愛奈「異世界に飛ばされちゃった!?」すわわ「ほえー」有紗「ふーん」
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杏樹「うーん……んんっ、いけない寝落ちしちゃってた……」
杏樹「って外!?」
朱夏「んー、あんじゅうるさーい……ふわぁ」
朱夏「ていうか何であんじゅの声が……え、ここどこ?」
杏樹「しゅか!……って、えぇっ?」
朱夏「あんじゅじゃーん、ってはいー!?」
かなこ「もー騒がしいなぁ……」
梨香子「うるさいw」
小林「何で皆んなの声がするのー?」
ふり「お泊まり会なんてやってたっけー?」
すわわ「んぁ……」
有紗「んーZzz」
愛奈「あれぇ?何で皆んな居るの?」
9人「「「……」」」」
9人「「「何その格好!?」」」 杏樹「えっと、状況を整理します」
杏樹「皆んなの話をまとめると、昨日は全員まっすぐお家に帰って」
杏樹「そのままバタンキューしましたと」
朱夏「練習ハードだったからね」
有紗「くたくただったー」
杏樹「それで次に目が覚めたらここに居たわけだね」
かなこ「ここどこだろうね」
ふり「見渡す限り草原って感じ」
小林「場所もそうだけどさ、皆んなのその格好……」
梨香子「コスプレ大会かと思ったw」
愛奈「こんなライブ衣装あったっけ?」
すわわ「無いと思う」 有紗「ねーねー、あっちの方に街があるみたいだよー」
杏樹「本当?」
有紗「行ってみようよ」
かなこ「さんせー」
杏樹「でもこの状況がいまいち理解出来てないのに無闇に動き回って良いのかな」
すわわ「杏樹」
杏樹「おすわ?」
すわわ「情報を集める為にも行った方が良いよ」
すわわ「それに、ここも多分そんなに安全じゃない」
杏樹「えっ?」
獣の群れ「ガルルルル……」
杏樹「あ、あぁ……」 すわわ「早く逃げないと囲まれる」
朱夏「待って待ってやばいって」
小林「ほ、本気?」
杏樹「……逃げよう」
杏樹「皆んな、いちにのさんで全速力であの街に向かって走るよ」
8人「……」コクリ
杏樹「いち――」
杏樹「にの――」
杏樹「さん!」
杏樹「走れーーー!!!」ダッ
獣「バウッ!」ダッ
かなこ「追いかけてきたー!」
杏樹「前だけ見て!」
愛奈「あっ」コケッ
朱夏「にゃー!」 愛奈「いったぁ……」
獣「ガルルルル……」
愛奈「ひっ……」
杏樹「あいな逃げて!」
小林「ダメ!いやーーー!」
有紗「……」タッ
すわわ「……」タッ
杏樹「ありさちゃん!?おすわ!?」 獣「ガルルル……」
愛奈「いやっ、助けて……」
獣「ガァァァァァ!」
愛奈「助けてーーー!」
シュッ
ブゥゥゥゥゥゥン
獣「……!?」ビクッ
愛奈「えっ……?」
有紗「おー、追い払えた」
すわわ「ギリギリセーフ」
愛奈「ありしゃ……?すわわ……?」
有紗「もう大丈夫だよ」
すわわ「怖かったね、愛奈」
愛奈「う、うわ〜〜〜ん!!!」
有紗「よしよし」 小林「群れが逃げてく……」
朱夏「ありさとおすわにびびったのかな」
かなこ「あんな俊敏なおすわ初めて見たわー」
ふり「ていうかおねえちゃんたち何それ?何その剣?」
有紗「何か腰についてた」
すわわ「うむ」
杏樹「腰についてたでいきなり振り回せるものじゃないでしょ!?」
有紗「んー、愛奈がピンチだと思ったら身体が勝手に動いた的な?」
すわわ「同じく」
梨香子「何それw」
杏樹「はーー、まぁとにかく全員無事で良かったよ」
杏樹「とりあえず街に行こっか」 〜街〜
町人A「……」
町人B「……」
町人C「……」
杏樹「何か、空気がどんよりしてるね」
朱夏「一応聞こえてくる言葉は日本語っぽいけど……」
かなこ「日本にこんな場所あったかな?」
ふり「無いんじゃないかなー」
小林「とりあえず情報を集めたいよね」
杏樹「あれ、そういえばりこちゃんは?」
すわわ「有紗もいない」
朱夏「人騒がせな2人なんだから……って居たー!」
杏樹「何で酒場に居るの!?」
かなこ「お腹空いたんじゃない?あの2人のことだし」
ふり「自由人にも程があるって!」 〜酒場〜
カランカラン
杏樹「こらー!2人ともー!」
梨香子「あんちゃんw」
杏樹「勝手に離れちゃ駄目でしょ?」
有紗「お腹空いちゃって」
かなこ「やっぱり」
ふり「期待を裏切らない」
マスター「へいお待ち」
朱夏「って頼みすぎでしょ」
小林「どんだけ食べるつもりなのよ」
愛奈「そういえばお金って使えるのかな?」
杏樹「あっ!」
有紗「……」モグモグ
梨香子「……」モグモグ すわわ「……」ジーーー
すわわ「メニューに円って書いてない」
杏樹「え〜!?」
かなこ「うわー、このままじゃ無銭飲食じゃん」
ふり「皿洗いするしかないね」
マスター「嬢ちゃんたち、お金無いのかい?」
杏樹「えぇっと、その、はい……」
マスター「良いよ良いよ、別に。お金なんて意味無いんだし」
杏樹「えっ?」
有紗「ねーねー、1つ言って良い?」
朱夏「どうしたのありさ」
有紗「これすっごくまずい」
梨香子「不味いw」
朱夏「タダ食いしてそれは流石に失礼すぎでしょ」 有紗「いやいやまずいって。食べてみなよ」
朱夏「まずいって言われてるものを食べたくはないんだけど……はむっ」
朱夏「……」モグモグ
朱夏「まっず!」
杏樹「あわわわ、ごめんなさいごめんなさい!悪気は無いんです多分!」
マスター「まぁ事実だから気にもしねぇよ。美味しい料理は、もう作れやしないんだし」
小林「どういう意味です?」
マスター「魔王に支配されてからこの街は変わっちまってね」
マスター「“楽しい”とか“嬉しい”とか、プラスの感情がごっそり奪われたのさ」
マスター「昔はこの街も活気があったんだけどねぇ」
小林「ま、魔王?」
ふり(ねーやばいって、何を言い出すかと思ったら魔王とかかなりキテるよ)ヒソヒソ
かなこ(これ何かの撮影?ドッキリにでも引っ掛かってる?)ヒソヒソ マスター「嬢ちゃんたち、見たところ旅芸人か何かだろ?」
杏樹「旅芸人って……」
マスター「悪いことは言わねぇ、うちらみたいになる前にとっとと立ち去った方が良い」
朱夏「そうしたいのは山々と言いますか」
有紗「……ねぇマスターさん」
マスター「なんだい?」
有紗「このお店の厨房とか食材使っても平気?」
杏樹「ありさちゃん?」
マスター「良いけど何する気だい?」
有紗「あいなちゃん、この人に何か作ってあげてよ」
愛奈「わ、私?」
有紗「うん。あと私にも何か作って」
小林「そっちが本音でしょ」 〜数十分後〜
愛奈「出来ましたー」
朱夏「おー、いつ見てもにゃーのオムライスは美味しそうだねぇ」
愛奈「皆んなの分も作ったから食べて食べてー」
かなこ「気が利く〜」
愛奈「はい、マスターさんもどうぞ」
マスター「オムライスねぇ」
マスター「申し訳ねぇが、もう何かを食べて“美味しい”って感情は出てこねぇんだよ」
マスター「折角作ってもらったのに、何も感想は言えんぞ?」
有紗「良いから、食べてみて」モグモグ
マスター「はぁ……じゃ、いただきます」モグモグ
マスター(やっぱり、何も……)
マスター「……っ!?」
マスター「か、かはっっ。あぁぁぁぁ!」
愛奈「マ、マスターさん?」 愛奈「え、どうしよ。お口に合わなかったかな……?」オロオロ
マスター「ち、ちげぇ!これは、このオムライスは絶対に美味い……!」
マスター「でも、“美味しい”って感情が心のどこにも無いんだ……!」
マスター「ちきしょぉ!美味いって、心の底から美味いって言いてぇよぉ!」
愛奈「マスターさん……」
有紗「……」モグモグ
有紗「……決めた」
杏樹「ありさちゃん?」
有紗「美味しいと思うものを美味しいと言えない世界なんて、私は嫌」
有紗「魔王を倒して、この街の人たちを助けよう」 杏樹「え、えぇぇぇ!?ちょちょちょちょっと待ってよ姐さん!」
杏樹「話がぶっ飛びすぎてて理解が追いつかないんですけど!」
杏樹「まず魔王ってのがそもそも理解出来ないし」
杏樹「それに倒すって?どうやって?私たち声優だよ!?」
有紗「それなんだけどさー、皆んな薄々気付いてるんじゃない?」
杏樹「な、なにを?」
有紗「私たちの格好、明らかにおかしいよね」
有紗「それに見知らぬ街、見知らぬ世界。マスターさんの話」
有紗「私たち、異世界に来てね?」 ふり「……まぁ何となくそんな気はしてたけどさ」
かなこ「魔王ってワードでもうビンゴだよね」
杏樹「で、でもぉ!そうだとしても魔王を倒す力なんて……」
???「あるよ」
杏樹「だ、誰!?」
???「おねーさんたちにはその力がある」 マスター「誰かと思えば占いのババァじゃねぇか」
占い師「……」シュッ
マスター「うわ、投げんな!」
占い師「言葉には気をつけた方が良いやん?」
マスター「は、はいぃ」
杏樹「タロットカードが……」
朱夏「壁にめり込んでる……」
占い師「ところでおねーさんたち」
杏樹「は、はい!」
占い師「……」ジーーー
杏樹「な、なんでしょうか」
占い師「なるほどなるほど、良い脚してるやん」サワサワ
杏樹「ふぇっ///」
梨香子「ちょっとちょっと、あんちゃんにセクハラやめろよーw」
占い師「おっと、ウチとしたことがごめんごめん」
占い師「とりあえず、場所を移そうか」 〜大広場〜
かなこ「大広場ってだけあって広いねここ」
梨香子「ライブ出来そうw」
ふり「うちら以外だーれも居ないけどね」
占い師「さて、ひとまずありがとさん」
占い師「こんな怪しい占い師に言われるがまま付いてきてくれて」
小林「自分で怪しいって言うんだ……」
杏樹「あ、あの!まだ話が飲み込めないんですけど」
杏樹「いきなり現れて私たちには力があるって……どういうことなんですか?」
占い師「言葉通りやん。おねーさんたちには魔王を倒す力がある」
杏樹「だから私たち、普通の人間で」
占い師「普通の人間がいきなり剣を振り回せると思う?」
杏樹「……っ!」 すわわ「見てたんですか?」
占い師「ポニテのおねーさんも、ホクロのおねーさんも気付いてるやろ?」
有紗「……」
占い師「自分の置かれてる立場が」
杏樹「どういう意味ですか?」
占い師「ポニテのおねーさんの剣、持ってみると良いよ」
すわわ「……気をつけて」
杏樹「えっ?……重っ!嘘でしょ!?」
杏樹「これを片手で振り回すなんて、ありえない……!」
占い師「でもポニテのおねーさんからしたら箸よりも軽く感じるやろ?」
すわわ「いや流石に箸の方が軽いけど」
占い師「まぁ冗談はさておき」
すわわ「おい」
占い師「それはポニテのおねーさんとホクロのおねーさんがそういうジョブだから」
占い師「良い脚のおねーさんは適正じゃない武器だからまともに持つことが出来ないんよ」 占い師「逆に……ここで良いや」
占い師「良い脚のおねーさん、この壁蹴ってみて」
杏樹「え、えぇ?」
朱夏「絶対怪我するやつじゃん」
占い師「まぁ良いから良いから。騙されたと思って」
杏樹「わ、分かりました」
小林「絶対騙されてるって!」
杏樹「ふぅ……はっ!!!」グルン
バゴオオオオオオン!!!
……ミシミシミシミシミシ
ガラガラガラガラガラガラガラガラ
ふり「か、壁が粉々に……」
杏樹「あわあわわわ」
占い師「ね?」
小林「こわっ!」 占い師「でもこれで分かったやろ?おねーさんたちには力があるって」
杏樹「だ、だけど……」
朱夏「仮に魔王を倒したとして、うちらに何かメリットはあるんですか?」
占い師「う〜ん、無い」
朱夏「無いんかい!」
占い師「ま、強いて言うなら……元の世界に帰れるかもしれないね」
9人「「「「えっ!?」」」
占い師「おねーさんたち、別の世界から来たんでしょ?」
占い師「ならこの世界のラスボスを倒してハッピーエンド」
占い師「元の世界に戻れるっていうのが物語の定番やん?」
杏樹「身も蓋もないですやん」 占い師「信じるか信じないかはおねーさんたち次第だけどね」
占い師「でもこの街にずっと居ても感情が失われていくのを待つだけ」
占い師「それが嫌なら見知らぬ世界で当てのない旅をするしかないね」
杏樹「むむむ……」
朱夏「……やるしかないんじゃね?」
杏樹「しゅか?」
すわわ「ここで手をこまねいてても、何も始まらない」
愛奈「私もそう思う」
ふり「もうどーにでもなれって感じだし」
かなこ「だったら可能性が少しでもある方に進もうよ」
有紗「少なくとも魔王倒さないとこの街にも長居出来ないし」
小林「長居する気は無いけどね」
梨香子「魔王やっつけて帰ろうw」
杏樹「皆んな……」 杏樹「よし!やろう!この街の人たちを助けよう!」
杏樹「それで絶対元の世界に帰るぞー!」
8人「「「おー!!!」」」
占い師「ふふっ、決まったみたいやね」
占い師「じゃあウチはこれで」
杏樹「あれ、占い師さん帰っちゃうんですか?」
朱夏「一緒に来てくれると思ったのに」
占い師「うーん、ウチが入ったら10人やもん」
占い師「おねーさんたちが魔王を倒してくれるのを祈ってるよ」
杏樹「……分かりました」 占い師「最後に、アドバイス」
杏樹「アドバイス?」
占い師「おねーさんたちにはそれぞれ役割がある」
占い師「その役割をちゃんと理解して、ちゃんと演じれば大丈夫だよ」
占い師「演じるのはおねーさんたちの得意分野やろ?」
杏樹「占い師さん、もしかして私たちのこと……」
占い師「さてね、カードがウチに告げてるだけや」
杏樹「は、はぁ」
占い師「じゃ、頑張ってね」
占い師「あ、肝心なこと忘れてた」
占い師「魔王は魔王城に居るから」
杏樹「その魔王城はどこにあるんですか?」
占い師「あっちの方角に見えるやろ?」
ふり「うわーお、いかにもって感じなお城」
杏樹「ク◯パ城みたい」
朱夏「うん……うん?」 杏樹「と、いうわけで。魔王退治に行くことになったわけですが」
杏樹「先ずは私たちそれぞれの役割について考えてみよっか」
かなこ「まぁ格好見れば大体の人は見当つくけどね」
小林「目が覚めてからずっと突っ込みたくて仕方なかった」
ふり「とりあえずあんちゃんは見たまんまだね」
朱夏「武闘家って感じ」
すわわ「回し蹴りやばかった」
愛奈「壁が粉々だもんね」
有紗「あんちゃんは怒らせないようにしないと」
杏樹「ちーがーうって!現実では絶対に無理だからね!?」 ふり「しゅかは何だろうね、戦士?」
杏樹「格好的にはそう見えるけど……」
朱夏「何かいつもより凄い俊敏に動ける気がするんだよねー」シュシュシュ
小林「み、見えない」
ふり「素早さ半端ねーなおい」
かなこ「回避壁の役割かな?」
杏樹「おぉ〜それっぽい!」
朱夏「何かよく分からないけどとにかく避けまくるぜ〜」 小林「梨香子は?」
梨香子「逢田さんヒーラーだしw」
有紗「えぇ……梨香子に務まるの?」
梨香子「バカにすんなよー」
かなこ「ヒーラーってことは神官とか?」
ふり「格好的にも態度的にも全然そうは見えないけど」
すわわ「朱夏が攻撃引き付けてヒーラーの梨香子がやられないようにしないとね」
梨香子「任せたw」
朱夏「任せろよー」
杏樹「大丈夫かな……」 有紗「あいあいはくノ一だね」
ふり「忍びの極意見せるでござる……なんつってな!」
かなこ「何か自分で撒いたまきびし踏みだしそう」
ふり「おいおーい、失礼なこと言うなー」
小林「そういうかなこは?」
かなこ「私は何だろうね、まだよく分かんないや」
ふり「それっぽい動きしてみなよ」
かなこ「え〜?……ほっ、よっ」
梨香子「何も起きないじゃんw」
かなこ「……はっ!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ふり「お、おぉ!?」 かなこ「何か手裏剣出来ちゃった。これ使いなよ」
ふり「いやいや使いなよじゃないし出来ちゃったでもないって!」
小林「杏樹が粉々にした壁の欠片が手裏剣になるなんて」
すわわ「錬成してるって感じ」
杏樹「きんぐ……錬成……」
愛奈「錬金術!」
かなこ「え、マジで?私ダジャレで役割決まったの!?」
小林「超ウケるんですけど〜」
ふり「で、きゃんは何なの?」
朱夏「格好的には魔法使いって感じ?」
梨香子「魔法見せてよw」 小林「見せてよってどうすれば見せれるのかも分からないんですけど」
ふり「かなこみたいにそれっぽい動きすれば?」
小林「うーん。えいっ!てやっ!」
シーーーーーーン
杏樹「何も起きないね」
有紗「本当に魔法使いなの?」
小林「いや私が言ったんじゃ」
ポン!ポン!
小林「な、なにごと!?」
ヨハちゃん1「ヨハッ!」
ヨハちゃん2「ヨハッ!」
小林「え、えぇぇぇぇ!?」
杏樹「うわ〜何この子たち可愛い〜」
かなこ「これってもしかして……」
ふり「きゃんが出した……?」
梨香子「召喚士じゃんw」 ヨハちゃん1「ヨハ〜」
ヨハちゃん2「ヨハヨハ〜」
小林「癒やされる……ここは天国?」
ふり「きゃん戻ってこーい」
有紗「可愛いのは良いけどさー、その子たち戦力になるの?」
ヨハちゃん1「ヨハッ!!」
ヨハちゃん2「ヨーーーハッ!」
梨香子「え?え?」
ヨハちゃん1「ヨハーーー!」ポコポコ
ヨハちゃん2「ヨハーーー!」ゲシゲシ
梨香子「痛い痛い痛いって!」
ふり「……とりあえず戦力にはなりそうで」
有紗「……焚き付けてごめん梨香子」
梨香子「見てないで止めろよー!w」 杏樹「それで最後は3年生だけど」
朱夏「ありさとおすわはそのまんまって感じだね」
ふり「ありさは姫騎士、おすわは騎士団長」
杏樹「2人とも凄い似合ってる!」
すわわ「えっへん」
朱夏「それでにゃーは……」
かなこ「うーん、王女?」
愛奈「あらやだ、そう見えるかしら?w」
小林「いやほんと見える見える」
杏樹「もっと言えばあいなを守ってるのがありさちゃんとおすわみたいな?」
朱夏「あー、にゃーのピンチに身体が勝手に動いたって言ってたっけ」 有紗「愛奈は私とすわわが守るよ」
すわわ「守る」
愛奈「え、めっちゃ照れるんですけどーwww」
愛奈(でも王女って何をすれば良いんだろ?)
ふり「何か甘い空間が広がってるんですけどー?」
梨香子「私もあいな守るしw」
杏樹「りこちゃんは守られる方でしょ」
小林「ヒーラーが真っ先に退場とかやんないでよね」
かなこ「やりそう」
梨香子「……w」
朱夏「ほいじゃ、全員の役割も分かったことだし」
朱夏「魔王城に向かってー全速前進……」
9人「ヨーソロー!」 〜魔王城〜
杏樹「ここが◯ッパ城……」
朱夏「うん、魔王城ね」
ふり「つーかうちら何もやってなくね?良いの?いきなりラスボスで」
小林「一応道中敵っぽいのとは遭遇したけど……」
ヨハちゃん52「ヨハッヨハッ」
ヨハちゃん53「ヨハー!」
ヨハちゃん54「ヨハヨハッ!」
愛奈「この子たちが全部倒しちゃったんだよね」
かなこ「自動戦闘も良いとこだよ」
有紗「しかも何か増えてるし」 杏樹「お城へはこの橋を渡っていけば良いんだね」
ふり「さっさと渡っちゃおうぜー」
ズシーン!ズシーン!
杏樹「な、なに!?」
朱夏「あんじゅ後ろ!」
巨神兵「グオオオオオオオオオオオオオ!」
杏樹「なんか来た!」
有紗「駄目!避けて!」
巨神兵「アアアアアアアアアアア!」
ズシーーーーーーーン
愛奈「きゃあっ!」
朱夏「んんっ、足踏みだけで凄い衝撃……えっ?」
杏樹「り、りこちゃん!」
梨香子「く、くるしい……」
杏樹「りこちゃんが……踏み潰されてる……」 朱夏「このー!よくもりかこをー!」
すわわ「朱夏!駄目!」
巨神兵「グワアアアアアアアアアアア!」
朱夏「ひっ!」
ズシーーーーーーーン
朱夏「む、ぅ……」
小林「そんな……朱夏まで踏み潰された……」
杏樹「2人を助けなきゃ!」
かなこ「待って皆んな見て!」
杏樹「えっ……あっ」
ガタガタガタガタガタ
すわわ「橋が……」
愛奈「崩れかけてる……」
有紗「今の振動が原因……?」 ふり「早く渡らないと魔王城の中に入れなくなるって!」
杏樹「でも……でも……りこちゃんとしゅかが」
梨香子「行って……あんちゃん……」
杏樹「りこちゃん?」
梨香子「しゅかと一緒に……後で絶対に合流するから……」
朱夏「へへっ、9人全員で……帰ろーぜ……」
梨香子・朱夏「だから行って!」
杏樹「……っ!」
杏樹「皆んな、行くよ!」
6人「……」コクリ
杏樹「りこちゃん、しゅか!絶対絶対後で会おうね!」 〜城内1F〜
杏樹「はぁ……はぁ……」
小林「なんとか渡りきった……」
有紗「橋はもう崩れ落ちちゃったね」
愛奈「2人とも大丈夫かな……」
すわわ「信じるしかないよ」
かなこ「ていうか早速ヒーラーと壁が退場するなんて」
ふり「このパーティーやばいね」
有紗「壁は私とすわわが代わりに出来るけど」
ふり「ヒーラーの代わりはなー」
杏樹「とにかく、皆んな気をつけて進もうね」
小林「ところで魔王ってどこに居るんだろうね」
かなこ「大体この手の話だと最上階に居るもんじゃない?」
杏樹「……登っていくのかぁ」
すわわ「……その前に」 ゾロゾロゾロゾロゾロ
ガーゴイルA「……」
ガーゴイルB「……」
ガーゴイルC「……」
ガーゴイルD「……」
ふり「おー何かいかにもお城を守ってます的なのがいっぱい出てきた」
有紗「うちらがここに居る時点でその仕事破綻してない?」
すわわ「ここから先は通さないって意味なんでしょ」
杏樹「上等だよ!あいつら倒して魔王のとこへ行こう!」
6人「おー!」 〜柱の影〜
すわわ「愛奈はここに隠れてて」
愛奈「う、うん」
有紗「大丈夫。すぐにやっつけてくるから」
愛奈「気をつけてね」
有紗「へーきへーき……せいっ!」
グサッ
ガーゴイル「ァァァァァァ!」バタリ
愛奈「ひっ……」
すわわ「有紗ナイス」
有紗「ごめん、愛奈には近づけないようにするから」
愛奈「うん……」
すわわ「よし、行こう」
有紗「おっけー」
愛奈「……」
愛奈(皆んな戦ってる……)
愛奈(何も出来ない私は、ここで隠れてるだけ)
愛奈(……悔しいな)
愛奈(王女の役割って、何なんだろ) 〜数十分後〜
小林「くそー!」
ふり「敵の数多すぎるんだよなー」
杏樹「ふっ!はっ!」グルン
ドゴォォォォォン
有紗「やーーー!」
すわわ「んっ」
ズシャアアアアアアア
かなこ「あの3人がどんどん削ってくれてるお蔭でなんとかなってるけど」
ふり「きりがないね!」
小林「それに杏樹たちだって……」 有紗「あいたっ」ツルッ
ガーゴイル「……!」
有紗「やばっ」
ズサッ
有紗「おー流石すわわ」
すわわ「こんなとこでポンコツしないでよ」
有紗「いやーお腹空いちゃって」
すわわ「……後で何か食べるものあげるから」
有紗「やったー!」
小林「……」
ふり「……」
かなこ「……」 小林「杏樹」チョイチョイ
杏樹「どうしたの?」
ふり「ここはうちらに任せて4人で先に行きなよ」
杏樹「え、えぇ!?」
かなこ「正直ジリ貧すぎてこのままじゃ全滅を待つだけだよ」
杏樹「で、でも」
ふり「うちらが倒れる前に、おねえちゃんたちが魔王を倒してくれればOKでしょ?」
有紗「あいあい……」
かなこ「倒れる気はないけどね」
小林「ま、こういうのは順番だからさ」
ふり「ちゃちゃっと魔王倒してきちゃってよ」 杏樹「皆んな……ごめん、ここは任せたよ」
小林「ほら行った行ったー」
有紗「あいあい!」
ふり「おー?」
有紗「……無理しないでね」
ふり「そっちこそ」
有紗「うん」
すわわ「有紗、行くよ」
有紗「……」コクリ 小林「行っちゃったね」
かなこ「そうだね……」
ふり「というわけで……きゃん!」
小林「えぇそうだと思いましたとも!」
小林「ヨハちゃん召喚!」
ヨハちゃん105「ヨハっ!」
ヨハちゃん106「ヨーーハーー!」
ヨハちゃん107「ヨハハ!」
ふり「ここからはFKTの独壇場なんだから!」 杏樹「……何か、寂しいね」
有紗「もう4人になっちゃったもんね」
すわわ「うん」
愛奈「あのっ!」
有紗「愛奈?」
愛奈「……ごめんなさい」
すわわ「何で謝るの?」
愛奈「私だけ、何も出来てない」
愛奈「皆んなが戦ってる間も、私はありしゃとすわわに守られてばっかで」
愛奈「何も出来ない自分が凄い情けない……」
杏樹「そんなことないよ」
愛奈「えっ?」 杏樹「あいなにはあいなの役割があるんだよ」
有紗「占い師さんが言ってたでしょ?私たちには役割があるって」
すわわ「愛奈はまだ自分がどんな役割なのか分かってないだけ」
すわわ「その時が来たら、愛奈は絶対に私たちを助けてくれるって信じてる」
有紗「だからそれまで、私たちが守り続けるよ」
愛奈「皆んな……ありがとう」
杏樹「見て、最上階に着いたみたい!」
すわわ「ほえー」
有紗「立派な扉だねー」
愛奈「この先に居るのかな?」
杏樹「開けてみよう」 〜大広間〜
有紗「うわー広っ」
???「クックックック」
杏樹「だ、誰!?」
???「異界の民よ、よくぞたどり着いたぞ」
有紗「異界の民って、私たちのこと?」
すわわ「私たちのことを知ってるの?」
杏樹「あなたは誰なの!?姿を現して!」
???「貴様らから我の所に来たというのに、我のことを知らぬというのか」
杏樹「私たちが?……まさかあなたが、魔王……?」
魔王「いかにも」 魔王「それにしても、見事だったぞ異界の民よ」
魔王「我が城の最上階までたどり着いた者は、貴様らが初めてだ」
有紗「それはどうも」
すわわ「それより、あなたはどこに居るの?」
魔王「クックックッ、良いだろう。ここまでたどり着いた褒美に教えてやろう」
魔王「我はこの先の玉座の間におる」
魔王「我に会いたいのなら……我を倒したいのなら、そこへ来るが良い」
魔王「もっとも、たどり着ければの話だがな」
杏樹「えっ?」 ズシーーン!ズシーーン!
杏樹「あ、あいつは……」
巨神兵A「……」
巨神兵B「……」
杏樹「城の入り口の奴……それも2体……」
魔王「玉座の間で会えることを、楽しみにしているぞ」ブツリ
杏樹「どうしよう……」
有紗「2体かー」チラッ
すわわ「……」コクリ
有紗「ま、順番だもんね」 有紗「あーあ、最後まで一緒に行きたかったんだけどなー」
すわわ「うむ」
杏樹「え?ありさちゃん?おすわ?」
有紗「愛奈連れて玉座の間に先に行って」
すわわ「ここは私と有紗が引き受ける」
杏樹「でも……!」
有紗「ここで全てを出してボロボロな状態で魔王と戦うよりも」
すわわ「少しでも可能性のある方に賭けたい」
愛奈「でもあんな強い敵に2人だけで挑むなんて……しかも2体だよ!?」
すわわ「敵が1体だったらここは有紗に任せてた」
有紗「え、そういうこと?」 杏樹「ありさちゃん……おすわ……」
すわわ「そういうわけだから、杏樹。愛奈を頼んだ」
有紗「愛奈を守る役目、全う出来なくてごめん」
杏樹「……行くよ、あいな」
愛奈「でも……」
杏樹「2人の想い、無駄にしちゃ駄目だよ」
愛奈「……分かった」
愛奈「ありしゃ!すわわ!待ってるから、絶対にまた会おうね!」
ありすわ「……」コクリ すわわ「行ったみたいだね」
有紗「いやーそれにしても、ちょっとかっこつけすぎじゃないですか諏訪さん」
すわわ「そっちだって」
有紗「……私たちが居なくなったら、愛奈悲しむよね」
すわわ「当たり前じゃん。他の皆んなだってそうだよ」
有紗「そっかー。じゃあ頑張ってまた会えるようにしないと」
すわわ「2人ともね」
有紗「えっ?」
すわわ「どっちかが欠けるのも駄目」
有紗「そうだね。じゃあ2人で生き残って、あいなちゃんを抱きしめにいきますか」
すわわ「賛成」 巨神兵A「……」ズシンズシン
巨神兵B「……」ズシンズシン
すわわ「……おしゃべりはここまで」
有紗「1人1体になっちゃうけど、やれる?」
すわわ「誰に言ってるのさ」
有紗「うそうそ。頼りにしてるから」
すわわ「とっとと倒して、愛奈たちに追いつくよ」
有紗「はーい」 〜玉座の間〜
魔王「ほほう、そう来たか」
杏樹「あなたを倒しにきました」
魔王「仲間を犠牲にしてでも我を倒しにくるとは、愉快愉快」
杏樹「犠牲になんかしてない!皆んな、後で絶対に合流するって……」
魔王「誰も居ないではないか」
杏樹「……っ!」
魔王「ここに居るのは何も出来ない小娘と」
愛奈「……」ズキッ
魔王「蹴ることしか脳にない小娘だけ」
杏樹「このっ……!」
愛奈「……っ!杏樹危ない!」
杏樹「!?」
闇の格闘家「……」グルン
ドォォォォォォォン!!!
杏樹「くっ……」
杏樹(何この蹴り……重すぎる!) 魔王「ほう、よく受け止めたな」
魔王「そいつは我の近衛兵でな」
魔王「もしもそいつを倒せたら、我が手合わせしてやろう」
闇の格闘家「……」シュッシュッ
杏樹「そん、な……」
闇の格闘家「……」グルン
スバァァァァァン!
杏樹「か……はっ」
愛奈「杏樹!」
杏樹「負け……ない……!」
杏樹「やーーー!」グルン
スバァァァァァン!
闇の格闘家「……!」ニヤリ
杏樹(効いてない……!?) 闇の格闘家「……」ガシッ
杏樹「んぐっ……」
杏樹(首を掴まれた……なにを……)
杏樹「えっ……」
闇の格闘家「オオオオオオオオオ!」ポイッ
ズガァァァァァン!!!
杏樹「がはっ!」
ズドオオオオオオオン
愛奈「そ、そんな!」
魔王「おいおい勘弁してくれよ、床に投げつけるのは良いけど」
魔王「でけー穴が空いちまったじゃん」
愛奈「あっ……あっ……」
魔王「下の下のそのまたずっと下まで貫通してやがる」
魔王「こりゃ生きてねぇな」
闇の格闘家「……」シュッ
魔王「なんだい、トドメでも刺しにいくのかい」
闇の格闘家「……」コクリ
魔王「刺す必要無いと思うけどねぇ」
愛奈「嘘だ……そんなの嘘だ……杏樹が……」 〜地下通路〜
ガシャアアアアアアアア
杏樹「うっ……けほっ」
杏樹「流石に、これはやばいかな……」
闇の格闘家「……」シュタッ
杏樹「あはっ、とどめを刺しにきたのかな」
闇の格闘家「……」テクテク
杏樹(やられちゃうんだ、私)
闇の格闘家「……」テクテク
杏樹(ごめんあいな、1人にしちゃって)
杏樹(ごめんありさちゃん、おすわ……約束守れなかった)
杏樹(ごめんあいあい、あいきゃん、きんぐ。皆んなの想い、無駄にしちゃった」
闇の格闘家「オオオオオオオオオ!」
杏樹(ごめん、しゅか……りこちゃん……!)
???「諦めんなよー」
???「助けるしw」
ズゴオオオオオオオオオオオン 〜玉座の間〜
魔王「さーて、1人になっちまったわけだが」
愛奈「あっ……いやっ……」ガクガク
魔王「貴様は一体何が出来るんだ?」
愛奈「来ないで……」ポイッポイッ
魔王「……」コツンコツン
魔王「何をするかと思えば石ころ投げるだけかよ」
魔王「気に入らねぇ!!!」
愛奈「ひっ……」 魔王「我が手を下す価値も無い小娘と思っていたが」
魔王「その態度が実に気に入らねぇ」
愛奈「たい……ど……?」
魔王「守ってもらってばかりで、いざ自分が窮地に陥っても何も変わらねぇ」
魔王「変わろうともしねぇ」
愛奈「だって、私は……」
魔王「もう良い」
愛奈「えっ?」
魔王「目障りだ。消えろ」
愛奈「あぁ……あぁ……」
魔王「消えろおおおおおおおおお」
???「あのさーひとつ言って良い?」
???「愛奈に手を出すのは許さない」
魔王「なにっ!?」
キィィィィィィィィィィン
愛奈「あ……ありしゃ!すわわ!」
有紗「待たせてごめん」
すわわ「もう大丈夫だから」 魔王「驚いた。アレを倒してくるとはな」
有紗「ちょーっと手こずったけどね」
愛奈「2人とも無事で良かった……」
すわわ「私たちだけじゃないよ」
愛奈「えっ?」
有紗「皆んな無事だよ」 〜地下通路〜
杏樹「り、りこちゃん!」
朱夏「ちょっとー私は?」
杏樹「しゅか!」
杏樹「良かった、2人とも無事だったんだ!」ギュー
朱夏「おーよしよし、怖かったでちゅねー」
杏樹「むぅ、馬鹿にしないでよ」
梨香子「あんちゃんw」
闇の格闘家「……」ユラッ
杏樹「あいつ、まだ生きてた」
朱夏「しぶといなぁ」
梨香子「私がやるしw」
杏樹「りこちゃん?りこちゃんはヒーラーでしょ?」
杏樹「それよりも回復を……」
朱夏「あーそれは無理」
杏樹「へ?どうして?」
朱夏「だって……りかこヒーラーじゃないし」 闇の格闘家「ウラアアアアアアア」
梨香子「……w」ブツブツ
回避魔法【ウルトラジャンプ】
梨香子「……w」ピョーン
闇の格闘家「!?」
杏樹「と、跳んだ!?」
梨香子「……w」ブツブツ
攻撃魔法【ボトルフレイム】
シュワッ シュワッ シュワッ シュワッ シュワッ
杏樹「りこちゃんの周りにペットボトルが……?」
梨香子「ファイヤw」
ボワァァァァァァァ
闇の格闘家「ギャアアアアアアアアアア」
杏樹「ペットボトルが火球になった!?」 杏樹「ね、ねぇしゅか……りこちゃんってもしかして」
朱夏「うん。そうだよ、りかこは……」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜数時間前〜
朱夏『あんじゅたちを先に行かせたは良いけど……』
朱夏『このままじゃうちらがやばい……』
朱夏『りかこ!りかこ!何か策は?」
梨香子『無いw』
朱夏『無いのかよ!』
梨香子『策は無いけど、何とかなるかも』
朱夏『えっ?』 シュワッ シュワッ シュワッ シュワッ シュワッ
朱夏『え、何これ?何でペットボトルが』
ボワァァァァァァァ
朱夏『う、うわああああ!』
ボワァァァァァァァ
巨神兵『グワワアアアアアアアア』
朱夏『あ、でかいのが倒れた』
梨香子『しゅか、今のうちに』
朱夏『ありがと。今のりかこがやったの?』
梨香子『分かんないけど多分そうw』
朱夏『どっちだし』
梨香子『何か頭の中に呪文が浮かんできたw』
朱夏『何それ』 朱夏『でも何とか助かったは良いけど、橋は崩れ落ちちゃったし』
朱夏『どうやってお城の方に行けば』
梨香子『大丈夫、掴まっててw』
朱夏『はい?』
梨香子『……w』ブツブツ
朱夏『うわぁ!……と、跳んでる!?』
朱夏『りかこすごーい!』
梨香子『……w』
朱夏『あ、そうだ。りかこヒーラーなら回復させてよ』
梨香子『ごめんそれは無理w』
朱夏『どうして』
梨香子『私ヒーラーじゃないしw』
朱夏『はぁ?』 朱夏『ヒーラーじゃなかったら何なのさ』
梨香子『何か魔法使いっぽいw』
朱夏『ま、魔法使い〜?いや、でも確かにさっきの見てたら納得するわ』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
朱夏「魔法使いというか魔道士というか」
杏樹「そうだったんだ。じゃあ何で最初ヒーラーなんて」
朱夏「あ、それもね……」 朱夏『何で最初ヒーラーって言ったの?』
梨香子『1回言ってみたかったw』
朱夏『えぇ……ヒーラーがどんな役割なのか知ってて言ったの?』
梨香子『知らないw』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
朱夏「だって」
杏樹「言ってみたくなる言葉でもないでしょりこちゃん……」
朱夏「お、そうこう言ってるうちに決着がつきそう」 闇の格闘家「……」ハァハァ
梨香子「トドメだしw」
ボワァァァァァァァ
闇の格闘家「ギャアアア……」バタリ
梨香子「したっけ!」
杏樹「りこちゃん凄いすごーい!」
梨香子「……w」
朱夏「さて、3人合流出来たことだし上へ登りますか」
杏樹「でも地下まで落ちちゃったんだよ?ここからまた登るのかぁ」
朱夏「へーきへーき。りかこが跳んでくれるから」
杏樹「なるほど!」
梨香子「2人はきついんですけどw」 〜城内1F〜
小林「この敵強いよー!」
かなこ「ヨハちゃんたちの活躍もあって他の敵はほとんど倒せたけど」
ワイバーン「グアァァァァ!」
ふり「このフロアのボスに相応しい強さだぜー」
ヨハちゃん282「ヨハっ!?」グサッ
小林「ちょっとー!ヨハちゃんがあいあいの撒いたまきびし踏んでるんですけどー!」
ふり「飛べって!その羽は飾りか!?」
小林「無茶言わないでくださいー!」
ワイバーン「グアアアッ!」
ふり・小林「ひいっ!」
かなこ「何やってんのさ」 ヨハちゃん283「ヨハー!」
ワイバーン「ガアァッ!」バシィ
ヨハちゃん283「ヨハッ……」バタリ
かなこ「それにしても、ヨハちゃんたちが居るから殲滅戦は向いてるけど」
かなこ「うちらのパーティー圧倒的火力不足だからボス戦は不利だよふりさん」
ふり「ダジャレ言うのか分析するのかどっちかにしろって!」
ふり「……ん、分析?」
かなこ「どうしたの?」 ふり「ちょっと今閃いたことがあって」
かなこ「閃いたこと?」
ふり「カメラって錬成出来る?」
かなこ「えぇ……。やってみなきゃ分かんないけど何に使うの?」
ふり「良いから!」
かなこ「ちょっと急かさないでー」
かなこ「むむむ……」
ふり「どきどき」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
かなこ「……はっ!出来た!」
ふり「よっしゃー!」
かなこ「で、何に使うの?」
ふり「ちょっと待ってなー」 ふり「ピントを合わせて……それっ」パシャリ
かなこ「えぇ、何撮ってんの。まさかインスタに上げる気?」
ふり「上げないわい!ほら、これ見て」
かなこ「んんー?何かお腹のとこが赤いね」
ふり「もしかしてここが弱点なんじゃ」
かなこ「なるほど!」
ふり「きゃーん!」
小林「なにー!?」
ふり「ヨハちゃんたちに、あいつのお腹攻撃させて!」
小林「よく分からないけど分かった!」 小林「いけー!ヨハちゃん!」
ヨハちゃん300「ヨハッ!」ポコポコ
ヨハちゃん301「ヨハーー!」ゲシゲシ
ヨハちゃん302「ヨハヨハッ!」ガブッ
ワイバーン「ァァァァァァァァァァ!!!」
ワイバーン「ヵッ……」バタリ
小林「や、やった!倒した!」
ふり「このフロアは制圧だぜー!」 かなこ「それにしても、カメラで撮れば弱点が分かるなんて」
ふり「これが忍びの力ってもんよ」
小林「忍者がカメラ使ってるなんて聞いたことないんですけど」
かなこ「まぁ諜報活動みたいなものかな」
小林「とにかくこれで後は上に登るだけだね」
ふり「敵が出てきてたってことはまだ魔王を倒せてないだろうし」
かなこ「急いで上に登って合流しよ」
ふりきゃん「おー!」 〜玉座の間〜
カンッ!カンッ!キィィンッ!
有紗「やーーー!」
すわわ「ふっ!」
ブシュウウウウウウ
魔王「ぐぬぅ……!」
魔王「我の剣さばきに付いてくるとは中々やりおる……」
有紗「お喋りしてる余裕なんてあるの?」
すわわ「愛奈を怖がらせた報い、受けてもらうよ」
魔王「ぐぅ……」
すわわ「有紗いくよ」
有紗「おっけー」
魔王「小癪な!」ブオオオオン
有紗「あぶなっ」
すわわ「ちゃんと避けなよ」
有紗「避けてるよ!」 すわわ「有紗は右から、同じタイミングで首元を刺す」
ありさ「りょーかい」シュッ
すわわ「私は左から」シュッ
魔王「このっ!」
有紗・すわわ「せーの!」
ズシャアアアアアアア
魔王「あああああああああああ!」
魔王「ぐ、ぐぅ……」バタリ
有紗「やったか」
すわわ「それはフラグだから駄目」 愛奈「凄い凄い!ありしゃとすわわすごーい!」
すわわ「愛奈、怖くなかった?」
愛奈「怖くなんて……こわ、く……」
すわわ「愛奈……」
愛奈「ごわがっだよーーー!!!」
すわわ「もう大丈夫だから」ナデナデ
愛奈「うん……」
有紗「ふふっ……っ!」
有紗「危ない!」ドンッ
愛奈「きゃっ」
すわわ「んぁ」
バァァァァァァン! シュウウウウウ……
有紗「いったー。やっぱやったかはフラグだねー」
すわわ「あ、有紗!」
魔王「ほう、受け止めたか」
愛奈「そんな……魔王は倒したはずじゃ……」
魔王「クックックッ、流石の我も焦ったぞ」
魔王「よもやこの“力”を使うことになるとはな」
有紗「力?」
魔王「我が何故、街の民からプラスの感情を奪ったと思う?」
すわわ「……」
魔王「冥土の土産に聞かせてやろう」 魔王「我は力を欲している」
すわわ「力?」
魔王「この世界の全てを支配出来る、力だ」
有紗「それが感情を奪うことと何の関係が?」
魔王「気付いたのだよ」
魔王「他人の感情を力に変えることが出来れば」
魔王「これほど楽なことはないと」
すわわ「なっ……」 魔王「貴様らは強い。それは認めよう」
魔王「認めた上で、貴様らを葬る為にこの力を使わせてもらおう」
魔王「この街だけではない……」
魔王「今まで滅ぼしてきた街の民から奪い続けてきた感情の力を以ってなぁ!!!」
シュイイイイイイイイイイン
すわわ「んあっ……!」
魔王「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
有紗「なにこの、禍々しいオーラは」
すわわ「……プラスとマイナスをかけ合わせたらマイナスになる」
すわわ「街の人のプラスの感情と、魔王のマイナスの感情がかけ合わさって」
すわわ「とんでもないマイナスの感情になってるんだと思う」
有紗「なるほど……!」
愛奈「感心してる場合じゃないよ!?」 魔王「ウゴアアアアアアアアア!!!」
バァァァァァァン!
有紗「……くっ!」
すわわ「有紗!」
魔王「グウウウウウウウウ!!!」
バァァァァァァン!
すわわ「んあっ!」
有紗「駄目、受け止めるだけで精一杯」
すわわ「さっきのが可愛く思えるくらい強くなってる……!」
魔王「これが……これが感情のエネルギー……!」
魔王「良いぞ……これこそ我が求めていた力だ……!」
有紗「どうするの?」
すわわ「何とかここは耐えきって、皆んなが戻ってくるのを……」
魔王「……言い忘れていたことがある」
すわわ「えっ?」 魔王「我の増幅した力は……この城全体に及んでいるのだ」
魔王「この城の……我の下僕全てが……この力を享受しているのだよ」
すわわ「そんな!」
有紗「ってことはもしかして……」
魔王「今頃、貴様らの仲間も我の力に恐れおののいていることだろう」 〜地下通路〜
杏樹「くっ……」
闇の格闘家(バーサーク)「ウラアアアアアアアアアア!!!」
ドォォォォォォォン!!!
杏樹「んはっ……」
梨香子「あんちゃん……」
朱夏「あんじゅ……だめ、にげて……」
杏樹「なんで……倒したはずなのに……」
杏樹「うわあああああ!」グルン
闇の格闘家(バーサーク)「ラアアアアアアアア!!!」グルン
ボゴオオオオオオ!!!
杏樹「ぐふっ……」バタリ
闇の格闘家(バーサーク)「……」ニヤリ
梨香子「……」
朱夏「……」 〜城内1F〜
ヨハちゃん442「ヨハァ……」パタリ
ヨハちゃん443「ヨ……ハ……」パタリ
ワイバーン(バーサーク)「キュアアアアアアア!!!」
小林「ヨハ……ちゃん……」
かなこ「何あいつ……倒したと思ったのに……」バタリ
ふり「強すぎだ……ての……」バタリ
ワイバーン(バーサーク)「……」バッサバッサ
ヨハちゃん444「ヨ……ヨハー!」
ワイバーン(バーサーク)「……」バシーン
小林「ヨ……ハ……ちゃん」バタリ
ヨハちゃん444「ヨハ……」パタリ 〜玉座の間〜
魔王「グオオオオオオオオオ!」
すわわ「んっ!」
ドゴォォォォォン
有紗「すわわ!」
魔王「よそ見してる場合か?」
有紗「あっ……」
バァァァァァァン!
有紗「あぁ!」
愛奈「ありしゃ!すわわ!」
すわわ「……くっ」
有紗「……っ」
魔王「どうしたどうした?さっきまでの威勢はどこへ行った?」 すわわ「くそっ」
すわわ「んあぁぁぁ!」
有紗「やーー!」
魔王「ふんっ」
バゴオオオオオオオン!
すわわ「んふっ……」バタリ
有紗「か……はっ……」バタリ
魔王「口ほどにもない」
愛奈「ありしゃ……すわわ……うそ……」 魔王「次は貴様の番だ、何も出来ない小娘」
愛奈「あっ……あぁ……」
魔王「今度こそ、消えるが良い」
愛奈「いやっ……」
魔王「クックックッ……ん?」
有紗「はぁ……はぁ……まだ、だから」
すわわ「愛奈に……手は出させない……」
魔王「まだその小娘を庇うと言うのか?」
魔王「守ったところで何も無いと言うのに」
すわわ「うるさい!」
有紗「守りたいから……守ってるの……」 魔王「呆れた友情だねぇ」
魔王「でも、いい加減目障りなんだよ」
魔王「消えろ」
ザクッ
グシャアアアア
すわわ「……ん……ぁ……」バタリ
有紗「……んぐっ……」バタリ
愛奈「あ、ありしゃ……?すわわ……?」
有紗「……」
すわわ「……」
愛奈「お願い……返事して、ねぇ!」
魔王「どういう気分だ?自分を守って倒れた仲間を見る気分は」
愛奈「いや……やめて……」
魔王「何も出来ないお前を守ったところで、得られるものなど無いというのにな」
魔王「アーッハッハッハッッハ!」 愛奈「どうして……私には何も無いの……?」
愛奈「私に力があったら……2人を傷つけることもなかった……」
愛奈「皆んなを傷つけることもなかった……」
愛奈「私も力が欲しい……皆んなと一緒に戦いたかった……!」
愛奈「何で私には……何の力も無いの……?」
――あなたに、力が無いなんてことはないわ
愛奈「だ、だれ?」
――あなたは、決して無力じゃない
愛奈「じゃあ私には何があるっていうの!?」
――あなたには“歌”がある 愛奈「う、歌?」
――だから歌いなさい、あなたの“歌”を
――あなただけの“歌”を
愛奈「で、でもこんなところで歌なんて」
――思い出して、初めて歌を歌った時のことを
――思い出して、皆んなと一緒に歌った時のことを
愛奈「……」
――それでも心細いなら、一緒に歌ってあげるから
――だから……
――とびっきりシャイニーな歌声、響かせて!
愛奈「……!」クワッ 魔王「さっきから何をごちゃごちゃと……お?」
愛奈「〜〜〜♪」
魔王「ふはっ、ふははははははっ!」
魔王「何をするかと思えばのんきに歌なんて歌うとは」
愛奈「〜〜〜♪」
魔王「あまりの恐怖についにおかしくなったか!……ん?」
有紗「……」ピクッ
すわわ「……」ピクッ
愛奈「〜〜〜♪」
魔王「な、なんだと……?」 〜地下通路〜
〜〜〜♪
杏樹「……んっ」
朱夏「なに……にゃーの声……?」
梨香子「声じゃない……歌だ……」
杏樹「あいなの歌が聞こえる……!」 〜城内1F〜
〜〜〜♪
ふり「にゃーの歌……?」
かなこ「幻聴……?」
小林「幻聴じゃないよ……何度も聴いてる、にゃーちゃんの歌だ……!」 魔王「ええい!だから何だと言うのだ!」
魔王「歌が聞こえたくらいで何があると言うのだ!」
有紗「……自分の目で」
すわわ「……確かめて見れば?」
魔王「なっ!?」 ――だからみんな元気で♪
朱夏「見て!傷が癒えてく!」
梨香子「逢田さん全快w」
杏樹「あいな……りこちゃん!しゅか!行くよ!」
朱夏「がってん!」
梨香子「やっつけるしw」
杏樹・朱夏・梨香子「うおおおおおおおおおお!」
闇の格闘家(バーサーク)「!?」
ズガアアアアアアアアアン!!! 〜城内1F〜
――また会えるようにきっと♪
かなこ「あれだけボロボロだったのが、嘘みたい」
小林「それに、力がみなぎってくる」
ふり「見て!」
小林「えっ……ヨハちゃん!?」
ふり「今まできゃんが召喚したヨハちゃんが1つになってる……」
かなこ「あれが、ヨハちゃんの完全体なの……?」
ヨハちゃん445「ヨーーーハーーー!」
小林「ヨハちゃん!」
小林・かなこ・ふり「いっけえええええええ!!!」
ヨハちゃん445「ヨハーーーーーーーーー!」
ワイバーン(バーサーク)「グフウウウウウウ!」
ズウウウウウウウウウウン!!! ――会いたい想いは繋がるからね♪
魔王「なんだ、何が起こっている……!?」
すわわ「愛奈の歌を聞くと、元気が出てくる」
有紗「愛奈の歌を聞くと、勇気が湧いてくる」
すわわ「歌は私たちに力をくれる」
有紗「歌に込められた想いが、力になるの!」
魔王「そんな、それはまるで……それは我が……」
すわわ「そう、あなたがやってることと同じ」
有紗「でも、他人から奪ったものを力にしてるあなたには」
有紗・すわわ「絶対に負けない!」
魔王「ぬう……だとしても、だとしてもだ!」
魔王「3人で一体何が出来るというのだ!?」
???「3人じゃない!」 シュウウウウウウウン
杏樹「よっと」
梨香子「腕がぱんぱんだしw」
朱夏「りかこ、お疲れ様」
すわわ「杏樹!梨香子!朱夏!」
バアアアアアアアン!
ふり「とうちゃーく」
ヨハちゃん445「ヨハー!」
かなこ「快適な旅だったねー」
小林「ヨハちゃん使い荒くない?」
有紗「あいあい!かなこ!あいきゃん!……と何あれ」
魔王「……忌々しいのが次から次へと」 杏樹「と、いうわけで!」
杏樹「この9人でAqoursです!」
ヨハちゃん445「ヨハヨハー!」
魔王「ぐぬぬ……」
愛奈「皆んな!」
杏樹「ありがとあいな」
小林「にゃーちゃんの歌、ちゃんと届いたよ」
すわわ「私たちを助けてくれるって、信じてた」
愛奈「うん……!ごめん、遅くなっちゃった」エヘヘ
魔王「ええい!9人揃ったから何だと言うのだ!」
魔王「まとめて消し去ってやる!!!」
杏樹「9人揃ったAqoursは、負けないんだから!」
杏樹「行くよ皆んな!」 朱夏「先ずは私が皆んなの道を切り開くぜー!」タッタッタッタッ
魔王「うおおおおおおおおおお!」
朱夏「よっ」シュッ
魔王「ちいいい!」
朱夏「ほっ」シュッ
魔王「ちょこまかとおおお!」
朱夏「へっへー、こっちこっちー」シュッ
魔王「このおおおおおお!」
朱夏「へっへーん。さては私が避けることしか脳が無いと思ってるなー?」
魔王「なにぃ!?」
朱夏「がら空きだよ……やーーー!」
ブシュウウウウ!!!
魔王「ああああああああ!目があああああああ!」 杏樹「魔王の動きが止まった!」
かなこ「いや凄いとこ刺しにいったね」
朱夏「きゃん!」
小林「任せて。ヨハちゃん!」
ヨハちゃん445「ヨハーーー!」
魔王「ぐ、ぐうう……」
かなこ「ヨハちゃんが魔王を羽交い締めにしてる……!」
小林「あいあい!この隙にあいつの弱点を!」
ふり「よしきた!ピントを合わせて……せい!」パシャリ
魔王「やめろおおおお……!」
ふり「その顔はインスタには上げられねーぜ」
かなこ「どうだった?」
ふり「胸のとこがめっちゃ赤くなってる。弱点はここかー?」 魔王「がああああああああ!!!」
ヨハちゃん445「ヨ、ヨハァ……」
小林「だめ、ヨハちゃんだけじゃ抑えられない……!」
梨香子「加勢するしw」
梨香子「……w」ブツブツ
上級魔法【Golden Week-紅葉狩り-】
ヒラリ ヒラリ ヒラリ
魔王「な、なんだ……?」
サアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
小林「きゃっ!?」
ふり「大量の紅葉が魔王に……?」
ボワァァァァァァァ
かなこ「紅葉が燃えた!」
魔王「ああああああああああ!!!」
ふり「えぐっ!逢田さんえぐっ!」
小林「ねーえー!ヨハちゃんまで燃えちゃうじゃん!」
梨香子「……w」 魔王「が……はっ……」
魔王「だが……無駄だ……ふんんん!」
シュイイイイイイイイイイン
朱夏「魔王の負のオーラが増幅してる……!」
小林「傷も回復してってるし、やっぱり弱点を潰さないと駄目なの……?」
杏樹「だったら!」
杏樹「うおおおおお!たーーーーー!」グルン
ドゴォォォォォン
魔王「げふっ!」
朱夏「あんじゅの回し蹴りきたー!」
魔王「う……お……」ヨロヨロ 朱夏「効いてる!」
杏樹「いたたた……」
すわわ「杏樹、大丈夫?」
杏樹「平気だけど、蹴った感覚が何か変……」
すわわ「変?」
杏樹「あいつの胸、きっと何かあるよ」
有紗「じゃあ確認してみますかー」
杏樹「ありさちゃん?」
有紗「行こ、すわわ」
すわわ「うむ」 小林「有紗?」
有紗「ごめん、ちょっとあいつの動きを止めて」
小林「もう、ヨハちゃん使い荒すぎなんだってば!」
ヨハちゃん445「ヨハッ!」
魔王「ぬ……おおおお」
有紗「よっと、なんとか魔王に取り付けた」
すわわ「こっちの準備はOK」
有紗「いくよ、せーの!」
グサッ
有紗「そのままー」
すわわ「んっ」
ズシャアアアアアアア
かなこ「うわーグロっ」
杏樹「めっちゃ引き裂いてますやん」
ふり「あ、見て!」
小林「あいつの胸の中、何かある……!」 有紗「なに?結晶?胸の中に結晶が埋め込まれてる」
すわわ「あれが弱点……分かった」
有紗「もしかして、あの結晶に街の人たちの感情が?」
ふり「自分の体内に取り込むなんてそりゃ強くなるわけだ」
朱夏「ということはあれを破壊すれば!」
小林「街の人たちの感情が解放されて、魔王を倒せる!」
杏樹「そういうことなら!」
梨香子「いけーあんちゃん!w」
杏樹「ふぅ……はっ!」グルングルン
ドゴォォォォォン
杏樹「いっ……!固すぎ!」
朱夏「そんな、杏樹の回し蹴りでびくともしないなんて……」
魔王「無駄だ……そうやすやすと壊せるものではないぞ……」
有紗「……」
すわわ「……」 有紗「かなこ」
すわわ「ちょっといい?」
かなこ「来ると思ったよ」
有紗「でかくてごつい剣が欲しい」
すわわ「大きくて頑丈な剣が欲しい」
かなこ「どっちも同じじゃね?まぁ良いや、任せて」
かなこ「むむむむむ……んんんん」
すわわ「かなこ、頑張って」
かなこ「中々……今度の依頼は大変だ……って」
かなこ「んんん……きたきたきたー!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
有紗「おー!」
すわわ「凄い、理想通り」
小林「あのやり取りで形にするふつー?」
ふり「流石ユニット対抗で優勝したアゼさん」
梨香子「ああ見えて息ぴったりw」 朱夏「よっ!ほっ!」シュッシュッ
杏樹「たーーー!」グルングルングルン
ドゴォォォォォン
魔王「ふはは!効かぬわ!」
杏樹「くそぉ!……おぉ?」
朱夏「やっとかよー」
有紗「ごめん待たせた」
すわわ「んっ」
杏樹「りこちゃん、しゅか。2人の露払いするよ!」シュッ
朱夏「おっけー」シュッ
梨香子「さっさとやっつけてこいしw」ピョーン
有紗「任せてー」 愛奈「ありしゃ、すわわ」
すわわ「愛奈」
有紗「愛奈、この戦いが終わったら……」
愛奈「あ、ありしゃ?」ドキッ
有紗「すわわが美味しいお店連れてってくれるから愛奈も行こ」
愛奈「ずこー!」
すわわ「言ってないしまたフラグ立てるなって」
愛奈「あっはっはっはっwww」
有紗「あ、やっと愛奈っぽくなった」
愛奈「えぇ!?そうかな?」
すわわ「愛奈はこうでないと」
有紗「ずっとしおらしかったもんね」
愛奈「なんかもーほんとご心配をおかけしましたー!」 有紗「さ、緊張もほぐれたことだし行きますか」
すわわ「私は別に緊張しないけど」
有紗「うらやましー」
愛奈「ありしゃ、すわわ。頑張って」
有紗「任せて」
すわわ「うむ」
愛奈「私も、戦うから」
有紗「うん」
すわわ「頼りにしてる」
有紗「私は?」
すわわ「知らない」シュッ
有紗「あー待って」シュッ 有紗「ねーねー私はー?」
すわわ「あーもう静かにしてよ」
有紗「私頼りにされてない?」シュン
すわわ「……ほら、有紗は右から」
有紗「……はーい」
すわわ「頼りにしてるんだからちゃんとやってよ」ボソッ
有紗「……!」
すわわ「いくよ!」
有紗「おっけー!」
魔王「何をごちゃごちゃ言い合ってるかと思えば……!」
魔王「返り討ちにしてくれる!」
魔王「うおおおおおおお!」 愛奈「……」
愛奈「〜〜〜♪」
ブォォォォォォン
すわわ「有紗!」
有紗「分かってる!」
魔王「な、何だ……?」
愛奈「〜〜〜♪」
愛奈(お願い、2人に力を!)
シュイイイイイイイイイイン
有紗「やーーーーーー!」
すわわ「んぁーーーー!」
魔王「これが……歌の力……!」
ズシャアアアアアアア!!!
魔王「ああああああああああああ!」
小林「魔王の腕を切り落とした!」
ふり「鬼すぎっ!」
かなこ「流石私が錬成した剣」 杏樹「あとはあの結晶をぶち壊すだけ!」
朱夏「いけー!」
梨香子「トドメだしw」
魔王「やめろ……やめろ……」
すわわ「んぁーーーー!」
有紗「はーーーーー!」
魔王「やめろおおおおおお!」
愛奈「有紗!すわわ!」
有紗・すわわ「やーーーっ!」
ガンッッッッ
……ピキピキピキピキピキピキ
魔王「あっ……あっ……」バタリ
パリィィィィン!!! 杏樹「や……やったー!」
朱夏「魔王を倒したぜー!」
梨香子「結晶も粉々w」
小林「見て!」
キラキラ……キラキラ……
かなこ「光が、拡散してる」
ふり「きっと結晶に閉じ込められて4たものが、街の人たちのとこに戻ったんじゃないかなー」 有紗「はぁ……はぁ……」
すわわ「有紗、おつかれ」
有紗「すわわもね」
愛奈「ありしゃー!すわわー!2人とも凄かったよー!」
有紗「愛奈だって凄かったよ」
すわわ「愛奈の歌のおかげ」
愛奈「いやー面と向かって言われると照れますなぁ」
有紗「それじゃこれで、すわわに美味しいお店連れてってもらえるってことで」
愛奈「やったー!」
すわわ「だから言ってな……はぁ。何が食べたいの」
有紗・愛奈「肉!」
すわわ「はいはい」 ピカッ
杏樹「な、なに!?」
朱夏「私たちの身体が……光ってる」
梨香子「眩しいw」
かなこ「占い師さんが言ってたことが本当なら」
ふり「元の世界に戻れるってことかー」
朱夏「もしまた違う世界に飛ばされたらどうしよ」
有紗「その時はまた戦おう」
すわわ「んっ」
杏樹「そうだね。この9人なら絶対に負けないよ!」
小林「……」
愛奈「あいきゃん?」 ヨハちゃん445「ヨハ……」
小林「ヨハちゃん……」
ふり「そっか、元の世界に戻れるってことはヨハちゃんとも……」
朱夏「占い師さんにもお礼を言いたかったね」
杏樹「あとマスターさんにも」
有紗「美味しいものをちゃんと美味しいって言えるようになったのかなー」
かなこ「マスターさんもきっと美味しい料理作れるようになってるよ」
梨香子「そういえば結局無銭飲食じゃんw」
愛奈「あ、それは大丈夫」
有紗「愛奈払ってくれたの?」
愛奈「ううん!でもちょーーっとこれで勘弁してくれませんかー」
愛奈「ってのを代わりに置いておいたから!」
有紗「?」 小林「ヨハちゃん……今までありがとね」
ヨハちゃん445「ヨハァ……」
小林「守ってくれて、戦ってくれて、ありがと」ポロポロ
ヨハちゃん445「ヨハ……」ナデナデ
小林「……っ。大好きだよ、ヨハちゃん」
ヨハちゃん445「ヨハッ!」
ふり「きゃん……」
かなこ「お別れは済んだ?」
小林「うん……ヨハちゃん、ばいばいっ、またね!」
ヨハちゃん445「ヨハー!」ノシ かなこ「もうそろそろなのかな」
梨香子「身体が透けてきたw」
朱夏「でも何か怖いね」
愛奈「元の世界に戻れるかもしれないけど」
有紗「この世界からは消えちゃうってことだもんね」
杏樹「じゃあさ、手を繋ごうよ」
小林「杏樹、名案」
すわわ「こうしてると、ライブの時を思い出すね」
ふり「それなー」
朱夏「それなら、アレやっときますか?」
梨香子「やろうw」
小林「じゃあ杏樹、お願い」
杏樹「……」コクリ
杏樹「Aqoursー!」
9人「サーーーンシャイーーーン!」
シュウウウウウウウン 〜酒場〜
ワイワイガヤガヤ
マスター「街に活気が戻ってる……!」
マスター「嬢ちゃんたちやったんだな!」
マスター「こうしちゃ居られねぇ、開店準備を……ん?」
マスター「嬢ちゃんたちが座ってた席に何か落ちてるな」
マスター「これは……レシピ?」 〜リハスタ〜
杏樹「ふわぁ〜おはようございま〜す」
梨香子「おはようあんちゃんw」
朱夏「ずいぶん眠そうじゃーん」
杏樹「何か変な夢見ちゃって……身体が凄い疲れてるんだよね」
梨香子「どんな夢?」
杏樹「それが……断片的でよく思い出せなくて」
杏樹「ただひたすら回し蹴りしてたような?」
朱夏「何それ修行じゃん」 朱夏「まぁ夢ってことなら私も変な夢見たけど」
梨香子「私もw」
杏樹「りこちゃんとしゅかも?」
朱夏「りかこに振り回されてたことしか覚えてないけど」
梨香子「ちょっと何それーwていうか私夢に出てきたのかよーw」
杏樹「そういうりこちゃんは?」
梨香子「黒歴史を掘り返された気がする」
朱夏「意味分からんw」 かなこ「ういーっす」
ふり「はよーっす」
かなこ「あれ?きゃん元気無いね?」
ふり「何か変な夢見たんだって」
かなこ「へぇ、どんな?」
小林「あんまり覚えてないけど、起きたら枕が濡れてた……」
かなこ「夢の中で泣いてたん……」ヒキッ
ふり「あーでもあーしも夢見たっけ」
小林「あいあいはどんな夢?」
ふり「何か、カメラで写真撮りまくってたような」
小林「フォトジェニック極めすぎでしょ」 かなこ「ていうか2人とも変な夢見てたんなら私が凄い言いづらいんですけどー」
ふり「かなこも見たの?」
かなこ「何か物創りしてる夢だった」
小林「何それ、前世の記憶?」
かなこ「いやしかも何か凄いこき使われた気がするんだよねー」
ふり「へー。皆んな同じ日に変な夢見るなんてことあるんだねー」 有紗「おはよぉ……Zzz」
すわわ「有紗、半分寝てるよ」
有紗「変な夢見たせいで寝不足ー」
すわわ「有紗も見たの?」
有紗「“も”ってことはすわわも?」
すわわ「うむ」
有紗「ふーん」
すわわ「言うと思った」
有紗「でも何か夢の中でずっとすわわと一緒だった気がする」
すわわ「奇遇。私も有紗とずっと一緒に居た」 有紗「……ねぇ、もしかしてだけどさ。夢の中で1つやり忘れてたこと、無い?」
すわわ「これまた奇遇。1つ、あった」
愛奈「おはよー!ありしゃ!すわわ!」
愛奈「いやー今日は変な夢見ちゃってー」
愛奈「何かありしゃとすわわが凄いイケメンだったのよーって、あら?」
有紗・すわわ「愛奈!」ギュー
愛奈「ちょー!?いきなり抱きしめてくるなんて、えぇー!?」
愛奈「あぁでも、これが正夢ってやつかしらwww」 有紗「あ、もう1つ忘れてた」
すわわ「?」
有紗「肉!すわわがごちそうしてくれるって!」
愛奈「あ、私も夢の中でそんな約束してた気がする!」
すわわ「不本意だけど私もそんな覚えが……」
すわわ「……んぁ!?ごちそうする約束はした覚えないけど!?」
有紗「えーしたよー」
すわわ「してない!」
愛奈「あっはっはっはwww」 ....................
..........
.....
〜酒場〜
カランカラン
占い師「やっとるね」
マスター「あ、占いのババア」
占い師「口を慎めっていつも言ってるやん?」
マスター「へいへい」
占い師「それにしても、魔王が来る前よりも繁盛してるみたいやね?」
マスター「新メニューがヒットしちまってねぇ」
占い師「ほう、新メニュー」
マスター「実は今まで食ったものの中で1番美味いものがあるんだけどさ」
マスター「そのレシピだけ貰い受けたわけよ」
マスター「まぁぶっちゃけ、自分が食った味にはまだまだ及ばないんだけどな」
占い師「未完成品を出してるってこと?」ジトー
マスター「うぐっ……でもいつかあの味にたどり着いてみせる!」
占い師「暑苦しいねぇ。じゃあその新メニューとやらを頂こうかな」
占い師「この“あいなちゃん印のオムライス”を」
マスター「はいよ!」
-END- 小宮さんが姫騎士感あるってスレ見て思いついたネタなので
よく分からない話が出来上がったけど反省はしてない
バトルもののSS書ける人は凄いですね・・・ 乙です
魔王の結晶が絶対消えない3Dクリスタル落ちかと思った >>152
それはそれで草
そっち路線のギャグも読んでみたい 乙
全員に見せ場があって良かった
あとノリが某絶唱アニメっぽくて笑う すごく面白かった
全員の個性と見せ場があってよかった
ブックマークする >>132
>かなこ「流石私が錬成した剣」
これがすごい脳内再生余裕で笑ってしまった
他のメンバーのセリフもいかにも言いそうで良かった
特に一年生
連レスでごめん 引き込まれてしまって思わず涙が出てしまいました(おたより感) やっぱり王道が1番!
面白かった!
全員に見せ場があるのは大変よろしい 個人の趣味とか活かしてて面白かったしなにより長編なのに読みやすかった
まさかヨハちゃんの横の数字が伏線になってるとは思わなかったわ
乙 ふりのおねえちゃん呼びだけ気になったけど再現率すごいな 面白かった グラブルコラボっぽい感じもあるけど王道ファンタジーでよろしい
3年のミラチケ衣装が姫、姫騎士、騎士団長って最近みた話題だなw あいきゃんの再現率がやたら高くて脳内再生余裕だったw
乙でした >>22
ここのなろう感はんぱねえw
余裕で脳内再生できるw ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています