花陽「個人的な恨みはありませんが、私はあなた達が……その、嫌いです。大嫌いなんです」


 立場を明確にするために強めの口調で言います
 こんな事を他人に言うのは初めてです。だけど、心には何の抵抗もありません

 ホントに誰かを嫌うことがあるとどういう心境になるのか、初めて味わう経験です


「あっそ……。そんなすごいスキルを使えるのにあんなやつらに肩入れなんて…もったいないわね」

花陽「あなた達なんかよりずっといい子達ですっ」

「嫌われたもんだな」


花陽「それより、はやく髪の毛を置いて帰ってください」

「イヤだと言ったら?」

花陽「……え?」ドキッ


 私が一人、人質として騎士の人を捕まえているのにどうしてこの人達は引かないんでしょう

 ……それより、私が考える話の流れでこの人達を諦めさせることができない
 スキル「それ正解!」がさっきから全然発動してくれません


「俺を人質として交渉材料に考えてるんなら無駄だぜ」

「俺達はある目的のために組んではいるが、仲間のために…なんて考えはない」

「目的の邪魔になるなら当然、捨てるわよ」


花陽「……………」