曜「3校合同で演劇発表会?楽しそう!」絵里「スクールアイドルフェスティバルの前夜祭のようなものね」
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果南「学校のみんなで劇をやるなんて、小学校の学芸会以来だなあ」
かすみ「演劇……しず子の真骨頂……!」
しずく「そうですね、日頃のアイドル活動はもちろんですが、演劇となればそれ以上に気合いが入ります……!」
にこ「ところでフェスの前哨戦でどうして劇なんてやるのよ?」
ルビィ「前哨戦じゃないよ、前夜祭だよ、戦っちゃダメだよ……みんなで仲良くしようって企画なのに……」
海未「そうですよ、にこ、スクールアイドルの魅力を広く知ってもらう一環なのですから」
千歌「ねえ、劇の内容はこれから決めるの?」
せつ菜「いえ、スクールアイドルにぴったりな題材を用意しています!本番に向けて練習を重ねましょう!」 善子「……戦禍で家や家族を失った者、満州に朝鮮半島、シベリアからの復員兵、この国は浮浪者の数が多いわね」
愛「そうだね、今いるのはどこだっけ……岡山県?岡山市の中心部だけで500人以上、県全体だと未成年の浮浪者だけで2000人を数えるみたい」
善子「浮浪者による犯罪の増加が懸念されるわ……市民が傷付く前に、浮浪者を収容できる施設を全国に設けましょう」
愛「ひとつの県につき、2〜3箇所でいいかな?」
善子「それくらいで十分でしょう、岡山には3箇所配置するわ」 愛「岡山県は福祉の先進県と称されるほどだからね!人口比で言えば2箇所もあれば良いと思うけど、ここで成果を挙げれば、他県にも良い影響を与えられるはず!」
善子「岡田村の山裾に、長閑な田園地帯が鳥瞰出来る健民修練所があるわよね?あそこを改装して、更生館を建てるのはどうかしら?」
愛「その前の小川に橋を架けて、更生館に向けて渡ると代官屋敷を思わせる門構えに迎えられて、左右には長い白壁の塀が広がる……なんて良さそう!」
善子「これだけ立派に作ったからには、模範施設として名を馳せてもらいましょう!」 ことり「はあ、放浪しながら詩人を続けているけど、そろそろどこかに定住したいなあ」
ことり「定職も欲しいし、そうだよね、創作活動をするには、地に足をつける時代だよ……」
ことり「岡山県、倉敷市……そうは言っても、私を雇ってくれる職場なんてないよね……」
ことり「1月なのに、駅のベンチで寝て過ごすなんて……」
ことり「……」
かすみ「起きてください!」
ことり「……ん?」
かすみ「起きてください!こんなところで寝たら風邪ひきますよ!?」 ことり「あなたは……?」
かすみ「この近くにある、更生館の職員です!岡山東署の巡査部長でしたが、更生館の設置に伴い、異動してきました!」
ことり「更生館……警察……?私、逮捕されちゃうの……?」
かすみ「もう!違いますよ!あなたのような方を保護して立ち直らせるための施設があるんです!そこへ行きましょう!」
ことり「ええ、急にそんなこと言われても……仕事も、住む場所もないし……」
かすみ「だからそれを用意しますよってことじゃないですか!食事も出ますし、相部屋ですけど寮もありますよ!1日働けば4千円くらい貰えるので、貯金をしたら一人立ちしましょう!」
ことり「本当ですか……!とってもありがたいです……!」 絵里「GHQの統治下とは言え、日本も随分と平和になってきたわね」
曜「戦後の混乱に乗じた犯罪が増えてはいるけど、何かこれから世の中が良くなっていく機運を感じるよね」
にこ「……あんたたち!のんびり雑談なんてしてる場合じゃないわよ!?」
絵里「もう、どうしたのよ、そんなに慌てて」
にこ「慌てるなんて言葉じゃ収まらないっていうの!さっき浮浪者染みた来客があったでしょ!?」
曜「ああ、追い返さなかったんだね!」
にこ「いい!?うちは新聞社!どんな身なりであっても、上物のネタを届けてくれる可能性に懸けるのよ!」
絵里「それでその浮浪者は何を持ってきてくれたの?」 ことり「信じてくれないかもしれませんが……」
にこ「いいわ、話してみなさい……話すのも聞くのも、それだけならタダなんだから」
ことり「……倉敷市のはずれに、更生館があるのはご存じですか?」
にこ「岡田更生館でしょ?あの手の施設の中じゃ職員の面倒見も良いし、環境も整ってるし、模範施設として名高いわよね」
ことり「……」
にこ「……なによ、私の認識に何か間違いがあるっていうの?」
ことり「私、そこから逃げ出してきたんです……」
にこ「……」
ことり「あの更生館は、地獄なんです……!」
にこ「地獄……」 ことり「放浪詩人として旅していた私は、倉敷の駅でどうにもならなくなって、浮浪者同然にベンチに持たれて寝ていました」
ことり「するとそこへ、身なりの良い、更生館の職員を名乗る方が来たのです」
ことり「GHQの発案によって、治安維持のためにも浮浪者を収容して、その施設の中で立ち直らせてやろうと決まったそうで」
ことり「私を更生館へ連れていった方の話は魅力的で、一ヶ月もすれば事業をひらける程度の収入が手に入る約束でした」
ことり「それなのに……いざ更生館の中へ入ってみたら……」 ことり「まずは入所と同時に頭を刈られ、相部屋に放り込まれました」
ことり「そこは相部屋なんて生易しいものではなく、畳一畳に数人が押し込められた劣悪な環境でした」
ことり「食事も与えられないのか、みんな痩せほそって、疥癬か結核にかかり、衰弱して死を待つばかりの部屋です」
ことり「稼げる仕事なんてあるはずもなく、食事でさえ椀一杯の水のように薄い雑炊、昼はパンか豆の入った黒い麦飯が与えられるだけ……」
ことり「医務室がありましたが、医者はいなくて、自称女医の年老いた看護婦が一人いるだけです」
ことり「怪我をしたって傷口に塩を塗るだけで、みんな疥癬を掻きむしって死んでいくのです……」 にこ「それならあなたみたいに、みんな逃げ出したらいいじゃない」
ことり「私は運が良かったんです、ちょうどその日は県庁からの視察があって、健康状態の良い人だけを集めて演芸会を行っていました」
ことり「その会が終わると、近隣の役場から借りていた椅子を返却に訪れる振りをして、逃げてきたのです」
ことり「更生館は県の施設なので、もしかしたら警察とも癒着してるかも……だから、大阪にある、この毎日新聞社に助けを求めに来ました」
ことり「もしも途中で捕まっていたら、私も他の逃亡者と同じように施設に戻され、苛烈な私刑にあっていたはずです」
にこ「逃げたのがバレたらどうなるのよ?」 ことり「私も一ヶ月かそこらしかいなかったので、すべてをしっているわけではありませんが」
ことり「棒で頭を殴り付けられて殺される人、折れた肋骨が肺に刺さり死ぬ人、暴行によって足腰が立たなくなって衰弱死なんてことも……私がいた期間だけで50人は殺されたはずです!」
にこ「ちょっと、にわかには……信じがたいわね……」
ことり「そうですよね……」
にこ「……分かったわ、少し調べてみるから時間をちょうだい」
ことり「わあ……!お願いします……!」 曜「あの更生館って他の新聞社が模範施設として記事にしてたよね?」
絵里「一ヶ月で50人死んだっていうのも……うーん……」
にこ「悪いけど、岡山まで行って簡単に取材してきてくれない?まだ深入りはしなくていいから、見える範囲で写真を何枚かね」
曜「……もしも事実なら、とてつもないスクープだからね」
絵里「聞き込み調査と撮影程度なら普段の仕事と大差ないわ、任せてちょうだい」
にこ「ありがと、あんたたちが岡山に行くこと、岡山の支局長に伝えておくわ」
絵里「えっ、岡山の支局長って……」 真姫「まったく、大変なことに首を突っ込もうとしてるわね」
曜「ええ、まあ……」
絵里「しばらくこちらでお世話になります」
真姫「……うちの記者は好きに使って構わないから……違うわよ、若手に経験を積ませたいと思ってるの、別にあなたたちを手助けするわけじゃないんだから」
曜「……やっぱりこの人って」
絵里「にこの言っていた通りね、鬼支局長だなんて言われているけど、素直じゃないだけみたいね……」 絵里「明日になったら県庁の厚生課へ行こうと考えているの」
曜「ことりさんを唆したかすみって職員が常駐してるんだってね」
絵里「直接会うことはないけど、遠目に顔だけでも確認しておこうと思って」
曜「そうだね、まずは敵を知らなきゃ」
絵里「まだ敵と決まったわけではないけど、善は急げよ!」 絵里「……あれがかすみさん」
曜「もっとヤクザな見た目かと思ったけど、普通の人だね」
絵里「県庁内を回ってみたけど、やっぱり誰もが口を揃えて、あそこは模範施設だと答えるわ」
曜「県主事なんて、以前新聞に模範施設だと報じられた記事の切りぬきを見せてくれたよ」
絵里「ことりさんの言っているようなことは事実ではないのかしら……」
曜「他にも脱走を試みる人はいたみたいだし、もしかしたら無事逃げおおせた人が、うちとは違う新聞社に垂れ込んでたりしないかな」
絵里「支局に帰ったら各社のバックナンバーを探ってみましょう」 絵里「あっ!あったわ!」
曜「本当!?」
絵里「岡山から、九州、福岡の警察にまで逃げ込んだ人が以前いたみたいよ!」
曜「やっぱり近くの警察は信用ならなかったんだね」
絵里「でも福岡県警が岡山県警に確認したところ、調査の結果、問題なしって」
曜「その記事だけだと信用に足らないけど、ことりさんも含めて2名が同じ証言をしてるもんね」
絵里「さすがに福岡と大阪にまでそれぞれ逃げて、同じ嘘をつくなんて無いわよ……」 曜「撮影なら、このカメラマン渡辺にお任せあれ!」
絵里「早速行きましょう!」
曜「待って!こんな普通の服装で行ったら怪しまれるよ!更生館に興味のある浮浪者の振りをしようよ!」
真姫「そういうことなら、以前別件で潜入取材したときの道具を貸してあげるわ、このレインコートのボタンのところにカメラのレンズをあてがって、バレないように撮影するのよ」
曜「……」
真姫「なによ!?不甲斐ない取材なんてしたら新聞社の名に泥がつくでしょ!分かったらさっさと行ってきなさい!」
曜「あ、ありがとうであります!」 彼方「……」
絵里「運転ありがとうございます……あの、倉敷通信部の主任と伺いましたが」
彼方「そうだよ」
絵里「更生館の評判について、何も届いてはいなかったのですか?」
彼方「彼方ちゃん、基本、寝てるからね……」
曜「……え?」
彼方「起きててもそんな話、夢かと思って真に受けないよね……」
絵里「そう……」 彼方「もし今後も取材を続けるなら、そこの旅籠を拠点にするといいよ」
曜「へえ、村の入り口に火の見櫓と旅籠があるし、山の麓の田園地帯、良い景観だね」
絵里「あの山の陰になったところ、白い塀が見えるけど」
彼方「あそこが更生館だよ」
曜「……歩いてすぐだね、こんな広い建物の中で暴行殺人なんて起きてるのかな」
絵里「待って、建物の入り口のところを見てごらんなさい」
曜「いち、に、さん……6人、あんな厳重に守る必要ある?」
絵里「ちょっときな臭いわね……」 ことり「館長は柔道5段で、体格の良い浮浪者を50人ほど、鍛えて、更生館の警備に当たらせてるの」
ことり「内部で浮浪者を暴行するのも、基本的には浮浪者たちなんだよ」
にこ「浮浪者の中で上下関係をつくるってわけね、下の者たちを争わせておけば、自分達に対しての反乱が起きにくくなるもの」 曜「正門、裏門、トイレの汲み取り口付近、裏山へ続く道……更生館は4つの入り口があるけど、そのすべてに6人ずつ若者が警備してるのか」
絵里「もう夜更けよ?24人もの警備が必要だなんて、明らかに外からではなく、中からのトラブルに対応するためよね」
曜「本当に喧伝通りの施設なら、逃亡なんてされるはずないよ」
絵里「裏山へ登ってみましょう、上から見たほうが全体を把握しやすいわ」
曜「午後8時なのにどの部屋も電気が消えてる……あっ、あそこの建物見える?」
絵里「あれは……渡り廊下かしら?」
曜「建物とトイレとを繋いでるんだ……あっ、人が出てきた」
絵里「……!」
曜「真冬の夜更けにドンゴロス一枚、全裸に被っただけだよ……」
絵里「おかしい……この施設、絶対に何かあるわ……」 近年は時代も変わって政治的姿勢を明らかにした方が熱心なファンがつきやすいから 町史に載ってないからな
劇で掘りおこして風化させないよにするのもアイ活 運営に岡山出身のやつがいたら途中で止めるわけにもいかんし内心ヒエヒエだろ 真姫「で、どうだったの?タレコミ通りの施設だったわけ?」
曜「これを見てほしいであります!」
絵里「え、なにこれ……」
曜「あのあと二手に分かれて散策したときに、収容者を撮る機会があったんだ」
真姫「肋骨が浮き出て……栄養失調かしら、まるで幽鬼ね……」
絵里「これはもう、浮浪者の振りをして潜入してみたほうが良さそうね、曜、この写真借りるわね」
曜「どうするの?」
絵里「大阪本社に送って鞠莉の助けを求めるわ」 真姫「鞠莉……?」
絵里「岡山までは届いていないのね、鞠莉の噂は」
曜「3年前に昭和南海地震があったでしょ?あのとき鞠莉ちゃんはまだ印刷所の見習いだったんだけど、社会部の特派員団に勝手に潜入して、取材船に乗り込んできたんだ」
真姫「やるわね」
絵里「海はまだ流木でいっぱいで、船は進むことも難しかったのよ、それで鞠莉ったら黙っていれば良いものを、船頭を叱責して片付けを急かしてね」
曜「そのバイタリティが評判になって向こうではちょっとした有名人なんだよ」
絵里「アメリカで白人記者が有色人種に変装して、KKKの起こした事件を取材した話があったでしょう?」
真姫「潜入の相棒に、その鞠莉っていう豪胆な子を迎えるってわけね」 絵里「それじゃあ曜は引き続き、施設の撮影を頼むわね」
鞠莉「ここからのパートナーはマリーが引き受けるわ」
曜「二人とも、気を付けてね!」
絵里「それにしても鞠莉のその格好、まったくもって本物の浮浪者ね」
鞠莉「少しでも不審に思われたらアウトだもの!さあ、慎重に行くわよ、まずはあの農家から話を聞き出しましょう」
絵里「……あのー、すみません」
果林「……」
絵里「あっ、あの!……閉められたわ」
鞠莉「次はあっちよ!ごめんくださーい!」
ルビィ「……」
鞠莉「ダメね……」 絵里「はあ、もうあとはあの一軒だけ……ごめんください……」
しずく「……」
鞠莉「あの、私たち、更生館に入りたいのですが、あの施設は良いところですか!?」
しずく「……更生館!?やめなさい、殺される!私は毎日更生館に出入りしていますがこの一週間だけで5人6人死んでいるのですよ朝の4時頃にこの横の道を死体と薪を積んだ戸板を痩せた収容者達が担いで登って行き山の上で焼くのです!」
絵里「それは本当で」
しずく「山の上に仮の火葬場があるんです死んだ浮浪者を同じ浮浪者が薪で焼くんです本当に恐ろしいところです!」
鞠莉「絵里、一度山の上に行ってみましょう!」 鞠莉「あった!」
絵里「焼却炉の中に、細かい人骨が無数にあるわね……」
鞠莉「実は岡山へ着いてすぐ、村内の千光寺を探訪して、数十個の無縁仏の骨箱を見付けていたのよ」
絵里「それが全部、更生館の犠牲者?」
鞠莉「そのはずだけど」
絵里「そうすると、やっぱりおかしいわね」
鞠莉「ホワイ?」
絵里「私は先日、村役場に提出された死亡届を確認してみたのよ……そこにあったのは、たった数人分……」
鞠莉「真っ当な理由のある遺体だけ届けていたのかしら」
絵里「……ことりさんの話では、死亡届は例の女医を自称する看護婦が書いていたそうなの」
鞠莉「まともなカウントは行われてなさそうね」 曜「あれ、思ったより早かったね!」
鞠莉「麓のお寺で話を聞こうと思ったら、えへへ……」
絵里「格好が格好でしょう?物取りと勘違いされて追いかけられたのよ……」
曜「ええ!それじゃあもう、聞き込み調査は難しいんじゃない?」
絵里「本当はもっと判断材料を集めたかったけど、すぐにでも潜入したほうが良さそうね」
鞠莉「それが……私がこっちに来る前に、デスクの海未が、危険だから潜入は認められないって……」
絵里「まあ、それはそうよね……記者の身に何かあったら幹部連中の責任問題になるわよ……」
曜「どうするの……?」 海未「はい、こちら毎日新聞本社……海未は私ですが……?ああ、絵里でしたか」
絵里「潜入に反対したそうね」
海未「当たり前です、そんな危険なことをさせるわけにはいきません!外部からの取材だけで記事は書けないのですか?」
絵里「書けなくはないわ」
海未「でしたら……!」
絵里「でも、決め手が無いのよ、相手は県営施設よ?あとで必ず問題になるわ」
海未「それは……あっ、にこ!やめてくださ」
にこ「やりなさいよ!」
絵里「えっ!?」
にこ「一度決めたからにはやり通しなさい!会社なんて関係ないわ!あんた、無断で潜入しなさいよ!」
絵里「にこ……」 絵里「では、明朝早く入ります!」
にこ「その意気よ!」
海未「はあ……また勝手なことを……」
エマ「ううん、よくやったよ、にこ!」
鞠莉「そう、にこが全部責任を取るって……」
絵里「ことりさんのためにも、にこの進退のためにも、絶対に失敗できなくなったわ……!」
鞠莉「明朝……もう後戻りはないわね……!」 エマ「潜入した二人を無事救出するには、検察と警察の協力が不可欠だよ」
にこ「潜入にはまだ数日あるわよね、誰か信頼のおける協力者のあてはある?」
エマ「うーん……岡山地検の松浦検事正はどうかな、親分肌で信頼できるよ」
にこ「警察のツテはどう?」
エマ「警察は彼方ちゃんが詳しいかな、ちょっと聞いてくるね」
彼方「……倉敷署署長の国木田って人がいいと思う、ちゃんと話聞いてくれるよ」
にこ「絵里に二人の名前を伝えてみるわね」 絵里「なるほど……その二人は、更生館に告げ口したりしないわよね?」
彼方「前に別件で話したことがあるけど、大丈夫、不正に手を染めるような人たちじゃないから」
エマ「私が紹介状を書いてあげる、まずは果南のところへ行ってみて」
絵里「分かりました……あと、今回の件はくれぐれも、社内であっても口外しないよう……」
エマ「分かってるって」
絵里「彼方は花丸のほうをお願い、私と鞠莉を浮浪者として留置場に置いてもらうように頼んでおいてくれないかしら」
彼方「うん、わかった」 果南「……あれは模範施設って聞いてるけど」
絵里「この写真を見てください」
果南「……取材の目的は?」
絵里「浮浪者に化けて潜入し、館内の実態を追求したいのです」
鞠莉「脱走して警察に訴える者もあったのに、警察の怠慢は明らかよ」
果南「……もしもし、岡山地検の松浦です、国警隊長の高海はいますか?」
千歌「あっ、果南ちゃん、久しぶり」
果南「吉備郡岡田村の県営更生館で不正があるそうだね」 千歌「うーん、訴えを受けて警部補を派遣し調査した事が2,3回あるけど、結果は全てシロだったよ……それが何か?」
果南「……そう、ありがとう」
絵里「どうでしたか……?」
果南「国警は全面否定したよ、潜入を認める」
鞠莉「ワオ!ありがとうございます!」
果南「記者だけでは心配だから、岡山市警から1人付けようか?」
絵里「お言葉ですが、これは事件化していない訴えです、この問題の表面化は、新聞社としての使命です」
果南「……意思は固いね」
絵里「潜入して館内で一泊すれば取材は十分、正午きっかりに検事を岡田更生館に派遣して自分たちを救出して欲しいのですが」
果南「分かった、私ともう一人の検事を連れて迎えに行くと約束する」 絵里「ただいま帰りました」
にこ「ちょうど良かったわ、倉敷の花丸からも協力を了承する返事をもらったところよ」
鞠莉「あとは潜入の日を待つだけね!」
璃奈「騒がしいけど何かあったの?」
絵里「璃奈!大原美術館の取材に行ったのでは?もしかして、話を聞いていたの?」
璃奈「忘れ物したから取りに来たんだよ、聞かれたらまずいこと?」
にこ「……」
絵里「……あら、あなたの持っているその傘」 璃奈「雨が続くからね、これを取りに戻ったの」
絵里「……実は、岡田更生館でとてつもない不正が行われている疑惑があるの」
鞠莉「ちょっと、話していいの……!?」
絵里「それを暴くために私と鞠莉は更生館へ潜入するわ」
璃奈「そうなんだ……」
絵里「璃奈は、その日の夕方、時間を空けておいてほしい」
璃奈「うん、私に出来ることなら協力したい!」
絵里「記者の名刺とその傘を持って更生館に来なさい、模範施設の紹介記事を学芸欄に書くから取材に来たと言えば相手は信用するわ」
璃奈「うん」
絵里「それで館内視察をして、上手いこと新入りの私の事を聞き出すのよ」 璃奈「バレないかな……」
絵里「あなた、何年記者をやってるのよ……大丈夫だから、私がいる作業場まで案内してもらいなさい」
璃奈「分かった」
絵里「私が、私の額に手を当てたら"クロ"、顎をさすったら"シロ"よ」
璃奈「くろ……しろ……なるほど……」
絵里「わかったら、そのこうもり傘で床をトントンと軽く突くの、更生館から出たらすぐに支局に電話してクロかシロか伝える、いい?」
璃奈「うん……!」 絵里「ゴホッ、ゴホッ」
鞠莉「大丈夫?」
絵里「ええ、炭でむせただけ」
鞠莉「ふふっ、全身真っ黒、それにボロ着とわらじ、前に変装したとき以上の浮浪者っぷりね!」
彼方「お待たせ、迎えに来たよ、それじゃあ倉敷署に行こっか」
花丸「……あっ、着いたんだね」
絵里「今回はよろしくお願いします」
花丸「断ろうと思ったけど、二人の命がけの熱意を聞いて断りきれなかったんだ」
鞠莉「確か、署長は……」 花丸「そう、更生館のある吉備邸署長は古くからの友人ずら、二人の潜入を手伝ったなんて知れたら恨まれるだろうな、それはちょっと辛い……」
絵里「それは、その……すみません……」
花丸「ううん、あなたたちが二つの命と新聞社の看板をかけて仕事をやる以上、私のちっぽけな看板なんて問題じゃないよ、しっかりやってきてね」
鞠莉「じゃあ私たちは留置場に入ってるわね」
花丸「うん、朝8時になると司法主任と刑事が来るよ、私が朝の散歩で倉敷駅で拾ったことにしておくね」
絵里「……鞠莉、起きてる?」
鞠莉「……」
絵里「もう明日には潜入だっていうのに、よくそんな簡単に寝られるわね……」
絵里「……」
絵里「……ほんとに寝ちゃったの?」
鞠莉「……」
絵里「はあ……」 ダイヤ「早く起きなさい!取調室へ行きますわよ!」
希「いつまで寝てるんや!」
絵里「は、はい……」
鞠莉「う〜ん、もう朝……?」
ダイヤ「グズグズしてないで、さっさと歩きなさい!」
希「ほんまトンマやなあ、君たち」
ダイヤ「どうして駅で寝ていたのです!?」
絵里「あの、私は北朝鮮からの復員軍人でして……」
鞠莉「私は満州からです……二人とも行き場がなくて……」
希「怪しいなあ、余罪があるんとちゃうか!?」 絵里「え、よ、余罪なんて、そんな……」
鞠莉「どうするのよ、こんなことで時間を掛けられないわよ……」
希「何をボソボソ喋っとんねん!ここはお前らの寄席とちゃうねんぞ!?なんや、うちらに漫才でも聞かせよう思とるんか!?このアホが!ボケ!ナスゥ!」
絵里「そんな、滅相もない……」
ダイヤ「滅相は無いけど他には何かあるのでしょう!?希、徹底的にこの二人を調べてやりましてよ!」
希「臨むところや!覚悟しとけよ浮浪者風情がァ!」 希「なんや、何もあらへんやんけ!余計な手間とらせてからにほんまァ!」
絵里「はあ、はあ……」
鞠莉「……」
ダイヤ「岡田送りにしましょう」
希「お前らには勿体ない立派な施設や感謝せなかんでボケが!」
ダイヤ「精を出して働いてきなさい!」
絵里「わ、分かりました……」
鞠莉「お手数お掛けしました……」 絵里「……まさか留置場で2時間、更生館でも3時間も取り調べを受けるとは思わなかったわ」
鞠莉「共産党員の潜入を疑われたみたいね……」
絵里「まあ長時間の取り調べのお陰で第一作業場の配属になったのだから良しとしましょう」
鞠莉「本来は第二第三で指導員に見込まれないと第一へは入れないものね……きっと第二第三送りなら、それこそどちらかが死んでいたはずよ」
絵里「とは言え……」
鞠莉「第一も酷いわね……みんな栄養失調みたい、6畳に30人も住まわされてるのも大変よ……」
絵里「……トイレに行ってくるわね」
鞠莉「作業場の部長の許可がいるって教えられたじゃない」
絵里「いいから見てなさい」 梨子「そこ!トイレに行くなら断ってからにしなさい!次に黙って立ち上がったらぶつわよ!」
絵里「す、すみません……」
鞠莉「作業場ごとに、部長と副部長、その下が班長、フロア全体に30人ほどの指導員がいるようね」
絵里「やはり日常的に暴力が振るわれていることは間違いなさそうだわ」
鞠莉「収容者の怯え方から見ても、この部長級の人たちが直接危害を加えているのよ」
絵里「あれもみんな浮浪者よね……?食事も与えられてそうだし、待遇が違うのだわ、きっと……」
鞠莉「……この音は?」
歩夢「食事の時間だよ……」 絵里「これが……食事……?うわ、泥を飲んでいるみたい……」
鞠莉「アルミの椀に泥々した汁が注がれているだけね……さっきまで死にそうだった収容者たちの目付きを見て、分量が一分でも違わないかじっと見ているのよ……」
歩夢「……飲める?」
絵里「の、飲めるわ……」
歩夢「嘘だ……飲めないなら飲んであげようか?いや、飲ませてください……」
絵里「何かの罠かしら……」
鞠莉「ううん、この人は信用できると思うわ……」
絵里「……飲みづらいわ、代わりにいただいてもらえる?」
歩夢「……んっ、ん、ズズー」
絵里「うっ、うぐ……」
鞠莉「人が飲むところを見るだけでも気分が悪くなるわね……」 梨子「食事を終えたましたか!?整列しなさい!そこで正座!」
絵里「あっ、もしかして璃奈が」
鞠莉「そうみたいね」
璃奈「なるほど、良い施設ですね、ここは……新しく入ったのはどの方ですか?」
梨子「あちらになります、北朝鮮からの引き揚げ者です」
絵里「……」
璃奈「額を触った……」
絵里「傘が2回……よし……」
にこ「はい、もしもし」
璃奈「あの施設、クロです!ことりさんの情報は正しかったです!」
エマ「決まりだね!それじゃあ、町の入り口の旅籠で待機しよう!」 (さすがにボード取ってるよね。じゃなきゃ絵面がギャグみたい) 取ってるんじゃない?こういう役なら真顔でも大丈夫そうだし 鞠莉「午後8時が就寝時間……」
絵里「だから以前、曜と撮影に来たときにはすでに消灯していたのね」
鞠莉「それにしても6畳に15人が折り重なるようにして寝るなんて、収容数がオーバーしすぎよ」
絵里「服も脱いで、3枚のドンゴロスだけが掛け布団だなんて、冬の間に何人が死ぬことになるか……」
鞠莉「結核も流行っているみたい、私たちも一晩とは言え気を付けないと」
絵里「他の収容者が可哀想だわ、私たちは廊下にはみ出した形で寝ましょうか」 絵里「……ん?」
鞠莉「寝れない?」
絵里「違うわ、今、音がしたでしょ?」
鞠莉「……馴染みがないから聞き逃していたわ、このガリガリという音ね」
絵里「みんな、自分の体を掻いているのね」
鞠莉「近くで見るとよく分かるわ、全員、重症の疥癬じゃない……」
絵里「あの、痒いですか……?」
凛「痒くて仕方ないにゃ、二人もすぐにかかるよ……ここから逃げちゃダメだからね?」
鞠莉「どうして?」
凛「……殺される」
絵里「まさか……」
凛「本当だよ、凛も殺されかけたにゃ……」 凛「凛は熊本出身で、シベリアから帰国後、一旗揚げるために岡山に来たけど、お金を使い果たしたんだにゃ」
鞠莉「それで更生館の職員から……?」
凛「うん、3〜4日働いてお金を作ればいいって騙されて、信用したのがいけなかったんだ」
絵里「まさかこうも酷いところだとはね」
凛「だから去年、7人の仲間と共に脱走を企てたの……でも、逃げ出してから2日目、大きな橋の前で待ち伏せていた職員に捕まって、棒切れで肋骨が折れるほど殴られて血を吐いて……何とか生きてはいるけど……」
絵里「……」
凛「本当に殺されちゃった人もいるにゃ……」
絵里「でもここは刑務所じゃない、更生施設でしょう?」
歩夢「あなたたちは幸運だよ、初めから第一に入れられるなんて特別待遇なんだよ」
鞠莉「ここ以外にも作業場が?」
歩夢「みんな第二第三で酷い経験をして来たの、入ったらすぐに丸坊主にされる、服だって着させてもらえない……」 絵里「どうして髪も服も奪われるの?」
歩夢「ノミとシラミの防止じゃないかな……雑炊をすすって一日中あそこに座ってるとね、大抵栄養失調で痩せこけてしまうの……ひと月に20人ぐらい死んだ」
鞠莉「そんなに……」
歩夢「前夜まで元気に話していた人が、朝起きると死んでる……私もここに来た時は普通の体型だったけど、二ヶ月でこんなに痩せた……手紙は書けるけど、全部検閲される……」
絵里「……ことりさんは相当幸運だったのね」
鞠莉「無事逃げおおせて、新聞社にも辿り着けて……」
絵里「私、第二第三を自分の目で確かめてくるわ、もっと夜が更けたら、トイレに行く振りをして見回ってくる」 絵里「ここが第二作業場……ざっと200人はいるのかしら、みんな肋骨が浮き出て……医務室はさらに先ね」
絵里「……わっ」
絵里「あそこの3人、いえ、3体……明らかに遺体よね……」
絵里「あっ、まだ息がある……でも、もう朝には……」
梨子「何をしているの!?あなたは今日入ったばかりの人ね!」
絵里「あの、トイレに……」
梨子「嘘はやめなさい!……ここの真実を知ったから覗きに来たのでしょう、そして逃げる気だったのね!」
絵里「い、いえ……」
梨子「逃げてみなさい!この棍棒でアバラをへし折ってあげるわ!」 絵里「いたっ……」
梨子「髪もこんなに伸ばして!明日の朝、丸刈りにしてあげる!今日はもう第一へ帰りなさい!」
凛「……心配したにゃ、逃げ出したと思った、絶対に逃げちゃダメだよ?」
絵里「医務室の様子を見てきたの……」
凛「そっか……中も見た……?」
絵里「ええ……」
凛「ひどいでしょう?」
絵里「……」 鞠莉「朝もこの食事……」
凛「飲み込むんだよ、そうしないと死ぬだけにゃ……弱ったら第二か第三送りになる、目を瞑って一気に飲むの」
絵里「うっ……」
鞠莉「……ぐっ、ぐぐ……っはぁ」
凛「そうだにゃ、何とか生き延びるにゃ……」
絵里「……今日の正午、果南が迎えに来る手はずよね?でも私、朝のうちに髪を刈られてしまいそうなの」
鞠莉「午前中に片を付けましょう」
絵里「最後に、本当に脱走者が酷い目に遭わされるのか確認してみるわね」 絵里「行くわよ!」
鞠莉「ええ!」
梨子「ブザー音!?脱走者よ!」
絵里「わっ!職員が何十人も!」
鞠莉「これじゃあ到底逃げ出すなんて無理ね!」
梨子「新入りの癖に脱走とは生意気ね!いいわ!今に見てなさい!事務所へ連行するわ!」
絵里「……」
鞠莉「……」
絵里「……ん、あの人は」
かすみ「脱走……?そんな勝手、許しませんよ」 鞠莉「ここで怯んだらダメよ……」
絵里「……私たちはただの脱走者じゃないわ!」
かすみ「どういうことですか?」
絵里「私たちは毎日新聞大阪社会部の事件記者よ!」
かすみ「……はあ、またですか、この間もブン屋を名乗る脱走者がいましたよ……ブン屋というなら証拠を見せてくださいよ」
絵里「えっ、証拠……」
鞠莉「えぇ……」
かすみ「このニセ記者を柔道場に連れて行って痛い目に遭わせてあげなさい!二度と脱走などしないようにです!」 鞠莉「このまま捕まったら凛ちゃんみたいに肋骨を折られるわよ!」
絵里「……ゆうべ取材に来た記者は我々の仲間よ!あなたたちがどんなに慌てて視察者を騙すか、この目で見たわ!ニセ記者かどうか、今から証拠を見せてあげようじゃない!」
かすみ「何を生意気な……!」
鞠莉「電話はあそこよ!早く旅籠に!」
絵里「もしもし!絵里です!」
にこ「何よ、そんなに慌てて」
絵里「早く来てください!殺される!」 花陽「5分も経たない内に、赤い社旗をはためかせて乗用車2台、オートバイ3台に分乗した社会部の記者仲間、夕刊・新大阪の記者が岡田更生館に乗りつけた」
花陽「渡辺カメラマンもいた。絵里は曜を案内して、瀕死者のいる医務室から、第一、第二、第三作業場へと駆け回った」
花陽「渡辺のカメラのフラッシュが閃き、現場の証拠写真が次々と撮られていった。事務所では更生館の帳簿を抑えようとする小原らと、更生館館長・南が書類を奪い合っていた」 花陽「車列は更生館前の道に停車し、高海国警隊長を先頭に捜査隊の制服・私服の巡査が次々と館内に乗り込んだ。さらに、赤い腕章を巻いた各社の記者、スピードグラフィックを引っ提げたカメラマン達が後に続いた」
花陽「更生館側は"会見場"を用意して待っていた。警察、報道陣、国会議員を相手に、いかに今回の報道が悪意ある虚偽であるかを説明するために周到に用意された会見である」
花陽「本館2階の大広間には、200名余りの収容者がこざっぱりした洋服に着替えさせられて正座していた。捜査陣と記者団は収容者を囲むように四方の壁に沿って立ち並んだ」
花陽「壇上に立った南館長が悠然と語り始めた」
花陽「親が子を叱るのは日本古来の伝統です。確かに私は君等を叩いたり、しごいたりしました」
花陽「皆さん、私は本当に、新聞に書かれたような悪事を働いた事があるでしょうか?私は皆さんの親であり、先生なのです」
花陽「どうか皆さん、もし本当に、私が悪事を働いたと思う人があれば、今ここで、県や国のお役人の前で手を挙げて下さい!」
花陽「館長は涙声になり、絶句した。会場は静まり返った」
花陽「収容者はみな頭を垂れ、手を挙げる者は誰一人いなかった」」 花陽「重苦しい沈黙を破って大森が声を上げると、会場の視線が一斉に彼に集まった」
花陽「収容者たちの縋るような眼、それは常に虐げられて来た社会の最下層に生きる者たちの、ひ弱な眼であった。大森は高海隊長に館長の退場を要求すると、壇上に駆け上がった」
花陽「皆さん、私の顔を覚えているでしょう、浮浪者としてここに入っていた者です。新聞記者です。皆さんを救うために命がけで潜入しました。今が最後のチャンスです、怖がったり強制されてはならない」
花陽「虐待された人は手を挙げてください!星空さん、手を挙げてください!」
花陽「後ろの方にいた収容者の中から、坂本が立ち上がり、さっと手を挙げて言った」
花陽「この人の言うことは本当です!」
花陽「続いてひとり、ふたりと手を挙げ始め、そして全員が手を挙げた。夕刻、逮捕された指導員たちを満載した国警のトラックと、それを囲む車の列が岡田村から岡山に向かって県道を南下して行った」 せつ菜「観劇、ありがとうございました!」
絵里「スクールアイドルの祭典は公正公平な場でなければなりません!」
ダイヤ「明日からのスクールアイドルフェスティバル、どうぞ贔屓目の無きよう、投票のほどお願いします!」
穂乃果「これにて、音ノ木坂・浦の星・虹ヶ咲、3校合同演劇発表を終わりとさせていただきます!」
観客「……」 市も県も無かったことにして書籍化・映画化を全部認めないとか凄いわ 穂乃果とルビィは裏方かな?
いや千歌も名前だけだからそうなのかな 更生館事件のSSが読めるとは思わなかった
引き込まれたよ、面白かった
>>35
なるほど……?一体この子たちは岡山に何の思い入れが ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています