梨子「ふぅ」

だけど今日は、掃除当番もあって、少し遅れちゃった。


お姉さん、帰っちゃったかな。

お互いに名前も知らない、毎日のピアノだけが唯一の繋がり。

一日でも途切れてしまうと、それが切れてしまう気がした。

その繋がりを、失くしたくなかった。

梨子「急がないと」

ショッピングセンターの中を、小走りで移動する。