ルビィ「片割れのジュエル」 2スレ目
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「3! 2! 1! せーのっ!」
パン! パン! パパンッ!!
「あけましておめでとーっ!!! そして」
「誕生日おめでとう! お姉ちゃん!」
「おめでとうダイヤ!」
「ダイヤちゃんおめでとう!!」
「みんな、ありがとう!」
「えへへ!これ見てお姉ちゃん!私ねマルちゃんと二人で──」
………
…… ─
鞠莉「えーでは! 北海道ライブツアーでの成功を祝しまして!!」
「かんぱーい!!」
カランッ
千歌「んぐ……んぐ……ぷはーっ! 生き返るー!」
曜「焼肉最高ー!」ハムッ
ルビィ「美味しいね、花丸ちゃん」パクッ
花丸「うん、マル、幸せずらぁ……」モグモグ
鞠莉「どんどん食べていいわよー! 満足するまでいっちゃって!」
鞠莉「頑張った皆に私からのご褒美デース!!」 鞠莉「あ、すみませーん! これとこれ追加で!」
カシコマリマシタ
善子・梨子「……」
鞠莉「ほらそこ二人! もっと食べなさい!!」
善子「いや自分のペースでいいわよ」
梨子「食べ過ぎると後が怖そうだしね」
鞠莉「いいからほら! 野菜だけじゃなくお肉! ほら!」
千歌「そーだそーだ! ご飯ももっといけー!」
鞠莉「あんまり食べないとこっちのお肉もつかないわよ!」
善子「セクハラやめて」
梨子「猥褻です」 ワイワイ
曜「あはは、また絡まれてる」
ルビィ「でも二人とももっと食べたほうがいいっていうのは分かるなぁ、たまに心配になるもん」
曜「それは異論なし、ルビィちゃんはバランスよく食べるねー」
ルビィ「ずっとそういう取り方してきたから」
曜「食事もしっかりしてそうだもんね、黒澤家って」
ルビィ「うん」
曜「栄養管理がちゃんと出来てるのって羨ましいなあ、でも」
花丸「……」パクパクモグモグ
曜「花丸ちゃんみたいに美味しいものを幸せそうに食べるっていうのも、ある意味理想かもしれないね」
ルビィ「ですね」 善子「いやあれは食べ過ぎでしょ、消化スピードどうなってんのよ」
ルビィ「あれ、善子ちゃんこっち来たの?」
善子「逃げてきた」
曜「え、ということは……」
梨子「も、もう限界……」
曜「わー! 梨子ちゃん大丈夫!? 二人ともやりすぎだよこれ!!」
千歌・鞠莉「いやーつい」
曜「ついじゃないから!!」 善子「ほんと、毎日よく飽きないわよねあの人達」フフッ
善子「ルビィはどう? ちゃんと楽しんでる?」
ルビィ「うん、楽しいよ」
善子「心ここにあらずって顔してるわよ」
ルビィ「! やっぱり善子ちゃんには敵わないね」
ルビィ「……あのね。ここに来る前、理亞さんと少し話してて」 ──
理亞「ふう……」
黒髪「お疲れさま、理亞ちゃん」
茶髪「最後の挨拶も問題なく出来てたよ」
理亞「ええ、無事に終われてよかった」
ルビィ「あの! 理亞さん……」
黒髪「あれ?」
茶髪「ルビィちゃんだ。Aqoursの」 理亞「……」
理亞「二人とも、先行ってて」
黒髪・茶髪「う、うん」スタスタ
理亞「で、なに? 私忙しいんだけど」
ルビィ「えと、まずはね、私たちを招待してくれたことに改めてお礼したいなと思って」
ルビィ「今回は、参加させてくれてありがとうございました」ペコ
理亞「そんなこと? それならさっきあなた達の顧問にも同じこと言われたんだけど」
ルビィ「私からも直接、言いたくて」 理亞「…他は?」
ルビィ「ライブ、凄かった……前に見たときよりずっと」
理亞「当然でしょ、言いたいことはそれだけ?」
ルビィ「え、うん」
理亞「何それ、馬鹿馬鹿しい」
ルビィ「そんな言い方……」
理亞「あれだけ私に煽られて、それでもここまでやって来て」
理亞「なのに、わざわざすることがお礼と褒めるだけ……あなた、私たちも負けないって宣戦布告すら出来ないわけ?」
ルビィ「!」
理亞「さっき話に出した顧問は言ってたわよ、あなたと違って私に堂々とね」 理亞「まだ去年の大会のときの方が威勢があったんじゃないの?」
ルビィ「それは……」
理亞「……ならこっちが宣言の手本を見せてあげる」
ルビィ「え?」
理亞「黒澤ルビィ、あなた今年の夏にある特別な行事を知ってる? 言っておくけどオリンピックじゃない」
ルビィ「ラブライブ!サマーフェスティバル2020のことだよね」 理亞「流石にそれくらいは知ってるのね」
ルビィ「認可が下りた全国の会場で各地のスクールアイドルがデュオ、トリオ、グループの三つの中から参加したい項目を選んで」
ルビィ「開催期間中、各部門で競いあうお祭り型のイベント…通称フェスライブ」
理亞「そう、今年のフェスは東京オリンピックの開催もあって去年よりずっと規模が大きい、開催期間もいつもの二倍」
理亞「ラブライブの大会を除けば、それこそ今年一ってくらいには盛り上がるスクールアイドル夏の祭典」
理亞「あなたたちは去年参加していなかったみたいだけど」
ルビィ「……」
理亞「今年も私は、デュオで参加するつもり。そしてそこでトップを取る」
ルビィ「!」 理亞「北海道の人たちはもう私たちのことを認めてくれている、だから今度は全国の人たちに」
理亞「姉様がいなくても、私はやっていけるっていうことをこのフェスで証明してみせる」
理亞「あなたたちが大人しく、のらりくらりとしている間にね」
ルビィ「─!」カチン
ルビィ「そんなことないっ!! 私たちだって!」
理亞「だったらそっちも証明すればいい、今度こそ参加して成果を上げてみればいい」
理亞「けど私は、仮に同じ舞台に立ったとしても」
理亞「意志の弱いあなたなんかに負けるつもりはないし、そのイメージすら微塵も湧いてこないけどね」 ルビィ「〜〜〜〜ッ!!」
理亞「それだけは言っておくから、さよなら」
スタスタ
ルビィ「……」
ルビィ「…………るよ」
意志の弱いあなたなんかに
ルビィ「わかってるんだよ……そんなの……」ギュゥ
── ルビィ「─そこで言われたこと、ちょっとモヤっとしてたんだ」
善子「そっか……ねえルビィ」
ルビィ「なに?」
善子「明日帰ったらさ、久しぶりに私とデートしない?」
ルビィ「え? いいけど」
善子「私もね、今少し悩んでることがあってスッキリしてないのよ」
善子「でも貴女と一緒に全然関係ないこと思いっきりやって、楽しめたら」
善子「それだけで、また頑張れそうな気がするから」 ルビィ「…そうだね、ルビィも」
ルビィ「善子ちゃんと一緒に買い物とか行きたい」
善子「じゃあ決まりね」
ルビィ「うん、楽しみにしてる」
花丸「ふぅー、ごちそうさまずら」
ルビィ「はい、お粗末さまでした」
善子「口のご飯粒、ちゃんと取りなさいよ」
千歌「あ、ちなみに今のごちそうさまはご飯の完食と二人のイチャイチャを見たのをかけた……」
梨子「説明しなくて、いいから…」
曜「梨子ちゃん無理しないで」 続きが気になる
ゆっくり自分のペースで毎秒投稿してください 1年の時のイザコザでそのまま自然消滅でもしたのかってくらい関係が薄くなってた感あったけど
交際は継続したままだったのね 2年目に入ってからますます面白いな
ここで描かれてる人間関係が好き そしてGW5日目、最終日
曜「戻ってきたねー! 久々の新千歳!」
梨子「久々って言っても、まだ四日しか経ってないんだけどね」
鞠莉「それだけ濃密な時間だったってことよ、それも今日で終わりになっちゃうけど」
鞠莉「ねえ出発までまだ時間があるから、今のうちに色々回ってきたら?」
善子「そうね、今までそんな余裕なかったし」
ルビィ「クラスのみんなにお土産買っていこうよ」 千歌「ねえ鞠莉ちゃん、ちょっといいかな」
鞠莉「どうしたの千歌っち」
千歌「お願いしたいことがあって」
千歌「私、帰る前に函館に寄りたいんだ」
鞠莉「函館に?」
千歌「確かめたいことがあるの」
鞠莉「……いいわよ、私も同行するわ」
鞠莉「とりあえず私たちの分はキャンセル入れて、他の四人は梨子に任せておけば大丈夫でしょう」
千歌「ありがとう鞠莉ちゃん!」 ─函館
鞠莉「で、千歌っちの確かめたいことって何?」
千歌「それは……」
ワーーー!!
鞠莉「? なにかしら」
千歌「ライブだ、Saint Snowの」 鞠莉「あら本当、よくやるわねツアー自体はもう終わったっていうのに」
千歌「……」
「ありがとうございました!」
アンコール! アンコール!
千歌「……鞠莉ちゃん、あれだよ」
鞠莉「なにが?」
千歌「私が確かめたかったこと」
千歌「ありがとう鞠莉ちゃん、おかげでハッキリ分かったよ」 千歌「……私、内浦の人たちに恩返ししたい」
鞠莉「What's? どうしたのいきなり」
千歌「今回のライブツアーとさっきの理亞ちゃんたちのライブを見て、思ったんだ」
千歌「私たち、あまり内浦の人たちに感謝とかしていなかったんじゃないかなって」
千歌「北海道に行く前も、何もないとか、人が集まらないとか、結局身内だとか」
千歌「そんな、自分たちのことしか考えていないようなこと言ってた」
鞠莉「……そうね、今思えば私も」
鞠莉「Aqoursの発展のためとはいえ、失礼なことを口にしていたかもしれないわ」 千歌「理亞ちゃんたちが来た時の地方の人たちの反応、私…ずっと見てたんだけどね」
千歌「皆嬉しそうで、本当に心待ちにしていたのが分かって……」
千歌「理亞ちゃんもその人たちの期待に全力で応えようとしてるのが伝わって、本当に凄いなって思った」
千歌「ただ単に優勝したからってだけじゃないんだ、理亞ちゃんは……いや聖良さんも」
千歌「この場所を、北海道のことを、大切に想っているから」
千歌「だからこんなに、応援してくれる人がいるんだよね」
明日のライブが大したことなかったら、承知しないから
鞠莉「……」 千歌「PVを作ろう、私たちがメインじゃない」
千歌「内浦の良さを知ってもらうためのPVを」
千歌「他のどんなことよりも、私は今それが一番やりたい」
鞠莉「……賛成、皆にも伝えましょうか。勿論帰ってからじゃなくて」
千歌・鞠莉「今すぐ!」
千歌「だよね!」ニコッ! ─
曜「たっだいまー!!」
むつ「おかえり! どうだった北海道?」
曜「最高だったよ! ね、梨子ちゃん!」
梨子「うん、すごく楽しかった」
よしみ「いいなあー私たちも行きたかったなあー」
いつき「ねー」
曜「あははっ! それでね急なんだけど」
梨子「皆に協力してほしいことがあるの」
曜・梨子「PV撮影で!」
よいつむ「???」 善子「全く、久々のデートだっていうのに」
ルビィ「ね、衣装はこんな感じのがいいかなぁ?」
善子「それだと地味じゃない?」
ルビィ「うーん、じゃあ他に良さそうなものは……」エーット…
善子(まさかPVで使う衣装選びに来るなんて、楽しいからいいんだけど)
ルビィ「善子ちゃん?」
善子「ほら早く決めるわよ、そんな調子じゃ先にお店が閉まるわ」
善子(それに)
ルビィ「えへへ、そうだね」
善子(ちょっとずつだけど、笑うようになってきたしね)ホホエミ 花丸「──っていう感じかなあ、GWであったことは」
花丸「それでね今は千歌ちゃんから連絡来て、内浦の人たちにも協力をお願いしながら」
花丸「PV作りの準備に取り掛かっているところずら」
『休む間もありませんわね』
花丸「うん、でもみんな楽しそうだよ。もちろんマルも」
『そうですか』
『ありがとうございます花丸さん、毎回こうして教えてくださって』
『鞠莉さんは忙しい身ですし、近況を聞けるのが貴女くらいしかいなくて』 花丸「ううん、気にしないで。マルは全然迷惑じゃないから」
『そう言ってもらえるとこちらとしても助かりますわ』
花丸「また何かあったら教えるね」
『はい、ではまた』
花丸「よし、マルも頑張らなくちゃ」
花丸「でもその前にこっちの方を済ませないとね」スッ
── 黒澤家之墓 ──
花丸「ただいま、アオちゃん」 それから二週間後……
ブーッ ブーッ
理亞「姉様から……もしもし」
『もしもし理亞? Aqoursの新しいPVはもう見た?』
理亞「見たけど」
『そう、流石に早いわね』
理亞「別にそんなことない、普通」 『なら、そのPVを見た人たちの評価は?』
理亞「それも確認した、どこも高く評価してる」
『まだまだ伸びるわよ、あれは』
理亞「……」
『肝心のAqoursが映っている時間はとても少なくて、映像のほとんどが内浦の魅力や景色で構成されてる』
『そういうの最近あまり見なかったから、余計目立ったのはあるかもね』
『でも私は、あのPVを見てもっと好きになったわね今のAqoursのことが』
『そんな感じの人、他にもたくさんいるんじゃないかしら』 『理亞、あなたはどう思う?』
理亞「そうね……まあ」
理亞「認めてあげなくもない」
『相変わらず厳しいのね』
理亞「姉様があの人たちに甘いの」
『それは否定できないわね、でも仕方ないでしょ』 『彼女たちには期待してるもの、あなたのライバルとして』
理亞「ライバル?」
『ええ』
理亞「……」カチッ
〜♪
ルビィ『気持ちだけ…ほかになにもない?』
理亞「……ふん」
理亞「なればいいけど、本当になれるものなら」 鞠莉「みんなー! 朗報よー!」
鞠莉「ついに私たちのPVが急上昇ランク! 一位取ったわよ!!」
鞠莉「SNSでも大量拡散! 内浦の公式サイトのアクセスも凄い伸びだって!!」
千歌「お…」
曜「おお……」
千歌・曜「おおおおおおおおおおお!!!??」
千歌・曜「ぃ…やっっったーーーーーー!!」ダキツキ
ルビィ「ち、千歌さん、曜さん……苦しいです…」
善子・花丸「よしっ!!」ハイタッチ 梨子「よかった、本当に」
鞠莉「梨子は少し不安だった?」
梨子「そんなわけじゃないんですけど」
鞠莉「冗談よ」
梨子「またそうやって……」 鞠莉「夢で夜空を照らしたい、か……いい曲よね。本当に」
梨子「ありがとうございます。とは言っても私の功績なんてほとんどないようなものですけど」
梨子「私はただ、皆の気持ちを形にしただけですから」
鞠莉「それだけでも十分凄いのよ」
梨子「そうでしょうか」フフッ
梨子「…今回は、思っていた以上にいい収穫になったんじゃないですか?」 鞠莉「ええ、最初は経験を増やすため、成長のためって目的があったけど」
鞠莉「それよりも大事な、地元の人たちのことを考える気持ち」
梨子「はい、私たちが日々費やしていく時間の中で忘れかけていた大切なもの」
梨子「それをこの前のGWを通じて思い出させてもらいました」
鞠莉「改めてダイヤや聖良たちに感謝しなきゃね」
鞠莉「私にとってもあなた達にとっても、それぞれが自分自身のことを見つめなおすいい機会になったわ」
鞠莉「それに初めて、6人全員の気持ちが一つになった歌を歌えたと思わない?」
梨子「…っ……はい!」
鞠莉「いい笑顔ね、素敵よ」 千歌「よーし、この調子でもっと頑張っていこー!」
「おー!」
ルビィ(私も、練習頑張らなくちゃ)
ルビィ「ねえ善子ちゃん」
善子「ん?」
ルビィ「あのね、この後自主練しようと思ってるんだけど」
善子「……ふーん」
善子「ちょうどよかった、私もそのことでルビィに言いたいことがあったのよ」 ルビィ「え?」
善子「ルビィ、悪いけど私はしばらく貴女の練習には付き合えないから」
善子「ちょっとやることが出来たの」
善子「練習するなら一人か、他の人を誘ってちょうだい」
ルビィ「そ、そっか……分かったよ」
ルビィ「今までありがとうね、練習に付き合ってくれて」
善子「いいのよ別に、私が勝手にやってただけなんだし。じゃあね」
ルビィ「あ、うん……」 梨子「ルビィちゃん、どうかしたの?」
ルビィ「えっと善子ちゃんを練習に誘おうとしたんだけどしばらく一緒にはやらないって断られちゃって」
梨子「そっか、善子ちゃんが」
梨子「なら私が練習に付き合うわよ」
ルビィ「いいの?」
梨子「ルビィちゃんがよければだけど」
ルビィ「もちろん、嬉しいです」
梨子「よろしくね、そうだ終わったらケーキ食べに行きましょう。私のおごりで」
ルビィ「いいの!? ありがとう梨子さん!」
梨子「PVも上手くいったし久しぶりにルビィちゃんと二人だけになれたんだもの、景気よくいかないとね」ニコ 善子(梨子が一緒にやるんだ……なら大丈夫そうね)
曜「あれ、善子ちゃん今日は練習いいの?」
善子「いいえやるわよ」
曜「そうなの? でもルビィちゃんの姿が見えないけど」
善子「今日から別々でやるからね、私も相手を探しに来たところ」
曜「へえ〜善子ちゃんのご指名は一体誰に「貴女よ」
善子「曜、私の練習に付き合ってくれない?」
曜「……私?」キョトン 鞠莉(それぞれが自分を見つめなおし、また新しく動き始めた)
ルビィ「」
鞠莉(片方は成長)
善子「」
鞠莉(もう片方は変化を求めて)
鞠莉(そのお互いの行動がこれからどんな形で交わっていくのか、誰にも分かりはしないけど) 千歌「花丸ちゃんラスト10本! 頑張れー!」
花丸「な、なんでマルいきなり走らされてるずら……」
千歌「私たちもなんかやったほうがいいと思って」
鞠莉「フフッ……全く、どこもかしこも」
鞠莉「羨ましくなるような青春かましてくれちゃって」
鞠莉(あなた達はそれでいい。迷っても、悩んでも、進み続けなさい)
千歌「おーい! 鞠莉ちゃんもこっち来なよー!」
鞠莉「いいわよ私は」
鞠莉「ちゃんとここで見てるから、ね」 ─6月
東京
ダイヤ「はい、はい……そうですか。ええこっちも変わらず」
ダイヤ「え? ええ、そのつもりですけど……成程、分かりましたわ」
ダイヤ「こちらも楽しみにしています」
ダイヤ「はい、ルビィにもよろしく伝えておいてください……ではまた」
果南「花丸ちゃんから?」
ダイヤ「ええ、5月以降Aqoursは順調に一歩ずつ進んでいると」
ダイヤ「最近は他の学校とも一緒に練習を行ったりしているそうですわ」
果南「へえー皆頑張ってるんだね」 果南「ねえダイヤ、夏休み入ったら向こうに帰るんでしょ?」
ダイヤ「それはもちろん」
果南「千歌たちにも顔見せに行こうよ、話したいこともあるし」
ダイヤ「そのことなんですけど、顔見せ程度では終わらないかもしれませんわよ」
果南「どういうこと?」
ダイヤ「先ほどの電話で夏休み合宿の協力を私たちにしてほしいと、鞠莉さんから言伝があったみたいで」
果南「あーそうか合宿ね、すっかり忘れてた」
聖良「忘れてるのはそれだけですか?」 果南「え?」
聖良「お昼ご飯、もう出来てますよ」
果南「本当だ、ごめんすぐ食べる」
聖良「全く、わざわざもう一回作ったっていうのに」
果南「ごめんって、美味しいよ聖良」
聖良「はあ……あ、そうだダイヤさん」
ダイヤ「何でしょう?」
聖良「先ほどAqoursのみなさんが合宿を行うと聞きましたけど」
聖良「こっちにもそのことで面白い話が来ていますよ」
ダイヤ・果南「?」 千歌「はい! 今日の練習はここまで!!」
「お疲れー!」
ーー♪ ♪♪♪
鞠莉「ん? 電話……ダイヤから?」
鞠莉「ハーイお電話どうも貴女のマリーでーす! あ、そういうのいらない?」
鞠莉「え? ええまだ皆いるわよ、今ちょうど練習が終わったところで」
「??」
鞠莉「ちょっと待って、皆にも聞こえるようにするから」
スッ
鞠莉「全員こっち来て、ダイヤから何か話があるみたい」 千歌「おおー! ダイヤさん久しぶりー! 元気だった!?」
『はい、千歌さんもお変わりないようで』
ルビィ「お姉ちゃん、大学の方はどう?」
『心配しなくても大丈夫よ、ルビィこそちゃんとしてる?』
ルビィ「うん、なんとか」
『そう、梨子さんもこの子の面倒を見てくれてありがとうございます』
『花丸さんから話は聞いていますわ、最近はよくルビィの練習に付き合ってくれているとか』
梨子「そんな、お礼を言われるほどのことじゃないです」 鞠莉「ダイヤ、そろそろ」
『そうですわね、世間話もいいですけど流石に本題に入りましょうか』
『さて、それでまずは一つ確認しておきたいことがあるのですが』
『皆さんは夏休み期間に行われるスクールアイドル選抜強化合宿のことをご存知でしょうか?』
曜「うん、鞠莉ちゃんから聞いたから知ってるよ」
曜「全国から各校1人ずつ選ばれた、計30人のスクールアイドル達で来月末の7月25日から」
曜「8月10日にまで渡る17日間!東京の体育館で行われる、超!長期合宿のことだよね!」
『ちょうが一つ多い気がしますが……まあそれで合っています』 善子「光栄なことにAqoursもその30校のうちの1つに入ってるのよね」
花丸「でもまだメンバーの誰が選ばれるのか、分かってないずら」
梨子「向こうの決定を待つしかないからね、こっちからは決められないし」
『ええ、本来はそのはずなんですけど』
梨子「え?」
鞠莉「なに、もしかして違うの?」
『はい、今回話したかったのはその誰が選ばれるかの件についてです』 『手短に話しましょうか、これは聖良さんから伺ったのですけど』
『彼女は合宿メンバー推薦者の内の一人に入ってるんです』
千歌「嘘! 聖良さん凄い!」
善子「でも考えてみれば聖良って去年のラブライブ優勝者だし、当然っちゃ当然よね」
鞠莉「えっと、つまり私たちで合宿に行かせたい人を話し合いで決めて…その子を聖良に頼んで推薦してもらうってこと?」
『いいえ、その逆ですわ』
鞠莉「逆?」
『聖良さんが推薦したいAqoursのメンバーは既に決まっています』
『ただ、その最終的な判断はあなた達にも分かってもらえた上でしたいと、私はそう彼女から頼まれたんです』 千歌「聖良さんからの推薦……」ゴクリ
曜「一体誰が……」
梨子・善子「……」
『ではその推薦された人物を今から伝えますわね』
『……』
『ルビィ、貴女──』
『この合宿に参加してみる気はない?』
「!!」
ルビィ「え……私?」 花丸「わあ…ルビィちゃん凄いずらあ!!」
千歌「おめでとー!!」
鞠莉「congratulationルビィ!!」
ルビィ「で、でも……皆はいいの?」
ルビィ「それに夏休みにやるAqoursの合宿だって」
梨子「大丈夫よ、そっちは私たちに任せて」
善子「ルビィ、貴女がそんなこと気にする必要ないわよ」
善子「私はルビィの意見を尊重するわ、だから自分の気持ちに正直になって」 千歌「行ってきなよルビィちゃん!」
曜「私たちもこっちで頑張るからさ!」
ルビィ「善子ちゃん、みんな……」
ルビィ「…いく、行かせて」
『分かったわ。じゃあ向こうにもそう通しておくわね』
鞠莉「ならご両親の許可も必要よね、長期遠征になるわけだし」
鞠莉「ここは顧問として、私から黒澤の方に説明を…「いい」 鞠莉「え?」
ルビィ「いいよ、やらなくて」
ルビィ「全部自分で言うから」
鞠莉「…わかったわ、余計なことはしない」ニコ
鞠莉「というわけだから、そっちもよろしくね〜ダイヤ♪」
『え、ええ…了解しました。ではまた』
鞠莉「チャオー」 ルビィ「私が、東京の合宿に……」
ルビィ(行くんだ、行けるんだ……!)
花丸「ルビィちゃん、嬉しそうだね」
善子「それはそうでしょ、こんな機会そうそうあるものじゃないし」
善子「ルビィにとっては私たちより尚更、興味が強かったんだから」
千歌「んーでもさ、どうして聖良さんはルビィちゃんを選んだんだろうね?」
曜「確かに、何か理由でもあるのかな?」
鞠莉「いいじゃないどっちでも、とにかく今はあの子を応援してあげましょう」
梨子「そうですね」
鞠莉「さ、私たちも来月に向けて気を引き締めていくわよー!」
「おーーー!!」 そして一ヶ月後……7月下旬
千歌「きっったーーーー!! 遂に来たよー! このときが!!」
曜「待ちに待った夏休み!! 突入であります!」ヨーソロー!
梨子「二人とも朝から元気ね……昨日あんなに夜更かししたのに」フワァ
善子「でもちゃんと集合時間には間に合うのね」
梨子「初日から遅刻は駄目でしょう」
善子「まあね」
花丸「あ、鞠莉さんが来たよ」 鞠莉「お待たせ、みんな集まってるわね」
鞠莉「さて、分かってると思うけど今日から夏休み」
鞠莉「そして記念すべき合宿の一日目! ということで」
鞠莉「あなた達をサポートしてくれるスペシャルゲストをご紹介するわ! さあさあご覧あれ!」
果南「や、みんな久しぶり」
ダイヤ「鞠莉さん、なんですかその前振りは」
千歌「おー! 生果南ちゃんに生ダイヤさん!」
梨子「千歌ちゃん言い方」
善子「こうして直接会うのは本当に久々ね」
曜「あれ、待ってその後ろにもう一人誰か……あ!」
聖良「お久しぶりです皆さん、私もこっちに来てしまいました」 花丸「せ、聖良さんずら!」
聖良「今回は私も皆さんの合宿に協力させてもらうことになりました」
聖良「よろしくお願いします」
千歌「こちらこそ! 聖良さんが来てくれるなんてすっごく心強いです!!」
曜「でもSaint Snowの方はいいんですか?」
聖良「もちろん一度北海道の方にも顔を出しには行きますけど、あちらには優秀なコーチもいますし基本はこっちを手伝うつもりです」
聖良「それに理亞には私よりももっと適任な人がいますから、心配いりませんよ」
千歌・曜「?」 ダイヤ「……」キョロキョロ
ダイヤ「ルビィは、いないみたいね」
梨子「ルビィちゃんならもう東京に行きましたよ」
ダイヤ「!」
梨子「昨日空港でみんなで見送ってきましたから」
ダイヤ「そうですか……」
梨子「多分、心配いらないと思いますよ」
ダイヤ「え?」
梨子「不安そうな表情じゃなかったので」クス
ダイヤ「梨子さん……」
梨子「きっと今頃、向こうで頑張っていますよ」 ─東京
ルビィ「……」
ルビィ「ど、どうしよう……迷っちゃった」
ルビィ「ちゃんと地図を見ながら向かってるはずなのに……」
ルビィ「なんで東京ってこんなに複雑なのかなぁ……?」
ルビィ「えっと、とにかく何か目印を探して……あれ?」
理亞「……」ウロウロ ルビィ「あの」ポン
理亞「ひっ!!?」バッ
ルビィ「やっぱり理亞さんだよね?」
理亞「黒澤ルビィ……っ…いきなりどういうつもり?」ギロ
ルビィ「ご、ごめんなさい驚かせるつもりはなくて」
理亞「もういい、それより……なんでこんなところにあなたがいるの」
ルビィ「私はその、合宿に呼ばれて」
理亞「何、あなたも?」
ルビィ「じゃあ理亞さんも? ……ってそれはそうだよね、呼ばれないわけないもん」 ルビィ「でもそれならなんでここに? ……もしかして」
理亞「私は迷ってなんかない!!」
ルビィ「まだ何も言ってないけど」
理亞「……あ」
ルビィ「……えーっと、理亞さん」
理亞「なに」
ルビィ「一緒に行かない? もしかしたらそっちの方が早く着くかもしれないし」
理亞「……仕方ないわね」 ……
ルビィ「で、ここを右に曲がって…」
理亞「違う、ここは真っ直ぐ」
ルビィ「いや右だよ」
理亞「だから真っ直ぐだって」
ルビィ「さっきもそれで間違えたじゃん!」
理亞「今度は合ってる! 真っ直ぐに進んで!」
ルビィ「ううん駄目! 曲がるから!」
理亞「ちょっと!」 ルビィ「……あ、あれ?」
理亞「だから言ったでしょ! 真っ直ぐ行きなさいって!」
理亞「何やってるの! 急がないと私たち合宿に遅れるのよ!!」
ルビィ「ま、まだ時間あるもん!」
理亞「だったらさっさとして!」
ルビィ「分かってるよ!」 そして数十分後……
バタバタバタ!
ルビィ「ここで本当に合ってるんだよね!?」
理亞「さっき見た! 間違いない!」
理亞「やっとたどり着いた!!」 ルビィ「でもまずいよ! 完全に遅刻しちゃってるよ!」
ルビィ「絶対もうみんな集まってるよねぇ!?」
理亞「当たり前! 初日に遅刻なんて考えられない!!」
理亞「あなたのせいで五分も遅れたでしょ!!」
ルビィ「理亞さんだって迷ってたくせに!!」
理亞「見えた! 多分あの扉!」
バンッ
ルビィ・理亞「すみません! 遅刻してしまいました!!」 シーーーン……
ルビィ・理亞「……?」
理亞(おかしい…遅刻してきたのは私たちだけなのに、これだけ静まり返ってるのに)
ルビィ(誰も私たちのこと見てない、注目されてないの?)
理亞(普通悪目立ちするはずなのに……全員、一体どこを見て……)
ルビィ(こんなに黙ってるんだろう……)
ルビィ・理亞「……!!?」 「あら、駄目よ初日から遅刻なんてしたら」
「今来た二人が最後みたいですね、これで全員集まりました」
「そう、じゃあそろそろ自己紹介といきましょうか」
理亞「う、うそ……なんで、こんな人が……ここに」
ルビィ「ほ、ほんとうに……本物……なの……?」
ツバサ「はい、今回この合宿の総責任者を務めることになりました」
ツバサ「元スクールアイドルA-RISEの、綺羅ツバサです。それと」
雪穂「その補佐を任されました高坂雪穂です。どうも」 ツバサ「さて、こちらの自己紹介も終わったことだし、まず私から一言みんなに」
ツバサ「今回開かれたこの合宿は当然、あなた達のために用意されたものだけど」
ツバサ「私自身もここで過ごすひと夏の時間を有意義なものにしたいと思ってるわ、お互いにいい思い出を作りましょう」
ツバサ「勿論手抜きは一切しないから全員心して取り組むように」
ツバサ「そういうわけでこれからよろしくね、次世代スクールアイドル諸君!!」 >>243
少し修正、大した違いはありませんが一応
善子「でも考えてみれば聖良って去年のラブライブ優勝者だし、当然っちゃ当然よね」
↓
善子「でも考えてみれば聖良って前回のラブライブ優勝者だし、当然っちゃ当然よね」 「「「……………………」」」
ツバサ「……あら?」
ツバサ「ねえ雪穂ちゃん、なんか皆の反応が薄い…というより全くない気がするのだけど」
ツバサ「私の気のせいかしら」
雪穂「だから言ったじゃないですか、名前くらい公表しましょうって」ハァ
雪穂「あれは反応がないんじゃなくてビックリしすぎて固まってるだけですよ」 ツバサ「そうなの? 確かにサプライズ目的ではあったけど、まさか私もここまでとは思っていなかったわ」
雪穂「ご自分の知名度をもっとよく考えてください! 何の説明も無しにツバサさんがここに来て、しかも総責任者だなんて聞かされたら!」
雪穂「どんなスクールアイドルでも絶対! あんな感じになるんですって!!」
ツバサ「へえ、そこまで評価してもらえるなんて嬉しいわね」
雪穂「ツバサさん!」
ツバサ「フフッごめんなさい、以後気をつけることにするわ」 雪穂「もう……で、どうするんですかこの状況」
ツバサ「そうね、いつまでもガチガチに固まってもらわれても困るし」
ツバサ「……」
ツバサ「よし、こうしましょう」
パンッ
ツバサ「今からランニングを始めるわ! とりあえずこの体育館を10周するから私たちについてきて!」
雪穂「ええ!? 10周も!?」
ツバサ「緊張をほぐすにはまず体から、それにみんな忘れてるかもしれないけど」
ツバサ「この合宿はもうすでに始まっているのよ」
「!」
ツバサ「あなた達の自己紹介は終わった後にやってもらうから、初めはとにかくこの空気に出来るだけ慣れること!」
ツバサ「さ、動いて動いて! 雪穂ちゃんも!」 ─
鞠莉「はい、じゃあ練習を始める前に改めて皆に確認しておくわね」
鞠莉「ズバリ、今の私たちの目標は何かしら? 千歌っち」
千歌「そんなの決まってるよ! 夏にやるフェスライブでいい結果を出すこと!」
千歌「いや! 目指すは断トツのトップ!!」
善子「また大きく出たわね」
鞠莉「いいじゃない、それくらい熱意があったほうが運営側も喜ぶわよきっと」
鞠莉「さて、今千歌っちが言った通り、私たちは8月から開催されるフェスライブに向けて」
鞠莉「この合宿を行うことにしたわけだけど、聖良」
聖良「はい、早速ですがまずは前回未参加の皆さんのために」
聖良「フェスライブの具体的な説明からしていきたいと思います」 聖良「フェスライブ、正式名称はラブライブ!サマーフェスティバル2020」
聖良「スクールアイドルなら誰でも参加することが出来る、夏の一大イベント。ファンの間ではフェスと呼ばれることもありますね」
聖良「内容は至ってシンプル、参加者全員が各会場でライブを披露しポイントを集めて」
聖良「その合計数で優劣を決める、たったそれだけです」
聖良「開催期間は8月1日から8月15日までの15日間になります、本来は一週間で終わる予定なのですが」
聖良「今年はオリンピックの開催もあり、こちらももっと盛り上げようという委員会の計らいの元、特別に通常の2倍の長さでやることになりました」
善子「ねえ聖良、ちょっと質問いいかしら?」
聖良「どうぞ」
善子「さっきポイントの合計数で結果を決めるって言ってたけど」
善子「そのポイントはどうやって集めればいいの?」 聖良「このイベントでは各会場にいる審査員の方と来場者、それとライブビューイング等で見ている視聴者さんがライブを評価する形になります」
聖良「評価基準は大まかに言えば、どれだけ会場を沸かせられたか、自分たちを満足させることが出来たか、この二点ですね」
聖良「もちろん技術やパフォーマンスも評価の対象にはなりますけど、なんといってもお祭りですから」
聖良「ラブライブ大会程の厳しい目線ではあまり見られないというわけです、まあそれはともかくとして」
聖良「その方々が参加者のライブを評価した結果、それが点数という形で表れ」
聖良「各参加者は表示された分のポイントを獲得できる。というのが一連の流れです」 聖良「そしてここからが重要なんですが、ライブを行うごとにそのポイントはどんどん積み重なっていくんです」
聖良「例えば1回目のライブで5000、2回目で6000のポイントを取った場合、累計の11000がその参加者の持ちポイントになります」
花丸「成程ずら、ということは」
花丸「会場のライブで最高点を出した人が必ずしも一番になれるってわけじゃないんだね」
聖良「そうなりますね、有利ではあるというだけで」 聖良「繰り返し言いますが、順位を付けてはいるものの本来これはお祭り用のイベント、全員で楽しむための企画なんです」
聖良「だからこそのポイント累計方式、実力至上主義ではなくどれだけ多くの人を楽しませたか、ここではそれが全て」
聖良「トップを目指すなら、まずはそのことをよく頭に入れておいてくださいね」
千歌「わっかりました!」ビシッ!
曜「しっかりと胸に刻んでおくであります!」ケイレイ!
聖良「フフッ、善子さんも今ので大丈夫ですか?」
善子「ええ、説明してくれてありがと」
聖良「はい。では最後に参加する方法ですけど」 聖良「このイベントには三つの参加項目があります、一つは2人組みのデュオ、二つ目は3人組のトリオ」
聖良「最後に4人以上で参加するグループ、このどれかを選択してエントリーすることになります」
聖良「一応補足しておくと原則スクールアイドルであり、条件さえ満たしていれば、他校のメンバーとも組むことが可能です」
聖良「ふぅ……説明はこんな感じでいいでしょうか」
鞠莉「バッチリ♪ ありがとう聖良」 鞠莉「さあ概要を理解してもらったところで、次は肝心のどの部門で参加するのか」
鞠莉「ここについて話していきたいんだけど」
鞠莉「実は私、そのことでちょっと考えていることがあるのよ」
聖良「いつもの皆さんなら6人で活動しているので、私はグループで参加するのが望ましいと思いますし」
聖良「そう提案したんですけど」
鞠莉「せっかくのお祭りなのよ、上を目指すのはいいけどだからっていつもと同じじゃつまらないじゃない?」
鞠莉「この機を逃すべからず! 普段ともっと違うことやりましょうよ!」
聖良「と、あなた達の顧問から熱い要望がありまして」 善子「…なんか、北海道のときも思ったけど」
梨子「鞠莉さんってそういうの好きね……」
千歌「いいじゃんそれ! 楽しそうー!」
鞠莉「でしょう!? 千歌っちならそう言ってくれると思ったわ!!」グッ
善子「そしてここぞとばかりに乗っかる我らがリーダー」
梨子「ま、まあそのおかげでここまで来られた部分もあるから…」
果南(あ、なんだろう今の一言で)
ダイヤ(梨子さんの苦労を察せたような気がしますわ……) 聖良「と、いうわけなのでその目的に合わせた練習スケジュールを組みました」
聖良「基礎トレーニングに遠泳、砂浜ダッシュを追加して」
聖良「その後はひたすら二人三人でのライブ練習です」
鞠莉「誰とでも、どの組み合わせでも息が合うように」
鞠莉「ひたすら練習で補って、体に沁み込ませてもらうわよ」
鞠莉「そうやってお互いを知り、理解し、支え合う」
鞠莉「それがひいてはチームの団結力向上につながる、と私は思っているわ」
鞠莉「それに、6人体制になってからはグループの練習ばかりだったし、こういうのは新鮮に感じるんじゃないかしら?」 善子「言われてみれば」
花丸「確かに……」
曜「うん、いいと思う!」
梨子「きっと前の合宿よりハードになると思うけど、でも」
千歌「絶対にやる価値があるよ!」
鞠莉「よし決まり! そうと決まれば早速始めるわよ!!」
鞠莉「夏の合宿! スタート!!」ピーッ
「おーーーーっ!!」 聖良「では最初のメニューは……」
鞠莉「頑張ってね、みんな」
果南・ダイヤ「……」
鞠莉「あら、二人ともどうしたの?」
ダイヤ「いえ、なんというかその」
果南「想像以上に顧問らしいことしてて度肝を抜かれたって感じ」
ダイヤ「ええ、話は聞いていましたけど実際にその様子を見るのは初めてでしたから余計に」
鞠莉「失礼しちゃうわね、私をなんだと思っているのかしら」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています