千歌「東京の大学に入ったけど思ったより普通だった」
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千歌「輝きたい!!!!!」
曜「まだ言ってるの?それ」
千歌「だってぇ…東京つまんないんだもん、飽きた…」
果南「何言ってんの千歌、まだ東京に行って1年も経ってないのにもう弱音吐いてるの?」
千歌「うぅ…」
曜「で、痺れを切らしてこっちに帰ってきちゃったわけだ」
千歌「やっぱり私には田舎の方が合ってるよぉ…」
果南「こら!田舎言うな!田舎だけど」 千歌「あーあ…高二の時スクールアイドルやっとけば何か変わったのかなぁ」
果南「…あはは」
曜「千歌かったらまーだそれ言ってる」クスクス
千歌「だって私本気だったんだよ!?」
曜「わかってるって…人が集まらなかったんじゃ仕方ないよ」
千歌「あーあ…私の青春が…」
果南「大学で青春すればいいじゃん、彼氏でも作れば?」
千歌「無理だよぉ、東京の男の人怖いし…」
曜「男の人と関わるのって女子高育ちにはキツいんだよねぇ」
千歌「だよねぇ」 Aqours結成してない世界線か
面白そうだから続けて 千歌「曜ちゃんは最近どうなの?」
曜「んー、あんまり変わんないかなぁ」
果南「曜は毎日プールで練習してるよね」
曜「まぁ、それが仕事になっちゃったからねぇ」
千歌「いいなぁ曜ちゃんは得意な事で食べていけて…」
曜「そんなそんな…私なんてまだまだだよ」
千歌「はは、まだまだ、かぁ……果南ちゃんは?」
果南「私は知っての通りだよ、海が夫!」ドン
千歌「2人とも水関係の仕事だねぇ」
果南「千歌、その言い方は語弊を生むからやめな?」 千歌「私もなぁ、何か水に関係した仕事しようかなぁ」
果南「やめなって…」
曜「千歌ちゃんも中学の時私と一緒に部活したらよかったのに…なんか才能開花したかもよ?」
千歌「あはは、ないない…私は普通人間だから」
果南「そーんな可愛い顔して普通だなんて言ってたら世の女性に怒られるよー?」
千歌「可愛いなんてそんな…私なんて子供っぽいだけだよ、東京の友達は皆お化粧とかしてるけど、私には全然わかんないし」
曜「えぇ!?千歌ちゃんスッピンなの!?」
千歌「そうだよ〜」
果南「ひゃ〜、本格的に水商売で一発当てられるんじゃない?」
千歌「やめてよ…」 千歌「…なんかね、スクールアイドルやろうと思ってた頃、海に飛び込もうとしてた女の子がいたんだよ」
曜「まーたその話?」
千歌「忘れられないんだよねぇ…東京から来た女の子でさ、なんか曲を作ってるって言ってて…」
果南「私は初めて聞くなぁ、どんな子だったの?」
千歌「んー、なんか東京育ちなのにピアノ以外はからっきしって感じで」
曜「髪が長くてつり目の子、でしょ?」
千歌「うん、あの子今何してるんだろ」
果南「へぇ…名前は?」
千歌「確か…」
千歌「桜内梨子ちゃん」 ーーーーーーーーーーーーーーーー
梨子「…はぁ…ただいまー」
シーン
梨子「…誰もいないかぁ…ん、電話?誰だろう…」ブルルル
梨子「…もしもし…あ、先生、はい…はい…え!?今日でしたっけ!?」
梨子「ごめんなさい…すぐ行きます、はい…大丈夫です…失礼します」ピッ
梨子「やばいやばい…行ってきます!」ガチャッ 先生「でぇ?言い訳を聞きましょうか、桜内さん」
梨子「ごめんなさい…授業が終わったら自然と足が家に向かってて…」
先生「…ふふ、ピアノばっかり弾いてるような内向的な子には大学って辛い場所だものね」
梨子「そ、それは言い過ぎじゃないですか!?」
先生「そうかしら?私も同じような感じだったけど」
梨子「先生も…?」
先生「えぇ、私が病院で働いてるの、知ってるでしょ?」
梨子「はい…傍らでピアノ教室もしているんですよね」
先生「えぇ、私も大学は苦手でね…医学の勉強ってつまんないし」
梨子(いつも思うけど、医学と音楽を両立してるって…すごい人だ) 先生「でも桜内さんは音大でしょ?音楽好きなあなたが授業疲れってのはよくわかんないわね」
梨子「そ、それは…その、教室の空気が私には合わないというか…」
先生「…友達少ないの?」
梨子「そっ、そんなことないです!!…たぶん」
先生「ふふっ、気持ちはわかるわ。私も高校まで友達いなかったし…」
梨子「先生が友達いなかったんですか!?美人なのに…」
先生「んまぁ、美人は認めるけど実際いなかったんだから仕方ないじゃない」
梨子「お世辞なんですけど」 梨子「…友達って、どうやって作るんでしょうか」
先生「…さぁ?私は受け身でいただけで、いつの間にかできてただけだし」
梨子「…はぁ、難しいなぁ」
先生「やっぱり私たちはピアノ以外苦手な者同士、共通点が多いわね」クスッ
梨子「そんなところで共通してても嬉しくないです!」
先生「まぁまぁ、遅かれ早かれ友達はできるわよ」
梨子「…そうでしょうか」
先生「えぇ、背中を押してくれる…押させてくれる人を探すことね」
梨子「…意味わかんないです」
先生「私にも意味わかんないわ」 ーーーーーーーーーーーーーーーー
千歌「はぁ〜…ただいまぁ〜!!」ズドン
千歌「…一人暮らし、さびじいよぉ〜…」
果南「こーら!私達が着いてきてやってんでしょうが」
千歌「はっ!ついいつものクセで…」
曜「千歌ちゃん、いつもそんな事言ってるの…?」
千歌「だってぇ…姉がいない生活だよ?慣れないよぉ」
果南「そういえば千歌のお母さんって東京に出てるんじゃなかった?」
千歌「うん、たまに様子見に来てくれるよ〜」
果南「一人暮らしが寂しいならお母さんと住めばよかったじゃん」
千歌「やだよ!一人暮らしの方が東京って感じするじゃん!」
果南「えぇ…」 曜「ち、千歌ちゃん…?」
千歌「ん?どうしたの?」
曜「…この、袋の山は…」
千歌「……あー…ゴミだね」
果南「ちょっと千歌…こんなに溜め込んでんの…?」
千歌「いやぁ…外に持ってくの面倒くさくて…」
曜「そ、それにこれ!この缶ってお酒じゃん!」
千歌「あぁ〜、友達付き合いで…」
果南「千歌!未成年でしょ!?」
千歌「しょっ、しょうがないじゃん!友達皆お酒飲むんだもん!!」
曜「千歌ちゃんが不良と友達に…」ガタガタ
千歌「とっ、東京では普通なんだってばぁ!」 果南「とりあえず私がゴミ全部出してくるから…よいしょっと」
千歌「さすが果南ちゃん!力持ち!」
果南「誰がゴリラだっ!」ゲシッ
千歌「言ってない!誰も言ってないよ果南ちゃん!」
曜「千歌ちゃん、大丈夫なの?悪い人にお酒飲まされて変な事されてない?」ガシッ
千歌「だっ、だから!ほんとに大丈夫なの!」
曜「だってお酒だよ!?それもこんなに…」
千歌「な、なんか東京の人達はお酒飲んでウェーイが普通らしくて…それで…」
曜「千歌ちゃんまでそんなバカな事しないでよ!」
千歌「確かにバカみたいだと思うけど合わせなきゃ友達できないんだから仕方ないじゃんかぁー!」バタバタ 果南「…さて、千歌の寂しい一人暮らし生活を盛り上げるために来たものの…」
曜「…なんか、何も無いねぇ、千歌ちゃんの部屋」
千歌「……いやぁ、お恥ずかしい」
果南「そりゃこんな部屋に招かれたんじゃお酒飲むしかする事ないわ」
千歌「そっ、そこまで言う!?」
曜「とりあえず私はベッドで寝かせて貰おうかな!明日は久々のオフだー!」
果南「んじゃあ私は……千歌、お金持ってる?」
千歌「え?小銭ならあるけど…なんで?」
果南「お酒買ってくるわ」
千歌「えぇ!?や、やだよ!果南ちゃんが自分で出してよ!」
果南「お金ないんだわ」 ーーーーーーーーーーーーーーーー
梨子「はぁ…今度こそただいま〜…」
梨子「…誰もいない…」
ダーイタイトウキョウハヤメトケッテワタシハイッテタシ!
オチツイテ、カナンチャン!ツクエコワサナイデ!
梨子「…お隣は盛り上がってるなぁ」
梨子「やっぱり大学生って、あんなふうにワイワイ騒ぐのが普通なのかしら」
梨子「……………」
梨子「…ご飯食べよ」 ーーーーーーーーーーーーーーーー
果南「千歌は大学行かずに家の手伝いしとけば良かったんだよ!それを…ヒック…こんな空気の汚い所に引っ越してまで行く意味がわからん!!」ベロベロ
千歌「果南ちゃん、それ今日だけで100回は聞いたから…落ち着いて、ほら、曜ちゃんの隣に寝て…」
果南「千歌ぁ!私怒ってるんだよ!?…ヒック…忠告聞かずに東京に出て、弱音吐いてるアンタが私は悔しい!!」ドン!
千歌「ちょっと果南ちゃん!叩いたら机壊れるってばぁ!!」
果南「こーんな女の子女の子した脆そうな机買ったアンタが悪い!」バキィッ
千歌「壊れたぁあああぁ!!!高かったのにぃ…」グスン
曜「…うるさいなぁ…ほら、果南ちゃんこっち」ギュッ
果南「あへっ…ちょっ、曜!放せ!」
曜「はいはい…寝ようねぇ」グウゥ
果南「放して!まだ千歌にお説教が…」
ポロロロロン♪
果南「…んあ?」
千歌「…ピアノ?」
ポロロンポロロン♪
千歌「……うわぁ、お隣さんかな?すごい綺麗だね、果南ちゃん」
果南「ぐがー……んうるさ……」Zzz
千歌「えぇ…」 真姫もμ'sやってない世界線の方がよかったんじゃない
それならμ'sないから当然Aqoursもない ーーーーーーーーーーーーーーーー
梨子「ふん…♪ふふん……♪」タンタンターン
梨子「……おわりっ!」ターン
梨子「…久々に部屋のピアノ弾いたけど、上出来だったんじゃないかな」ルンルン
シーン
梨子「……しまった、お隣がうるさいからもしかしたらチャンスかもと思って弾いたけど…水差しちゃったかな」
梨子「…まぁいいや、話したこともない人だし」
炊飯器『御飯が炊けました』
梨子「はーい!今行きます!」
梨子「…むなしい」 >>27
いいアイデアだな、そっちはお前が書け、頼んだぞ 梨子「…あれ?…納豆、ない」
梨子「…納豆が食べたいのにぃ…」チラッ
梨子「…スーパー、まだ間に合うな…」
梨子「…よしっ!」
ガチャッ
梨子(走ればいける!)
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ポロロンポロロン♪♪
千歌「…綺麗な音だなぁ」
果南「…チッ……っるさ…ぐがー…」Zzz
千歌「………外出よう…」スタスタ
ガチャッ
ポロロロロン♪
千歌「やっぱりお隣さんが弾いてるんだ…すごいなぁ」 ダーン…♪
千歌「……終わりかな?」
千歌「…はぁ……ピアノの演奏をバックにアパートの廊下で考え事にふける千歌…」
千歌「…もしかして、なんかドラマチック?」
千歌「…ないかぁ」
千歌「………ピアノ…」
『スクールアイドル、なれるといいね』
千歌「…桜内梨子ちゃん」
ガチャッ
梨子(走ればいける!)タッ
千歌「えっ」
梨子「うわっ!?」
ゴツン! 千歌「いたた……」
梨子「ごっ、ごめんなさい!…前を見てなくって…」
千歌「あ、いやいや…私の方こそ、狭いところで突っ立ってたので………あれ?」
梨子「…あ、やばい…時間が」
千歌「……あなた」
梨子「すいません!ちょっと急いでるので、また後日お詫びに伺います!」タタッ
千歌「あっ、ちょっと!」
タッタッタ…
千歌「……見間違い…?…いやいや、絶対違うよ!桜内梨子ちゃん!絶対そう!」
千歌「…そうだ!表札……あーっ!!!」
【桜内】 翌朝
曜「ほわ〜あ…よく寝た…あれ、千歌ちゃん早いね」
千歌「うん!おはよう曜ちゃん」ニコッ
曜「ぐぬっ、笑顔が眩しい…」
果南「なにぃ〜?もう朝なの…?」
千歌「果南ちゃんもおはよう!」ニコッ
果南「うわっ、酔いが冷める笑顔…」
千歌「えぇ〜?私そんなに笑顔かな?」ニコニコ
曜「めちゃくちゃ笑顔だよ…どうしたの」
千歌「んー、別に何も?」ニコニコ
果南「私達が寝たあと何かあったの?…私っていつ寝たっけ」
千歌「何もなかったけど…強いて言うなら…」
千歌「奇跡かな?」ニコッ 果南「…曜、どう思う?」コソッ
曜「ど、どうって?」コソッ
千歌「……ゴクッ」モジモジ
果南「千歌のお隣さんだよっ!ほんとに例の子だと思う?」
曜「そ、そんなのわかんないよ!私は見てないんだし!」
果南「もしかしたらゆうべ私が千歌に無理やりお酒飲ませたかもしれない…」
曜「えぇ!?」
果南「コ、コホン…どっちにせよ今の私達には千歌を見守る事しかできない!よね!」
曜「上手くまとめたけど本当だったから大問題だよ果南ちゃん…」 千歌(『桜内梨子さんですよね!覚えてますか?高海千歌です!』…これでいこう!…いや、待てよ…私ってあの子に名前教えたっけ…)モジモジ
千歌(『昨日はぶつかってごめんなさい!』…うーん、なんかやだな…ここから友達になれるビジョンが浮かばない…)
千歌(どうしよう…そろそろ出てくるんじゃないかな…な、なんて声をかけたら…)チラッ
曜「な、なんかこっち見てるよ、」
果南「頑張れ千歌!友達になるんでしょ!」グッ
千歌(見守っててね2人とも…!)グッ
ガチャガチャッ
千歌(き、来た!) ガチャッ
梨子「行ってきま〜…あ、どう、も…」
千歌「あっ!え、えっと…」
梨子「…ご、ごめんなさい!昨日はぶつかってしまって…」ペコッ
千歌「えぇ!?あ、いや、全然気にしてないです、よっ!?」
千歌(友達になれるビジョンが浮かばないやつ決められた…!)
梨子「も、もしかしてお怪我をしてしまったんでしょうか、わざわざ待って頂いて、申し訳ありません」ペコペコ
千歌「いやいや!怪我なんて、その、とりあえず顔上げてください!」 梨子「…はい、本当にごめんなさい」サッ
千歌「…あっ」
千歌(…やっぱり、ほんとに桜内梨子ちゃんだ)
千歌「……」ポカーン
梨子「…あ、あの」
千歌「あ、ご、ごめんなさい!えっと、私、隣に住んでる高海千歌です!よろしくお願いします!」
梨子「…あ、桜内梨子です…よろしくお願いします」
千歌「………」
梨子「………」
シーン
千歌(やばい、気まずい…) 千歌(ふ、2人!)チラッ
曜「……いや、私たちに振られてもっ!」
果南「頑張れ、千歌!」グッ
梨子「…あの…」
千歌「へぁ、は、はい!」ビシッ
梨子「…えっと、昨日の事は本当に申し訳ありませんでした、また後日お詫びに伺いますので、今日はこの辺で…」
千歌「えっ、あ、ごめんなさい!」パッ
梨子「こちらこそごめんなさい、授業に遅れるといけないので…」
千歌「あ、はい、が、頑張ってください!」
梨子「…ありがとうございます、失礼します…」ササッ
千歌(……行っちゃった) 果南「うん、まぁ上出来なんじゃない?」
曜「うんうん、いい感じだったと思うよ」
千歌「そうかなぁ…なんだか上手く会話できなかったよ」
果南「あはは、千歌のオドオドした感じが中学生男子の告白みたいで面白かったよ」
千歌「なっ、真剣にやってたんだから!」プンスカ
果南「あっはっは、ごめんごめん…」
曜「それで千歌ちゃん、どうするの?」
千歌「難しいかもしれないけど、なんとか友達になってみるよ…でも」
曜「でも?」
千歌「…向こうは私の事、覚えてないみたいだった」
曜「あー…」
果南「まぁ仕方ないんじゃない?2年も前にほんの30分くらい話しただけなんでしょ?」
千歌「そうだけど…」 曜「千歌ちゃんは2年間覚えてたのに、酷い!…ってこと?」
千歌「ぜ、全然そういうんじゃないよ!?…でもちょっと悲しいかなって」
果南「もう、そんな事気にしててもしょうがないでしょ?」
千歌「…うん」
曜「そうだよ、お隣さんなんだからこれから仲良くしていけばいいんだよ」
果南「2年の片思いの末に実るとはねぇ…人生わかんないもんだ」
千歌「いや、片思いとかじゃないから!」 ーーーーーーーーーーーーーーーー
梨子(…高海千歌さん)
先生「ちょっと、手止まってるわよ」
梨子(スクールアイドルの…)
先生「…聞いてるの?」パンッ
梨子「ひゃっ、あっ、ごめんなさい!」
先生「どうしたのよ、今日ずっとその調子だけど」
梨子「…えっと…悩みとかじゃないんですけど」
先生「何?恋愛相談でも受けて欲しいワケ?」
梨子「ちっ…違います!」カァッ
先生「じゃあ何よ」
梨子「…先生、スクールアイドルって知ってますか?」
先生「…えぇ、よく知ってるわよ」 梨子「実は、昔一度スクールアイドルをやりたい!って人と会ったことがあって」
先生「ふーん、それで?」
梨子「その子とたまたま再会したんです」
先生「よかったじゃない、それが何か問題なの?」
梨子「…私、その子と会った頃スランプで…立ち直れたのは半分その子のおかげだったんです」
梨子「2年間名前も忘れたことありませんでした、高海千歌さん…」
先生「尚更いい話ね」
梨子「…さっき、気になってその名前と学校を調べてみたんです」
梨子「…学校は去年、廃校になってました」
先生「……」 先生「なるほど、自分はその子のおかげで立ち直れたのに、その子はスクールアイドルになれなかった、または失敗した」
先生「それを気に病んでるってことね」
梨子「…はい」
先生「…別にあなたは何も悪いことしてないわ」
梨子「でも、私はあの子に助けて貰ったのに…私からは何もしてあげられなかったのが…」
先生「…何か他に理由があったんじゃない?メンバーが足りなかったとか、作曲できる人がいなかったとか」
先生「どちらにせよあなたは関係ないでしょ?その子と同じ学校の生徒じゃないんだし」
梨子「………そう、ですよね」 先生「…ほら、そうとわかれば今日はレッスン終わりよ」
梨子「えぇ!?でも」
先生「せっかく友達が1人できそうなんだからこれを逃す手はないでしょ?その子の所に行ってきなさいよ」
梨子「…ありがとうございます」
先生「どうだったか、ちゃんと教えてよね」
梨子「…はい!ありがとうございました!」
先生「…スクールアイドルに、廃校ねぇ…」 梨子「…ゴクッ」
ピンポーン
千歌「はーい」ガチャッ
梨子「あっ、えっと…」
千歌「…梨子ちゃん!」ガシッ
梨子「えっ、あっ、あの」
千歌「梨子ちゃん!…私の事、覚えてる?」
梨子「……うん、覚えてるよ」
千歌「……よかった」ニコッ 千歌「とりあえず上がってよ」
梨子「い、いいの?私…」
千歌「いいのいいの!どうぞ!」
梨子「…お邪魔します」ソソ
梨子「……えっと…」
千歌「……」
梨子「…覚えててくれてたんだね」
千歌「…うん、ずっと覚えてたよ」
梨子「…そっか」 千歌「…どうなったの?あのあと」
梨子「あのあと?」
千歌「海の曲、作れた?」
梨子「あぁ…うん、海の曲…海で出会った女の子の曲を書いたの」
千歌「…それって」
梨子「うん、自分の事を普通だって言ってた、輝きたいって言ってた女の子の曲。その曲でコンクールに入賞したよ」
千歌「…すごいね、梨子ちゃんは」
梨子「…ありがとう」
千歌「…私はね、何もできなかったんだ」
梨子「…うん」 千歌「メンバーが集まらなくってね…ううん、本当は集めようと思えば集められたんだ」
千歌「私に、幼なじみの曜ちゃん、果南ちゃん、可愛い後輩だっていたし…」
千歌「やろうと思えばやれたんだよ、多分…でもやらなかったの」
千歌「なんでなんだろうなぁって、今でも不思議だよ」
梨子「…そうなんだ」
千歌「…それでさ、なんやかんやあって学校は統廃合になっちゃって…」
千歌「私がもし、あの時スクールアイドルをやってたら…もしかしたらだよ?変わってたのかもしれないなって」 千歌「あーあ、スクールアイドルやってれば、奇跡が起きたのかなぁ…」
梨子「私のせいで、嫌なこと思い出させちゃったなら…ごめんなさい」
千歌「…そんなことないよ、むしろ梨子ちゃんとまた会えたのは…奇跡だよ」
梨子「…奇跡…」
千歌「そう、奇跡!…引っ越した先がお隣さんだなんて、奇跡以外の何者でもないよ」クスッ
梨子「…確かに、出来すぎかも」クスッ
千歌「…ね、梨子ちゃん」
梨子「…なぁに?」
千歌「…私たち、友達になれるかな?」
梨子「……友達、に…」 千歌「私ね、輝きたくて…高校を卒業して、東京に来たの」
千歌「でもなんか…思ってたのと違ってさぁ…疲れちゃって…」
梨子「わかるよ、私も大学に疲れちゃって」
千歌「だよねぇ…でも、これからは私、輝けるかな?」
梨子「どうして?」
千歌「だって梨子ちゃんにまた会えたんだよ?それってつまり、『始まり』って事でしょ?」
梨子「ど、どういうこと?」
千歌「ふふっ、映画とかアニメとかでもそうじゃん!初めて会った時は自己紹介したくらいだった2人が再会した時に物語が始まるんだよ!おやくそく!」
梨子「そ、そうなの?ごめんなさい、私ピアノ以外は…」
千歌「ピアノ以外はまるでダメ!なんだよね、覚えてるよ」
梨子「そ、そんなまるでダメなんて言ったかしら」 千歌「ね、梨子ちゃん、どうかな?」
梨子「…もちろん、私でよければ…友達になりましょう」
千歌「…えへへ、ありがとう」ニコッ
梨子「こちらこそ、ありがとう」
曜(…果南ちゃん、これ私たちはいつ出てったらいいんだろう)
果南(知らないよ…ていうかただ友達になるだけでどんだけ重いのあの子たち…)
曜(知らないよ…) 千歌(私の求めていた輝きが!青春が!梨子ちゃんとの出会いで動き出す!はず!)
千歌(あの人たちも言ってた!諦めちゃダメ、その日は絶対来るって!)
千歌(もうスクールアイドルはできないけど…私たちはきっと、輝けるんだ!)
おわり お前だったか。面白かったぞ。また思い付いたらよろしくな >>59
おつでした、とてもよかったです
こうやってまとめるのどうやるんですか? すごいいい話だけど悲しいなぁ
ノξソ´ ; ω ; `ハ6 過程がどうでもあっても最終的に出会って最高の親友になる運命なんだなこの二人 こういうifの話好き
この大学生千歌ちゃんにも輝きが見つかるといいな ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています