がするわ…」グッ
穂乃果「その意気だよ!絵里ちゃん!」 数時間後
絵里「ただいま、亜里沙」
亜里沙「お姉ちゃん!どこ行ってたの!?」
絵里「ふふふっ…聞いて驚きなさい亜里沙」
絵里「お姉ちゃん、アルバイトを始めたのよっ!」バーン
亜里沙「…あ、アルバイト…?」
絵里「えぇ、生まれて初めて労働の喜びを味わってきたわ」フフン
亜里沙「……アルバイト…」
絵里「…亜里沙?」
亜里沙「お姉ちゃんが…アルバイト!?」
絵里「え、えぇ」 亜里沙「大学時代ですらバイト経験のなかったお姉ちゃんがアルバイト!?」
絵里「そ、そうよ?」
亜里沙「卒業してからずっと部屋でゴロゴロしてて、もう人としてダメかなと思ってた…お姉ちゃん、すごいよ」グスン
絵里「亜里沙、私の事そんなふうに思ってたの?」
亜里沙「私嬉しいよ!お姉ちゃんがちゃんと大人の自覚を持ってくれたなんて!」
絵里「あ、はい…」
亜里沙「アルバイト頑張ってねお姉ちゃん!私、応援してるからね!」
絵里「うん、頑張るわ」
亜里沙「それじゃあ私、明日もバイトで早いから寝るね!」
絵里「…ん?」 ーーーーーーーーーーーーーーー
翌日
ことりの家
絵里「…という事でやっぱりバイトはナシよ」
海未「何言ってるんですか!?亜里沙がバイトしてたからって何も悪い事はないでしょう!?」
絵里「最悪よ!!誤算だったわ、亜里沙は大学に入ってすぐにファミレスでバイトを始めたのよ…」
絵里「つまり私は妹にすら負けてるのよ!!うわぁぁぁぁぁん」オーイオイオイ
ことり「絵里ちゃん、よっぽど悔しかったんだね…」
穂乃果(絵里ちゃん自分が色々と周回遅れだって気付いてなかったのかな)
海未(穂乃果やめなさい、今それを言ったら絵里は死にます)
ことり(2人だけでテレパシーしないで!)プンスカ
海未「…絵里、いつまでも泣いてたって何も始まりませんよ」
絵里「うぅ…うん…」
海未「どうするのですか、これから」
絵里「……私にもわからないわよ…」 絵里「とりあえず、私にもできる事はないかしら」ムンッ
穂乃果「絵里ちゃんにできる事かぁ」
海未「…そうですね」
ことり「………うーん」
絵里「…あ、あれ?」
穂乃果「…え、絵里ちゃんはなんでもこなせるすごい生徒会長で…」
海未「…しっかり者、でした」
ことり「あとは可愛いよ!ロシアンクォーターだし、お人形さんみたい!」
絵里「……」
海未「…あ、ロシア語教室なんてどうでしょう!」
絵里「ロシア語忘れたわ」
海未「えぇ…」 絵里「私って…私って何もない女なのね…」ブツブツ
ことり「え、絵里ちゃん…」
海未「絵里はやればなんでもできるタイプなのですが…やはり問題は何をするか、ですね」
穂乃果「やっぱりしばらくアルバイト続けた方が良かったんじゃ…」
ピンポーン
ことり「あ、はーい」
ガチャッ
希「……えりち、いる?」ゴゴゴゴ
ことり「の、希ちゃん?どうしたの?」
希「…いるみたいやね」 絵里「…あ、希…バイトお疲れ様」
希「……他に言うことがあるんやない?」
絵里「えっ?あ、私バイト辞める事にしたの」
希「………それはええんよ?えりちが自由に決めればいい事」
希「でも、1人で勝手に決めてお店に連絡も入れずに無断欠勤はおかしいやんなぁ?」ゴゴゴゴ
絵里「うぇっ」
穂乃果「え、絵里ちゃん…」
海未「…救えませんね、これは」
ことり「絵里ちゃん、もうしっかり者の欠片も残ってないよ…」
希「おかげでウチまで連帯責任で怒られたんよ!?」
絵里「うぅ、ごめんなさい…」 希「今回ばかりはウチも怒ってるよ!」プンスカ
海未「絵里は根本的に大人としての自覚が足りていないんじゃないでしょうか」
絵里「うっ…それ、シンプルに刺さるわね…」
希「責任感がない!」
穂乃果「めんどくさがりなんじゃないかなぁ」
ことり「ニート!絵里ちゃんはニートだから仕方ないんだよ!皆で寄って集ってそんなに責めないで!」
絵里「あうぅ…」ウルウル
海未「…困りましたね、まさか絵里がここまでとは…」
絵里「海未に呆れられる日が来るなんて…」ウルウル ピンポーン
ことり「あっ、きたきた!はーい!」
絵里「……私の体が危険信号を出してるわ…」
「おじゃましま〜す、あれ?絵里ちゃんと希ちゃんもいる!」
「ほんとだぁ、皆こんにちは」
絵里「やめて…これ以上私を歳下で囲まないで…惨めな気持ちになるからやめて…」ブルブル
希「おー凛ちゃん花陽ちゃん、こんにちは」
凛「こんにちは!絵里ちゃんどうしたの?」
穂乃果「あはは…」 花陽「そっかぁ、絵里ちゃん大変だね」ヨシヨシ
絵里「はなよぉ!あなただけよ!私に優しくしてくれるのは!」
希「えりちが悪い!」
花陽「うんうん、絵里ちゃん、無断欠勤はよくないよ?」メッ
絵里「反省してます…」
凛「あっはっはは!絵里ちゃんは大人びてただけで大人にはなれなかったんだね…くふふっ!」ゲラゲラ
海未「凛、直球で煽りすぎです」
花陽「あっ、ことりちゃん!これ」ドサッ
ことり「わぁ!いつもありがと〜!花陽ちゃんの作ったお米、美味しくて大好きなんだぁ」
花陽「えへへ、愛を込めて育ててますから!」エッヘン
海未「…花陽の作ったお米…」
花陽「あ、海未ちゃんの分も持ってきたよ〜」
海未「それです!!!」
花陽「へ?」 海未「絵里!花陽の田んぼで働きなさい」
絵里「えぇ!?」
花陽「絵里ちゃんが私の田んぼで?」
絵里「むむむっ、無理よ!私そんな体力無いわ!」
海未「何を言ってるのですか!ここで気合を入れて難しい事に挑戦してこそ、社会復帰の近道なのですよ!」
希「うんうん、今の腐ったえりちにはええかもしれへんね」
絵里「の、希ぃ…」
凛「いいじゃん絵里ちゃん!かよちんと農作業なんてきっと楽しいよ!」
絵里「絵里ちゃんがその気なら…私も手伝って欲しいな」ニコッ
海未「さぁ、絵里!」
絵里「………」 絵里「…やっぱりダメよ」
絵里「私、1人で仕事を探してみるわ」
海未「…絵里…」
絵里「皆に頼ってばかりじゃダメだと思うの、希を頼って…迷惑かけてしまったし」
希「えりち…」
絵里「亜里沙の為じゃなく、皆の為でもなく、私自身の為に仕事に就くわ」グッ
凛「絵里ちゃん!」
穂乃果「その意気だよ!」
ことり「がんばれ〜!」
絵里(ぶっちゃけダルいだけなんだけど…それっぽい事を言ってみるものね)
凛「…とか思ってないかにゃ?」
絵里「思ってないわよ!!!」 希「えりち、本気ならウチも全力でサポートするよ」グッ
絵里「希…ありがとう」
穂乃果「いやぁ、こうして絵里ちゃんが真人間に戻っていくんだね」
海未「えぇ、なんだか感動です」
ことり「不良が更生したら褒められる、みたいな感じだね」
海未「留年してから真面目に学校に行き始めたことりも同じようなものですよ」
ことり「うぐっ…海未ちゃん、いい矢を射つね…」グサッ
花陽「でっ、でも!ことりちゃん、ホントに真面目で頑張ってるんだよ!」
海未「ふふっ、留年したおかげで花陽と凛と一緒に授業を受けられるようになって良かったですね、ことり」
ことり「うがっ」グサッ
花陽「こっ、ことりちゃん!」 凛「ようし!そうと決まれば今日はパーティしようよ!」
海未「パーティ?なんのです?」
凛「祝!絵里ちゃんが就職するかもしれないパーティだよ!」
穂乃果「いいねぇ!…いいのかなぁ?」
絵里「り、凛…あんまりプレッシャーかけないで…」
希「凛ちゃん!「祝!えりちが今後絶対就職するパーティ」に名前変えよう?」
凛「確かにそっちの方が確実っぽくていいね、さすが希ちゃん」
絵里「胃が痛いわ…」
ことり「そういう事なら、ことりはお酒買ってくるね!」
凛「元アル中の血が騒ぐね、ことりちゃん」
ことり「やめて」 花陽「真姫ちゃんとにこちゃんは?」
穂乃果「2人とも今日は予定があるんだって」
花陽「そっかぁ、皆で集まりたかったね」
凛「むしろ皆集まったら絵里ちゃんが劣等感で死んじゃうからちょうど良かったよ」
絵里「凛、昔みたいに「にゃ!」って言ってくれないとただの毒舌キャラよアナタ」
凛「やっ、やめてよっ!//恥ずかしいから!!」
海未(可愛いですね)
希(凛ちゃんは可愛いなぁ)
花陽(さっき無意識に言ってたけどね)クスッ ーーーーーーーーーーーーーーー
翌朝
絵里「…うっ…うぁはわあ〜……もう朝じゃない…」
絵里「えっと…確か凛にめちゃくちゃ飲まされて……ん」
花陽「んんぅ…」Zzz
希「うぇへへ〜…わしわしぃ…」Zzz
ことり「んっ…はぅ…ぁんっ//…」Zzz
凛「ぐがーっ!…ふごっ…おらァ!……ぐごーっ!」ゲシッ
絵里「痛っ!酔拳かっての…あれ、穂乃果と海未は…」 ガチャッ
海未「やはりこの時期の朝は寒いですね…」
穂乃果「海未ちゃんの手があったかくて助かったよ〜…あ、絵里ちゃんおはよう」
絵里「おはよう2人とも。どこに行ってたの?」
海未「穂乃果が朝ごはんは味噌汁がいいと言って聞かなくて…」
穂乃果「皆の分ちゃんと作れるように材料買ってきたんだよ!」フンス
海未「お金を払ったのは私なんですけどね…」
絵里「…2人とも、早起きなのね」
穂乃果「ふふふっ、私が1番だったよ!」
海未「穂乃果は本当に立派になってくれました」
穂乃果「ちょ、なに急に!照れるじゃん!//」
絵里「…ふふっ、朝ごはんなら私も手伝うわ」 絵里「……」トントントン
穂乃果「ほえ〜、絵里ちゃん、ネギ切ってるだけで様になるね」
海未「なんだか昔の絵里のような頼もしさを感じますね」
絵里「……はぁ」
海未「…絵里?」
絵里「やっぱり疲れるわ、真面目な顔しとくのって」ヘロー
穂乃果「うわっ、いつもの腑抜けた顔に戻ったよ」
絵里「うわって言わないで」 絵里「考えてみたら私、ずっと無理してたのかもしれないわ」
海未「…知ってますよ、そんなこと」
穂乃果「うん、絵里ちゃんずっと頑張ってたんだよね」
絵里「…ふふっ、バレてたのね」
海未「えぇ、μ'sに入る前はそれはもう誰が見ても真面目って感じで通してましたけど」
穂乃果「入ったあとも、皆をまとめるためにやっぱり頑張ってたよね」
絵里「そうね…私はしっかりしていなきゃって思ってたの。誰に頼まれたわけでもないのに…」
海未「たまにボロが出てポンコツがバレてましたけど」
絵里「それはもうそっちが素だからなんとも言えないわ」
穂乃果「ポンコツ認めちゃったよ…」 絵里「結局皆には本性バレて恥ずかしい思いはするし、そもそもニートだし」
絵里「私ってホントにダメね」ハァ
穂乃果「絵里ちゃん…」
海未「絵里、あなたは変わりたいんでしょう?」
絵里「もちろんよ、でも私にできるかどうか…不安なの」
海未「変わりたいと思うだけなら無理でしょう。でも行動を起こせるなら…それだけで立派です」
穂乃果「そうだよ絵里ちゃん!夢への一歩が大事なんだよ!」ファイト!
絵里「…ありがとう、頑張ってみるわ」
海未「えぇ、その意気です」
絵里「…恥ずかしいから、今の話は他の皆には内緒よ?」
海未「ふふっ、もちろんですよ」クスッ
穂乃果「でももう皆起きてるよ?」
絵里「はぁ!?」
希「えりち…やっと素直になれたんやね」ポロポロ
花陽「絵里ちゃん、そうだったんだね」グスン
凛「生徒会の許可ぁ?認められないわぁって言ってたのも、無理してたんだね…」
絵里「それ私言ってないんだけど」 お昼
絵里「…さて、皆とは解散したし…早速行動を起こしましょうか」
絵里「……といっても…何をすればいいのかしら」
絵里「…とりあえずハローワーク?」
絵里「…………んんん…」
絵里「私のやりたいこと…やりたいこと……」
絵里「……」ポチポチポチ
プルルル…ガチャッ
希『もしもし?どうしたん?さっきぶりやけど』
絵里「私って何がしたいのかしら」
希『えぇ…』 絵里「この前の希とにことの話で、一概に仕事と言ってもたくさん種類があるのは理解したわ」
絵里「問題はその中からどんな仕事を私はしたいのか、なのよ」
希『そうやろうけど…それ、ウチに聞かれてもなぁ』
絵里「何言ってんのよ希、アナタならわかるでしょ?」
希『えぇ?』
絵里「私を占って」
希『んえぇ……あぁ〜…うぅ〜………はい、出ました!』
絵里「絶対占ってないでしょ…」
希『本屋に行きなさい…やって、えりち』
絵里「いや、ちゃんと占って…」
希『本屋に行けば自ずと道は見えるんよ、えりち』
絵里「…はい」 本屋
絵里「はぁ…本屋に来たのはいいものの…」
絵里「……適当に見て歩こうかしら…」
絵里「料理…裁縫……料理…料理……裁縫……」
絵里「…真姫……料理……ん?」
真姫「あら」
絵里「真姫!何してるのよこんな所で」
真姫「絵里の方こそ、何日ぶりの外出?」
絵里「なっ、引きこもり扱いしないで!」
真姫「私の台詞パターンをとらないで」 絵里「へぇ、授業の空き時間に本屋で今夜の献立を…ねぇ」
真姫「料理って中々楽しいのよね、昨日もにこちゃんに色々教わったのよ」
絵里「あぁ、だから昨日は来れなかったのね」
真姫「ごめんなさいね、もう料理に手を付けてて、行くに行けなかったのよ」
絵里「全然いいのよ、今日会えたわけだし」
真姫「助かるわ…それで?絵里は何してるのよ」
絵里「えっ…と…」 真姫「自分のやりたい事ねぇ…」
絵里「えぇ、何かないかしら?」
真姫「うーん…無難に子供の頃の将来の夢なんてどうかしら」
絵里「子供の頃の夢…バレリーナね」
真姫「やる気は?」
絵里「とっくに燃え尽きたわよ」
真姫「でしょうね、中学高校と何か夢はなかったの?」
絵里「中高は…うーん、ないわね…高校でスクールアイドルを始めるまで目標も何もなかったし」
真姫「スクールアイドル……絵里、ちょっと来て」 真姫「これ、さっき見つけたのよ」
絵里「…これって…」
真姫「えぇ、スクールアイドルの月刊誌あったでしょ?アレのラブライブ開催5周年記念号ですって」
絵里「……そう、もう5年も経ったのね」
真姫「5年経っても表紙がμ'sってのも考えようだけど…懐かしいでしょ?」
絵里「えぇ、懐かしいわ…」
絵里「…」
真姫「…どう?何がしたいか思い浮かんだ?」
絵里「…ふふっ、今でもスクールアイドルできるかもしれないわね」
真姫「バカ、学生じゃないでしょ?」 絵里「そうなのよねぇ…」
真姫「…でも確かに、絵里はスタイルも良いし…顔も…その、綺麗だし、アイドル向いてるんじゃない?」
絵里「…もし私がアイドルになったらどうなると思う?」
真姫「わかんないわよそんなの、売れない地下アイドルになるかもしれないし、国民的アイドルになるかもしれないし…」
絵里「その前に!にこに刺されるわよ」
真姫「…あー、にこちゃんなら…確かに…うーん」
絵里「…はぁ、あの頃に戻りたいわねぇ」
真姫「やめてよオバサンくさい…私はまだ学生なんだから」
絵里「羨ましいわホント」 真姫「...そうだ」
絵里「ん?」
真姫「あるわよ、絵里にピッタリの仕事」
絵里「え、ほんと?」
真姫「えぇ、私に回ってきた仕事だったんだけど…断ったのよね、勉強で忙しいし」
絵里「ま、真姫に回ってくる仕事って…私、あなたほど勉強できないわよ?」
真姫「頭を使う仕事じゃないのよ、むしろ…体を使う仕事」
絵里「体を使う仕事…?」
真姫「…あら、ごめんなさい、そろそろ次の授業の時間みたい」
絵里「あ、うん」
真姫「絵里、どうせ暇でしょ?今夜は私の家に夕食食べに来なさいよ」
絵里「どうせ暇とか言わないで!暇だけど!」
真姫「じゃ、他にも人呼んどくから…また夜に」
絵里「うん…あ、授業頑張ってね」
真姫「えぇ、ありがとう」ウインク
絵里「……真姫はいつまでも変わんないわねぇ…妙にカッコつけなとこも…」 夜
絵里「…で、何?このメンツは」
真姫「何って」
にこ「BiBiよ」
絵里「……また、にこなのね…」チッ
にこ「なーんか嫌な音が聞こえたんだけど?」
真姫「あら、にこちゃんだけじゃ不満?」
絵里「これ以上ないほど十分よ」
にこ「ていうか絵里、希から聞いたわよ?スーパーのバイトの話!」
絵里「うっ」
真姫「何それ、私知らない」 にこ「なんでも?バックれて?そのまま辞めむごふぁ!?」
絵里「もういいからっ!真姫!私のお腹ペコペコなのよね!」グググ
にこ「ん゛ーっ!!ん゛っ!!」ジタバタ
真姫「はぁ…大体わかったから、もう放してあげて」
絵里「ふぅ」パッ
にこ「げっほぉ!!ごほっ!ごほっ…なぁにすんのよ!!」
絵里「私にも威厳があるのよ!後輩への威厳が!!」
にこ「ニートにそんなもんある訳ないでしょうが!!」
真姫「…まだちょっとは尊敬してるわよ」 真姫「じゃ、とりあえず食べながら色々話しましょう」コトッ
絵里「…………な、なにこの色とりどりの野菜は」
真姫「えっ?前菜だけど…」
にこ「…………」
絵里「…これ、お金取られない?」
真姫「何言ってんの、私が招待したんだし私が振舞ってんだからタダよ」
絵里「……に、にこ」
にこ「……私は感じてないわよ、育ちの差なんて」
絵里「………い、頂きます!…食べる時は頂きますで合ってるわよね?」
真姫「はぁ?他に何かあるの?」 絵里「…お、おいしいわ…」
真姫「ふふっ、前菜で美味しいって言われると嬉しいわね」
にこ「……うまいわね…」
真姫「もう少ししたらパスタ持ってくるわ。その後はホントはお肉が食べたかったんだけど…家に白ワインしかなかったから魚料理にしたの。」
絵里「…ま、真姫?なんで全部一緒に持ってこないの?」
真姫「え?だってお店で食べる時は順番に運ばれてくるじゃない」
絵里「………に、にこ」
にこ「らしいわよ、私は知らん」
絵里「…そ、そうよね」
真姫「最近料理にハマってるとは言え、1人で作るのは結構大変だったわ」
絵里「…真姫はにこに料理を習ってるのよね?という事はこの料理もにこから…」
にこ「…私が真姫に教えてるのは日本食だけよ」
絵里「…じゃ、じゃあ真姫、この前菜とか、これから出てくるパスタとかは…」
真姫「独学よ」
絵里「……ヒョエー…」 1時間後
絵里「…なんて幸せな時間だったんでしょう…」
にこ「……見事ね、真姫…」
真姫「ふふっ、ありがとう。じゃあデザート持ってくるわね」
絵里「で、デザートまであるの!?」
真姫「えぇ」
絵里「…真姫の家って、三ツ星レストランなの…?」
真姫「もう、お世辞が過ぎるわよ。じゃあ持ってくるからちょっと待ってて」
絵里「……に、にこ?」
にこ「…経済格差を感じるわ」
絵里「真姫って…やっぱり…」
にこ「住む世界が違うわね」 真姫「コーヒーも入れてきたわよ、はい」
絵里「あ、ありがとうございます…」
真姫「…で、絵里の仕事の件なんだけど」
絵里「へ?仕事?」
真姫「え?」
にこ「絵里、ここに来た目的を思い出しなさい」
絵里「……はっ…料理があまりにもあまりにもって感じで完全に忘れてたわ…」
真姫「……私の友達のツテで回ってきた仕事なんだけど…まぁ見てもらった方が早いわね、これ」 絵里「どれどれ…う、ウエディングドレス?」
真姫「それだけじゃないわ。めくってみて」
絵里「…今度は浴衣?」
真姫「それを絵里が着るの」
絵里「…つ、つまりどういうこと?」
真姫「モデルよ」
絵里「…もでる?」
にこ「…なるほどねぇ…絵里、スタイルいいしいいんじゃない。写真撮られるだけだし」
真姫「この雑誌のモデルやってる友達がいてね、私も誘われたんだけど…医学部ってバイトしてる暇無いくらい忙しくて、断ろうと思ってたの」 絵里「そ、それを私が…やっていいの?」
真姫「えぇ。絵里なら私よりスタイルも良いし、顔も良いんだし文句ナシよ。にこちゃんだったらわかんなかったけど」
にこ「どういう意味よ」
真姫「そのままよ」
絵里「…で、できるかしら…私に…」
にこ「スクールアイドルの時嫌ほど写真撮ったでしょうが…それと一緒よ」
絵里「…で、でも私…」
真姫「大丈夫よ。なんなら初日はにこちゃんが付き添ってくれるから」
にこ「は、はぁ!?なんでにこが…」
絵里「…なら、挑戦してみようかしら」
真姫「頑張りなさいよ」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
数日後
絵里「…き、緊張するわ…」
にこ「結局私まで…はぁ…」
アキバレポーター「あれ?あなた達は…μ'sの…」
絵里「…?」
アキバレポーター「あー!!絢瀬絵里ちゃんと矢澤にこちゃん!!」
絵里「???」
にこ「…うるさいわね…」
アキバレポーター「どうしてここに居るんですか!?もしかしてアイドル活動復帰!?」
絵里「…に、にこ、この人誰?」
にこ「…スクールアイドルのイベントでレポーターやってた人よ」
アキバレポーター「それともなんですか!?モデルデビューとか!?」
絵里「…あ、えっと…」
にこ「絵里が今からモデルやんのよ」
絵里「ちょ、にこ…」
アキバレポーター「な、なんですと!?そういう事でしたら今回の撮影、気合入れさせます!!」
絵里「え、あ、あの…」
アキバレポーター「オラァ撮影班!!1番良いの使ってよ!!今日の撮影は歴史に残るぞォ!!!」
絵里「……なんか、大事になってる気がするんだけど…」
にこ「ていうかあいつなんでここにいるのよ」 アキバレポーター「今回着て頂く衣装はコレです!!」バーン
絵里「…出たわね…丈の短いウエディングドレス…」
アキバレポーター「最高の写真撮らせますんで!是非お願いします!!」
にこ「ほら絵里、さっさと着せてもらいなさいよ」
絵里「…うん…」
アキバレポーター「うひゃー!μ'sの絢瀬絵里が復活!事件になるぞ〜!」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
真姫「それで、出来上がったのがコレと。https://i.imgur.com/YOYwsXc.jpg
」
海未「いいじゃないですか絵里!」
ことり「うん!すっごく可愛いよ!!」
穂乃果「て、天職だよ絵里ちゃん!!」
絵里「ふふっ。なんでも私の写真が載った月の号は売り切れ続出らしいわよ」
にこ「まぁあんだけμ'sの絢瀬絵里が復活!なんて宣伝されちゃあそうでしょうねぇ…ついでにニコも撮ってくれても良かったんだけど」
真姫「で、どうするの絵里」
絵里「え?どうするって?」
真姫「続けるの?」
絵里「え?何を?」
真姫「え?」
絵里「え?」 海未「…えっと、絵里?モデルは続けるのですか?続けないのですか?」
絵里「うーん…よくわかんないわ。あの後今度はこれの撮影どうですかみたいなお誘いはたくさん来るんだけど…」
ことり「じゃあそれ引き受ければいいんじゃ?」
絵里「うーん…」
穂乃果「…何か問題があった、とか?」
真姫「…まぁ、モデル業界はセクハラとか多いって聞くし仕方ないかもしれないわね」
絵里「…うーん…そういう訳じゃないのよ…」
にこ「……絵里、ハッキリ言ってやりなさい」
絵里「……正直…正直言うとね?」
絵里「…ぶっちゃけ働きたくないわね」 海未「…………」
真姫「…………」
ことり「………え、絵里ちゃん…」
にこ「…そんな事だろうと思ったわよ…」
絵里「…なんかねぇ…働いてみて分かったのよね。私働くの向いてないわ」
穂乃果「…ちょ、ちょっと待ってよ!!じゃあ絵里ちゃんこれからどうするの!?」
絵里「…わかんないわ」
穂乃果「わかんないって…」
真姫「…稀にこういう人はいるのよね。働く事自体性にあわないって…」
絵里「健康で文化的な最低限の暮らしがしたいわ」
海未「終わってるじゃないですか」 前作の酒パチンコで堕落して肉ダルマになったことりちゃんのも読みやすかったし超面白かった
期待 絵里「というわけで皆には迷惑をかけたわ。ごめんなさい」
海未「ちょっと待ってください!あなたは本当にそれでいいんですか!?」
絵里「海未、いいのよ…そもそも働いてないからなんだって言うの?」
海未「え?」
絵里「働いてたら偉いの?それは違うわ。私は私なんだから、周りと比べてどうかなんて無粋なのよ」
絵里「私は私の道を生きるわ。それが例え無職で、周りから揶揄されても…それがきっと正しいのよ」
にこ「……」
真姫「……」
絵里「…だから、私は無職として生きるわ」
穂乃果「……」
海未「……」
ことり「……」
絵里「じゃあ、私は家に戻って亜里沙の帰りを待つことにするわね。それじゃあ皆、またね」
ガチャッ
バタン 海未「……どう、しますか」
真姫「……どうしようもないわよ」
穂乃果「…絵里ちゃん、完全に悟ってたよ…」
にこ「ああなったらもう終わりね、誰の言葉も届かないわよ」
ことり「…絵里ちゃん…これからどうするつもりなんだろう」
真姫「…や、やっぱり説得して考え直してもらうしかないわよ」
海未「あの状態で耳を貸すとは思えません…」
真姫「…じゃあ他にどうしろって言うのよ!?」
にこ「ほっときなさい」
真姫「…でも」
にこ「いいのよ、ほっときなさい」
にこ「絵里ならきっと道を見つけるわ」 絢瀬家
絵里「亜里沙、ただいま。遅くなってゴメンね」
亜里沙「お姉ちゃん!!」グワッ
絵里「わっ、ど、どうしたのよ」
亜里沙「これ!!」
絵里「あぁ…亜里沙も買ったのね、その雑誌…」
亜里沙「どうして教えてくれなかったの!?お姉ちゃんモデルさんになったんでしょ!?」
絵里「…それがね亜里沙。それは色々あってお手伝いしただけで、私がモデルになった訳じゃないのよ。」
亜里沙「あ、そうなんだ…でもお姉ちゃんならきっとこれをきっかけにスカウトされるよ!」
絵里「ふふっ、そうかもね」
亜里沙「楽しみだなぁ、お姉ちゃんがモデルさんになるかもしれないんだ〜」ルンルン
絵里「……」 絵里「……さて、ただいま私の城」ゴロン
絵里「…ふぅ……なんかこうやって自室のベッドに何も考えずに入るのも久しぶりね…」
絵里「…………」
絵里「………やっぱり働くなんて私には無理ねぇ…」ゴロゴロ
絵里「…YouTubeみるか」 『…!!……!…!!』
絵里「…あっ、ちょっと!なんでそこで必殺技使わないの!?」
絵里「何よこいつ…このリズムRPG上手い雰囲気出しといて全然上手くないじゃない!!」
絵里「こんなんなら私の方が上手いわ!!…ちゃ、チャンネル登録者30万人もいるの!?」
絵里「…………」
絵里「……いやいや、私がネット配信なんてしても………」
絵里「…………」
絵里「……」
絵里「…もしもし!?希ぃ!!!」
希『ど、どうしたんえりち』
絵里「パソコン持ってる!?」 数日後
絵里「…っと、はい勝ち。」
『うまい』『うっま』『お上手ですね』
絵里「じゃあお腹空いたし今日は終わるわ」
『またこんど』『ほなまた』
プツン
絵里「…………ふぅ…」
絵里「チャンネル開設からそろそろ1週間…登録者5万人…生放送の投げ戦でもう15万円は稼いだわ…」
絵里「……………いける」
絵里「私、これなら食っていけるわ!!!!!」 絵里「ということで、ネット配信で生きていくことにしたわ」
にこ「………」
希「………」
絵里「…何よその目は」
にこ「ばっっっっっっかじゃないの!?」
絵里「な、なんでよ!?」
希「えりち!!インターネットは危ないんよ!?危険なんよ!?えりちがネット配信なんてしたらどうなるか…」
絵里「わ、私だってネットリテラシーくらい…」
にこ「大体そんなのすぐ飽きられるかもしれないし、そのサイトが終わったらどうすんのよ!?」
絵里「そこは…まぁその時どうにかするわよ」
にこ「かーっ!!絵里がこんなにアホだとは思ってなかったわ!!」
希「だ、大体チャンネル作って数日でそんなに人が集まるってどういう事なん!?」
絵里「いやぁ、ファッション誌の時もそうだったけど、『元μ'sの絢瀬絵里です』って言っとけば人が寄ってくるのよね」
にこ「んなっ…」
希「ぁ……あぁ……」
絵里「…え、何?」
にこ「ネットリテラシーの欠片もないじゃない!?」 にこ「最初からフルスロットルで個人情報公開してどうすんのよ!?」
絵里「だ、だって!そうじゃなきゃ人来ないし…お金が」
希「え、えりち!悪いこと言わんからもうやめよう!?な!?」
絵里「で、でも、ゲームしてるだけでお金貰えるし…」
プルルルルル
にこ「…誰よこんな時に……もしもし?」
花陽『にこちゃん!!絵里ちゃんがゲーム配信始めたって本当なの!?』
にこ「…ちょうど今本人とその話してたとこよ…」
花陽『ほ、ホントだったんだ…なんか色んな所で噂になってるみたいで、朝から大学で絵里ちゃんの事たくさん聞かれて困ってるんだぁ…』
にこ「…そ、そんなに話題なの?」
花陽『うん…普段ゲーム配信見ないような若い女の子が見てるみたいで、すごい流行ってるみたいだよ』
にこ「………」チラッ
絵里「…フフン」ドヤァ
にこ「…花陽、後でかけ直すわ」ピッ
希「花陽ちゃん、なんて?」
にこ「希、今から絵里の家に行くわよ」
絵里「うえぇ!?なんで!?」 希「なんでなん?にこっち」
にこ「私たちの前で絵里に配信してもらうのよ、この目で確かめてみて、大丈夫そうなら…続けさせましょう」
絵里「ちょちょ、ちょっと待ってよ!いきなり家に来られるのは、難しいかなあというか…」
にこ「どうせ部屋が散らかってるんでしょ?いいわよそのくらい…」
希「えりちは掃除が苦手やもんね」
絵里「うぐ…」
にこ「ほんとに絵里に人気が出てそれで食べて行けそうな雰囲気なら私たちは応援する、でもダメそうなら反対するわ」
希「…というか、ダメそうならウチのパソコンを返してもらいます!」
絵里「…まぁいいわよ、私ゲームには自信あるし」
にこ「今どき中学生でもそんかセリフ吐かないわよ」 絵里の家
絵里「…じゃ、じゃあやるけど…」
にこ「私たちがいる事は隠しなさいよ」
希「普段通りにやってな?」
絵里「……ご、ごほん…」ポチッ
絵里「あー、あー…聞こえる?」
『こんにちは』『聞こえる』『ほんとに絢瀬絵里?』
にこ「始めた直後から結構人来るわね…」
希「…えりち、大人気やん」
【1万円:絵里さんずっとファンです!頑張ってください!】
絵里「あら、1万円もありがとう」
にこ「なっ」
希「」
絵里「それじゃ今日もスクスタやるわよ!」
『いいね』『いくぞ』『やるお!?』
にこ(…の、希…あの絵里の反応…)
希(えりち…もう投げ銭で1万円貰うのが当たり前みたいな反応しとる…) 1時間後
絵里「よーし、今日はこのくらいにしとくわ」
『お疲れ様でした!』『ひん』『エリーチカさいこー!』
絵里「じゃあまたね」
プツン
絵里「…ふぅ、どうだった?結構いけそうでしょ?」
にこ「」
希「…に、にこっち、にこっち、終わったよ」
絵里「…に、にこ?どうしたの?」
にこ「…え、絵里…あなたこの1時間で…いくら稼いだの…?」
絵里「3万円ね」
にこ「時給3万円」
にこ「」
希「ちょ!にこっち!しっかりして!!」
絵里「え、ちょ、にこ!?」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
希「…という事になってるんよ…」
にこ「時給3万円…時給3万円…」
海未「それでにこがこの調子なのですか」
穂乃果「にしてもすごいねぇ、絵里ちゃん、ゲームでひと山当てるとは…」
ことり(ことりもゲーム配信でお金稼げばよかったかもしれない…)
希「で、えりちはもうネット配信で生きていく気マンマンなんよ」
海未「…まぁ、いいんじゃないですか?何もしないよりはマシだと思いますし」
穂乃果「…うん、きっと絵里ちゃんなら大丈夫だよ」
にこ「時給3万円だしね」
ことり「に、にこちゃん…」
希「…結局えりちは働かず、かぁ…」 海未「就職…ではないですが、一応仕事…いや、仕事でもないですね……アルバイトでもない…」
ことり「…確かに、よく考えたらネット配信ってなんなんだろう」
穂乃果「…趣味じゃないかな?絵里ちゃんは趣味で食べて行くつもりなんだよ」
希「…なんかそうやって考えると…響きが悪いね…」
にこ「…でも時給3万円よ…」
海未「3万円積み重ねていって、いつか大金持ちになっているかもしれませんし…まぁ多分これでよかったんでしょう」
ピンポーン
ことり「あ、噂をすれば来たんじゃない?今いきまーす」
ガチャッ
絵里「お邪魔するわね、ことり」
ことり「うん!あがってあがっ……え、絵里ちゃん?それはなに?」
絵里「ん?あぁ、私が自分で稼げるようになったお祝いに皆で食べようと思って…」
絵里「なんか10万円くらいする牛肉買ってきたのよ」
ことり「……………え、絵里ちゃんは…まさか…」
絵里「うん?」
ことり「お金が貯められない人!!!!!」 希「そう!!!!それや!!!!!」
絵里「うわっ、な、何よ希まで」
にこ「そうよ!!!!絵里はズボラなのよ!!!!!」
絵里「な、なんなのよ」
海未「え、絵里…ひとまず職?が見つかっておめでとうと言いたいのですが…その、失礼ながら貯金は…」
絵里「ちょきん?どうして貯金しなきゃいけないの?」
海未「」
穂乃果「え、絵里ちゃん!!!そんな散財してばっかじゃダメだよ!!」
絵里「だ、だってお金は使わなきゃ…」
ことり「絵里ちゃん……」 エリーチカ様が谷間を作って実況するだけで月300万は稼げますわ! 海未「まさか、稼ぎにアテができたら次は散財に走るようになるとは…」
絵里「で、でも、おいしいと思うわよ?このお肉…」
海未「そういう事ではありません!!」
希「えりち、もうしっかりした社会人になる気はないん?」
絵里「えぇ〜…だって配信で食べて行けるし…」
希「…まぁ、そうやんなぁ」
にこ「絵里、ハッキリ言うわ…もっと社会常識を身につけなきゃダメよ」
絵里「……で、でも、家の中でネット配信してたら…」
穂乃果「絵里ちゃん…」
ことり「絵里ちゃん……」
絵里「うっ…ううぅ…」 にこ「絵里、いい?ブームなんて一過性の物なのよ」
絵里「…うん」
にこ「もしあなたの人気が廃れたらもうその時点でおしまいなの。わかる?」
絵里「…わかる」
にこ「その時のために貯金は大事なのよ」
希「それに、もしそうなって今度こそ就職するってなった時に…ずっと家に引き篭ってゲームでお金稼いでましたとは言えへんやん」
穂乃果「そうだね〜、やっぱり絵里ちゃんアルバイトとかしたら?」
絵里「…で、でもぉ…」
海未「絵里、アルバイトと掛け持ちでネット配信をしなさい。」
絵里「でもアルバイトは…」
希「じゃなきゃウチのパソコン返して貰いますっ!」
絵里「そんなぁ…」 花陽「話は聞かせてもらったよ!!」
絵里「花陽!?どうしてここに!?」
花陽「皆が集まってる所なんてことりちゃんの家しか思いつかなかったから…」
ことり「は、花陽ちゃん?勝手に入るのはやめようね?」
花陽「絵里ちゃん!私とお米を一緒に育てよう!」
絵里「ま、またその話?私体力に…」
凛「絵里ちゃんは農作業がダルいだけにゃ」
絵里「だっ、違うわよ!!ていうか凛もなんで普通にいるのよ!?」
真姫「私もいるわよ」
穂乃果「全員集合だね〜」
希「さて、えりちの働き先会議やね」 社会人になってもここまで親身になってくれる友達が8人もいる時点で勝ち組ですよ 真姫「私の中じゃとっくに答えは出てるんだけど」
にこ「ほう、聞こうじゃない」
真姫「ネット配信は人気が命。そうでしょ?だったら普通のバイトじゃダメなのよ。ましてや農作業もダメ」
花陽「絵里ちゃんと一緒にお米作りたかったなぁ…」
海未「つまり絵里はどうすればいいと?」
真姫「やっぱりモデルよ」
絵里「あ…」
希「なるほど!モデルなら若い子達がえりちのファンになって」
ことり「その子たちが配信に来てくれたら絵里ちゃんは今より人気が出るんだ!」
穂乃果「さすが真姫ちゃん!」
真姫「ふふ。でっしょー?」
海未「確かにモデルなら、仕事!って感じもしませんし…絵里は前のファッション誌で才能がある事がわかってますし」
凛「決まりだね!絵里ちゃん!」
絵里「…まぁ…確かに1番の手かも…」 真姫「でも絵里、よく聞いて」
絵里「え?何?」
真姫「…私の見立てだと多分、絵里はモデルもネット配信も両方成功するわ」
絵里「え、えぇ〜?そうかしらぁ?」クネクネ
凛「気持ち悪い」
真姫「いずれあなたがどっちの仕事に専念するか選ぶ時が来ると思うの」
海未「…なるほど、確かにいつまでも掛け持ちなんてできないでしょうし」
絵里「…そうね。」
真姫「いい?将来どっちを選ぶか考えておくのよ」
絵里「えぇ…ありがとう、皆」
花陽「頑張ってね絵里ちゃん!」
凛「こうして絵里ちゃんはモデル活動を初めて、ネット配信も順調に人気を上げていったにゃ。」
凛「忙しい日々はドンドン流れていったにゃ。ことりちゃんは留学。海未ちゃんはこっちに帰ってきて、穂乃果ちゃんはお店を継いで…」
凛「真姫ちゃんはお医者さんになってお父さんの病院で働き始めたにゃ。かよちんはオリジナルブランド米の「はなよ」が日本中でブームになって大金持ちになって、凛の自慢の幼馴染!」
凛「凛は日本を代表する陸上選手になったにゃ」エッヘン
凛「そうこうしてたら時間は流れて…絵里ちゃんは29歳になったにゃ」 なんか最近そんな設定のえりちを見た記憶ありますねぇ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【仕事辞める枠】4.8万人
『うおおおおぉおおおおおおおおおおおおお!!!』『エリーチカ!エリーチカ!エリーチカ!』
絵里「という事で今からモデル辞めるわ」
『やめちゃうの?』『やめないで』『ひん』
絵里「仕方ないのよ、配信忙しくなってきたし…モデルよりこっちの方がお金稼げるし」
『本音出てますよ』『亜里沙も見てます^^』『モデルやめるな』
絵里「んじゃ事務所にメール送るわね」
カタカタカタカタカタカタカタカタ
『タイピングはっや』『本物のタイピング』
ッターン!
絵里「よし…送ったわ。やめてスッキリしたわねぇ…モデルやってるとお偉いおっさんがセクハラしてきてほんとにキモかったのよ」
『ここ同人誌』『エリタマ!?』 >>106
やめてくれカカシ、その術は俺に効く。
やめてくれ。 『そろそろ予報始まるぞ』
絵里「あ、もうそんな時間なんだ…テレビつけるわ」ピッ
希『皆さんおはようございま〜す。お天気キャスターの東條希です!』
絵里「頑張ってるわねぇ〜…ポテチうま」ボリボリ
『のぞかわ』『百合』『東條だああああああああああ』
希『週末はところどころ雪が〜』
絵里「希は成功したわねぇ…最近テレビに引っ張りだこじゃない」
『でもお前の方が金は稼いでるぞ』『そのジャージスクフェスのやつか?12年も着てるのか?くさそう』
絵里「そりゃあ私の方が稼いでるかもしれないけど…やっぱ希はすごいわよ……お茶うま」ズズズズ
【1万円:モデルやめてもメイク動画出してください!】
絵里「おっ、ありがとね〜、後で撮って夕方にあげたげるわよ」
『ファンサの鬼』『視聴者参加型番組ですか?』『金で釣られるなんて安い女だなぁ!?』
希『それじゃあ今日の占いのコーナー!今日は…星座で占うよ〜?』
絵里「おっ、さそり座1位にしてよ希…」
希『今日の第1位!…さそり座のアナタ!!』
絵里「っしゃあ!!投げ銭待つわ」
【5000円:八百長はよくない】【 1万円:放送前に東條に頼んだってマジ?】【5万円:コメントなし】
絵里「素直ねぇアンタら…」 希『それではっ!今日の占いコーナーでした〜!またねー』フリフリ
絵里「またね〜」フリフリ
『ノシ』『ノシ』『のんかわ』『東條希は絢瀬絵里のカキタレ』
絵里「よーし、今日も1日張り切っていくわよ…今日やるゲームは…これ」
【ラブライブ!スクールアイドルパラダイス】
『あ』『まずい』『gm』『やめろ』『やめてくれ』『それやるなら投げ銭返せ』
絵里「当時貰ったのに1度もやらなかったのよね、たまたま見つけたからやるわ」
『ひえ』『やめろマジで』『コメント読め』
絵里「楽しみねぇ!」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その頃 料亭矢澤
にこ「ふぃ〜、こころ、小太郎。仕込み終わった?」
こころ「終わりました!」
小太郎「終わった」
にこ「よーし。ここあ、シャッター開けてきて」
ここあ「了解!」
ガラガラガラガラ…
ここあ「う、うわぁ…」
にこ「どうしたの…うわっ」
こころ「今日も並んでますねぇ…」
にこ「こ、ここあ…整理券配ってあげて…」
花陽「にこちゃ〜ん」
にこ「あ、花陽…お米運んで来てくれたの?」
花陽「うん、仕事ですから!…って、今日それだけじゃないんだ」
にこ「?」 にこ「え、絵里ったらモデルやめたの!?」
花陽「うん、今朝生放送で辞めてたよ」
にこ「…はぁ…配信1本で食っていく気なのね…」
花陽「モデル業界、大変だったんだって。それでもちゃんと今まで続けてきたんだから偉いよ」
にこ「…まぁ…それは確かに偉いんでしょうけど…なんか勿体ないわよねぇ」
花陽「でも配信の方がお金稼げるらしいし…」
にこ「えっ、そうなの?絵里ってあの雑誌のトップモデルだったじゃない」
花陽「うん、でもそう言ってたよ」
にこ「…前から気になってたけど…配信ってそんなに稼げるのね…」 花陽「あはは、もしかしたらにこちゃんのお店より稼いでるのかも」
にこ「…だとしたら情けないわ…頑張ってここまで大きくしたのに…」
花陽「わっ、ば、バカにしたわけじゃないよ!?」
にこ「わかってるわよ」
花陽「にこちゃんも凄いよ!だってこんなにお客さん並んでるし…」
にこ「口コミの力ねぇ…希にテレビで紹介させたらその日から大繁盛よ。こっそり全品100円値上げしても誰にも何も言われないわ」
花陽「いいなぁ、私も久々ににこちゃんのお料理食べたいな」
にこ「あら、なら今度食べに来なさいよ」
花陽「いいの!?」
にこ「えぇ…ちょっと相談もあるのよね」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2時間後
絵里「……」
『俺達は止めた』『至極当然の結果ですわ』『しゃあない』
絵里「…な、何よこのクソゲー……オマケのフィギュアが1番クオリティ高いじゃない…」
『フィギュアくれ』『スクスタに課金しよう』『無料のスクフェスの方が面白いgm』
絵里「…やめよやめ。希の占いが外れたわね。私は今世界で1番絶望してるわ」
『八百長占い』『出来占い』 プルルルルル
絵里「ん…ちょっとミュートするわ」
『ひん』『聞かせろ』『男か?』
絵里「もしもし?」
花陽『もしもし絵里ちゃん?今日の夜空いてる?』
絵里「今日?今日は……」チラッ
【放送予約:神様と運命革命のパラドクスやる19時~】
絵里(クソゲーでしょどうせ…)
絵里「…今日は暇ね」
花陽『よかったぁ!にこちゃんのお店でご飯食べようよ!希ちゃんも呼ぶね!』
絵里「えぇ、いいわよ」
花陽『それじゃあまた後で連絡するね!』
プツン
絵里「…放送予約消しとこ…」ポチッ
絵里「ただいま」
『おかえり』『お前今日の放送予約消したろ』『やあ』
絵里「気づくのはっや」 夜
にこ「いらっしゃい…なんか聞いてた人数より多いんだけど」
凛「にこちゃんの手料理をタダで食べられるなんて来るに決まってるよ!」
にこ「とんでもない乞食精神ね…」
真姫「私は暇だったから」
希「ふーん?真姫ちゃん、誘ったらあんなに嬉しがってたくせに」
真姫「うっ、うっさいわね!」
絵里「それで?なんの集まりなの?」
にこ「色々考えてる事があってねぇ…」 希「その前にウチ!ウチから話したい!」
にこ「なっ、なによ」
真姫「テレビではあんなにお淑やかなのに実物はうるさいわねぇ」
凛「希ちゃんは昔からうるさいスイッチの切り替えがハッキリしてて面白いにゃ」
花陽「ふっ、2人とも…」
希「そこお黙り!実は重大発表があるんよ!」
絵里「発表?…まさか…」
にこ「……29歳…お天気キャスター……いやいや、まさか」
真姫「………なるほど、ついにμ'sから1番手が出るわけね…」
花陽「のっ、希ちゃん//」
凛「え?なんの話?」 希「なんと!私、東條希は…」
希「来月で仕事辞めま〜す!」
凛「うおおー!!結婚おめ…あれ?」
希「え?」
にこ「え?」
希「え?」
絵里「…えっと…え?」
花陽「な、なんでお仕事やめちゃうのぉ!?」
真姫「もったいないわね」
希「いやぁなんか疲れちゃって…天気予報ってあんまり面白くないやん?」
にこ「こ、こいつ…何言ってるの?」 希「だからさぁえりち〜」
絵里「な、何よ」
希「ウチにもネット配信のやり方教えてくれん?」
絵里「なっ…なんでよ!?」
真姫「なんでそんなに嫌そうなのよ」
絵里「嫌に決まってるじゃない!希が配信始めたら大きな敵よ!?」
希「大丈夫大丈夫、えりちとは時間が被らんようにするから」
絵里「で、でも…」
にこ「実はにこもそれで悩んでるのよね」
花陽「…えぇ!?」
凛「え?にこちゃんも結婚?」
真姫「アンタはちゃんと話についてきなさい」 にこ「料理…疲れちゃって…ここまで大きくしたし、後は兄妹に任せて私は好きなことしようかなって思ってんのよね」
花陽「そ、そうなんだ…」
絵里「で?にこも配信始めるの?」
にこ「…正直ちょっと悩んでるわ」
絵里「まぁ別ににこなら脅威にならないしいいわよ」
にこ「ぬわあんでよ!?」
真姫「絵里がモデル辞めたのもそうだけど、上級生組は退職が流行ってる訳?」
希「まぁ成り行きやね」
にこ「わ、私は休職!!いざとなったら戻るから!」 絵里「…ま、いいんじゃないの2人とも…やりたい事やるなら」
希「おっ、さっすがえりちは悟ってるねぇ」
絵里「…私は働くのに向いてないから配信始めたんだし、生き方なんて人それぞれよ。実際それで食えてるんだし」
花陽「…まぁ、そうだね。やりたい事で生きていくのが一番だよ」
真姫「そうね。私は応援してるわよ」
凛「凛も応援してるよ!絵里ちゃんの動画みたいに、希ちゃんとにこちゃんのにもいっぱいコメントする!」
絵里「あら、凛は私の放送見てるの?」
凛「うん!よく荒らしてるよ!」
絵里「は?」 凛「こうして3人は思い思いのやり方で生きていく事を決めたにゃ」
凛「働きたくなくても、きっとやりたい事がどこかにあるはず…夢を諦めちゃダメにゃ!」
凛「叶え!みんなの夢!」 Twitterに過去作まとめてます
@sstakoyaki2ch 乙
絵理と希はそれならに成功してるのに、にこは爆死なままなの草 自分を宇宙No.1アイドルと信じて止まない一般女性がお菓子とビールで優勝するにこ この3人ともそれぞれちゃんと能力あるから配信でも確実にやっていけるのいいよな 絵里ちゃんダメダメでも学生時代μ'sで頑張ってたから今があるし
それに比べて俺は... おもしろかったけど衛門っぽいコメントチョイスしてたのはきもかったわ 容姿50が普通100が上限だと絵里は100で希にこは80くらいのイメージ 絵里程の人気は出なそうなイメージ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています