梨子「レクイエム」
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M1
音楽室。
真姫「ラララー、ラララ――」
ふむ。
いいわね、なかなか。
今度の新曲、自然と良いメロディが浮かんでくる。調子がいいのかしら。
凛「ご機嫌だね、真姫ちゃん」
真姫「あら、分かる?」
凛「なんか『絶好調!』みたいな感じがするにゃ」 凛にばれるなんて駄目ね、私も。
先生に手伝いを頼まれた関係で花陽はいない。
今日は練習が休みだから、少し作曲の作業を進めようと思ったけど。
凛がついてきて、こうやっておしゃべりをしながらの作業。
凛「でさでさ、なにがあったの? 恋人とかできた?」
真姫「違うわよ」
凛「えー、恋が素直じゃないあの子を変えた! とかじゃないんだ」
真姫「なによそれ」
私はそんな、頭お花畑みたいなタイプじゃない。
真姫「ただ、面白い子と友達になれただけよ」 凛「へえ、どんな子なの」
真姫「まだ中学生だけど、音楽が好きなタイプでね」
凛「なるほどねえ。凛と違って気が合うと」
真姫「あなただって、気が合う――わけじゃないかも?」
凛「えー、酷いにゃー!」
じゃれついてくる凛。
真姫「もう、なによ」
凛「真姫ちゃんは凛のだからその子には渡さないよーって」
真姫「はいはい」 ピアノを弾くのは楽しい。
友達と過ごすのも楽しい。
だけど。
真姫「さて、私は帰ろうかしら」
凛「えっ、まだ早い時間なのに」
真姫「帰って勉強しないといけないから」
凛「えー、この前の定期試験もほぼ満点だったじゃん」
真姫「この学校の試験で満点でも、受験はそうもいかないでしょ」
親が私に求めているのは、トップクラスの医学部合格。
その為には必死に勉強する必要がある。
凛「勉強大変なんだね」
真姫「ええ」
二年生も半分が過ぎた。
スクールアイドル活動もあるけど、今の私は勉強一筋。
本当はこうやって作曲をする時間だって許されないぐらい。
そろそろアイドルは諦めて、作曲に専念した方がいいかもしれないような状態。
真姫「じゃあね、凛。花陽によろしく」
凛「うん、ばいばーい」
ましてや、遊びに行くなんて論外なはずなんだけど。 『今日は弾きに行く予定です』
スマホの画面に表示された文字。
真姫「少しだけ、行こうかしら」
ママには外で勉強してから帰ると連絡しておいて。
毎日のように、あの子の元に通う私。
ストレスやプレッシャーで潰れてしまいそうになった時。
ストリートピアノがあると聞いて、気分転換にと行った商業施設。
そこで出会った、四歳年下の中学生の少女、梨子。 綺麗な演奏をする子だった。
技術的には未熟。
ミスをするとすぐに顔に出るし、上手く弾けると笑顔になる。
だけど、聴き手を穏やかな気分にさせてくれる、そんな演奏で。
引き込まれた私は、自分の目的も忘れて聴き入ってしまったぐらい。
その後、毎日のように自然とその場所に足が向くようになり。
梨子も毎日、その場所でピアノを弾いていて。
時々、私が弾くこともあった。
連絡先を交換した――というか名前を知った時もそうだったっけ。
この前は連弾なんかして、いつもより人が集まってくるから梨子が恥ずかしがって大変だったり。 真姫「ふふっ」
学校へ行けばみんなと会える。
放課後も、梨子と楽しく過ごすことができる。
大変な日々だけど、楽しく過ごせていて。
このまま、変わらなければいい。
ずっと、この時間の中に居られれば。
ああ。
去年も、そんなことを考えたっけ。
変わらないな、私も。 スクスタ時空のりこまきも良かったけど
元音ノ木設定を活かせる年齢差りこまきはもっとイイよね ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています