桜坂しずく(27)
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元スレ
書こうとしてたら落ちてたので
しずくちゃんが将来アーティストデビューするとして
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ピピピッ
ピピピッ
ピピピッ
あなた「んん…………うるさいな」カチッ
あなた「ん、もう昼過ぎか……昨日何時に寝たっけ。いい加減昼夜逆転直さなきゃ」 + 8 1 0 5 3 − 1 4 5 − 4 9 0 0 あなた「テレビテレビっと。リモコンどこかな?」ガサガサ
あなた「あ、あった」ピッ
リモコンは無造作に散らばった雑誌と真っ白なノートの下敷きになっていた。
別に何を見るわけでもなくとりあえずテレビを付ける。
聞き流してもいいからテレビを付けると朝目がシャキッとするみたいなことを聞いたことがある。
もう昼だけど。
「今日のゲストは今大ブレイク中の桜坂しずくさんです!!」
しずく「どうも、桜坂です!」
あなた(綺麗だな……)
テレビには背もあの頃より少し伸び、チャームポイントの1つだったリボンも外して大人の女性となったしずくちゃんが映っていた。
あなた(いや、もうしずくちゃんなんて馴れ馴れしく呼べるもんじゃ無いか) 若くして数々のドラマや映画に出演する大人気女優となったしずくちゃん。
今やテレビで見ない日など無い。
超有名な作詞家と作曲家つけてもらえて、多数の音楽番組やイベントへの出演も確約されてる超好条件のアーティストデビューの話が来ているにもかかわらず、頑なに首を縦に振ろうとしないみたいだ。
アーティストデビューは嫌で、あくまで女優としてお芝居をしたいということだろうか。
あなた「ふふっお高くとまっちゃって。私ならどんな仕事でも喜んで引き受けるのに」
インタビューによるとしずくちゃんは自分が指定する作詞で意外は受けないと言っているらしいのだけれど。
そんなこと私には関係の無いことだった。 ピコン
あなた「ん?メールだ。仕事の依頼かな?」
あなた「なんて、こんな底辺ソングライターに依頼なんて──」
From:しずく
『お久しぶりです、先輩
先輩にお願いがあります
今夜"あのバー"で待ってます』
あなた「…………」
あなた「………………?」 ガララ
「…待ってましたよ」
テレビで死ぬほど見慣れていたはずなのに、綺麗になったしずくちゃんに、どうしようもなくときめいてしまった。 しずく「ふふっ、さっきまで寝てたんですか?」
あなた「え?」
しずく「だって、髪がボサボサですし、シャツもヨレヨレですよ」
あなた「あ……」
結局行くか行かないか散々悩んだ結果夜になってしまっていたので、慌てて家を飛び出したせいだ。 しずく「じっとしててください。シャツ直してあげます」フワァ
あなた「うわっ……」
あなた(めっちゃいい匂いする!)
しずく「はい、出来ました!髪は……ブラシ使います?」
あなた「いや、いいよ。桜坂さん」
しずく「桜坂さんだなんて、そんな他人行儀な……。あの頃みたいにしずくちゃんって呼んで下さい!あ、いっそしずくでも」
あなた「………しずくさん」
しずく「さんは付けるんですね。私あなたの後輩ですよ?」 あなた「だって桜坂さん毎日テレビで見ない日が無いくらいの大女優だし。日本で桜坂さん知らない人なんていないんじゃないかな」
あなた「そんな人に私みたいな底辺が呼び捨てなんて、恐れ多いよ」
しずく「底辺だなんてそんな──」
あなた「私一応ソングライターとして活動してるんだけど、活動名知ってる?」
しずく「っ!それは……」
あなた「ね、知らないでしょ」 あなた「別に気まずそうにする必要は無いよ。皆にも言ってないし、桜坂さんみたいな大物の耳に入るような活動だってとても出来てない」
あなた「最後に曲を提供したのもいつだったかも思い出せないや」
しずく「すみません。仕事が忙しくて中々他の方の曲を聴けていなくて……」 あなた「それより今日は何で私に連絡くれたの?」
しずく「あ、それはですね!」ゴソゴソ
あなた「?」
しずく「私がアーティストデビューの話を断っているのはご存知ですか?」
あなた「うん。インタビューで何回も言ってるよね。確か自分が希望した人の歌じゃ無いとデビューはしないって」
しずく「あれ、あなたのことです」
あなた「…………………」
あなた「え?」 しずく「これ、契約書です。ここに名前さえ書いていただければ明日にでも──」スッ
あなた「ちょっと待ってちょっと待って!!」
しずく「何ですか?」キョトン
あなた「そんな邪心の無い目で見られても困るんだけど……」 あなた「何で私なの?」
しずく「それ聞きます?私達スクールアイドル同好会のメンバーに曲を提供してくれていたのは一体誰ですか?」
しずく「私気付いたんです。私がほんとに歌いたいのは他の有名な人の曲じゃなく、やっぱり、あなたの曲なんだって。そう思ったらいても立ってもいられなくなって──」
ガタッ
しずく「どうしたんですか?」
あなた「帰るね」
しずく「えっ……」 しずく「待って下さい!」
あなた「しずくちゃん、私を買いかぶりすぎだよ。多分しずくちゃんが思ってる私はあの頃で止まってるから」
しずく「話を聞いて下さい!お願いします!」
バタン あなた「しずくちゃんに酷いことしちゃったかな……」
あなた「でも仕方ないよね。今の私がしずくちゃんにどんな顔して接すればいいっていうんだよ」
あなた「あ、お金払ってないや」スッ
あなた「……………ん?」
あなた「ていうか帰りの交通費足りなくない……?」 しずく「うぅ、先輩……」
ガララ
しずく「……!先輩!考え直してくれたんですか!?」
あなた「いや、なんというか。非常に申し上げにくいんですが」
しずく「……?」 しずく「あははは!先輩、財布にお金入れ忘れるなんてうっかりさんですね!」
あなた「いやぁ、入れ忘れたのはうっかりなんだけど。ぶっちゃけ飲んだりするお金も無かったりして……」
しずく「そんなに売れてないんですか?」
あなた「まぁね……今やソングライターなんて名ばかりでバイトでの収入が殆どだから」
しずく「安心してください。ここの料金と交通費くらい私が払います」
しずく「とりあえず5万円ほど渡しておきましょうか」スッ
あなた「そんなの受け取れないよ!!」
あなた「って言いたいところだけど、とりあえず今日の所は1枚だけ受け取らさせていただきます……」
あなた(後輩からお金貸して貰うとかいよいよ私クズじゃん) あなた「でもこれで分かったでしょ桜坂さん」
しずく「しずく」
しずく「って言ってくれなきゃお金は渡しません」
あなた「……しずくちゃん」
しずく「はい、どうぞ」スッ
あなた「私は今のしずくちゃんに相応しいような人じゃない。あの頃の私はもういないんだよ」
しずく「そんなこと無いです。先輩、これ見て下さい」 あなたちゃん...ちゃん?
性別どっちにもとれるな、好意の意味合いが変わるしどっちイメージだろ あなた「これは……」
しずく「こっちが先輩が最初に私にくれた曲、それにこっちが私と先輩が一緒に歌詞のキャラクターの設定から考えた曲」
しずく「他にも先輩がくれた曲、全部今でも大切に持ってます」
あなた「嬉しいな。今でも持っててくれてるんだ」
しずく「はい!だから先輩──」
あなた「でもしずくちゃん、過去に囚われてちゃだめだよ」
しずく「そんなこと言わないで下さい!あの頃の先輩があるから今の私があるんです!過去に囚われてなんていません!」
あなた「囚われてるよ!じゃなきゃ今の私にこんな契約頼んだりしない!!」バンッ
しずく「先輩……」 あなた「ホントに今のしずくちゃんはキラキラ輝いてる」
あなた「しずくちゃんだけじゃない。果林ちゃんは有名なモデルさんだし、せつ菜ちゃんは何回もアニメになってる人気ラノベ作家で声優も勤めてる」
あなた「他の皆も立派に職に付いて頑張って暮らしてる。それに比べて私は今も夢を捨てきれないでまともに職にも就いてないダメ人間」
しずく「もしかして先輩が同好会の皆と連絡を取ってないのって」
あなた「うん、今の私に皆は眩しすぎるから」
しずく「そんなこと言わないで下さい!皆きっと先輩に会いたがってます!」
あなた「そうかもしれない。同好会の皆は優しいから」
あなた「でも怖いんだ。今もキラキラしてる皆に会うと、自分が惨めになるような気がして」 あなた「これ、今の私が書いた曲。見てみて」スッ
しずく「これは……」
あなた「ね、酷いでしょ?あの頃に書いてた曲の10分の1の良さも無い。なんであの頃はあんなにいい曲が書けたのかな」
しずく「それはキラキラしてる皆を身近に見ていたからじゃないですか?」
あなた「え?」 あなた「確かに、言われてみればそんな気もする……」
しずく「どうですか先輩、もう一度みんなに会ってみませんか?」
あなた「みんなに?」
しずく「トキメキを思い出すんです!頑張ってるみんなに実際に会って、それで」
しずく「あの頃以上にもっと頑張るので、応援よろしくお願いします!」
あなた「応援……」
しずく「もちろん、とは直ぐに言ってくれないんですね」
あなた「ごめん」 しずく「どうします?連絡しづらいなら私からでも──」
あなた「いや、私から連絡するよ。そろそろ自分がどうしたいか考えなきゃいけないなって思ってたところなんだ」
あなた「それに私昔から実行に移すのは早いほうなんだよ」
しずく「ふふっ、知ってます」 しずく「それじゃあ先輩、もし気が変わったら私に連絡下さい。待ってますから」
あなた「うん」ニコッ
しずく「!」 しずく「先輩!」
あなた「え?」
しずく「今、いい笑顔してましたよ!」
あなた「そっ、そうかな……?」
しずく「はい!」
あなた(皆ともう一度話すのは怖いけど……)
あなた(頑張ろう) ※
以降虹メンバーが成長に辺り結婚していたりする描写があります。
男に拒否反応を示す方はご注意ください。 ーーーーー
「はいっ450円になります!」
「かすみちゃん大分お腹大きくなってきたけど、お仕事お休みしなくても大丈夫?」
「心配いりません!周りのサポートまありますし、パン作りは私が好きでやってることなので!」
「子どもが生まれたら子ども服いっぱい持ってくるわね!」
「うわ〜ありがとうございます!助かります〜!」
スッ
「あら、これ以上は後ろのお客さんに迷惑になるわね。それじゃあまたね。かすみちゃん」
「はーい!今後ともかすみんベーカリーをよろしくお願いしまーす!」
「次の方どう──」
「!?せ、せ、せ……」
あなた「久しぶり、かすみちゃん」 そこは男要素やめて欲しかったわ
別に普通にアイドルとかでもええやん
自分勝手だが最後まで読めないのが残念すぎる… 俺は特殊な訓練受けてるから大丈夫だわ
なんならあなたちゃんもほぼ男だと思ってる 何度も声優の結婚を味わってきた
声豚ヲタクにはかすり傷程度
続けたまえ このかすみちゃんはちゃんと妊娠できたんだね…うるうる つまんねiPhone生きていたのか
超大作ssを書くためにてっきり隠遁したものだと... かすみ(27)「せ……せんぱぁいぃぃぃ!!!!」ダッ
ギュッ
かすみ「うわぁぁぁぁん!!!せんぱぁい!!!」
あなた「うわっ、かすみちゃん!?」
かすみ「どこ行ってたんですかぁぁぁ!!!連絡も全然つかないし、滅茶苦茶心配してたんですよ!!」
あなた「かすみちゃん……」
あなた「ごめんね」ナデナデ
かすみ「うっ……うっ……」
かすみ「うわぁぁぁぁぁんんん!!」
あなた「あわわわ」
「おい、どうしたんだかすみ!」バッ
かすみ「せんぱっ、せんぱぁいぃぃぃ!」ギュゥゥゥ
「…………あなたは?」
あなた「あははは……」 「後は私が店番しておきますので、どうぞ2人でゆっくりしていって下さい」
あなた「ありがとうございます」
かすみ「ちょっ、私も店番するって!」
「お前はそんなグチャグチャの顔でステージに立つのか?」
かすみ「うっ……」
「閉店時間まで先輩待たすのも悪いだろ。それにお前お腹のこともあるんだから、今日はもう仕事休め」
かすみ「分かりましたよ……」ボスッ
あなた「やっぱりかすみちゃんは愛されてるんだね」
かすみ「そりゃあ超絶可愛いかすみんですから当然です!」 かすみ「…………って今言っても平気ですかね?痛くないですか?かすみんもうすぐ三十路なんですけど」
あなた「大丈夫、かすみちゃんは今でも可愛いよ!」
かすみ「ホントですか?流石先輩優しいです!!」
別にお世辞でもなんでもなく、かすみちゃんは今でもとっても可愛かった。
スラッと背が伸びて美人となったしずくちゃんとは対称的に、かすみちゃんはあの頃と比べちょこっと背が伸びたかな?といった程度でスタイルは殆ど変わっていない。
顔は寧ろあの頃より可愛くなっているような気もして、年相応の色気と相まって自然に周りも笑顔にしてしまうような力があるようだった。 かすみ「それで先輩!なんでずっと連絡くれなかったんですか!!」
あなた「あっ……」
かすみ「メールもメッセも送っても返信が帰ってこないし、家に行っても先輩はいない、步夢先輩や皆もどこに行ったか何をしているかも知らないって」
かすみ「どれだけ皆が心配したと思ってるんですか!!」
あなた「いや、それには色々訳があって……」
かすみ「私先輩に本気で怒った事なんて無いですけど、今回だけは本気で怒ってますからね!!!!」
あなた「ごめん……」
かすみ「まぁ、先輩もこうして無事だったことですし、とりあえずは許します」
かすみ「あんまり怒ってもこの子に悪そうですし」サスサス
あなた「お腹、何ヶ月なの?」
かすみ「6カ月です。触ってみます?」
あなた「いいの?」
かすみ「勿論ですよ!こんにちは〜って言ってあげてください!」 あなた「こ、こんにちは〜」ピトッ
ドンッ
あなた「わっ!」
かすみ「あ、今動きましたね!」
あなた「凄い……」
あなた「かすみちゃんも立派なお母さんか……」
かすみ「…………」
かすみ「ねぇ先輩、一体何があったんですか?何で皆から隠れるみたいに……」
あなた「うん、話すよ。話さなきゃいけないと思う」
あなた「でもその前に、かすみちゃんの今までも教えて貰ってもいいかな?」
かすみ「……分かりました。でも、ちゃんと後で先輩の事も教えて下さいね」
あなた「うん。分かってる」
かすみ「ごほん。えーと、まずどこから話そうか……」 かすみ「たしか先輩が最後に一緒にいたのって」
あなた「かすみちゃんが高校卒業する直前くらいだったかな」
かすみ「ですよね。高校の頃はちょくちょく顔を出したり、私達に合う楽曲を提供してくれてたりしてたのに」
あなた「…………」
かすみ「それで私、卒業後はバイトしながらアイドルのオーディション受けてました」
かすみ「確か2年目くらいだったかな。無事アイドルオーディションに受かりました」
あなた「そうだったんだ!凄いね、流石かすみちゃん!」
かすみ「受かったんですけど、人気も出ずに1年も経たずに解散しちゃいました」
あなた「えっ……」
かすみ「先輩本当に何も知らなかったんですね……」
あなた「あっ」 かすみ「アイドル活動が上手くいかない時だって、先輩に色々聞きたかったのに、先輩とは全然連絡つかないし!」
かすみ「ずっと私のことそばで見てくれるって言ってたじゃないですかぁ!あれは嘘だったんですか!?」
あなた「ごめん」
かすみ「謝らないでください……きっと先輩には先輩の事情があるって分かってますから」
かすみ「でも連絡が付かなくても、ちゃんと先輩は私のこと見てて応援してくれてると思ってました……」
罪悪感で胸が締め付けられる。
だから皆に会うのが嫌だったんだ。 男が入った瞬間拒否反応示す人多くてワロタ
見てるぞ頑張れよ かすみ「それからは見ての通りです。この町でパン屋さんを経営してます。美人で可愛い子がいるって結構ネットで評判なんですよ〜」
かすみ「それで私のこと本気で好きって言ってくれる人にも出会って、子どもを授かりました」
かすみ「ニブチンの先輩がモタモタしてたからですよ〜!かすみん他の人に取られちゃいましたけどよかったんですか〜?」
あなた「正直言うとちょっと寂しいかな。あの頃は私によく懐いてくれてたのに」
あなた「でももうかすみちゃんは自分の幸せを見つけたんだよね。やっぱり私はもう必要無いか……」
かすみ「そんなこと無いです!!」
あなた「かすみちゃん……?」 かすみ「旦那さんは大切な人ですけど、先輩も同じくらい大切な人です!!」
かすみ「先輩ならいつでも大歓迎です!!愛情たっぷりの特性かすみんパンをプレゼントしますから!」
かすみ「だから必要ないなんて、そんな悲しいこと言わないで下さい!!」 かすみ「よければ先輩のことも聞かせてください!私に出来ることなら何でもしますから」
かすみ「スクールアイドルをしていた頃はずっと先輩に応援してもらったんです。きっと今度は私が先輩を応援する番なんですよ!」
あなた「ありがとう、かすみちゃん」
あなた「でもそんな大層なことじゃないんだ」 あなた「卒業してからソングライターの仕事を始めたんだ。だけど高校生だったころよりいい曲が書けないことに焦って一年後、自分を追い込むために独り暮らしを初めて皆との連絡を取るのもやめたんだ」
かすみ「どうしてそんなこと……」
あなた「多分、皆に会うと甘えちゃうからだと思う」
あなた「かすみちゃんも分かってるでしょ?かすみちゃんが高校3年生になってから私が提供した楽曲は明らかに質が落ちてた」
かすみ「それは……」
あなた「なんて、優しいかすみちゃんが『確かにそうでした』なんて言えるわけないか」 あなた「私ね、あの頃皆の応援するのが、皆に楽曲を提供するのが好きだった」
あなた「あのトキメキを求めて今もずっとソングライターの仕事をしている」
あなた「でも駄目なんだ。一度もあの頃のようなトキメキは得られてない。それでもいつか取り戻せると信じて今の仕事にしがみついてるんだ」
あなた「そしてどんどんクオリティが低くなっていく私に仕事の依頼なんて来るはずも無く」
あなた「ソングライターとは名ばかりのフリーター生活をしてます。もう30手前なのにね」 あなた「幻滅した?」
かすみ「いえ、気持ちは分かります」
かすみ「私もあの頃のトキメキが忘れられませんから……」
あなた「それでもかすみちゃんはそれを過去にしてちゃんと別の夢を追ってる。私にはそれが眩しすぎて直視できないんだ」
あなた「それが皆を避けてきた理由」
あなた「ただ私が弱いだけ」 あなた「ねぇかすみちゃん、私はどうしたらいいと思う?」
かすみ「…………」
かすみ「先輩はどうしたいんですか……?」
あなた「分からない……」
かすみ「そうですか…………」 あなた「ごめん、変なこと聞いちゃって」
かすみ「いえ!私こそおバカだから気の利いたこと言えなくてすみません……」
あなた「もう帰るね、お邪魔しました」
かすみ「待って下さい!もう帰っちゃうんですか!?」
あなた「今の私がかすみちゃんの傍にいても迷惑なだけだよ」
かすみ「先輩!!」
あなた「ん?」
かすみ「今日は久しぶりに会えて、ちょっとですがお話しできて、とっても嬉しかったです!!」
かすみ「またいつでも来てください!!かすみんはどんな先輩でも大好きですから!!」
あなた「ありがとう、かすみちゃん。また来るね」 このあなたちゃん
エヴァの加持さんみたいに髭とか少し生えてるイメージが強い ー自宅ー
あなた「はぁ、疲れた……やっぱり体力消耗するなぁ」
あなた「結局答えは出なかったけど、ニジガクのメンバーは他にもいるし、とりあえず皆と会ってみよう」
あなた「きっと近いうちに答えは出るはず……いや、出さなきゃ行けないんだよね」 ー翌日ー
あなた「さて、今日は誰のとこに行こうかな」
あなた「んー」
あなた「あっ」
あなた「…………」 ーーーー
かすみ「ありがとうございました!今後ともかすみんベーカリーをよろしくお願いしまーす!」
ガララ
あなた「かすみちゃんいる?」
かすみ「うわっ!?思ったより早くまた来ましたね……てっきりもう来ないものかと思ってたのに」
あなた「いやぁ、それが」 かすみ「なるほど、他の皆がどこにいるか分からないと」
あなた「うん。かすみちゃんは分かりやすい店の名前だったから分かったんだけど」
あなた「家知らない子もいるし連絡して聞いて欲しいなって」
かすみ「それなら直接聞けば……ってそれが聞きにくいから私のところに来たんですよね」
あなた「ごめんね」
かすみ「このくらいお安いご用ですよ!でも有名になっちゃってる子もいますから会えるかどうかは分かりませんけどね。しず子とか」
あなた「しずくちゃんとは会ったよ」
かすみ「えぇぇぇぇぇ!!?本当ですか先輩!?」
あなた「実はかすみちゃんに会おうと思ったのもしずくちゃんと話したからだったり」
かすみ「まさか1番連絡取りづらそうなしず子ともう会ってたとは……流石先輩。今度私もりな子と3人でご飯誘ってみようかな」
かすみ「じゃなくて!皆の場所ですね」 かすみ「そういえば步夢先輩には連絡入れます?住んでる場所も変わってませんけど」
あなた「あぁ……步夢ちゃんはいいよ。家は覚えてるし、私から話しに行くから」
かすみ「分かりました。他の皆の分先輩のケータイにメッセ送りますね」
ピロン
あなた「ありがとう、かすみちゃん」
かすみ「えへへっ……」
あなた「どうしたの?」
かすみ「いえ、久しぶりに先輩のケータイにメッセージ送れるのが嬉しくて」
あなた「…………」 かすみ「あのあの!これからもメッセージ送ってもいいですか?」
あなた「……うん、いいよ」
かすみ「やったー!また先輩といっぱいお話しできます!!」
あなた「そんなに嬉しい?」
かすみ「当たり前ですよ!先輩のこと大好きなんですから!皆もきっと同じ気持ちです!」
かすみ「だから先輩、皆と仲直りして、一緒に美味しいものでも食べに行きましょう!!」
かすみ「それか彼方先輩に作って貰うのも良いかもしれませんね!かすみんもパン作り頑張っちゃいますし!」 かすみ「うふふふふ///楽しみです!」
あなた(やっぱりかすみちゃんの笑顔は素敵だなぁ)
あなた(こんな素敵な笑顔のかすみちゃんに恥じない人にならなくちゃ……) あなた「ありがとうかすみちゃん!それじゃあ早速行ってくるよ!」
かすみ「あの、先輩!このパンよかったら持っていって下さい!!」サッ
あなた「え、いいの?」
かすみ「もちろんです!その代わり……」
あなた「なに?」
かすみ「またそのうち、かすみんベーカリーに来てくれますか……?」 かすみ「その、皆の連絡先も聞いたし、ここに用が無くなったらまた来なくなるんじゃないかって……」
あなた「…………」
あなた「そうだなぁ。かすみちゃんのパンが美味しかったらまた来ようかな」
かすみ「それなら心配いらないですね!だって、かすみん達が作ったパンは世界一愛情のこもったパンですから!」ニコッ ーーーー
あなた(さてと、まずはここに向かうとして。かすみちゃんに貰ったパンを食べようかな)
ブー!ブー!ブー!
あなた(…………)スッ
着信
上原 步夢
ブー!ブー!ブー!ブー!
あなた(だよね) ブー!ブー!ブー!
ブー!ブー!ブー!
ブー!ブー!ブー!
ブー!ブー!ブー!
シーン……
あなた(はぁ……)
あなた「ごめん步夢ちゃん」 着信拒否にしないのは優しさか未練があるのか
まあ歩夢があなたちゃんに着信拒否なんてされたらどうなるか分かったもんではないが ーーーー
あなた「ここだよね」
カララン
「いらっしゃいませ。ご予約はしておりますでしょうか」
あなた「え?いや、してません」
「すみません。当店は只今ご予約していただいているお客様のみの受付となっていまして……」
あなた「あっ、そうなんですね。すみませんでした」
あなた(人気なんだな……) 「ふぅ……今日もつかれた〜。早く帰って晩御飯作らないと〜」
あなた「あ、出てきた!おーい、彼方さーん!」
「え……?え?あなた?」 ガチャッ
彼方「ただいま」
彼方「って、誰もいないんだけどね〜。どうぞ、入って?」
あなた「あれ、遥ちゃんは一緒じゃないんだね」
彼方「うん……遥ちゃんが大学に行ってた頃はウチで一緒に暮らしてたんだけど、働き出してすぐに『私自立するから』って巣立っていっちゃったのさ〜」
あなた「そうなんだ」
彼方「うん。喜ばしいことなんだけど、当時はもう大号泣で遥ちゃんにしがみついちゃったよ」
彼方「でも、妹離れしないとって我慢した……」
あなた「ちょっと意外かも。てっきり遥ちゃんとずっと一緒にいる、って言ってそうなのに」
彼方「むぅ。いくら彼方ちゃんでもそこまでは……でも遥ちゃんが言い出さなかったら多分ずっと一緒に暮らしてたと思う」 彼方(29)「そういえばあなた晩ご飯はもうすませた?」
あなた「そういえばまだだったよ。彼方ちゃん夢中で待ってたから」
彼方(29)「せっかくだからあなたにも彼方ちゃんの手料理をご馳走するよ〜」
あなた「え、いいの!?もう夜中だし大変じゃない?」
彼方(29)「気にしなくていいよ〜。1人分増えたところでそんなに変わらないし」
あなた「おお!……でももう夜中だし大変じゃない?」
彼方(29)「それも大丈夫!毎日勉強も兼ねて作ってるから」
彼方(29)「それに、あなたに成長した彼方ちゃんの料理食べて欲しい」
あなた「そういうことならお言葉に甘えて……」 >>110
ほんとだ 多分さっきのんだ酒のせいかな
訂正するわ >>109
彼方(29)「そういえばあなた晩ご飯はもうすませた?」
あなた「そういえばまだだったよ。彼方ちゃん夢中で待ってたから」
彼方(29)「それじゃあ、せっかくだからあなたにも彼方ちゃんの手料理をご馳走するよ〜」
あなた「え、いいの!?」
彼方(29)「気にしなくていいよ〜。1人分増えたところでそんなに変わらないし」
あなた「おお!そういうことならお言葉に甘えて……」
彼方(29)「うん、あなたに成長した彼方ちゃんの料理食べて欲しい!」 彼方ちゃんの大人姿割と想像出来そう
髪型希ちゃんとか果南ちゃんのお母さんスタイルにしてそう あなた「んん……!!美味しい!!!」
彼方「ほんと?あなたに喜んで貰えてよかった……」
あなた「流石人気レストランのコックさんだね!あの頃の料理も美味しかったけど、これはレベルが違うよ!!こんなに美味しいハンバーグ食べたことない!!」
彼方「ありがと〜。まぁ、これでもあの店では1番下っ端なんだけどね……」
あなた「うそ!?こんなに美味しいのに!!」
彼方「うん……皆凄いから」
彼方「虹ヶ咲だって最後まで特待生ではいられたけど、主席じゃ無かったしね。お料理の世界は厳しいのさ……」 彼方「それよりあなた、一体今まで何してたの?」
あなた「あー……うん、大したことは無いんだけどね」
ーーーーー
ーーーー
ーーー
あなた「って感じで単に落ちぶれた私が輝いてる皆の前に顔出しずらかっただけなんだ」
彼方「ふーん……」
彼方「あなた、覚えてる?私にずっと彼方ちゃんのサポートしてくれるって言ったよね?」
あなた「あーうん、言ったね」
あなた「ごめんなさい……」
彼方「あなたは遥ちゃんと同じくらい彼方ちゃんにとって無くてはならない存在なんだからね……」
彼方「それと、心配してた……」
あなた「かすみちゃんにも言われたよ。ホントにごめん」 あなた「あ、そうだ。かすみちゃんで思い出したけど、かすみちゃん結婚してて妊娠してたんだ」
彼方「それなら彼方ちゃんも知ってるよ〜可愛い赤ちゃんとのご対面が楽しみ」
あなた「彼方ちゃんの方はさ、そういうの無いの?付き合ってる人とか」
彼方「うっ……それ、職場の先輩とか親にも言われた……」
彼方「彼方ちゃんは別にそういうのはいいかなって。毎日忙しくて暇も無いし……」
あなた「ふーん…………本当は?」
彼方「興味無くは無いけど、出会いが無い……」
あなた「ふふっ。偉そうに言っておきながら実は私もそんな感じ」 あなた「でもよかったー……仲間がいて。てっきりもう皆結婚とかしてるのかと思ったから」
あなた「どうする?彼方さん。私達もう30手前だよ。貰ってくれる人いるかな?」
彼方「あなたなら大丈夫だよ〜」
あなた「彼方ちゃんこそ」
「「あははははは」」
彼方「うん、やっぱりあなたと話すのは楽しい……。この笑顔でいられる時間がずっと続けばいいのに」
あなた「お、My Own Fairy-Taleだね!覚えてるよ!!」
オネエチャン!オネエチャン!オネエチャン!
彼方「!!!遥ちゃんからだ!!」
あなた(遥ちゃんの声着信音にしるんだ) 彼方「遥ちゃん!どうしたの!!」
彼方「あ、今あの子も来てるんだ、せっかくだからスピーカーにして一緒に聞いてもらうね!」
あなた「遥ちゃん久しぶり」
遥「え!?お久しぶりです!!お姉ちゃん連絡ついたんだね!!」
彼方「それが今日たまたま会ってね〜。それより何か彼方ちゃんに用でもあった?別に彼方ちゃんは用なんて無くても遥ちゃんとお喋りできるだけでとっても嬉しいけど……」
遥「せっかくだから2人一緒に聞いて下さい!」
遥「実は私、この人と結婚することになりました!!!」
「どうも……遥さんとお付き合いさせていただいてます」
彼方「…………………………………」
彼方「え?」 彼方「え、え、ちょっと待って……。遥ちゃん付き合ってる人いたの……?いつから……?」プルプル
遥「大学の2年くらいからずっと付き合ってて」
彼方「そんな前から!?え、うそ……全然知らなかった……」
遥「中々プロポーズしてくれなかったんだけど、今日やっとこの人の方からしてくれて」
遥「これで遥も1人だちできたよお姉ちゃん!」
彼方「あ……あわ……あわ……」
あなた(彼方さん、目がグルグルしてる……!) 遥「今まで心配かけてごめんね。でもお姉ちゃんはもう遥の心配しなくていいから!」
遥「お姉ちゃんも早くいい人見つけて幸せになってね!お姉ちゃんとっても美人さんだから直ぐ見つかるよ!」
彼方「あはー……うん……そうだね……」
あなた(だめだ!多分今彼方さんの脳はフリーズしちゃってる!)
あなた「ごめん、遥ちゃん!彼方さん今日は凄く疲れちゃってるみたいで!」
あなた「また明日電話するから、今日はもう切るね?」
遥「あ、はい!すみません……夜遅くに……」
遥「じゃあお姉ちゃん、また明日ね!」
ブチッ あなた「…………彼方さん、大丈夫?」
彼方「…………」
彼方「…………」
彼方「ねぇ、明日仕事休みだったりしない……?」
あなた「え?あー、明日は空いてるかな」
彼方「ならお願い、彼方ちゃんと一緒に寝てほしい……」グスッ
彼方「うわぁぁぁぁぁぁぁ」
あなた「うわっ!大丈夫、彼方さん!」
あなた「とりあえず一緒にベッドに……」 あなた「落ち着いた?」ポンポン
彼方「うう……遥ちゃん……」
彼方「うわぁぁぁぁぁぁぁ」
あなた「全然泣き止まない……どうしよう」
あなた「とりあえず今日は私のこと抱き枕にしていいから」
彼方「うっ……うっ……ありがとう」
彼方「うっ……うっ……」
彼方「うわぁぁぁぁぁぁぁ」
あなた(今夜は眠れなさそうだなぁ)
あなた(でもこれで彼方さんが落ち着くならこれくらい……)
ーーーー ーーーー
チュンチュンチュン
あなた「うーん……朝……?」
あなた「えーと時間は……8時半か」
あなた(いつもグータラしてるのに比べたら早い方だね)
あなた「…………」
あなた「はっ!彼方さん!彼方さんは……」
ポツン
あなた「隣にいない……」 あなた「リビングに何か置いてある。えーと」
『朝ご飯作ってあるから食べてね。それと、あなたのためにお弁当も作ったから良かったらこっちも食べてね。
家から出ていく時は玄関脇の植木鉢の下に隠して置くからそれを使ってね〜 彼方』
ガチャッ
スッ
あなた「ホントに植木鉢の下に鍵があった……。今時こんな防犯意識じゃ盗まれちゃうんじゃないのかな」
あなた「とりあえずこれは回収してと」 あなた「鍵が心配だし、今日は彼方さんが帰ってくるまでここにいようかな」
あなた「でもずっと家にいるのも暇……ん……?」
ドサッ
あなた「昨日は気にならなかったけど、服が結構散らばってるよ……」
あなた「下着も脱ぎっぱなし!!」
あなた「というかこの布団も最後に干したのいつ?ってくらい臭いする!!」
あなた「よーし、彼方さんが頑張ってる間に、私も家事頑張っちゃいますか!!」 あなた「それにしても彼方さんちゃんと朝起きられるようになってるんだね。昨日は特にあんな状態になってたのに」
あなた「……彼方さん大丈夫かな。レストランでも遥ちゃんのことで泣いたり寝不足で居眠りしちゃったりしてないかな……」
あなた「うわぁ、めちゃくちゃ心配になってきた!!彼方さん早く帰ってきてー!!」 ゴソッゴソゴソ
『あれぇ?鍵が無い。鍵しめた後そのまま持ってっちゃったのかなー?』
あなた「あ、彼方さんかな」
ガチャッ
あなた「彼方さん?」
彼方「わっ、びっくりした!まだ家にいたんだね。てっきりもう帰っちゃったかと」
あなた「昨日はあんまりお話しできなかったしね」
あなた「それと、家にいる間洗濯とか家事色々しておいたから!」ブイッ
彼方「うぉ〜!あなたが神かぁ〜!」
彼方「よーし、彼方ちゃん今晩の料理は張り切っちゃうぞー!」
あなた「ほんと?やったー!」 ブー!ブー!ブー!
ブー!ブー!ブー! モグモグモグ
あなた「そういえば、今日大丈夫だった?」
彼方「ん?なにが……?」
あなた「その……遥ちゃんのこと。昨日んなにショック受けてたけど」
彼方「あぁ……うん」
彼方「遥ちゃんが完全に自立しちゃうのは寂しいけど、やっぱりそれ以上に遥ちゃんが幸せになるのは嬉しいし」
彼方「それに、今は落ち込んでる場合じゃないしね」
あなた「それって、仕事のこと?」
彼方「うん。お仕事は大変だけど、好きなことに打ち込めてとっても楽しいんだ」
彼方「お給料も多くて遥ちゃんや親に迷惑かからないし、この仕事をずっと続けていきたい」
あなた「いいね。好きなことで食べていけて」
彼方「あっ……ごめんね。なんだか自慢みたいになっちゃった……?そんなつもりは無かったんだけど……」
あなた「いやっ、そんなことないよ!彼方さんがとっても大変なの知ってるし。今日だって朝から晩までずっと働きっぱなしだったんでしょ?」
彼方「うん、ここ数年ずっと料理のこと考えてて……ふぁぁぁぁ……」
彼方「あっ、ごめん……食事中にあくびしちゃって」
あなた「気にしてないよ、疲れてるんでしょ?それに、なんだか昔の彼方さんみたいで懐かしく思っちゃった」
彼方「そう……?へへへ……」
あなた「よしっ!今日も早く寝ちゃいますか!」
彼方「ごめんね。せっかく来てくれてるのにあんまりお話しできなくて……」
あなた「何度も謝らないで!どうせ私暇だし」 彼方「ホントに今日も泊まっていってくれるの……?」
あなた「うん。というか彼方さんさえよければしばらくいさせてもらっていいかな?」
彼方「え、いいけど……お仕事は大丈夫なの……?」
あなた「あ、うん。それなんだけど……実は今仕事してないんだ」
彼方「え?」
あなた「ソングライターなんだけど、依頼なんて全然来ないから実質フリーターで、バイトもちょっと前にやめちゃって」
あなた「だから私、今ニートなんだ」
あなた「失望した?」
彼方「しない、けど……ちょっとビックリした……。」
彼方「あんなにいい曲作れるあなたに依頼が全然無いなんて」
あなた「好きなことで食べていくって難しいんだね。もっと早く気付いていればやり直しもできたのかな……なんて」
彼方「あなた……」
あなた「さ、こんな辛気くさい話してないで早く寝よう!」
あなた「私のこと抱き枕にしていいから!」
彼方「おぉ……おおおぉぉ!!久々のあなた枕……!嬉しすぎる〜」
ギュゥゥゥ あなた(うわっ、やっぱりいい匂い)
彼方「やっぱりあなたいい匂いするね〜」
あなた(それはこっちの台詞!なんで仕事終わってシャワー浴びてないのにこんなにいい匂いなの!?)
彼方「この枕は彼方ちゃんだけのものなのだ〜」ギュゥゥゥ
あなた(ちょっと力強いな……でも)
彼方「んふふふふ……♡」
あなた(こんな幸せな顔されたら振りほどけないや) こうして私の居候生活が始まった。
『彼方ちゃん起きてー!!!!』
『布団剥がしちゃうぞー!!!』
あなた「うーん……」
カチッ
彼方「あ、起こしちゃった〜?あなたはまだ寝てていいよ」
あなた「いや、折角起きたし彼方さんと朝ごはん食べたいから起きるよ」ガバッ あなた「それより彼方さん、さっきの声って……」
彼方「あぁ、この目覚まし?あなたが考案してくれた時計だよ。今でも愛用してるんだ〜」
あなた「なんか、嬉しいな……」
彼方「ふふ……これのおかげで彼方ちゃん寝坊しないのだ〜」 あなた「いってらっしゃい彼方さん」
彼方「ふふ、誰かに送って貰えるのっていいね〜。大分前遥ちゃんに言って貰って以来かな〜」
彼方「今日も晩御飯一緒に食べようね〜」
あなた「うん!待ってるね!」
バタンッ
あなた「さてと、今何時だろ」サッ
あなた「ってまだ朝の5時!?彼方さんいっつも終わるの夜の11時くらいだよね!」
あなた「……あの頃以上にキツい生活してるみたいだけど彼方さん大丈夫なのかな……?」 ーPM11:30ー
ピンポーン
ガチャッ
彼方「今日も疲れたぁぁぁ……」バッ
ギュゥウ
あなた「うわっ、ビックリした!お疲れ様彼方さん!とりあえずソファ座ろう!」 彼方「ふぅぅぅ今日も疲れたぁぁ〜このまま寝ちゃいそう〜」
彼方「はっ、寝たら駄目出!待ってて、すぐ料理作るから……!」
あなた「ついさっきまでずっと仕事してたんでしょ?いいよ、あんまり上手くないけど私作るから」
彼方「大丈夫、これは彼方ちゃんの料理のスキルアップも兼ねてるから……」
彼方「あなたはお客さんなんだから座ってて!」
あなた「でも」
彼方「あなたが傍にいてくれるだけで彼方ちゃんは幸せだから……」
あなた「…………」
私は結局彼方さんの好意に甘えることにした。 ジュゥゥゥゥ
あなた「ねぇ彼方さん。今料理中だけど話していい?」
彼方「いいよ〜何かな?」
あなた「……いつもこんな生活してるの?」
彼方「いつもって?」
あなた「朝5時に出て夜の11時30分に帰ってくる生活」
彼方「あぁ、彼方ちゃんまだ駆け出しだから。早く職場に行って色々準備や勉強があるのさ〜」
彼方「その分休みの日はちゃんと寝る時間増やしてるから大丈夫〜」
あなた「何時間くらい?」
彼方「6時間くらいかな……」
あなた「それでも6時間……」 あなた「昨日もちょっと話したけど、彼方さん働き過ぎじゃない?」
彼方「確かにニジガクにいた頃よりかなりキツいけど、でも好きなことだし」
あなた「楽しい……?」
彼方「うん……!」
あなた「……そっか」
あなた(…………こんなにも働いてる彼方さんだけど、不思議と怠さは感じられず、寧ろイキイキしているようにさえ感じられた)
あなた(労基だとか何とか今の私が言うのは無粋か……) あなた「これが今の彼方さんの夢なんだね」
彼方「うん、いつか自分の店を開いて遥ちゃんや同好会の皆ともう一度集まりたいなって思ってるの……」
彼方「店を出したら、1番にあなたを招待するよ〜」
あなた「ありがとう!楽しみにしてるね」
あなた(それまでに私も彼方さんに見合う人にならないとなぁ……) ー翌日ー
彼方「ホントにもう帰っちゃうの?」
彼方「あなたさえよければずっといてもいいんだよ〜」
あなた「ありがとう。私もできることならずっといたい。でもそうなったら多分私は一生グータラになっちゃう気がするから」
あなた「それに、彼方さんも私が遥ちゃんの代わりみたいになっちゃうんじゃない?」
彼方「むー……彼方ちゃんももう自立してるからそんなことは……」
彼方「あるかも……久々に送り迎えしてくれてすっごく嬉しかった……」
あなた「はは、でしょ?」
あなた「もし独り身が寂しいならいい人見つけたら?」
彼方「彼方ちゃんを貰ってくれる人がいたらね〜」
あなた「それじゃあ、行こう彼方さん!駅まではご一緒させてもらうよ」 ーーーー
あなた「それじゃあまたね、彼方さん」
彼方「結局あんまり話せなくてごめんね……。」
あなた「こっちこそ急に押しかけてお泊まりまでさせて貰ってごめんね」
彼方「連絡くれたら彼方ちゃんも予定合わせるからまた話そう〜」
あなた「うん、それまでには私、もうちょいマシな人間になるから」
彼方「それじゃあ彼方ちゃん、今日もお仕事行ってきます!」
あなた「行ってらっしゃい」
クルッ 「おーーい!!」
あなた「ん?」クルッ
「今電車乗るとこ?」
あなた(私じゃ無かった……ん?あの人彼方さんに話しかけてる) 彼方「おー!キミか〜偶然〜。最近よく会うね〜」
「そ、そうだな……。偶然だな……」
「その……今日も一緒に行っていいかな」
彼方「いつもそんなこと聞くなんてキミも変な人だね〜。別に断る理由は無いよ」
「そうだよな……同じ職場だもんな」
「それより近江さ、次の休みの日……」
あなた「…………」クルッ
あなた(やっぱり。彼方さんの夢に私はいらない) 私の居候生活が始まったとか書いときながら想定以上に早く終わらせてしまった
長くてもダレるししゃあないか 最初せっかくいい題材だなと思ってたけどしず子のしの字も出てこない程度に置いてけぼりなのが気になる ゆっくりでいいので完結させてくれると嬉しいな
応援してる 29にもなって自分のことをちゃん付けする女子……
端から見たら地雷っぽい あなた「かすみちゃんによるとこの辺のはず……えーっと」
あなた「あっ、ここか……都内に一軒家なんて凄いなぁ」
ピーンポーン
あなた「…………」
ピーンポーン
あなた「…………」
あなた「出ないね」 あなた「やっぱ忙しいのかな……」
あなた「それとも警戒してアポとか取らないと出ないとか……?」
あなた「ありえそう。だってこんなに有名になってるんだし」
あなた「ちょっと気が進まないけど、スマホでメッセージ送ってみようかな」
あなた「【もしもし、久しぶり】っと」
あなた「…………」
あなた「はやっ、もう既読付いた!」
プルルルル
ピッ
「もっ……もしもし!?えっ、ホントにあなたなんですか!?」
あなた「相変わらず元気な声だね、えーと……今はどっちで呼べばいいのかな」
「ふふっ、あの時と一緒でいいですよ!」
菜々(28)「せつ菜!って、あの時みたいにそう呼んでください!!」 菜々「ちょっと待って下さいね、今出ますから!!」
菜々「あ、その前に……」
あなた「ん……どうしたの?」
菜々「あなたの後ろに人影とか無いですか……?」
あなた「え?」
クルッ
あなた「別に無いけど……」
菜々「本当にありませんか?よく確認してください!」
あなた(……?)
あなた「あ」
コソコソ
「あっ」 よく見ると、せつ菜ちゃんの家の正面の壁付近に隠れている男がいた。
「あははは……こんにちは」
あなた「こんにちは……」
あなた(なんだろうこの人。なんで隠れてたのかな)
あなた「あの……」
「ひょっとしてもしかしてあなたもせつ菜に用が?」
あなた「え?まあ……」
せつ菜「あなた、誰と話してるんですか?やっぱり誰かいたんですか?」
「え!?その声はせつ菜!?なんでお前せつ菜と通話してるんだよ!」
せつ菜「すみません、今話してるケータイスピーカーモードにして目の前の人に向けて貰っていいですか?」
あなた「え?あ、うん。分かった」
「?」
せつ菜「スゥゥゥゥ」 せつ菜「こおらぁぁぁぁぁ!!!」
「!」ビクッ
あなた「!」ビクッ
せつ菜「いくら私に会いたいからって、こんなストーカー行為はしないで下さい!!!」
せつ菜「プライベートでファンの大好きを受け取るつもりはありませんし、家に来られても迷惑でしかないです!!」
せつ菜「あなたが本当に私のことが大好きなら、ちゃんと公式のイベント内で私に会って下さい!!」
せつ菜「監視カメラも設置してますし、これ以上ここにいるなら、警察を呼びますよ!!」
「うわっ、生せつ菜だ……!やべぇぇ」
あなた(怒られてるのにこの人喜んでない?) 「それなら【あれ】やってくれたら帰ります!……」
せつ菜「まだ言いますか……本当に──」
「わ、分かりました!!もう帰りますから!!」ピュー
せつ菜「はぁ……全く……」
せつ菜「もしもし、あの人帰りましたか?」
あなた「うん。行ったみたい」
せつ菜「玄関まで来て下さい。今開けますから」 ガチャッ
せつ菜「あ……」
せつ菜「ホントにあなたなんですね……」
あなた「うん、ごめん。いきなり押しかけちゃって」
せつ菜「ううん。会いたかったです!」
せつ菜「さぁ、早く入って下さい!!あなたと語り合いたいことが山ほどあるんです!!」 せつ菜「どうぞ、上がって下さい!!」
あなた「うわぁ広い……」
せつ菜「こっちに来て下さい!!あなたに見せたい物があるんです!!」
ーーーー
せつ菜「見て下さい、この部屋!!」
あなた「うわぁ、凄い!!本棚がいっぱい!!」
あなた「ってえ!?これ全部ラノベやアニメのBlu-ray?」
せつ菜「そうです!特にいいと思ったアニメは保存用布教用と合わせて最低3つは購入してます!」
せつ菜「友達はそんなに多くないんですけど、布教用はたまに声優友達の子にもプレゼントしたりして……」
せつ菜「あ、知ってますか?私声優やってるんですけど……」
あなた「知ってるよ。……って言っても最近アニメあんまり見ないから詳しくは知らないんだけどね」
せつ菜「そうなんですか……。それなら、私が出てるアニメ何本か一緒に見ましょう!!今書いてる小説も一段落着きましたし、あなたに私の大好きを知って貰いたいんです!!」
あなた「…………」
あなた(せつ菜ちゃんの大好きか……)
せつ菜「どうしたんですか?……いやですか……?」
あなた「え?あ、ううん、そんなこと無いよ!私もせつ菜ちゃんが出てるアニメ見たい!!」
せつ菜「よーし、今日は宴ですよー!!今コーラとポテイトチップスと、色々お菓子持ってきますね!!」ダッ
あなた「あっ……いっちゃった」
あなた「せつ菜ちゃんは変わらないな……」 それから私達はお菓子を食べながらひたすらアニメを見ていた。
せつ菜ちゃんがオススメしたアニメはどれも面白く(あまり表では言えないけど、自分が出演したアニメの中にはストーリーが残念だった物もあったと言っていたから、面白い物だけをチョイスしたのだろう)、
更に途中でせつ菜ちゃんの解説も入るものだから飽きずに見ることが出来た。
せつ菜「わっ、もう夕方!やはりアニメを見ていると時間を忘れてしまいます!」
せつ菜「そうだ、もしよかったらお夕飯食べていきませんか!」
あなた「えっ、夕飯!?」 あなた「ひょっとしてそれってせつ菜ちゃんの手作り……?」
せつ菜「?はい、そうですけど。ここにはあなたと私しかいませんし」キョトン
あなた「いやぁ、せつ菜ちゃんの手作りか……はは」 毛先の色違うしなんだかダウナー
ニーソとかツインテのおかげでメンヘラっぽくてすごい面白い μ's全盛期の頃はこういうちょっと暗い感じのSS多かったよな。面白いぞ せつ菜「むっ。まさかあなた、私があの頃のマズい料理しか作れないと思ってませんか!?」
あなた「いや、そんなことは!」
せつ菜「大丈夫です、安心してください!!1人暮らしを始めてちゃんと自分で食べるようになってから味はマトモになりましたから!」
あなた「あっ、やっと自覚したんだ」
せつ菜「ああ酷い!やっぱりマズいと思ってたんですね!!」
あなた「あ」
せつ菜「とにかくあなたはお客様なんですから!私を信じてそこに座っておいて下さい!!」
あなた「大丈夫かな……」 せつ菜「よしっ、ではお料理頑張ります!!」
あなた「…………」
あなた「ねぇせつ菜ちゃん、お料理作ってる間話しかけてもいい?」
せつ菜「はい、いいですよ!いっぱいお話ししましょう!!」
あなた「私が来るとき玄関で待ち伏せしてた人って」
せつ菜「あぁ、私が声優のお仕事をしているのは言いましたよね?自分で言うのも恐縮なんですけど、結構人気出ちゃって」
せつ菜「家もバレてるからたまにああやってファンの方が来ちゃうんです。迷惑だって何回も言ってるんですけどね」
せつ菜「でも私も悪いところがあるんですよ」
あなた「せつ菜ちゃんが?」
せつ菜「はい。私がまだあまり売れて無くてアパートで暮らしてた頃、今みたいにファンがウチの近くに来たことがあったんです」
せつ菜「今考えたらストーカー行為なんですけど、当時は駆け出しということもあってファンの方と交流するのが楽しくって、ついアニメの決め台詞を言ってしまったんです。『スカーレットストーーーーム!!!』って」
せつ菜「それがいけなかったらしくて、家に会いに行けてレスをくれる声優ってことで話題になっちゃって。そのせいで今も今日みたいな人が来るんです」
せつ菜「私が人気になったのはこの件のおかげというのもちょっとありますし、ファンとの交流は楽しいからちょっと複雑で」
せつ菜「売れない時期はファンに媚びて、売れ出したらファンに塩対応だとか、結構叩かれてます。少なくとも公式イベントではきちんと対応してると思うんですけどね」 あなた「へぇ、凄いね。私の曲なんか空気過ぎて叩かれることすら無いよ」
せつ菜「そういえばあなたはソングライターの仕事をしてるんですよね?」
あなた「一応……今もしてるんだけど、全然売れないから今は依頼すら来ない。今の収入は全部バイトなんだ」
あなた「皆と連絡を絶ってたのも、こんな自分を皆に見せるのが恥ずかしかったからなんだ」
せつ菜「何でですか?」ピタッ
あなた「えっ」
せつ菜「なんで恥ずかしいんですか?」 あなた「え、いや、だって……皆立派に成功してるし、せつ菜ちゃんなんか超売れっ子だし……」
あなた「そんな人の前にいくら昔の中だからってこんな落ちぶれた私なんかが──」
せつ菜「だって、あなたは今、夢に向かってがんばってるんですよね?」
せつ菜「それのどこが恥ずかしいんですか!?」
あなた「えっ……あぁ……」
せつ菜ちゃんは料理の腕を一旦止め、真っ直ぐに私の目を見つめてくる。
その瞳は、スクールアイドルをしていた頃の真っ直ぐな目そのままだった。
あなた(うん、なんて言えない)
あなた(もう何年もマトモに曲作りもしてないんだ)
あなた(転職もせず、ソングライターとして食べていくっていう夢を追いかけてるふりをして今の宙ぶらりんの自分を誤魔化してるだけなんだ)
あなた(本当はもう分かってるんだ。自分は音楽で食べていけるような人間じゃ無かったって)
そんな私が夢に向かってがんばってるなんて、嘘でも言えなかった。 このタイミングでせつ菜ってのが不穏だな
終盤かと思ってた、他のメンツは案外…… あなた「ねぇ、せつ菜ちゃんは嫉妬とかしたことない?他の人より私の方が凄いのにー!とか」
せつ菜「嫉妬、ですか。もちろんありますよ。私にだって」
あなた「だよね!じゃっ、じゃあ!そういう時はどう乗り越えたの?」
せつ菜「関係ありません、いつも通りです。いつも通り、私の大好きをぶつけただけです」
あなた「え?」 あなた「それで気が付いたら有名になってたってたの?ほんとに、他には何もしてないの?」
せつ菜「はい。もちろん努力はしましたよ?」
せつ菜「最初にラノベを書いていた時は目立ちませんでしたが、徐々にネットでも話題になってアニメ化まで決まって。そこでゲスト声優をやらせてもらったんですけど、それが受けたみたいで」
せつ菜「そこから声優業の方も人気が出て声優デビュー!!大好きなアニメにラノベ作家と声優という両方の関わり方が出来て今とっても幸せです!!」
あなた「そうなんだ。すごいね……」
あなた「…………」 せつ菜「ところでずっと気になってたんですけど」
あなた「ん?」
せつ菜「あなたは、今本当に自分が大好きなことをやれていますか?」
…… あなた「えっ、何いきなり……」
せつ菜「目を見ればなんとなく分かります。さっきだって折角久しぶりに会ったのに嫉妬なんてマイナスなことを聞いてきましたし」
せつ菜「それにソングライターの事を話す時あなたには覇気が無く、まるで後ろめたい雰囲気がしました」
あなた(せつ菜ちゃん、いつもは空気読めない感じだけど、変なところで鋭いんだよね……) せつ菜「私は自分が好きだからお話を書いてます。自分が好きだから声のお仕事をしています」
せつ菜「あなたはソングライターをしてると言っていましたが、それは本当にあなたの大好きなことなんですか?私にはいまいち──
あなた「うるさい!!」バンッ
せつ菜「えっ……」 あなた「私のこと何にも知らないくせに!いいよね、せつ菜ちゃんは売れっ子で。自分の実力が皆に評価されて!!それが大ヒットして!!!」
あなた「私才能無いから。他の人の曲がに嫉妬してる」
あなた「なんなら高校の時に書いた自分の曲ににさえ嫉妬してる」
あなた「この曲より私の曲の方がいいはずなのにって何の根拠も無く思ってる」 あなた「そうだよ、せつ菜ちゃんの言う通り!もう何が自分の大好きなのか分かんなくなってるよ!!」
あなた「もう曲を書くときに昔みたいなワクワクは感じない!」
あなた「でもだからって、今更止まる訳にはいかないし、他に大好きな事も無い……」
あなた「ねぇ、せつ菜ちゃん。私どうすればいいのかな……?」 せつ菜「ならやめればいいんじゃないですか?」
あなた「え?」
せつ菜「あなたを見てるととっても辛そうです。大好きを感じられず惰性でやっているなら、いっその事やめてしまうというのはどうでしょう」
あなた「やめる……?曲を書くのを……?」
せつ菜「えぇ。嫌なんですか?」
あなた「嫌というか、ずっと続けてきたから今更やめづらいって言うか……」
せつ菜「私には、このままズルズル続けていてもいい結果になるとは思えません」
あなた「それは、私も何となくそう思うけど……」
せつ菜「とにかく事情は分かりました。あなたが本気で将来のことに悩んでいるのなら、紹介したい方がいます」
あなた「え?」 ポチポチ
せつ菜「これでよしっと」
せつ菜「さ、待ってる間に食事完成させちゃいましょう!」
あなた(紹介したい人って誰だろう) せつ菜「よしっ出来た!完璧です!」
ピンポーン
せつ菜「あ、来たみたいですね!あなたはここで待っていて下さい!!」
あなた「うん……」
せつ菜「こんなに早く来てくれるなんて、ありがとうございます!!」
「あなたが急用だというからでしょう……。とにかく、私に会って欲しいというのは誰のことなんですか?」
せつ菜「懐かしく感じると思いますよ。とにかくリビングまで来て下さい!」
「はぁ、分かりました。……っ!あなたは……」
あなた「えっ、三船さん……?」 スクスタストーリー更新きたので、読んでから続き書きます 栞子「あなた、生きてたんですね」
あなた「一応ね……」
栞子「菜々さんからあなたとの連絡が一切取れないと聞いていたので、てっきり蒸発でもしたのかと思ってました」
あなた(ん?菜々さん?)
せつ菜「ちょっとしおりん!!いきなりそんなキツく言うこと無いんじゃ無いですか!?折角高校の時以来の再会なのに!!」
あなた「しっ……しおりん……?」
栞子「なっ……///」 栞子「ちょっと菜々さん!!!」
せつ菜「はっ、しまった!!他の人がいるのにしおりんと呼んでしまいました!!!」
せつ菜「しおりん、菜々、ってお互いに呼び合うのは2人きりの時だけと決めていたのに!!!」
あなた(何てことなんだ……。あの三船さんが誰かを呼び捨てにするなんて!)
栞子「もういいです!!これ以上何か漏らす前にあなたは口を閉じて下さい///」
あなた(これ以上まだ何かあるっていうの!?)ドキッ あなた「2人ともいつの間にそんな仲良く……」
あなた(何かよく分からないけどショックだ)
栞子「はぁ……もう隠しても無駄のようですね。菜々、今は別にしおりんでいいですよ」
せつ菜「よかったです。栞子さんって意識して呼ぶの疲れるので助かります!」
栞子「それで、相談に乗って欲しいとは?あなたのことだと大方予想はつきますが」
あなた「せつ菜ちゃん。三船さんにも話すの?」
せつ菜「はい!必ず助けになってくれます!」
あなた「うーん……」
栞子「私の顔に何か付いてますか?」ムスーン
あなた「いや、まだあの頃の印象が強くて苦手意識あるっていうか……」
せつ菜「気持ちは分かりますが大丈夫です。しおりんはあの頃と比べて大分丸くなりましたから。私を信じて下さい!!」
あなた(せつ菜ちゃん……)
あなた(そうだ、私は答えを探しにここに来たんだ)
あなた「分かった。実は──」 ーーーー
栞子「なるほど……大体の事情は分かりました」
栞子「つまりあなたは」
栞子「『無謀』にも『一握り』しか食べていけない音楽業界に飛び込み」
あなた「うっ」グサッ
栞子「そして案の定芽も出ないままズルズルとバイトと掛け持ちする生活」
あなた「うっ」グサグサッ
栞子「更にはそのバイトすら辞め、今現在28にも関わらずお先真っ暗のニート生活、と」
あなた「復唱しないで……」 27〜29歳の腰から太ももにかけての肉つきのいやらしいイメージは異常 栞子「しかし同好会での活動を見る限りあなたには作曲の才能があると思っていたのですが、それでも音楽界は厳しいものなのですね」
あなた「それなんだけど」
栞子「?」
あなた「2人に聞いてもらってもいいかな。今の私が書いた曲」
〜♪
栞子「これは……」
せつ菜「何というか……」
栞子「酷くはありませんが普通、悪く言えばどこにでもいる素人のような感じですね」
せつ菜「なんだか情熱というか、心に伝わってくる物がありません……」
せつ菜「どうしちゃったんですか?あの頃はあんなに心が込もったいい曲を私達にくれたのに!!」 >>238初回付け忘れてた
栞子(27)「あなた、生きてたんですね」
あなた「一応ね……」
栞子(27)「菜々さんからあなたとの連絡が一切取れないと聞いていたので、てっきり蒸発でもしたのかと思ってました」
あなた(ん?菜々さん?)
せつ菜「ちょっとしおりん!!いきなりそんなキツく言うこと無いんじゃ無いですか!?折角高校の時以来の再会なのに!!」
あなた「しっ……しおりん……?」
栞子(27)「なっ……///」 あなた「モチベーション……とはちょっと違うかな。あの頃と比べて何だか筆が乗らないんだ。イメージが全然沸いてこない」
あなた「それで最近になって気付いたんだ」
あなた「かすみちゃん、しずくちゃん、果林さん、愛ちゃん、彼方さん、せつ菜ちゃん、エマさん、璃奈ちゃん」
あなた「そして步夢ちゃん」
あなた「皆がいたからこそ、あんなにいい曲が書けたんじゃないかって」
あなた「あのあと同好会メンバーの入れ替わりはあったけど、この9人でいた時が1番楽しかったしね」 あなた「だから自分は別にソングライターになりたかったわけじゃなくて、ただ皆と一緒にいたあの頃を忘れられないだけなのかなって」
せつ菜「でもあなた、確かスクールアイドルに興味を持つ前から音楽科でしたよね?元々音楽に興味があったんじゃないんですか?」
あなた「それは步夢ちゃんに歌がうまいねって言われたから何となく」
せつ菜「あ、そうだったんですね……」 栞子「つまり音楽自体への関心はそこまで強くないということですね」
あなた「そうなるのかな……」
栞子「でしたら話は簡単です。今すぐ別の仕事を探すことをオススメします」
あなた「うっ」 あなた「でも私、音楽以外特に得意なこともないし……」
栞子「演奏の方は?」
あなた「それも、とてもプロレベルとは言えないかな」
あなた「音楽以外でしたらマネジメントでも……と言いたいところですが、先程のあなたの話を聞く限りその9人でないとパフォーマンスが発揮されないかもしれませんね」
せつ菜「他に何か適性が無いか分かりませんか、しおりん」
栞子「仕事に直結するものとなると流石に難しいかもしれないわ。実際音楽関係は1度失敗していますし」 >>249
あなた「音楽以外でしたらマネジメントでも……と言いたいところですが、先程のあなたの話を聞く限りその9人でないとパフォーマンスが発揮されないかもしれませんね」
ここしおりんのセリフ? あなた「…………」
栞子「やはり納得がいってないようですね」ハァ
栞子「あなた、皆ともう一度会って答えを見つけている途中と言ってましたね」
あなた「うん」
栞子「今まで会った人は?」
あなた「えーと……しずくちゃん、かすみちゃん、彼方ちゃん、それからせつ菜ちゃん」
あなた「4人かな」
せつ菜「え、しずくさんと会ったんですか!?とても忙しいみたいで私なんてもう5年以上も会ってないのに!」
栞子「菜々、話がそれます」
せつ菜「あ、ごめんなさい。つい……」 >>251
あ、そうです。すみません
>>249
栞子「音楽以外でしたらマネジメントでも……と言いたいところですが、先程のあなたの話を聞く限りその9人でないとパフォーマンスが発揮されないかもしれませんね」 栞子「コホン」
栞子「1か月です」
あなた「え?」
栞子「その皆に会って答えを出すというのは1か月以内に済ませて下さい」
あなた「えっ、なんで!?」
栞子「きちんと期限を付けないと、今のままだと答えが出ないままダラダラ過ごす事になる可能性が高いです」
栞子「動き出すなら1秒でも早い方が良いですからね」 栞子「それでいいですか?」
あなた「1か月だね。分かった」
栞子「それでは連絡先を教えますから、答えが出たら直ぐにでも連絡下さい」
あなた「あ、うん」
ピロン
あなた(まさか今になって三船さんと連絡先を交換することになるとは……)
栞子「この歳でその職歴なら次の就職先を探すのは難しいかも知れません。ですからどうしてもというのなら、私からの紹介ということで何とかお願いしてみます」 あなた「何で三船さんがそこまでしてくれるの?」
栞子「元生徒会長として元虹ヶ先の生徒であるあなたのサポートをするのは当たり前でしょう?」
あなた「えっ」
栞子「……というのは冗談です」
あなた(三船さんも冗談言うんだ) 栞子「あなた、だからですよ」
あなた「私だから?」
栞子「一応、あなたには感謝してますからね。色々と」
あなた「三船さん……」
栞子「それと、菜々の頼みでもありますし……」ボソッ
あなた「え、何だって?」
栞子「なっ何でもありません///」 普通に妊娠とかしてる世界でこのしおせつは貴重。具体的な関係はご想像にお任せの方が夢があってええね…
丸くなったとはいえ栞子さん友達少なそうだから菜々さんに凄い依存してそう たしかに
普通に男性女性が結婚する世界観だからこそ尊い 付き合ってますとか言われると現実感なくなるし匂わせてくれるくらいが丁度いいよね。後は読み手が色々好きに想像するのが1番
この二人が普通に大親友になってるってだけでも十分尊いんだ 個人的にはしおりんの方はそういった感情を抱いているが、せつ奈の方は純粋に『大好き』なお友達っていう関係がベネかな 女性同士の恋愛なんて非生産的ですし全くもって無駄な事。だいたい今の日本、いえ世界に至っても現状で同性での交際や生涯を共にするなどは困難な道であることは明白です
そもそも恋愛感情なんてものは曖昧で特に思春期における同性に対する感情なんてほとんど一時の気の迷いのような物。まして女子校なんて閉じた空間では友情、もとい尊敬の念を勘違いしてしまうものです
なにより相手にどれだけ迷惑がかかるか想像もつきません。菜々の大切な人を悲しませる事にもなるはずです
それだけのリスクを背負ってまで自分の身勝手な感情を押し付けるなんて少しでも相手の事を考えればどうして出来るでしょうか
…そう…わかってるはずなのに…
貴女から離れる事ができません…貴女への想いを…捨てる事ができません
そうしてもう10年たった今でもこうして貴女の側から離れられずにここにいる
皮肉なものですね…あんなに1番大好きな物を隠して活動してた貴女を否定して生徒会長になっていたのに
私はこれまでも…そしてこれからもずっと……矛盾を抱えて生きていくのでしょうね
でもそれでもいい
……どうか…貴女の側にいさせて下さい
こんなズルくて醜くい私でごめんね…菜々… ここでしおせつ書くなや、他で勝手にスレ立てて書け。絶対読むから。 せつ菜「お話まとまりましたね!」
あなた「うん、とりあえずは」
せつ菜「ならお料理再会しますね!もうちょっとで出来ますから待ってて下さい!」
あなた「忘れてた……」サーッ
栞子「不安そうですね」
あなた「あっいや、別に……」
栞子「大丈夫です。あなたが心配しているような事はありません」 栞子が言うなら間違いないな
スペシャルスイーツなんてなかったんや せつ菜「出来ました!食べてみて下さい!!」
あなた「い、いただきます……」
あなた(見た目は普通の肉じゃがだけど)
あなた「えいっ」プルプル
あなた「…………あれ?普通に美味しい」 せつ菜「もー!あなたまで普通にってなんですか!!失礼しますね!!」
あなた「あ、いや、ごめん!スイーツ作った時なんか特に酷い味だったって聞いてたし……」
せつ菜「え、あれは大好評でしたけど」
あなた(步夢ちゃんが必死に手直ししてたの知らないんだな) せつ菜「他の声優さんと共演した時に皆があまりにも私の料理が美味しくないっていうものですから必死になって練習したんです!」
栞子「まともな味になるまで私が徹底的に指導しましたから」
せつ菜「確かにしおりんのおかげで美味しくはなりましたけど、元から味はそんなに悪くないと思うんですけどね……」
栞子「…………苦労しましたよ」
あなた(心中お察しします) 栞子「それでは私はこれで失礼します。肉じゃがご馳走様でした」
せつ菜「もう帰っちゃうんですか?」
栞子「明日も忙しいですから。また何かあれば連絡してください」
栞子「あっそういえば菜々」
せつ菜「え?」
栞子「今週末のライブも頑張ってくださいね。楽しみにしてます」
バタン あなた「せつ菜ちゃんライブやるんだ」
せつ菜「はい。あ、そうだ!折角だからあなたもぜひ来て下さい!!」
あなた「えっ?でもチケット無いけど……」
せつ菜「大丈夫です、関係者席に招待します!!」
せつ菜「ぜひあなたに今の私を見ていって欲しいんです!!」
あなた「せつ菜ちゃん……」 あなた「うん!ぜひ行かせてもらうよ!」
せつ菜「ありがとうございます!では当日これをスタッフの方に見せて下さい。話は通しておきますから」
あなた「ありがとう。会場は……ぶっ!!武道館!?」
せつ菜「はい!実はちょっと緊張してます……」
あなた「えっ、これもしかしてソロ!?ソロで武道館なんて凄すぎるよせつ菜ちゃん!!」
せつ菜「えへへ……そんなにストレートに褒められると流石に照れちゃいます」 あなた「ごめんね。せつ菜ちゃん」
せつ菜「急にどうしたんですか?」
あなた「さっきは売れっ子のせつ菜ちゃんなんかに私の気持ちなんて分かんないよ、なんて偉そうに言っちゃって」
あなた「もうせつ菜ちゃんは嫉妬するのもおこがましい程に私なんかとは違う世界の人なんだなって」
せつ菜「…………」 せつ菜「絶対ライブ、来て下さいね」
あなた「えっ?うん、行くけど……」
せつ菜「…………」 パンッ
せつ菜「よしっ、この話はお終いです!今日泊まってもらっていいですか?」
あなた「お仕事も無いし、せつ菜ちゃんがよければ」
せつ菜「やりましたっ!あなたとはもっと一緒にアニメ見たりお話ししたりしたかったんです!!」
せつ菜「そうだ!ついでに私の曲のコールの予習もしておきましょう!!それがいいです!!今夜は寝かせませんよ!!」
あなた「あはは、お手柔らかに……」
あなた(せつ菜ちゃんのこの感じ、久しぶりだな)
あなた(今は昔を懐かしんでもいい時だよね……) ーライブ当日ー
ザワザワザワ
あなた「うわぁ、まだ開演一時間前なのに凄い人だかりだなぁ……。早めに入っておこうか」
あなた「あのーすみません。せつ菜ちゃんに招待されてきたんですけど」ペラッ
「…………確認しました。こちらへどうぞ」 あなた「流石関係者席……。2階から辺り一面が見渡せるや。……ん?」
あなた「うわっ三船さん!」
栞子「人の顔を見るなりいきなり叫び出すなんて失礼ですよ」
あなた「ごめん。まさか来てるとは思わなくて……」
栞子「あなたと同じく中川さんに誘われたんです」
栞子「こういった事にはあまり興味は無いのですが、中川さんから好意でいただいたチケットを無駄にするわけにはいきませんから」 栞子「それよりもあなた、ちゃんとコールは覚えてきたんですか?」
あなた「うん、一応一通りは覚えてきたけど」
栞子「それならいいんです。たとえコネで呼ばれた関係者でも、せつ菜のライブに来たからにはきちんと応援しないと失礼にあたりますからね」
あなた「は、はぁ……」
あなた(興味ないんじゃ無かったの……?) よかった
黙って見てろって言ってくる関係者はいないんだね ウォォォォォォォ!!!????
あなた「あっ暗くなった。始まるのかな」
せつ菜「みんなぁぁぁぁぁ!!!!こんばんわぁぁぁぁぁ!!!!!!」
あなた(相変わらず凄い声量──
栞子「キャァァァァァァア!!!!!せっちゃぁぁぁぁぁぁぁんんんん!!!!!!!!!!!」
あなた「!?」 せつ菜「いくぞみんなー!!!」
せつ菜「ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!」
栞子「ハイ!!ハイ!!ハイ!!ハイ!!」
せつ菜「どうも!!声優の優木せつ菜です!!!」
栞子「かわいーっっっ!!!!!!!!!」
あなた(…………) せつ菜「みんなー!今日はホントにホントに、ありがとー!!!!」
ウォォォォォォォ!!!!!!!
あなた「…………」ポォォォ
栞子「ふぅ、水分補給したらアンコールの準備をしましょうか」
栞子「それよりあなた」
あなた「えっ!?はいっ!」
栞子「私も自分のことで精一杯でしたが、傍目で見る限り殆ど地蔵でしたよね」
あなた「うん、ごめん……。ちょっと雰囲気に圧倒されちゃって。せつ菜ちゃんこんなに凄いんだなって」
あなた(それと三船さんも……) 栞子「まぁいいでしょう。せめてアンコールくらいはお願いしますね」
あなた「うん!」
アンコール!
アンコール!
アンコール!
アンコール!
〜〜〜〜 最早お馴染みになりつつある気がするけどこの切り替えの速さに笑うわ パッ
ウォォォォォォォ!!!
せつ菜「…………」
栞子「おや、珍しいですね。いつもアンコール後は曲から入るのですが、今日はMCからですか」 せつ菜「皆さん、本日はほんとうに、ありがとうございました!!まさかソロで武道館に立てる日が来るなんて思っても見ませんでした!!」
せつ菜「ですが実は、武道館に立つの自体は初めてじゃ無かったりするんですよね」
せつ菜「皆さん分かりますか?」サッ
ニジガクー!!!!!
せつ菜「わっ凄い!そうです!!虹ヶ咲同好会で皆と一緒にスクールアイドルとして活動していた頃に、他のグループの皆さんと一緒にここで歌わせてもらいました!!」
せつ菜「もしかしたら私がスクールアイドルだった頃から応援してくれた人もいるんでしょうか??」
ハーイ!!!!!
栞子「はいっ!ハーイ!!!!!」バッ
せつ菜「こーんなにたくさん!!ありがとうございます!!!」 せつ菜「そのスクールアイドル活動中1度私のせいで同好会がバラバラになったり、厳しい両親に反対されたりいくつも苦難がありました」
せつ菜「そんな時、同じ同好会の部長が励ましてくれました」
せつ菜「自分の気持ちに嘘をつかないで、いつだって全力な私が好きだから」
せつ菜「言葉で伝えられないなら、私らしく大好きをぶつければいい」
せつ菜「多分その言葉が無ければ今のラノベ作家、そして声優の優木せつ菜はいません。それ程までに私はこの言葉に救われました」 栞子「…………」
あなた(せつ菜ちゃん……)
せつ菜「だから!次は私がみんなを応援する番です!!」
せつ菜「もしこの中にかつての私と同じように、自分の気持ちに嘘をついている人、自分の将来で迷っている人がいたら諦めないでください!!」
せつ菜「皆が大好きをぶつけられるように、私はこれからもずっとみんなの大好きを応援するために歌います!!」
せつ菜「それでは遅くなりましたがアンコールありがとうございます!!早速ですが優木せつ菜、大好きを精一杯この歌に乗せて歌います!!!」
せつ菜「虹ヶ咲スクールアイドル同好会、優木せつ菜で」
せつ菜「CHASE!」 あなた(そういえばそんなこと言ったっけ)
あなた(諦めないで下さい、か)
『なりたい自分を我慢しないでいいよ』
『夢はいつか ほら輝き出すんだ!!』
あなた(夢…………)
あなた(私の、夢) ガクッ
あなた「うっ……うぅ……」
栞子「大丈夫ですか……?」グスッ
あなた「ありがとう栞子さん。泣いてるんですか?」グスッ
栞子「あなただって泣いてるじゃないですか」グスンッ
あなた「ははっ、ホントだ……」 あなた(せつ菜ちゃんはこんなに大きくなったのに、私は何でこんな落ちこぼれてるんだろうってずっと思ってた)
あなた(でも今日やっと、なんであんなに自堕落だった分かった)
あなた(私はせつ菜ちゃんみたいに【大好き】をぶつけてこなかった、いや、ぶつけるほどの【大好き】がソングライターの仕事自体には無かったんだ)
あなた「私の大好きは──」 ー楽屋ー
ガチャッ
せつ菜「あ!来てくれたんですね!ありがとうございます!!」
あなた「うん、凄く良かった!!」
せつ菜「それからし……三船さんもありがとうございます!!楽しんでいただけましたか?」
栞子「そうですね。特にプロデビューしてからスクールアイドル時代の曲を歌ったのは初めてなので驚きました」
あなた「えっ、初めてなの?」
せつ菜「はい、三船さんの言うとおりです」
せつ菜「やはり声優はスクールアイドルとはまた別物ですし、いつまでも過去の栄光に囚われちゃいけないと思ったので、あえて歌わないようにしてたんです」
あなた「なんでそれを今日?スクールアイドル活動10周年とかそんな感じでも無いと思うけど」
せつ菜「あなたに聴かせたかったから」
あなた「えっ」
せつ菜「って、ホントは駄目なんですけどね。身内1人に聴かせるためにセトリを変えるなんて」
せつ菜「実はあなたが訪問してきた次の日、急遽セトリを変えたんです……」
あなた「え!?大丈夫だったの!?」
せつ菜「ダンスの方は体が覚えてました!スタッフの皆さんにはいっぱい迷惑をかけてしまいましたが……」 せつ菜「ホントは皆にも来て欲しいんですけど、あんまり人呼びすぎると怒られちゃいますから」
せつ菜「それにちょっと皆に声かけづらいっていうか、もう何年も連絡取ってない人もいますし」
あなた「やっぱり、私が皆を避けてたから……?」
せつ菜「そんなことありません……といいたいところですが、それもあると思います」
せつ菜「後は皆も大人になって色々忙しくなったんです。ちょっと寂しいけどそれは喜ばしい事ですから」 あなた「あ、ごめん!変なこと聞いちゃって!」
あなた「それで、何で私に聴いて欲しかったの?」
せつ菜「MCで言ったとおり、あなたの大好きを応援したかったんです。そのためにはあなたが作った曲をもう一度聴いて貰うのが1番だと思いましたので!」
せつ菜「あなたの大好きが何なのか、今の私には分かりません。でも、応援することなら私にも力になれるかなって!!」 あなた「ありがとう。せつ菜ちゃんのおかげでちょっと見えてきた気がする」
せつ菜「ホントですか!?」
あなた「うん。ほんとに何となくなんだけどね」
せつ菜「よかったです!あなたの力になれて!!」
栞子「期限を付けましたが、あまり必要無かったですかね」
あなた「いや、ほんとに何となくだから、結局見つからなかった時にはお世話になるかもしれない……」
栞子「そこは否定してほしかったです」 >>321訂正
栞子「期限を付けましたが、あまり必要無かったですかね」
あなた「いや、ほんとに何となくだから、結局見つからなかった時にはお世話になるかもしれない……」
栞子「そこは否定してほしくなかったです」 あなた「とにかくありがとうせつ菜ちゃん、三船さん。私もなりたい自分を見つけられるように頑張るよ」
せつ菜「え、もう行っちゃうんですか?」
あなた「うん、ちょっと行く所が出来たから」
せつ菜「だったら仕方ないですね……」
せつ菜「あ、だったら写真だけ撮ってもいいですか?当時の友人が遊びに来てくれました!!って。ネットに上げる時顔はちゃんと隠しますんで!」
あなた「いいよ。写真なんて久しぶりだね」
せつ菜「ほら、し……三船さんも!!」
栞子「今回も『またこいつか』とか書かれそうですね」
あなた(三船さんはいつも撮ってるんだ……) あなた「そういえば三船さんと写真撮るの初めてかも」
せつ菜「あー……あの頃は散々目の敵にされてましたからね私達」
栞子「まぁ、私怨をぶつけていたのは否めません。まだ未熟だったとはいえすみませんでした」
あなた「あ、いや、別に謝って欲しいわけじゃなくて、ただ珍しいなーって……」
せつ菜「またそのうちこの3人で食事でも行きましょうよ!」
栞子「そうですね。私も色々話したいです」
あなた「えっ、どんな事言われるの……?」
栞子「そこまで露骨に引かれるといくら私でも傷つきます……」ショボン
あなた「わっ、わっ!ごめんなさい!」
せつ菜「ふふっ、じゃあ撮りますよ!!」
せつ菜「はい、チーズ!!」
カシャッ あなた「それじゃあまたね、せつ菜ちゃん。今日はありがとう!!」
せつ菜「こちらこそありがとうございました!!私はずっとあなたのこと応援してますから!!」
栞子「頑張ってくださいね」
バタンッ
あなた「ふーっ……よし」スッ
メッセージを送信しました。
from しずく ガチャッ
あなた「あ、来てくれたんだ」
しずく「もちろん、先輩からのお誘いですから」
しずく「とはいっても、今日の夜に連絡だなんて急すぎますよ?たまたま仕事が早く終わっていたので来れましたけど」
あなた「ごめん……」 しずく「まぁ先輩が思いつきで行動するのは知ってますのでいいですよ」
しずく「ふふっ、それより今度は髪ちゃんと結んできてるんですね。とっても可愛いです!」
あなた「あの時は急いでたから起きてからそのまんまで……」
しずく「懐かしい、ですけど。まさかその歳になってまだツインテールにしていたとは……」
あなた「いっ、いいでしょ!好きなんだから!」
しずく「うーん、確かにお世辞抜きでまだ十分可愛いですからね。」
あなた「もう、髪の話はいいから!」 しずく「それで、わざわざ先輩から呼び出したと言うことは、考え直してくれたって事ですか?」
あなた「それなんだけど」
あなた「私、ソングライターの仕事好きじゃなかったみたい」
しずく「…………え?」 しずく「どういうことですか?」
あなた「思えばこの仕事、なりたくてなったっていう感じじゃ無かったし」
あなた「あの頃良い曲が書けてたのは皆のお手伝いがしたい!って熱意があったからなんだろうなって」
しずく「じゃあ私の曲は……?」
あなた「しずくちゃんには悪いけど、やっぱり無しって事で」
あなた「ほら、別の仕事するにしても何するか早めに決めないといけないし──」
しずく「そんなの嫌です!」バンッッッ
あなた「し……しずくちゃん……?」 しずく「なぜですか……声をかけるのが遅かったからですか?私のために曲を作るのが嫌なんですか?」
あなた「いや、嫌というか書けないというか……」
しずく「たとえ仕事が好きじゃなくても、私のためになら書けたりとかはしませんか!?」
あなた「しずくちゃん……なんでここまで私に拘るの?」
あなた「あの頃はアマチュアのスクールアイドルだったからともかく、今は色んな人から声がかかってるんでしょ?」
あなた「私なんか比べものにならないくらい凄い人だし、絶対私より良い曲ができるよ!なのにどうして!?」
しずく「相変わらず、先輩はにぶちんですね」 しずく「それは……」
しずく「…………」
あなた「しずくちゃん?」
しずく「はぁ…………言えません」
しずく「駄目ですね。お芝居なんて何回もしてきたはずなのに、あの頃と同じ。私は変わってない」 しずく「先輩、明日暇ですか?」
あなた「えっ、暇だけど。というより仕事もしてないのにわざわざ聞く必要ある?」
しずく「そうでしたね……すみません」
あなた「しずくちゃんは明日暇なの?」
しずく「…………ええ」
あなた「へぇ、意外だよ。しずくちゃんみたいな人気者は休みなんて無いかと思ってた」
しずく「休みは作る物ですよ」
あなた「へ?」 しずく「あ、いえ!ところで明日どうします?私が迎えに行きましょうか?」
あなた「えーと……」
あなた(って駄目だ!今の私の部屋結構散らかってるのに、そんな部屋見せられるわけ無い!)
あなた「お、お台場駅前で!お台場駅前でお願い!」
しずく「え〜残念です。折角だから私が先輩を起こしに行きたかったのに」
あなた「な、何言ってるのしずくちゃん!?そういう冗談はいいから!」
しずく「流石に分かります?」
あなた「いくらしずくちゃんが大女優でもそれくらい分かるよ!」
しずく「実は冗談じゃないです」
あなた「え!?」 しずく「冗談です」
あなた「どっち!?」
しずく「すみません。先輩があまりにも素直なのでつい」
あなた「もー、からかわないでよ」
しずく「寝顔は見てみたかったですけど」ボソッ
あなた「ん?」
しずく「ん”ん”っ!」
しずく「それでは朝9時にお台場駅でおいですか?」
あなた「あ、うん。分かった」 おー更新されてる
自分のペースで良いから頑張って書いて あなた「ところで明日何するの?」
しずく「それは明日になってからの秘密です」
しずく「今日はもう遅いので私もう帰りますね」
あなた「え、もうこんな時間!?」
あなた(ってせつ菜ちゃんのライブ後に来たんだから当然か)
あなた「私も出るよ。明日遅刻するわけにはいかないし」
あなた「えーと、いくら?」
しずく「私が全部出しますから先輩はいいですよ!」
あなた「いや、そんな!せめて私の分だけでも……」サッ
あなた(千円札4枚しか入ってない……)
あなた(貯金幾らだったっけ……)
カランカラン
「ありがとうございましたー」
あなた「え、しずくちゃんもう払っちゃったの!?」 カランカラン
あなた「待ってしずくちゃん!」
しずく「私が払うって言ったじゃないですか」
あなた「いやでも……」
しずく「それじゃあ明日返してください。それでいいですか?」ニコッ
あなた「分かった、明日ね」
しずく「それじゃあお休みなさい。気を付けて帰って下さいね」フリフリ
あなた「お休みなさい!しずくちゃんも気を付けてね!」フリフリ ーーーー
ピロンッ
ピロンッ
ピロンッ
あなた「んー……」
ピロンッ
ピロンッ
ピロンッ
あなた「何……?」
ピロンッ
ピロンッ
ピロンッ
あなた「アラーム……じゃないよね。」
スッ
あなた「まだ6時前だし……」 ピロンッ
ピロンッ
ピロンッ
あなた「五月蝿いなー……一体何事?」カチッ
【通知】
�イちゃん (1031)件の未読
ピロンッ
【通知】
�イちゃん (1032)件の未読
ピロンッ
【通知】
�イちゃん (1033)件の未読
あなた「ひっ!」ポトッ ラインにしろメールにしろ数時間でそんなに送れるものなのか… あなた「ビックリした……1000件って」
あなた「そういえば步夢ちゃんのメッセージ見なくなったのっていつからだろう」
あなた「昨日までは何件未読だったっけ……」
ピロンッ
ピロンッ
あなた「鳴り止まないよ……どうしよう」
あなた「とりあえず設定で通知オフにして……」
步夢ちゃん
無事なんだよね?ねぇなんで返事くれないの? (1039)
トーク一覧でチラッと見えたメッセージ。
どうやら同じような内容の文章を送り続けているようだ。
あなた(なんで急に……。こんなに連続でメッセージを送ってくることなんか今まで無かったのに) あなた「あ、せつ菜ちゃんから電話だ」
あなた「もしもし?」
せつ菜「聞いて下さい!朝起きたら步夢さんから30件ほど通知が来ていて!」
あなた(30件程で済んだんだ)
せつ菜「何だろうって気になって電話してみたんですよ」
せつ菜「そしたら昨日あなたと一緒にいたの!?今あの子どこにいるの!?って凄い圧で聞かれてしまって……」
あなた「なんで分かったんだろう」
せつ菜「あ、あれじゃないですか?昨日の夜3人で撮った写真あげたから」
あなた「あっ」
せつ菜「とはいえ私以外の顔はちゃんと隠してますよ!まぁ步夢さんには顔隠した程度では分かっちゃったみたいですけど」 あなた「それで、何か步夢ちゃんと話した?」
せつ菜「昨日ライブに来て貰ったって話したら、今度は何で私の所には来ないのって」
せつ菜「分かりません!気になるなら直接聞いたらどうですかって言いました。正直あの時の步夢さん、何だか怖かったです」
せつ菜「ところで、步夢さんとも連絡取ってないんですか?」
あなた「…………」
せつ菜「話しにくいんですか?今の状況のこと」
あなた「…………」 あなた「せつ菜ちゃんは話したの?今の私のこと」
せつ菜「詳しくは話してません。それはあなたが直接伝えるべきかと思って」
あなた「そう……よかった」
あなた「步夢ちゃんにはいずれ話すよ。少なくとも今のこんな様子じゃ步夢ちゃんに合わせる顔が無い」
せつ菜「…………そうですか」
せつ菜「あまり私が口出しするものでは無いと思いますけど、ちゃんと声に出して話し合わないと伝わりませんよ」
せつ菜「逆に声に出せばきっと伝わるはずです。敵対していた栞子さんみたいに」
せつ菜「朝早くすみませんでした、失礼します」
ガチャッ
あなた「…………」
あなた「はぁ……起きよ」 このssの更新止まった時期とこの>>1の別ss的に絶対ペルソナやっとるやん ーお台場駅前ー
あなた「着いたけど……」
キョロキョロ
あなた「しずくちゃんどこにいるんだろう。そういえば特に駅のどこで待つとか決めてなかったよね」
あなた「しずくちゃんらしい人は──」
トントン
あなた「はい?」クルッ
「おはようございます」
あなた「え、おはようございます……」
あなた「あの、どちら様ですか……?」
「ふふっ、先輩でも分からないならこの変装は完璧ですね!」スッ
そう言って目の前の女性はサングラスを外し、舌をペロッと出した。
あなた「えっ……しず──ん”ん”!?」
「ちよっと先輩!名前出さないでください!!」ギュムッ
あなた「ごっ、ごめん」
「もう、言っちゃったらこの格好の意味ないじゃ無いですか……」 ↑目立ちそうなので黒メガネにします。
そう言って目の前の女性は再び眼鏡をかけ直す。
帽子を被って長い髪をコートの中にしまい、黒眼鏡(伊達かな?)をかけたその姿はいつものしずくちゃんとは違い少し地味めで、注意深く見ないとしずくちゃんとは分からなかった。
あなた(これが芸能人の変装ってやつか……初めて見た) しずく「とりあえず移動しましょうか」
あなた「あ、うん」
あなた「芸能人って大変なんだね」
しずく「いつもはここまでしないんですけどね、今日は騒ぎになって先輩との時間の邪魔でもされてはかないませんから」
あなた「凄い変装だね。言われないと分からなかったよ」
しずく「先輩には気づいて欲しかったかも……。私先輩が着く10分前にはいたんですよ?」
あなた「え、ごめん!」
しずく「いえ、ただの私のワガママですから」 プルルルル
あなた(あれ、通知は切っておいたはずだけど)ゴソゴソ
しずく「あ、私です。ちょっと失礼しますね」ピッ
しずく「はい……はい……」ボソッ
しずく「そうなんです……朝から体調が悪くて……はい」ケホッケホッ
しずく「すみません。ありがとうございます。それでは……」ピッ
しずく「すみません先輩!」ケロッ
あなた「え、しずくちゃんもしかしてサボり?」
しずく「昨日言ったじゃないですか。休みは作る物だって」 あなた「い、いや!そんなの悪いよ!私はいつでも大丈夫だからしずくちゃんの都合の良い日でも……」
しずく「それじゃあ何年先になるか分からないですよ」
あなた「えっそんなに!?」
しずく「何年、は言い過ぎかも知れませんけど、少なくともここ数ヶ月は予定がびっしりでこうでもしないと丸1日休みなんてありませんよ」
しずく「好きでやってることですから仕方ありませんけど」
あなた「なんか悪い事しちゃったかな」
しずく「先輩が気にする必要ありませんよ。誘ったのは私なんですから」 しずく「それよりほら、今日はどうします?折角先輩と2人きりでお出かけなんだから楽しまないと!」
あなた「あ、特に行く場所とかは決めてないんだ」
しずく「昨日決めましたから流石に考える時間はありませんでした。それに念入りに準備なんかしなくても先輩といるだけで楽しいですから!」
あなた「私も、またしずくちゃんと遊べて嬉しい!」 しずく「先輩はどこか行きたい場所とかありませんか?」
あなた「んー……とりあえず映画館行こうよ」
しずく「いいですよ。行きましょう!」
ーーーー
ー映画館ー
しずく「先輩、何見ます」
あなた「うーん……あ、これしずくちゃん主演の奴じゃない?」
しずく「あ、はい……。そうです……///」
あなた「これ見てもいい?」
しずく「え?」
あなた「そういえば私しずくちゃんの出てる番組とかちゃんと見たことあんまり無かったなって」
あなた「きっと羨ましかったんだ。でも今ならちゃんと向き合えると思う」
あなた「駄目かな?」
しずく「いいえ、駄目じゃありません!是非見てください!精一杯演技しましたから!!」 しずく「ど、どうでしたか……?」
あなた「…………」グスッ
しずく「先輩!?泣いてるんですか!?えっとハンカチハンカチ……」
あなた「ごめんしずくちゃん……映画も良かったけど、それ以上にしずくちゃんの演技に圧倒されちゃって……」グスッグスッ
しずく「そこまで言っていただけるなんて役者冥利につきます」
あなた「きっといっぱい努力したんだよね。流石大女優なんて言われるだけあるよ」
しずく「ありがとうございます…………」
あなた「今のしずくちゃんはもうあの自分を大女優だって奮い立たせてたあの子とは違って、立派な大女優なんだね……」
しずく「…………」
あなた「やっぱり私なんかいなくても……」
しずく「ちょっと先輩!何でそうなるんですか!」 しずく「先輩は自分を過小評価しすぎです!」
しずく「私がここまで演じられるようになったのはスクールアイドル時代の先輩のアドバイスのおかげですし、私はまだまだ現状で満足なんかしてません!更なる高みを目指すためにはこれからも先輩が必要なんです!」
しずく「あっ、先輩が必要と言っても、別に変な意味では無くて……」
あなた(相変わらず凄い肺活量……)
あなた「あはは、ごめん」
しずく「あ、からかいましたね!?」
あなた「いや、そういう訳じゃ無いよ!」
あなた(私を必要としてるって言ってくれるのが嬉しくて、つい)
今までの他の皆にはもう私以外の大切な人がいた。
だから、しずくちゃんに私が頼りにされている事がたまらなく嬉しかった。 >>429追記
あなた(私を必要としてるって言ってくれるのが嬉しくて、つい)
今まで会った他の皆にはもう、私以外の大切な人がいた。それは仕方ない事だけど、やっぱりどこか寂しさが募っていった。
だからしずくちゃんが、私を必要としてくれている事がたまらなく嬉しかった。 しずくかわいいな
楽しみにしてるから時間かかってでも完結させてほしい しずく「あと、あんまり大女優大女優って言わないでくれると助かります」
あなた「え、なんで?」
しずく「やっぱり皆色眼鏡で見ますから。芸能界では演じていないときでも女優という桜坂しずくを演じているんです。そう振る舞ってるのは私の方なんですけど」
しずく「だから演じていない素でいられる今は凄く落ち着くんです。先輩は私のこと女優じゃなく後輩の女の子として接してくれないと嫌です!」
あなた(か、可愛い……!)
しずく「今女の子……?とか思いました?」
あなた「思ってない!思ってない!」
あなた(気にしてるのかな?) グ〜
しずく「あっ……///」
あなた「……プッ」
しずく「今笑いましたね先輩!?」
あなた「いや、ごめん!つい!」
あなた「ほら、丁度いい時間だしお昼行こうよ!」
しずく「むぅ……。分かりました」
しずく「先輩は何か食べたい物とかありますか?私が全部出しますよ」
あなた「え、いいの!?」
あなた「あっ……ごめん。何か後輩にタカってるみたいに……」
しずく「私は別に構いませんよ。お金ならたくさんありますし」
あなた「ほ、ほんと?実は行ってみたかった所が……」 カランカラン
「いらっしゃいませ」
しずく「このレストランは……」
あなた「あれ、来たことあった?」
しずく「いえ、何かの紹介で見たことはあります。行ったことは無いですけど」
ペラッ
しずく「わっ、ランチのコース料理が5000円ですか。結構お高いですね」
あなた「でしょ?それにここの店雰囲気的に私1人じゃ入れなくって。ごめんね?」
しずく「いえ、私は構いませんよ。確かにお値段がするだけあって美味しそうです!」
「あの、すみません。失礼ですが、もしかして近江……いや、近江さんの……?」 あなた「え?あ……」
ーーーー
彼方『おー!キミか〜偶然〜。最近よく会うね〜』
『そ、そうだな……。偶然だな……』
『その……今日も一緒に行っていいかな』
ーーーー
あなた(この人あの時の……) あなた「はい、彼方さんの友人です」
「やっぱり!」
しずく「え、ここ彼方さんが働いてる店だったんですか!」
あなた「うん、ちょっと前知ったんだ」
あなた「でもよく分かりましたね」
「いや、あい……近江さんから散在聞かされてるんで。妹が大好きみたいでその話ばっかなんですけど、それと同じくらいあなたの話も滅茶苦茶してくるんですよ」
「スクールアイドルやってた時の写真とかもよく見せてもらってそれで」
「…………え、てことはその横に座ってる方ってまさか……」チラッ
しずく「!」
しずく「しっ、しーっでお願いします!お忍びなんです!!」ボソッ
「あっ、すみません……」シーッ 「注文運ぶときあいつに行かせますね!」ダッ
あなた「とうとうあいつ呼び隠さなくなってる……」
彼方「おぉ〜本当にあなたが来てる!」ゴトッ
彼方「それにしず──」
しずく「かっ彼方さん!名前は言わないでくれると助かります!!」ボソッ
彼方「あ、お忍びって奴?ごめんねしず──」
しずく「彼方さん!」キッ
彼方「あっ、ごめんね。つい」 あなた「うわ〜美味しそう!流石5000円のランチ……」
あなた「これ彼方さんが作ったの?」
彼方「まさか〜。彼方ちゃんはまだまだ修行中なのです」
しずく「彼方さん程の腕ならすぐ任せられてもおかしくないと思いましたが、料理の世界も厳しいんですね」
あなた「いつか自分の店出せるといいね」
彼方「うん、彼方ちゃん頑張る〜。もしお店を出したら皆を1番に招待するよ!」
彼方「それじゃあ、ごゆっくり〜」 パクッ
あなた「あっ……」
しずく「どうかしましたか?先輩」
あなた「いや、この前彼方さんに料理食べさせて貰ったんだけど、この料理は確かに彼方さんのよりも凄く美味しいなって。素人でも分かっちゃう」
あなた「実力主義の世界なんだね。料理も……音楽も……」
しずく「先輩……」
あなた「ごめん、折角のランチなのに!さ、しずくちゃんも食べて?これすっごく美味しいよ!」
しずく「先輩、認めたくないかもしれませんが、音楽は完全な実力主義では無いです」
あなた「え?」
しずく「コネです」
あなた「コネ……」 しずく「実力はあるのに芽が出ないまま沈んでいくなんて、音楽の世界では珍しくないです。音大を主席で卒業しても音楽で食べていけるとは限りませんから」
しずく「実際先輩の音楽だって埋もれていました。でも業界と設定でもあれば多くの人に聴いてもらえます。先輩ならすぐにでもプロにだって!」
しずく「これも私と先輩の縁です!音楽業界には知り合いもいますし、先輩がよければすぐにでも──」
あなた「今の私の実力じゃ無理だよ。しずくちゃんの顔に泥を塗ることになる」
しずく「すみません、そうでしたね。先輩が乗り気じゃないなら無理になんて言えません」
しずく「それでも私は……いえ、やめましょう。食事中に気を悪くさせてすみませんでした」
あなた「…………」 ーーーー
しずく「さて、気を取り直して!一緒に服見て回りましょう!」
あなた「え、服?」
しずく「先輩に似合う服色々探したいんです!勿論私がプレゼントします!」
あなた「え、そんな悪いよ」
しずく「私がしたくてしてるんだから先輩は遠慮しないでください!」 しずく「ほら、これなんてどうですか?
あなた「うわぁ〜。でもこれ可愛すぎないかな?私もうすぐ三十路なんだけど……」
しずく「先輩今でも高校生みたいに見えるから大丈夫ですよ!」
あなた「え、私そんなに子供っぽい!?」 しずく「ほらっ、これもこれも!や〜可愛い〜!」
あなた(あれ?)
しずく「今度はこれ来てぶりっ子ポーズしてみてください!」
あなた「ぷりぷり」
あなた(これってまさか)
しずく「次はこれ来て壁ドンしてください!」
あなた「俺の物になれよ」
しずく「〜〜〜ッッッッ!!低身長ツインテールなのに格好いいこのギャップ!!!最高です!!」
あなた(私着せ替え人形にされてる……?) あなた(なんか疲れた……)
しずく「もう……私が買ってあげるのに、先輩ったら別にいいの一点張りなんて」
あなた「服には困ってないし、それに今の服気に入ってるし」
しずく「黒を基調に色んなインクが散らばってるデザイン……。あまり見ない服ですけど何処のブランドですか?」
あなた「島村」
しずく「え、島村さん?オーダーメイド品ですか?」
あなた「いや、だから島村。ファッションセンターの」
しずく「え……先輩島村の服着てるんですか……?」 あなた「お金無いときに、いや今もお金無いんだけど、島村の服にお世話になってね」
あなた「今ではすっかり島村の服気に入っちゃって。寧ろ高い服に苦手意識持つようになっちゃったんだ」
しずく「し、島村ですか……」ジーッ
あなた「意外と悪くないよ」
しずく「確かにそのデザインは私もわりと好きですけど……」
あなた「じゃあお揃いにする?」
しずく「え?」 ーファッションセンター島村ー
あなた「あったあった」
しずく「メンズコーナーにあるんですね」
あなた「しずくちゃんは白が似合うかな。色違いでおそろだね!」
しずく「…………私これ買ってきます!」
あなた「え、決断はやっ!」 しずく「どうですか、先輩」
あなた「やっぱり、しずくちゃんは白が似合うね!」
しずく「そ、そうですか?先輩とお揃いなんて嬉しいです」
しずく「今日はそのままこれ着ますね?ふふ、おそろデートです///」
後日しずくちゃんがツイッターに載せたこの服が話題となり、全国の島村から消える事態に発展することになるのだけれど、それはまた別の話。 しずく「歩いたからちょっと小腹空きましたね」
あなた「あ、それならパン屋よって行かない?」
しずく「パン屋ってかすみさんのですか?」
あなた「そうだけど……よく分かったね」
しずく「さっきも彼方さんのお店でしたし、今度もそうかなと」
あなた「この前また来てくださいって言われて行けてなかったからね。折角だからしずくちゃんと一緒に会いに行こうかなって」
しずく「…………かすみさんと会うのは別にいいですけど、私は先輩と2人きりがいいのにな」ボソッ
あなた「嫌かな……?」
しずく「い、いえ!そんなことありません!私も久しぶりですし、行きましょう!」 ーかすみんベーカリーー
かすみ「いらっしゃいませー!」
しずく「かすみさん久しぶり」
かすみ「え?」
しずく「私ですよ私!」
かすみ「えっ……もしかしてしず子!?嘘、凄い久しぶり!!」
キャッキャッ
あなた(なんだ、やっぱりしずくちゃんもかすみちゃんに会えて嬉しいんだね) しずく「仕事忙しくなってから全然会えなくってごめんね。結婚式の招待も来てたのに行けなくて……」
かすみ「でもしず子ビデオレター送ってくれたじゃん!すっごく盛り上がったんだから!」
かすみ「先輩も、また来てくれてありがとうございます!」
あなた「うん、パンが美味しかったらまた来るって言ったからね」
かすみ「ふふん、だから言ったでしょ?かすみんのパンは世界一美味しいって」
かすみ「しず子がお気に入りのパン屋さんって宣伝してくれてるおかげもあってもう毎日売れまくりですよ!」
「友達に見栄張るな!」バンッ
あなた「今なんか厨房から聞こえてきたけど……」
かすみ「うっ」 かすみ「売り上げの方は個人経営にしてはって感じです……」
かすみ「でもでも、世界一美味しいのはホントだし、色んな新しいパン作り頑張ってるもん!」
しずく「かすみさん、誰も攻めてないから、落ち着いて?」
かすみ「はっ、すみません……つい理想とのギャップが」
かすみ「もー、あなたも余計なこと言わないでよ!」 あなた「理想とのギャップか……なんか凄く分かるな」
かすみ「え?」
あなた「私も実力と世間の評価のギャップに悩んでたから」
あなた「かすみちゃんはなんでそのギャップに耐えられてるの?」
かすみ「……私はパンを作るのが好きだから、もっと皆に私のパンを食べて欲しいって思ってるから」
かすみ「その気持ちがあるから、たとえ理想より売れなくてもずっと続けていられるんです」
かすみ「それに、今はそれ程有名で無くても、いつかは皆分かってくれるって信じてますから!そのための努力だって欠かしてません!」
かすみ「夢はでっかくです!」
あなた「かすみちゃん……」 あなた「ありがとうかすみちゃん」
しずく「先輩、おしゃべりもいいですけど、パン決まりましたか?」
あなた「あ!直ぐ選ぶね!」ピュー
しずく「ねぇ、かすみさん。お腹の子今何カ月なの?」
かすみ「6カ月です。触ってみる?」
しずく「いいの?それじゃあ……」ピトッ
ドクンッ
しずく「わっ、音聞こえた!凄い!」
しずく「へぇ……かすみさんももうお母さんかぁ」
かすみ「産まれてくるのが楽しみだよ〜」 しずく「子どもか……私は多分……」
かすみ「?」
かすみ「ね、しず子は付き合ってる人とかいないの?」
しずく「え、私?」
かすみ「あ、でも芸能人だとそういうの秘密にしないといけないのかな。ね、かすみんにだけ教えてよ!かすみん口堅いから!」
しずく「かすみさんの口が堅いかはともかく、付き合ってる人はいないよ?結婚の予定も無いし」
かすみ「えー芸能人ってやっぱりモテモテじゃないのー?」
しずく「まぁ、それなりに?」
かすみ「いいなー。俳優のあの人とかあの人とか〜」
「お前そういう話夫の前でするんじゃねーよ」バンッ あなた「お待たせ!」
かすみ「ね、しず子!また来てよね!」
しずく「うーん、どうしょっかな〜?」
かすみ「もう!意地悪言わないでよ!」
しずく「冗談だよ。前みたいに通うのは出来ないけど、絶対また来るね」
かすみ「絶対だからね!」 あなた「さてと、何処で食べよっか」
しずく「いつものお気に入りの場所でいいですか?」
あなた「いいね、そうしようか!」 キズナエピソードのお気に入りの場所って勝手にお台場公園の海岸って思ってたけど、何か作中で他にそれっぽいところ明言あったっけ キズナエピずっと待ってるわけにも行かないので、お気に入りの場所は想像で書きます
ーお台場海浜公園ー
あなた「懐かしいね、ここ。昔しずくちゃんに連れられたっけ」
しずく「覚えててくれたんですね!」
あなた「今でもよく来たりしてるの?」
しずく「えぇ、お芝居に行き詰まったりした時とかはたまに。結構目撃情報とかもあったりして」
あなた「じゃあここにいたら見つかっちゃうかもしれないね。場所変える?」
しずく「先輩が気にすることじゃありませんよ!別に男性といるわけじゃ無いんですからスキャンダルとかにはなりません」
あなた「それもそっか」 あなた「そこのベンチでパン食べよっか」
しずく「そうですね」
パクパク
あなた「ん、やっぱり美味しい!」
しずく「腕をあげたね、かすみさん。皆にも教えてあげなきゃ!」パシャッ
あなた「宣伝?」
しずく「はい、また2人で遊びたいって言っておきながら全然会いに行けてないので、お詫びも込めて。ファンの方にも好評らしいですが、まだ一部にしか知られてないみたいで」
しずく「勿論本当に美味しいから美味しいって言ってるんですよ?」
あなた「それは今このパンを食べてる私達がよく分かってるって!」 あなた「それにしてもしずくちゃんの宣伝か……」
しずく「先輩も宣伝して欲しくなっちゃいました?」
しずく「って上からですね。すみません」
あなた「いや、かすみちゃんのはしずくちゃんも言ったとおり本当に美味しいから単なる身内贔屓になってないだけで」
あなた「私の曲はなぁ……」
しずく「…………」
しずく「私も無理にとはもう言いません」
あなた「え?」
あなた「昨日はあんなに必死だったのに……」ボソッ
しずく「もっと迫って欲しかったですか?」
あなた「あっ、違っ……!」 しずく「北風と太陽ですよ。私もあの後少し冷静になって、先輩に強要しても逆効果なんじゃ無いかって思ったんです」
しずく「だから今は無理にとは言いません。先輩が書きたくなったら書いてください。私はいつでも大歓迎ですから!」
あなた「しずくちゃん……」 しずく「でも先輩が早くしないと、私もしびれを切らして他の人の曲でアーティストデビューしちゃうかもしれませんよ?」
あなた「…………」
あなた「あの、1つ聞いていい?」
しずく「なんですか?」
あなた「昨日言ってた私に拘る理由っていうのは……」
しずく「…………」 しずく「教えません」プイッ
あなた「え!?」
しずく「そうですね……曲をくれたら教えてあげます。知りたかったら曲を下さい❤」ニッコリ
あなた「くっ……知的好奇心を利用するとはしずくちゃん策士……!」
しずく「作詞だけに?」
あなた「あ、しずくちゃんってば愛ちゃんみたい!」
しずく「自分でも思いました!」
アハハハハ
ーーーー しずく「先輩とまたここで一緒に散歩できるなんて嬉しいです」
あなた「そう?私も嬉しいな」
しずく「えっ……」
しずく「…………」
しずく「あっあの!手繋いで歩いてもいいですか!?」
あなた「大丈夫?声裏返ってるよ?」
しずく「もう、からかわないで下さい!」
あなた「ごめんごめん。はい」スッ
しずく「……はい」
ギュッ
しずく(先輩の手、あったかい……)
あなた(うわっ、やっぱり近くにいるとしずくちゃん凄くいい匂いする///) あなた「でもこうしてしずくちゃんといるだけでホントに楽しいや。皆とも一緒にいるだけで楽しかったし」
しずく「皆とも……ですか」
あなた「何で今まで皆のこと避けてたんだろう。あ、今の自分を見られたくないからか」
しずく「先輩のことを非難する方なんて誰もいないと思いますけど」
あなた「そうかもしれないけど、私自身が恥ずかしいというか」
あなた(相変わらず步夢ちゃんに会う踏ん切りは付かないし) あなた「夕暮れ綺麗だね」
しずく「そうですね。今日はとっても楽しかったです!」
しずく「あ、そうだ先輩。私実は行ってみたいところがあって……」
あなた「お昼は私の我が儘聞いて貰っちゃったしいいよ。何でも言って?」
しずく「はい!案内します!」 カランカラン
「いらっしゃいませ。2名様ですか?」
しずく「はっはい!」
あなた「……?」キョロキョロ
「本日はどういった娘をお好みでしょうか」
しずく「あ、そういうの選べるんですね。えーと、格好いい雰囲気だけど、ボーイッシュ程ではないくらいの娘を……」
「かしこまりました。お部屋までご案内しますね」 「それではお呼びして参りますので、こちらでお待ちください」
しずく「ひゃっ……ひゃい!///」
あなた「あのーここって……」
しずく「キャバクラです」
あなた「あ、やっぱり?」 追い付いてしまった…
続き期待してブックマークしときます! 昨日知って一気に読んできた
あなたちゃんとしずくちゃんを…頼みますぞ…! しずく「あ、勘違いしないでくださいね。これはあくまで演技のための勉強ですから」っっ
しずく「いずれこういう店に関する役をすることもあるでしょうし、1度来てみたかったんです」っっ
しずく「それに1人じゃ男性向けの場所は入りにくいじゃないですか。先輩と2人なら勇気が出るかなって」っっ
しずく「だからっ、単純に興味があったからとかそういうのでは無いんですよ!?」っっ
あなた(すっごい早口で言ってる) コンコン
「お待たせ〜」
しずく「き、来ました!!」
あなた(しずくちゃん普通に楽しんでない……?)
ガチャッ
果林(29)「失礼しま〜す」
しずく「え?」
あなた「あれ?」
果林「えっ」 果林「…………」
キィィィ
あなた「ちょっと待って!帰ろうとしないで!」
果林「…………はぁ。どうしてキミ達がいるの?なんでここが分かったの?」
果林「まぁ一部で元スクールアイドルがいるって噂にもなってるし、そりゃあキミ達にもバレるわよね」
しずく「い、いえ……たまたま評判が良さそうな店を選んで店員さんに女の子をオススメしたらたまたま果林さんが出てきたというか……」
果林「え、知ってたからウチの店に来たんじゃ無いの?」
しずく「たまたまです」
果林「だったらなんでキャバクラなんかに!?」
しずく「それは……興味本位といいますか……」
果林「はぁ…………私運は良い方だと思ってたのに」 あなた(果林さん、会ったのは同好会の頃以来だけど、ショートの髪と厚すぎない化粧、それに高そうな服がより妖艶さを際立ててられてる……!)
あなた(なんていうかエロギリギリを攻めたセクシーさで、女子の私でもドキドキしてきちゃう……!!)
果林「それにしてもキミ達のその服何?特にしずくちゃんなんてテレビで見るのはもっとオシャレな格好なのに」
しずく「こ、これはその……///」
果林「よく見たらお揃いじゃない!ラブラブね❤」
しずく「お似合いだなんてそんな……///」 果林「まぁ折角来たんだし、楽しんでいって!お酒つぐわね」ジョボボボボボ
しずく「あ……お願いします……」
果林「ほら、キミも!」ジョボジョボ
あなた「あっ……///」(近っ)
果林「なぁに?顔赤くしちゃって、可愛い❤」
あなた「…………!!」ドキドキ
果林「ほぉら、もっと近くに来て?」ギュッ
しずく「ちょっ……ちょっと果林さん!」ガタッ
果林「どうしたのしずくちゃん、ここはそういう店よ?」 果林「しずくちゃんもあの頃より大分綺麗になって可愛いわ。お姉さん食べちゃいたいくらい」
しずく「わっ……///」
チュッ❤
しずく「っっっ!!!?///」
あなた「…………!!?」ドキドキドキ
果林「今度はお口にキスしちゃおうかしら」
しずく「…………///」カァァァ
あなた「うっ、うわぁぁ……」バクバクバク 果林「ねぇしずくちゃん、私もお酒飲みたいんだけど、頼んでもいいかしら」
しずく「は……はいっ///」
果林「ありがとう、しずくちゃん」ニコッ
果林「すみませーん!これとこれと、あとこれもお願いします」
しずく「ふーっ……ふーっ……」
あなた(色んな演技をしてきたしずくちゃんがここまで流されるなんて……)
あなた(キャバクラ……なんて恐ろしい場所なんだ!) 元スレ建てた者だけど自分がまったく意図していなかった路線でめちゃくちゃ面白くなってる
>>1ありがとう期待してる おぉまさかの元スレ主が
どんなん想定してたかそれはそれで気になる しずく「はぁ……はぁ……///」
あなた「ちょっとしずくちゃん大丈夫!?恋愛系はお芝居で慣れてるんじゃないの!?」ボソッ
しずく「お、お芝居はあくまでお芝居ですから……。でもこれはちょっと、私には刺激が強すぎるかも……!」ボソッ
果林「ちょっと、私を無視しないで?」ヒョイ
あなた「わっ……///」(すっごいいい匂い!)
あなた「かっ、果林さんノリノリだね」
果林「そりゃあ仕事だもの。でもしずくちゃんの演技力には負けるかしら?」
しずく「い、いえ。お世辞抜きで果林さんの演技力は素晴らしいです!こんなドキッとさせられる演技、私にはとても……」
果林「演技じゃないって言ったらどうする?」
しずく「え!?」ドキッ 果林「実はしずくちゃんの事ずっといいなって思ってたの。この後ウチで飲み直さない?」ギュッ
しずく「えっ……えぇぇぇ///」カァァ
果林「って、これ以上はしずくちゃんが沸騰しそうね。ほら、2人とも今日は折角久しぶりに会ったんだから楽しみましょう?ほら飲んで飲んで!」
あなた「う、うん……」ゴクッゴクッ
しずく「…………///」プシュー
あなた(お酒じゃ無くて雰囲気に酔いそうだよ) それから私達3人は色んな話をした。
果林さんはここに来る前はモデルの仕事をしていたけどあまり売れず、辞めた後ずっとここに勤めているということ。
指名はリピーターも多くなかなか好調で、売り上げトップを取ったこともあるということ。
ここには私達みたいに女性のお客さんも意外と来るということ。
しずくちゃんは私達が目にしている以上にメディアに引っ張りだこで忙しく、毎日お酒を飲んでリラックスしているということ。(女優桜坂しずくのイメージがあるため、インタビューでは言ってないらしい)
家に帰ってもやることはシャワー、食事、仕事の確認、睡眠以外に暇が無い程忙しいということ。
そして私は今、バイトを辞めて働いていないということ。
アーティストを目指していたが結局なれなかったという話は2人の後にするには、恥ずかしくて言い出せなかった。 それから果林さんから尋ねられたこともあって、しずくちゃんがアーティストデビューを断っているという事についても触れた。
この件に関しては、しずくちゃんはとあるアーティストに交渉中ということでボカして話した。
しずく「私にはこの方しかいないと思っています」
しずくちゃんの期待が嬉しいと同時に、受けられないかもしれない罪悪感でいっぱいになった。 続けてくれてありがとう
保守あんまり出来なくて申し訳ない 💧☑
📶◻
👑☑
🎀◻
🎙☑
✋◻
👠☑
🍞◻
🐏☑ 果林「あら、もう時間みたい」
あなた「え、もう?」
果林「延長する?特別に安くしておくわよ!」
あなた「どうする?しずくちゃん」
しずく「果林さんから学ぶことは多いですし、久々に話せて楽しかったです」
しずく「次いつ会えるかどうか分かりませんし、延長したいのは山々なんですけど……明日もお仕事早いんですよね」
しずく「うぅ……今日休んじゃったのもあるし、これ以上皆さんに迷惑を掛けるわけには……」
あなた(ずる休みしてたけど、やっぱり根はマジメなんだね) 果林「流石大女優さん、毎日忙しいのね。それならあんまり強く引き止めるのも悪いかしら」
しずく「すみません……。ですが、果林さんの同性までも魅了するその演技、いつかぜひ学ばせていただきたいです……!」
果林「あら、同性を魅了する機会でもあるのかしら?」
しずく「そ、それは!ほ……ほら!そういう役を演じることもあるでしょうし、性別関係なく人を魅了する演技はまだまだ私には足りてないかなと──」
果林「ちょっと、 しずくちゃん。からかっただけなのに何をそんなに焦ってるの?」
しずく「からか──!?もう、果林さんっ!!」 果林「ふふ、なんだかこういう反応は逆に新鮮だわ。あの頃は皆すぐに慣れちゃってからかいがいが無かったもの」
あなた「それだけ果林さんがあの頃よりもっと魅力的になったって事なんじゃない?」
果林「もう、キミってば嬉しいこと言ってくれるじゃない!」
果林「そうだ!はい、次の来店の時2000円安くなるクーポンをあげるわ!」
あなた「えっ、次……?」
あなた(次はしずくちゃんも忙しいだろうから来るとしても1人だろうし、自腹でキャバクラはお財布的に……)
あなた(というか果林さんに会うだけならプライベートでいいのでは?)
果林「だ・か・ら、また来てね♡」ギュッ
あなた「あう……///」スポッ
あなた(身長差で丁度果林さんの胸の所に私の頭がすっぽりと……///) しずく「……」ジーッ
果林「ほら、しずくちゃんも」ヒョイヒョイ
しずく「え!?はい!」
ギュゥゥ
しずく「…………///」カァァ 果林「ありがとう、今日は楽しかったわ」
果林「そうだ、私がここで働いてるっていうのは皆に内緒にしておいてもらえるかしら」
あなた「え?うん」
しずく「それは構いませんが……」
果林「特にエマには……」
あなた「エマさん?」
果林「ううん、とにかくそういう事だから。よろしくね♡」チュッ
あなた(不意打ちの投げキッスやばっ///) ーーーー
あなた「果林さん、凄かったね……」
しずく「私、まだ少し顔が赤いです……」
あなた「しずくちゃんがそんなになるなんて、果林さんのセクシーさは流石だね」
しずく「大人の魅力が増して、あの頃よりも更にレベルがあがっていました。今になっても、やっぱりあのクラクラする色気には敵う気がしません……」
あなた「まぁ果林さんはセクター担当みたいな所あったからね。そのセクシーさを武器にしてる職業なんだから、いくら女優だからって勝てなくてもおかしくないと思うよ」
しずく「それはそうかもしれませんけど、私もいつかあのくらいの色気を出せるようになりたいです!」 あなた「それにあの頃は体を使って誘惑することはあんまり無かったけど、今日は全然躊躇いがなかったよね」
あなた「すっごくいい匂いしたし、その……胸とかすっごく柔らかくて女の私でもドキッとしちゃった」
しずく「いつものお芝居は演技って分かっますし、私も役になりきっているから大丈夫なんです」
しずく「だけど、あれは演技だろうって分かってるのに、それでもドキドキしてしまいました///」 しずく「そうだ!先輩、ちょっと私の演技力も見て貰っていいですか?」
あなた「え、ここで?いいけど……」
しずく「ありがとうございます!先輩はそこでじっとしててください」
あなた「これでいい?」
しずく「ありがとうございます。…………よしっ、いきます」
ギュッ
あなた「し、しずくちゃん?」
しずく「…………」ギュゥゥ
あなた(うわぁ///果林さんも凄かったけど、しずくちゃんも凄くいい匂いするし、それに柔らかい///)
あなた(というか今の有名になったしずくちゃんとこうしてるのって凄い事なんじゃ) しずく「どうでしたか?」
あなた「え!?どうって……」
しずく「その、ドキドキさせられましたか……?」
あなた「うん!そりゃあもちろん!何だかホントの恋人になったみたいだったよ!」
あなた「相手の男役の人が羨ましいよ!」
しずく「そう、ですか」
しずく「ならよかったです!」ニコッ しずく「そろそろお別れですね。先輩、今日はデートに付き合ってくれてありがとうございました」
あなた「いやぁこちらこそ。しずくちゃんとのデートなら大歓迎だよ!」
しずく「…………」
しずく「あーっ!!!!」
あなた「どうしたのしずくちゃん!?」
しずく「どうしましょう……デートに夢中で、曲のこと話すのすっかり忘れてました!私のバカバカバカ!!」 しずく「今からでもお話を、でももう時間も遅いしどうすれば……」
あなた「あの……ラインで良かったらいつでも話聞くけど」
しずく「うぅ……できれば直接お話ししたかったですが、仕方ありませんね。また時間を見つけて連絡します。でも、必ず直接会って説得する機会も作りますから!」
しずく「それでは先輩、お休みなさい!」ダッ
あなた「あ!送っていかなくて大丈夫ー?」
しずく「大丈夫でーす!」
タッタッタッ
あなた「説得か……。やっぱりしずくちゃんは私に曲を作って欲しいんだね」 あなた(私は、どうすればいいんだろう)
あなた(今まで会った他の同好会の皆は、私がいなくても別の誰かと一緒に人生を歩み出していた。私はもう必要無くなっていた)
あなた(でもしずくちゃんは、大女優になって引っ張りだこのはずのしずくちゃんは何故か私を頼ってくれている)
あなた(それが凄く嬉しかったし、できればその期待には応えたいけど……)
あなた「もし曲を書くとして、今の私に本当に書けるのかな」
何十回としてきた自問自答。
今日一日しずくちゃんと過ごしても、答えは出ない。 あなた(それにしてもさっきから何か忘れてるような気がするんだけど何だろう)
あなた「うぷっ……ちょっとお酒飲み過ぎたかも」
あなた「ん?お酒?…………あー!!」
あなた「しまった!昨日のバーのお代、明日返すって言ってたのに忘れてた!!」 あなた「と、とりあえずメッセージ送ろう!」
あなた「昨日のバーのお代払うの忘れてた、と……」
あなた「あ、もう既読付いた」
☔<(その事ならもう貰いましたよ)
(え?)>
☔<(今日私とデートしてくれたのがお代代わりです)
(いやいや、ちゃんと代金払うから!)>
☔<(なら他にもお代考えておきますね?)
あなた「…………」 栞子が想像以上にあなしおだった
これイメージ保ててるかな 栞子まだ出そうかなと思ってたんだけど、今後の追加ストーリーで栞子がどうなってくか予想が付きにくくなってきたしどうしようかな 公式で欠片も描写されてないせつ菜オタク要素ぶちこんでるんだから公式の栞子がどうなろうとこのSSで悩む必要ないだろ まぁそれもそうかな
スクールアイドル好きになりそうな要素は後出しで出てたけど よくも悪くもファンが自由に書くのがSSなんだからあまり気にしなくていいと思うが ー自宅ー
ボスン
あなた「ふーっ……まだちょっと顔赤いや」
あなた「しずくちゃんにメッセージ送ろう」
あなた「步夢ちゃんからのメッセージ1500ちょいか……。思ったより増えてないし途中で送るの辞めたのかな」
あなた「えーと、しずくちゃん、今日はありがとう。楽しかったよ、と」
あなた「…………」
あなた「…………」
あなた「…………」
あなた「既読付かないなぁ。もう寝ちゃったのかな。明日早いって言ってたもんね」 あなた(それにもう一つ気になったのが)
あなた「久々だけど返してくれるかな。というかメッセージ送れるっけ?送れたとしても通信料大丈夫!?というか向こう今何時だっけ!?」
あなた「いいや、えーい!」
あなた「…………」
あなた「あっ、既読ついた!」
🍞<(うわー!久しぶり!!)
🍞<(たまたまスマホ見てたらあなたからメッセージが来てたんだもん!びっくりしたよ!)
🍞<(ずっと返事無かったから心配したよー!)
(ごめんね。エマさん)>
🍞<(ううん。私は気にしないよ)
🍞<(どうかしたの?それともお話してみただけ?)
あなた(ちょっと確かめたいことがあるんだ。勿論直接は聞かないけど) (今日果林さんに会ったんだ)>
🍞<(えぇ!?果林ちゃんに会ったの!?)
(え、そんなに驚くこと?)>
あなた(エマさんも避けてるのかな)
🍞<(だって、私今でもたまに日本に遊びに行くけど)
🍞<(果林ちゃんいっつもお仕事が忙しいからって会ってくれないの)
🍞<(いいなー) 🍞<(ねぇ、果林ちゃん元気にしてた?)
(うん!元気だったよ!)>
🍞<(そっかぁ。よかった)
🍞<(私も会いたいなぁ)
🍞<(すっごく忙しいんだよね 服飾のお仕事って)
あなた「えっ、服飾……?」 🍞<(あれ?もしもーし)
あなた「何て返そう……」
(うん、そうみたいだね)>
(すっごく忙しそうにしてた)>
🍞<(やっぱりそうだよね?果林ちゃん偉いな〜)
あなた(…………) ーーーー
果林「あら、もう来てくれたの?そんなに私の魅力にメロメロになったのかしら」
あなた「ま、まぁそんなところかな……」
果林「私が言うのも何だけど、あんまりのめり込んじゃ駄目よ?あなたお金あんまりないでしょ?」
あなた「実は今日は果林さんを誘いに来たんだ」
果林「あら、何かしら」
あなた「今度の休み、一緒にでかけられたりしないかな?」
果林「何?デートのお誘いしにきたの?それならわざわざ店に来なくたって──」
果林「あっ」 スッ
ポチッポチッ
果林「あら、メッセージで誘ってくれてたのね。気付かなかったわ!」
あなた「…………」
果林「ほら、こういう職業だからお客さんとのメッセージのやり取り多くって。それで埋もれちゃってたみたい!」
あなた「そうだったんだ」 果林「それでどこにデートに行くの?」
果林「私とデートなんて、常連のお客さんでもそう簡単にはできないんだから。良いところなんでしょうね?」
あなた「ほら、覚えてるかな。高校生の時一緒に動物園に行ったじゃない?」
あなた「あの動物園にまた行こうよ。調べたけど、今パンダに餌やりできるんだって!」
果林「え、それ本当!?」バッ
果林「あっ……///」 あなた「果林さんすっごく綺麗になってびっくりしたけど、中身は変わってないね。なんか安心したよ」
果林「もう、からかわないでよ……」
あなた「ごめんごめん、でもさっきの果林さんすっごく可愛かったから」
果林「それなら、今度はこっちがキミをからかっちゃおうかしら」
あなた「え……?」
果林「折角またここに来たんだから。ここは何をする場所か分かるでしょ?」
果林「時間はたっぷりあるんだから、今日は今日で楽しみましょう?」
ーーーー 果林「うわー!!!見て見て!私の笹をパンダが食べてるわ!!」
果林「ねぇ、ちゃんと動画撮ってる!?」
あなた「バッチリ!」
果林「あとで送ってね!ふふっSNSに上げちゃおっと!」
あなた(果林さんすっごく可愛いな)
あなた(それ故に昨日とのギャップが///) 果林「もう、キミってばまたパンダじゃなくて私を見てる」グイッ
あなた「わっ///」
果林「私に見とれてくれるのは嬉しいけど、今日の主役はパンダでしょ?ほら、今度はあなたの番よ!」
あなた「あっ、うん!」 あなた「わっ、凄い凄い!食べてる!」
カリカリカリ
カリカリカリ
あなた「ねぇ、これ大丈夫かな……。手まで食べられちゃわない?」
果林「パンダは草食だし大丈夫じゃない?」
飼育員「お姉さん達、実はパンダは草食じゃないんですよ」
果林「え?」
飼育員「パンダはクマ科に分類される肉食性の強い雑食動物の仲間なんです。だから人間の肉なんてペロッと食べちゃいます」
あなた「ちょっと」 飼育員「そちらのお姉さんの時は運が良かったですが、お姉さんはどうでしょうか」
あなた「パンダの口どんどん近づいてくるんだけど!」
飼育員「運悪く食べられちゃわないといいですね」フフッ
あなた「助けて果林さん!!」
パクッ
あなた「ぎゃー!!」
飼育員「はい次の方どうぞー」
あなた「…………え?」 飼育員「すみません、ついからかっちゃいました。安全性は勿論配慮してますので大丈夫ですよ〜」
あなた「な、なんだぁ……」フラッ
果林「キミってば凄くいい顔してたわよ?ほら!」
あなた『ぎゃー!!』
あなた「撮ってたの!?」
果林「この動画どうしよっかな〜」
あなた「ちょっ、果林さん消してよ〜!」 果林「ふぅ、ごめんね。一日中動物園に付き合わせちゃって。他の所行けなかったわね」
あなた「全然気にしてないよ!その分いっぱい動物見れたもんね!」
果林「誰かと動物園なんてホントにあの時以来だわ。楽しかった、今日はありがとうね」ニコッ
あなた「う、うん///」ドキッ
ふと先日キャバクラで果林さんと話していたときの事を思い出す。
あなた(今日の果林さんはこの前キャバクラで話した時と違って過剰なアピールも無く、素の果林さんって感じだった)
あなた(やっぱりお仕事で話すのとプライベートで話すのとは違うのかな。…………って当然か)
女性同士でもあんなにアピールするものなのか。女の私でもドキドキしたんだから、私が男性だったらもーっと嬉しいんだろうな。
キャバクラは客に恋愛感情を抱かせてお金を使わせるのが仕事だってどこかで見たけど、女性でもキャバクラの女の子に恋愛感情を抱く人がいるのかな。 あなた「あ、果林さん」
果林「なに?」
あなた「この後まだ時間ある?ちょっと2人きりで話したくて……」
果林「あら、あらあら?お姉さんにお誘いかしら!」
あなた「別に、普通に話がしたくて」
果林「もう、釣れないわね」
あなた「場所はどこがいいかな……あ、いいバー知ってるんだ。落ち着いててあんまり人もいないからそこで──」
あなた「………………」
あなた「いや、やっぱり今の無しで」
果林「え、やめるの?中々良い場所だと思ったけど」
あなた(あれ、何で今無しなんて言ったんだろう)
あなた(しずくちゃんと何回か話してる場所で慣れてる場所なのに) 果林「あ、それならあそこなんてどう?」
あなた「え、どこ?」
スタスタ
果林「ここ、ここ!」
あなた「休憩5000〜、宿泊8000〜」
あなた「…………」
あなた「ここラブホテルじゃん!エッチするところじゃん!」
果林「あら、お姉さんとは嫌かしら」
あなた「いや、私女だし!」
果林「女の子同士だってするわよ?」
あなた「…………果林さんはするの?」
果林「さぁ、どうかしら」 果林「冗談はともかく、1度やってみたかったのよね、ラブホ女子会!」
あなた「あ、よかった。そういう」ホッ
果林「他に良い場所も無いなら、折角だからここにしましょ?」
あなた「うん、まぁ変なコトしないならいいよ……」
あなた(私もラブホ女子会はちょっと興味あるし……)
果林「もしそういう雰囲気になったらキミのこと味見しちゃおうかしら」
あなた「もう!どっち!?」 ガチャッ
あなた(結局入っちゃった……)
果林「ふー、疲れた」ドサッ
果林「早く入りたいから、お風呂貯めてくるわね」
あなた「うん」
果林「どうする?一緒に入る?」
あなた「え?」
果林「興味ない?私のボディ。あの頃より更に魅力的になったと思うし、ちゃんと普段見えないところまでお手入れしてるのよ?」
あなた「いやいやいや!一緒には無理……!別々でいいから///」
果林「もう、恥ずかしがることないのに。友達なんだし、何より女同士なんだから」
あなた「無理無理!」
果林「そんなに否定されると流石にちょっと傷ついちゃうわ」
あなた「あ、ごめん……」
あなた(いや、それでもロクに手入れしてない私が、ちゃんと手入れしてる果林さんと一緒に入るとか絶対無理!!) ーーーー
あなた(ふぅ……温まった)ポカポカ
あなた「お待たせ」
果林「あら、早かったわね。宿泊にしてるから時間は気にしなくて大丈夫よ」
あなた「大丈夫。ちゃんとしっかり浸かったから」
果林「そう?それなら早速女子会始めましょうか」
あなた「女子会もいいんだけど、まずは果林さんと話したいことがあって……」
果林「そういえば2人きりで話したいから、ここに泊まるって話になったんだったかしら」 あなた「この楽しい雰囲気の中で言うのも悪いんだけど……」
果林「いいわ、話してみて」
あなた「それじゃあ言うね」
あなた「…………」スゥゥ
あなた「…………果林さん、キャバクラのお仕事は本当に果林さんのやりたいことなの?」
果林「…………」
果林「え?」 果林「まさか話ってそれ?」
果林「なに?そんなこと言うために今日連れ出したの?」
あなた「そうなるかな……。一緒に動物園行きたかったのもホントだけど」
果林「はぁ……」 果林「知ってる?こういう話、嬢からは迷惑でしかないのよ。お説教なら勘違いしたお客さんに散々されたわ」
果林「お店で言わなかったかしら?私はこの仕事にやりがいを感じてる」
果林「自分の魅力をアピールしてお客さんの心を掴む。形は違えど、スクールアイドルをしていた頃と本質は変わらないと思ってる」
果林「引け目は感じてないし、後悔はしてない。だって私は今、皆の期待に応えられているから!」
あなた「それは果林さんの本心?」
果林「どっ……どういうことよ」 あなた「昨日エマさんと話してて偶然お仕事の話になってね」
果林「エマと!?」
あなた「もちろん本当の事は話してないよ」
あなた「エマさん服飾の仕事してるって思い込んでた。引け目を感じてないならどうして嘘なんてつくの?」
果林「それは……」
あなた「それに、私からのラインもブロックしてたよね」
果林「なっ、何を根拠に……!」 あなた「お店で果林さん言ったよね。『メッセージで誘ってくれてありがとう』って」
あなた「私、お誘いのメッセージは送ってないんだ」
果林「えっ」
あなた「既読が付かないのを見て直接お店に行こうって思ったからね。ブロックって解除してもブロック中のメッセージは見えないんだよね?それで話を合わせようとしてるのがなんとなく分かったんだ」
果林「……そうよ、ブロック……してたわ」 果林「そのことはごめんなさい。夜のお仕事について皆に対して引け目を感じてたのは本当よ」
果林「でもそれがなに?そんなに私のことを論破してなにがしたいの?私を笑いたいの?優越感にでもひたりたいの?」
あなた「違うんだよ」
果林「何が違うっていうの!?」
あなた「余計なお節介もしれない。でも果林さんには他にやりたいことがあるんじゃないかって」
果林「……どうしてそう思うの?」 あなた「エマさん、果林さんは服飾の仕事で忙しいって言ってた。もしかしたらこれが果林さんの本当にやりたいことなんじゃないの?」
果林「……誰かが仕事っていうのは人の嫌がることをすることって言ってたわ。皆が皆自分の好きな事を仕事にできるわけじゃないのよ」
あなた「分かるよ。実は私、お店では言わなかったけど、アーティストの仕事してたんだ。」
果林「そうだったの?」
あなた「うん、ずっとやってるから芽が出ないままだったんだけどね。だから自分のしたい事が必ずしも仕事に結びつかないことは何となく分かってる。本当の事を皆に言いづらいのも……」
果林「そうだったのね。キミも……」
果林「…………」 果林「丁度良い機会かもしれないわね……。私も本当のことを話すわ」
果林「卒業した後モデルとしてやっていこうと思ってたんだけどね、本業は読者モデルをやってた頃と違って周りも綺麗な人ばっかりで、私なんてすぐに埋もれちゃったの」
果林「それでモデルを辞めた後何しようかなーって考えて、服飾の専門学校に行こうと思ったの。昔からファッションには興味あったから」
果林「そのための学費を稼ぐためにバイトでもしようかと思ってた所に丁度今のお店に声をかけられてね。それからお店で大金を稼ぐうちになんだかまた学校に行って、モデルと同様売れるかどうかも分からない仕事を目指すのがアホらしくなっちゃったの」 果林「キャバクラって凄い稼げるのよ。月に100万を越えることもあったわ」
あなた「100万!?それはアホらしくもなるかも……」
果林「最近は歳のせいか売り上げも徐々に落ちてきたけどね。もうすぐ30よ私」
あなた「今も果林さんは綺麗だよ?」
果林「ありがとう。キミに言われるとお世辞でも嬉しいわ」
果林「このままずっとこの仕事をするのは無理だって何となく察してきたんだけど、今更他のお仕事できる気もしないし。どうしようかなって丁度考え始めた所だったの」
果林「こんなこと話したのキミが初めてよ。聞いてくれてありがとうね。なんだか少し楽になったわ」
あなた「ねぇ果林さん」
果林「なに?」
あなた「もう少し付き合って欲しいところがあるんだけどいいかな?」
果林「?」 ーーーー
ーチューリッヒ空港ー
「久しぶりに会えるなんて楽しみだな〜。2人とも元気にしてるかな?」ルンルン
あなた「この辺りにいるはずだけど……。果林さんは手離さないでね?3回もはぐれたんだから」
果林(29)「申し訳ないわ……」
あなた「えーと……あ、いた!」
あなた「おーい!」ブンブン
「あ!いた」
エマ(29)「チャオ〜!会いたかったよ〜!!」 この行動力はあなたさん
でも、果林さんはともかくあなたちゃんの旅費は… 今更だけど最近ともりるのストーカー関係の話題出てきてここのせつ菜みたいになってるな あなた(28)「わっ……わっ……」
あなた(28)「うわぁぁエマさぁん!!」バッ
エマ(29)「わっ……。ふふ、あなたってば子供みたい。よしよし」ナデナデ
エマ(29)「あの頃と変わらないね。何だか懐かしくなっちゃう!」
あなた(28)「うぅ……癒される〜」 あなた「急に連絡してごめんね。急遽行くことになって」
エマ「それくらい大丈夫。あなたは昔から思いついたら即行動!って感じだったし」
エマ「それよりずっと連絡しても返事が無かったのはどうして?私心配したんだよ?」
あなた「うっ……。それにはちょっと事情があって……。後で話すよ」
エマ「それから果林ちゃんも!」ヒョイヒョイ
果林「え?」
エマ「なでなでしよっか?」
果林「私もうすぐ三十路よ!流石にこんな歳でそんな子ども扱いは……」
エマ「そっか、そうだったよね。ごめんね果林ちゃん……」シュン
果林「あっ……」
果林「そうよ……もうエマがいなくても私は大丈夫なんだから」 あなた(エマさん、あの頃もとってもグラマラスだったけど、更に大きくなってて癒しのパワーがリミットブレイクしてるよ……)
あなた(体つきもどっしりしてるし、正にお母さんって感じ。こんなの胸に飛び込みたくならない方がおかしいよ!)
エマ「でもあなたと果林ちゃんに久しぶりに会えて嬉しいよ!2人とも最後に会ったのは高校卒業した時かなぁ」
あなた「あ、果林さんとも会ってなかったんだ」
エマ「うん、だから果林ちゃんと今日会えるって聞いたときはもう嬉しくって!」
果林「たまたまお休みが貰えてね。今までは忙しかったのよ。色々と……」
あなた「果林さん……」
果林「大丈夫…………後でちゃんと話すわ」
エマ「?」 そういやしずくの絆エピソード16話では15話からの続きじゃ無かったからお気に入りの場所結局分からなかったな
ご想像にお任せ的な? ーーーー
あなた『ねぇ果林さん、もう少し付き合って欲しいところがあるんだけどいいかな?』
あなた『実は私もちょっと前まで皆のこと避けてたんだ。メッセージも見て見ぬふりして』
果林『えっ、あなたもだったの?』
あなた『さっきアーティスト目指してたって言ったよね。それで芽が出ないまま落ちぶれて皆に合わせる顔が無いと思ってて』
あなた『でもあることをキッカケに今私、皆に会っていってるんだ。』
果林『どうして?』
あなた『1つは皆に今まで避けてた罪悪感を感じてたから、それを解消しようと思って。皆と久々に会うのは楽しかったし、皆こんなのになった私を受け入れてくれて嬉しかったよ』
あなた『もう1つはあの頃、皆といた時はなんであんなにいい曲を作れたのかなって考えたんだ。そしたら、皆といたからじゃないかって言われてね』
あなた『皆に会えばあの頃のトキメキを思い出して何かが変わってもう一度いい曲を作れるようになるかもしれないって思って』 果林『確かに、あなたも何となく私と似たような状況なのかもしれないわね』
果林『それで、もう少し付き合って欲しい場所って?』
あなた『スイス』
果林『ス……スイス!?』
果林『それってまさか……』
あなた『私エマさんにも会おうと思ってるんだ。果林さんにも一緒に来て欲しい』
果林『スイスって、そんな簡単に……。いや、あなたの行動力がおかしい事はよく知ってるけど』 果林『そもそも何で私も一緒なの?あなた1人で行けばいいじゃない』
あなた『果林さん、これからどうしようか悩んでるで言ったよね』
あなた『だったらエマさんと会って1度本当の事を話してみようよ』
果林『エマに……そんな今更本当の事なんて言えるわけ……』
あなた『私に話したように楽になると思うよ。それに、これからの事が何か見えてくるかもしれない。少なくとも私はそう信じて今行動してる』
あなた『しずくちゃん、かすみちゃん、彼方さん、せつ菜ちゃん、それから果林さん』
あなた『まだ具体的には決まってないけど、でも少しずつ見えてきてる。そんな気がするんだ!』 果林『それに何で直接会いに行くの?話をするだけならスマホでだって』
あなた『対面とビデオ通話は全然違うよ。ちゃんと直接会って話さなきゃ!』
果林『しかもスイスって私はともかくあなたお金は大丈夫なの?』
あなた『それは……長期滞在しなければ貯金からギリギリ……』
あなた(貯金無くなる前にギリギリバイトすれば……)
果林『…………スイスへ行くのなら1日や2日の休みじゃ無理でしょ?私お店があるんだけど』
あなた『そこを何とか!果林さんが悩んでるなら、私何とかしたいんだ!』
あなた『それが私と同じような状況なら尚更!』
果林『…………はぁ。相変わらずキミってばお節介ね。頼んでもいないのに』 果林『分かった。私も今のこの状況を変えたいもの。あなたの事を信じるわ』
あなた『それじゃあ!』
果林『私もスイスに行くわ。それでエマに今まで嘘ついてたこともちゃんと話す。一旦、先のことについて少し考えてみるわ』
果林『ちょっと怖いけど、あなたも付いていてくれるのよね』
あなた『もちろん!』
果林『よろしくお願いするわ』
果林(良い機会なのかもしれない。今のままじゃ、先の問題から逃げてぼーっと生きていただろうし)
果林(それに多分私1人じゃ本当の事を言い出す勇気なんて出ないと思うから──)
ーーーー なんかこの果林さん見てたらキズナ最新話でSNS(かどうかわからないけどおそらくネットでファンと交流できる何か)でアツくなりすぎてやらかしたっぽいこと言ってたからえっちな自撮りとか上げたんかなと思ってしまった 煽り耐性引くそうだし、おっぱいうpとか言ったら意味聞き返したうえでアップしてくれそう
そこまでバカじゃ無いか http://imgur.com/rMDhX4M.png
これの緑の場所+緑がいっぱいの場所ってことは確定なんだろうけど 何も考えずに栞子のことしおりんにしたのにそんなくだらないこと気にしてて草
SSなんだしどこでもいいだろ しおりんは書いてる当時こそせつ菜と絡み合ったけど、最近は専らあなたばっかになってきたな……
あのままあなしおになってしまうのか スイスは結構複雑な国だからまともに考え出すと時間ばかりが過ぎてくぞ
恐らく最初に設定考えたやつもハイジのフワッフワしたスイス像しか考えてないだろ エマ「2人ともお疲れのところ悪いんだけど、もうすぐ鉄道が来る時間なの!ちょっとだけ急いでもらえると助かるんだけど……」
あなた「あ、うん!果林さん!」
果林「分かったわ」
あなた「え、これ特急?」
エマ「ん?スイスの鉄道に特急は無いよ?」
あなた「あ、そうなんだ」
あなた「それでこの値段は……」
エマ「高い?」
あなた「うん……」 エマ「スイスはね、世界一物価が高いって言われてるんだよ。」
あなた「世界一!?」
エマ「日本に来たときはびっくりしたよ。東京の電車賃がすっごく安かったから!」
あなた「へ、へぇ、スイスってこんなに物価高いんだ。全然知らなかった……」
果林「そんなに高いかしら。確かに日本の電車よりは高いかもしれないけど」
あなた「果林さんはもうちょっと金銭感覚直した方がいいと思う」
果林「え?」 エマ「他の国からの旅行者向けにお得な切符も売ってるんだけど、それは買わなかった?」
あなた「そんなのあったんだ……」
果林「この子ったら急にスイス行くって言い出したから、私達ロクに下調べもしてないのよ。向こうにはエマもいるしなんとかなるって」
エマ「へぇ。なんというか、ムボーだね」
あなた「うっ」
エマ「あなたらしい!」ニコッ
あなた(これは本来の意味で言われてるのか、それともエマさんが微妙にニュアンスを間違えてるのか……。後者であって欲しい!) あなた「これお金足りるかな……」
果林「もう、もしもの時は私が出してあげるから早く乗るわよ!」ヒソヒソ
あなた「ほんとにごめん果林さん……!」ヒソヒソ
エマ「買った?これに乗るよー?」
あなた「今行くよ!」
ーーーー あなた「ふー疲れた」ボスンッ
果林「案外スイスの電車も悪くない乗り心地ね」
あなた「そういえば改札は?通ったっけ」
エマ「スイスには改札が無いの。その代わり車掌さんが見回りに来て切符の確認をするんだ」
あなた「へぇ。なんか昔の日本もそんな感じだったんだっけ」 あなた「ね、やっぱり電車の中からでもスイスの景色いっぱい見える?」
エマ「もちろん!緑がいっぱいみられるよ!」
あなた「うわぁ〜やった!すっごく楽しみ!!」
果林「もう、はしゃぎすぎよ?」
あなた「だってスイスだよ?エマさんがずっと自然が綺麗って言ってたし。1度見てみたかったんだよね!」
果林「キミってば子どもみたいにはしゃいじゃって」 エマ「果林ちゃんたら、子どもだなんて」
果林「まるで私達、家族みたいね」
果林「キミが子どもで、私がお父さん。エマがお母さん、なんて」
エマ「えー、果林ちゃんがお母さんじゃないの?」
果林「だって今のエマ、すっごく母親らしいもの。元々お母さんって感じではあったけど」
エマ「果林ちゃんも美人なお母さんって感じだけどなぁ。んー、でもホントにお母さんになったからかな?」
果林「そうそう、去年4人目が生まれたんだったかしら?」
あなた「え……?」 あなた「え……お母さん……?子ども……?」
果林「何よ、ハトが水鉄砲喰らったみたいに」
あなた「それは豆鉄砲……」
あなた「じゃなくて!子どもって?4人って!?」バッ
果林「え!?何にそんなに驚いてるの!?」
あなた「え、エマさんが結婚……?そんな……」
果林「大丈夫?目の焦点が合ってないけど」ブンブン あなた「ごめん……気持ちの整理が追いつかない……」
あなた「しばらく景色みておく……」プイッ
エマ「大丈夫?」
果林「そんなに取り残されたのがショックだったのかしら。私は結婚してないけど」
エマ「果林ちゃんは結婚しないの?」
果林「いい人がいればね。それに私は1人で生きていくって決めてるから」
ーーーー ガタンガタン
果林「それにしても緑と青が凄く鮮やかね。早々以上でびっくりしちゃったわ!」
エマ「でしょー?気に入ってくれてよかった!1度スイスの自然を同好会の皆に見て欲しいって、ずっと思ってたんだ!」
果林「ねぇ、そろそろ落ち着いたかしら?キミも見てみなさいよ!今すっごく綺麗な所よ!」
あなた「…………」
果林「おーい」
あなた「スゥ…………」
果林「寝ちゃってるみたい」フフ
エマ「飛行機長かったもんね、仕方ないよ。寝かせておいてあげよう?」
果林「私以上にスイスの景色を楽しみにしてたのに、勿体ないわね」 エマ「果林ちゃんは?」
果林「え?」
エマ「果林ちゃんも疲れてるんじゃない?」
果林「私は……飛行機の中で寝たから大丈夫よ」
エマ「でも疲れてるでしょ?日本とはかなり時差もあるし、遠慮しなくてもいいんだよ?」
エマ「ほら、膝枕!」ポンポン
果林「あ……」 ーーーー
エマ(17)『果林ちゃん!はい、膝枕!』
果林(17)『もう、いつも言ってるじゃない。子ども扱いしないでって!』
エマ『してないよ〜。さっき他の皆は膝枕したのに、果林ちゃんだけ断ってたから』
エマ『ほら、今なら誰も見てないよ〜』
果林『……………』
キョロキョロ
果林『じゃあちょっとだけ……』
エマ『うん!いっぱい甘えてね!』
ーーーー 果林「……もう私は立派な大人なんだから、子ども扱いしなくて大丈夫よ」
エマ「あっ……そうだよね」
エマ「果林ちゃんあの頃よりもすっごく綺麗になってるし、もうすっかり大人の女性って感じだもんね」
エマ「ごめんね子ども扱いしちゃって……」
果林「別にいいわよ。気にしてない」 ガタンガタン
果林「…………」
エマ「…………」シュン
果林(はぁ…………) ーーーー
エマ「ねぇ、そろそろ着くよ。起きて〜」ユサユサ
あなた「……はっ!!」ビクッ
あなた「あれ、天界との頂上決戦は……?大天使エマリエルは……?」
果林「一体どんな夢見てたのよ……」 あなた「ってもう外暗い!窓から景色いっぱい見ようと思ってたのに!」
果林「ちょっと落ち着きなさいよ……。まぁ、確かに景色は綺麗だったけど」
あなた「いいな!なんで私寝ちゃったんだろう……」
エマ「ごめんね。疲れてると思って起こさなかったんだ」
果林「窓からの景色なら帰りも見れるでしょ?」
あなた「言われてみればそうだね」
あなた「…………」
あなた「エマさんが結婚……」
果林「だから落ち着きなさいってば!」 ー市街地ー
あなた「へぇ、意外とお店とか家とか建物色々あるんだね」
果林「私もスイスっていうとなんとなく自然!みたいなイメージだったわ」
エマ「私が育った場所は自然に囲まれたところだけど、そういう場所ばかりじゃないからね」
エマ「でもここも日本の都市と比べたら自然に囲まれてるでしょ?」
エマ「あ、別に日本の事を悪く言ってる訳じゃないよ!?私は日本の都市も大好きだし!」
あなた「言わなくても分かってるよ!」
エマ「今日はもう遅いし、また明日案内するね。私の家はここから少し進んだ山道を登った所にあるよ!」 あなた「エマさん……いつ着くの……?」ハァハァ
エマ「あともう少し!頑張って?」
あなた「それさっきも聞いた……」
果林「中々……いい運動に……なるんじゃない……?」ハァハァ
エマ「2人とも大丈夫?」
エマ「ほら、マイナスイオン放出〜〜」フリフリ
あなた「うわぁぁぁぁ!!!」
あなた「よーし、癒された!!」
果林「キミほんとそれ好きね……」 エマ「ほら、見えてきたよ!」
あなた「ほんとだ。何件か家があるね」
エマ「あそこの1番右の建物だよ」
あなた「あそこにエマさんの旦那さんが……」
果林「エマの旦那さんってどんな人?」
エマ「とっても優しい人だよ〜」
果林「エマが言うなら相当なんでしょうね」
あなた「よーし!一言文句言ってやる!!」
果林「まだ言ってるわ……。くれぐれも失礼のないようにしてよ?」 あなたちゃん、エマ限界オタクのまま大人になったのか… コンコン
ガチャッ
あなた「すみません!エマさんの旦那さんはいますか!?」
ガタイのいい筋肉質の長身男「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
ガタイのいい筋肉質の長身男「〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」ハッハッハッ
あなた「」
果林「文句の1つでも言ってやるんじゃ無かったの?」
あなた「いや無理……デカいし強そうだし、何言ってるか分かんないし……」
果林「スイス語全然分からないから私も何言ってるのか分からないわ」
エマ「スイス語は無いよ果林ちゃん。スイスでは4つの言語で話されてて、この辺りはイタリア語だね」
果林「も、勿論分かってたわ……!」 エマに似てる女性「チャオ!」
エマ「エッコミ クゥワ!」
果林「この人は?」
エマ「この子は私の妹、アンナ!」
果林「エマの妹も胸が大きいのね……。流石だわ」ジーッ
エマ「もう、あんまり変なこと言っちゃダメだよ!アンナも日本語分かるんだから」
アンナ「初めまして!」
あなた「うわっ日本語だ!」
アンナ「私も日本大好きですから。お姉ちゃんほど上手じゃないけど」
あなた「いやいや、完璧だよ!」 エマ「ごめんね、子ども達のめんどう任せちゃって」
アンナ「気にしないで!お姉ちゃんにはいっぱいお世話して貰ったから、今度は私の番!」
あなた「ん?」
小っちゃい子ども「〜〜〜……」
エマ「あ、マリアはまだ起きてたのね」
アンナ「うん、もうちょっと起きてたいって」 マリアと呼ばれた少女「〜〜〜〜……」
エマ「ーーーーーー!」
果林「なんて言ってるのかしら」
エマ「知らない人が来てビックリしてるみたい」
エマ「一応2人が来ることは事前に言ってあったんだけど、違う国の人だし流石にちょっと怖いのかも」
トコトコ
あなた「ん?」
マリア「〜〜〜〜カリン!!?」キラキラ
エマ「え?」
果林「わ、私の方によってきたわ。なんて言ってるのかしら……。私の名前を言ったのは何とか分かったけど」 果林「えーと……チャオ?」
エマ「『本物のスクールアイドル果林さんですか!?』って」
マリア「ーーーー!?」
エマ「あれ、マリアにスクールアイドルのDVD見せたことあったっけ?」
エマ「〜〜〜〜〜」
マリア「ーーーーーーー!!」
エマ「『お母さんの棚から見つけて自分で見た!』って」 果林「一々エマに翻訳してもらうのも悪いわね……。かといってイタリア語なんて分からないし……」
あなた「翻訳アプリ使えば?エマさんの訳を聞く限り大体合ってると思うよ」
果林「流石ね、私も後で入れようかしら」
果林「ねぇ、ちょっと私にも見せて貰っていい?」
エマ『いつか見せようかなとは思ってたけどいつの間に……』
アンナ『お母さんの棚勝手に触って怒られるかと思っていままで黙ってたの。ごめんなさい』 マリア『いっぱいDVDがあったから、気になって幾つか再生してみた』
マリアその『中にたまたま日本のスクールアイドルに出会って、それからもう夢中になっていっぱい再生した!
若い頃のお母さんも映っててビックリした!』
マリア『スクールアイドルのDVDは全部見たよ!いっぱい日本のスクールアイドルが映ってたけど、やっぱり果林ちゃんが1番格好良かった!!』
果林「わ、わたし?」
あなた「確かに格好いい系は私も果林さんが1番だと思うな」
果林「もう、キミまで……」 果林「海外にまで私のファンがいるなんてビックリしたわ。しかも、もうかなり前の話なのに」
マリア『私、果林ちゃんがとっても大好きなの!だってだって、すっごく格好いいもん!!』
マリア『ねぇ、いつか私も果林ちゃんみたいなスクールアイドルになれるかな!?』
果林「あら、道のりは厳しいわよ?このスタイルを維持するのも結構大変なんだから」
マリア『うわぁ〜色々教えて!!』 エマ『はい、そこまで!気持ちは分かるけど、もう寝る時間だよ?』
マリア『え〜まだいいでしょ?』
エマ『果林ちゃんなら明日もいるから。それに明日も学校でしょ?』
マリア『え〜でも〜』
果林「まだ夜の8時じゃない。ちょっと早くない?」
エマ「スイスでは子どもは早く寝るの。大体8時前には寝てるよ」
果林「へぇ……。寝る子は育つって本当なのね……」ジーッ
エマ「?」ドーン
マリア「?」ドーン アンナ『お姉ちゃん、私料理の準備するからマリア寝かしつけてきなよ』
エマ『お願いしていい?』
果林「私もいくわ。私が言った方がよく聞きそうじゃない?」
エマ「果林ちゃん……ありがとう」
あなた「私も何か手伝った方がいいかな?アンナさん」
アンナ「お姉ちゃんのお客さんに手伝わせるわけにはいかないよ。席についてゆっくりしておいて?」
あなた「あ、はい……」 あなた「…………」
ガタイのいい長身男『ようこそ!エマの友達だね?歓迎するよ!』ハッハッハッ
あなた(気まずい……) マリア『ねぇママ、まだ眠くない〜』
エマ『そんなこと言って、トロンとしてるよ?』
果林『ねぇマリアちゃん?』
マリア『果林ちゃん!』
果林『このスタイルの秘訣は、健康的な生活習慣のおかげでもあるの。特に子どものウチは早く寝ないとスタイルよくなれないわよ?』
マリア『果林ちゃんみたいなスタイル……!』
果林『それに夜更かしはお肌に悪いからもう今日は早く寝ましょう?』
マリア『綺麗なお肌……!』パンパン
果林『今日は早く寝て、明日学校行って、帰ってきたらいっぱいお話しましょう?』
マリア『うん!私早く寝るね!お休み果林ちゃん!お母さん!』
エマ(ほぇ〜)
果林『えぇお休み』
エマ『お休み、マリア』 エマ「凄いね果林ちゃん!あの子結構頑固なとこあるのに!」
果林「たまたま私の事が好きだったから言う事聞いてくれただけよ。私そんなに子どもの扱いうまくないし」
エマ「それでも凄いよ!もし果林ちゃんさえよければこっちにいる間マリアと色々お話ししてもらっていいかな?」
果林「わたしでよければ……」
エマ「ほんと?ありがとう!」
アンナ「おーいお姉ちゃん!準備できたよ!ワインも開けるね!」
エマ「あ、うん!ありがとう!」
エマ「ほら、いこ?果林ちゃん?」
果林「ん……いい匂いね」
エマ「ふふっ、絶対気に入るよ?」 まぁあんまり悩みすぎても変になるだけやし思いついたらでいいから毎秒投稿してくれ しずく(27)とかちんぽ大好きになってそうで最高に萌える すみません
突然浮かんだ物があって別のSS書いてました アンナ『あ、来た来た。お姉ちゃん!早く!』
エマ『わ〜!チーズフォンデュに、それに白いパンも!』
エマ『しかもこのワイン大切な時のために飲むんだって言ってたやつだ!』
アンナ『お姉ちゃんにじゃないよ!果林さんに!』
アンナ「ね、果林さん。スイスのワインって殆どが国内で消費されるから貴重なんだ。白ワインはチーズフォンデュとも相性バッチリだから美味しいよ〜」
エマ「あれ?アンナ、あなた果林ちゃん推しだったっけ?確か──」
アンナ「あぁぁ!お姉ちゃん!」
エマ「何か企んでるなー?」 アンナ「その、果林さんスタイル滅茶苦茶いいでしょ?」
アンナ「だからその……色々教えて貰おうと思って……」
エマ「あぁ……」ジーッ
アンナ「お腹みるなぁ!」 アンナ「それにスイスは肥満率高いから別にちょっとくらい太っててもおかしいことじゃないし!」
エマ「あなた食べ過ぎるところあるから……」
アンナ「お姉ちゃんだっていっぱい食べてるじゃん!」
エマ「私はダンスしてるから」
アンナ「くぅぅ……やっぱり私もスクールアイドル目指せばよかったか……?」 エマ「ごめんね、果林ちゃん。気にせず食べてね」
エマ「あっ、でも結構カロリー高いかも……」
果林「ちょっとくらい大丈夫よ。ちゃんとその分運動するから」
エマ「ほら、アンナ。ちょっとは果林ちゃんを見習ったら?」
アンナ「うぅ……運動は……」 あなた「エマさん、これはパンをチーズに付けて食べればいいの?」
エマ「あ、ごめんね。そうだよ、パンを千切ってチーズに付けて食べるの。自由に食べて!」
果林「あら、チーズフォンデュってこう、ビヨーンって伸びるイメージがあったんだけど、意外と伸びないのね」
パクッ
果林「それに思ってたより味が濃すぎないわ。これならいくらでもいけちゃうわね!」
アンナ「そうでしょ!私、料理の腕は自慢なんだ!さ、もっと食べて食べて!」
エマ「こら!果林ちゃんスタイル維持してるんだから、そんなに進めたら太っちゃうでしょ!」
果林「エマ、私なら大丈夫だから、あんまり太る太る言わないで欲しいわ。その、食欲が……」
エマ「あ……。ごめんなさい……」シュン 果林「ご馳走様。とても美味しいのだけれど、今日はこの辺りにしておくわ」
アンナ「え、もう!?」
エマ「アンナ、果林ちゃんは体型気にしてるんだから」
果林「いいえ、ホントにお腹いっぱいなの。今日は長旅で疲れたし」
エマ「あ、そうだよね。果林ちゃん鉄道に乗ってるときも寝てなかったよね」
果林「シャワー浴びて今日はもう休ませて貰うことにするわ」
エマ「シャワーならそこの扉だよ」
果林「ありがとう、ブォナノッテ」
エマ「ふふ、Buonanotte!」 エマ「アンナ、果林ちゃんのスタイル維持してる方法、実践できそう?」
アンナ「無理……。食事は生きがいだし、運動苦手だし……」
エマ「もう、そんなんだから太るのよ」
アンナ「あ、言ったね!お姉ちゃんだって今は運動あんまりしてないじゃない!」
エマ「私は……そんなに食べてないし……」
あなた(私からしたら今も昔もかなり食べてる方だと思うんだけどなぁ) あなた「ふぅ……私もこのくらいにしておこうかな」
エマ「そう?なら片付けるね」ガタッ
アンナ「あーあー!お姉ちゃんはゆっくりしてって!大事なお客様なんだから」
アンナ「後は私と義兄さんでやっておくから!」
エマ「そう……?なら甘えちゃおうかな!」
エマ「ねぇ」
あなた「ん?」
エマ「ちょっと外出てみない?」 続ききたー!
なんだかんだエタらず続いててありがたい エマ「ふぅ……このベンチね、お気に入りなの。よくあの人とここでお話ししたんだぁ」
あなた(あの人……旦那さんのことかな)
エマ「ねぇ、上見て?」
あなた「上?」
あなた「……!うわぁぁぁぁぁぁ!」
あなた「何これ凄い!!」
エマ「星が綺麗でしょ?」 あなた「来る途中はまだそこまで暗くなかったから気付かなかったけど、こんなに星が綺麗に見えるんだね!」
あなた「凄い!」
エマ「ふっふっふ〜凄いでしょ〜!いつか同好会の皆に見て欲しかったんだぁ」
エマ「全然会えてないけど、他の皆は元気にしてるのかなぁ」
あなた「エマさんは連絡取ったりしてないの?」
エマ「たまに連絡取ったりはしてるんだけど、直接は会えてないから……」
エマ「もう、あなたも全然連絡くれないから心配してたんだよ!」
あなた「それはごめんなさい……」 あなた「実は──」
〜〜〜〜
エマ「うっ……うっ……」
あなた「ってえ!?エマさん泣いてるの!?」
エマ「だって……ずっと頑張ってきたのに皆に認められないなんて……!」
あなた「いや、音楽の世界じゃよくあることだから……。寧ろ成功する方が稀だから!」
あなた(っていいつつ自分でも情けないと思ってたから連絡しなかったんだけど)
エマ「おいで!!」バッ
あなた「え?」
エマ「皆が認めてくれなくても、私はあなたの凄さを知ってるから!」 エマ「私があなたを癒してあげたい!!さぁ来て!!」
あなた「え、えーっと……」
あなた「じゃあ……」スススッ
ギュゥゥゥ
あなた「うっ、苦しい……!」
あなた(でもいい感触……) さて、とうとう名前出ちゃったけどどうしよう……
今更侑に変更はしないけど あなたちゃんとしずくちゃんが結婚したら名前呼びさせれば良いのでは 侑は歩夢呼びみたいなので別個体だと思った方がいいですね あなた(包まれてる感じがして安心する……)
グスッ
エマ「え、泣いてるの!?」
あなた「あ、うん。ちょっと」グスッ
エマ「どうして!?強く抱きしめ過ぎちゃったかな!?」
あなた「いや、凄く気持ちよかったよ!!」
あなた「ただ優しさに包まれれば包まれるほどエマさんがもう結婚してるんだなってことを思い出しちゃって」 あなた「もちろん私だけのなんて思っては──いや、ちょっとは思ったかな……」
あなた「結婚してるかもなんて考えてすら無かった」
あなた「大事な友達が結婚したのに素直に喜べないなんて最低だよね。大体距離を置いてたのは私の方なのに」 あなた「ごめんね、自分勝手で」
あなた「遠くに行っちゃった感じがして寂しいっていうのと、エマさんを取った旦那さんへの嫉妬がちょっとと」
あなた「とにかく色んな感情がグチャグチャになってて」
エマ「寂しいって事は、それだけ私のことを大事に思ってくれたってことだよね。ありがとう!」
あなた「うっ。天使かな……?」 エマ「それに友達が結婚して寂しくなるって気持ちは分かるよ」
エマ「私も皆に会えなくて寂しいし、遠くに行っちゃったっていうのも妹も同じ事言ってた」
あなた「あとそれから私もエマさんと結婚しかった!!!」
エマ「えぇ!?」 エマ「お、女の子同士だよ?」
あなた「気にしない!」
あなた「エマさんと結婚したら、私がエマさんを一生隣で支えて、エマさんには毎日癒してもらうんだ!!」
エマ「え、えぇ……?困ったなぁ……」
エマ「できればあなたとはお友達でいたいかな」
あなた「振られたっ!!」 あなた「なんて。あはは」
エマ「もう、本気で考えちゃったよ!」
あなた「ごめんごめん!でも半分くらいは本気だから」
エマ「もぉ!今度はどっち!?」
あなた「あはは」 エマ「環境は変わっても根っ子が同じなら縁は続いていく。私はそう思うな」
あなた「縁か……ヴェルデ(緑)だけに?」
エマ「漢字が一緒だから?(お互い勘違い中)愛ちゃんみたい」
エマ「もうヴェルデじゃないけどね」
あなた「あっ」
あなた「…………」ズーン
エマ「えっ、余計なこと言っちゃった!?」 あなた「とにかく!まだ気持ちの整理はついてないし、言葉に出来ない感情はいっぱいあるけど!!」
あなた「結婚おめでとう。エマさん」
エマ「うん、ありがとう!あなたにそう言ってもらえて嬉しい!」
エマ「いつまでいるか分からないけど、スイスにいる間は私にいーっぱい甘えてもいいからね!」
あなた「おお……!」キラキラ あなた「ふふ、やっぱり」
エマ「?」
あなた「今でもエマさんは私の天使だよ。かなり時間は経ったけど、あの頃と全然変わってない」
エマ「あなたもそうだよね」
あなた「えっ、私も?いやいや……」 あなた「さっきの話聞いてたよね?見た目こそ変わってないとは思うけど、今はプー太郎だし」
あなた「いや、プー子かな?」
エマ「あなたこそ気づいてない?話しててすぐ分かったよ。あの頃のままだって。あ、成長してないってわけじゃないよ?」
エマ「ただ色々事情や状況が変わっても、やっぱり中身は変わらないんだなって」
あなた「私が……?」 あなた「さっきの話聞いてたよね?見た目こそ変わってないとは思うけど、今はプー太郎だし」
あなた「いや、プー子かな?」
エマ「あなたこそ気づいてない?話しててすぐ分かったよ。あの頃のままだって。あ、成長してないってわけじゃないよ?」
エマ「ただ色々事情や状況が変わっても、やっぱり中身は変わらないんだなって」
あなた「私が……?」
エマ「うん!あなたは私の大好きなあなたのままだよ!」
あなた「そっか、私も変わってないんだ……」 エマ「果林ちゃんはどう思う?」
あなた「え?」
エマ「あなたから見て、果林ちゃんは変わったと思う?」
あなた「え、えーと……」
あなた(まだあの事は話してないよね……?) あなた「ちょっと大人びたけど、動物園ではしゃいだりしてて、あ、やっぱり果林ちゃんなんだなーとは思うけど……」
あなた「エマさんはどう思うの?」
エマ「うーん……分からない。でも、なんだか私に冷たい感じがするっていうか、なんだか無理してる感じがするの」
エマ「もしかしてあの事気にしてるのかな……」
あなた「あの事?」
エマ「うん。虹ヶ咲の卒業式も終わって、寮を出る日に……」 ーーーー
果林『もうスイスに帰っちゃうなんて寂しいわ……。日本に来てまだたったの1年じゃない』
エマ『うーん……私も日本が好きだからまだいたいけど。元々高校卒業したら向こうに帰ってお仕事手伝うって、お父さんお母さんと約束してたし』
エマ『それにスクールアイドルは高校の間だけだからね。それも終わってもうここに留まる理由は無いから』
果林『そ、そんなの──』
果林『…………』
果林『いえ、確かにスイスに帰るのは当然よね。ごめんなさい』 果林『私はもう大丈夫だから。スイスに帰っても元気でね』
エマ『うーん……』
果林『な、何よ』
エマ『果林ちゃん、本当に大丈夫?』
果林『なっ……!』 果林『だっ……大丈夫に決まってるじゃない!!』
果林『自炊だってちゃんとできるし、方向音痴も大分直ったし』
エマ『…………?』
果林『首かしげないで……』
エマ『果林ちゃん、朝ちゃんと起きられる?』
果林『それは……』
果林『…………タブン』 果林『というかエマが来るまで1人で過ごしてたんだから、大丈夫に決まってるじゃない!』
エマ『3年生になるまでは、よく遅刻ギリギリだったって、せつ菜ちゃんから聞いたけど』
果林『せつ菜……余計な事を……!』
果林『とにかく大丈夫なの!!』
果林『私のことは心配しないで!もういい大人なんだから!何でも1人でできるから!』
エマ『大丈夫かな……』
果林『大丈夫だから!』
エマ『何かあったらいつでも連絡してね?』
果林『余計な心配しなくていいから、早くスイスに帰りなさい!』
ーーーー エマ「あの時の果林ちゃん、心配しなくていいって何回も言ってた」
エマ「もしかしたら、今も私が心配しないように、弱いところを見せないように振る舞ってるのかも……」
あなた「…………そうだね」
あなた(エマさんは気遣いが得意な優しい人だもん。そりゃあ気付くよね)
あなた「多分、その事については果林さん本人から直接話があると思う」
エマ「え?」
あなた「そのために果林さんはここまで来たんだから」
エマ「…………そっか」
エマ「うん、分かった。私、果林ちゃんが話してくれるまで待ってるよ」 「エマー!シャワーありがとうー!」
エマ「あ、果林ちゃんだ」
エマ「どういたしましてー!!」
「それと、私は今日どこで寝たらいいのかしらー?」
エマ「あ、別室用意してあるのー!すぐ行くねー!」
あなた(エマさんの透き通った声は遠くにまでよく聞こえるんだろうなぁ) エマ「ごめんね、果林ちゃん案内してくるね。ついでに私もシャワー浴びちゃおっかな」
あなた「そ、それなら!!」ガタッ
あなた「私も一緒に入っていいかな!?ほら、久しぶりに会ったわけでし!!」
あなた「洗いっことか一緒に湯船に浸かったり……!」
エマ「ごめんね?うち狭いユニットバスだから、湯船や洗いっこはちょっと難しいかな……?」
あなた「あ、そう……」
あなた「いや、すみませんでした……」
エマ「?」 エマ「私はこのまま家に戻るけど、あなたも一緒に戻る?」
あなた「いや、もうちょっとここにいようかな。ここ本当に星が綺麗だからもっと見ていたくて」
エマ「気に入ってくれてよかった!風邪引かないように気を付けてね」
エマ「あ、そうだ」
エマ「あなたは今までのことを悪く言ってたけど、私は違うと思うな」
あなた「えっ」 エマ「過去のことがあったから、今のあなたがいる。過去を否定するって事は、今の自分を否定することだよ」
エマ「たとえ結果が出なくても、落ちぶれて仕事をしなくなっても、だからって今までの自分を否定するのは違うと思う」
エマ「だって、あなたはまだ28だよ?そのうち高校卒業してから今まではたったの10年間でしょ?そんなの一生の内のほんの一部分」
エマ「それに今までの事、全部無駄だったと思う?」
あなた「それは……全部では無いとは思うけど……」 あなた「でも私、まだ何も出来てないよ。しずくちゃんやせつ菜ちゃんは凄い売れっ子になってたのに」
エマ「私達と比べて恥じる必要なんて無い。私達は私達のペースで走って行ってるように、あなたはあなたのペースで走って行けばいい。誰かと比べて焦る必要なんて無いよ」
エマ「それに、この10年間辛かったり怠惰だった時期だったのかも知れないけど、そんな時期があったからこそ、次はもっと前に踏み出そうって気持ちになってるんじゃない?」
あなた「…………」
エマ「あなたは頑張り過ぎちゃうところあるから、今はまだもうちょっと休んでなさーい!って神様が言ってくれてるんじゃないかな」
エマ「なんて、ごめんね。偉そうなこと言っちゃった……。あなたも何か悩んでそうに見えたから」
エマ「要は気にしすぎないで!私は今のあなたも大好きだから!ってことを伝えたかったの」
あなた「エマさん…………。ありがとう」 エマ「それじゃあ私、先に戻ってるね!」
あなた「うん」
あなた「ちょっと休んでなさーい、か」
あなた「だとしたらえらく長い休みだけど、いつか終わるときが来るのかな」
あなた「…………」
あなた「まぁ折角スイスに来たんだから、エマさんの言うとおり気にしすぎないで今はスイス旅行を楽しんでおこうかな!」 追いついた。くすぶってる大人がまた夢に目覚める話ってすごくいい… 👠☑
🎀◻
🍞☑
💧☑
🐏☑
📶◻
👑☑
💛◻
🎙☑
大分埋まってきたね もうスレが立って4ヶ月経つのか
エタらず頑張ってて嬉しい ースイス2日目ー
あなた「んん……よく寝た……」
ふと隣を見てみると、昨日の夜果林さんがいたベッドがからになっていた。
あなた「果林さんもう起きてる?」
果林さんが自分で起きていることに少し疑問を感じつつ辺りを見回してみると、ベッドから少し離れた窓の傍に彼女はいた。
果林「ふぅ……」スパー
あなた「おはよう果林さん」
果林「あら、おはよう」サッ
あなた「果林さん?それ……」
果林「あー……見つかっちゃったわね」 あなた「果林さん、タバコとか吸うんだ……。なんか意外。あんなに健康に気を遣ってたのに」
果林「私だって吸いたくて吸ってるわけじゃ無いけど、まぁ色々あってね」
あなた「色々?」
果林「そう、色々。大人には色々あるのよ」
あなた(何か色っぽい) 果林「なるべくあなたの目には触れないようにしてたのだけれどごめんなさいね。イメージ崩れちゃったかしら」
あなた「確かにタバコのイメージは無かったけど、果林さん格好いい系だし絵になるなあとは思ったよ」
果林「あらそう?でも格好いいものでもなんでも無いわよこんなもの。キミは吸ってないわよね」
あなた「うん、何となく体に悪いような気がして……」
果林「ならいいわ、吸ってないなら吸わないに越したことは無いんだから。キミはこれからも吸わないで頂戴よ」 果林「あ、それからエマには内緒よ。これ以上心配毎を増やすわけにはいかないから」
あなた「うん、わかった」
あなた(まぁタバコの件は果林さんの本題とは関係ないだろうし、黙ってようか)
ガチャ
エマ「おはよう!よく眠れた?」
あなた「あ、エマさん!おはよう!」
果林「おはよう、おかげでよく眠れたわ」 果林「それにしても驚いたわ。別室っていうからてっきり家の中にお客用の部屋でもあるのかと思ったら、まさか家の外のコテージだったなんてね」
あなた「ホントだよ!もしかしてエマさんってお金持ち?」
エマ「別にお金持ちって訳じゃ無いけど……」
エマ「このコテージは私だけじゃなくて家族全員で共有してるの。来客用にって、お父さんが私達のために建ててくれた物なんだ」
果林「私達って、あなたの妹達もこの辺りに住んでるの?」
エマ「あれ?言ってなかったっけ。この辺りの家は全部私達家族の家だよ」
果林「え」
あなた「え?」 果林「全部って……この辺りの家何件かあったけど、それ全部……?」
エマ「うん、昨日泊まったのが私達家族の家で、その西側がここ」
エマ「真ん中にあるのがパパとママの家で、その西側が2番目の妹夫婦の家。東側にあるのが1番目の弟夫婦の家で、その北側が2番目の弟夫婦の家で──」
果林「そ、そこまで丁寧に説明しなくて大丈夫よ。大体分かったから……」
エマ「そう?」
あなた「家族の付き合いが深いんだね」
エマ「そうなの。子どもの面倒見て貰ったり、逆に私が見たり、家族皆で助け合いながら生活してるんだ!」
あなた(一見素敵だけど、こんなに相手の家族との関係が密接なら色々煩わしく感じそう)
あなた(もし私がエマさんと結婚してたらこういう状況下で生活してたのか。耐えられたかな……)
あなた(いや、そもそも私達じゃ結婚できないんだけども) >>842訂正
エマ「うん、昨日泊まったのが私達家族の家で、その西側がここ」
↓
エマ「うん、昨日案内した所が私達家族の家で、その西側がここ」 エマ「今日2人とも予定あったりする?」
あなた「いや、特にないかな」
エマ「どこか行きたいところとかあったりする?」
あなた「うーん……」
果林「というよりスイスがどういう所か私達あんまり知らないわ」
エマ「だったら、近くの街を一緒に回らない?皆が日本の街を案内してくれたように、私がスイスの街を案内するよ!」
あなた「いいの?それじゃあ」
果林「お言葉に甘えようかしら」 ーーーー
エマ「とういうわけで山を下りてきました!今日は私の家の近くの街を案内するね!」
あなた「毎回街に行くのにあの山を歩いて上り下りするの……?」
果林「いい運動になりそうね」
エマ「ごめんね。車は全部お仕事のために出しちゃってるから……」
あなた「いや、私が運動不足なのが行けないだけだから……」ハァハァ
エマ「大丈夫?リンゴジュース飲む?」
あなた「それよりマイナスイオンを……」ギュム
エマ「わ!」ポフッ
エマ「ふふっ、ちっちゃい子どもみたい〜」ナデナデ
果林「…………」 果林「マリアちゃん達も歩いて学校に行ってるの?」
エマ「行きはお仕事の車に乗せて貰ってるよ。帰りは大抵歩きだと思う。私もそうだったから」ナデナデ
あなた「それでエマさん、運動系でも無いのにあんなにスタミナあったんだね」
エマ「そんなこと無いよ〜」ナデナデ
エマ「本当はマッターホルンもお勧めしたかったんだけど、2人とも山登りの道具も知識も無いみたいだし」
エマ「それにあなたの体力的にもちょっと危険かも」
あなた「色々ごめん……」
エマ「わーっ!謝らないで!私は2人とスイスに来てくれただけで嬉しいから!」
果林「私も気にしてないわ。特に行きたい場所も無いし」 あなた「2人とも……ありが──」
あなた「ゲホッゲホッ」
エマ「大丈夫?」
あなた「大丈夫……ただタバコの煙でむせただけだから」
スパー
フーッッ
果林「気のせいかも知れないけど、何だか歩きタバコしてる人が多い気がするわね」
あなた「日本じゃ喫煙所以外ではあんまり見かけないもんね……ゲホッ」
果林「ベビーカー押してる母親も歩きタバコしてるわ。流石にちょっと感心しないわね」 果林「スイスってもっと綺麗で健康的だと思っていたのだけれど、結構イメージと違うのね」
エマ「えへへ……ごめんね」シュン
果林「って、どうしてエマが謝るのよ」
エマ「マナーが悪いな、とは私も思うんだけど……。日本を見ちゃうと余計にね。でもちょっとずつマシにはなってるんだ」
エマ「わ、悪いところばかりじゃ無いんだよ!スイスの街は!」
あなた「大丈夫だよエマさん!別にスイスの街を嫌いになったわけじゃないから!」
あなた「ね、果林さん!」
果林「あんなに皆が吸ってるの見ちゃったら、私もちょっと吸いたくなってきたかも」ガサゴソ
あなた「」 >>851
欧米は屋外喫煙を規制してないところが多いけど、スイスの路上喫煙は特に有名
コロナで今後変わるかもしれないけどね エマかり編どのくらい続くんだ…?
間が空いてるのもあるだろうけど長く感じる あなた「ちょっと!エマさんいるよ!?」
果林「はっ!!!」
エマ「え、私がどうかした?」
あなた「なっ、なんでもないよ!!何でもないから!!」バタバタ
果林「そ、そうよ!なんでもないのよ!別にタバ──」
あなた「ちょっと果林さんは黙って!」バッ
果林「んっ……」ギュム
エマ「んー?2人とも変なの」
あなた「あはは。はー……」パッ
果林「ぷはっ……」
あなた「果林さん、エマさんには内緒にしてって言ったの誰だっけ」ボソッ
果林「ごめんなさい、つい……」ボソッ 吸ってるところ見たことなくても臭いで喫煙者ってわかること多い エマ「とりあえず歩いて疲れただろうしお昼にしよう。この近くにお勧めのお店があるんだ。そこでいいかな?」
あなた「賛成!地元民お勧めのスイス料理のお店なんて今から楽しみだよ!」
果林「メニュー読めるかしら……」
エマ「私が読むから大丈夫だよ、果林ちゃん」
果林「あ…………。そうね、読めないものは仕方ないしお願いするわ」 ーーーー
あなた「ふぅ……やっと座れたぁ……」
果林「当たり前だけど周りの人皆外国の人で緊張するわね。私達だけ浮いちゃったりしてないかしら……」キョロキョロ
エマ「果林ちゃんは外国でもスタイルいいほうだと思うし、心配しなくてもいいよ〜」
果林「あらそうかしら?ありがとうエマ」
あなた「私は?」
エマ「あなたは…………」
エマ「あなたは可愛いよ?」
あなた(はぐらかされた。子どもみたいってことかな) エマ「さ、メニュー頼もう!」
果林「何かお勧めはある?」
エマ「やっぱりチーズを贅沢に使ったピザやパスタかな」
エマ「実はね、このチーズうちのを使ってるんだよ」
あなた「うちの?」
エマ「うん!」
あなた「エマさんの仕事って、ひょっとして牧畜みたいな?」
エマ「あ、あなたには言ってなかったっけ?そうなんだ」 エマ「私達家族が動物の世話をして、それを色んな所に買い取って貰ってるんだ」
エマ「あ、今の旦那さんとは流通の関係で知り合ってね」
あなた「へぇ、そうなんだ……。それってエマさんがしたい仕事?」
エマ「うん!昔から動物のお世話するのは好きだったし、毎日楽しいよ!」
あなた「そうなんだ……。やっぱり好きなことを仕事にできるっていいね」 『やぁエマちゃん。いらっしゃい』
エマ『あ、店長さん。こんにちは』
エマ「こちらこの店の店長さん。いつもよくして貰ってるんだ」
『この子達はエマちゃんの友達かい?』
エマ『はい!』
『スイスの子じゃ無いよね。えーと……』
エマ『日本だよ』
『ニッポン!通りでこんなに美人で可愛らしいわけだ!』スッ
果林『えっ』ギュッ 『きっと今ここで遭えたのも運命に違いない!この後予定はあるかい?もしよかったら』
エマ『もー!店長さん!この子私の友達なんだから!』
『えー……こんなに美人とご対面できる機会なんて滅多に無いって言うのに、それでもエマちゃんは僕に諦めろっていうのかい?』
エマ『今街を案内してる途中だから!この後も私と一緒に回るの!』
『うぅ……エマちゃん手厳しい……』
果林「え、えーと……」
エマ「果林ちゃんナンパされてたよ」
果林「あ、やっぱり?」 果林「ナンパ自体は慣れてないわけじゃ無いのだけれど、やっぱり外国語で畳み掛けられると萎縮しちゃうわね……」
あなた「流石元モデルやってただけあるね」
果林「ありがと。でも私より美人な人なんて幾らでもいるわよ」
『彼女は何て言ってるの?OKて?』
エマ『言ってないから。ナンパする暇合ったら早く注文取って』
エマ「皆は何にする?私はさっき言ったピザとパスタにしようと思うけど。考えてからもう一回呼び直す?」
あなた「私も同じのでいいよ」
果林「私もそうするわ」
〜(間)〜 ドンッ
果林「ってこれは……」
あなた「量多っ……」
エマ「ん?食べないの?」
果林「ピザがこんなに大きいとは思わなかったわ……」
あなた「パスタも量多いし、食べきれるのこれ……」
エマ「大丈夫。余ったら私が食べてあげるから!」
果林「えっ」
あなた「いくらエマさんでもそれは……」 エマ「ふー、ごちそうさま!」ペロッ
あなた「かなりの量だったのに、ホントに私達の残した分まで全部食べちゃったよ……」
エマ「次はデザート頼もうかな」
果林「え!?」
エマ「えーっと、今日は何にしようかなー」ペラッ
あなた「エ、エマさん……」
エマ「冗談で言ったことはあるけれど、ホントに栄養胸にいってるんじゃないかしらこれ……」 ーーーー
エマ「そろそろ家に戻ろっか」
あなた「はーい。あっという間だったね」
果林「今日は街を案内してくれてありがとうエマ。ショッピングはもちろん、洋風の街中を歩くだけでも楽しかったわ!」
エマ「気に入ってくれてよかった〜」
あなた「海を見ながらの食事も凄く良かったよ!スイスの海はホントに綺麗だね!」
エマ「海……?」
あなた「え?海じゃないの?」 エマ「あれは湖だよ〜」
あなた「えっ、そうなの?」
エマ「スイスの地形を思い出してみて。色んな国に囲まれてるでしょ?」
あなた「そう言われてみればそうだね。何か勘違いしてたよ……。でもホント綺麗だよね」
エマ「私も好きだよ。また時間があるときに皆で遊覧船に乗るのもいいかもね」 エマ「それじゃあ帰るよ」
あなた「あ、ちょっと待って」
エマ「ん?」
あなた「またあの山登るんだよね」
エマ「うん、そうだけど……」
あなた「うぅ……そっか」
果林「少し思ったのだけれど、ケーブルカーとかは無いのかしら」
エマ「有名な観光地でも無い田舎だからそういうのは無いんだ。ごめんね」
あなた「とりあえず、時間かかるから先にお手洗い行ってくるね!」
エマ「お手洗いならすぐそこの建物だよ」
あなた「ありがとう!」バッ
エマ「果林ちゃんは行かなくて大丈夫?」
果林「私はさっき行ったから大丈夫よ」
エマ「そっか」
果林「…………」
エマ「…………」 果林「ねぇエマ、嘘をつく人って……どう思う?」
エマ「え?」
エマ「うーん……そうだなぁ。その人にも色んな事情があるのかも知れないけど、私は素直に話してくれた方が嬉しいかな」
果林「そう……」
果林「…………」 果林「あ、これはあくまで一般論よ!別に誰かの話とかじゃなくて!」
エマ「え、うん」
あなた「お待たせー」ダッ
果林「あ、ほら!あの子も帰ってきたし、すぐ出発しましょう!暗くなると危ないものね!」
エマ「うん……」
あなた「ん?何かあったの?」
エマ「ううん、果林ちゃんの言う通り、早めに戻ろっか」 >>869最後果林です
エマ「えーっと、今日は何にしようかなー」ペラッ
あなた「エ、エマさん……」
果林「昔冗談で言ったことはあるけれど、ホントに栄養胸にいってるんじゃないかしらこれ……」 ーーーー
エマの家
マリア「……」ジーッ
HAHAHA!!
果林「何言ってるか分からないけれど、外国のテレビって見てるだけで面白いものね」
あなた「雰囲気が日本と違ってて面白いよね」
エマ『マリアー、ママ今洗い物で手が離せないから、下の子達シャワーに入れてあげてー』ジャーッ
マリア『はーい』
エマ「果林ちゃん、ちょっとお願い聞いてもらっていい?」
果林「何?何でもやるわよ」
エマ「マリアがちゃんと下の子達のお世話できてるか、見ててくれない?」
果林「え?」 果林「それはいいけど……私に出来るかしら。色々不安だわ」
エマ「基本あの子1人で出来るから、見てくれてるだけでいいよ。何かあったら呼んでくれればすぐにかけつけるから!」
果林「…………そうね、分かったわ。それじゃあ私も行ってくる」
エマ「よろしくね〜」
バタン
エマ「…………」 エマ「ねぇ」
あなた「え、呼んだ?」
エマ「果林ちゃん、私に話してくれるかな」
あなた「どうしたの?急に」
エマ「実は山に登る前、あなたがお手洗いに行ってる間に果林ちゃんから話があったの」
エマ「でも果林ちゃん、何か話しにくそうで結局話は聞けなかったんだ」
エマ「やっぱり果林ちゃんは私に話したくないのかな?それなら無理に話してくれなくても……」
あなた「話しにくいのはそうだと思う」
あなた「でも果林さんだってエマさんと話をするためにここに来たんだよ」
エマ「話をするために……?」 あなた「私もだけど、果林さんもこれからどうしていいか迷ってる途中なんだよ」
あなた「そこから抜け出すためにもエマさんと話をする必要があると思ったからスイスに来たんだ」
エマ「そうだったんだ。私の地元を見てみたいって訳じゃ無かったんだね……」シュン
あなた「い、いや!もちろんそれもあるよ!1度行ってみたかったし!それも嘘じゃないから!」
エマ「そう?よかった」ホッ
あなた(嘘って訳じゃ無いけど、エマさんに隠し事するのは良心が痛むな……!) あなた「だからそのうちちゃんと話してくれると思う。今は果林さんを信じて待ってて」
エマ「……うん。分かった」
エマ「果林ちゃんが勇気を出して話せるように、心の中で応援してるね」
あなた「ありがとう」
エマ「お礼を言うのは私と果林ちゃんの方だよ!」
あなた「え?」
エマ「やっぱりあなたは、誰かのために行動できる優しい人だよね。ありがとう」
誰かのため……?いや、果林ちゃんに関しては私がスイスに行くついでみたいなものだったんだ。そんな大層な物じゃない。
かすみちゃんや彼方ちゃんやせつ菜ちゃん、そしてエマさんも果林さんもそれぞれもう自分の人生を生きているんだ。そこに今更私なんかが皆のために何かしようなんて。
ならなぜ果林さんの件は口を挟んだのか。
果林さんの嘘が見過ごせなかったから?
果林さんが可哀想だったから?
何とか出来そうだったから?
たまたま気が向いたから?
分からない…………。 でもこの感覚。
久しく忘れていた感覚。
〜〜〜〜
歩夢(17)『私達のサポートをしてくれて、ありがとう!』
〜〜〜〜
誰かのために行動して役に立てるというのは
やっぱり悪くないと思った。
・ しずくちゃん、虹の中でもダントツにエロ園多くないですか? ーーーー
果林『さぁマリア、お休みの時間よ。あなたの妹達はもう夢の中よ』
マリア『えぇ〜今日も果林ちゃんと全然お話できなかった……』
果林『それもそうね……。じゃあ、ちょっとだけよ』
マリア『やった!』
果林『何か聞きたいことある?』
マリア『えーっとね、えっとね……。あ、そうだ!』
マリア『果林ちゃんって今何のお仕事してるの!?』
果林『っ!』 果林『えっと……それは……』
マリア『やっぱりまだアイドルしてるの?あ、モデルさんもやってたって言ってたからそれかなー?』
果林『今はその……お洋服を作ったりしてるの』
マリア『そうなんだ!凄ーい!!』
果林『そ、そう?ありがとう』
果林(…………) 果林『それよりマリアは嘘とかかくしごとをしたことはある?』
マリア『無いよ。なんで?』
果林『そう…………』
果林『そうよね、嘘はいけないわよね。マリアはそのままお母さんみたいに素直な子でいてね』
マリア『うん!』
マリア『ねぇ、果林ちゃん。いい子にしてたら、私も果林ちゃんみたいなスクールアイドルになれるかな?』
果林『ええ、もちろんよ。なれるわきっと。マリアはエマの子なんだし、なにより私が保証する』
マリア『やった!』 果林『ねぇ、なんでマリアはスクールアイドルになりたいの?』
マリア『果林ちゃんに憧れてるから!』
果林『私に?』
マリア『うん!果林ちゃんのライブ。格好よかったし、見ていて私すっごくドキドキしたの!』
マリア『それでいつかこんな風に、私も歌とダンスで皆をドキドキさせられるようなスクールアイドルになりたいなって!』
マリア『お母さんにはまだ秘密だし、歌もダンスもまだまだこれからなんだけどね……』
果林『そう、頑張ってね』
果林『さ、大きくなるためにも今日も早く寝ましょう?』ナデナデ
マリア『はーい。お休みなさい、果林ちゃん』
果林『お休み、マリア』
. あなた「あ、果林さん。マリアちゃん達寝た?」
果林「ええ、素直でいい子達よ」
果林「ねぇ、エマは?」
あなた「エマさん?エマさんは今シャワーかな」
果林「そう……」
果林「…………」
果林「エマに本当の事を話そうと思う」
あなた「決心ついた?」
果林「実を言うとまだ怖いわ」
果林「でもずるずる先延ばしにするわけにはいかない。わざわざスイスにまで来たんだから」
果林「それで、キミにも付いていてもらえないかしら」
あなた「私もいていいの?」
果林「やっぱり1人だと中々勇気が出なくて」
果林「それに、キミにも聞いていて欲しい」
あなた「分かった。一緒にいるね」
.
エマ「ふー、温まったぁ」
果林「ねぇエマ」
エマ「?」
果林「この後、ちょっと話いいかしら」
エマ「…………うん、ちょっと待ってて。すぐに準備するね」
エマ「外出たところにベンチがあるの。そこで先に待ってて」
果林「分かったわ」 果林「はぁ……」
あなた「緊張してる?」
果林「してない……って言いたいところだけど、かなり緊張してるわ」
あなた「果林さんが緊張なんて珍しいね」
果林「そうかしら?ライブ前とか結構緊張していたと思うのだけれど」
あなた「そうだったかな。果林さんはいつも自信満々な印象があったから」
あなた「たとえ勉強するのが嫌って言ってる時でもね」
果林「もう、からかわないでよ」
あなた「あはは、ごめん」
果林「でもあなたならもう分かってるでしょ?私は今も──」
あなた「あ、エマさん来たよ」
果林「!」 果林「あらエマ、思ったより早かったわね……」
エマ「もうちょっと遅かった方がよかったかな」
果林「いえ、そういうわけじゃ……」
果林(本当はもうちょっと落ち着かせる時間が欲しかったけど)
果林(いえ、きっといくら時間があっても足りないでしょうね)
エマ「はい、ホットチョコレートどうぞ。リラックスできるよ」
果林「ありがとう」
エマ「あなたもどうぞ」
あなた「あれ。2つしか無いけど、それエマさんの分じゃないの?」
エマ「私はいつも飲んでるから、気にしないで」
果林(ほんとだ。ちょっと落ち着いた気がする) エマ「どう?落ち着いたかな?」
果林「ええ、ありがとう」
果林(私が反応を切り出した時の反応といい、エマも何となく察してるのかしら)
果林「その、何から話していいか……」
果林「1つ確認しておきたいんだけど」
エマ「何かな?」
果林「どんなことを言っても、私の事軽蔑とかしたりしない……?」
エマ「え?」
果林「いや、やっぱり、今の無しで!」
果林(って何今更格好悪く予防線なんて張ってるのよ!)
エマ「軽蔑、されるようなことしたの?」
果林「その、人によってはそう思うかも……?」
エマ「まさかひ、人でも殺しちゃったの!?それならちゃんと自首しないと……」
果林「どんな想像してるのよ!違うわよ!」 エマ「じゃあ軽蔑するような事って?」
果林「それは……」チラッ
あなた「!」
ベンチの後ろで見守っていた私の方をチラッと見る。
あなた「大丈夫だって。私ですら軽蔑なんてしてないんだから、エマさんなら尚更しないって」
あなた「それに、ちゃんと言うって決めたんでしょ?応援してるから」
果林「……」クルッ
うぅ……分かったと言わんばかりの表情で果林さんは前に向き直した。 エマには服飾の仕事してるって言ってるでしょ?あれ嘘なの」
エマ「え?」
果林「それで今はキャバクラ──エマには分かるかどうか分からないけど、男性相手こういう事するお仕事」ギュッ
エマ「わっ……///」
そう言って果林はエマの手を自分の腰にやって引き寄せ、露骨に自分の胸を押し付ける。
果林「何となく分かった?」
エマ「う、うん……」 果林「とにかくそういうお仕事。嫌々働いてるわけじゃないけど誇れるものじゃないし、軽蔑されてもおかしくはないとは自分でも思う」
果林「それに、服飾の仕事してるってずっと嘘つき続けてきたんですもの。流石にエマでも──」
エマ「果林ちゃん、話してくれてありがとう」
果林「…………え?」
エマ「それが果林ちゃんが言いたかったことなんだよね。今まで気付いてあげられなくてごめんね。辛かったよね?」
エマ「もう無理して強がらなくてもいいからね」
果林「なんで……」 果林「なんであなたはそんなに優しいの!?」
果林「私ずっとあなたを騙してたのよ!?なんでそんな平気でいられるの!?もし私がエマの立場ならきっと……いいえ、絶対軽蔑してる!」
エマ「何でって……」
エマ「きっと何か事情があったんだって、私には分かるから」
エマ「だって、果林ちゃんは意味も無く騙したりするような人じゃ無いから。ずっと一緒にいたんだもん。それくらい分かるよ!」
果林「っ!」 果林「ほんと、お人好しねエマは」
果林「なんだか笑えてくるわ。予防線まで張ってたのがバカみたいじゃない……」
果林「もしよければだけど、このまま続けて聞いて欲しい」
エマ「うん、分かった。聞いてるね」 果林「まず虹ヶ咲を出てからモデルのお仕事に就いたけど、芽が出ずそのまま辞めたって話はしたわよね?」
エマ「うん。こんなにスタイルいいのに残念だったよね…」
果林「ありがとう。でも私が思ってた以上に厳しい世界だったってだけよ
果林「それでその後何をしようか迷ってた時、ファッションについて考えるのは好きだったし服飾の仕事にしようと思って大学に行くことにしたの」
果林「それで受験の勉強をしながら学費を稼ぐために何かアルバイトをしようと探してた所にキャバクラの人に声をかけられたの」
果林「最初はあまり乗り気じゃ無かったし、慣れてからも並行して勉強していくつもりだったのだけれど、キャバクラで入るお金があまりにも大きすぎてね」
果林「それでわざわざ勉強してまた何年も学校行ってまで他の仕事に就く意味あるのかなって思っちゃったの」 果林「それに気付いちゃってからはもう勉強なんてやめちゃって入学願書も出さずにひたすらキャバクラ一本」
果林「モデルやスクールアイドルのノウハウもあってお客が求めていることは何となく分かってたから、結構出世は早かったかしら」
果林「それでもっと大金が入ってくるようになって、大学の事なんてすっかり忘れてた頃」
果林「エマから『大学入試どうだった?』ってメッセージが来て、そこでエマには服飾のお仕事をするって伝えてることを思い出したの」 果林「エマには勉強頑張るって言っちゃってて。まさか勉強やめてこんな仕事に就いてるなんて話すわけにもいかないから、とっさに嘘をついちゃったの」
果林「丁度その時期にママになったかもって連絡も聞いて、こんなことでエマに余計な心配かけるわけにはいかなかったから」
果林「エマがスイスに帰っても心配しないように……立派な大人になるって……言ったから。立派になってるように見せなきゃって……思ったから」
果林「それもあって……余計に弱いままの私を知られたくなくて……」
果林「それで、それで……」
エマ「もういいんだよ果林ちゃん。嘘つかなくたって」 エマ「私はそのままの果林ちゃんが好きなんだし、昔からお世話するのが好きで私が勝手に心配してただけなんだから」
果林「エマ……」
エマ「うん、寧ろ果林ちゃんの心配毎が無くなっちゃって困ってたくらい!」
果林「うっ……うっ……」
果林「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!」
エマ「…………」ポンポン あなた「…………」
果林さんがあそこまで感情を吐き出す姿は初めて見た。
その様子は普段のクールだったりちょっぴりお茶目だったり。今まで見てきたどの果林さんとも違っていたけれど。
これもまた果林さんの顔の1つなんだとすぐに飲み込めたので、そこまで大きな驚きはなかった。
それよりも寧ろ、私以外にもあんなに弱い自分を見せることがあるんだと少し嫉妬のようなものを感じた程だ。 これからも果林ちゃんの面倒も見てあげてくれよあなたちゃん 果林「取り乱してごめんなさい。もう大丈夫よ。全部吐き出せたから」
あなた「果林さんがあんな風に泣いちゃうなんね」
果林「みっともないところ見せちゃったわね」
あなた「そんなこと無いって!」
エマ「果林ちゃんが頑張ってるのはちゃんと知ってるから。私達にくらいは無理せずに素をみせてもいいんじゃないかな?」
あなた「素の果林ちゃんは可愛いしね!」
果林「可愛いなんてそんな……」 果林「勝手に自分で理想像を創って、本当のことを言う勇気が無かったからそれを維持するためにずるずると嘘をついて」
果林「滑稽よね。嘘を付き続けるなんて、立派な大人からほど遠いのに そんなことにも気付かないでいたなんて」
あなた「果林さんはこれからどうするの?今のお仕事続ける?」
エマ「果林ちゃんが本当にやりたいことなら私は応援するよ」
果林「それは……分からないの。本当にやりたいことが」
果林「とりあえず今のお店をやめて、やりたいことを探してみるつもり。このままだと抜け出せなくなりそうだし」
果林「もう一度ゆっくり自分を見つめ直して、時間がかかってでも探してみる」 果林「一度きりの人生、こんな所でくすぶってあきらめるなんて私らしくないわ。もっと上を目指さなくっちゃね!」
あなた「そうなんだ……」
あなた「私もやりたいことを探してる途中だからさ、一緒に探そうよ」
果林「ええ。どっちが先に見つけられるか勝負よ!負けないんだから!」 果林「そうだ。エマ、お願いがあるの」
エマ「私に?何かな」
果林「もうキャバクラに戻ったり色々挫折しないために、週に1度テレビ電話して見守っててほしい」
果林「それから他にも悩んだら相談したりするかも。とにかく、今度は嘘なんてつかずにちゃんと伝えるから」
果林「もちろんエマがよければだけれど……」
エマ「勿論いいよ!お世話する人が1人増えたくらいどうってことないから気にしないで!」
果林「ありがとう。でもエマったら、あんまり子ども扱いしすぎるのは嫌よ?」 あなた「誰かを頼らないことが一人前じゃないものね。頼れる人がいるなら遠慮無く頼ることにするわ」
エマ「うん、嬉しい!いっぱい頼ってね!」
あなた「ふぁぁ」
あなた「あ、ごめん……」
果林「…………もう寝ましょうか」
エマ「……そうだね」
あなた「わ、ごめん!私のことなら気にしなくていいから続けて!?」
果林「大丈夫よ、もう話は終わったから」
エマ「私もそろそろ寝ようかなって思ってたところだったし」
あなた「うぅ……ホントにごめん」 ーーーー
果林「エマに本当の事を言えて良かったわ。あなたのおかげよ。ありがとう」
あなた「言えたのは果林さんの力だよ。私は何もしてない」
果林「それだけじゃなくて、私をスイスまで連れてきてくれたじゃない。凄く感謝してる」
果林「今でもあなたは私の理解者で、最高の友達よ」
あなた「最高の友達、か……」
あなた「えへへ、すっごく嬉しい!」
あなた「ところでさっきの話なんだけど」
果林「さっき?どの話かしら」
あなた「エマさんに見守ってて欲しいって言うの」
果林「ああ、あれね。それがどうかしたの?」
あなた「その、自分から言うのも何だけど、私のことも頼って欲しかったなってちょっと思ったり……」
果林「…………」
果林「キミって頭はいい方なのよね?」
あなた「えっ、どういう意味?」 果林「分からない?キミ今の私と同じ状況じゃない。人の心配してる余裕なんてあるの?」
あなた「あっ……」
果林「そりゃ今回の件は優しさに甘えて頼ってしまったけれど、流石にもうキミに迷惑かけるわけにはいかないわ」
あなた「迷惑だなんて──」
果林「キミがそう思ってても、絶対キミにとって足枷になる。まず自分の事を心配しなさい」
果林「エマと仲直りしてくれるキッカケをくれただけで私は感謝してるんだから。キミはキミの人生を生きて」 果林「それにエマとはもう10年以上もずっと連絡しあってるから。私の事を理解してくれてるし安心かなって」
あなた「…………そっか」
あなた(そうだよね。そりゃあ高校卒業以来連絡してなかった私なんかよりエマさんの方がよっぽど頼りになる)
あなた(そこまで言われちゃこれ以上は何も言えないな)
あなた(まずは自分の事を何とかしないといけないのは事実だし) 果林「それじゃあ私はそろそろ寝るわ。おやすみなさい」
あなた「おやすみなさい」
あなた(私もエマさんに会えて、果林さんもちゃんとエマさんと話をできて、新しい道を歩み始めて……)
あなた(あれ、もしかしてもうスイスにいる意味無くなった?) ースイス3日目ー
あなた「というわけで明日帰ることにした」
エマ「え?」
果林「は?」 目的を果たすために地球の裏側に行って、果たしたら翌日帰る
この子フットワーク軽すぎない?
>>931の冒頭はあなたじゃなくて果林の台詞かな >>943
果林ですね……登校前に確認はしてるんですがすみません
このスレ内でキリのいいところまでは終わらせます 微修正部分から
果林「それにエマとはもう10年以上もずっと連絡しあってるし気軽に頼れるかなって」
あなた「…………そっか」
あなた(そうだよね。そりゃあ高校卒業以来連絡してなかった私なんかよりエマさんの方がよっぽど頼りになる)
あなた(そこまで言われちゃこれ以上は何も言えないな)
あなた(まずは自分の事を何とかしないといけないのは事実だし) 果林「それじゃあ私はそろそろ寝るわ。おやすみなさい」
あなた「おやすみなさい」
あなた(果林さんとエマさん、仲直りできてよかった)
あなた(私もエマさんに会えて、果林さんもちゃんとエマさんと話をできて)
あなた(めでたく新しい道を歩み始めることができて……)
あなた(…………)
あなた(あれ、もしかしてもうスイスにいる意味無くなった?) ースイス3日目ー
あなた「というわけで明日帰ることにした」
エマ「え?」
果林「は?」 果林「いや、ちょっと待って。そんな急に!?」
あなた「あ、果林さんは残ってて大丈夫だよ。私が勝手に帰るだけだから」
果林「キミが帰るなら私も帰るわよ!昨日約束したじゃない。後れを取るわけにはいかないわ!」
エマ「えぇ〜2人とも急だね……。あなたらしいと言えばあなたらしいけど……」
エマ「でもごめんね。ちょっと明日は空港まで送ってあげられそうにないの」
あなた「気にしないで!この山は夜じゃなかったら迷ったりはしないだろうし、降りて駅に着いたら空港までは電車に乗るだけだし。私達だけでも大丈夫!」
エマ「ごめんね?後で空港までの行き方をメモに書いて渡しておくから」
あなた「ありがとうエマさん!」
果林「私を一人にしたら嫌よ?」
あなた「外国で迷子はシャレにならないから、果林さんははぐれたらすぐに連絡してね……」 あなた「それにしても今日も楽しかったー!やっぱりスイスといえば自然だよね!」
果林「森林浴や水浴び。正に絵に描いたようなアルプスって感じだったわね」
エマ「スイスの自然っていいでしょ?」
あなた「うん。エマさんがどうやって育ったか何となく分かったよ」
あなた(そんなスイス旅行も今日で終わりか。自分で言い出したとはいえ、ちょっと寂しいな)
エマ「今日はこのまま自然の中でお昼寝しちゃおうか」
エマ「果林ちゃん、はい、膝枕」
果林「……恥ずかしいわ」
あなた(あ、いいな)
エマ「そういいつつま膝枕させてくれる果林ちゃん好きだよ〜」
果林「もう、からかうなら一人で寝るわよ!?」
エマ「からかってないよ〜」
あなた(まぁでも今日の所は空気を読んで果林さんに譲っておくか)
あなた(膝枕はまた今度エマさんに会ったときの楽しみに取っておこう!) ーーーー
マリア『えー!?果林ちゃん明日帰っちゃうの!?』
エマ『もうマリア、夜中に大声出さないの!』
マリア『だって、急すぎるんだもん!私まだまだ話したいことあったのに……』
果林『ごめんねマリアちゃん。私も急だとは思うけど』
マリア『うぅ……そんな……』
あなた(心が痛む……。ごめんねマリアちゃん)
エマ「果林ちゃん、せめてマリアが寝るまではなるべく一緒にいてもらっていいかな?」
果林「そうね。分かったわ」 ーーーー
マリア『ねぇ、ホントに明日帰っちゃうの……?』
果林『ごめんね。でも私これからエマと週に1度お話しすることにしたの。もし私とお話ししたくなったら、その時にしましょう』
マリア『ほんと!?うん、分かった!』
果林『3日目楽しかったわ。お母さんと仲良くね』チュッ
マリア『……!』
果林『それじゃあお休みなさい』
マリア『お、お休みなさい……///』
マリア『…………///』 ーーーー
あなた「zzzz」
果林「…………」
果林(やりたいこと、ね……)
果林(ああは言ったけれど、今の所何も考えて無いし、どうしたらいいのかしら)
果林(そもそもキャバクラで働いてた経歴って面接で何て言われるのかしら……。あぁ、考えるだけで頭が──)
コンコン
果林「?」 マリア「…………」キィィィ
果林「マリア!?こんな夜中にどうしたの!?」
果林「あ、ちょっと待って、今翻訳アプリ立ち上げるから」
果林『お待たせ、どうしたの?こんな夜中に』
マリア『その、果林ちゃんに投げキスしてもらったからドキドキして眠れなくなっちゃって』
果林『あら』
果林(子どもにはちょっと刺激が強かったかしら……) マリア『明日果林ちゃん帰っちゃうし、一緒に寝たくて抜け出してきちゃった』
果林『あら、悪い子ね。悪い子とは一緒に寝てあげないわ』
マリア『そんな……』
果林『なんて、冗談よ。明日お母さんに見つからないように上手くやるのよ』
マリア『やったー!ありがとう果林ちゃん!』
マリア『果林ちゃん、これ何?』
果林『え?ああこれ?服のデザインよ。さっきまで考えてたの』
果林(今日1日自然を見てインスピレーションが沸いてきたのよね。まぁあくまで素人の落書きなんだけど)
マリア『凄い!流石プロだね!』
果林『え?そんな、プロだなんて。私は──』
果林(っと──。マリアには服飾のお仕事が嘘だって言って無いんだった) 果林(どうしよう。マリアにも言ってしまおうかしら。嘘をつくのはよくないってこの子も言ってたし──)
マリア『ここのヒラヒラとか凄く可愛い!』
マリア『ねぇ、ここの部分どうなってるの!?』
果林『え?ああ、ここはこういう風にリボンがついてて……』
マリア『わぁ、凄ーい!!』
マリア『…………よしっ』
マリア『ねぇ、果林ちゃん!』
果林『どうしたの?』
マリア『将来私、果林さんが作った衣装を着てスクールアイドルがしたい!!』
果林『え!?』
マリア『果林ちゃんに私の衣装を作って欲しい!』
マリア『それまで私、頑張ってお金溜めておくから!』
果林『え?ちょっと、それは……』
マリア『ダメ?』
果林『ダメっていうか……』
果林(この子は私のことををプロだと思ってるからこんなこと言うんだろうけど、私なんて全然プロじゃない)
果林(私達の衣装ならともかく、他グループのスクールアイドルの衣装を作るなんて無理よ!)
果林(このイラストだってイメージのまま作れるとは思えないし) マリア『やっぱり私なんかじゃダメだよね。きっともっと凄いグループじゃないと作ってもらえないんだ……』
果林『ちがっ……!マリアだから作れないんじゃなくて──』
果林『そういう、訳じゃなくて……』
果林(私が本当はプロじゃ無いから……)
果林『…………』
マリア『…………』
果林(私はファンにこんな顔させるためにスクールアイドルをしてきたの?)
果林(こんなにも真剣に私を頼ってくれているのに、その思いを裏切るつもりなの?)
果林(いいえ、違う!)
果林(マリア、あなたは嘘はいけないと言っていたけど。私はやっぱり、時には嘘が必要な事だってあると思うわ!) 果林『分かったわ。もし将来マリアがスクールアイドルになれたら、その時は衣装を作ってあげる』
マリア『ほんと!?』
果林(そうよ。プロじゃないから作れないっていうのなら、嘘だから作れないって言うのなら、それを本当にしてしまえばいいのよ!)
果林『でも道のりは厳しいわよ?日本でスクールアイドルにするなら、日本語覚えないといけないし』
マリア『お、お母さんに教えて貰って、頑張って覚える!』
果林『歌やダンスだって難しいし、思ってる以上に体力も必要よ』
マリア『そ、それも頑張る!!』
果林『よし。何回も言うようだけど、私はマリアのこと応援してるから!頑張って!』
マリア『うん!』
果林(私も、頑張るから──) ースイス4日目ー
バンッ
エマ「大変果林ちゃん!マリアがいない……の……」
マリア「zzzz」
果林「zzzz」
エマ「はぁ、よかったぁ……。果林ちゃんと一緒に寝てたんだ」
エマ「もう……いつの間に抜け出したんだか。起きたらお説教しなきゃ」
マリア「んん……果林ちゃん……」ギュゥゥ
エマ「…………しょうがないなぁ。ギリギリまで寝かせておいてあげよう」 果林「それじゃあエマ、元気でね」
エマ「マリアもう学校行っちゃったけど、ちゃんと挨拶言えた?」
果林「ええ、心配無いわ」
エマ「それならよかった!2人とも元気でね!」
エマ「それじゃあ最後にぎゅぅぅ〜」
果林「ん……」ポンポン
エマ「ほら、あなたも」
あなた「う、うん///」
エマ「ぎゅぅぅ〜」
あなた(……///) エマ「またいつでも来てね〜」ブンブン
あなた「うん!ありがとうエマさーん!」
果林「日本に来る時は連絡してね〜」
あなた「さ、駅に行こっか」
果林「ごめんなさい」
あなた「えっ何が?」
果林「キミとした約束の話だけど、私やりたいことができたわ。この勝負、私の勝ちね」
あなた「え!?嘘!!ちょっと、早すぎだよ果林さん!!」
果林「ふふっ。私が負けず嫌いってこと知ってるでしょ?」
あなた「それにしても早すぎだよ……」 あなた「それで、そのやりたいことって?」
私、もう一度デザイナーを目指してみる」
あなた「え?」
果林「あの子、マリアと約束したの。あの子がスクールアイドルになったら私が衣装を作ってあげるって」
果林「あの子が大人になるまでに本当に服飾の仕事に就いて、その約束を実現させる」
果林「どうかしら?」
あなた「いつの間にそんな約束を……」
果林「あの子のサポートをしたい。そう思ったの」
果林「キミが私達のサポートをしたいって思ったのと似たようなものじゃないかしら」
果林「あの時はなんでスクールアイドルが好きなのに、自分がなるんじゃなくて皆のサポートに回るんだろうって思ってたけど。今ならよく分かるわ、その気持ち」 あなた「…………でも果林さん。それって1度目指して諦めてるんだよね」
果林「今度は大丈夫。しっかりと目標を持って頑張るから」
あなた「でも、もしなれなかったら……?いくら努力しても諦めなければいつか叶う、なんてことはないんだよ……?」
果林「経験者は語るってわけ?」
果林「そうね……その時はその時。もし無理だったら別の道を選ぶわ」
あなた「別の道?」
果林「そう。あの娘のために出来ることは別に衣装を作ることだけじゃないでしょ?」
あなた「別の道か……」
果林「この勝負は私の勝ちだけど、キミも早くやりたいことを見つけられるといいわね」
あなた「うん……」 なんで私は無理だって分かったのにダラダラとソングライターという仕事にしがみついてたんだろう。
私、まだどこか音楽への思いを諦めきれられてないのかも。
だって、今までずっと音楽一筋だったんだよ。
それをやっぱりなれなかったから今更別の道へ、なんてこと自分には選べなかった。
だからいつまでも名ばかりのソングライターという職業にしがみついて……。 他人のサポート、か……。
『あの頃以上にもっと頑張るので、応援よろしくお願いします!』
あ……そっか。
そういうことだったんだ。 あなた「私も、やりたいこと見つかったかも」
果林「え、ほんと?」
あなた「うん、果林さんの話を聞いてね。今はまだ言えないけど」
果林「そう、よかったわね。お互いやりたいことが見つかって」
果林「キミが話してくれるのを楽しみにしてるわ」
あなた「うん!」
ーーーー
ーーー
ーー 「先輩。今……なんて言いましたか……?」
「私に、しずくちゃんの曲を作らせてほしい」
次スレ 桜坂しずく(28) 24くらいまで書き溜められたら次スレ建てます
読んで下さってくれてる方ありがとうございます
レス貰えたらとても嬉しいです ここまで読んだけど、長いのにちゃんとしてるな
こういうスレって大概エタるか本筋から逸してつまんなくなる印象あるけど 乙乙
5ヶ月くらいちゃんと更新されてるし、面白いから毎日チェックしてるわ
次スレも楽しみにしてる 乙
いつも楽しませてもらってます
これで一番ヤバい人以外の虹の近況は出たのかな ここまでお疲れ様です。
次がすごい気になるなぁ… 続編楽しみにしてますね 埋まるから次のスレへ、ってわけじゃなく書き留められるまでは次スレ立てないってことね
楽しみに待ってる 毎日ずっと更新楽しみにしてたぜ
しずくちゃんに会えるの楽しみ 1スレ目乙!
ずっと楽しみにしてるぞ
どんなに長くなってもいいから最後まで書き切ってくれ 次の(予定)スレタイ見て、しずくの誕生日跨いじゃったことを実感した 先月に発見したんだけど、更新が待ち遠しくて毎日チェックしてる
あなしずメインのSSって数少ないから嬉しいし、しずく以外の虹メンバーとの絡みも丁寧で嬉しい
次スレも楽しみにしてます! ついにここまできたかと感慨深い…
毎日更新楽しみにしてました次スレも期待してます 意外と読んでるやつ多かった事に驚き
自分の他に3,4人くらいかと… もう少しで5ヶ月になるのか…
良い作品は長くても読まれるもんだな このスレッドは1000を超えました。
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