愛香「ヨハネの声が聞こえなくなった」
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かなこ「ふぅー、リハーサル終わったねぇ」
降幡「もうすぐ本番かぁ、早いもんだね」
かなこ「んんー…私アンコールの1年生のところ、まだちょっと不安なんだよね」
降幡「うん、じゃあ最終確認ってことで残ってやるか!ね、きゃん!」
愛香「…………」ズゥゥゥン…
かなこ「あいきゃん?」
愛香「はぁ……」 降幡「どうした?顔色悪いけど…」
かなこ「体調悪いんだったら早く帰った方がいいよ?」
愛香「ヨハネ…」
かなこ「善子?善子がどうかした?」
愛香「どうして…」ハァ…
降幡「これ大丈夫じゃなさそうだね」
かなこ「悩み事だったら相談乗るよ」
愛香「うぅっ…誰にも言わない?他のメンバーに心配掛けたくなくて」
ふりきん「もちろん」 愛香「…聞こえないの」
かなこ「なにが?」
愛香「ヨハネの、声が……」
愛香「ヨハネの声が聞こえなくなっちゃった…」
ふりきん「(あっっっっっっっ……)」
愛香「いつも声掛けてくれるのに…なにも聞こえなくて…」
降幡「えっと…いつから聞こえなくなったの?」
愛香「3日前から…」
愛香「忙しいのかなって思ったりはしたんだけど…」グスッ 降幡「どーすんのこれ…」ヒソヒソ
かなこ「1人で善子も演じながら話してるなんて言えないしなぁ…」ヒソヒソ
愛香「ううっ…ヨハネ…」グスッグスッ
杏樹「あれ、あいきゃんどーしたの?!」
朱夏「泣いてる…?」
ふりきん「(ヤバい!!!!)」
降幡「大丈夫!うちらでなんとかするから!」アセアセ
かなこ「みんなこの後仕事あるんでしょ?」 朱夏「まあ、相談するんだったらふりとかなこの方が話しやすいと思うしね」
杏樹「じゃあ二人共よろしくね。何かあったら連絡して!」
降幡「うん!あ、ありがと〜」
かなこ「…さて、どうしようか」
降幡「う〜ん…」
愛香「ヨハネ…ヨハネ…」
ヌッ……
降幡「ん?」クルッ
梨香子「あいきゃんどーしたのw」
降幡「うおっ?!?!」 かなこ「びっくりした…愛奈と有紗も」
梨香子「なんで泣いてるのw」
愛奈「あいきゃん…?」
有紗「何があったのこれ」
降幡「えーっと…ちょ、ちょっと色々あって…」
かなこ「心配しないで。私とふりがなんとかするから」
愛香「っ、ぅ、うわぁぁぁん!!!」ダッ
ふりきん「あいきゃん?!」 ドンッ
すわわ「おい!こっちは次のアフレコしに行こうとしt「うわぁぁぁん!!!」ダッ
すわわ「……えっ」ポカーン
降幡「すわわ、気にしないで!」
かなこ「ふり、追いかける?」
降幡「無理に話聞くのもなんだか…」
かなこ「今のあいきゃんだとなにするかわからないよ?」 降幡「今はそっとしておいてあげた方がいいんじゃないかな。一人になりたくて逃げたんだと思うし…」
かなこ「…そうだね」
降幡「んー…でもやっぱり心配だよなぁ」
かなこ「ふりはこの後用事ある?」
降幡「ないけど…」
かなこ「この後二人でお茶でもしながらどうしたらいいか考えない?」
降幡「…わかった、そうしよう」 〜小林家〜
ガチャ
愛香「ただいま……」
シーン…
愛香「ぁ…ぁ……」
愛香「やっぱり、聞こえ、ない……」
愛香「いつもなら、おかえりって、言ってくれるのに…」
愛香「どうして…?ヨハちゃん、何処に行っちゃったの…?」
愛香「私、嫌われるようなことした…?」 〜善子部屋〜
ガチャ
愛香「…ヨハちゃん、ただいま。何処にいるの?出ておいで?」
シーン…
愛香「ねぇ、いちごとチョコ、買ってきてるから、さ……」
愛香「苦いチョコレートはあまり好きじゃないんだよね。大丈夫、苦いのじゃないしホワイトチョコもあるから…」
愛香「いちごはね?有紗が勧めてくれたとちおとめだよ…?」
愛香「お願い、何処にいるの…?私を1人にしないで…」グスッ
愛香「私を置いて行かないで…」ポロポロ
愛香「っ、返事してよ!!!いるんでしょ?!?!」 キィィィィィィィン!!!!
愛香「み、耳の奥がっ……!!」
ピカァァァ!!!!!
愛香「え…?ヨハネの、フィギュアが、光って…」
善子『こば、やし…』
愛香「ヨハちゃん?!ヨハちゃん、どうしたの?!」
善子『…て…』
愛香「え?!なに?!』
善子『す、けて…』
善子『た、すけて…』
愛香「え……?!」
ピカァァァァァァアアアアアア!!!!!!!
愛香「ぎゃああああああああああっ?!?!?!!?!」 〜沼津駅前〜
愛香「……ん…」パチ…
愛香「んはっ!え、ここ、沼津?!」
愛香「(うわ、これ何時くらい?絶対夜遅いよね…スマホ…)」
愛香「10時って…」
「っ、グスッ、───ちゃん、」
愛香「?」
「ねぇ、またり…、って呼んでよっ…」
「お願いっ………こ…ちゃん」
「もう怒ったりしないからぁっ…!!」ポロポロ
愛香「あの…?」
「あ……」ハッ 愛香「(暗くて顔が見えない…)」
愛香「高校生…かな?こんな時間にどうしたの?」
「ご、ごめんなさいっ!」ダッ
愛香「ええっ?!ちょ、待って!」
愛香「(行っちゃった…)」
愛香「(あの綺麗な髪、どこかで見たような…)」
警察「すみませーーん!」
愛香「えっ?」
警察「ガラス飛んでて危ないんで退いてくださーい!」
愛香「ガラス…?あ、ほんとだ」
愛香「(嫌な予感がする…)」
愛香「あ、あの…何かあったんですか?」
警察「あの倒れてるトラックですよ、事故があったんです」
愛香「事故……?」 愛香「え、あのトラックですか?随分酷い事になってますね…」
警察「お母さんとお子さんの方は助かったんですけどね…」
愛香「(ほんとだベビーカーある…)」
愛香「(お父さんの方が…かな)」
愛香「すみません。お邪魔しました〜」
愛香「(これからどうしよう…)」
愛香「(お金どころかバッグすらない、スマホだけだ…)」
愛香「(夜遅いし…泊まる所探さないと…)」 愛香「んー、どうしよ…」
愛香「……ん?」
「なんで───ちゃんは平気でいられるの?!」
「えっ……」
「だってあんな酷い目に遭ったんだよ?!なにも思わないの?!」
「ちが、違うよ───ちゃん!!」
「───ちゃんて、そういう人だったんだ」
「っ…前を向こうって、みんなで頑張ろうって言ったのは───ちゃんだよ?!」
愛香「(また高校生くらいの子…?なにしてるのこんな時間に…)」 「もう、───ちゃんなんて知らない」ダッ
「ま、待って、待ってよ…!」
愛香「(え、なにあれ、喧嘩してる…?)」
タッタッタッ……
愛香「(うわ、こっち向かってくる…!)」
ダダダダダ……………
ビッターーーーーーーン!!!!
「いっったたたた……」
愛香「え……」 千歌「あっちゃー…血出ちゃったぁ…絆創膏持ってないよぉ…」
愛香「ん?!」
千歌「ほえ?」パッ
愛香「(ち、千歌ちゃん…?!)」
千歌「あはは…ごめんなさい、恥ずかしいところ見せちゃった。失礼しますっ」タッ
愛香「……あ」
愛香「ば、絆創膏、あるよ!」
千歌「え……」クルッ 愛香「よ、よかったら…」スッ
愛香「(そうだ、このスカートポケットに絆創膏入れっぱなしだったんだ…)」
千歌「え、いいですよそんな…」フルフル
愛香「家、ここからちょっと遠いでしょ?そのままでいたら…」
千歌「…?私の家、知ってるんですか?」
愛香「(しまった……!)」
愛香「う、うーん、な、なんとなく!」
千歌「すみません。じゃあ、ありがたく…」 ペタッ
愛香「はい、できたよ」
千歌「ありがとうございます」
千歌「…あ、あの…観光の方ですか?」
愛香「え、う、うん!まあそんなとこ…かな」
千歌「こんな時間まで出歩いて…どうしたんですか?」
愛香「(それはあなたの方だよ…!!)」
愛香「えっと…と、泊まる場所がなくて…」 千歌「…うちの旅館、来ます?」
愛香「えっ」
千歌「平日はお客さんあんまり来なくて…ガラガラなんですよ」エヘヘ…
愛香「でも、でも私お金持ってないよ!」
千歌「大丈夫ですよ、きっとみんな許してくれると思うし…」
愛香「……いいの?」
千歌「はい!じゃあお母さんに電話してきます!」 プルルルル
千歌「あ。もしもしお母さん?終わったから…うん、迎えに来て?…ありがと」
千歌「それとね、泊まる場所ないって言ってる人がいて…女の人!」
千歌「本当?!よかったぁ…うん!じゃあ待ってるね」
ピッ
千歌「大丈夫でしたよ。これからお母さんが車で迎えに来るんで」ニコッ
愛香「なんか…ごめんね」
千歌「いえいえ、最初に助けてもらったのはこっちですし」 〜車〜
愛香「すみません、よろしくお願いします」
千歌母「はーい、あら若いのね」
愛香「えっ、いやいやそんな…もうアラサーですしw」
千歌母「でも20代なんだから全然若い方よ?」
愛香「あはは…」
千歌「このお姉さんね、絆創膏くれたんだ」
千歌母「えっ、そうなの?ごめんなさいね、迷惑掛けちゃったみたいで」
千歌「とーっても優しくれたんだ!」
愛香「そ、そんな…///」 津島善子の人気を落とした元凶
在日コリアン小林チョン香さん!? 千歌母「……ところで千歌、曜ちゃんはどうしたの?」
千歌「……あ、えっと…曜ちゃんのお母さんが迎えに来てくれるって」
千歌母「…嘘は良くないって昔から言ってるよね?」
千歌「う、嘘なんかついてないもん…」シュン…
愛香「(…あ、もしかしてさっき千歌ちゃんが喧嘩してた相手って…)」
愛香「(なにがあったんだろ…)」 〜十千万〜
千歌「ここがうちの旅館です!」
愛香「おおー!アニメでm…ゴホッゴホッ、すごいね!」
千歌母「どうぞ上がって」
愛香「お邪魔します」
千歌「私、部屋の準備してくるね!」ダッ
愛香「え、いいよそこまでしなくて…!」
千歌母「あらあら、珍しく今日は張り切ってるわね」クスッ 千歌「ここのお部屋でいい?」
愛香「わあっ…一人じゃ広すぎるくらいだよ、ありがとう!」
千歌「ゆっくりしていってね!後でご飯持ってくるから!うちのお父さんの料理、すごいんだよ〜!」
愛香「わかった、待ってるね」
千歌「あ、ご飯まで時間あるから温泉入っていてもいいよ!張り紙を見てその通りに進めば辿り着くから!」
愛香「うん!何から何までありがとう!」 〜翌朝〜
愛香「んん……」パチ
愛香「(寝たら帰れるのかなって思いはしたんだけど…)」
愛香「(とりあえず、私が千歌ちゃん達の世界に来ちゃったことは理解した)」
愛香「(そういえばヨハちゃん、『助けて』って…どういう意味なんだろ、あれ…)」
愛香「(今日は何か手掛かりを探そう…)」
愛香「昨日のご飯、美味しかったな…」ムクリ ピコン
愛香「スマホ…?」パッ
愛香「(ラインの通知…?こっちでも使えるんだ…)」
愛香「………ライン、ニュース……?」
【最新情報】
沼津駅前大型トラック事故
16歳女子高校生意識不明の重体か
愛香「へ………?」
『善子『た、すけて…』』
愛香「…………まさか」ハッ 愛香「………」ピッ
【最新情報】
昨日12時頃、沼津駅前の信号無視した大型トラックが青信号の横断歩道を横切り、16歳の女子高校生津島善子さんが轢かれ搬送先の病院で意識不明の重体。
現場近くの目撃情報によると津島さんは轢かれそうになった前を歩いている親子を庇ったという。尚、親子は共に軽症で済んだとのこと。
警察はトラックの運転手を現行犯逮捕した。
愛香「な……なんで……」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています