曜「エア千歌ちゃんを極めたよ」
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ルビィ「………………」
曜「エア千歌を極めたの」
ルビィ「………エッ」
曜「エア千歌ちゃんを」
ルビィ「わかったよ!さっきからなんなんなの!」
曜「反応が無いから聞こえていないのかと思って」
ルビィ「無視していたに決まっているビィ。聞きなれない単語で喋りかけてきて何が目的なの?」
曜「エア千歌ちゃんが気になるの……。よくぞ聞いてくれた」
ルビィ「………………」 曜「昨日から千歌ちゃんが学校を休んでいるのは知っているよね」
ルビィ「うん。インフルエンザで自宅療養中だったよね。確か一週間は休まなきゃだったよね」
曜「意外に細かい所まで覚えてるね。気にもしてないと思ってたのに…」
ルビィ「……いいから続きを話して」
曜「要するに千歌ちゃんに会えない状況が一週間続くという事だよ」
「……ここまで言えば分かるよね?」
ルビィ「さっぱり分からない」 曜「このまま千歌ちゃんに会えない日々が続くと禁断症状が出てしまう」
ルビィ「禁断症状って?何を言ってるの?」
曜「千歌ちゃんに会えないと思うと心細くて、授業中も奇声を上げたくなるのを何度かガマンした」
ルビィ「鞠莉ちゃんが泣くよ……」
曜「しかし千歌ちゃんは自宅、どうやっても会えない。つまりエア千歌ちゃんをする必要がある」
「分かったかな」
ルビィ「??問題提起から結論まで全て理解できなかった」 ルビィ「大体その……エ」
曜「エア千歌ちゃん?」
ルビィ「食いつきが早いよ!大体、それをルビィに言って何になるの?」
曜「少しでもエア千歌ちゃんの素晴らしさを広めようと思って。ルビィちゃんが済んだら他の人にも教えに行く」
ルビィ「広める…の……?そんな得体の知れないモノを?」
曜「まあルビィちゃんの反応を見る限りウケが悪いようだね。梨子ちゃんは受け入れてくれたのだけど…」
「でもせっかくだからルビィちゃんにもエア千歌ちゃんを伝授させてもらうよ」
ルビィ「何する気?え、やめて!やめてぇぇぇぇ!…………」 一週間後
千歌「うーん、久しぶりの学校だなぁ」
「季節外れのインフルエンザにかかるなんて、普通なのか普通じゃないのか……」
「でも皆に会えるのは楽しみだなぁ。元気にしてるかなぁ?」
部室
千歌「おはよう。あれ、人が少ない?」
花丸「あっ、千歌ちゃん。丁度良かったずら、いま大変な事が起こってるの!」
千歌「え?」
花丸「2年生の間でエア千歌ちゃんが流行してるずら!」
千歌「なにそれ」 鞠莉「おはよう!ちかっち、身体の具合は大丈夫なの?」
千歌「おかげ様で。それより他の人たちはどうしたの?鞠莉ちゃん以外部室にいないみたいだけど」
鞠莉「ここ最近、梨子が頻繁に休んでいるわ……どうやらエア千歌ちゃんというものにふけっているようなの」
「で、梨子が来ない事で他のメンバもやる気をなくして欠席しているみたい。まさに部活崩壊寸前なのよ!」
千歌「この場に三人しか来てない時点で、寸前どころかなかなか手遅れだと思うけど……」
花丸「本当はルビィちゃんとダイヤさんも出席してたんだけど、最近は来てないずら……」
鞠莉「ともかくこれは由々しき事態よ!」
「ちかっち!病み上がりですまないけど、この状況を打破する案は何か無い?」
千歌「そんな事言われてもなあ……」 ガララッ
ルビィ「はあ、はあ……。千歌ちゃん…2年生を説得…して……」
千歌「おはよう、ってルビィちゃん?」
花丸「ルビィちゃん!?その傷は一体どうしたの!?」
鞠莉「それにだいぶやつれてる!」
ルビィ「やられちゃった……ぐっ!」
「梨子ちゃんが……千歌ちゃんに会えない不満からエア千歌をやり出した……」
千歌「えっ?」
ルビィ「千歌ちゃんが説得すれば必ず……うっ」ガクッ
鞠莉「大丈夫?!これは…気絶している……!?」
花丸「エア千歌ちゃんにはどんな恐ろしい秘密が……!?」
千歌「ええ……」 ダイヤ「ルビィいいいぃぃぃっ!!」
花丸「あっ、ダイヤさん!」
ルビィ「」ボロッ
ダイヤ「ああボロボロのルビィ……。い、一体誰がこんな酷い事したのよ!」
花丸「ルビィちゃんはきっと皆に部活に出るよう呼びかけたずら」
ダイヤ「ルビィがそんな勘違い熱血教師のようなアクティブな事を……?」
花丸「でも誰も呼びかけに応じなかったショックが、精神だけではなく肉体をも傷つけたずら……」
鞠莉「ショックを受けるとそうなっちゃうのね。怖いわね……」
千歌「………………」
花丸「こんな姿になってまで……!」プルプル
千歌「」ソローッ
ダイヤ「千歌さん!ルビィの犠牲を無駄にしないためにも2年生を説得してきて欲しいですわぁぁぁ!!」ブワッ
千歌「あ、うん……そうだよね。嫌な予感しかしないけど行くしかないよね、はは……」 千歌「成り行きで曜ちゃん梨子ちゃんを説得する事になってしまった」
「とりあえず誰か探そう。学校内にはいると思うけど」
「………………」
(だいたい……エア千歌ちゃんってなんなんだろう)
「あ、あそこにいるのは善子ちゃんかな」
善子「ふふ、次はどうしますか?もうその身しか……」ブツブツ
千歌「善子ちゃん。一人で一体何を?」
善子「……あら、千歌?風邪は治ったの?」
千歌「うん。善子ちゃんがエア千歌ちゃんをやってて部活に来ないって聞いたんだけど」
善子「そう…。恥ずかしいところを見られてしまったわね」
千歌「恥ずかしいっていうか怖いよ。エア千歌ちゃんって一体なんなの?」
善子「それは……」 一週間前
曜「では改めてエア千歌ちゃんについて説明するよ」
ルビィ「ねえ!なんで説明するのにルビィを縛る必要があるの!?」
曜「エア千歌ちゃんとは千歌ちゃんを妄想し、その場にいるかのように振舞う事で心の充足感を得る行為」
ルビィ「聞いてよ!」
曜「時にエア千歌ちゃんと話したり、時にエア千歌ちゃんと触れ合ったり、遊んだり……」
「最初の内は空想に過ぎないけれど」
「その内本当に千歌ちゃんの声が聞こえてきたり」
「千歌ちゃんの匂いや触感を感じるようになる」
「聞こえないはずの声が聞こえ、見えないはずの姿が見える……素敵だと思わない?」
ルビィ「違法薬物の症状か何かなの?」
曜「エア千歌ちゃんの概要だよ」 現在
善子「とまあ、これがエア千歌というものです。さっきまでエア千歌と暗黒儀式をやってたのよ」
千歌「…………こんなイカレた事が学校で流行ってるの?」
善子「その様ね」
千歌(廃校になるべきでは…) このダイヤさん、エアルビィに目覚める素質めっちゃありそう 千歌「じゃあその……エア千歌ちゃんの発信元って誰?」
善子「何故ヨハネが教えなければならないの?」
千歌「えっ?」
善子「何故ヨハネがリトルデーモンちかっちに情報を与えなければならないのでしょう?」
千歌「あの……善子ちゃんもしかして怒ってる?」
善子「ヨハネのリトルデーモンにもかかわらずヨハネの傍を離れた罰よ。自分で確かめなさい」
千歌「ご、ゴメン。でも部活にはちゃんと出て欲しいんだ。困ってる人もいるし…」
善子「……仕方ありません。しかしこれからはヨハネを退屈させないよう肝に銘じる事ね」
千歌「ははは、気をつけるよ……」 どこかの廊下
千歌「むっちゃん!」
むつ「あ、千歌。インフルエンザ治ったの?」
千歌「うん。それより授業に出てないって聞いたんだけど」
むつ「あーそれね、梨子が変なのにハマってさあ。ついでに私もサボってたってワケ」
千歌「変なのっていうとやっぱり」
むつ「エア千歌とかいうヤツ。空想ごっことか…」
千歌「ううん……。部活に来ないからほかのメンバが困ってるんだ。梨子ちゃんに出席するように言っておいてくれないかな」
むつ「おっけ…………いや」
「……せっかくだし千歌行ってきなよ。すぐそこの空き教室にいるし」
千歌「え、いいけど」 梨子「んー……」
千歌「ホントだ、いた。椅子に座って目を閉じたまま手を組んでる」
梨子「……千歌ちゃん出ろ、千歌ちゃん出ろ、千歌ちゃん出ろ……」ブツブツ
千歌「なんかつぶやいてる……?とにかく話してくるよ」
むつ「…………」ニヤ
梨子「……エア千歌ちゃんが上手くいかない。せっかく曜ちゃんに教えてもらったのに」
千歌「梨子…ちゃん?」
梨子「……えっ?」
千歌「え?」
梨子「ほ、ホントに出た……。ち、千歌ちゃんだ!」
千歌「あの、梨子ちゃん?」 むつ「よう!梨子。なに、相変わらずシコシコ妄想してんの?」
梨子「むっちゃん。この千歌ちゃん見える!?」
千歌「えっ、それどういう」
むつ「んー何がー?なんも見えないけど?」
梨子「!見えないって事はエア千歌ちゃんに成功した……やった!」
千歌「いや梨子ちゃ……」
梨子「ち、千歌ちゃんっ!」
千歌「うん!?」
梨子「て……て、手……繋いでくれ、る……?」
千歌「へ?」
梨子「エア千歌ちゃんが成功したらやりたい事色々考えてて、えっと手を……。嫌なら、あの……」
むつ「空想なんだから聞かずにやっちゃえばいいじゃーん」
梨子「……あ、握手して千歌ちゃん!」
千歌「あ、はい」ギュッ
梨子「!すごい、本物みたいにあったかい!」
千歌「………………」
むつ「……ぷっ」 千歌「えーっとこれは……」
梨子「つ、次はこれ! はい!」
千歌「これはサンドイッチ?をどうすればいいの?」
梨子「あ、あーん、って……して」
千歌「あーん……って!?」
千歌「」チラッ
むつ「」サムズアップ 千歌「あ、あーん」
梨子「んっ」パクッ
「えへへ、おいしい……」
千歌(満面の笑みだ……)
むつ「梨子、さっきから積極的ですなあ」
梨子「むっちゃん。今ね、エア千歌ちゃんを」
むつ「どーよ梨子の可愛いさは!ニクイねえ、このこの!」
千歌「え、いや、あの、その」
梨子「……あれ?むっちゃんもエア千歌ちゃん見えてるの?」
むつ「エアもなにもこれはホンモノのガチ千歌だよ。普通すぎて顔忘れちゃった?」
梨子「…………え。てことはさっきまで私がいろいろしてたのは」
千歌「あ、あはは……。一週間ぶりだね、梨子ちゃん」
梨子「………………」プシュー
千歌(そこから先は一瞬だった)
(私が見たのは緩んだ梨子ちゃんの表情がだんだん真顔になっていき、そして真っ赤になっていく様……)
(かと思ったら次の瞬間、梨子ちゃんが目の前から消えていた)
(横を風が通り抜けて行ったような感覚のあと、教室のドアが勢いよく開いた)
(ドアの外からは、遠ざかる声にならない悲鳴)
(教室に残ったのは、床で笑い転げているむっちゃんの爆笑だけだった……) 千歌(……梨子ちゃんには部活に出るようにむっちゃんから伝えてもらうことになった)
「これで大丈夫……だよね?」
「次の人を呼びに行こうかな」
「………………」
(いいもん見れたな……うん) 数日前
曜「果南ちゃんは唯一、私が布教する前からエア千歌ちゃんを考案していた」
ルビィ「曜ちゃんの他にもそんなモノを思いついた人がいるの……?」
曜「果南ちゃんのエア千歌ちゃんも私が考案したものとほぼ同じ。不運にもね」
「……いえ。これは千歌ちゃんという存在が起こしたミラクル、奇跡と呼べるのかもしれない」
ルビィ「奇跡的なアレが不運にも同じ時代に生まれてしまった……」
曜「まあ結局のところ、果南ちゃんのエア千歌ちゃんは我流であり邪道」
ルビィ(曜ちゃんのも我流であり邪道じゃないのかな) 現在
果南「本当に千歌なの?幻なんじゃないの?」
千歌「むしろ今まで見てた方が幻だよ」
果南「この顔、姿、仕草、声、匂い……確かに間違いなく千歌だ!」
千歌「う、うん。最初からそう言ってるんだけど……」
果南「病気治ったんだね。良かった。ううっ……!」
千歌「ちょ、ちょっと。なんで泣いてるの?」
果南「ごめん。千歌に会えたのが嬉しくて……」
千歌「果南ちゃん……」
果南「大変だったんだよ……。千歌がいない間さみしくて、新曲の振り付け考え中も何回かサザエ砕きそうになった」
千歌「漁師さんが泣くよ……」 果南「しかしどうしてわざわざここに?私に会いに来たの?いや会いに来たんだね分かる。幼馴染なんだから」
千歌(確かにそうとも言えるんだけど答えるのが怖い)
「メンバの皆が出席してないって聞いて今探して回ってるんだ。どうもその原因がエア千歌ちゃんにあるらしくて」
千歌「もしかして果南ちゃんが流行させた張本人なの?」
果南「え?絶望の中を生き抜く為にエア千歌を編み出したけど流行なんてさせてないかなん」
千歌「じゃあ黒幕は他の人……消去法で曜ちゃんだ。間違いない」
(ていうか二人とも同時にそんなモノ思いついたのか……嫌なミラクルだな)
果南「そうなんだ…。曜がエア千歌を……」
「……ぷっ。妄想もそこまでくるとお笑い草だね。千歌!」
千歌「そっちは壁だよ。果南ちゃん…」 千歌「じゃあ曜ちゃんを探そう。こんな事した理由を問い詰めないと」
果南「あっ、曜なら見かけたよ」
千歌「本当?一体どこに」
果南「体育館から何かを持って屋上に戻っていったのを見た」
千歌「なるほど屋上だね。行ってくるよ。果南ちゃんは部室に……」
果南「私もいっしょに行くよ。てか行かせて…離れたくないんかなん。お願い」
千歌「う、うん分かった」
(必死過ぎて断れなかった……) 二、三日前
曜「エア千歌ちゃんを会得するには修行が必要。特別にその方法を教えてあげるよ」
ルビィ「………………」
(もう何か言う気にすらなれない……)
曜「私はまずエア千歌ちゃんをしようと決めてからはイメージ修行をした。最初は実際にこれを一日中いじくっていたの」
つ千歌の練習着
ルビィ「………………」
曜「とにかく四六時中。目をつぶって触感を確認したり、ずーっとただながめてみたりなめてみたり、音を立てたり嗅いでみたり」
「しばらくしたら毎晩千歌ちゃんの夢を見るようになった。……いえ、これは前からそうだった」
「けどこのままじゃさすがにいけないと思って、泣く泣く練習着を真空保存して我慢する事にしたの」
ルビィ(返してよ……)
曜「でもそうすると今度は幻覚で千歌ちゃんが見えてきたの。さらに日が経つと幻覚の千歌ちゃんがリアルに感じられた」
「重みも温もりも囁く声も聞こえてくる。いつのまにか幻覚じゃなく、自然と具現化した千歌ちゃんが出ていた」
「これがエア千歌ちゃんの極意……どう?出来そう?」
ルビィ「警察と精神病院に行くことをお勧めするビィ……。そして二度と出てこないで……」 現在
千歌「………………」
果南「で、その時の修行に使ったのがこれ」
つ千歌の中学制服
果南「これがエア千歌の真髄。分かった?」
千歌「……警察と頭の病院に行こうか果南ちゃん。ていうかなんで私の昔の制服を携帯してるの……」
果南「どこにしまってたか不思議でしょ?ふふっ、私、幼馴染だから」
千歌「どっちかっていうとストーカーだよ。制服は後で返し……いや燃やしといてね」
果南「あ、屋上に着いたよ」
千歌「えっ、うん。…………」
(今、ごまかされたような……)
「ともかく、曜ちゃんいるのかな。なんでこんな事をしたのか聞き出さないと」
果南「入ろう」 屋上
曜「やあ、千歌お帰り」
千歌「………………」
果南「………………」
曜「ふふっ、キミが帰って来たからかな。……お腹の中で蹴ったよ」ボテッ
果南「やるね……。エア千歌を極めてエア妊娠までやってるとは!」
千歌「これは想像妊娠っていうんだよ。果南ちゃん」 千歌「もうなんか、頭痛くなってきた……」
曜「そんな事でどうするの。もうすぐママになるのに」
千歌「泣きそうだよ……色んな意味で」
曜「そういえば名前をまだ決めてなかったね。今決めましょうか」
曜「千歌ちゃんと私から取って曜海とかどうかな」
千歌(なんで私のは名字から取ったの?)
「じゃなくてさ……。果南ちゃんからも何か言ってやってよ」
果南「私とだったら千南とかどうかなん」
千歌「やっぱり黙ってて」 千歌「!!曜ちゃんも果南ちゃんも手遅れだ。どうしようもない……」
「ゴメン鞠莉ちゃん、花丸ちゃん、ルビィちゃん、ダイヤさん、みんな……。希望なんてなかった」
果南「千歌……分かってるって。冗談はここまで」
千歌「え?」
果南「曜。こんな狂ったままごとはもう終わりだよ。千歌は帰ってきたんだよ」
「私達はもう現実を見るべき」
曜「……現実?違うよ、私は現実を見てるし現実に生きてる」
「私と千歌ちゃんはあんな事やそんな事、あんあんな事して新しい命を授かったの!」
千歌「本人を前にして言うのやめてくれない?」
果南「違うよ。全ては夢だったかなん。楽しかったけど現実じゃない……」
「本当の千歌はここにいるだから!」
千歌「果南ちゃん……」
「………………」
(その指先が海洋生物に向かってなかったら百点だったよ) 曜「な、千歌ちゃん……? 違う、私は!」
「この子を……曜海を育てないといけないんだよ! 分かって千歌ちゃん!」
果南「くっ、この意志の強さ……。これが子を持つ母親の覚悟……!?」
千歌「それは違うよ。あと曜海は、絶っ対に却下」
(でもこのままじゃダメだ、考えるんだ……)
(いくら曜ちゃんが想像妊娠するようなド級のキチガイでもこんな短期間で妊娠する事はありえない)
(あのお腹のふくらみには何か秘密があるはず)
「……そういえば」 果南『あっ、曜なら見かけたよ』
千歌『本当? 一体どこに』
果南『体育館から何かを持って屋上に戻っていったのを見た』
千歌(……屋上には体育館にあるような物は見つからない)
(という事は、あのふくらみは!)
千歌「果南ちゃん!曜ちゃんのお腹を調べて!」
果南「お腹を? 了解!」
曜「……!ちょっと、やめて!」
果南「中に誰もいないかなん!?オラァッ!!」ドガッ
曜「うっ!!」
千歌「腹パンは言ってない! そこまでやれって言ってない!」 ポン、コロコロコロ……
果南「えっ、これはバスケットボール……?」
曜「!しまった……!」
千歌「やっぱりね。体育館から持ってきていたのはこれだったんだ!」
「これが事件の全貌だよ」
「曜ちゃんはバスケットボールを服の下に入れる事で妊娠を偽装した……」
「これがエア千歌ちゃんの正体だったんだよ」
「そしてこの騒動の黒幕もあなただ!渡辺曜ちゃん!」
曜「くっ!」
千歌「どうやら反論は無いみたいだね……」
曜「っ……!」
千歌(……これで決まった)
曜(……フルネームで呼ばれるの嬉しい……!) 曜「千歌ちゃんの癖に生意気……いえ。流石千歌ちゃんだね」
千歌「曜ちゃん。どうしてこんな事を」
曜「……寂しかったの。千歌ちゃんがいなくなって、いつのまにか私の中で大きな存在になっている事に気づいたの」
千歌「えっ、う、うん。そっ、そうなんだ」
果南「それでエア千歌なんて事を……」
曜「エア千歌ちゃんを流行らせた理由は空想の千歌ちゃんを皆にも認めてもらうため」
「私だけがトチ狂ってるんじゃ……あまりにも情けないでしょう」
千歌「それは……結構メイワクな理由だね」 曜「……私の処遇は好きにして。覚悟は出来てる」
千歌「………………」
果南「曜……」
千歌「じゃあ……とりあえずちゃんと部活に出てくれるかな。それさえ守ってくれればいいよ」
曜「……えっ?」
果南「千歌?」
千歌「腑に落ちないけど事の発端は私が休んだ事らしいし。それに私も休んでる間はみんなと会いたかったから」
「まあ今日は人がいないし、今から活動は無理みたいだけどね」
曜「…………。ありがとう、千歌ちゃん」
果南「……ふふっ。これにて一件落着かなん!」
曜「本当にごめんなさい。みんなにも謝らないといけないね」
千歌「解決して良かったよ。じゃあ三人で部室に……」 ガシッ
千歌「え?なんで二人とも私の腕を……」
果南「それにしても千歌も私達に会いたがっていたとは気づきかなかったかなん」
曜「ところで今日の活動はもう無理らしいね」
千歌「……あの、離して。動けない……!」
曜「今からエア千歌ちゃんじゃなくて……」
果南「本物の千歌を……」
曜「会えなかった一週間分!」
果南「堪能させてもらうかなん!」
千歌(…………た)
千歌「助けて!助けてぇ!あああっ!…………」 翌朝
ワイワイ
ガヤガヤ
ダベダベ
鞠莉「おお、今日はみんな来ているみたい!」
花丸「きっと千歌ちゃんのおかげずら!」
曜「ふふ……やはり本物が一番だね」ツヤツヤ
果南「うふふ、そうかなん。エア千歌とか今考えると馬鹿みたい」テカテカ
ルビィ「……引き換えに哀れな犠牲があったみたい」
花丸「ところで千歌ちゃんは?まだ来てないずらか?」
鞠莉「ああ、さっき連絡があったのだけど……」
「過労で倒れたみたい。病みあがりという事もあって大事をとって一か月ほど入院するそうよ!」
曜「千歌ちゃんが……?」
果南「休み……?」
ルビィ「ねぇ、ちょっと待って、それは……!」
曜「あっ、んあああっ、千歌ちゃぁぁぁぁんん!!」
果南「会いだいかなぁぁぁぁぁっん!!」バリバリ
ルビィ「奇声を上げないでぇぇ!サザエ割らないでぇぇ!頼むから早く戻ってきてぇぇ、千歌ちゃぁぁん!!」
fin 乙
なんかこの2行目に空白入れて「」の位置を合わせる感じすごい読み馴染みある気がするなー
μ'sでも何か書いてた? >>48
また置き換えかよしうまい最低だな
こういうことされると下手に作者褒めづらくなって迷惑なんだが >>48
別に良いんじゃね
俺も過去作の再録とかよくやるし でもこのしうまい>>48じゃないだろうから再録とは別じゃない
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