夏休みは旅行の時期でもあり、摩訶不思議な現象に見舞われるというのです。
そんな私にも夏休みがやってきたのですが、先輩率いる『オカルト研究部』は研究合宿を称して旅行することになったのです。

とは言え、私と先輩である東條先輩の二人っきりですが……。

希「なんか浮かない顔しとるなぁ」

海未「学校でのアレコレを忘れたいのですが……何故、オカルト研究部の旅行に参加しなければならないのですか……」

希「これはね、日本中にあるオカルトスポットを回って研究してレポートとして文化祭で発表するんよ」

海未「今やらなくても良いじゃないですか……」

希「いつ起きるか分からんし、あのいけ好かない国木田さんとかいう寺生まれの転校生に邪魔されるのは嫌やし」

海未「はぁ、あの時の事を未だ引き摺ってるのですか?もしあの時、来なかったらあの悪霊に引き摺り込まれて帰れ……」

希「忘れたん?うちには時間を操る力があるって」

そんな会話をしながら、私たちは首都高へと入って行き夏の帰省するファミリーカーと共に南下していった。


『パスポート21は第一生命。第一生命が午後1時をお知らせします』


『音ノ木RADIO!』

『この番組は皆さんからのお便りをお待ちしております。郵便番号101、東京都千代田区外神田x-xx-x、音ノ木坂FM『音ノ木RADIO お便り係』までお送り下さい」

『皆んなからのお便り、お待ちしてるよ!』


『この番組は第一生命、他各社の提供でお送りします』

カーステレオから流れるラジオに耳を傾けて、移り変わる風景を見ながらただ揺られて終わりの知らない旅行に行くのであった。


???「性懲りのない奴らずら……どうせ、心霊スポットに行ってレポートを称してトラブルに巻き込まれに行く」


後を追いかけるあの子の事を知らずに……。


【続かない】