偶然にも日記を元に始まりの自分の記憶を知った私は、この資産を元手に、歴史を逆に辿り正規のクラスメイトと津島善子を戻そうと考えた。

今の自分は消えてしまうが、ちょっとした記憶喪失や、あるいは夢の中での出来事だと思えば、特に怖さはなかった。

本来存在しなかったはずの私が、これから先の津島善子の礎になるのだと思うと、かえって面白さもあった。