果林「彼方!あなたの大切なものを預かったわ!」
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遥ちゃん「おねえちゃーん」
彼方「は、遥ちゃん!」
果林「見ての通り、遥ちゃんは私の手中にあるわ。あなたが言うことを聞かないと、どうなるかしらねえ」ククッ
彼方「遥ちゃんになにをする気なの…」
果林「手荒な真似はしないわよ。あなたが大人しく従ってさえくれればね」
彼方「わかった、従うから遥ちゃんに意地悪しないで」 果林「だそうよ。それじゃ遥ちゃん、悪いけど向こうの部屋で待っててくれる?エマと愛が遊んでくれるからね」
遥ちゃん「ほんと!?わーい」タタタ
彼方「もうそろそろ寝る時間なのに…」
果林「とろとろしていたら、遥ちゃんが夜更かししちゃうわよ」
彼方「従うって言ってるのに。果林ちゃんの卑怯者〜」
果林「ふふ、なんとでも言いなさい」 彼方「果林ちゃんの望みは一体なに?」
果林「私は知ってるのよ、彼方。あなたがソロ曲の作詞を放ったらかしにしていることをね」
彼方「…………!!」
果林「みんなで決めた締切は明日の放課後。必ず提出させるために、今日のうちに八割は終わらせるまで眠らせないからね」
彼方「そ、そんなあ〜」
果林「でも遥ちゃんは眠くなったらきちんとお休みなさいさせるわ」 彼方「遥ちゃんだけずるいなー、彼方ちゃんも寝たい…」
果林「だったら作詞をさっさと終わらせることね!」
彼方「うう、果林ちゃんのスパルタぁ…」
果林「こんなにギリギリまで放っておいた彼方が悪いんじゃないの。さ、やるわよ」
彼方「は〜い」
果林「放ったらかしていたと言っても、全く手を着けてないわけじゃないんでしょう?できてるところまででも見せてよ」 彼方「一番しかできてないよ」っ紙
果林「なに、一番ができてるなら充分じゃないの。方向性が決まってるならその流れを意識して二番を書けばいいだけで…」
『眠いの イヤイヤ あくびが ふわふわ
枕を ぎゅうって 布団に もぐもぐ』
果林「…」
彼方「二番…」ムムム…
果林「彼方」 彼方「んー?」
果林「短くない?」
彼方「え、そうかな」
果林「サビどころかBメロにも入ってないじゃないの。よくこれで『一番ができてる』って言えたものね」
彼方「へ。サビあるじゃん」
果林「え?」 彼方「一行目がAメロで、二行目がサビだよ。Bメロは大胆にカットしてみたんだ〜、そしたら覚えやすいからね。えへへ、どう?彼方ちゃん賢いでしょ」
果林「…」プルプル…
彼方「果林ちゃん?感動するのは曲をあててもらって彼方ちゃんの歌を聞いてからに──」
果林「やり直しーーーーっ!!」
彼方「うわあ!?もう、おっきな声出さないでよ…」 果林「これが倍かそれくらいになったところで、どうしたって曲のボリュームにはならないでしょ!かすみちゃんがみんなに『エル・オー・ブイ・イーかすみん♡』とか言わせてる間に終わっちゃうくらいの短さよ!?」
彼方「あのコール可愛いよね。かすみちゃんが歌うときは彼方ちゃんも客席にいようっと〜」
果林「そんな話はしてないの!」
彼方「でも果林ちゃん、曲がなんでもかんでも三分とか四分あるべきだっていうのは固定観念じゃないかな」
果林「うっ、彼方が反論…!?」 彼方「一般的な曲はAメロBメロにサビで一番、同じように二番を繰り返して、Cメロからラスサビって流れていくけどさ。そうじゃない曲に人権を許さないような言い方は、あんまりよくないと思うなぁ」
果林「ぐ…それはそうだけど…」
果林「でも、私たちは曲がりなりにもスクールアイドルなのよ。一秒でも長くステージでパフォーマンスをして、一秒でも長くお客さん達を楽しませるべきだとは思わないの!?」
彼方「む、果林ちゃんの反論…」 果林「彼方のことを一番に応援してくれるお客さんはどう思うかしら。お待ちかねのあなたがやっとステージに上がったと思ったら、三十秒くらいで引っ込んじゃったら。悲しむんじゃない?」
彼方「ぐぬぬ…一理ある、かも…」
果林「短いから問答無用でだめだと言うつもりはないわ。でも、お客さんの期待を裏切ってしまうような曲は、やっぱりよくないわよ」
彼方「………わかったよ〜」シュン
果林「よしよし。あなたが普段忙しくて、作詞に費やす時間をあまり取れずにいたってこともちゃんとわかってるわ。だから私たちが来たのよ。遥ちゃんのことはエマたちが見ていてくれるし、作詞は私が手伝う」 果林「彼方もお客さんもみんなが満足できるような曲、一緒に作りましょう」
彼方「…うん、彼方ちゃん頑張る〜!」
果林「ふふ、その意気よ彼方」
彼方「でもその前に五分だけ寝る〜」
果林「んな!?だめよ彼方、あなたの五分は五十分なんだから!こら、起きなさい!」
彼方「すやぴ…」
果林「こーら〜〜〜っ!」 そして…
『宿題終わらせて 早く飛び込みたいな
フカフカ ベッドの上 ゴロゴロしたいです……』
歩夢「なんというか、彼方ちゃんらしいけど…」
しずく「果林さんが一緒だった割には、随分とその……緩やかな歌詞になりましたね」
かすみ「かすみんはこの歌詞可愛くって好きですけどねー」
果林「うーん、面目ないわ…」ハァ
終わり せつ菜「作詞を?」
璃奈「うん。手伝ってほしい」
せつ菜「もちろん構いませんよ。私でお役に立てるかわかりませんが、一緒に素敵な歌詞を作りましょう!」
璃奈「せつ菜さん…ありがとう」璃奈ちゃんボード『感謝』
せつ菜「でも、どうして私なんですか?愛さんや果林さんの方が頼りになるんじゃないでしょうか」
璃奈「せつ菜さんは、熱いから」 せつ菜「あ、熱い、ですか?」
璃奈「とっても真っ直ぐな気持ちを持ってて、それを表現することに躊躇いがない。私が近づきたいって思える姿だから」
せつ菜「そ、そうでしょうか…そんなにたいしたものでは…」//
せつ菜「ですが、そういうことなら喜んで!璃奈さんの期待に応えられるよう、精いっぱい務めさせていただきます!」
璃奈「よろしくお願いします」璃奈ちゃんボード『ペコリ』 せつ菜「どんな歌詞にするか、イメージはできているんですか?」
璃奈「変わりたいって気持ちと、そのために頑張りたい決意、その二つを込めたいと思ってる」
せつ菜「なるほど、メッセージソングですね。だったらまずは形にとらわれずに、歌詞に込めたい気持ちを文章に起こしてみませんか?そしたら璃奈さんが伝えたいことがより具体的になるかもしれません」
璃奈「それは名案。さっそくやってみる」っノート 璃奈 ムムム…
せつ菜「…」ジー
璃奈『こんな私がステージに立つなんて許されるのかな。みんなに受け入れてほしいなんて虫のいい願いかもしれない』カキ…
せつ菜「お、重いですよ璃奈さん!」
璃奈「えっ」
せつ菜「璃奈さんの本当の思いはそうかもしれませんが、あくまでもアイドルソングとしてお客さんが楽しめるものにしなくてはいけないので、あまりに重い表現はさけた方がいいのではないかと…」
璃奈「そ、そっか。書き直す」ケシケシ 璃奈 ムムム…
璃奈 (軽めに、明るく…)
璃奈『ボードのおかげでメイクがいらない。朝の準備が早くて助かる』カキ…
せつ菜「なんの話ですか!?」
璃奈「えっ。だ、だから璃奈ちゃんボードは決して深刻なばっかりのものじゃないってことをわかってもらいたくて…」
せつ菜「暴露話みたいになっちゃってますよ」
璃奈「そ、そっか。これも書き直す…」ケシケシ 璃奈『素敵な私になりたい。具体的には愛さんみたいに明るく楽しくお話しできて、エマさんみたいに誰にでも優しくて』カキ…
せつ菜「いい感じです!でも曲にするには具体的すぎるので、逆にもう少しぼかして抽象的に…」
璃奈『胸中巡る思いは億千、しょっちゅう詰まる言葉に臆せん。ワードをなんとか吐き出す僕です、ボードの音に掻き消されshockです』カキ…
せつ菜「どうしてラップにするんですか!?」
璃奈『璃奈ちゃんボードの原価は4,000円程度。冬は放射熱で顔だけ暖かい』カキ…
せつ菜「もう意味がわからなくなってます!」 やがて…
『おおお 思いを伝えることって 難しい
だけど 精一杯 精一杯 目一杯 あなたに届け……』
せつ菜「できましたね、とっても素敵な歌詞になったと思います!」
璃奈「これもみんなせつ菜さんのおかげ」
せつ菜「そんなことありません。この歌詞は璃奈さんの中から溢れた言葉でできた、璃奈さん自身の思いの結晶ですよ!」
璃奈「そうかも…でもせつ菜さんがいなかったら完成しなかったことには間違いない」 せつ菜「ではこの歌詞は、璃奈さんと私の合作ということですね」フフ
璃奈「合作…!えへへ、嬉しい」璃奈ちゃんボード『目がハート』
せつ菜「あっ、その表情可愛いですね」
璃奈「璃奈ちゃんボードも日々進化してる。今の表情はかすみちゃんをモチーフにして作った」
せつ菜「そうなんですか!?わ、私もモチーフにして表情を作ってほしいです!」 璃奈「せつ菜さんは…実は、もうある」
せつ菜「へ?」
璃奈「特別に見せてあげる」
せつ菜 ゴクリ…
璃奈「えい」璃奈ちゃんボード──
せつ菜「…!」 翌日
かすみ「り〜な子っ、お昼食べよー!」
璃奈「私、生徒会室で食べる約束してるの。ごめん、また明日ね」ガタ
かすみ「ええー、かすみんたちより優先なのぉ!?」
しずく「先約があるんじゃ仕方ないですよ。さ、早く食べましょう」
かすみ「む〜、つまんなーい」プゥ
璃奈「新しく友達ができた…♪」璃奈ちゃんボード『むふふ』
終わり 以上です、お粗末様でした
虹は初めて書きましたがいかがだったでしょうか。スクスタやってない民にも人権を下さい… エリチカなんかもそうだけどお姉さんキャラは基本頼れる姿でいてほしいから実に良かった こういうので良いんだよ、こういうのが良いんだよ!
ありがとう>>1、楽しかったよ アニメ版だとこういう感じになるのかもな
面白かったです、乙 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています