-セト村


花陽「…………………」


 この世界に来て何度か体感していたのに、私はまた足をとめてしまいます
 ユリカさんの話してくれた事を私は平和ボケした頭で想像し、理解した気でいたのです


花陽「うっ…………ぅぅ…」グッ


 野盗による襲撃。私は村中の食べ物とかそういったのを根こそぎ奪っていったとか、そういうイメージで考えていました
 外から見えていた建物はほんとに村の外周にあって、被害が少なかったのだと思います

 みんな殺された……とても酷い事をされたんだと思います
 だけど、こんなの……あんまりです……


花陽「ハァ……ハァ……ぅ」ヨロッ


 お家の地下室から外に出たと思ったけど、そこは家の中じゃありませんでした
 辺り一面瓦礫の山。屋根もなにもない、家だったものが破壊されつくしていました

 そして、残骸の先……道を挟んだ向かいの瓦礫から見えるのは、人の手足……
 ユリカさん達は隠れ住んでいました。だから外の状況に手をつけることも出来ないまま