ルビィ「理亞ちゃんがカーテンにくるまったまま出てこない?」聖良「はい……」
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聖良「見てください。ずっとあんな状態で……」
理亞「……」ブラーン、ブラーン
ルビィ「ミノムシさんかな?」
花丸「そろそろ羽化でもしそうずら」
善子「イカになったりサナギになったり忙しいやつね」 聖良「出てくるように言っても聞いてくれなくて。みなさんなら理亞を説得できるんじゃないかと」
花丸「説得って言われても精神状態が理解できないずら」
善子「というか何でこの部屋は電気消したままなのよ。点けたら?」カチッ
聖良「あ――駄目!」
理亞「!」ビタンビタン!!
ルビィ「ピギィ!?」
花丸「おー……カーテンが暴れてる」
善子「釣り上げられた魚かなんだか……」
聖良「明かりを点けると怒るんですよ。早く消してあげましょう」 善子「いや……別に怒らせておけば良くない? どうせカーテンから出てこなくて無害だし」
聖良「そんな。かわいそうじゃないですか」
花丸「カーテンにくるまってる方が可哀想な子ずら」
ルビィ「とりあえずこのままにしておこっか」
〜2分後〜
理亞「……!」ビタンビタン!!
〜5分後〜
理亞「……っ!」ビタン、ビタン!!
〜10分後〜
理亞「ぜぇ……ぜぇ……」ビタン…ビタン…!
ルビィ「だいぶキレが落ちてきたね」
花丸「さすがの理亞ちゃんの体力にも限界があるずら」
善子「いったい何が理亞をここまで駆り立てるのかしら」
聖良「あぁ……理亞……」オロオロ 〜20分後〜
理亞「ゼー、ハー、ゼー、ハー」ブラーン…
善子「完全に沈黙したわね」
ルビィ「20分かぁ。やっぱり体力あるなぁ理亞ちゃんは」
聖良「いえ。もう少し基礎トレーニングを増やしてもいいかもしれません」
花丸「もっと長時間ビタンビタンできるようになって、聖良さんはそれでどうしたいの?」 理亞「……ふーっ」
理亞「……」シュルシュル
ルビィ「あ。理亞ちゃんがカーテンから出てきたよ!」
聖良「理亞! ようやく出てくる気になったんですね!」
理亞「……」スタスタ
聖良「あれ。り、理亞……?」
理亞「……」パチッ
善子「あ。電気消した」
理亞「……」クルクル
花丸「あ。またカーテンにくるまったずら」
理亞「……」ブラーン 善子「これは駄目ね。カーテンから出してもまたくるまっちゃうんじゃ」
花丸「根本的な対策が必要なんじゃない?」
ルビィ「部屋にカーテンがあるからダメなんだよ。取っちゃおう」
聖良「でも、年頃の女子の部屋にカーテンが無いというのはさすがに……」
花丸「年頃の女子はカーテンにくるまって遊ばないずら」
善子「そもそも、何で理亞はカーテンにくるまってるの。そこから考えないと」 花丸「考えるって言っても。善子ちゃん、カーテンにくるまる事情なんて想像できるずら?」
善子「分からないけど何かはあるんでしょ。それを考えるのよ」
ルビィ「じゃあ、善子ちゃんは何があったらカーテンにくるまるの?」
善子「……」
善子「……まともな精神してたらそんなことしないわよ」
ルビィ「なら考えてもしょうがないよ。本人から聞くとか、せめて手掛かりがないと」
聖良「あの。みなさん、さっきから何だか当たりが強くありませんか?」
花丸「むしろ何で優しくしてもらえると思うずら?」 善子「まあ、じゃあ本人に聞いてみましょうか」
善子「理亞。あなた、何でまたカーテンなんかにくるまってるのよ。髪も服もホコリで汚れるわよ」
理亞「……」
善子「ちょっと理亞。聞いてるんでしょ」
ルビィ「反応がないね」
花丸「もう帰っていいんじゃない?」
聖良「そんな!? もう少し頑張ってください!」
善子「……頑張りたいけど無視されるのムカつくわ」 聖良「そう言わないでください。そもそも一筋縄ではいかないから皆さんに協力をお願いしているんです」
花丸「ひどい開き直りずら」
ルビィ「妹の面倒くらい見てほしいよね」
善子「何とかしてあげたいのはやまやまだけどね。対話も出来ないんじゃ難しいわよ」
聖良「そんな……」
花丸「……こんな話があるずら。聴いてくれるかな」
ルビィ「花丸ちゃん?」
花丸「かつて、旅人の衣服を剥ぎ取ろうとして勝負をした2人の伝承が――」
善子「それ北風と太陽でしょ。なにもったいぶってるのよ」 聖良「なるほど。理亞をカーテンから出そうとするのではなく、理亞自身がカーテンから出たがるように仕向けると」
善子「出たがる、ねぇ。……また電気でも点ける?」
ルビィ「それだとまたすぐ戻ってっちゃうよ?」
花丸「出てきたところを羽交い絞めにしたら?」
善子「それが出来れば楽なんだけど。……理亞に腕力で勝つ自信あるの? 果南も曜もいないのよ?」
ルビィ「で、でも。こっちには聖良さんもいるし!」
聖良「羽交い絞めだなんてそんな。可哀想ですよ」
花丸「これは戦力にならないずら」 ルビィ「北風と太陽だったら、暖かくしようよ。部屋の暖房を最強にしちゃおう」
善子「そうね。カーテンにくるまってる相手には効果的だわ」
花丸「暖房切ってもすぐには涼しくならないし、いいかも」
聖良「……いえ。理亞の性格上、その作戦は危険です」
ルビィ「え。なんでですか?」
聖良「理亞は負けず嫌いで意地っ張りで、弱音を吐くことを嫌いますから」
聖良「暑さでカーテンから出てくるのを、あの子は負けと認識するでしょう。恐らく熱中症になるまで出てこない」
花丸「めんどくさいずらねぇ」 聖良「もっとあるんじゃないですか。カーテンにくるまった子を外に連れ出すような小説くらい」
花丸「聖良さんは小説を馬鹿にしてるの?」
ルビィ「ま、まあカーテンじゃなくてもいいから……何かない?」
花丸「……こんな話があるずら。自己紹介に失敗して引きこもった堕天使がスクールアイドルを――、」
善子「私は引きこもってたわけじゃないわよ!」
ルビィ「えっと。他には?」
花丸「うーん。たいてい、物語の中で起きるそういう出来事って、引きこもるきっかけの解決でもあるから」
花丸「きっかけとはまったく無関係に引きこもりが解消されちゃうと、茶番というか、物語として書く意味がないずら」
ルビィ「カーテンにくるまる理由が分からないと難しいんだね……じゃあ、善子ちゃん。神話とかでそういうお話はないの?」
善子「神話ぁ? そんな、いちいち引きこもりになるような神がいるわけが――」
よしまる「「あっ」」 善子「……ルビィ。あなたなら理亞をカーテンから出せるかもしれないわ」
ルビィ「そうなの? どうしたら」
善子「脱ぎなさい」
ルビィ「え?」
善子「脱いで踊るのよ! 引きこもりを解消させるにはストリップだって太古から相場が決まってるんだから!」
花丸「古事記にもそう書かれているずら」
ルビィ「アイエエエエエ!? ナンデ、ストリップナンデ!?」
聖良「なるほど。天岩戸」 ルビィ「で、でもルビィじゃなくてもいいんじゃないかな!?」
花丸「相手が理亞ちゃんならルビィちゃん以外ないずら」
善子「特効属性だしね」
聖良「ではルビィさん。脱ぎましょうか」
ルビィ「せ、聖良さんでもいいですよね!?」
善子「姉のストリップ見て何が面白いのよ」
ルビィ「たしかに」 花丸「どこで脱ぐの? この部屋じゃカーテンの中から覗けるからダメだよね」
聖良「私の部屋に行きましょうか。隣ですし、ドアを開けていれば声も聞こえるでしょう」
善子「じゃあそうしましょう。行くわよルビィ」
ルビィ「うぅ……。わ、分かった。やってみる……」トコトコ
理亞「……」 理亞「……」
じゃ、じゃあ。黒澤ルビィ、脱ぎます!
……30点。いや20点と言っていいでしょう。ただ脱ぐだけではお話になりません。
チラリズムが大切ずら。
リテイク! 焦らしを覚えなさい。あと、視線をこっちに。
理亞「……」 え、っと。ちょっとずつ、ちょっとずつ……。
……もう少し動きが欲しいですね。
くねくね動かないとダメずら。
リテイク! もっと腰を動かしなさい。あと、視線をこっちに。
理亞「……」ソワソワ あ、あはっ♡
……いいですね。少しムラっと来ました。
たまんねぇずら。
その調子ね。もう少し下品にできるはずよ。あと、視線をこっちに。
理亞「……!」ドキドキ 理亞「……」シュルシュル…
や、や〜ん♡ つまんじゃだめぇ〜♡
……素晴らしい。今日も絆ポイントが100溜まりそうです。
センターボーナスでさらにドンずら。
キャンディ追加でまだまだいけるわ。あと、視線をこっちに。
理亞「……」ソロソロ Aqoursとして恥ずかしくない、ストリップをするんだ!
……ちょっとチュンカ買ってきますね。
オラの分もお願いします。
まったく、この新衣装は最高ね! あと、視線をこっちに。
理亞「……」ソォ〜…
善子「ふっ。――取った! 堕天龍、鳳・凰・縛!!」ガシッ
理亞「ぐっ!? し、しまった!?」 理亞「は、離し、離して!!」ジタバタ
善子「くくく。どれだけ基礎トレ積んでようが極めてしまえばこっちのもの! 体重の乗らない攻撃なんて屁でもないわ!」
善子「打撃系など花拳繍腿。関節技こそ堕天の技よ!!」
ルビィ「はぁ〜。なんとかなったぁ」
理亞「ちょ……ルビィ!? 何で脱いでないの!?」
ルビィ「本当に脱ぐわけないよ……」
理亞「ひどい! 私を騙したの!?」
花丸「常識で考えて、ただのお芝居ずら」
聖良「理亞はピュアですから。そういうところが可愛いでしょう?」 善子「さて。それじゃあ聞かせてもらうわよ。何でカーテンにくるまってたのよ」
理亞「ぐ。……そ、それは」
善子「言わないつもり? 締め付けがさらに強くなるわよ」
理亞「いっ!? 痛い痛い痛い!」
ルビィ「なかなか手強いね――って、あれ? 理亞ちゃん、目が赤い?」
聖良「本当ですね。これ……涙のあと?」
理亞「っ!?」
花丸「……善子ちゃん?」
善子「そ、そこまで強くしてないわよ!?」 ルビィ「理亞ちゃん……泣いてたの?」
理亞「……」
聖良「理亞。話してください、ここまで来たのなら、もう」
理亞「……泣いてるなんて、知られたくなかった……だからカーテンに」
善子「何で泣いてるのよ。何かあったの」
理亞「だって。だって……誕生日に友達が来てくれるなんて、思ってなかったから……!」
理亞「そんなの初めてで、どうしたらいいか分からなくて……っ!」
理亞「誕生日なんて、いつも自分のためにお菓子作ってたから……うぅ、えぐえぐ」
花丸「ルビィちゃん。ここはやっぱり感動する場面だよね?」
ルビィ「うん。哀れんじゃダメだよ」
善子(……プライドにかけて、ちょっと分かるとは言えない)
聖良「理亞……いい友達を持ちましたね……」ホロリ >>21
>善子「打撃系など花拳繍腿。関節技こそ堕天の技よ!!」
ここ大魔法峠 ルビィ「……理亞ちゃん。顔をあげて」
理亞「やだ、やだ……顔、見られたくない……」
ルビィ「理亞ちゃん」
――パンッ、パンッ!
理亞「わっ!? クラッ、カー……?」
花丸「ふふ。ちゃんと顔、あげたずら」
善子「貴女に祝福を。リトルデーモン10号」
ルビィ「お誕生日おめでとう! 理亞ちゃん!」
理亞「っ」
理亞「……自分用にケーキ、作ってたの。食べていってくれると、嬉しい……!」
ルビィ「うんっ」
「「「もちろん、いただきまーす!!」」」 ・
・
・
理亞「はぁ……今日は楽しかった」
聖良「ふふ。良かったですね、理亞」
理亞「うん……」
理亞「……あれ。そう言えば姉様の誕生日って、誰か来たことあったっけ?」
聖良「いいえ? 毎年、自分用に和菓子を作ってますよ?」
おしまい 理亞ちゃんいいお友達できてよかったね
乙
また書いてちょ 乙乙、楽しかった
でも、堕天鳳凰縛あったら電気を消しに行く時にやっちまえば良かったんじゃ… おつおつ
理亞ちゃん可愛かったお誕生日おめでとう!
最後の最後で姉様… なんだ良い話か
道産子出てくるといっつも警戒しちゃうわ リアのカテーンネタってなんかで見た気がするけどなんだっけ 理亞ちゃんがカーテンにくるまるのかわいそうだけどかわいい ルビィちゃんごっこで心が壊れたんじゃ無かったんだね、良かったよ。 おつ
理亞ちゃんのことになるとポンコツ化する姉様可愛い こういうのでいいんだよが止まらない
花丸がラ!板に染まってないキレイな花丸なのもよかった
理亞ちゃんは可愛いなあ 誕生日なのに同級生の裸で釣られて出てきたところを捕縛されるとかどんなプレゼントだよ 理亞生誕祭なのにルビィの方がメインのイラスト多いの草 理亞ちゃんが本当にルビィちゃんを摘まむ展開はよ
どことは言わないが オチで誕生日SSって分かるの好き
理亞ちゃんが仲良くしてるの見ると、なんかこう心が温かくなる
リトルデーモン10号っていいね 1〜8号はAqoursのメンバーとして
9号は誰? 「私のリトルデーモン第1号は...キミに決めた!」
って言ってるので
2〜9号がAqoursのメンバーらしい ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています