絵里「海未の秘密知ってるわ」
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海未「カマをかけているのですか?絵里に話していないことなんていくらでもあります」
絵里「じゃあ、そのうちの一つを知られたということね」
海未「聞きましょう」
絵里「園田海未は、───」
絵里「…………」
海未「トリビアの泉みたいなタメやめてください」
絵里「知ってるのね」 海未「好きな番組でした」
海未「コホン、それで?」
絵里「園田海未は、───海の日を海未の日と称し幼馴染に祝わせている」
海未「……」
絵里「へぇ〜、へぇ〜」
海未「え?何かおかしいですか?」
絵里「は?」 海未「海未の日と言っているのですから、私のために作られた日に決まっています。お祝いされてもなにも文句はないでしょう」
絵里「いや、誕生日でもないし、海未が生まれる前からあった祝日でしょう……」
海未「2010年で言えば私が生まれた後くらいに施行された祝日なので実質私のための日です」
絵里「……」
海未「絵里も私に何かお祝いをするのが道理では?」
絵里「おめでとー」
海未「ふふ、ありがとうございます///」テレテレ
絵里(何この子) 海未「プレゼントはバイト代1ヶ月分くらいで構いませんよ」
絵里「婚約指輪じゃないんだから」
絵里「……まあでも、いいわよ」
海未「え?」
絵里「給料1ヶ月分は出す気しないけど、何か買ってあげる」
海未「どうしたんですか突然、そんな、悪いですよ」
絵里「どうしていきなり謙虚になるのよ」 絵里「誕生日とかは色々プレゼントしたことなかったけど、なんでもない日に海未にお金を使いたくなって」
海未「自分のために使ってください」
絵里「もちろん自分のために使ってるわ。でも働き者だからそれでも余るのよ」
絵里「ゼミや部活、おまけに日舞が本格的になって忙しい海未ちゃんのために、個人的なご褒美をあげたくなったの」
海未「絵里……」
海未「では……スーパーに行きたいのですが」
絵里「……?いいけど……」 絵里「カゴは私が持つわ」
海未「……」ドキ
絵里「こんなことでドキドキしないでよ……」
海未「してないです」 絵里「で、何買うの?」
海未「お酒を」
絵里「へぇ、苦手なイメージあったけど意外」
海未「苦手ですよ。でも絵里は強いでしょう」
絵里「強いっていうか……飲む機会は多いわね」
海未「お酒に詳しい方に私でも飲めるお酒を選んでもらおうかと」 絵里「そういうことね……炭酸が苦手なんだっけ」
海未「我慢すれば飲めないことはないですが、できれば……」
絵里「じゃあ……このあたりから適当に買いましょう」
絵里「これくらいでいいかしら。じゃあレジ行きましょ」
海未「おつまみは?」
絵里「え?」 海未「買わないのですか?食べるものがあったほうがいいでしょう」
絵里「そりゃいいでしょうけど、たくさん買ったら帰り重くなるわよ。海未の家遠いのに」
海未「何言ってるんですか。絵里の家に行くに決まってるでしょう」
絵里「え……ウチで飲む気?」
海未「海未の日ですから。いいですよね」
絵里「悪くはない、けど……お部屋掃除しないと……」
海未「うふふ」 絵里「どうぞ、あがって」
海未「お邪魔します」
海未「台所借りますね」
絵里「おつまみっぽいの買わなかったからまさかと思ったけどやっぱり作るのね……」
海未「温かい方が美味しいでしょう」 絵里「何か手伝おうか?」
海未「テレビでも見ていてください」
絵里「一応海未へのご褒美のつもりなんだから、私がやるべきじゃ……」
海未「私へのご褒美として、私の手料理を大人しく食べてください」
絵里「……わかったわ」 海未「なんですか、てっきり普段から胸パッドを使ってるのを暴露されるのかと思いましたのに」 海未「お待たせしました」
絵里「よくこんな一度に何品も作れるわね」
海未「これでも小さな頃から料理を仕込まれていますので」
絵里「将来和服着て居酒屋やってそう」
海未「それも楽しそうですね」 海未「お酒は……」
絵里「ちゃんと冷やしてあるわよ。海未のはこっち」
海未「……なんか、絵里のは高価そうなのですが」
絵里「何日かに分けて飲むつもりだし……海未が飲んでもすぐに酔うわよ」
海未「む……」
絵里「ま、それが大丈夫だったらちょっとだけ飲ませてあげる」 海未「それでは……」
絵里「いただきます」
海未「乾杯じゃないんですか?」
絵里「あまりにも海未の作るおつまみが本格的すぎてもうご飯食べる気でいたわ。乾杯〜」
海未「んく……」
絵里「飲める?」
海未「はい。そんなにキツくないですね、アルコール感もありませんし……」
絵里「あら、もしかして結構強いんじゃない?」
海未「そ、そうでしょうか……///」
絵里「サークルとかゼミで危ない目にあってないんでしょ?それなら全然大丈夫よ」 海未「それはともかく、よかったら……温かいうちに」
絵里「そうね。あむ……ん」
絵里「おいしい……!!」
海未「本当ですか!?」
絵里「これ、鶏肉よね?味付けがしっかりしててお酒に合うわ」
海未「上手にできて良かったです」
絵里「料理が得意なのは知ってたけど、よくおつまみなんて作れるわね」
海未「結婚した時の為ですよ。本当は夫になる方に食べてもらうものですから」
絵里「…………///」
海未「別に他意はありません///」 これは良いえりうみ
落ち着いた中に茶目っ気のある空気感がいいんだよなあ…… 海未「こくっ……」
絵里「だいぶ様になってきたわね」
海未「はい。炭酸が入っていないので抵抗はないみたいです」
絵里「……ん?」
絵里「海未、誕生日3月よね?」
海未「ええ、そうですよ」
絵里「今何年生?」
海未「2年生です」
絵里「……しまった」 海未「ふふ、今更気づいたのですか?」
絵里「思ってたより不良ね」
海未「そうです。みなさんが思っているより、ずっと」
海未「穂乃果やことりは私を守るべき友人として。他の友達からは頼れる存在として扱われてきました」
海未「でも絵里は……幼馴染とも、他の方とも違うんです」
海未「だから、絵里に頼んだのですよ」
絵里「それは私が海未にとって悪影響のある人物だということかしら」
海未「ふふ、そういう捉え方もできますね。これからも今のままで居てください」
絵里「…………」
海未(知らない刺激を教えてくれる、大切な人……なんて恥ずかしくて言えませんからね) 海未「……」ポー
絵里「酔ってる?」
海未「そう見えますか?」
絵里「見える見える。顔真っ赤よ」
海未「顔が赤くなるだけですから大丈夫です……」ゴク
絵里(動けなくなったら家に泊めればいいか) 海未「絵里のそれ」
絵里「ん?」
海未「飲んでみたいです」
絵里「海未の今飲んでるそれとはだいぶ味が違うわよ」
海未「それでも構わないので」
絵里「……ちょっとだけね。たくさん飲むと倒れそうだし」
海未「ん……ん!!」ドクン
絵里「大丈夫?吐き出してもいいのよ」
海未「……ごくっ。ふぅ…………」
海未「……確かに、キツいですね」
絵里「このお酒はもう少し海未が慣れてからね」 海未「すみません。少し横に……」
絵里「私のベッド使っていいわよ。セミダブルだから後で私も入れるし」
海未「だ、だめです。お泊まりなんて」
絵里「さっきから泊めるつもりだったわよ」
海未「……!まさか、この為に私を酔わせて……!!」
絵里「海未が勝手に酔っ払ったんでしょう。おばさまには私から連絡しておくから大人しく寝なさい」トン
海未「……」ポフ
海未「……柔らかいです」
絵里「気に入ったようでよかったわ」 絵里「……」モグモグ
海未「そんなに美味しいですか?」
絵里「えぇ。これを食べたら海未の作ってくれたものは全部完食よ」
海未「たくさん食べると寝れなくなりますよ」
絵里「大丈夫。私も眠くなってきたしすぐに海未の隣に行くわ」
絵里「……ごちそうさま。また色々食べさせてね」
海未「はい。いつでも」ニコ 絵里「さてと……海未、ちょっと寄りなさい」
海未「や、やっぱり入ってくるのですね」
絵里「当然よ。私のベッドなんだから」モゾ
海未「……//」
絵里「何も緊張しなくていいじゃない」
海未「緊張なんて、していません///酔ってしまったので体が熱くなっているだけです」
絵里「そう。私はドキドキしてるわ」
海未「えっ!?」 絵里「あなたみたいな素敵な女の子と一緒のベッドで寝るなんてドキドキしない方がおかしいじゃない」
海未「素敵!?そんなの、絵里の方が、魅力的です……///」
絵里「へぇ、私のことそういう風に思ってくれてたんだ」
海未「も、もう寝ましょう……?これ以上話していると余計なことを言ってしまいそうです///」
絵里「わかったわ、お休みなさい」ピッ 海未「……」ドキドキ
絵里「……」
絵里「……ひとつ、私の秘密聞いてくれる?」
海未「……はい」
絵里「今、部屋の電気全部消して真っ暗にしてるけど、いつもはつけっぱなしで寝てるのよ」
海未「……私は真っ暗のほうが助かります」
絵里「そうだと思ったわ。でも私、全然不安じゃないの」
絵里「海未がとなりに居ると、すごく安心する……」ギュッ
海未「絵里…………」
ギュッ チュンチュン
絵里「いっ……」ズキ
絵里「流石に昨日は飲みすぎたかしら。あれ、海未……」
トントントン
海未「おはようございます、絵里」
絵里「おはよう。早起きね」
海未「暑くて……下のコンビニで朝ごはん買ってきました」
絵里「……」
海未「どうかしましたか?」
絵里「いえ、なんだか……お嫁さんにしたくなったわ」
海未「冗談ですよね?」
絵里「海未の判断に任せるわ」 絵里「それにしても、海未の日のご褒美のつもりだったのに、いつのまにか私がこんな施し受けちゃって申し訳ないわ」
海未「では『絵里の日』を作って昨日みたいなことをしましょう」
絵里「いいわよ。ていうか毎日してもいいわ」
海未「……構いませんよ、毎日でも」
絵里「……!?///」
海未「ふふ❤」
おわり 続きが来てくれてよかった
ほのぼのな感じが好きです 乙です、良いえりうみだった……
普段は真面目な2人が互いをからかうような砕けた会話してるのほんと好き ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています