果南「女の子らしさ」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
部室
果南「……」
果南「……ふぅ〜」
果南「よし、やるぞ」
廊下
にこ「今日はAqoursの果南と一緒に練習か。私の体力もてばいいけど」
果南「ーてへっ、うふっ、きゃはっ」
にこ「ん?果南の声?何やってるのかしら……」ソーッ
果南「はわわ、そんな……私なんて」ブンブン
果南「……えーっと後は……」
果南「もう、果南ちゃん怒っちゃったもんね」プックー
果南「んー、なんか違うなぁ……」
にこ(なにあれ……?鏡に向かってポーズ取ってる。なにやってるのよあの子は……)
にこ(なんか、見てはいけないものを見てしまったわね……このまま今日は帰ろうかしら)
果南「ん?」チラッ
にこ「げっ」ピシャン
ガラッ
果南「………なにか、見たかなん?」
にこ「ひいっ!!なにも見てないわよ‼」
果南「本当に……?」ゴゴゴゴゴ……
にこ「見てない見てない!!あんたが変なポーズ取って変な事言ってたのなんて」
果南「あ?」
にこ「あ」
果南「やっぱり、見たんだね……」
果南「こうなったら仕方ない……」ガシッ
にこ「ちょっ、なにするのよ。ーきゃあっ」 にこ「いい加減放しなさいよ」
果南「あ、ごめん」パッ
果南「まさかにこちゃんに見られてたとは思わなくて、つい……」
果南「あ〜も〜恥ずかしい〜!!」
にこ「まったく、見られて恥ずかしいなら家ででもやってなさいよ」
にこ「て言うか、改めて聞くけどなにやってたのあれ」
果南「ダイヤと鞠莉がさ、私にもっと女の子らしく振る舞えって言うから……」
果南「私なりに考えたかわいい仕草を練習してたんだ」
にこ「はぁ?あんたあの程度でかわいいなんて思ってんの?」
果南「いやだって、よくわからないし……」
にこ「はぁ……しょうがないわねぇ〜」
にこ「この私が、女の子らしさってのを教えてあげるわ‼」 にこ「まずはそれ、頭に両腕を回す格好をやめなさい」
果南「えーこれ楽なんだけどなぁ」
にこ「そういうところが女の子らしくないのよ。立つ時は少し内股気味になって両手はスカートの前で重ねて組む」シナッ
果南「おぉ、なんだか梨子ちゃんみたいだ」
にこ「あの子の仕草は中々女の子らしいから参考にするといいかもしれないわね」
にこ「ちょっと椅子に座ってみて」
果南「これでいいかな?」
にこ「ダメね、なんで足を開くの足を。パンツ見てくださいって言ってるようなもんでしょ」
果南「ぱ、パンツ……」バッ
にこ「そう、内股になるか左右どちらか両足を倒すとキレイに見えるわよ」
果南「これ、結構キツいね」グググッ
にこ「まっ、普段は足さえ閉じてればいいわよ」 果南「そういえばさ」ジーッ
にこ「な、なによ?」
果南「にこちゃんってかわいいよね」
にこ「はぁ!?なによ急に!?」
にこ「そ、そんなの当たり前じゃない」
果南「ちっちゃくて華奢だし、キャラと素顔のギャップもすごいし。尊敬しちゃうよ」
にこ「喧嘩売ってるのあんた?」
果南「喧嘩なんて売ってない。正直な気持ちを言っただけだよ」
にこ「バカにされてるようにしか思えないわ……」
果南「ねぇ、あれやって見せてよ」
果南「『にっこにっこちゃーん』とか言う」
にこ「『にっこにっこにー』よ‼間違えないで‼」
にこ「はぁ……しっかり見ておきなさいよ」
にこ「にっこにっこにー、あなたのハートににこにこにー、笑顔届ける矢澤にこにこ〜、にこにーって覚えてらぶにこっ」
果南「やっぱりかわいいねぇ。私もやってみようかな」
果南「かっなかっなな〜ん」
にこ「ちょっと、真似してんじゃないわよ‼」 にこ「あんたにキャラ作りなんてまだまだ早いわ。それこそ女の子らしさを身につけてからじゃないとね」
果南「にこちゃんだってぶっきらぼうで私の事言えないじゃん」
にこ「あのね、私だって空気を読んでその場その時に合わせて雰囲気を変えるわよ」
果南「へぇ、例えば?」
にこ「例えば……そうね」
にこ「私の趣味、ですか?アイドルのDVDを見たり自分も歌って踊るのが大好きです」
にこ「料理も好きなんですよ。得意料理はカレーです」
にこ「ーとまぁ、よそ行きに向けてはこんな感じかしらね」
果南「すごいなぁ、アイドルより女優になれるよ」
にこ「私は女優になんかなるつもりはないけどね」
にこ「ここまで極端になる必要はないけど、砕けた口調と真面目な口調。メリハリをつけて話すといいわね」
果南「なるほどね〜」 にこ「話がちょっと逸れちゃったわね」
果南「話し方を変えるのは難しいから女の子らしい仕草を教えてよ」
にこ「そういえば最初に練習してたわね」
にこ「今の時期にオススメの仕草はこれ」
にこ「袖の中に手を入れて、口元に持ってくる」モフッ
果南「わぁ、かわいい〜私もやってみよ」
果南「どうかなん?」モフッ
にこ「中々さまになってるじゃない。似合ってるわよ」
にこ「これを萌え袖って言うの。寒い時や暖かい飲物を飲む時にやるとかわいいわね」
果南「これはいいね〜暖かいしかわいいし。女の子っぽい」ウキウキ
にこ(確かにかわいい……ポテンシャル高いわね果南) にこ「あとはねぇ、外見を変えるっていうのも1つの手段よ」
果南「外見?服装とか?」
にこ「まぁそれももちろんあるけどそれはおいおい教えるとして」
にこ「簡単に出来るのは髪型を変える事」
果南「髪型かぁ、私後ろに纏めるか降ろすかのどっちかしかしてないや」
にこ「私も普段はツインテールだけど……試しに髪型を交換してみましょうか」
果南「私にツインテールなんて似合うかな」
にこ「それをこれから確かめるんでしょ。ほら、私のリボン貸すから」
にこ「鏡で見てみなさい」
果南「……」カァァ
果南「やっぱり、私には似合わないよ……」
にこ「そんな事ないと思うけど。見慣れないだけなんじゃない」
果南「にこちゃんは……おぉ」
にこ「ふっふーん、どうかしら?似合う?」
果南「なんか大人びて見える。かっこいい」
にこ「ツインテールは合わなかったみたいだけど、せっかく長い髪なんだから色々アレンジしてみるといいわよ」
果南「そうだね、髪型変えるの結構楽しいかも」 練習後
果南「にこちゃん、この後も色々教えて欲しいんだけど」
にこ「教えてあげてもいいけどもう暗いから今日は帰りましょう」
にこ「今度の休みにまた教えてあげるわ」
果南「えっ、それってデート……」
にこ「なんでそうなるのよ」
にこ「ん〜でも、そういう風に考えたら女の子らしさがもっと身に付くかもしれないわね」
にこ「果南、今度の休みはあんたの精一杯のおしゃれをしてきなさい。私がチェックしてあげるわ」
果南「なんかそう言われると緊張するな〜」
にこ「大丈夫よ、私がコーディネートしてあげるから」
にこ「おしゃれは女の子らしさの基本。しっかり覚えなさいよね」
果南「あはは…お手柔らかに頼むよ」
果南(まさかにこちゃんと出掛ける事になるなんて……)
果南(でも、楽しみだな。ふふっ) 日曜日
果南「にこちゃん、お待たせ」
にこ「悪いわね、わざわざ東京まで来てもらって」
果南「結構な出費だったけど、授業料だと思うよ」
にこ「あとでなにか奢るわ」
にこ「どれ……早速服装をチェック」ジーッ
果南「どうかな?私なりにおしゃれしてみたんだけど……」
にこ「そうね……悪くないわ」
にこ「白のニットセーターに黄緑のコート、下は細身のジーンズ。季節感はあるわね」
果南「おっ、やったね〜」
果南「にこちゃんは流石かわいい格好だね。ミニスカートとか寒くないの?」
にこ「ちゃんと厚手のニーハイを履いてるから寒くないわよ。おしゃれを前に寒さなんか気にしていられないのよ」
果南「ひぇ〜すごい根性だ」
にこ「それじゃ、まずは服屋に行きましょうか。その格好も似合ってるけどもっとかわいくしてあげるわ」
果南「それにしても、やっぱり寒いね」
にこ「そりゃ冬だからね。当たり前よ」
にこ「ーそうだ、こんな時にはこうするといいわよ」ギュッ
果南「わっ、にこちゃん!?」
果南(にこちゃんが腕を絡ませてきた…なんかすごいいい匂いする)
にこ「どう?キュンとした?」
果南「ドキドキしたよ……私もやってみたいな」
にこ「あんた私より身長高いんだから無理でしょ」
果南「やってみないとわからないよ」ギュッ
にこ「いや、バランス悪いでしょーが」
果南「キュンとした?」
にこ「まぁ……ちょっとだけ、ね」カァァ 服屋
果南「うわぁ、服がいっぱいだ〜」
にこ「ここは東京でも1番種類の多いお店でね。あんたに合う服もきっと見つかるわ」
果南「すごいね〜沼津のお店が小さく見えるよ」
にこ「沼津と一緒にされても困るわね……」
にこ「果南は普段スカート履いたりする?」
果南「スカートなんてライブの衣装でしか履かないよ」
にこ「あんたスタイルいいんだからもったいないわよ。もしかして恥ずかしいの?」
果南「うん、ちょっとね……抵抗があるかも」
にこ「スカート履くだけで女の子らしさがぐんと上がるもんよ。どれ、スカート見に行きましょう」
にこ「まずあんたから見て気になる物はある?」
果南「そんな事言われても……よくわからないよ」
にこ「そう、それじゃね……これなんかどうかしら?」
果南「うわ、すんごいミニスカート……」
にこ「似合うと思うわ。試着してみて」
果南「似合わないと思うけどなぁ……」
果南「……どうかな?」
にこ「いいじゃない、脚が長いからスカートが映えるわ」
果南「でも、恥ずかしいよ。なんかスースーするし」
にこ「慣れれば気にならなくなるわよ。それ、買いましょ」
果南(にこちゃん、強引だなぁ) アニメ果南とG's果南だと女の子らしさに関しては大分開きがあるなぁ にこ「あとはなにかないかしら」
果南「あ、これかわいいな」
にこ「ん?あぁ、シュシュね。いいじゃない」
にこ「小物もまた重要なアイテムよ。じっくり選びなさい」
果南「これいいな〜。あ、こっちもいいな〜」
果南「うふふっ」
にこ「……」
にこ「……あんた、やれば出来るじゃない」
果南「えっ、なにが?」
にこ「今のあんた、楽しそうにシュシュを選んですごく女の子らしかったわよ」
果南「本当?気付かなかったよ」
果南「あ〜どんな感じだったっけ〜」
果南「あ〜ん、か〜わ〜い〜い〜ん」
にこ「なんでそこでわざとらしくなるのよ!!」
にこ「いいのよ思い出さなくたって、自然になれるから安心しなさい」
にこ「いいの、見つかった?」
果南「うん、このピンクのシュシュ。にこちゃんのイメージカラーだね」
にこ「なら私も、果南のイメージカラーのリボンでも買おうかしらね」
果南「なんか嬉しいな〜」ニヘラ
にこ「べ、別に変な意味じゃないから。アホ面してんじゃないわよ」 にこ「そろそろお昼を食べに行きましょうか」
果南「スカートとシュシュ買ってもらってごめんね。お昼ご馳走するよ」
にこ「いいわよ別に。お小遣いもらったばかりでまだあるから」
にこ「私にご馳走するお金でAqoursの皆にお土産でも買ってあげなさい」
果南「何から何までありがとね。にこちゃん本当よく気が付くよ」
にこ「気が回るのも女の子らしさの1つよ。覚えておきなさい」
にこ「他のお店が混んでてここくらいしか入れなかったわね」
果南「ここはなんのお店?」
にこ「パスタ専門店よ。好き?」
果南「うん、好きだよ」
にこ「ならよかった、私はスープパスタにしようかしらね」
果南「お、わかめのパスタなんてあるんだ。私これにしよ」
にこ「わかめ……あんたらしいわね」
果南「わぁ、おいしそ〜。いただきま〜す」ズルズル
にこ「ちょっとちょっと、なによその食べ方。ラーメンじゃないのよ、百年の恋も覚めるわ」
果南「ごめん、ついいつものくせで……」
にこ「パスタの食べ方はフォークで少し絡めてスプーンの中で纏める。そして静かに食べる」
果南「かわいいねその食べ方。ーこう、かな」
にこ「ちょっとぎこちないけど、そんな感じね」
にこ「食事の時は誰が見てるかわからないんだから気を付けなさい。これは常識よ」
果南「私って常識知らずだったんだ……」
にこ「今教えたからいいわよ。気にしないで」 にこ「さて、せっかく東京まで来たんだしどこか行ってみたい所とかある?」
果南「そうだねぇ……東京の海が見たいな」
にこ「海……ここからだとお台場が近いかしらね」
にこ「寒いから誰もいないと思うけど」
果南「それでもいいよ。そこに行ってみたい」
にこ「わかったわ、それじゃ行きましょ」
果南「お〜キレイな所だね〜」
にこ「結構人がいるものね、それにしても寒い〜!!」
果南「海風はこの時期冷たいからね、また私にくっついてもいいよ」
にこ「恥ずかしいけど寒さには勝てないわ……そうさせてもらう」ギュッ
果南「ごめんね私のわがままに付き合ってもらっちゃって」
にこ「にこから誘ったんだから構わないわよ」
にこ「どう、東京の海は?」
果南「内浦とはまた違うね、同じ太平洋だけど海の色も明るさも違う……」
果南「東京の海もいいね、今度ここに潜りに来ようかな」
果南「その時はにこちゃんも一緒にやらない?」
にこ「そうね……考えておくわ」ブルブル
果南「あ〜寒いよね、そうだ」ハグッ
にこ「きゃっ」
果南「どうかなん?暖かいでしょ」
にこ「暖かい……けどここでやる事じゃないわね」
果南「私のあいさつ代わりなんだ」
にこ「……人目も気にしなさい。喫茶店でも行って暖まりましょう」
果南「あはは……そうしよっか」 にこ「あ〜暖かい……生き返るわ」
果南「近くにお店があってよかったね」
にこ「まぁこの辺にならいくらでもお店があるからね」
果南「やっぱり都会は違うね〜」
にこ「果南はなに飲む?」
果南「私はコーヒーとかはあんまり飲まないからなぁ、ココアにするよ」
にこ「私はカフェオレにしようかしら」
にこ「すいません、お願いします」
果南「いや〜ほっとするね」
にこ「そうね、ここのカフェオレも中々いけるじゃない」
にこ「ふふっ、早速やってるわね。萌え袖」
果南「えへへっ、なんか自然と出来ちゃった。にこちゃんのおかげだね」
果南「にこちゃん、今日は色々教えてくれてありがとう。私一人だったら何も変わらなかったよ」
にこ「あの時のあんたは笑えたわ。その時と比べたら少しはマシになったわね」
果南「にこちゃんは厳しいね」
にこ「そうよ、女の子らしさはまだまだ磨かないと。果南は素質があるんだからがんばりなさい」
果南「うん、今日の事胸を張ってダイヤ達に言えるよ」
にこ「にこと一緒にいた事は内緒にしてよね」
果南「え?もう言っちゃったけど」
にこ「なっ、なんですって!?」
果南「『デート頑張って〜』なんて冷やかされちゃったよ、あはは」
にこ「ぬぁんで他のメンバーに言うのよ!?」
果南「だって黙って東京に行ったら絶対問い詰められるし」
にこ「それは…そうだけど…」
果南「正直に言った方がにこちゃんと会える口実が作りやすくなるでしょ」
にこ「なに言ってんのよ……バカ」 果南「いや〜悪いね、駅までお見送りしてもらって」
にこ「わざわざ遠くから来てくれたのに見送りもしないんじゃバチが当たるでしょ」
果南「今度、内浦にも遊びに来てよ。東京と比べたらなにもない所だけどのどかで割りといい所だよ」
果南「内浦の海もキレイだよ、一緒に行こうね」
にこ「そうね、その内行くわ。その時はよろしく」
果南「それじゃ、そろそろ新幹線が来るから行くね」
にこ「気を付けてね、また女の子らしさを教えてあげるわ」
果南「うん、教えてもらった事を上手く活用して女の子らしく出来るよう頑張ってみるよ 」
にこ「バイバイ、果南」
果南「ありがとう、にこちゃん」
果南「バイバイ」 これで終わりになります。途中からただのデートになってしまいました。最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。 昔はこういうスレすぐ荒らされてたからありがたいわ
面白かったよ、乙 おつおつ
なかなか見ない組み合わせで面白かったぞ女の子らしさを教えてもらう果南ちゃん可愛かった なんか東日本っぽいと思ったらやっぱり東日本だった
乙や 果南ちゃんが素直な子だからか、にこちゃんもいつもより雰囲気が柔らかい感じするね
かなにこ前から読んでみたかった
書いてくれてありがとう ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています